JP2004041983A - 樹脂成形品の表面処理装置及び表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木質様成形品Mは、樹脂を含む材料を成形してなる成形品である。この木質様成形品Mの表面処理装置1は、木質様成形品Mの表面にサンディングを施す2つのサンディング部2,2と、サンディングによって生じた木質様成形品Mの表面の静電気を除去する静電気除去部3と、静電気除去部3によって静電気が除去される前後の木質様成形品Mの表面上の塵を除去する主塵除去部6及び副塵除去部4と、木質様成形品Mの表面に塗装加工を施す塗装部5等とを備えている。静電気除去部3は、空気中の複数の分子をイオン化し、これらイオン化された複数の分子を木質様成形品Mの表面に衝突させることにより木質様成形品Mの表面の静電気を中和して除去するものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形品の表面処理装置及び表面処理方法に関する。
【0002】
【背景の技術】
近年、住宅の内装部品としての周り縁や幅木、階段手摺、階段踏板、サッシ枠、家具、テーブル・カウンター等に各種の樹脂成形品が使用されている。そして、これら樹脂成形品の手触り感や風合い等をより天然の木に近づける技術が知られている。
この技術の一例として、特開平10−272695号公報に記載されている技術がある。この技術では、セルロース材を粉砕して得られた粉砕粉に樹脂および顔料を混合し、かつ溶融させて押出成形した木質感を有する樹脂成形品(以下、木質様成形品とする)の表面にエンボス加工やヘアライン加工、着色加工、研磨加工、塗装加工を施している。これによって、天然木材に極めて近い模様を表面に有し、手触り感や風合いも天然の木に近い木質様成形品を提供している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような工程によって木質様成形品の表面処理を行う場合には、エンボス加工及びヘアライン加工によって生じる粉末状の塵が、着色加工の前に木質様成形品の表面に付着することとなる。また同様に、研磨加工によって生じる塵が、塗装加工の前に木質様成形品の表面に付着することとなる。そのため、実際の工程においては、着色加工及び塗装加工の際の塗りむらを防ぐべく、これらの加工の前に上記の塵を確実に除去する必要があり、念入りな作業工程が要求され、手間がかかっていた。
【0004】
本発明の課題は、樹脂成形品の表面上の塵を手間をかけずに確実に除去することにより樹脂成形品の表面処理の際の作業性を向上させることができる樹脂成形品の表面処理装置及び表面処理方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、樹脂を含む材料を成形してなる樹脂成形品(例えば、木質様成形品M)の表面処理装置1であって、
前記樹脂成形品Mの表面の静電気を除去する静電気除去部3と、
静電気が除去された前記樹脂成形品Mの表面上の塵を除去する第一塵除去部(例えば、副塵除去部4)と、
塵が除去された前記樹脂成形品Mの表面に塗料を塗布する塗布部(例えば、塗装部5)とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、樹脂成形品Mの表面の静電気を除去する静電気除去部3と、静電気が除去された樹脂成形品Mの表面上の塵を除去する第一塵除去部4とを備えているので、樹脂成形品Mの表面の静電気を静電気除去部3によって除去し、次に、この静電気によって樹脂成形品Mの表面に付着した塵を第一塵除去部4によって確実に除去することができる。このように静電気除去部3と第一塵除去部4とによって樹脂成形品Mの表面の塵を確実に除去することができるので、従来と異なり樹脂成形品Mの表面の塵を除去するために念入りな作業工程が必要がない分、樹脂成形品Mの表面処理の際の作業性を向上させることができる。
【0007】
なお、塗布部5は、樹脂成形品Mの表面に従来の着色加工を施すものでも良いし、従来の塗装加工を施すものでも良い。また、塗布部5は、樹脂成形品Mの表面に塗料を付けるものである限りにおいて、樹脂成形品の表面に塗料をなすり付けるものに限らず、樹脂成形品の表面に塗料を噴射して付けるものとしても良い。
【0008】
請求項2記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1記載の樹脂成形品の表面処理装置1であって、
前記静電気除去部3によって静電気が除去される前に前記樹脂成形品Mの表面を削る表面削り部(例えば、サンディング部2)を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、表面削り部2によって樹脂成形品Mの表面を削った際に樹脂成形品Mの表面に発生する静電気によってこの表面に付着した塵を、静電気除去部3及び第一塵除去部4によって除去することができる。
ここで、表面削り部2は、樹脂成形品Mの表面にプレーナー加工やモールディング加工、サンディング加工、バフ研磨加工等の何れかを施すものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2記載の樹脂成形品の表面処理装置1であって、
前記表面削り部2によって前記樹脂成形品の表面が削られた後で、かつ前記静電気除去部3によって静電気が除去される前に前記樹脂成形品Mの表面上の塵を除去する第二塵除去部(例えば、主塵除去部6)を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、表面削り部2によって樹脂成形品Mの表面が削られることにより生じた塵の大部分を第二塵除去部6によって除去し、樹脂成形品Mの表面を露出させることにより、より確実に樹脂成形品Mの表面の静電気を除去することができる。従って、樹脂成形品Mの表面上に残った塵を、第一塵除去部4によってより確実に除去することができる。
【0012】
請求項4記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂成形品の表面処理装置1であって、
前記静電気除去部3は、空気中の複数の分子をイオン化し、これらイオン化された複数の分子を前記樹脂成形品Mの表面に衝突させることにより前記樹脂成形品Mの表面の静電気を中和して除去することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、イオン化した空気中の複数の分子を樹脂成形品Mの表面に衝突させ、これら複数の分子と樹脂成形品Mの表面との間で電子の授受をさせることにより、樹脂成形品Mの表面の静電気を中和して除去することができる。従って、樹脂成形品Mの表面の導電性に関らず、その表面の静電気を確実に除去し、樹脂成形品Mの表面上の塵を確実に除去することができる。
【0014】
請求項5記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂成形品の表面処理装置1であって、
前記第一塵除去部4は、前記樹脂成形品Mの表面にエアーを吹き付けることにより、または前記樹脂成形品Mの表面をブラシで擦ることにより前記樹脂成形品Mの表面上の塵を除去することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、静電気が除去された樹脂成形品Mの表面上の塵を、樹脂成形品Mの表面にエアーを吹き付けることにより、または樹脂成形品Mの表面をブラシで擦ることにより確実に除去することができる。
【0016】
請求項6記載の発明は、樹脂を含む材料を成形してなる樹脂成形品Mの表面処理方法であって、
前記樹脂成形品Mの表面に発生した静電気を除去し、
次に、前記樹脂成形品Mの表面上の塵を除去し、
次に、前記樹脂成形品Mの表面に塗料を塗布することを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、樹脂成形品Mの表面に発生した静電気を除去し、次に、樹脂成形品Mの表面上の塵を除去することにより、樹脂成形品Mの表面に静電気によって付着していた塵を確実に除去することができる。従って、従来と異なり樹脂成形品Mの表面の塵を除去するために念入りな作業工程が必要がない分、樹脂成形品Mの表面処理の際の作業性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本実施の形態においては、樹脂成形品を木質様成形品Mとして説明する。木質様成形品Mは、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉との混合材料を混錬し溶融させ、押出若しくは射出成形によってなるものである。この木質様成形品Mは、図4に示すように、端面に開口する空洞が設けられ、この空洞は木質様成形品Mの長手方向に延在するようにして形成されている。また、この木質様成形品Mは、押出し若しくは射出成形の後にサンディング等によって必要な寸法に形成されるものであり、押出し若しくは射出成形された直後には、必要とされる寸法よりも大き目の寸法に形成されている。このような木質様成形品Mは、例えば住宅の内装部品としての周り縁や幅木、階段手摺、階段踏板、サッシ枠、室内側部、家具、テーブル・カウンター等に使用されるものである。
【0019】
上記木質様成形品Mの表面を処理する木質様成形品の表面処理装置(以下、表面処理装置とする)1は、図1に示すように、上部に木質様成形品Mを支持する支持台10と、木質様成形品Mの表面にサンディングを施す2つのサンディング部2,2と、サンディングによって生じた木質様成形品Mの表面の静電気を除去する静電気除去部3と、木質様成形品Mの表面上の塵を除去する主塵除去部6及び副塵除去部4と、木質様成形品Mの表面に塗装加工を施す塗装部5等とを備えている。
【0020】
支持台10は、上部にローラーコンベアやベルトコンベア等の搬送路(図示せず)を備えている。搬送路は、木質様成形品Mをその長手方向に搬送するものである。より具体的には、搬送路は、サンディング部2、主塵除去部6、静電気除去部3、副塵除去部4、塗装部5のそれぞれの下部を順に木質様成形品Mに移動させるものである。なお、搬送路の上部には、木質様成形品Mの側端部の位置を揃えるためのガイド部材(図示せず)が、搬送路の両側部に沿って設けられている。
【0021】
サンディング部2は、木質様成形品Mの表面をサンディングすることにより、木質様成形品Mを必要とされる寸法に形成し、かつ木質様成形品Mの表面に複数の溝を形成するエンボス加工を施すものである。具体的には、サンディング部2は、2つの回動自在な円筒状のローラー20,21と、これらローラー20,21に掛け回されたサンディングペーパー22とを備えており、このサンディングペーパー22はローラー20,21によって回転させられるようになっている。このサンディング部2は、サンディングペーパー22を木質様成形品Mの表面に上方から押圧させながら回転させることにより木質様成形品Mの表面にエンボス加工を施す。なお、本実施の形態においては、サンディングペーパーとして、高さと幅の双方が異なる多数の突起を有するものを用いている。
【0022】
主塵除去部6は、サンディングによって木質様成形品Mの表面上に生じた粉末状の塵の大部分を除去するものである。主塵除去部6は、木質様成形品Mの表面にエアーを噴射するエアー噴射部(図示せず)と、木質様成形品Mの表面をブラシで擦るブラシ部(図示せず)とを備えている。ブラシ部は、回動自在に設けられた回動軸と、この回動軸の周りに設けられたワイヤブラシとからなるものである。このブラシ部は、ワイヤブラシを木質様成形品Mの表面に上方から押圧させながら回転させることにより木質様成形品Mの表面の塵を除去する。このようなブラシ部は、搬送路による木質様成形品Mの移動方向と直交して複数並設されている。
【0023】
静電気除去部3は、酸素、窒素、水蒸気などの空気中の複数の分子をイオン化し、これらイオン化された複数の分子を木質様成形品Mの表面に衝突させ、これら複数の分子と木質様成形品Mの表面との間で電子の授受をさせることにより木質様成形品Mの表面の静電気を中和して除去するものである。この静電気除去部3は、図2に示すように、木質様成形品Mの幅と略等しい長さを有する除去部本体31と、この除去部本体31から下方に突出した複数のエアー噴出口30,…等とを備えている。除去部本体31は、エアー噴出口30の内部に配置された複数の電極(図示せず)と、これら電極に交流電圧を印加する電圧発生部(図示せず)と、これら電極及び電圧発生部の間を通電するケーブル(図示せず)と、木質様成形品Mの表面と電極との電位差を測定する測定部(図示せず)等とを備えている。このような静電気除去部3は、搬送路による木質様成形品Mの移動方向と直交して搬送路の上部に設けられている。
【0024】
このような静電気除去部3は、搬送路上を移動する木質様成形品Mの表面の静電気を以下のようにして除去する。
まず、静電気除去部3は、電極と木質様成形品Mの表面との電位差によって生じるイオン電流の状態を測定することにより、木質様成形品Mの表面の帯電量を算出する。
次に、静電気除去部3は、電圧発生部によって電極に電圧を印加して電極の先端部の周りに不平等電界を発生させる。これにより、電極の先端部の周りにはコロナ放電が発生し、電極の先端近傍に存在する空気中の分子がプラス又はマイナスイオンに電離、即ちイオン化される。なお、このとき静電気除去部3は、木質様成形品Mの表面の帯電量に基づいてイオン量と、プラス及びマイナスのイオンバランスとを調整している。
次に、静電気除去部3は、エアー噴出口30,…によって木質様成形品Mの表面にイオン化された分子を噴出する。これにより、木質様成形品Mの表面はその静電気と同極性にイオン化された分子とは反発し、反対極性にイオン化された分子を吸引してこれらの分子と電子の授受を行う。その結果、木質様成形品Mの表面の静電気が中和されて除去されることとなる。
なお、本実施の形態においては、以上のような静電気除去部3として「SJ−R」(商品名、株式会社キーエンス製)を用いている。
【0025】
副塵除去部4は、主塵除去部6によって除去されなかった木質様成形品Mの表面上の塵を除去するものである。副塵除去部4は、木質様成形品Mの表面にエアーを噴射するエアー噴射部(図示せず)と、木質様成形品Mの表面をブラシで擦るブラシ部(図示せず)とを備えている。ブラシ部は、回動自在に設けられた回動軸と、この回動軸の周りに設けられたワイヤブラシとからなるものである。このブラシ部は、ワイヤブラシを木質様成形品Mの表面に上方から押圧させながら回転させることにより木質様成形品Mの表面の塵を除去する。このようなブラシ部は、搬送路による木質様成形品Mの移動方向と直交して複数並設されている。
【0026】
塗装部5は、複数のノズル(図示せず)を備え、搬送路上を移動する木質様成形品Mに対しノズルから塗料を塗布するものである。この塗装部5は、木質様成形品Mの表面に中塗り加工及び上塗り加工を施す。具体的には、塗装部5は、中塗り加工として、木質様成形品Mの表面全体にカラーサンディングシーラーを塗布する。このとき、例えば木質様成形品Mによって床板材を形成する場合には、耐磨耗性を向上させるため、減摩剤も用いる。また、必要に応じて中塗り加工の前又は後に、木質様成形品Mの表面にUVコートを施す。また、塗装部5は、上塗り加工として、木質様成形品Mの表面にコーティングを施す。具体的には例えば、ウレタン樹脂系の塗料などによって木質様成形品Mの表面にトップコートを施し、次に、このトップコートの上からトップコートを硬化させるためにUVコートを施す。
【0027】
次に、以上のような表面処理装置1を用いて木質様成形品Mの表面を処理する手順について説明する。
まず、木質様成形品Mの表面をサンディング部2によってサンディングすることにより、木質様成形品Mを必要とされる寸法に形成し、かつ木質様成形品Mの表面にエンボス加工を施す。
次に、サンディングによって木質様成形品Mの表面上に生じた粉末状の塵を主塵除去部6によって除去する。これにより、木質様成形品Mの表面上の塵の大部分が除去されることとなる。
次に、木質様成形品Mの表面に発生した静電気を静電気除去部3によって除去する。
次に、主塵除去部6によって除去されなかった木質様成形品Mの表面上の塵を副塵除去部4によって除去する。これにより、静電気によって木質様成形品Mの表面に付着していた塵が完全に除去されることとなる。
そして、塗装部5によって木質様成形品Mの表面に塗装加工を施す。
【0028】
以上のような表面処理装置1によれば、木質様成形品Mの表面の静電気を除去する静電気除去部3と、静電気が除去された木質様成形品Mの表面上の塵を除去する副塵除去部4とを備えているので、木質様成形品Mの表面を表面削り部2によって削った際に木質様成形品Mの表面に発生する静電気を静電気除去部3によって除去し、次に、この静電気によってこの表面に付着していた塵を副塵除去部4によって確実に除去することができる。このように静電気除去部3と副塵除去部4とによって木質様成形品Mの表面の塵を確実に除去することができるので、従来と異なり木質様成形品Mの表面の塵を除去するために念入りな作業工程が必要がない分、木質様成形品Mの表面処理の際の作業性を向上させることができる。
【0029】
また、表面削り部2によって木質様成形品Mの表面が削られることにより生じた塵の大部分を主塵除去部6によって除去し、木質様成形品Mの表面を露出させることができる。従って、木質様成形品Mの表面の静電気を静電気除去部3によってより確実に除去することができ、その結果、木質様成形品Mの表面上に残った塵を副塵除去部4によってより確実に除去することができる。
【0030】
また、静電気除去部3を用いることにより、木質様成形品Mの表面の静電気を、イオン化した空気中の分子によって中和して除去することができる。従って、木質様成形品Mの表面の導電性に関わらず、その表面の静電気を確実に除去し、木質様成形品Mの表面上の塵を確実に除去することができる。
また、静電気除去部3は、木質様成形品Mの表面の帯電量を測定し、この帯電量に基づき空気中の分子をイオン化するので、木質様成形品Mの表面の静電気をより確実に中和して除去することができる。
【0031】
更に、静電気が除去された木質様成形品Mの表面上の塵を、木質様成形品Mの表面にエアーを吹き付け、かつ木質様成形品Mの表面をブラシで擦ることにより確実に除去することができる。
【0032】
〔変形例〕
次に、図〜を参照し、上記実施の形態の変形例について説明する。
表面処理装置51は、木質様成形品Mの表面に着色加工を施す着色部(塗布部)55と、着色加工が施された木質様成形品Mの表面に研磨加工を施す研磨部(表面削り部)52と、静電気除去部53と、主塵除去装置(第二塵除去部)56及び副塵除去装置(第一塵除去部)54などとを更に備える等の点において上記実施の形態における表面処理装置1と異なる。なお、表面処理装置51のうち、上記表面処理装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
着色部55は、搬送路上を移動する木質様成形品Mの表面に対しワイピングステイン処理によって塗料を塗布するものである。ワイピングステイン処理とは、塗料を木質様成形品Mの表面に塗布し、その後、乾かない内にふき取り、サンディング部2によって形成された溝を着色する処理である。この着色部55は、木質様成形品Mの表面に塗料を塗布する複数のノズル(図示せず)と、これらノズルによって塗布された塗料をふき取るふき取り部(図示せず)とを備えている。
【0034】
研磨部52は、回転軸(図示せず)と、この回転軸の軸回りに逆回転可能な円筒状の研磨ローラー(図示せず)とを備え、研磨ローラーの回転によって木質様成形品Mを押出しながら研磨するものである。
静電気除去部53は、静電気除去部3と同様のものであり、研磨加工によって木質様成形品Mの表面に発生した静電気を除去するものである。
主塵除去部56は、主塵除去部6と同様のものであり、研磨加工によって木質様成形品Mの表面上に生じた粉末状の塵などの大部分を除去するものである。
副塵除去部54は、副塵除去部4と同様のものであり、主塵除去部56によって除去されなかった木質様成形品Mの表面上の塵を、着色部55による着色加工に先立って除去するものである。
【0035】
以上のような表面処理装置51においては、上記実施の形態における副塵除去部4によって塵が除去された木質様成形品Mの表面に、着色部55によって着色加工を施し、次に、木質様成形品Mの表面を乾燥する。
次に、研磨部52によって木質様成形品Mの表面を研磨する。これにより、サンディング部2によって形成された溝以外の平滑な表面に塗布された塗料は削られ、溝の内部にのみ塗料が残ることとなる。また同時に、着色部55により木質様成形品Mの表面に形成された塗装膜の凹凸及び木質様成形品Mの表面の若干の凹凸が削られ、平滑な塗装下地面ができ、溝と平面との対比が明瞭となる。
次に、研磨加工によって木質様成形品Mの表面上に生じた粉末状の塵を主塵除去部56によって除去する。これにより、木質様成形品Mの表面上の塵の大部分が除去されることとなる。
次に、木質様成形品Mの表面に発生した静電気を静電気除去部53によって除去する。
次に、主塵除去部56によって除去されなかった木質様成形品Mの表面上の塵を副塵除去部54によって除去する。これにより、静電気によって木質様成形品Mの表面に付着していた塵が完全に除去されることとなる。
そして、塗装部5によって木質様成形品Mの表面に塗装加工を施す。
【0036】
このような表面処理装置51によれば、着色加工及び研磨加工によって木質様成形品Mの表面に艶や光沢を出すことができるとともに、木質様成形品Mの表面を天然の木材の質感により近づけることができる。
【0037】
なお、以上の実施の形態及び変形例においては、木質様成形品Mを、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とから形成されるものとして説明したが、これに限らず、セルロース材を粉砕して得られた粉砕粉と樹脂とから形成されるものとしても良い。
【0038】
更に、サンディング部2を、エンボス加工を施すものとして説明したが、ヘアライン加工を施すものとしても良いし、エンボス加工及びヘアライン加工を施すものとしても良い。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、樹脂成形品の表面の静電気を静電気除去部によって除去し、次に、この静電気によって樹脂成形品の表面に付着した塵を第一塵除去部によって確実に除去することができる。このように静電気除去部と第一塵除去部とによって樹脂成形品の表面の塵を確実に除去することができるので、従来と異なり樹脂成形品の表面の塵を除去するのに念入りな作業工程が必要がない分、樹脂成形品の表面処理の際の作業性を向上させることができる。
【0040】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、表面削り部によって樹脂成形品の表面を削った際に樹脂成形品の表面に発生する静電気によってこの表面に付着した塵を、静電気除去部及び第一塵除去部によって除去することができる。
【0041】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、表面削り部によって樹脂成形品の表面が削られることにより生じた塵の大部分を第二塵除去部によって除去し、樹脂成形品の表面を露出させることにより、より確実に樹脂成形品の表面の静電気を除去することができる。従って、樹脂成形品の表面上に残った塵を、第一塵除去部によってより確実に除去することができる。
【0042】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、樹脂成形品の表面の導電性に関らず、その表面の静電気を確実に除去し、樹脂成形品の表面上の塵を確実に除去することができる。
【0043】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、静電気が除去された樹脂成形品の表面上の塵を、樹脂成形品の表面にエアーを吹き付けることにより、または樹脂成形品の表面をブラシで擦ることにより確実に除去することができる。
【0044】
請求項6記載の発明によれば、樹脂成形品の表面に静電気によって付着していた塵を確実に除去することができる。従って、従来と異なり樹脂成形品の表面の塵を除去するのに念入りな作業工程が必要がない分、樹脂成形品の表面処理の際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る木質様成形品の表面処理装置を示す概念図である。
【図2】静電気除去部を示す斜視図である。
【図3】本発明の変形例における木質様成形品の表面処理装置を示す概念図である。
【図4】木質様成形品を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,51 木質様成形品の表面処理装置(樹脂成形品の表面処理装置)
2 サンディング部(表面削り部)
3 静電気除去部
4,54 副塵除去部(第一塵除去部)
5 塗装部(塗布部)
6,56 主塵除去部(第二塵除去部)
52 研磨部(表面削り部)
55 着色部(塗布部)
M 木質様成形品(樹脂成形品)
Claims (6)
- 樹脂を含む材料を成形してなる樹脂成形品の表面処理装置であって、
前記樹脂成形品の表面の静電気を除去する静電気除去部と、
静電気が除去された前記樹脂成形品の表面上の塵を除去する第一塵除去部と、塵が除去された前記樹脂成形品の表面に塗料を塗布する塗布部とを備えることを特徴とする樹脂成形品の表面処理装置。 - 請求項1記載の樹脂成形品の表面処理装置であって、
前記静電気除去部によって静電気が除去される前に前記樹脂成形品の表面を削る表面削り部を備えることを特徴とする樹脂成形品の表面処理装置。 - 請求項2記載の樹脂成形品の表面処理装置であって、
前記表面削り部によって前記樹脂成形品の表面が削られた後で、かつ前記静電気除去部によって静電気が除去される前に前記樹脂成形品の表面上の塵を除去する第二塵除去部を備えることを特徴とする樹脂成形品の表面処理装置。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂成形品の表面処理装置であって、
前記静電気除去部は、空気中の複数の分子をイオン化し、これらイオン化された分子を前記樹脂成形品の表面に衝突させることにより前記樹脂成形品の表面の静電気を中和して除去することを特徴とする樹脂成形品の表面処理装置。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂成形品の表面処理装置であって、
前記第一塵除去部は、前記樹脂成形品の表面にエアーを吹き付けることにより、または前記樹脂成形品の表面をブラシで擦ることにより前記樹脂成形品の表面上の塵を除去することを特徴とする樹脂成形品の表面処理装置。 - 樹脂を含む材料を成形してなる樹脂成形品の表面処理方法であって、
前記樹脂成形品の表面に発生した静電気を除去し、
次に、前記樹脂成形品の表面上の塵を除去し、
次に、前記樹脂成形品の表面に塗料を塗布することを特徴とする樹脂成形品の表面処理方法。
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JP2002205429A JP2004041983A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | 樹脂成形品の表面処理装置及び表面処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007181754A (ja) * | 2006-01-04 | 2007-07-19 | Misawa Homes Co Ltd | 表面処理装置 |
JP2010194993A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Nissha Printing Co Ltd | 高品質ヘアライン意匠加飾シートの製造方法 |
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2002
- 2002-07-15 JP JP2002205429A patent/JP2004041983A/ja active Pending
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