JP2004042504A - 色素組成物およびそれを用いた光記録媒体 - Google Patents

色素組成物およびそれを用いた光記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】高速記録特性に優れ、且つ1倍速記録でも良好な記録再生特性を有する光記録媒体のための色素組成物を提供する。
【解決手段】記録特性が異なる第1の色素および第2の色素の2種類の色素を混合して色素組成物を作製し、それを光記録媒体の記録層に使用する。本発明の光記録媒体は、前記第1の色素の記録波長での屈折率n1および消衰係数k1と、前記第2の色素の記録波長での屈折率n2および消衰係数k2との関係が、下記式(A)、(B)および(C)の関係を満たすことにより、高速記録特性に優れ、且つ1倍速記録でも良好な記録再生特性を有する。前記2種類の色素としては、例えば、アゾ化合物の金属キレート錯体およびシアニン系色素が好ましい。
k1>k2                            (A)
1.00<k1/k2≦5.00                  (B)
n1/n2≦1.05                       (C)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体の記録層に使用される色素組成物およびそれを使用した追記型の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
追記型光記録媒体は、情報の再生だけでなく、情報の記録も可能なものである。追記型光記録媒体は、基板上に記録層を有した構造であり、基板側から記録層にレーザーを照射して、情報の記録と再生を行う。情報の記録は、記録層中の有機色素が照射レーザー光を吸収して発熱、溶融、分解、蒸発等の熱的変化をおこし、これにより基板が変形したり色素が変質する等の物理的若しくは化学的変化により、行われる。一方、記録情報の再生は、レーザー光を照射し、上記変化の発生している部分と発生していない部分の反射率差を読み取ることにより行われる。前記記録層に使用される色素としては、アゾ化合物の金属キレート化合物である含金属アゾ系色素や、シアニン系色素、フタロシアニン系色素等が汎用されている。
【0003】
追記型光記録媒体のなかでは、記録波長が630〜680nmのものが盛んに開発されており、例えば、1倍速記録のDVD−Rメディアについては、規格化がなされている。今後は、CD−Rと同様に、DVD−Rにおいても、高速記録に向けた開発が、さらに加速されると予想されるが、すでに1倍速記録が規格化されていることから、1倍速規格に準拠した高速記録対応のDVD−Rの開発が望まれている。追記型光記録媒体が、高速記録に対応するためには、記録パワーを下げることが必要であり、具体的には、より高感度な色素材料を記録層に用いることが重要である。1倍速記録のDVD−R規格には、その記録方法として、信号の長さに合わせて、各信号での記録パルス幅が規定されている(以下、「記録ストラテジ」と称する)。1倍速規格には、標準的な記録ストラテジが規定されており、1倍速規格を満足し、且つ高速記録に対応するためには、この標準的な記録ストラテジで諸特性を満たすことが必須となる。
【0004】
しかしながら、高速記録のために、色素材料の熱分解温度の低下、光学特性の最適化を行い、記録パワーを減少させると、1倍速での最適な記録ストラテジが、規格化された標準的な記録ストラテジから変化してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、高速記録特性に優れ、且つ1倍速記録でも良好な記録再生特性を有する光記録媒体のための色素組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の色素組成物は、光記録媒体の記録層に使用される色素組成物であって、記録特性が異なる第1の色素および第2の色素の2種類の色素を含有し、前記第1の色素の記録波長での屈折率n1および消衰係数k1と、前記第2の色素の記録波長での屈折率n2および消衰係数k2との関係が、下記式(A)、(B)および(C)の関係を満たす。
k1>k2                            (A)
1.00<k1/k2≦5.00                  (B)
n1/n2≦1.05                       (C)
なお、n1/n2の下限値は特に限定されないが、0を越える値である。
【0007】
さらに、本発明の光記録媒体は、基板上に記録層が形成されている光記録媒体であって、前記記録層が前記本発明の色素組成物を含む光記録媒体である。この構成を有することにより、本発明の光記録媒体は、高速記録特性に優れ、且つ1倍速記録でも良好な記録再生特性を有する。なお、本発明の色素組成物は、DVD−Rに適しているが、その他の追記型光記録媒体にも使用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記記録波長は特に限定されないが、630〜680nmが好ましい。また、本発明の色素組成物は、色素を3種類以上含んでいても良く、その場合、前記第1の色素および第2の色素の含有量が他の色素よりも多いことが好ましい。
【0009】
本発明の色素組成物において、前記2種類の色素が、それぞれアゾ化合物の金属キレート錯体であるか、または、前記2種類の色素が、アゾ化合物の金属キレート錯体およびシアニン系色素の少なくとも一つの色素であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の色素組成物において、前記2種類の色素のうち少なくとも1種類が、例えば、下記一般式(I)で表される化合物と金属とのキレート錯体であることが好ましい。
【化8】
Figure 2004042504
(I)
ただし、式中、
Dは5員環以上の単環または縮合環であり、酸素原子およびイオウ原子の少なくとも一方を含んでいても良く、式中に示した以外の窒素原子をさらに含んでいても良い。
Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されている。
上記DおよびBは、任意の置換基を有していても良い。
Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
【0011】
上記一般式(I)において、DまたはBが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有することがより好ましい。
【0012】
他の一例として、前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(II)で表される化合物と金属とのキレート錯体であることが好ましい。
【化9】
Figure 2004042504
(II)
ただし、式中、
Aは、イソキサゾールに縮合した環である。
Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されている。
上記AおよびBは、任意の置換基を有していても良い。
Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
【0013】
上記一般式(II)において、AまたはBが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有することがより好ましい。
【0014】
さらにその他の一例として、前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(III)で表される化合物と金属とのキレート錯体であることが好ましい。
【化10】
Figure 2004042504
(III)
ただし、式中、
、R、RおよびRは、それぞれ水素原子または任意の置換基である。
Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
【0015】
上記一般式(III)において、R、R、RおよびRが、それぞれ水素原子、アルキル基またはシアノアルキル基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有することがより好ましい。
【0016】
さらにその他の一例として、前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(IV)で表される化合物と金属とのキレート錯体であることが好ましい。
【化11】
Figure 2004042504
(IV)
ただし、式中、
、RおよびRは、それぞれ水素原子または任意の置換基である。
Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
【0017】
上記一般式(IV)において、R、RおよびRが、それぞれ、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有することがより好ましい。
【0018】
さらにその他の一例として、前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(V)で表される化合物と金属とのキレート錯体であることが好ましい。
【化12】
Figure 2004042504
(V)
ただし、式中、
およびRは、それぞれ水素原子または任意の置換基である。
Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
【0019】
上記一般式(V)において、RおよびRが、それぞれ、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有することがより好ましい。
【0020】
さらにその他の一例として、前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(VI)で表される化合物と金属とのキレート錯体であることが好ましい。
【化13】
Figure 2004042504
(VI)
ただし、式中、
は、水素原子または任意の置換基である。
Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
【0021】
上記一般式(VI)において、Rが、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有することがより好ましい。
【0022】
さらにその他の一例として、前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(VII)で表される化合物と金属とのキレート錯体であることが好ましい。
【化14】
Figure 2004042504
(VII)
ただし、式中、R、RおよびRは、水素原子または任意の置換基である。
Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
【0023】
上記一般式(VII)において、R、RおよびRが、それぞれ、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基、または任意に窒素原子、酸素原子およびイオウ原子のうち少なくとも一つを含む単環もしくは縮合環であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有することがより好ましい。
【0024】
前記一般式(II)〜(VII)で表される化合物のうち、下記Table1〜6に示す式(1)〜(35)のいずれかで表される化合物が特に好ましい。
【化15】
Figure 2004042504
【化16】
Figure 2004042504
【化17】
Figure 2004042504
【化18】
Figure 2004042504
【化19】
Figure 2004042504
【化20】
Figure 2004042504
【化21】
Figure 2004042504
【化22】
Figure 2004042504
【化23】
Figure 2004042504
【化24】
Figure 2004042504
【化25】
Figure 2004042504
【0025】
さらにその他の一例として、前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記式(L10)〜(L17)、(L20)〜(L22)のいずれかで表されるアゾ化合物の金属錯体であるか、または式(L18)で表されるシアニン系色素であることが特に好ましい。
【化26】
Figure 2004042504
(L10)
【化27】
Figure 2004042504
(L11)
【化28】
Figure 2004042504
(L12)
【化29】
Figure 2004042504
(L13)
【化30】
Figure 2004042504
(L14)
【化31】
Figure 2004042504
(L15)
【化32】
Figure 2004042504
(L16)
【化33】
Figure 2004042504
(L17)
【化34】
Figure 2004042504
(L18)
【化35】
Figure 2004042504
(L20)
【化36】
Figure 2004042504
(L21)
【化37】
Figure 2004042504
(L22)
【0026】
前記色素において、キレート錯体を形成する金属は、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
【0027】
次に、本発明の光記録媒体について説明する。
【0028】
図1に、本発明の光記録媒体の一例の断面を示す。図示の通り、この光記録媒体は、基板1と、記録層2と、反射層3と、貼り合せ層4と、貼り合せ基板5とが、この順番で積層されている。そして、適切な箇所にグルーブ部6(スパイラル状の連続溝)を備えている。
【0029】
基板1は、記録に用いるレーザー光に対して透明な材質であれば特に限定されないが、例えば、ガラス、およびポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂等のプラスチックが好ましい。これらの中で、ポリカーボネート樹脂が射出成形性、転写性が良いため特に好ましい。
【0030】
記録層2は、前記本発明の色素組成物を含む。色素は、アゾ化合物の金属キレート錯体およびシアニン系色素から選択されることが好ましく、同じ色素系で複数の種類を混合してもよい。また、高速記録に対応するため、いずれも各々単独でも、ほぼ同じ波長領域で記録可能な材料であることが好ましい。記録層2の膜厚は、グルーブ部で5〜15nmであることが好ましく、7〜13nmが特に好ましい。
【0031】
反射層3は、記録層を透過した光を効率よく反射するものであれば特に限定されないが、例えば、Au、Ag、Cu,Alなどの高反射率金属またはそれらを含む合金を用いることができる。その膜厚は効率よく反射光を得るためには50nm以上であることが好ましい。前記膜厚は、100〜200nmが、記録層にかかる記録時の熱を伝達または遮蔽する効果が高く特に好ましい。反射層3は、必要に応じて複数層であっても良い。また、金属元素の分布が異なる材質により形成されていても良く、さらに、そのような材質が積層されていても良い。
【0032】
貼り合せ層4は、反射層上と貼り合せ基板を接着できるものであれば特に限定されないが、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂等が量産性に優れ好ましい。また、貼り合せ層4は、必要に応じ層状やシート状であってもよい。貼り合せ基板5は、予め信号が記録されているか、または信号記録が可能な層が形成された基板であってもよい。
【0033】
この光記録媒体は、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、まず、基板1を準備し、この上に記録層2を形成する。必要に応じて基板1と記録層2との間に下引き層等を設けても良い。記録層2の形成方法は特に限定されないが、例えば、スピンコート法、浸漬法、真空蒸着法、スパッタリング法が適用可能である。これらの中で、スピンコート法が均一な混合状態を容易に作ることが可能であり好ましい。このとき必要に応じて、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリビニルブチラール等のバインダーを配合してもよい。また、求められる記録層の安定性確保のため、分散剤、他の種類の色素、一重項酸素クエンチャーとして金属キレート化合物等を適宜含有してもよい。スピンコート法、浸漬法により記録層を形成する際の溶剤は、特に限定されないが、エチルセロソルブ、ジアセトンアルコール、シクロヘキサン、テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロプロパノール等が比較的安価で適している。
【0034】
次に、記録層2の上に反射層3を形成する。その方法は特に限定されないが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等を用いることができる。そして、反射層3の上に貼り合せ層4を形成し、さらにその上に貼り合せ基板5を貼り合せて光記録媒体を形成することができる。
【0035】
以上のようにして本発明の光記録媒体を製造することができるが、本発明はこれに限定されず、他の方法により製造しても良い。また、本発明の光記録媒体の構造も上記に限定されず、他の構造を有していても良い。
【0036】
本発明の光記録媒体の使用方法も特に限定されないが、その特性から、高速記録および低速記録の両方に好適に用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0038】
(実施例1)
前記式(L10)および(L11)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0039】
1−1. L10ニッケルキレート錯体の合成
(1) [2−(5−メチル−3−イソキサゾリルアゾ)−4−エトキシ−5−(ジエチルアミノ)−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン(L10)の合成]
まず、3−アミノ−5−メチルイソキサゾール0.5g、酢酸5.1ml、62%硫酸1mlを仕込み2℃に冷却した(これをA液とする)。一方、別の容器に、3−(ジエチルアミノ)−4−エトキシ−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン・トリフルオロメタンスルホン酸塩2.8g、メタノ−ル15.3mlを仕込み、2℃に冷却した(これをB液とする)。次に、A液に44%ニトロシル硫酸1.8gを20分かけて滴下した。この液を、B液に30分で滴下し、1.5時間撹拌の後、少量の水を加え、晶析、濾過し、精製して目的物を得た(収量0.45g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子0.87gをメタノール9ml中に懸濁させて加熱撹拌し、55℃で酢酸ニッケル四水和物0.24gを加えた。2時間加熱撹拌後、放冷し結晶を濾過し、熱湯、メタノールで洗浄して目的物を得た(収量0.75g)。
【0040】
1−2. L11ニッケルキレート錯体の合成
(1) [6−(5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾリル−2−アゾ)−1−メチル−7−(トリフルオロメタンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(L11)の合成]
まず、44%ニトロシル硫酸3.6gを5℃まで冷却し、酢酸4.7ml、62%硫酸8.7ml、60%硝酸0.4mlを加え、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール2gを10分かけて滴下、攪拌した(これをA液とする)。一方、別容器に、メタノール35ml、尿素0.24g、1−メチル−7−(トリフルオロメタンスルホニル)アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン3.5gを仕込み溶解し、冷却した。これにA液を12分で滴下し40分攪拌後、重曹水10ml、水10mlを加え、晶析、濾過し、精製して目的物を得た(収量0.3g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子0.3gをメタノール6ml中に懸濁させて加熱撹拌し、50℃で酢酸ニッケル四水和物0.1gを加えた。2時間加熱撹拌後、放冷し結晶を濾過し、熱湯、メタノールで洗浄して目的物を得た(収量0.27g)。
【0041】
1−3. 光記録媒体の作製
まず、上記L10およびL11のニッケルキレート錯体を質量比5:5で混合し、テトラフルオルプロパノールに溶解し1重量%溶液とした。次に、これを50℃下で30分間超音波分散した後、加圧ろ過し、その液をスピンコートにより板厚0.6mmのポリカーボネート基板上に塗布し記録層を形成した。そして、この記録層上に、スパッタリング法により膜厚100nmのAg膜を形成し反射層とした。さらに、この反射層上に紫外線硬化樹脂(商品名SD−301;大日本インキ製)をスピンコートし、板厚0.6mmの貼り合わせ基板を接着して記録媒体とした。
【0042】
(実施例2)
前記式(L12)および(L13)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0043】
2−1. L12ニッケルキレート錯体の合成
(1) [6−(4,5−ジシアノ−3−エチル−2−イミダゾリルアゾ)−1−メチル−7−(トリフルオロメタンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(L12)の合成]
まず、水18ml、35%塩酸4mlを混合し、これに2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール0.6gを加え5℃以下に冷却した。次に、ここに亜硝酸ナトリウム0.34gを水2mlに溶かした溶液を15分かけて滴下し、5℃以下に撹拌してジアゾニウム塩を含む反応液を得た(これをA液とする)。一方、別の容器に、1−メチル−7−(トリフルオロメタンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン1.3gをメタノール19mlに溶かして5℃以下に冷却した。そして、これにA液を5℃以下で40分かけて滴下、1時間撹拌後、反応液をろ過、乾燥して前駆体を得た。この前駆体1.9g、メタノール43ml、炭酸カリウム0.63gを混合し、室温で硫酸ジエチル0.43mlを50分かけて滴下後、3時間撹拌した。その反応液をろ過して得られた結晶を湯洗、熱メタノール洗浄して目的物を得た(収量1.6g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子1.5g、メタノール33mlを混合し、40〜45℃で酢酸ニッケル四水和物0.42gを加え、3時間還流した。これを熱ろ過して得られた結晶を湯洗、アセトニトリル洗浄して目的物を得た(収量1.2g)。
【0044】
2−2. L13ニッケルキレート錯体の合成
(1) [2−(4−シアノ−3−ベンゾイソキサゾリルアゾ)−5−(ジエチルアミノ)−N−トリフルオロメタンスルホニルアニリン(L13)の合成]
まず、3−アミノ−4−シアノベンズイソキサゾール0.49g、酢酸3ml、プロピオン酸1.5mlを仕込み0℃に冷却し、62%硫酸0.31mlを5分で滴下した(これをA液とする)。一方、別の容器に、3−(ジエチルアミノ)−N−トリフルオロメタンスルホニルアニリンのトリフルオロメタンスルホン酸塩1.23g、酢酸ナトリウム0.75g、尿素0.075g、メタノール9mlを仕込み、0℃に冷却した(これをB液とする)。次に、A液に44%ニトロシル硫酸1.1gを−5℃以下で30分間かけて滴下し、この液を2時間攪拌後、B液に−5℃以下で1.5時間かけて滴下した。さらに1.5時間撹拌の後、結晶を濾過し精製して目的物を得た(収量0.21g)。
(2) [錯体化]
上記で得た配位子0.21gをメタノール3ml中に懸濁させて加熱撹拌し、浴温55℃で酢酸ニッケル四水和物0.06gを加えた。これを2時間加熱撹拌後、結晶を熱濾過、熱湯洗し、さらにアセトン、メタノールで洗浄し濾過、乾燥して目的物を得た(収量0.19g)。
【0045】
2−3. 光記録媒体の作製
L10およびL11のニッケルキレート錯体に代えてL12およびL13のニッケルキレート錯体を用いる以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
【0046】
(実施例3)
前記式(L14)および(L13)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0047】
3−1. L14ニッケルキレート錯体の合成
(1) [6−[6−メチル−2−(2−ピリジル)−4−ピリミジニルアゾ)−1−メチル−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン(L14)の合成]
まず、1−メチル−7−(トルフルオロメタンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン1.0g、メタノール5ml、酢酸2.5ml、ピリジン2.5ml、ヨウ素0.013g、2−ヒドラジノ−5−トリフルオロピリジン1gを仕込み、30%過酸化水素水1.2gを1.5時間で滴下した。これを16時間撹拌後、ろ過して得られた結晶を熱メタノール洗浄して目的物を得た(収量0.41g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子0.41gを、メタノール6ml中に懸濁させて撹拌しながら加熱し、50℃で酢酸ニッケル四水和物0.10gを混合し、さらに2時間還流後、放冷し結晶を濾過し、湯洗、熱メタノール洗浄して目的物を得た(収量0.32g)。
【0048】
3−2. 光記録媒体の作製
L13のニッケルキレート錯体を実施例2と同様にして合成し、さらに、L14およびL13のニッケルキレート錯体を質量比4:6の割合で混合する以外は実施例1と同様の手法で光記録媒体を作製した。
【0049】
(実施例4)
前記式(L15)および(L16)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0050】
4−1. L15ニッケルキレート錯体の合成
(1) [6−(6−トリフルオロメチル−4−ピリミジルアゾ]−1−メチル−7−(トリフルオロメタンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(L15)の合成]
まず、1−メチル−7−(トルフルオロメタンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン0.9g、メタノール5ml、酢酸3ml、ピリジン3ml、ヨウ素0.017gを仕込んだ。次に、ここに4−ヒドラジノ−6−メトリフルオロメチルピリミジン0.9gを20分かけて少しずつ加え、30%過酸化水素水0.93gを3時間かけて滴下した。0℃以下で5時間撹拌後、ろ過して得られた結晶を湯洗、メタノール洗浄して目的物を得た(収量1.0g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子1.0g、エタノール45ml、アセトン5mlを混合し、40℃で酢酸ニッケル四水和物0.35gを加え、70〜75℃で3時間加熱撹拌後、反応液を熱ろ過した。得られた結晶を湯洗し、さらにメタノールで洗浄して目的物を得た(収量0.9g)。
【0051】
4−2. L16ニッケルキレート錯体の合成
3−アミノ−4−シアノベンズイソキサゾールに代えて3−アミノ−6−シアノベンズイソキサゾールを用いる以外は2−2(L13ニッケルキレート錯体の合成)と同様にして[2−(6−シアノ−3−ベンゾイソキサゾリルアゾ)−5−(ジエチルアミノ)−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン(L16)のニッケルキレート錯体を合成した。
【0052】
4−3. 光記録媒体の作製
L15およびL16のニッケルキレート錯体を質量比4:6の割合で混合する以外は実施例1と同様の手法で光記録媒体を作製した。
【0053】
(実施例5)
前記式(L17)および(L13)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0054】
5−1. L17ニッケルキレート錯体の合成
(1) [6−(5−トリフルオロメチル−2−ピリミジルアゾ)−1−メチル−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン(L17)の合成]
1−メチル−7−(トルフルオロメタンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン1.3g、メタノール17ml、酢酸5ml、ヨウ素0.06g、2−ヒドラジノ−5−トリフルオロピリジン2.2gを仕込み、30%過酸化水素水2.7gを1時間で滴下した。これを2時間撹拌後、ろ過して得られた結晶を熱メタノール洗浄して目的物を得た(収量0.62g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子0.60g、メタノール5ml中、酢酸ニッケル四水和物0.17gを混合し、2時間還流後、放冷し結晶を濾過し、湯洗して目的物を得た(収量0.57g)。
【0055】
5−2. 光記録媒体の作製
L13のニッケルキレート錯体を実施例2と同様にして合成し、さらに、L17およびL13のニッケルキレート錯体を質量比7:3の割合で混合する以外は実施例1と同様の手法で光記録媒体を作製した。
【0056】
(実施例6)
前記式(L17)で表されるアゾ化合物を配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、これと前記式(L18)で表されるシアニン色素とを用いて光記録媒体を作製した。
【0057】
6−1. 光記録媒体の作製
L17のニッケルキレート錯体を実施例5と同様にして合成し、さらに、インドレニン系シアニン色素L18とL17のニッケルキレート錯体とを質量比5:5の割合で混合する以外は実施例1と同様の手法で光記録媒体を作製した。
【0058】
(比較例1)
前記式(L13)および(L20)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0059】
7−1. L20ニッケルキレート錯体の合成
(1) [2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリミジルアゾ)−5−(ジエチルアミノ)−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン(L20)の合成]
3−(ジエチルアミノ)−N−(トルフルオロメタンスルホニル)アニリン1.5g、メタノール17ml、酢酸5ml、ヨウ素0.06g、2−ヒドラジノ−5−トリフルオロピリジン2.2gを仕込み、30%過酸化水素水2.7gを1時間で滴下した。2時間撹拌後、ろ過して得られた結晶を熱メタノール洗浄して目的物を得た(収量0.6g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子0.58g、メタノール4ml、酢酸ニッケル四水和物0.15gを混合し、4時間還流後、放冷し結晶を濾過し、湯洗して目的物を得た(収量0.53g)。
【0060】
7−2. 光記録媒体の作製
L13のニッケルキレート錯体を実施例2と同様にして合成し、さらに、L13およびL20のニッケルキレート錯体を質量比6:4の割合で混合する以外は実施例1と同様の手法で光記録媒体を作製した。
【0061】
(比較例2)
前記式(L14)および(L21)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0062】
8−1. L21ニッケルキレート錯体の合成
(1) [2−(4,5−ジシアノ−3−エチル−2−イミダゾリルアゾ)−5−(ジエチルアミノ)−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン(L21)の合成]
水18ml、35%塩酸4mlを混合し、これに2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール0.6gを加え5℃以下に冷却。ここに亜硝酸ナトリウム0.34gを水2mlに溶かした溶液を15分かけて滴下し、5℃以下に撹拌してジアゾニウム塩を含む反応液を得た(これをA液とする)。一方、別の容器に、3−(ジエチルアミノ)−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アニリン1.3gをメタノール15mlに溶かして5℃以下に冷却した。これにA液を5℃以下で30分かけて滴下、1時間撹拌後、反応液をろ過、乾燥して前駆体を得た。この前駆体1.7gと、メタノール40ml、炭酸カリウム0.6gとを混合し、室温で硫酸ジエチル0.45mlを1時間かけて滴下後、3時間撹拌した。反応液をろ過して得られた結晶を湯洗、熱メタノール洗浄して目的物を得た(収量1.7g)。
(2) [錯体化]
(1)で得た配位子1.5g、メタノール30mlを混合し、45℃で酢酸ニッケル四水和物0.45gを加え、3時間還流した。熱ろ過して得られた結晶を湯洗、アセトニトリル洗浄し、目的物を得た(収量1.2g)。
【0063】
8−2. 光記録媒体の作製
L14のニッケルキレート錯体を実施例3と同様にして合成し、さらに、L14およびL21のニッケルキレート錯体を質量比6:4の割合で混合する以外は実施例1と同様の手法で光記録媒体を作製した。
【0064】
(比較例3)
前記式(L22)および(L20)で表されるアゾ化合物をそれぞれ配位子として用いてニッケルキレート錯体を合成し、さらに、それらを用いて光記録媒体を作製した。
【0065】
9−1. L22ニッケルキレート錯体の合成
(1) [2−(5−メチル−3−ベンズイソキサゾリルアゾ)−4−エトキシ−5−(ジエチルアミノ)−N−トリフルオロメタンスルホニルアニリン(L22)の合成]
まず、3−アミノ−6−シアノベンズイソキサゾール4.5g、酢酸15ml、62%硫酸30mlを混合、攪拌しながら0℃に冷却した(これをA液とする)。一方、別の容器に、3−(ジエチルアミノ)−4−エトキシ−N−トリフルオロメタンスルホニルアニリンのトリフルオロメタンスルホン酸塩10.2g、メタノール90mlを仕込み、攪拌しながら0℃に冷却した(これをB液とする)。次に、A液に44%ニトロシル硫酸10.4gを0℃以下、30分で滴下し、得られた液をB液に0℃以下、1.5時間で滴下した。2時間撹拌後、反応液を濾過して得られた結晶を温水、メタノールで順次洗浄後、乾燥して、2−(5−メチル−3−ベンズイソキサゾリルアゾ)−4−エトキシ−5−(ジエチルアミノ)−N−トリフルオロメタンスルホニルアニリン(前記式(L22)で表されるアゾ化合物)を得た(収量:3.8g)。
(2) [錯体化]
上記で得たアゾ化合物を配位子とし、ニッケルキレート化合物を合成した。すなわち、まず、上記アゾ化合物2.0gをメタノール30ml中に懸濁させて撹拌しながら50℃で酢酸ニッケル四水和物0.6gを加えた。そして、2時間加熱撹拌後、濾過して得られた結晶を温水、メタノールで洗浄し、乾燥して、目的のニッケルキレート化合物を得た(収量:2.0g、LC−MS実測値:1055。理論値:1055)。
【0066】
9−2. 光記録媒体の作製
L20のニッケルキレート錯体を比較例1と同様にして合成し、さらに、L22およびL20のニッケルキレート錯体を質量比5:5の割合で混合する以外は実施例1と同様の手法で光記録媒体を作製した。
【0067】
(記録パワー評価)
上記のようにして作製した実施例1〜6および比較例1〜3の光記録媒体の記録パワー評価を、パルステック工業製評価機(商品名DDU−1000)を用いて行った。記録波長は658nm、再生波長は650nmとした。各光記録媒体は、1倍速と4倍速で記録し、記録パワーと変調度(信号振幅)を確認した。各色素単膜での光学定数(屈折率n、消衰係数k)と合わせて結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 2004042504
【0069】
表1から分かる通り、実施例の光記録媒体は、1倍速で0.6以上の変調度を有し、4倍速での記録パワーが21mW以下であることから、両方の速度での記録に適していた。これに対し、比較例1および2の光記録媒体は、1倍速では良いが、4倍速では記録パワーが21mWを超え不適であった。また、比較例3の光記録媒体は、4倍速では良いが、1倍速では変調度が0.6未満であり不適であった。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、高速記録特性に優れ、且つ1倍速記録でも良好な記録再生特性を有する光記録媒体のための色素組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
3 反射層
4 貼り合せ層
5 貼り合せ基板
6 グルーブ部

Claims (19)

  1. 光記録媒体の記録層に使用される色素組成物であって、前記色素組成物は、記録特性が異なる第1の色素および第2の色素の2種類の色素を含有し、前記第1の色素の記録波長での屈折率n1および消衰係数k1と、前記第2の色素の記録波長での屈折率n2および消衰係数k2との関係が、下記式(A)、(B)および(C)の関係を満たす色素組成物。
    k1>k2                            (A)
    1.00<k1/k2≦5.00                  (B)
    n1/n2≦1.05                       (C)
  2. 前記2種類の色素が、それぞれアゾ化合物の金属キレート錯体である請求項1記載の色素組成物。
  3. 前記2種類の色素が、アゾ化合物の金属キレート錯体およびシアニン系色素の少なくとも一つの色素である請求項1記載の色素組成物。
  4. 前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(I)で表される化合物と金属とのキレート錯体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素組成物。
    Figure 2004042504
    (I)
    ただし、式中、
    Dは5員環以上の単環または縮合環であり、酸素原子およびイオウ原子の少なくとも一方を含んでいても良く、式中に示した以外の窒素原子をさらに含んでいても良い。
    Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されている。
    上記DおよびBは、任意の置換基を有していても良い。
    Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
  5. DまたはBが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有する請求項4記載の色素組成物。
  6. 前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(II)で表される化合物と金属とのキレート錯体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の色素組成物。
    Figure 2004042504
    (II)
    ただし、式中、
    Aは、イソキサゾールに縮合した環である。
    Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されている。
    上記AおよびBは、任意の置換基を有していても良い。
    Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
  7. AまたはBが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有する請求項6記載の色素組成物。
  8. 前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(III)で表される化合物と金属とのキレート錯体である請求項1〜7のいずれか1項に記載の色素組成物。
    Figure 2004042504
    (III)
    ただし、式中、
    、R、RおよびRは、それぞれ水素原子または任意の置換基である。
    Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
    Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
  9. 、R、RおよびRが、それぞれ水素原子、アルキル基またはシアノアルキル基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有する請求項8記載の色素組成物。
  10. 前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(IV)で表される化合物と金属とのキレート錯体である請求項1〜9のいずれか1項に記載の色素組成物。
    Figure 2004042504
    (IV)
    ただし、式中、
    、RおよびRは、それぞれ水素原子または任意の置換基である。
    Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
    Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
  11. 、RおよびRが、それぞれ、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有する請求項10記載の色素組成物。
  12. 前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(V)で表される化合物と金属とのキレート錯体である請求項1〜11のいずれか1項に記載の色素組成物。
    Figure 2004042504
    (V)
    ただし、式中、
    およびRは、それぞれ水素原子または任意の置換基である。
    Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
    Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
  13. およびRが、それぞれ、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有する請求項12記載の色素組成物。
  14. 前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(VI)で表される化合物と金属とのキレート錯体である請求項1〜13のいずれか1項に記載の色素組成物。
    Figure 2004042504
    (VI)
    ただし、式中、
    は、水素原子または任意の置換基である。
    Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
    Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
  15. が、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有する請求項14記載の色素組成物。
  16. 前記2種類の色素のうち、少なくとも1種類が、下記一般式(VII)で表される化合物と金属とのキレート錯体である請求項1〜15のいずれか1項に記載の色素組成物。
    Figure 2004042504
    (VII)
    ただし、式中、R、RおよびRは、水素原子または任意の置換基である。
    Bは、単環または縮合環であり、炭素原子と水素原子で構成されているか、または炭素原子と窒素原子と水素原子で構成されており、任意の置換基を有していても良い。
    Zは、炭素数1以上のアルキル基であり、水素原子が1個以上のフッ素原子により置換されていても良い。
  17. 、RおよびRが、それぞれ、水素原子、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基、または任意に窒素原子、酸素原子およびイオウ原子のうち少なくとも一つを含む単環もしくは縮合環であり、Bが、任意にフッ素原子で置換されたアルキル基、アルコキシル基、シアノアルキル基、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基のうち少なくとも一つの置換基を有する請求項16記載の色素組成物。
  18. キレート錯体を形成する金属が、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜17のいずれか1項に記載の色素組成物。
  19. 基板上に記録層が形成されている光記録媒体であって、前記記録層が請求項1〜18のいずれか1項に記載の色素組成物を含むことを特徴とする光記録媒体。
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