JP2004039888A - インダクタ部品 - Google Patents

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JP2004039888A JP2002195494A JP2002195494A JP2004039888A JP 2004039888 A JP2004039888 A JP 2004039888A JP 2002195494 A JP2002195494 A JP 2002195494A JP 2002195494 A JP2002195494 A JP 2002195494A JP 2004039888 A JP2004039888 A JP 2004039888A
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Kazunari Ishikawa
石川 一成
Takahiro Rikitake
力武 隆洋
Shusuke Uematsu
植松 秀典
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】大電流をコイルに通電し、コイルに熱が発生しても十分に放熱ができ、特性劣化を抑制したインダクタ部品を提供することを目的としている。
【解決手段】平角線14は、幅を厚みの2倍以下の寸法にするとともに、コイル5の内周部から外周部に向かって厚みを薄くした形状とし、隣接する上下の平角線14の間に隙間部9を設けて、この隙間部9にも樹脂を浸透させ平角線14を被覆した構成である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の各種電子機器に用いるインダクタ部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のインダクタ部品について図面を参照しながら説明する。
【0003】
図11は従来のインダクタ部品の斜視図、図12は同インダクタ部品の断面図、図13は同インダクタ部品の分解斜視図である。
【0004】
図11〜図13において、従来のインダクタ部品は、E字形状の分割磁芯を組み合わせた閉磁路磁芯20と、この閉磁路磁芯20に組み込み、平角線を縦方向に隣接して巻回したエッジワイズ巻きのコイル21と、このコイル21と閉磁路磁芯20との間に注型によって充填したシリコン系の樹脂からなる充填部22とを備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のインダクタ部品では、充填部22が、特に、注型(ポッティング)によって、充填されている点、シリコン系の樹脂を用いている点で、充填部22の内部に気泡23が含まれたり、高い粘性によりコイル21と閉磁路磁芯20との間に空気層が生じたり、隣接する上下の平角線間の隙間に空気層が生じたりして、充填部22の熱伝導率が小さくなりやすい。
【0006】
一般に、大電流をコイル21に通電するような状態においては、コイル21に熱が発生するために、充填部22を介して閉磁路磁芯20から放熱させる必要があるが、上記構成では、充填部22の熱伝導率が小さくなるので、閉磁路磁芯20にコイル21の熱が伝導しにくく、十分な放熱ができずに特性劣化を生じるという問題点を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、大電流をコイルに通電し、コイルに熱が発生しても十分に放熱ができ、特性劣化を抑制したインダクタ部品を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0009】
本発明の請求項1記載の発明は、特に、平角線はコイルの内周部から外周部に向かって厚みを薄くした形状にするとともに、隣接する上下の前記平角線の間に隙間部を設け、前記隙間部に樹脂を充填した構成である。
【0010】
上記構成により、熱の発生要因であるコイルを樹脂が被覆するので、コイルの熱を充填部に伝導しやすくするとともに、充填部の内部には気泡や空気層等の空隙部が形成されないので、充填部の熱伝導率が小さくなりにくく、コイルの熱は充填部を介して的確に閉磁路磁芯に伝導させ放熱することができ、特性劣化を抑制することができる。
【0011】
また、大電流をコイルに通電する場合は、隣接する平角線間において、短絡が生じやすくなるが、上記構成では、隣接する平角線の隙間に樹脂が充填され、絶縁性を向上することができる。
【0012】
特に、コイルの内周部と外周部を比べると、通電する電流は内周部の方を通り易いが、平角線はコイルの内周部から外周部に向かって厚みを薄くした形状にしているので、電流はコイルの内周部の方をより通り易くなり、電流効率が良い。この際、コイルが発熱しても、隣接する平角線の隙間に樹脂が充填されるので、コイルに発熱した熱は樹脂に伝導し易く、コイルの放熱もされ易い。
【0013】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、平角線の幅は、厚みの2倍以下の寸法とした構成である。
【0014】
上記構成により、平角線の幅方向に対する小形化を図れるとともに、請求項1記載の効果を得ることができる。
【0015】
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、閉磁路磁芯の連接脚を被覆した外装部の一部には前記連接脚を露出させる露出部を設けるとともに、前記露出部は前記閉磁路磁芯の中脚または外脚の延長線上に対向する位置に設けた構成である。
【0016】
上記構成により、この露出部より、閉磁路磁芯を支持することができ、特に、露出部は閉磁路磁芯の中脚または外脚の延長線上に対向する位置に設けているので強度が大きく、支持した際にクラック等も生じにくい。
【0017】
本発明の請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、特に、露出部の大きさは、閉磁路磁芯の中脚または外脚の延長線上に対向する部分の面積が対向しない部分の面積よりも少なくとも大きくなるようにした構成である。
【0018】
この露出部より、閉磁路磁芯を支持することができ、特に、露出部は閉磁路磁芯の中脚または外脚の延長線上に対向する部分の面積が対向しない部分の面積よりも少なくとも大きくなるようにしているので強度が大きく、支持した際にクラック等も生じにくい。
【0019】
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、充填部は樹脂を射出成型して形成した構成である。
【0020】
上記構成により、樹脂の流動性が向上し、隣接する平角線間に樹脂を浸透させやすく、平角線を樹脂で被覆しやすくするとともに、充填部の内部に空隙部を容易に非形成しやすくし、充填部の熱伝導率を的確に大きくし、放熱性を向上することができる。
【0021】
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、樹脂は液晶ポリマー系とした構成である。
【0022】
上記構成により、樹脂の流動性が向上し、隣接する平角線間に樹脂を浸透させやすく、平角線を樹脂で被覆しやすくなるとともに、充填部の内部に空隙部を形成されにくくし、充填部の熱伝導率を的確に大きくして、放熱性を向上することができる。
【0023】
特に、射出成型用の樹脂として適しており、成型バリ等が生じるのを防止することができる。
【0024】
本発明の請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、樹脂はエポキシ系とした構成である。
【0025】
上記構成により、樹脂の流動性が向上し、隣接する平角線間に樹脂を浸透させやすく、平角線を樹脂で被覆しやすくするとともに、充填部の内部に空隙部を形成されにくくし、充填部の熱伝導率を的確に大きくして、放熱性を向上することができる。
【0026】
本発明の請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、閉磁路磁芯は圧粉磁芯とした構成である。
【0027】
上記構成により、閉磁路磁芯の熱伝導率を大きくすることができ、放熱性を向上できる。
【0028】
本発明の請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、特に、閉磁路磁芯は、中央に形成した円柱状の中脚と、前記中脚に対して同心円状に形成した側壁状の外脚と、前記中脚と前記外脚とを連接した円形状の連接脚とを有した有底円筒形状の2つの分割磁芯を、互いに組み合わせて形成した構成である。
【0029】
上記構成により、樹脂を充填する際に、分割磁芯の形状に沿って樹脂を充填できるので、樹脂の流動性が向上し、樹脂を充填させやすくできる。
【0030】
これにより、隣接する平角線間に樹脂を浸透させやすく、平角線を樹脂で被覆しやすくするとともに、充填部の内部に空隙部を容易に非形成しやすくし、充填部の熱伝導率を的確に大きくして、放熱性を向上することができる。
【0031】
特に、樹脂を射出成型した際には、樹脂の流動性が一層向上し、非常に樹脂が充填されやすくなる。
【0032】
本発明の請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、特に、一方の分割磁芯の外脚および他方の分割磁芯の外脚には、それぞれ切欠部を設けるとともに、前記切欠部よりコイルの巻き始めと巻き終わりの引き出し線をそれぞれ引き出した構成である。
【0033】
上記構成により、コイルの引き出し線を容易に引き出すことができる。
【0034】
また、閉磁路磁芯の外周面を樹脂で被覆して外装部を設ける際には、切欠部から外装部の樹脂を充填部の樹脂として充填させることができる。
【0035】
本発明の請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、特に、一方の切欠部と他方の切欠部は互いに対向する位置に設けた構成である。
【0036】
上記構成により、閉磁路磁芯の外周面を樹脂で被覆し、外装部を設けるとともに、この樹脂を充填部としても用いる際に、切欠部を介して外装部から充填部への樹脂の流動性が向上し、樹脂を充填させやすくできる。
【0037】
本発明の請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明において、特に、切欠部の幅は、コイルの巻き始めと巻き終わりの引き出し線を切欠部から同方向に引き出した際に、前記切欠部の一端と前記引き出し線とが接触するとともに、コイルの巻き始めと巻き終わりの引き出し線を切欠部から反対方向に引き出した際に、前記切欠部の他端と前記引き出し線とが接触する距離を少なくとも有する寸法とした構成である。
【0038】
上記構成により、コイルの引き出し位置を自由に決めることができる。
【0039】
本発明の請求項13記載の発明は、請求項9記載の発明において、特に、閉磁路磁芯とコイルとの間に、前記コイルを収納する絶縁性を有したボビンを配置した構成である。
【0040】
上記構成により、閉磁路磁芯とコイルとの絶縁性を向上することができる。
【0041】
本発明の請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、特に、ボビンは一方の分割磁芯とコイルとの間にのみ設けた構成である。
【0042】
上記構成により、一方の分割磁芯を下方に配置し、樹脂を上方から充填した際に、ボビンを1個のみにしても、絶縁性を保持したまま形成でき、部品点数を削減できる。
【0043】
本発明の請求項15記載の発明は、請求項13記載の発明において、特に、ボビンには切欠部を設けた構成である。
【0044】
上記構成により、樹脂を充填する際に、樹脂の流動性が向上し、充填させやすくできる。
【0045】
本発明の請求項16記載の発明は、請求項10記載の発明において、特に、閉磁路磁芯とコイルとの間に、前記コイルを収納する絶縁性を有したボビンを配置するとともに、ボビンには切欠部の端部と係止する係止突起を設けた構成である。
【0046】
ボビンに設けた係止突起によって、閉磁路磁芯の切欠部の端部とボビンとが係止されるので、接着剤等を必要とせずに固定することができ、部品点数を削減することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の請求項1〜14記載の発明について図面を参照しながら説明する。
【0048】
図1は本発明の実施の形態1におけるインダクタ部品の断面図、図2は同インダクタ部品の斜視図、図3は外装部および充填部形成前の同インダクタ部品の分解斜視図である。
【0049】
図1〜図3において、本発明の実施の形態1におけるインダクタ部品は、車用電源のチョークコイルとして、100〜300kHz、140A程度で電流を通電しており、中脚1と、この中脚1に対向した外脚2と、これらの中脚1と外脚2とを連接した連接脚3とを有した閉磁路磁芯4と、この閉磁路磁芯4の中脚1の外周に巻回するとともに、平角線14を縦方向に隣接して巻回したコイル5と、閉磁路磁芯4の中脚1および外脚2および連接脚3とコイル5との空間を樹脂で充填した充填部6と、閉磁路磁芯4を樹脂で被覆した外装部8とを備えている。
【0050】
平角線14は、幅を厚みの2倍以下の寸法にするとともに、コイル5の内周部から外周部に向かって厚みを薄くした形状とし、隣接する上下の平角線14の間に隙間部9を設けて、この隙間部9にも樹脂を浸透させ平角線14を被覆している。
【0051】
充填部6および外装部8は、液晶ポリマー系の樹脂を射出成型して形成したものである。
【0052】
閉磁路磁芯4は圧粉磁芯とし、中央に形成した円柱状の中脚1と、この中脚1に対して同心円状に形成した側壁状の外脚2と、中脚1と外脚2とを連接した円形状の連接脚3とを有した有底円筒形状の2つの分割磁芯7を、互いに組み合わせて形成している。
【0053】
さらに、閉磁路磁芯4の連接脚3を被覆した外装部の一部には連接脚3を露出させる露出部17を設けるとともに、露出部17は閉磁路磁芯4の中脚1または外脚2の延長線上に対向する位置に設けている。この露出部17の大きさは、閉磁路磁芯4の中脚1または外脚2の延長線上に対向する部分の面積17aが対向しない部分の面積17bよりも少なくとも大きくなるようにしている。
【0054】
そして、一方の分割磁芯7の外脚2および他方の分割磁芯7の外脚2には、それぞれ切欠部10を設けるとともに、この切欠部10よりコイル5の巻き始めと巻き終わりの引き出し線11をそれぞれ引き出している。
【0055】
特に、切欠部10の幅(W)は、コイル5の巻き始めと巻き終わりの両方の引き出し線11を切欠部10から同方向に引き出した際に、切欠部10の一端12と両方の引き出し線11とが接触するとともに、コイル5の巻き始めと巻き終わりの両方の引き出し線11を切欠部10から反対方向に引き出した際に、切欠部10の他端13と両方の引き出し線11とが接触する距離を少なくとも有する寸法としている。
【0056】
上記構成のインダクタ部品について、以下その動作を説明する。
【0057】
上記構成により、熱の発生要因であるコイル5を樹脂が被覆するので、コイル5の熱を充填部6に伝導しやすくするとともに、充填部6の内部には気泡や空気層等の空隙部が形成されないので、充填部6の熱伝導率が小さくなりにくく、コイル5の熱は充填部6を介して的確に閉磁路磁芯4に伝導させ放熱することができ、特性劣化を抑制することができる。
【0058】
また、大電流をコイル5に通電する場合は、隣接する平角線14間において、短絡が生じやすくなるが、上記構成では、隣接する平角線14の隙間に樹脂が充填され、絶縁性を向上することができる。
【0059】
特に、コイル5の内周部と外周部を比べると、通電する電流は内周部の方を通り易いが、平角線14はコイル5の内周部から外周部に向かって厚みを薄くした形状にしているので、電流はコイル5の内周部の方をより通り易くなり、電流効率が良い。この際、コイル5が発熱しても、隣接する平角線14の隙間に樹脂が充填されるので、コイル5に発熱した熱は樹脂に伝導し易く、コイル5の放熱もされ易い。
【0060】
この平角線14の幅は、厚みの2倍以下の寸法としているので、平角線14の幅方向に対する小形化を図ることもできる。
【0061】
温度上昇特性について、従来のインダクタ部品と比較すると、コイル5に40A(アンペア)の直流電流を通電し、コイル5の表面温度を熱電対法により測定した場合は、従来のインダクタ部品の上昇温度が23.4K(ケルビン)であるのに対して、上記構成のインダクタ部品の上昇温度は16.4K(ケルビン)である。
【0062】
また、充填部6は樹脂を射出成型して形成しているので、樹脂の流動性が向上し、隣接する平角線14間に樹脂を浸透させやすく、平角線14を樹脂で被覆しやすくするとともに、充填部6の内部に空隙部を形成されにくくし、充填部6の熱伝導率を的確に大きくして、放熱性を向上することができる。特に、樹脂は液晶ポリマー系としているので、射出成型用の樹脂として適しており、成型バリ等が生じるのを防止することができる。
【0063】
さらに、閉磁路磁芯4は有底円筒形状の2つの分割磁芯7を、互いに組み合わせて形成しているので、樹脂を充填する際に、分割磁芯7の形状に沿って樹脂を充填でき、樹脂の流動性が向上し、樹脂を充填させやすくできる。特に、樹脂を射出成型した際には、樹脂の流動性が一層向上し、非常に樹脂を充填させやすい。
【0064】
これにより、隣接する平角線14間に樹脂を浸透させやすく、平角線14を樹脂で被覆しやすくするとともに、充填部6の内部に空隙部を形成されにくくし、充填部6の熱伝導率を的確に大きくして、放熱性を向上することができる。
【0065】
また、閉磁路磁芯4の連接脚3を被覆した外装部8の一部には連接脚3を露出させる露出部17を設けるとともに、露出部17は閉磁路磁芯4の中脚1または外脚2の延長線上に対向する位置に設けているので、この露出部17より、閉磁路磁芯4を支持することができる。特に、露出部17は閉磁路磁芯4の中脚1または外脚2の延長線上に対向する位置に設けているので、強度が大きく支持した際に閉磁路磁芯4にクラック等も生じにくい。
【0066】
この露出部17の大きさは、閉磁路磁芯4の中脚1または外脚2の延長線上に対向する部分の面積17aが対向しない部分の面積17bよりも少なくとも大きくなるようにしているので、的確にクラック等の発生を抑制できる。
【0067】
さらに、一方の分割磁芯7の外脚2および他方の分割磁芯7の外脚2には、それぞれ切欠部10を設けるとともに、この切欠部10よりコイル5の巻き始めと巻き終わりの引き出し線11をそれぞれ引き出しているので、コイル5の引き出し線11を容易に引き出すことができるとともに、閉磁路磁芯4の外周面を樹脂で被覆して外装部8を設ける際には、切欠部10から外装部8の樹脂を充填部6の樹脂として容易に充填させることができる。
【0068】
そして、切欠部10の幅(W)は、コイル5の巻き始めと巻き終わりの引き出し線11を切欠部10から同方向に引き出した際に、切欠部10の一端12と引き出し線11とが接触するとともに、コイル5の巻き始めと巻き終わりの引き出し線11を切欠部10から反対方向に引き出した際に、切欠部10の他端13と引き出し線11とが接触する距離を少なくとも有する寸法としているので、コイル5の引き出し位置を自由に決めることもできる。
【0069】
このように本発明の実施の形態1によれば、コイル5の熱は充填部6を介して的確に閉磁路磁芯4に伝導させ放熱することができ、特性劣化を抑制することができる。
【0070】
特に、充填部6に充填する樹脂は液晶ポリマー系としているので、射出成型用の樹脂として適しており、成型バリ等が生じるのを防止することができる。
【0071】
また、閉磁路磁芯4は、連接脚3を露出させた一方の分割磁芯7を露出部17より下方から支持することができ、一方の分割磁芯7と他方の分割磁芯7との組み合わせが崩れるのを防止できるとともに、外脚2に設けた切欠部10より、コイル5の引き出し線11を自由な位置で容易に引き出すことができる。
【0072】
なお、実施の形態1では、樹脂として、液晶ポリマー系を用いたが、エポキシ系としてもよい。
【0073】
また、2つの切欠部10の内、一方の切欠部10と他方の切欠部10は互いに対向する位置に設けてもよく、この場合、閉磁路磁芯4の外周面を樹脂で被覆し、外装部8を設けるとともに、この樹脂を充填部6としても用いる際に、切欠部10を介して外装部8から充填部6への樹脂の流動性が向上し、樹脂を充填させやすくできる。
【0074】
さらに、図4および図5に示すように、2つの分割磁芯7には、それぞれ切欠部10を2つ設け、互いに対向させるとともに、コイル5を直角方向に引き出してもよい。
【0075】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の請求項13〜16記載の発明について図面を参照しながら説明する。
【0076】
図6は本発明の実施の形態2における外装部および充填部形成前のインダクタ部品の分解斜視図である。
【0077】
図6において、本発明の実施の形態2におけるインダクタ部品は、実施の形態1におけるインダクタ部品を改良したものであり、閉磁路磁芯4とコイル5との間に、コイル5を収納する絶縁性を有したボビン15を配置するとともに、このボビン15は一方の分割磁芯7とコイル5との間にのみ設けている。
【0078】
また、ボビン15には複数の切欠部10を設けた構成である。
【0079】
上記構成により、閉磁路磁芯4とコイル5との間に、コイル5を収納する絶縁性を有したボビン15を配置しているので、閉磁路磁芯4とコイル5との絶縁性を向上することができるとともに、ボビン15は一方の分割磁芯7とコイル5との間にのみ設けているので、一方の分割磁芯7を下方に配置し、樹脂を上方から充填した際に、ボビン15を1個のみにしても、絶縁性を保持したまま形成でき、部品点数を削減できる。
【0080】
また、ボビン15には切欠部10を設けているので、樹脂を充填する際に、樹脂の流動性が向上し、充填させやすくできる。
【0081】
なお、本発明の実施の形態2では、複数の切欠部10を有したボビン15を用いたが、図7および図8に示すように、切欠部10の他端13と係止する係止突起16を設けたボビン15を用いてもよく、この場合、この係止突起16によって、閉磁路磁芯4の切欠部10の他端13とボビン15とが係止されるので、接着剤等を必要とせずに固定することができ、部品点数を削減することができる。
【0082】
さらに、他のボビン15の形状として、図9および図10に示すようなものでもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、熱の発生要因であるコイルを樹脂が被覆するので、コイルの熱を充填部に伝導しやすくするとともに、充填部の内部には気泡や空気層等の空隙部が形成されないので、充填部の熱伝導率が小さくなりにくく、コイルの熱は充填部を介して的確に閉磁路磁芯に伝導させ放熱することができ、特性劣化を抑制することができる。
【0084】
また、大電流をコイルに通電する場合は、隣接する平角線間において、短絡が生じやすくなるが、上記構成では、隣接する平角線の隙間に樹脂が充填され、絶縁性を向上することができる。
【0085】
特に、コイルの内周部と外周部を比べると、通電する電流は内周部の方を通り易いが、平角線はコイルの内周部から外周部に向かって厚みを薄くした形状にしているので、電流はコイルの内周部の方をより通り易くなり、電流効率が良い。この際、コイルが発熱しても、隣接する平角線の隙間に樹脂が充填されるので、コイルに発熱した熱は樹脂に伝導し易く、コイルの放熱もされ易い。
【0086】
この結果、コイルの熱を充填部を介して的確に閉磁路磁芯に伝導させて放熱性を向上し、特性劣化を抑制したインダクタ部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるインダクタ部品の断面図
【図2】(a)同インダクタ部品の上面側斜視図
(b)同インダクタ部品の下面側斜視図
【図3】外装部および充填部形成前の同インダクタ部品の分解斜視図
【図4】外装部および充填部形成前の他の閉磁路磁芯を有した同インダクタ部品の分解斜視図
【図5】外装部および充填部形成前の他の閉磁路磁芯を有した同インダクタ部品の斜視図
【図6】本発明の実施の形態2における外装部および充填部形成前のインダクタ部品の分解斜視図
【図7】外装部および充填部形成前の係止突起付のボビンを有した同インダクタ部品の分解斜視図
【図8】外装部および充填部形成前の係止突起付のボビンを有した同インダクタ部品の斜視図
【図9】外装部および充填部形成前の2つのボビンを有した同インダクタ部品の分解斜視図
【図10】外装部および充填部形成前の切欠部が1つのみのボビンを有した同インダクタ部品の分解斜視図
【図11】従来のインダクタ部品の斜視図
【図12】同インダクタ部品の断面図
【図13】同インダクタ部品の分解斜視図
【符号の説明】
1 中脚
2 外脚
3 連接脚
4 閉磁路磁芯
5 コイル
6 充填部
7 分割磁芯
8 外装部
9 隙間部
10 切欠部
11 引き出し線
12 一端
13 他端
14 平角線
15 ボビン
16 係止突起
17 露出部
17a 対向する部分の面積
17b 対向しない部分の面積

Claims (16)

  1. 中脚と、前記中脚に対向した外脚と、前記中脚と前記外脚とを連接した連接脚とを有した閉磁路磁芯と、前記閉磁路磁芯の前記中脚の外周に、平角線を縦方向に隣接して巻回したコイルと、前記閉磁路磁芯の前記中脚および前記外脚および前記連接脚と前記コイルとの空間を樹脂で充填した充填部と、前記閉磁路磁芯を前記樹脂で被覆した外装部とを備え、前記平角線は前記コイルの内周部から外周部に向かって厚みを薄くした形状にするとともに、隣接する上下の前記平角線の間に隙間部を設け、前記隙間部に前記樹脂を充填したインダクタ部品。
  2. 平角線の幅は、厚みの2倍以下の寸法とした請求項1記載のインダクタ部品。
  3. 閉磁路磁芯の連接脚を被覆した外装部の一部には前記連接脚を露出させる露出部を設けるとともに、前記露出部は前記閉磁路磁芯の中脚または外脚の延長線上に対向する位置に設けた請求項1記載のインダクタ部品。
  4. 露出部の大きさは、閉磁路磁芯の中脚または外脚の延長線上に対向する部分の面積が対向しない部分の面積よりも少なくとも大きくなるようにした請求項3記載のインダクタ部品。
  5. 充填部は樹脂を射出成型して形成した請求項1記載のインダクタ部品。
  6. 樹脂は液晶ポリマー系とした請求項1記載のインダクタ部品。
  7. 樹脂はエポキシ系とした請求項1記載のインダクタ部品。
  8. 閉磁路磁芯は圧粉磁芯とした請求項1記載のインダクタ部品。
  9. 閉磁路磁芯は、中央に形成した円柱状の中脚と、前記中脚に対して同心円状に形成した側壁状の外脚と、前記中脚と前記外脚とを連接した円形状の連接脚とを有した有底円筒形状の2つの分割磁芯を、互いに組み合わせて形成した請求項1記載のインダクタ部品。
  10. 一方の分割磁芯の外脚および他方の分割磁芯の外脚には、それぞれ切欠部を設けるとともに、前記切欠部よりコイルの巻き始めと巻き終わりの引き出し線をそれぞれ引き出した請求項9記載のインダクタ部品。
  11. 一方の切欠部と他方の切欠部は互いに対向する位置に設けた請求項10記載のインダクタ部品。
  12. 切欠部の幅は、コイルの巻き始めと巻き終わりの引き出し線を切欠部から同方向に引き出した際に、前記切欠部の一端と前記引き出し線とが接触するとともに、コイルの巻き始めと巻き終わりの引き出し線を切欠部から反対方向に引き出した際に、前記切欠部の他端と前記引き出し線とが接触する距離を少なくとも有する寸法とした請求項10記載のインダクタ部品。
  13. 閉磁路磁芯とコイルとの間に、前記コイルを収納する絶縁性を有したボビンを配置した請求項9記載のインダクタ部品。
  14. ボビンは一方の分割磁芯とコイルとの間にのみ設けた請求項13記載のインダクタ部品。
  15. ボビンには切欠部を設けた請求項13記載のインダクタ部品。
  16. 閉磁路磁芯とコイルとの間に、前記コイルを収納するボビンを配置するとともに、ボビンには切欠部の端部と係止する係止突起を設けた請求項10記載のインダクタ部品。
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