JP2004042453A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット記録ヘッドにおける電気接合部の良好な封止を行ない常に良好なインク吐出を行なう。
【解決手段】記録ヘッドの基板1側のバンプ電極4と配線部材であるベースフィルム6からのリード5とのТAB接合を行ない、その部分を封止樹脂7によって封止する構成において、記録ヘッドのノズルなどを形成する流路形成部材2Aとバンプ電極との距離Dを、封止樹脂7と基板1の表面との密着力が充分になるよう比較的長く(0.1mm以上)する。
【選択図】 図7
【解決手段】記録ヘッドの基板1側のバンプ電極4と配線部材であるベースフィルム6からのリード5とのТAB接合を行ない、その部分を封止樹脂7によって封止する構成において、記録ヘッドのノズルなどを形成する流路形成部材2Aとバンプ電極との距離Dを、封止樹脂7と基板1の表面との密着力が充分になるよう比較的長く(0.1mm以上)する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インクジェット記録ヘッドを構成する基板とこの基板外の配線部材との電気接続部を絶縁等のために封止する構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンタは、低コスト、簡易な構成でカラー記録を可能とし、また、高解像度等の高画質の記録を行なうことができるものとして普及している。インクジェット記録方式の記録ヘッドの構造は種々あり、そのうち、吐出に利用される熱エネルギーを発生するヒータの面に垂直な方向にインクを吐出する構造の、いわゆるサイドシュータ型の記録ヘッドは、半導体製造工程と同様の工程で製造でき、特にインク吐出口の高密度化が可能であることから多く用いられている構造の一つである。
【0003】
この構造の記録ヘッドは、一般に、上記ヒータ等が形成された基板と、この基板外のヘッド構成部材であって基板へ供給する電気配線を形成した部材(本明細書では、「配線部材」という)とを具える。そして、基板と配線部材の配線との電気接続は、TAB(Tape Automated Bonding)接合によって行なわれることがほとんどである。これは、この接続にともなう製造工程を効率化でき、また、接続部を高密度に配置できるなど、TAB接続方式が比較的多くの利点を有しているからである。
【0004】
米国特許5519421号公報には、駆動回路を組み込んだ基板と、プラスチックフィルムに銅配線を施し中央に基板取り付け用の開口を形成した配線部材とをTAB接続して製造される記録ヘッドが開示されている。
【0005】
また、他の構成として、図1(a)および(b)に示す構造の記録ヘッドが知られている。図1(a)はこの構造の記録ヘッドの正面図であり、主に、ノズル(インク吐出口)3のノズル列が二列配列する面をなすオリフィスプレート2と、その周囲の配線部材であるベースフィルム6を示している。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線断面図であり、主に、吐出口3およびそれに連通するインク流路や、基板1上の電気配線とベースフィルム上の電気配線とのTAB接続の構成を示している。
【0006】
これらの図に示す構造の記録ヘッドは、主に図1(b)に示すように、ヒータ20やその駆動回路(不図示)を形成した基板1上に流路形成部材2Aを積層しその上に硬化性樹脂よりなるオリフィスプレート2を形成することにより、吐出口3やこれに連通するインク流路が形成されるものである。また、基板1上の電気回路と、これに記録ヘッド外部から電力等を供給するための媒介となる配線部材、すなわちベースフィルム6とは、基板側のバンプ電極4とベースフィルム側のТABリード5とのТAB接合によって電気的な接続が行なわれる。そして、この接続部は電気的絶縁やインクによる腐食防止等のため、封止樹脂7によって封止される。
【0007】
なお、図1(a)および(b)に示す構造の記録ヘッドは、基板1の中央に設けられたインク供給口8を介して基板裏側に設けられたインク室(不図示)から供給されるインクが各インク流路ヘ至り、そのヒータ20の駆動により発生する熱を利用してインク中に気泡を生じその圧力によって吐出口(ノズル)からインクを吐出するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した記録ヘッドの構造のうち、特に図1(a)および(b)に示す構造の記録ヘッドは、その電気接続部の封止の構成について以下のような問題がある。
【0009】
第1の問題は、本質的に流路形成部材と封止部材との密着性が比較的劣ることに起因した問題である。図2および図3はこの問題を説明する図であり、電気接続部の詳細を示している。流路形成部材2Aと封止樹脂7との密着性が劣ることによって、これらの間に図2に示すように微細な隙間Sができることがある。一方、インクジェット記録ヘッドでは、その記録動作に伴うインク吐出によって、記録用紙から跳ね返ったインクや浮遊するインクが流路形成部材の表面などにインク滴9として付着する。そして、付着したインク滴9は上記の隙間Sに入り込み、基板1の表面まで至ることがある。その結果、基板表面における電気配線などで、インク中のイオンによる電気的な腐食を生ずることになる。この腐食の問題は、インク中に上述した構造の記録ヘッドを浸して所定の電位差の電圧を印加する実験によっても確かめることができる。この実験の条件は記録中の記録ヘッドがおかれる環境とほぼ同様のものである。すなわち、記録ヘッドは上述したように、記録動作に伴い、記録用紙から跳ね返ったインクや浮遊するインクが流路形成部材の表面などの記録ヘッドの表面に付着し所定の電圧が印可された状態で電解質の液体に晒されることになる。
【0010】
図2に示したように、従来の記録ヘッドの構造が、バンプ電極と流路形成部材との距離を比較的短いものとするのは、上述のような記録ヘッドのおかれる環境を考慮し、インクができるだけ基板に触れないようにすべく流路形成部材で覆う面積をできるだ大きくしようとするためである。従って、ТAB接合では、バンプ電極を露出させるべく流路形成部材を除去する工程があるが、この工程ではその除去する面積をできるだけ小さくする。その結果として図2に示すようにバンプ電極と流路形成部材との距離は比較的短いものとなる。
【0011】
なお、上記米国特許公報に開示される記録ヘッドの構造では、ТAB接合を行なう接合部の封止構成は、具体的に記載されていない。
【0012】
封止に関する第2の問題は、上記第1の問題と同様、封止材が封止する範囲に関するものであるが、封止材がТAB接合のためのリードを十分に覆うことができない場合があるという問題である。
【0013】
すなわち、前述したように記録ヘッドはインク滴に晒される面があり、この面は電気的な腐食などの影響に対して安定していることが望ましい。このため、通常のICにおけるТAB接合とは違って、インクジェット記録ヘッドの場合、ベースフィルムがインクに晒される面(以下、表面という)になるようにし、リードを保護するリード保護膜が裏側(以下、裏面という)になるようにしている。しかしながら、この場合には、封止材がこの裏面まで充分に行き渡らず、結果としてリードを覆うことができない場合がある。
【0014】
図4(a)および(b)はТAB接合部のそれぞれ表面および裏面における封止材の部分布状態を示す図であり、図5はその一部の断面を示す図である。これらの図に示されるように、封止材は、裏面の特に複数のリード配列の端部において不充分となり、保護膜10と裏面の封止材7Bとの間にリード5が露出する部分を生ずることがある。なお、図4においては、リードは配列されるものの一部のみが図示されており、これは以下で示す同様の図においても同じである。
【0015】
封止材の注入は上記構造において表面側から行なわれる。具体的には、接合部の表面側で封止材を注入することによって行なう。そして、この注入された封止材は、基板1とベースフィルム6との間の隙間11(デバイスホールともいう)における各リードの間などを通って裏面側まで至る。従って、裏面側の封止材の量は表面と比較して少ない傾向があり、封止が不充分となる傾向がある。これに加え、リード保護膜は、図5に示すようにデバイスホール11が形成された位置から距離Bだけ離れているため、それだけリードを露出している部分が多くなり、従って、封止材で覆うべき面積も多くなる。また、このことは封止材を注入する量を多くしてその分布する範囲を大きくする必要があることを意味する。
【0016】
リード配列の端部以外では、リード間隔の最適化などによって、上述した裏面側での封止材の不足は防止できる。しかし、配列の端部においては、図6に示すように、封止材7Bによってリード5を覆うことができない部分が生ずる。この結果、このようなТAB接合部を具えた記録ヘッドは、インクが表面から浸透して露出したリードを腐食させたり、他のリードとショートするなどの不具合を生ずる可能性があった。
【0017】
本発明は上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電気接合部の良好な封止を行ない常に良好なインク吐出を行なうことができるインクジェット記録ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明では、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、インクを吐出する吐出口および該吐出口に連通する流路を形成した流路形成部材と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合するリードを具えた配線部材と、前記電極と前記リードとの接合部と、前記流路形成部材の少なくとも一部とを含んだ範囲を覆って封止する封止材と、を具え、前記電極と前記流路形成部材との間の、当該基板が前記封止材によって覆われる距離が0.1mm以上であることを特徴とする。
【0019】
また、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録行なうインクジェット記録装置において、前記インクジェト記録装置は、インクを吐出する吐出口および該吐出口に連通する流路を形成した流路形成部材と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合するリードを具えた配線部材と、前記電極と前記リードとの接合部と、前記流路形成部材の少なくとも一部とを含んだ範囲を覆って封止する封止材と、を具え、前記電極と前記流路形成部材との間の、当該基板が前記封止材によって覆われる距離が0.1mm以上であることを特徴とする。
【0020】
本発明は、基板上の電極と流路形成部材との距離を種々変えた記録ヘッドを前述したインクに浸潤させるテストを行なって得られたものである。すなわち、上記距離がヘッド製造工程における上記電極のマスク精度の0.05mm以下で電極周囲の流路形成部材を排除してできる領域の距離である場合は、前述したインク浸入などの問題を生じる。これに対し、上記距離が0.1mm以上であるときは、良好なヘッド耐久性を得ることができ、その距離が増すほどインクによる腐食の影響が少なくなることが確かめられた。
【0021】
別の形態では、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合する複数のリードを配列した配線部材と、前記電極と前記配線部材の複数のリードを覆って封止する封止材と、を具え、前記配線部材の前記リード配列の端部近傍に対応する部分に前記封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされていることを特徴とする。
【0022】
また、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録行なうインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合する複数のリードを配列した配線部材と、前記電極と前記配線部材の複数のリードを覆って封止する封止材と、を具え、前記配線部材の前記リード配列の端部近傍に対応する部分に前記封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされていることを特徴とする。
【0023】
以上の構成によれば、電極と流路形成部材との間の、当該基板が封止材によって覆われる距離を0.1mm以上としたので、封止材と基板とが接触する面積を多くでき、これにより、封止材と基板との密着力を高くすることができる。
【0024】
また、別の形態の本発明によれば、配線部材のリード配列の端部近傍に対応する部分に封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされているので、封止材の付与に際して、封止材はその加工部分を通って裏面側へ回り込むことができ、その部分の近傍のリード、つまりリード配列の端部に位置するリードの封止を充分に行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図7(a)は、本発明の第一の実施形態による記録ヘッドを構成するオリフィスプレートおよびその周囲のベースフィルムを示す正面図であり、同図(b)はそのA−A線断面図である。
【0027】
これらの図は、それぞれ従来例に示した図1(a)および(b)とそれぞれ同じ部分を示しており、本実施形態の構造がこの従来例と異なる点は、図8にも同様に示すように、流路形成部材2Aとバンプ電極4との距離Dが従来の場合の距離dより長い点である。すなわち、図9の断面図に示すように、バンプ電極4と流路形成部材2Aとの間で封止材7と基板1とが接触する距離を長くし、これにより、封止材と基板表面との密着力を向上させることができ、仮に封止材と流路形成部材との間にわずかな隙間Sができこれを介してインクが浸入しても、それ以上のインクの浸入やインク中のイオンの透過を防ぐことができる。
【0028】
上述した本実施形態の記録ヘッドの具体的な製造工程は、次の通りである。図7を参照して説明すると、駆動回路、電気配線、ヒータ20(電気熱変換体)、バンプ電極4(接続電気端子パッド)等が形成された基板1上に流路形成部材と相溶しないレジストを塗布し、フォトリソによってインク流路となる部分が凸となるように型を形成する。次いで、インクに強いエポキシ系感光性樹脂を上記の基板1上に約20μmの厚さで塗布し、仮硬化、吐出口露光を行った後、現像によって吐出口となる孔を形成する。この孔の部分と同時に余分な流路形成部材も現像によって除去する。
【0029】
このとき、従来ではバンプ電極4の周りの流路形成部材だけを取り除いていたが、本実施形態では、この電極部分と残される流路形成部材との距離が封止樹脂7が十分な密着力を得ることができる距離Dとなるように除去する。本実施形態では、この距離を0.3mmとする。
【0030】
次に、基板1においてインク供給口8を形成するため、まず、基板1の表面側を供給口8のパターンのレジストで覆い、裏面に対して必要な部分だけ孔が空くように露光、現像する。そして、アルカリ液(KOH、有機アルカリなど)を加熱し、これによって上記孔のパターンでシリコンウェハーが溶解される。ここで、結晶方位の<1,1,1>面が溶解しづらく、結晶方位<1,0,0,>による45°の斜面を有した孔が形成される。なお、結晶方位が<1,1,0>では垂直の孔となる。
【0031】
インク供給口8用の孔が形成された基板1の表面と裏面から、上述の流路形成部材の形成で用いた型レジストを除去するため、基板1を溶剤に入れて超音波洗浄を行う。これにより、形成されたインク供給口と露光によって形成された吐出口を介してレジストを洗い出すことができ、インク吐出口およびインク流路が形成される。
【0032】
上述の各工程は、基板1を形成するシリコンウェハーについて複数の記録ヘッド分について行なわれるものであり、次の工程では、記録ヘッド一つ分の大きさに上記ウェハーを切断して個々の基板1ごとに分離する。そして、それぞれの基板1にTABリード5を接続するためのハンプ電極4を形成し、次にリード5とバンプ電極4とのILB接合(インナーリードボンディング)を行い、次いで封止樹脂である熱硬化性エポキシを上記接合部に注入し、150°Cで3時間の熱硬化を行う。
【0033】
最後に、以上のようにして得られるヘッドチップごとに、ベースフィルム6を打ち抜いてチップを分離し、それぞれにインク室であるチップタンク(図示せず)を接着して個々の記録ヘッドを完成する。
【0034】
本実施形態では基板1において封止樹脂7が接着する表面の部分は、従来用いられているTa薄膜は形成せず、直接封止樹脂と密着性の良い、基板を形成するSINやSiO2の絶縁膜を露出させておく。これにより、上述の距離による効果とと相俟ってさらに密着性が増す。
【0035】
(第1実施形態の変形例)
第一の実施形態の変形例は、上記実施形態と同様にバンプ電極と流路形成部材との間の距離を所定の距離とするとともに、封止材が接着される基板表面に密着性を向上させる薄膜を設ける点である。
【0036】
図10(a)および(b)は本例に関わる記録ヘッドを示す図であり、第1実施形態について示した図7と同様の図である。この図およびその詳細を示す図である図11に明らかなように、封止材7が接する基板1の表面に薄膜12が設けられる。すなわち、基板1上に、封止樹脂7と密着性の良い、薄膜(無機、有機)を形成するものであり、本例では、日立化成(株)製の「hima1」を用い、膜厚2〜5μmで塗布硬化したものである。これは、ポリエーテルアミドであり、他の樹脂、たとえばポリイミド、ポリアミドイミドなども、十分な密着性をもつのであり使用することができる。なお、この薄膜を形成する場合は、バンプ電極の接続を確実とするためにその周囲の薄膜をエッチングによって除去する。薄膜の材料がhima1の場合、O2アッシングによって除去する。
【0037】
このように、本例によれば、前述した距離による密着の効果に加え、密着性を向上させる薄膜を用いることにより、封止材の基板に対する密着性をさらに向上させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
本実施形態は、基板裏面側のТAB接続されるリードの封止材による被覆を十分に行なうことを可能とするものである。
【0039】
図12(a)および(b)は、本実施形態に関わる基板の表面および裏面におけるТAB接続部の封止の状態を示す図である。なお、本実施形態の記録ヘッドの構造およびその製造方法は、以下に説明する構成に関するもの以外、上述した第1実施形態およびその変形例と同様である。
【0040】
これらの図に示すように、配線部材であるベースフィルム6の、リード配列の両端に対応する部分それぞれに貫通する孔13を設ける。
【0041】
第1実施形態およびその変形例と同様、ТAB接合部においてリード5とバンプ電極4をILB接続した後、封止樹脂7Aをディスペンサでリード5にのせて150℃のオーブンで硬化させる。このとき、封止樹脂は、最初供給されたときより粘度が低下して、各リード5と基板1との隙間に入り込み、裏面側までリードを巻き込むように流れてから硬化する。このとき、貫通孔13にも封止材が供給されているため、上述のように粘度が低下したときに封止樹脂はその孔13を通ってベースフィルム6の裏面側に回り、上述の各リードの裏側に回った封止樹脂とつながる。これにより、ТAB接続におけるリード配列の最右端と最左端のさらに外側にも十分な封止樹脂7Bを存在させてリード全体を覆うことができ、封止が不充分であることによるリードの露出を防ぐことが可能となる。
【0042】
(第2実施形態の変形例1)
図13(a)および(b)は、上述した第2実施形態の第一の変形例に関わる記録ヘッドを示す図であり,上記第2実施形態について示す図12と同様の図である。
【0043】
本変形例では、図12に示した貫通孔の代わりにスリット(隙間)を設けるものである。すなわち、図13(a)および(b)に示すようにベースフィルム6のリード配列の両端に対応する箇所それぞれにスリット14を形成する。これにより、上記の第2実施形態同様、表面側のリード上に付与された封止樹脂7Aはその硬化の前の粘度低下の過程で各リードの裏面側に回るとともに、上記のスリット14を介してベースフィルム6の裏面側に回り、リードの部分の封止樹脂と連結してリード配列の両端部も充分に覆うことができる。
【0044】
(第2実施形態の変形例2)
図14(a)および(b)は、本変形例に関わる記録ヘッドを示す図であり、上記の図12、図13と同様の図である。
【0045】
本変形例は、両端部のリード5に隣接した箇所に対応してベースフィルム6にスリット15を形成するものである。この形態によれば、リード配列により近接して封止樹脂を裏面側へ導くことができ、配列両端部のリードの封止をより確実に行なうことができる。
【0046】
(第2実施形態の変形例3)
図15(a)および(b)は、本変形例に関わる記録ヘッドを示す図であり、上記の図12、図13および図14と同様の図である。
【0047】
本変形例は、図14に示す例のスリット14とは、その形成する箇所はほぼ同じであるが形状を変えたスリット16を設けたものである。この場合も同様に、リード配列により近接して封止樹脂を裏面側へ導くことができ、配列両端部のリードの封止をより確実に行なうことが可能となる。
【0048】
以上説明した本発明の第2の実施形態およびその変形例によれば、封止材によってリードを充分に覆うことができ、記録ヘッドの表面からインクが浸透して露出したリードを腐食させたり、他のリードとショートするなどの不具合を防ぐことができる。
【0049】
図16は、以上説明した第1実施形態または第2実施形態あるいはその変形例の記録ヘッドを用いて記録を行なうインクジェット記録装置の一例を、部分断面で示す斜視図である。
【0050】
図16において、参照符号200は記録ヘッドを着脱自在に装着するキャリッジを示し、記録ヘッドとして、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクおよびブラックインクのそれぞれについて装着する。キャリッジ200は、また、これらのインクを貯留するタンク201Y、201M、201C、201Bを着脱自在に搭載する。このキャリッジ200はガイドシャフト202に案内され、モータ203により駆動される、プーリ205および206間に巻回された無端ベルト204によって矢印A方向で示される順方向または逆方向に往復移動することができ、これにより、記録ヘッドによる記録のための走査が可能となる。
【0051】
被記録媒体としての記録紙Pは、矢印A方向に直交する矢印B方向に記録ヘッドの走査の間に、間欠的に搬送される。すなわち、記録紙Pはその搬送路において上流側の一対のローラユニット207、208と、下流側の一対のローラユニット209、210とにより、挟持され、一定の張力を付加された状態で搬送される。各ローラユニットに対する駆動力の付与は駆動部211により行われるが、前述の駆動モータを利用して上記ローラユニットを駆動する構成としてもよい。
【0052】
キャリッジ200は、記録開始時または記録中に必要に応じてホームポジションに停止する。このポジションには、各ヘッドの吐出口面をキャップするキャップ部材212が設けられ、このキャップ部材212には、吐出口面の吐出口を介して強制的にインクを吸引し吐出口内の目詰まりを未然に防止するなどのための吸引ポンプ(図示略)が接続されている。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電極と流路形成部材との間の、当該基板が封止材によって覆われる距離を0.1mm以上としたので、封止材と基板とが接触する面積を多くでき、これにより、封止材と基板との密着力を高くすることができる。
【0054】
また、別の形態の本発明によれば、配線部材のリード配列の端部近傍に対応する部分に封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされているので、封止材の付与に際して、封止材はその加工部分を通って裏面側へ回り込むことができ、その部分の近傍のリード、つまりリード配列の端部に位置するリードの封止を充分に行なうことができる。
【0055】
この結果、インクジェット記録ヘッドにおける電気接合部の良好な封止を行ない常に良好なインク吐出を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、従来例に関わるインクジェト記録ヘッドの、特にТAB接合部を説明するためのそれぞれ正面図および断面図である。
【図2】図1に示すТAB接合部の詳細を示す断面図である。
【図3】上記従来例のインクジェット記録ヘッドにおいてТAB接合のバンプ電極と流路形成部材との距離が短い点を示す図である。
【図4】(a)および(b)は、従来例に関わるインクジェト記録ヘッドの、ТAB接合部における封止の他の問題を説明するための図である。
【図5】上記封止の他の問題を説明する断面図である。
【図6】上記封止の他の問題を説明するためのТAB接合部を裏面側から見た図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明の第一の実施形態に関わるインクジェト記録ヘッドの、特にТAB接合部を説明するためのそれぞれ正面図および断面図である。
【図8】上記第一実施形態のインクジェット記録ヘッドにおいてТAB接合のバンプ電極と流路形成部材との距離が長い点を示す図である。
【図9】図7に示すТAB接合部の詳細を示す断面図である。
【図10】(a)および(b)は、上記第一の実施形態の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドの、特にТAB接合部を説明するためのそれぞれ正面図および断面図である。
【図11】上記変形例の効果を説明する図である。
【図12】(a)および(b)は、本発明の第二の実施形態に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図13】(a)および(b)は、上記第二の実施形態の第一の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図14】(a)および(b)は、上記第二の実施形態の第二の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図15】(a)および(b)は、上記第二の実施形態の第三の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図16】本発明の実施形態に関わるインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行なうインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 オリフィスプレート
2A 流路形成部材
3 吐出口(ノズル)
4 バンプ電極(接続端子パッド)
5 リード
6 べースフィルム(配線部材)
7、7A、7B 封止樹脂(封止材)
8 インク供給口
10 保護樹脂(保護膜)
11 隙間
12 薄膜
13 孔
14、15、16 スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インクジェット記録ヘッドを構成する基板とこの基板外の配線部材との電気接続部を絶縁等のために封止する構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンタは、低コスト、簡易な構成でカラー記録を可能とし、また、高解像度等の高画質の記録を行なうことができるものとして普及している。インクジェット記録方式の記録ヘッドの構造は種々あり、そのうち、吐出に利用される熱エネルギーを発生するヒータの面に垂直な方向にインクを吐出する構造の、いわゆるサイドシュータ型の記録ヘッドは、半導体製造工程と同様の工程で製造でき、特にインク吐出口の高密度化が可能であることから多く用いられている構造の一つである。
【0003】
この構造の記録ヘッドは、一般に、上記ヒータ等が形成された基板と、この基板外のヘッド構成部材であって基板へ供給する電気配線を形成した部材(本明細書では、「配線部材」という)とを具える。そして、基板と配線部材の配線との電気接続は、TAB(Tape Automated Bonding)接合によって行なわれることがほとんどである。これは、この接続にともなう製造工程を効率化でき、また、接続部を高密度に配置できるなど、TAB接続方式が比較的多くの利点を有しているからである。
【0004】
米国特許5519421号公報には、駆動回路を組み込んだ基板と、プラスチックフィルムに銅配線を施し中央に基板取り付け用の開口を形成した配線部材とをTAB接続して製造される記録ヘッドが開示されている。
【0005】
また、他の構成として、図1(a)および(b)に示す構造の記録ヘッドが知られている。図1(a)はこの構造の記録ヘッドの正面図であり、主に、ノズル(インク吐出口)3のノズル列が二列配列する面をなすオリフィスプレート2と、その周囲の配線部材であるベースフィルム6を示している。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線断面図であり、主に、吐出口3およびそれに連通するインク流路や、基板1上の電気配線とベースフィルム上の電気配線とのTAB接続の構成を示している。
【0006】
これらの図に示す構造の記録ヘッドは、主に図1(b)に示すように、ヒータ20やその駆動回路(不図示)を形成した基板1上に流路形成部材2Aを積層しその上に硬化性樹脂よりなるオリフィスプレート2を形成することにより、吐出口3やこれに連通するインク流路が形成されるものである。また、基板1上の電気回路と、これに記録ヘッド外部から電力等を供給するための媒介となる配線部材、すなわちベースフィルム6とは、基板側のバンプ電極4とベースフィルム側のТABリード5とのТAB接合によって電気的な接続が行なわれる。そして、この接続部は電気的絶縁やインクによる腐食防止等のため、封止樹脂7によって封止される。
【0007】
なお、図1(a)および(b)に示す構造の記録ヘッドは、基板1の中央に設けられたインク供給口8を介して基板裏側に設けられたインク室(不図示)から供給されるインクが各インク流路ヘ至り、そのヒータ20の駆動により発生する熱を利用してインク中に気泡を生じその圧力によって吐出口(ノズル)からインクを吐出するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した記録ヘッドの構造のうち、特に図1(a)および(b)に示す構造の記録ヘッドは、その電気接続部の封止の構成について以下のような問題がある。
【0009】
第1の問題は、本質的に流路形成部材と封止部材との密着性が比較的劣ることに起因した問題である。図2および図3はこの問題を説明する図であり、電気接続部の詳細を示している。流路形成部材2Aと封止樹脂7との密着性が劣ることによって、これらの間に図2に示すように微細な隙間Sができることがある。一方、インクジェット記録ヘッドでは、その記録動作に伴うインク吐出によって、記録用紙から跳ね返ったインクや浮遊するインクが流路形成部材の表面などにインク滴9として付着する。そして、付着したインク滴9は上記の隙間Sに入り込み、基板1の表面まで至ることがある。その結果、基板表面における電気配線などで、インク中のイオンによる電気的な腐食を生ずることになる。この腐食の問題は、インク中に上述した構造の記録ヘッドを浸して所定の電位差の電圧を印加する実験によっても確かめることができる。この実験の条件は記録中の記録ヘッドがおかれる環境とほぼ同様のものである。すなわち、記録ヘッドは上述したように、記録動作に伴い、記録用紙から跳ね返ったインクや浮遊するインクが流路形成部材の表面などの記録ヘッドの表面に付着し所定の電圧が印可された状態で電解質の液体に晒されることになる。
【0010】
図2に示したように、従来の記録ヘッドの構造が、バンプ電極と流路形成部材との距離を比較的短いものとするのは、上述のような記録ヘッドのおかれる環境を考慮し、インクができるだけ基板に触れないようにすべく流路形成部材で覆う面積をできるだ大きくしようとするためである。従って、ТAB接合では、バンプ電極を露出させるべく流路形成部材を除去する工程があるが、この工程ではその除去する面積をできるだけ小さくする。その結果として図2に示すようにバンプ電極と流路形成部材との距離は比較的短いものとなる。
【0011】
なお、上記米国特許公報に開示される記録ヘッドの構造では、ТAB接合を行なう接合部の封止構成は、具体的に記載されていない。
【0012】
封止に関する第2の問題は、上記第1の問題と同様、封止材が封止する範囲に関するものであるが、封止材がТAB接合のためのリードを十分に覆うことができない場合があるという問題である。
【0013】
すなわち、前述したように記録ヘッドはインク滴に晒される面があり、この面は電気的な腐食などの影響に対して安定していることが望ましい。このため、通常のICにおけるТAB接合とは違って、インクジェット記録ヘッドの場合、ベースフィルムがインクに晒される面(以下、表面という)になるようにし、リードを保護するリード保護膜が裏側(以下、裏面という)になるようにしている。しかしながら、この場合には、封止材がこの裏面まで充分に行き渡らず、結果としてリードを覆うことができない場合がある。
【0014】
図4(a)および(b)はТAB接合部のそれぞれ表面および裏面における封止材の部分布状態を示す図であり、図5はその一部の断面を示す図である。これらの図に示されるように、封止材は、裏面の特に複数のリード配列の端部において不充分となり、保護膜10と裏面の封止材7Bとの間にリード5が露出する部分を生ずることがある。なお、図4においては、リードは配列されるものの一部のみが図示されており、これは以下で示す同様の図においても同じである。
【0015】
封止材の注入は上記構造において表面側から行なわれる。具体的には、接合部の表面側で封止材を注入することによって行なう。そして、この注入された封止材は、基板1とベースフィルム6との間の隙間11(デバイスホールともいう)における各リードの間などを通って裏面側まで至る。従って、裏面側の封止材の量は表面と比較して少ない傾向があり、封止が不充分となる傾向がある。これに加え、リード保護膜は、図5に示すようにデバイスホール11が形成された位置から距離Bだけ離れているため、それだけリードを露出している部分が多くなり、従って、封止材で覆うべき面積も多くなる。また、このことは封止材を注入する量を多くしてその分布する範囲を大きくする必要があることを意味する。
【0016】
リード配列の端部以外では、リード間隔の最適化などによって、上述した裏面側での封止材の不足は防止できる。しかし、配列の端部においては、図6に示すように、封止材7Bによってリード5を覆うことができない部分が生ずる。この結果、このようなТAB接合部を具えた記録ヘッドは、インクが表面から浸透して露出したリードを腐食させたり、他のリードとショートするなどの不具合を生ずる可能性があった。
【0017】
本発明は上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電気接合部の良好な封止を行ない常に良好なインク吐出を行なうことができるインクジェット記録ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明では、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、インクを吐出する吐出口および該吐出口に連通する流路を形成した流路形成部材と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合するリードを具えた配線部材と、前記電極と前記リードとの接合部と、前記流路形成部材の少なくとも一部とを含んだ範囲を覆って封止する封止材と、を具え、前記電極と前記流路形成部材との間の、当該基板が前記封止材によって覆われる距離が0.1mm以上であることを特徴とする。
【0019】
また、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録行なうインクジェット記録装置において、前記インクジェト記録装置は、インクを吐出する吐出口および該吐出口に連通する流路を形成した流路形成部材と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合するリードを具えた配線部材と、前記電極と前記リードとの接合部と、前記流路形成部材の少なくとも一部とを含んだ範囲を覆って封止する封止材と、を具え、前記電極と前記流路形成部材との間の、当該基板が前記封止材によって覆われる距離が0.1mm以上であることを特徴とする。
【0020】
本発明は、基板上の電極と流路形成部材との距離を種々変えた記録ヘッドを前述したインクに浸潤させるテストを行なって得られたものである。すなわち、上記距離がヘッド製造工程における上記電極のマスク精度の0.05mm以下で電極周囲の流路形成部材を排除してできる領域の距離である場合は、前述したインク浸入などの問題を生じる。これに対し、上記距離が0.1mm以上であるときは、良好なヘッド耐久性を得ることができ、その距離が増すほどインクによる腐食の影響が少なくなることが確かめられた。
【0021】
別の形態では、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合する複数のリードを配列した配線部材と、前記電極と前記配線部材の複数のリードを覆って封止する封止材と、を具え、前記配線部材の前記リード配列の端部近傍に対応する部分に前記封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされていることを特徴とする。
【0022】
また、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録行なうインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と電気接続のための電極とが設けられた基板と、該基板の前記電極と接合する複数のリードを配列した配線部材と、前記電極と前記配線部材の複数のリードを覆って封止する封止材と、を具え、前記配線部材の前記リード配列の端部近傍に対応する部分に前記封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされていることを特徴とする。
【0023】
以上の構成によれば、電極と流路形成部材との間の、当該基板が封止材によって覆われる距離を0.1mm以上としたので、封止材と基板とが接触する面積を多くでき、これにより、封止材と基板との密着力を高くすることができる。
【0024】
また、別の形態の本発明によれば、配線部材のリード配列の端部近傍に対応する部分に封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされているので、封止材の付与に際して、封止材はその加工部分を通って裏面側へ回り込むことができ、その部分の近傍のリード、つまりリード配列の端部に位置するリードの封止を充分に行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図7(a)は、本発明の第一の実施形態による記録ヘッドを構成するオリフィスプレートおよびその周囲のベースフィルムを示す正面図であり、同図(b)はそのA−A線断面図である。
【0027】
これらの図は、それぞれ従来例に示した図1(a)および(b)とそれぞれ同じ部分を示しており、本実施形態の構造がこの従来例と異なる点は、図8にも同様に示すように、流路形成部材2Aとバンプ電極4との距離Dが従来の場合の距離dより長い点である。すなわち、図9の断面図に示すように、バンプ電極4と流路形成部材2Aとの間で封止材7と基板1とが接触する距離を長くし、これにより、封止材と基板表面との密着力を向上させることができ、仮に封止材と流路形成部材との間にわずかな隙間Sができこれを介してインクが浸入しても、それ以上のインクの浸入やインク中のイオンの透過を防ぐことができる。
【0028】
上述した本実施形態の記録ヘッドの具体的な製造工程は、次の通りである。図7を参照して説明すると、駆動回路、電気配線、ヒータ20(電気熱変換体)、バンプ電極4(接続電気端子パッド)等が形成された基板1上に流路形成部材と相溶しないレジストを塗布し、フォトリソによってインク流路となる部分が凸となるように型を形成する。次いで、インクに強いエポキシ系感光性樹脂を上記の基板1上に約20μmの厚さで塗布し、仮硬化、吐出口露光を行った後、現像によって吐出口となる孔を形成する。この孔の部分と同時に余分な流路形成部材も現像によって除去する。
【0029】
このとき、従来ではバンプ電極4の周りの流路形成部材だけを取り除いていたが、本実施形態では、この電極部分と残される流路形成部材との距離が封止樹脂7が十分な密着力を得ることができる距離Dとなるように除去する。本実施形態では、この距離を0.3mmとする。
【0030】
次に、基板1においてインク供給口8を形成するため、まず、基板1の表面側を供給口8のパターンのレジストで覆い、裏面に対して必要な部分だけ孔が空くように露光、現像する。そして、アルカリ液(KOH、有機アルカリなど)を加熱し、これによって上記孔のパターンでシリコンウェハーが溶解される。ここで、結晶方位の<1,1,1>面が溶解しづらく、結晶方位<1,0,0,>による45°の斜面を有した孔が形成される。なお、結晶方位が<1,1,0>では垂直の孔となる。
【0031】
インク供給口8用の孔が形成された基板1の表面と裏面から、上述の流路形成部材の形成で用いた型レジストを除去するため、基板1を溶剤に入れて超音波洗浄を行う。これにより、形成されたインク供給口と露光によって形成された吐出口を介してレジストを洗い出すことができ、インク吐出口およびインク流路が形成される。
【0032】
上述の各工程は、基板1を形成するシリコンウェハーについて複数の記録ヘッド分について行なわれるものであり、次の工程では、記録ヘッド一つ分の大きさに上記ウェハーを切断して個々の基板1ごとに分離する。そして、それぞれの基板1にTABリード5を接続するためのハンプ電極4を形成し、次にリード5とバンプ電極4とのILB接合(インナーリードボンディング)を行い、次いで封止樹脂である熱硬化性エポキシを上記接合部に注入し、150°Cで3時間の熱硬化を行う。
【0033】
最後に、以上のようにして得られるヘッドチップごとに、ベースフィルム6を打ち抜いてチップを分離し、それぞれにインク室であるチップタンク(図示せず)を接着して個々の記録ヘッドを完成する。
【0034】
本実施形態では基板1において封止樹脂7が接着する表面の部分は、従来用いられているTa薄膜は形成せず、直接封止樹脂と密着性の良い、基板を形成するSINやSiO2の絶縁膜を露出させておく。これにより、上述の距離による効果とと相俟ってさらに密着性が増す。
【0035】
(第1実施形態の変形例)
第一の実施形態の変形例は、上記実施形態と同様にバンプ電極と流路形成部材との間の距離を所定の距離とするとともに、封止材が接着される基板表面に密着性を向上させる薄膜を設ける点である。
【0036】
図10(a)および(b)は本例に関わる記録ヘッドを示す図であり、第1実施形態について示した図7と同様の図である。この図およびその詳細を示す図である図11に明らかなように、封止材7が接する基板1の表面に薄膜12が設けられる。すなわち、基板1上に、封止樹脂7と密着性の良い、薄膜(無機、有機)を形成するものであり、本例では、日立化成(株)製の「hima1」を用い、膜厚2〜5μmで塗布硬化したものである。これは、ポリエーテルアミドであり、他の樹脂、たとえばポリイミド、ポリアミドイミドなども、十分な密着性をもつのであり使用することができる。なお、この薄膜を形成する場合は、バンプ電極の接続を確実とするためにその周囲の薄膜をエッチングによって除去する。薄膜の材料がhima1の場合、O2アッシングによって除去する。
【0037】
このように、本例によれば、前述した距離による密着の効果に加え、密着性を向上させる薄膜を用いることにより、封止材の基板に対する密着性をさらに向上させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
本実施形態は、基板裏面側のТAB接続されるリードの封止材による被覆を十分に行なうことを可能とするものである。
【0039】
図12(a)および(b)は、本実施形態に関わる基板の表面および裏面におけるТAB接続部の封止の状態を示す図である。なお、本実施形態の記録ヘッドの構造およびその製造方法は、以下に説明する構成に関するもの以外、上述した第1実施形態およびその変形例と同様である。
【0040】
これらの図に示すように、配線部材であるベースフィルム6の、リード配列の両端に対応する部分それぞれに貫通する孔13を設ける。
【0041】
第1実施形態およびその変形例と同様、ТAB接合部においてリード5とバンプ電極4をILB接続した後、封止樹脂7Aをディスペンサでリード5にのせて150℃のオーブンで硬化させる。このとき、封止樹脂は、最初供給されたときより粘度が低下して、各リード5と基板1との隙間に入り込み、裏面側までリードを巻き込むように流れてから硬化する。このとき、貫通孔13にも封止材が供給されているため、上述のように粘度が低下したときに封止樹脂はその孔13を通ってベースフィルム6の裏面側に回り、上述の各リードの裏側に回った封止樹脂とつながる。これにより、ТAB接続におけるリード配列の最右端と最左端のさらに外側にも十分な封止樹脂7Bを存在させてリード全体を覆うことができ、封止が不充分であることによるリードの露出を防ぐことが可能となる。
【0042】
(第2実施形態の変形例1)
図13(a)および(b)は、上述した第2実施形態の第一の変形例に関わる記録ヘッドを示す図であり,上記第2実施形態について示す図12と同様の図である。
【0043】
本変形例では、図12に示した貫通孔の代わりにスリット(隙間)を設けるものである。すなわち、図13(a)および(b)に示すようにベースフィルム6のリード配列の両端に対応する箇所それぞれにスリット14を形成する。これにより、上記の第2実施形態同様、表面側のリード上に付与された封止樹脂7Aはその硬化の前の粘度低下の過程で各リードの裏面側に回るとともに、上記のスリット14を介してベースフィルム6の裏面側に回り、リードの部分の封止樹脂と連結してリード配列の両端部も充分に覆うことができる。
【0044】
(第2実施形態の変形例2)
図14(a)および(b)は、本変形例に関わる記録ヘッドを示す図であり、上記の図12、図13と同様の図である。
【0045】
本変形例は、両端部のリード5に隣接した箇所に対応してベースフィルム6にスリット15を形成するものである。この形態によれば、リード配列により近接して封止樹脂を裏面側へ導くことができ、配列両端部のリードの封止をより確実に行なうことができる。
【0046】
(第2実施形態の変形例3)
図15(a)および(b)は、本変形例に関わる記録ヘッドを示す図であり、上記の図12、図13および図14と同様の図である。
【0047】
本変形例は、図14に示す例のスリット14とは、その形成する箇所はほぼ同じであるが形状を変えたスリット16を設けたものである。この場合も同様に、リード配列により近接して封止樹脂を裏面側へ導くことができ、配列両端部のリードの封止をより確実に行なうことが可能となる。
【0048】
以上説明した本発明の第2の実施形態およびその変形例によれば、封止材によってリードを充分に覆うことができ、記録ヘッドの表面からインクが浸透して露出したリードを腐食させたり、他のリードとショートするなどの不具合を防ぐことができる。
【0049】
図16は、以上説明した第1実施形態または第2実施形態あるいはその変形例の記録ヘッドを用いて記録を行なうインクジェット記録装置の一例を、部分断面で示す斜視図である。
【0050】
図16において、参照符号200は記録ヘッドを着脱自在に装着するキャリッジを示し、記録ヘッドとして、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクおよびブラックインクのそれぞれについて装着する。キャリッジ200は、また、これらのインクを貯留するタンク201Y、201M、201C、201Bを着脱自在に搭載する。このキャリッジ200はガイドシャフト202に案内され、モータ203により駆動される、プーリ205および206間に巻回された無端ベルト204によって矢印A方向で示される順方向または逆方向に往復移動することができ、これにより、記録ヘッドによる記録のための走査が可能となる。
【0051】
被記録媒体としての記録紙Pは、矢印A方向に直交する矢印B方向に記録ヘッドの走査の間に、間欠的に搬送される。すなわち、記録紙Pはその搬送路において上流側の一対のローラユニット207、208と、下流側の一対のローラユニット209、210とにより、挟持され、一定の張力を付加された状態で搬送される。各ローラユニットに対する駆動力の付与は駆動部211により行われるが、前述の駆動モータを利用して上記ローラユニットを駆動する構成としてもよい。
【0052】
キャリッジ200は、記録開始時または記録中に必要に応じてホームポジションに停止する。このポジションには、各ヘッドの吐出口面をキャップするキャップ部材212が設けられ、このキャップ部材212には、吐出口面の吐出口を介して強制的にインクを吸引し吐出口内の目詰まりを未然に防止するなどのための吸引ポンプ(図示略)が接続されている。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電極と流路形成部材との間の、当該基板が封止材によって覆われる距離を0.1mm以上としたので、封止材と基板とが接触する面積を多くでき、これにより、封止材と基板との密着力を高くすることができる。
【0054】
また、別の形態の本発明によれば、配線部材のリード配列の端部近傍に対応する部分に封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされているので、封止材の付与に際して、封止材はその加工部分を通って裏面側へ回り込むことができ、その部分の近傍のリード、つまりリード配列の端部に位置するリードの封止を充分に行なうことができる。
【0055】
この結果、インクジェット記録ヘッドにおける電気接合部の良好な封止を行ない常に良好なインク吐出を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、従来例に関わるインクジェト記録ヘッドの、特にТAB接合部を説明するためのそれぞれ正面図および断面図である。
【図2】図1に示すТAB接合部の詳細を示す断面図である。
【図3】上記従来例のインクジェット記録ヘッドにおいてТAB接合のバンプ電極と流路形成部材との距離が短い点を示す図である。
【図4】(a)および(b)は、従来例に関わるインクジェト記録ヘッドの、ТAB接合部における封止の他の問題を説明するための図である。
【図5】上記封止の他の問題を説明する断面図である。
【図6】上記封止の他の問題を説明するためのТAB接合部を裏面側から見た図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明の第一の実施形態に関わるインクジェト記録ヘッドの、特にТAB接合部を説明するためのそれぞれ正面図および断面図である。
【図8】上記第一実施形態のインクジェット記録ヘッドにおいてТAB接合のバンプ電極と流路形成部材との距離が長い点を示す図である。
【図9】図7に示すТAB接合部の詳細を示す断面図である。
【図10】(a)および(b)は、上記第一の実施形態の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドの、特にТAB接合部を説明するためのそれぞれ正面図および断面図である。
【図11】上記変形例の効果を説明する図である。
【図12】(a)および(b)は、本発明の第二の実施形態に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図13】(a)および(b)は、上記第二の実施形態の第一の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図14】(a)および(b)は、上記第二の実施形態の第二の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図15】(a)および(b)は、上記第二の実施形態の第三の変形例に関わるインクジェト記録ヘッドにおけるТAB接合部の封止状態を説明する図である。
【図16】本発明の実施形態に関わるインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行なうインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 オリフィスプレート
2A 流路形成部材
3 吐出口(ノズル)
4 バンプ電極(接続端子パッド)
5 リード
6 べースフィルム(配線部材)
7、7A、7B 封止樹脂(封止材)
8 インク供給口
10 保護樹脂(保護膜)
11 隙間
12 薄膜
13 孔
14、15、16 スリット
Claims (22)
- インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、
インクを吐出する吐出口および該吐出口に連通する流路を形成した流路形成部材と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、電気接続のための電極とが設けられた基板と、
該基板の前記電極と接合するリードを具えた配線部材と、
前記電極と前記リードとの接合部と、前記流路形成部材の少なくとも一部とを含んだ範囲を覆って封止する封止材と、
を具え、前記電極と前記流路形成部材との間の、当該基板が前記封止材によって覆われる距離が0.1mm以上であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記電極と前記流路形成部材との間の、前記基板が前記封止材によって覆われる面は、基板上の絶縁膜が露出した面であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記電極と前記流路形成部材との間の、前記基板が前記封止材によって覆われる面は、前記封止材および前記基板の面との密着性を増すための膜が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記密着性を増すための膜は、ポリエーテルアミド、ポリイミドまたはポリイミドアミドよりなることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
- インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、
インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と電気接続のための電極とが設けられた基板と、
該基板の前記電極と接合する複数のリードを配列した配線部材と、
前記電極と前記配線部材の複数のリードを覆って封止する封止材と、
を具え、前記配線部材の前記リード配列の端部近傍に対応する部分に前記封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記加工は、孔状の加工であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記加工は、スリット状の加工であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記スリットは、前記複数のリードの配列方向において所定距離おいた部位に加工されたものであることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記スリットは、前記複数のリードが当該配線部材本体から突出する根本の部分に連なる面から凹状に加工されたものであることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記スリットは、前記複数のリードが当該配線部材本体から突出する空間を当該リード配列方向に広げるように加工されたものであることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記エネルギー発生素子は熱エネルギーを発生し、該熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の圧力によってインクを吐出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- インクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録行なうインクジェット記録装置において、前記インクジェト記録装置は、
インクを吐出する吐出口および該吐出口に連通する流路を形成した流路形成部材と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、電気接続のための電極とが設けられた基板と、
該基板の前記電極と接合するリードを具えた配線部材と、
前記電極と前記リードとの接合部と、前記流路形成部材の少なくとも一部とを含んだ範囲を覆って封止する封止材と、
を具え、前記電極と前記流路形成部材との間の、当該基板が前記封止材によって覆われる距離が0.1mm以上であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記電極と前記流路形成部材との間の、前記基板が前記封止材によって覆われる面は、基板上の絶縁膜が露出した面であることを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 前記電極と前記流路形成部材との間の、前記基板が前記封止材によって覆われる面は、前記封止材および前記基板の面との密着性を増すための膜が形成されたことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 前記密着性を増すための膜は、ポリエーテルアミド、ポリイミドまたはポリイミドアミドよりなることを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録行なうインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドは、
インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と電気接続のための電極とが設けられた基板と、
該基板の前記電極と接合する複数のリードを配列した配線部材と、
前記電極と前記配線部材の複数のリードを覆って封止する封止材と、
を具え、前記配線部材の前記リード配列の端部近傍に対応する部分に前記封止材が当該表面から裏面へ通るための加工がなされていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記加工は、孔状の加工であることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
- 前記加工は、スリット状の加工であることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
- 前記スリットは、前記複数のリードの配列方向において所定距離おいた部位に加工されたものであることを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録装置。
- 前記スリットは、前記複数のリードが当該配線部材本体から突出する根本の部分に連なる面から凹状に加工されたものであることを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録装置。
- 前記スリットは、前記複数のリードが当該配線部材本体から突出する空間を当該リード配列方向に広げるように加工されたものであることを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録装置。
- 前記エネルギー発生素子は熱エネルギーを発生し、該熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の圧力によってインクを吐出することを特徴とする請求項12ないし21のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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