JP2004038100A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷作業の効率を向上できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】2枚取り印刷モードと1枚取り印刷モードを切換える制御手段としての機能と、現像バイアスを調整するバイアス調整手段としての機能と、トナー補給装置5のトナー補給量を調整するトナー補給量調整手段としての機能とを有するCPU101を備え、CPU101は静電潜像が形成された感光体ベルト21の表面電位が電位センサ2による検知時とカラー現像装置4における作用時において変化することを考慮して現像バイアス及び/又はトナー補給量を調整し、また、印刷処理の実行中にトナー濃度制御の実行命令が発生した場合には、1枚取り印刷モードを採用し、これによって生じた感光体ベルト21上の空き領域にトナー基準パターンを形成し、これを用いてトナー濃度制御を実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】2枚取り印刷モードと1枚取り印刷モードを切換える制御手段としての機能と、現像バイアスを調整するバイアス調整手段としての機能と、トナー補給装置5のトナー補給量を調整するトナー補給量調整手段としての機能とを有するCPU101を備え、CPU101は静電潜像が形成された感光体ベルト21の表面電位が電位センサ2による検知時とカラー現像装置4における作用時において変化することを考慮して現像バイアス及び/又はトナー補給量を調整し、また、印刷処理の実行中にトナー濃度制御の実行命令が発生した場合には、1枚取り印刷モードを採用し、これによって生じた感光体ベルト21上の空き領域にトナー基準パターンを形成し、これを用いてトナー濃度制御を実行する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真プロセスを利用する画像形成装置に係り、特に、トナー濃度制御等のプロセスコントロール機能と2枚取り印刷処理機能とを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置として、安定した画像品質を維持するために、静電潜像の生成及び現像プロセスにおいて、電位制御、露光量制御、トナー濃度制御等のプロセスコントロール(以下、プロコンと記す)を行うものが知られており、例えば、特開2000−330345公報に開示された技術がある。
また、印刷処理速度を向上させるために印刷データを少なくとも2ページ毎に印刷(2枚取り印刷)処理する画像形成装置の例として、特開2000−158767公報に記載された技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
2枚取り印刷機能とプロコン機能とを有する画像形成装置において、2枚取り印刷の実行中にプロコンの実行命令が発生した場合、プロコンの実行は2枚取り印刷による処理が全て終了した時点で可能となる。このため、プロコンが必要であるにも関わらず、これを実行できないまま印刷されたものは当然、画像品質が低下してしまう。この場合には印刷後のプロコンの実行を待ってから該当ページを再度印刷し直さなければならない。そのため、印刷作業の効率が悪かった。
そこで、本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、印刷処理の実行中であっても1枚取り印刷モードによる印刷処理をしながらプロコンを実行することで印刷作業の効率を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために、請求項1記載の発明では、入力された印刷データを少なくとも2ページ毎に印刷処理する2枚取り印刷モードと、前記入力された印刷データを1ページ毎に印刷処理する1枚取り印刷モードの切換えを制御する制御手段を有する画像形成装置であって、像担持体の表面電位を検知する電位検知手段と、現像剤により前記像担持体上の静電潜像を現像する現像手段と、前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、現像されたトナー像の濃度を検知するトナー濃度検知手段と、トナー基準パターンによる基準静電潜像が形成された時に前記電位検知手段により検知される前記像坦持体の表面電位に基づいてトナー基準パターンを顕像化する際の現像バイアスを調整するバイアス調整手段と、トナー基準パターンを前記バイアス調整手段により決定されたバイアスで顕像化した時に前記トナー濃度検知手段により検知される濃度値に応じて前記トナー補給手段におけるトナー補給量を調整するトナー補給量調整手段とを有し、前記バイアス調整手段及び/又は前記トナー補給量調整手段は、静電潜像が形成された前記像坦持体の表面電位が前記電位検知手段の検知時と前記現像手段における作用時において変化することを考慮して、前記現像バイアス及び/又はトナー補給量を調整する画像形成装置において、印刷処理の実行中にトナー濃度制御の実行命令が発生したときには、前記1枚取り印刷モードを採用し、前記1枚取り印刷モードの採用によって生じた前記像担持体上の空き領域に形成した前記トナー基準パターンを用いてトナー濃度制御を実行するようにした画像形成装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記現像バイアス及び/又はトナー補給量の調整を、電源投入時から所定の時間経過後においては、現像バイアス及び/又はトナー補給量の前記補正なしで行う画像形成装置を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態である画像形成装置100の制御系を示すブロック図である。画像形成装置100は電子写真プロセスを利用した印刷システムを有し、一度に2ページ分の印刷処理ができる2枚取り印刷モードと、1ページ分の印刷を実行する1枚取り印刷モードとが用意されている。
図1に示すように、画像形成装置100の制御系はCPU101と、プログラムROM104と、RAM106と、エンジンI/F107と、エンジン108と、パネルI/F109と、操作パネル110と、ホストI/F111と、ホストI/F112と、ホスト装置113と、ホスト装置114とにより構成される。
CPU101は、プログラムROM104に格納される制御プログラム、操作パネル110から操作者により入力されたモード指示(1枚取りか2枚取り等)およびホスト装置113、114からのコマンドに基づいて画像形成装置100を制御する制御手段である。なお、CPU101は後述するバイアス調整手段、トナー補給量調整手段としての機能も有している。
RAM106は、CPU101のワークメモリ、入力データのインプットバッファ、印刷データのページバッファ、ダウンロード用のメモリ等に用いられるRAMである。
エンジン108は、後述する電位検知手段、帯電装置、現像手段、トナー補給手段、中間転写ベルト、反射型フォトセンサ、クリーニング装置、除電装置、レーザダイオード、定着ローラ、定着装置、感光体ベルト、サーミスタ、温度検知手段等が配設され、上述のエンジンI/F107を介して送信される印刷データを記録紙上に印刷処理する。入力されるビデオ信号および制御信号に従い、像担持体上に静電潜像を作り、現像し、また給紙部から転写紙を給紙し、転写紙への印刷データの転写および定着を行う。
【0006】
パネルI/F109は、操作パネル110とコマンドおよびステータスの通信を行うインタフェースである。操作パネル110は、操作者に現在の画像形成装置100の状態および処理状況を知らせる図示されない表示部と、画像形成装置100への所望のモード指示データおよび用紙指定等の入力を行う図示されない入力部とから構成されている。
ホストI/F111は、画像形成装置100の上位装置となるホスト装置113との通信を行うためのインタフェースである。ホストI/F112も、同様に画像形成装置100の上位装置となるホスト装置114と通信を行うためのインタフェースである。両者は、通常セントロI/FやRS232C等により接続されるが、それ以外にもEtherNet(イーサネット;登録商標)やLocalTalk(ローカルトーク)等による接続も可能なインタフェースである。
【0007】
ここで、画像形成装置100の動作例を図2のフローチャートを用いて説明する。なお、この例において、副走査方向がLT(レター)横サイズ以下の画像印刷では、後述する中間転写ベルトに2ページ分の画像を形成することができるようになっており、1ページの画像印刷では、ベルトの非画像部分を2倍速させて印刷時間の短縮を行っている。
また、後述するが、画像形成装置100では、バイアス値等のプロセス諸条件の設定を行うために、像担持体としての感光体ベルトや中間転写ベルト上にトナー基準パターンを作像させ、このパターンを検知し、その検知値をプロセス諸条件にフィードバックして画像のトナー濃度制御を行うことで良好なトナー濃度で画像出力を行っている。この例では、中間転写ベルト上に形成したトナー基準パターンを検知して処理することによってトナー濃度制御を行う。プロコンを実行するタイミングは、新品のセットアップ動作時、ユニット交換時、定期間隔、環境変動時、立ち上げ時等である。例えば、立ち上げ時のプロコン動作の条件を定着温度で規定し、定着温度が80℃以下の場合に動作するように設定している。また、定期間隔でもプロコンを実行するようにしており、その動作条件としては例えば、プロコンカウンタによる検知結果が所定の印刷枚数(100枚)に達した時点としている。
【0008】
さて、図2のフローチャートにおいて、まず、LT横サイズ以下の印刷命令が来ると(S(ステップ)1)、プロコンカウンタをカウントアップし(S2)、このときに所定値としての100枚に達しているか否かを判断し(S3)、100枚に達していれば、1枚取り印刷モードによる印刷処理の実施と並行してプロコンを実施する(S4)。このとき、画像形成装置100では、1枚取り印刷モードの採用によって中間転写ベルト上に生じた印刷画像のないスペースにトナー基準パターンを形成し、これを基にトナー濃度を調整するようにしている。
ステップ3において、100枚に達していなければ、カウントダウン用の2枚取りカウンタをカウントダウンし(S5)、印刷開始カウント値に達したか否かを判断する(S6)。印刷開始カウント値は例えば、1に設定される。そして、印刷開始カウント値に達していれば1枚取り印刷を実行し(S7)、印刷開始カウント値に達していなければ、次の印刷要求が有無を確認する(S8)。次の印刷要求があれば、2枚取り印刷モードによる印刷処理を行う(S9)。印刷要求が無ければS5に戻る。
このように、画像形成装置100では、印刷処理の実行中にプロコンの実施命令が発生しても、1枚取り印刷モードを採用し、これにより生じた中間転写ベルト6の空き領域にトナー濃度調整用のトナー基準パターンを形成してプロコンを実行するので、画像品質を常に一定に保つことができ、画像品質の劣化による印刷の失敗がない。したがって、印刷作業の効率を向上させることができる。
【0009】
ここで、画像形成装置100におけるプロコンについて説明するにあたり、まず、画像形成装置100の各動作部について説明する。図3は画像形成装置100の動作部を示す断面図である。図3に示すように、画像形成装置100は像担持体としての感光体ベルト21と、感光体ベルト21の表面を帯電させる帯電装置3と、感光体ベルト21の表面電位を検知する電位検知手段としての電位センサ2と、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の現像材(トナー)を有する4つの現像器を一体的に形成した現像手段としてのカラー現像装置4と、トナー補給手段としてのトナー補給装置5と、転写手段としての中間転写ベルト6と、中間転写ベルト6に対向配置された反射型フォトセンサ7、クリーニング装置8、除電装置9、LD(レーザダイオード)10、定着装置20(定着ローラ11、サーミスタ22)とを有している。
これら動作部を有する画像形成装置100は、トナー像を形成する電子写真プロセス部、トナー像を定着させる定着部、転写紙を収納し搬送する給紙部及び感光体ベルト上に画像データの潜像を形成するための書き込みユニットを備え、上述のCPU101(図1)によって制御される。
電子写真プロセス部は、トナー像の形成及びそのトナー像の用紙への転写を行う部分であり、感光体ベルト21の周囲にそのプロセスを行う装置を備えている。即ち、図3に示すように、感光体ベルト21の周りには、帯電装置3、カラー現像装置4、除電装置9、クリーニング装置8がこの順に配置されている。また、感光体ベルト21に対向するように中間転写ベルト6が配され、これにより、転写用紙に感光体ベルト21のトナー像が転写される。
給紙部は格納された転写紙を中間転写ベルト6へ供給し、感光体ベルト21のトナー像の先端と紙の先端を合わせるためにタイミングを合わせて転写紙を搬送するようになっている。定着部は、転写紙上のトナー像を定着するために最終段に設けられ、図3で定着装置20として示され、送り込まれてくる転写紙を対をなす定着ローラ11により熱圧着し、トナー像を定着させる。また、ここには定着ローラ11の温度を管理するために温度検知手段としてのサーミスタ22が設けられている。
書き込みユニットは、感光体ベルト21の帯電装置3とカラー現像装置4の間における領域に光ビームを照射し静電潜像を書き込むもので、画像データに基づいて駆動されるLD10からの光を高速回転するポリゴンミラーにより偏向させ、結像・反射光学系により感光体ベルト21面上を光走査する点像を結ぶように成されている。
また、光による主走査に加え、感光体ベルト21を搬送させて副走査を行っているので、感光体ベルト21上に2次元の潜像が作られる。この外に、電子写真方式によるプロセスを適正に動作させるために、感光体ベルト21の表面電位を検知する電位センサ2を書き込みユニットのレーザによる書き込みが行われる位置とカラー現像装置4の間に備え、また、トナー濃度検知手段として反射型フォトセンサ7を中間転写ベルト6に対向するように備える。
【0010】
ここで、各動作部による電子写真プロセスの画像形成動作を簡単に説明する。印刷ジョブの受け入れから各動作部による画像出力までの装置の動作全体を制御するCPU101からの画像形成の開始の指示により、ポリゴンミラー、感光体ベルト21、定着ローラ11等を駆動し、同時に、送り込まれた印刷データの処理を開始する。
印刷データからはこれをもとにビットマップデータが展開され、ビットマップデータにより書き込みユニットを動作させ、感光体ベルト21にレーザ書き込みを行う。感光体ベルト21では、帯電装置3で一様に帯電された感光体ベルト21の表面にLD10からのレーザ光による書き込みにより静電潜像が形成され、形成された潜像にはカラー現像装置4でトナーが付着されて顕像化された後、得られるトナー像が感光体ベルト21に対向配置される中間転写ベルト6上の転写紙に転写される。トナー像が形成された転写紙は定着装置20に送り込まれ、熱圧着による定着処理後に排紙されて、このプロセスを終了する。
【0011】
さて、上述のようにして行われる画像形成動作において、環境変動や経時変動の影響をなくし画質を安定に保つために、静電潜像の生成及び現像プロセスにおいて、電位制御及び露光量制御等のプロコンが実施される。そのコントロールは、感光体ベルト21への作用順に帯電装置3、LD10による書き込み部、LD10による書き込み部とカラー現像装置4との間に設けられ、感光体ベルト21の表面電位を検出する電位センサ2を用い、帯電装置3による帯電電位VDが所定の値となるよう調整し、さらに帯電電位VD調整後、LD書き込み露光後の電位が所定の値となるよう露光量を調整する等の方式により行い、画質の安定化を図る。
また、トナーを用いて画像形成を行う場合には、上述の調整に伴って行うプロセスコントロールの1つとして、トナー濃度制御を行う。この制御方式は、トナー基準パターンによる基準静電潜像の書き込みによる電位を検知し、この検知値に応じてトナー基準パターン作成時の現像バイアスを決定することによる。現像バイアスの調整はバイアス調整手段の機能も有するCPU101によって行われる。これらのプロセスコントロールついて以下に説明する。
【0012】
まず、この例の前提条件について明らかにする。現像時の電位の最適値を目標値として電位センサ2によりプロコンを行う場合に、感光体ベルト21の線速(副走査方向の速度)が早い条件で行うと、電位センサ2で検知した電位とカラー現像装置4において実際に現像する時点での電位が異なるので、ずれが生じ最適な作像条件を設定できないという問題があり、また、このずれは、温度やCTL(Carrier Transport Layer)膜厚に依存し、低温の方が、またCTL膜厚が大きい方がすれが顕著に現れることが分かっている。このずれについては、従来技術における実験結果として、下記表1が得られている。
【表1】
なお、表1は、帯電装置3により同一の帯電電位が付与された場合に、電位センサ2における検知値とカラー現像装置4における帯電電位値のずれ(電位差)を感光体ベルト21の温度をパラメータとしてとったものである。表1に示すように、感光体ベルト21の温度により異なる電位差が生じている。20℃では差がないが、例えば感光体ベルト21の温度が10℃であると電位センサ2とカラー現像装置4における電位は約60(V)の差が生じる。
このような環境で、従来例に示したようなプロコンにより電位調整が行われると、電位センサ2で−320(V)に調整したとしてもカラー現像装置4では、実際には−260(V)になってしまっており、目標よりも濃い、暗い画像となってしまう不具合が発生する。さらに、低温では感度が低下するため、低温の条件で調整をし、そのままの状態で機械稼働を続けている中に室温が暖まるなどした場合には、感度が戻り、より暗い、濃い画像となってしまう。これに対応するために温度条件や像担持体(感光体ベルト)の経時変化に応じたプロコンを行うものであり、以下の〈実施例1〉〜〈実施例8〉を用いて説明する。
【0013】
〈実施例1〉
本実施例は、プロコン実行時の温度条件を検知し、プロコンにより感光体ベルト21の表面電位を調整する場合の目標値を検知した温度条件をパラメータとして可変に設定することにより従来発生した調整のずれを防止するものである。
図4は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。先ず、装置を動作させる時点の機械の温度(環境温度)条件を求める。図4を参照すると、メインSWの電源を投入した時にフローが開始され(S301)、メインSWの電源を投入したと同時に、ここでは温度条件として定着装置20における定着温度Tを定着ローラ11の温度を検知するサーミスタ22により検知し(S302)、求めた定着温度Tに基づき電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T)を下記表2に例示されるような値を参照して決定する(S303)。例えば、メインSWの電源投入時の定着温度が11℃であった場合、目標値f(T)=−370(V)を決定する。
【表2】
なお、表2は、区分された温度範囲における各目標値f(T)が表され、目標値f(T)は、上述表1のずれ量を得たと同様にして、温度を変化させた場合に実験により求めた値に基づいて定められた値で、電位センサ2とカラー現像装置4の設置条件が違えば異なる値となる。次に、プロコンを実行するか否かを判断するために、先に検知した定着温度TがT≦80℃であるか否かをチェックし(S304)、T>80の場合には、何も実行せずに終了し(S316)、T≦80の場合には、プロコンを実行する。
このように、電源投入時の定着温度Tを検知し、定着温度Tが低く画像形成の準備が整う前の状態であると判断したところでプロコンを実行するようにしているために、ほぼ1日に1回プロコンが実行されることになる。プロコン実行時の手順は、次の通りである。プロコンの実行が開始されると(S305)、先ず、像坦持体としての感光体ベルト21に基準電圧を印加した際に電位センサ2の検知値が所定値となるように電位センサ2の校正を行う(S306)。
【0014】
次に、感光体ベルト21のトナー基準パターン濃度を検知するために設けられる反射型フォトセンサ7の校正を行う(S307)。校正は、トナー像の無いときの反射型フォトセンサ7の出力を4(V)に調整することにより行う。
電位センサ2と反射型フォトセンサ7の校正後に、帯電装置3において所定のグリッド電圧を印加して装置の電源を投入し(S308)、その際の表面電位VDを電位センサ2により検知する(S309)。この検知値が目標値である−900±15(V)であるか否かをチェックし(S310)、目標値ではない場合には、帯電装置3のグリッド電圧VGに−(VD+900)(V)を加える調整をし(S311)、再度検知を行う。検知値が−900±15(V)の範囲に入るまでこの手順を繰り返す。
感光体ベルト21の帯電電位VDが目標値になった後、露光量の調整を行う。この例では、LD10のPWM(パルス幅変調)dutyが1/2duty時の光量でトナー基準パターン潜像を作成し(S312)、この時の表面電位VHを検知し(S313)、検知値がS303で決定された目標値f(T)に基づくf(T)±20=−370±20(V)であるか否かをチェックしながら(S314)、表面電位VHが目標値になるまでLD10の光量の調整を行う(S315)。目標値(−370±20(V))に達したところで調整を終え、その光量値を決定し、このフローを終了する(S316)。
以上のように電源投入時に、温度変化による電位センサ2とカラー現像装置4の電位差を考慮して温度によって目標値を可変に設定することで、狙いのプロコンを行うことにより、プロコン終了後は、適正に調整されたグリッド電圧、LD光量にて作像される。
したがって、環境の変化や経時変化に対して調整がなされ、安定した良好な画質の画像が形成される。また、このような低温状態となるのは機械放置時の朝一回に限られ、機械が稼動している場合には定着の熱等で機械内部が暖まるため、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差は問題とならなくなる。そのため、感光体ベルト21の近傍に新たに温度検知手段を設けること無く、定着装置20に元からあるサーミスタ22を用いることでコストダウンとなり、かつ十分の効果を得ることができる。
【0015】
〈実施例2〉
本実施例は、プロコン実行時の温度条件が低温である場合に、調整量が大きいため、機械稼働後に内部温度が上昇した状態では、最適な調整が行われていないことがあり得る。このために、再度プロコンを行うようにしたものである。図5は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。先ず、装置を動作させる時点の機械の温度(環境温度)条件を求める。
図5を参照すると、メインSWの電源を投入するとフローが開始され(S401)、SWの電源を投入したと同時に、ここでは温度条件として定着装置20におけるサーミスタ22により定着温度Tを検知し、求めた定着温度Tに基づき電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T)を、上述〈実施例1〉におけると同じ手順で決定する(S402)。次に、プロコンを実行するか否かを判断するために、先に検知した定着温度TがT≦80℃であるか否かをチェックし(S403)、T>80の場合には、何も実行せずに終了し(S409)、T≦80の場合には、プロコンを実行する。
プロコン実行時の手順は、次の通りである。プロコンを実行する前に、先に検知した定着温度TがT≦19℃であるか否かをチェックし(S404)、T≦19の場合には、プロコンを実行した(S405)後に、今実行したプロコンから1k枚画像形成を行った後に、再度プロコンを実行するような設定を行う(S406)。つまり、1k枚画像形成後には、機械内が十分に暖まり、低温で行った先のプロコンを再調整する条件が整うからである。
このようにして、プロコンを再度行うことによって、目標により近い適正な画像形成が可能となる。また、T>19の場合には、プロコンを実行した(S407)後に、S406とは異なり、次のプロコン実行時期を変更せず(即ち、メインSWの電源投入時に行う)、プロコンを終了する(S409)
なお、S406において、1k枚画像形成後の再調整時に設定される電位VHの目標値f(T)は−320(V)とする(表2、参照)。また、このステップで、本実施例では、次回のプロコン実行時期を画像形成枚数にて決定したが、メインSWの電源を投入してからの時間で実行時期を決定するように実施しても良い。
【0016】
〈実施例3〉
本実施例は、プロコンを行って感光体ベルト21の表面電位を調整する場合に、さらに感光体ベルト21のCTL膜厚の経時変化を考慮して目標値f(T,H)を可変に設定することにより調整のずれを防止するものである。感光体ベルト21のCTL膜厚は使用するに連れて薄くなり、電位センサ2とカラー現像装置4における電位差は小さくなってくる。
この例においては、感光体ベルト21の膜厚の変化を感光体ベルト21の駆動時間の累積値(以後、単に「像担持体駆動時間」と記す)Hにより推定するようにしている。図6は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。本実施例のフローでは、先ず、装置を動作させる時点の機械の温度及び像担持体駆動時間を求める。図6を参照すると、メインSWの電源を投入した時にフローが開始され(S501)、SWの電源を投入したと同時に、ここでは定着装置20におけるサーミスタ22により定着温度Tと像担持体駆動時間Hを検知し(S502)、求めた値に基づき電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T,H)を下記表3に例示されるような値を参照して決定する(S503)。
例えば、メインSWの電源投入時の定着温度が11℃で像担持体駆動時間が5hrだった場合、目標値f(T,H)=−370(V)を、又、定着温度が11℃で像担持体駆動時間が60hrだった場合、目標値f(T,H)=−320(V)を決定する。
【表3】
なお、表3は、温度と駆動時間をパラメータとして区分された範囲における各目標値f(T,H)が表され、目標値f(T,H)は、温度と駆動時間を変化させた場合に実験により得たずれ分に基づいて定めた値であり、電位センサ2とカラー現像装置4の設置条件が違えば異なる値となる。続けて、プロコンが実行される。
その手順は、図6におけるS504〜S516までに示されている。このプロコン実行手順は、上述〈実施例2〉におけるプロコン実行手順(図4のS304〜S316)において、目標値f(T)を目標値f(T,H)とし、像担持体駆動時間を加味した目標値を設定した以外に手順に違いがなく、上述〈実施例2〉に記載したとおりのフローを実行する。したがって、ここでは、重複した説明をしない。
【0017】
〈実施例4〉
本実施例は、温度条件と感光体ベルト21の膜厚変化に応じてプロコンの異なる実行形態を選択するようにするもので、プロコン実行時の温度条件が高温である場合にプロコンを実行せず、低温且つ像担持体駆動時間が少ない場合や極めて低温の場合に、調整量が大きくなるため、機械稼働後に内部温度が上昇した状態では、最適な調整が行われていないことがあり得る。このために、再度プロコンを行うようにするものである。
図7は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。先ず、装置を動作させる時点の機械の温度(環境温度)条件及び感光体ベルト21の膜厚状態を求める。図7を参照すると、メインSWの電源を投入した時にフローが開始され(S601)、SWの電源を投入したと同時に、ここでは温度条件として定着温度T及び像担持体駆動時間Hを検知し、求めた定着温度T及び像担持体駆動時間Hに基づき、電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T,H)を、上述〈実施例3〉におけると同じ手順で、決定する(S602)。
次に、プロコンを実行するか否かを判断するために、先に検知した定着温度TがT≦80℃であるか否かをチェックし(S603)、T>80の場合には、何も実行せずに終了し(S611)、T≦80の場合には、プロコンを実行する。
プロコン実行時の手順は、次の通りである。プロコンを実行する前に、先に検知した像担持体駆動時間HがH≦20hrであるか否かをチェックし(S604)、H≦20hrの場合は、さらに、先に検知した定着温度TがT≦19℃であるか否かをチェックし(S605)、T≦19の場合には、プロコンを実行した(S607)後に、今、実行したプロコンから1k枚画像形成を行った後に、再度プロコンを実行するような設定を行う(S609)。
つまり、1k枚画像形成後には、機械内が十分に暖まり、低温で行った先のプロコンを再調整する条件が整うからである。このようにして、プロコンを再度行うことによって、目標により近い適正な画像形成が可能となる。
【0018】
また、上述S605でT>19℃の場合には、プロコンを実行した(S608)後に、S609とは異なり、次のプロコン実行時期を変更せず(即ち、メインSWの電源投入時に行う)、プロコンを終了する(S611)。一方、S604でH>20hrの場合には、さらに、T≦10℃であるか否かをチェックし(S606)、T≦10℃の場合には、上述のS605〜S609に戻す。つまり、感光体ベルト21の膜厚変化だけからすると再調整の必要がない場合であっても、極めて低い温度条件にある場合には、再調整のフローを行うようにする。
また、S606でT>10℃の場合には、再調整を行わずに、上述のS608〜S611を行う。なお、S609において、1k枚画像形成後の再調整時に設定される電位VHの目標値f(T,H)は−320(V)とする(表3、参照)。また、このステップで、本実施例では、次回のプロコン実行時期を画像形成枚数にて決定したが、メインSWの電源投入時からの時間で実行時期を決定するようにしても良い。
このように、本実施例によると、温度条件と感光体ベルト21の膜厚状態を見ながら、再調整の必要性を判断し、適切にプロコンを行うようにして、無駄な感光体ベルト21の駆動をせずに、又、プロコン時の機械ストップ等を防ぐことができる。
【0019】
〈実施例5〉
ところで、トナーを用いて画像形成を行う場合には、プロセスコントロールとして、上述した感光体ベルト21の帯電電位VDの調整及びLD10の光量調整に加えて、トナー濃度制御を行う。この制御方式は、トナー基準パターンの書き込みによる電位を検知し、この検知値に応じトナー基準パターン作成時の現像バイアスを決定する等の調整を行うものである。このトナー濃度制御は図2のS4で示したプロコンにおいて実施されるもので、そのフローは図8の一部(図中のS710以降のS713までのフローを除いた部分)に示されている。
図8を参照し、フローを説明すると、ここでは、プロコンスタート命令が発生(S701)すると、トナー基準パターンでLD10を駆動することにより基準静電潜像を作成する(S703)。作成された基準静電潜像の電位VPを電位センサ2により検知し(S704)、得た電位VPに基づきVBp=VP−300(V)となるような現像バイアスをカラー現像装置4に設定する(S705)。
例えば、検知した電位VP=−300(V)だったとすると、VBp=−300−300(V)=−600(V)となる。こうして設定された現像条件にてトナー基準パターンを作像する(S706)。このトナー基準パターンの作像を行った時の中間転写ベルト6上のトナー像からの反射光を反射型フォトセンサ7により検知し検知値からトナー基準パターン濃度値Vsp/Vsgを求め(S707)、求めた濃度値からトナーの補給時間を決定し(S708)、決められた補給時間により濃度の調整がなされこのフローを終える(S709)。なお、ここでVspとはトナー基準パターンのトナー付着部に対する検出値であり、Vsgとは中間転写ベルトの地肌部に対する検出値である。
【0020】
しかしながら、上述のようにVPを検知して、VBpを決定すると、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差が生じてしまう場合には、ここでも濃度調整が適正になされないで、目標とする画像より薄くなるなどの不具合が発生する。
画像形成装置100では、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差を相殺するように、メインSWの電源投入時の定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて、VBpを決定することにより、目標とするトナー濃度の画像を得るための調整を行うようにしている。
これは、図8のフローチャートで説明したS705で行うVBpを決定するための算出式VBp=VP−300を、VBp=VP+α(T,H)として、α(T,H)の値を定着温度Tと像担持体駆動時間Hをパラメータとして下記表4に例示されるような値で変化させることによる。
【表4】
したがって、現像バイアスVBpは、検知した基準静電潜像の電位VPとメインSWの電源投入時の定着検知温度Tと像担持体駆動時間Hを基に表4を参照して得られるα(T,H)の値から算定する。例えば、VPの検知電位が−300(V)で、定着温度が11℃で像担持体駆動時間が5hrだった場合、α(T,H)=−250(V)を参照し、VBp=−300−250(V)=−550(V)を決定する。
【0021】
(実施例6)
本実施例は、目標とするトナー濃度の画像を得るための調整を行うことを意図するもので、この点で上述〈実施例5〉と軌を一にするが、本例では、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差を相殺するように、メインSWの電源投入時の定着検知温度とトナー基準パターン濃度値Vsp/Vsg(トナー基準パターンの作像を行った時の感光体ベルト21上のトナー像からの反射光を反射型フォトセンサ7により検知した値から求めた値)に応じてトナー補給装置5のトナー補給時間を可変設定することにより、目標とするトナー濃度の画像を得るための調整を行うようにしたものである。
トナー補給時間の可変設定によるトナー補給量の調整はトナー補給量調整手段としての機能も有するCPU101によって行われる。目標とするトナー濃度の画像を得るための調整は、図8に示され、上述で説明したフローにおけるS708で行うトナー補給時間を決めるときに用いる補給時間の係数をトナー基準パターン濃度値Vsp/Vsgと定着検知温度Tをパラメータとして下記表5に例示されるような値で変化させることによる。この例では、補給時間を、補給時間=(補給時間の係数)×0.185(msec)なる式により算出する。
【表5】
したがって、トナー補給時間は、反射型フォトセンサ7により検知したトナー像からの反射光量に基づいて得たトナー基準パターン濃度値Vsp/VsgとメインSWの電源投入時の定着検知温度Tを基に表5を参照して得られる補給時間の係数から前記式により算定される。例えば、トナー基準パターン濃度値Vsp/Vsgが39/400で、定着温度が13℃だった場合、補給時間の係数は2を参照し、補給時間を、2×0.185=0.27(msec)と決定する。
【0022】
〈実施例7〉
本実施例は、画像のトナー濃度調整を行う動作フローの実行時期に関するもので、メインSWの電源投入時から所定時間経過後に上述〈実施例5〉で示したトナー基準パターン作成時の現像バイアスVBpへの補正動作をキャンセルするものである。このトナー濃度制御も図2のS4で示したプロコンによるものである。
図9は、本実施例の画像のトナー濃度調整の実行フローを示す。図9を参照し、フローを説明すると、ここでは、前例と同様に、プロコンスタート命令が発生(S801)すると、メインSWの電源投入から所定時間、本例では45分、経過したかをチェックし(S803)、経過していない場合に、上述〈実施例5〉と同様のフロー、即ち、メインSWの電源投入時の定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて現像バイアスVBpの補正を行うようにしたフロー(図9におけるS804〜S810のフロー)、を実行する。一方、45分経過後である場合は、メインSWの電源投入時の定着検知温度や像担持体駆動時間を無視した図9のS811〜S816のフロー(図8及び同図に関する上述説明、参照)を実行する。
このように、本実施例ではメインSWの電源投入時から所定時間(本例では45分)経過後は、定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて行われる現像バイアスVBpの補正をキャンセルし、画像のトナー濃度調整モードを選択することができるようにしたので、朝一など機械が冷えた状態のときには適正な補正が入り、機械が暖まった後には補正をキャンセルすることで、常に適正な画像を得ることができる。なお、ここの説明では調整モードの切換を所定時間としたが、所定枚数でも同様な効果が得られる。
【0023】
〈実施例8〉
本実施例は、画像のトナー濃度調整を行う動作フローの実行と並行に、特定の条件の下に、温度条件や感光体ベルト21の経時変化に応じてプロコンを再実行するようにしたものを示す。図8は、本実施例の画像形成プロセスの調整動作フローを示す。
図8を参照し、フローを説明すると、ここでは、前例と同様に、プロコンスタート命令が発生(S701)すると、画像のトナー濃度調整を行う動作フローに入る。その動作フローは、上述〈実施例5〉の前提技術として示した通りのフロー、即ち、メインSWの電源投入時の定着検知温度と像担持体駆動時間を無視し、検知したトナー基準パターン潜像の電位VPだけに基づき現像バイアスVBpを調整し、トナー補給時間を決定するようにしたフロー(図8におけるS703〜S713のフロー)を実行する。
しかも、画像のトナー濃度調整を行うその動作フローの実行と並行に、S704のトナー基準パターン潜像の電位VPの検知以降のフロー(図8中のS710以降のフロー)として温度条件や感光体ベルト21の経時変化に応じたプロコンを再度実行し得るようにしたステップを設ける。
このフローは、検知したトナー基準パターン潜像の電位VPと、メインSWの電源投入時に実行したプロコンにより得られる調整後の電位VHとを比較し、所定値以上の電位差があるかをチェックし(S710)、さらに、その電位差が所定回数以上続いたかをチェックする(S711)。いずれの条件も満たす場合(本例では、30(V)以上の電位差が3回連続した場合)には、電位が目標値からずれたと判断し、プロコンを再び実行する(S712)。
なお、このプロコンは、並行に実行されているトナー濃度調整によりトナー補給時間が決定された後に、実施する。前記S710、S711のチェックの結果として、いずれかがその条件を満たさない場合、また、プロコンの再実行をした場合には、このフローを終える(S713)。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、プロセスコントロールにおける作像条件を決める現像バイアス及び/又はトナー補給量の調整を行う場合に、静電潜像が形成された像担持体の電位に電位検知手段と現像手段において生じるずれを考慮して、電位検出手段による検知値によって行われる調整の目標値として、このずれを相殺するような値を設定するようにしたことにより、現像手段では適正な作像条件により画像が形成可能となり、さらに、入力された印刷データを少なくとも2ページ毎に印刷処理する2枚取り印刷モードと、前記入力された印刷データを1ページ毎に印刷処理する1枚取り印刷モードの切換えが可能な場合に、印刷処理の実行中にプロセスコントロールの実施命令が発生しても、1枚取り印刷モードを採用し、これにより生じた中間転写ベルトの空き領域にトナー濃度調整用のトナー基準パターンを形成してプロセスコントロールを実行するので、画像品質を常に一定に保つことができ、画像品質の劣化による印刷の失敗がない。したがって、印刷作業の効率を向上させることができる。
請求項2によれば、本実施例ではメインSWの電源投入時から所定時間経過後は、定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて行われる現像バイアスVBpの補正をキャンセルし、画像のトナー濃度調整モードを選択することができるようにしたので、朝一番の始業時等のように機械が冷えた状態のときには適正な補正が入り、機械が暖まり、補正が要らない状態になっても、良好なプロセスコントロール(トナー濃度制御)を行うことができ、さらに、上記の所定時間が経過したときには、印刷処理の実行中であっても1枚取り印刷モードを採用し、これにより生じた中間転写ベルト6の空き領域にトナー濃度調整用のトナー基準パターンを形成してプロセスコントロールを実行するので、画像品質を常に一定に保つことができ、画像品質の劣化による印刷の失敗がない。したがって、印刷作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の制御系を示すブロック図。
【図2】画像形成装置の動作例を示すフローチャート。
【図3】画像形成装置の動作部を示す断面図。
【図4】露光量調整を行うプロコン実行フローの1実施例を示すフローチャート。
【図5】プロコンの実行条件を決めるフローの実施例を示すフローチャート。
【図6】露光量調整を行うプロコン実行フローの他の実施例を示すフローチャート。
【図7】プロコンの実行条件を決めるフローの他の実施例を示すフローチャート。
【図8】トナー濃度調整と、露光量調整を行うプロコンとを組み合わせた実行フローの実施例を示すフローチャート。
【図9】トナー濃度調整を行うプロコン実行フローの実施例を示すフローチャート。
【符号の説明】
2 電位センサ、3 帯電装置、4 カラー現像装置、5 トナー補給装置、6 中間転写ベルト、7 反射型フォトセンサ、8 クリーニング装置、9 除電装置、10 LD(レーザダイオード)、11 定着ローラ、20 定着装置、21 感光体ベルト、22 サーミスタ、100 画像形成装置、101 CPU、104 プログラムROM、106 RAM、107 エンジンI/F、108 エンジン、109 パネルI/F、110 操作パネル、111、112 ホストI/F、113、114 ホスト装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真プロセスを利用する画像形成装置に係り、特に、トナー濃度制御等のプロセスコントロール機能と2枚取り印刷処理機能とを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置として、安定した画像品質を維持するために、静電潜像の生成及び現像プロセスにおいて、電位制御、露光量制御、トナー濃度制御等のプロセスコントロール(以下、プロコンと記す)を行うものが知られており、例えば、特開2000−330345公報に開示された技術がある。
また、印刷処理速度を向上させるために印刷データを少なくとも2ページ毎に印刷(2枚取り印刷)処理する画像形成装置の例として、特開2000−158767公報に記載された技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
2枚取り印刷機能とプロコン機能とを有する画像形成装置において、2枚取り印刷の実行中にプロコンの実行命令が発生した場合、プロコンの実行は2枚取り印刷による処理が全て終了した時点で可能となる。このため、プロコンが必要であるにも関わらず、これを実行できないまま印刷されたものは当然、画像品質が低下してしまう。この場合には印刷後のプロコンの実行を待ってから該当ページを再度印刷し直さなければならない。そのため、印刷作業の効率が悪かった。
そこで、本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、印刷処理の実行中であっても1枚取り印刷モードによる印刷処理をしながらプロコンを実行することで印刷作業の効率を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために、請求項1記載の発明では、入力された印刷データを少なくとも2ページ毎に印刷処理する2枚取り印刷モードと、前記入力された印刷データを1ページ毎に印刷処理する1枚取り印刷モードの切換えを制御する制御手段を有する画像形成装置であって、像担持体の表面電位を検知する電位検知手段と、現像剤により前記像担持体上の静電潜像を現像する現像手段と、前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、現像されたトナー像の濃度を検知するトナー濃度検知手段と、トナー基準パターンによる基準静電潜像が形成された時に前記電位検知手段により検知される前記像坦持体の表面電位に基づいてトナー基準パターンを顕像化する際の現像バイアスを調整するバイアス調整手段と、トナー基準パターンを前記バイアス調整手段により決定されたバイアスで顕像化した時に前記トナー濃度検知手段により検知される濃度値に応じて前記トナー補給手段におけるトナー補給量を調整するトナー補給量調整手段とを有し、前記バイアス調整手段及び/又は前記トナー補給量調整手段は、静電潜像が形成された前記像坦持体の表面電位が前記電位検知手段の検知時と前記現像手段における作用時において変化することを考慮して、前記現像バイアス及び/又はトナー補給量を調整する画像形成装置において、印刷処理の実行中にトナー濃度制御の実行命令が発生したときには、前記1枚取り印刷モードを採用し、前記1枚取り印刷モードの採用によって生じた前記像担持体上の空き領域に形成した前記トナー基準パターンを用いてトナー濃度制御を実行するようにした画像形成装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記現像バイアス及び/又はトナー補給量の調整を、電源投入時から所定の時間経過後においては、現像バイアス及び/又はトナー補給量の前記補正なしで行う画像形成装置を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態である画像形成装置100の制御系を示すブロック図である。画像形成装置100は電子写真プロセスを利用した印刷システムを有し、一度に2ページ分の印刷処理ができる2枚取り印刷モードと、1ページ分の印刷を実行する1枚取り印刷モードとが用意されている。
図1に示すように、画像形成装置100の制御系はCPU101と、プログラムROM104と、RAM106と、エンジンI/F107と、エンジン108と、パネルI/F109と、操作パネル110と、ホストI/F111と、ホストI/F112と、ホスト装置113と、ホスト装置114とにより構成される。
CPU101は、プログラムROM104に格納される制御プログラム、操作パネル110から操作者により入力されたモード指示(1枚取りか2枚取り等)およびホスト装置113、114からのコマンドに基づいて画像形成装置100を制御する制御手段である。なお、CPU101は後述するバイアス調整手段、トナー補給量調整手段としての機能も有している。
RAM106は、CPU101のワークメモリ、入力データのインプットバッファ、印刷データのページバッファ、ダウンロード用のメモリ等に用いられるRAMである。
エンジン108は、後述する電位検知手段、帯電装置、現像手段、トナー補給手段、中間転写ベルト、反射型フォトセンサ、クリーニング装置、除電装置、レーザダイオード、定着ローラ、定着装置、感光体ベルト、サーミスタ、温度検知手段等が配設され、上述のエンジンI/F107を介して送信される印刷データを記録紙上に印刷処理する。入力されるビデオ信号および制御信号に従い、像担持体上に静電潜像を作り、現像し、また給紙部から転写紙を給紙し、転写紙への印刷データの転写および定着を行う。
【0006】
パネルI/F109は、操作パネル110とコマンドおよびステータスの通信を行うインタフェースである。操作パネル110は、操作者に現在の画像形成装置100の状態および処理状況を知らせる図示されない表示部と、画像形成装置100への所望のモード指示データおよび用紙指定等の入力を行う図示されない入力部とから構成されている。
ホストI/F111は、画像形成装置100の上位装置となるホスト装置113との通信を行うためのインタフェースである。ホストI/F112も、同様に画像形成装置100の上位装置となるホスト装置114と通信を行うためのインタフェースである。両者は、通常セントロI/FやRS232C等により接続されるが、それ以外にもEtherNet(イーサネット;登録商標)やLocalTalk(ローカルトーク)等による接続も可能なインタフェースである。
【0007】
ここで、画像形成装置100の動作例を図2のフローチャートを用いて説明する。なお、この例において、副走査方向がLT(レター)横サイズ以下の画像印刷では、後述する中間転写ベルトに2ページ分の画像を形成することができるようになっており、1ページの画像印刷では、ベルトの非画像部分を2倍速させて印刷時間の短縮を行っている。
また、後述するが、画像形成装置100では、バイアス値等のプロセス諸条件の設定を行うために、像担持体としての感光体ベルトや中間転写ベルト上にトナー基準パターンを作像させ、このパターンを検知し、その検知値をプロセス諸条件にフィードバックして画像のトナー濃度制御を行うことで良好なトナー濃度で画像出力を行っている。この例では、中間転写ベルト上に形成したトナー基準パターンを検知して処理することによってトナー濃度制御を行う。プロコンを実行するタイミングは、新品のセットアップ動作時、ユニット交換時、定期間隔、環境変動時、立ち上げ時等である。例えば、立ち上げ時のプロコン動作の条件を定着温度で規定し、定着温度が80℃以下の場合に動作するように設定している。また、定期間隔でもプロコンを実行するようにしており、その動作条件としては例えば、プロコンカウンタによる検知結果が所定の印刷枚数(100枚)に達した時点としている。
【0008】
さて、図2のフローチャートにおいて、まず、LT横サイズ以下の印刷命令が来ると(S(ステップ)1)、プロコンカウンタをカウントアップし(S2)、このときに所定値としての100枚に達しているか否かを判断し(S3)、100枚に達していれば、1枚取り印刷モードによる印刷処理の実施と並行してプロコンを実施する(S4)。このとき、画像形成装置100では、1枚取り印刷モードの採用によって中間転写ベルト上に生じた印刷画像のないスペースにトナー基準パターンを形成し、これを基にトナー濃度を調整するようにしている。
ステップ3において、100枚に達していなければ、カウントダウン用の2枚取りカウンタをカウントダウンし(S5)、印刷開始カウント値に達したか否かを判断する(S6)。印刷開始カウント値は例えば、1に設定される。そして、印刷開始カウント値に達していれば1枚取り印刷を実行し(S7)、印刷開始カウント値に達していなければ、次の印刷要求が有無を確認する(S8)。次の印刷要求があれば、2枚取り印刷モードによる印刷処理を行う(S9)。印刷要求が無ければS5に戻る。
このように、画像形成装置100では、印刷処理の実行中にプロコンの実施命令が発生しても、1枚取り印刷モードを採用し、これにより生じた中間転写ベルト6の空き領域にトナー濃度調整用のトナー基準パターンを形成してプロコンを実行するので、画像品質を常に一定に保つことができ、画像品質の劣化による印刷の失敗がない。したがって、印刷作業の効率を向上させることができる。
【0009】
ここで、画像形成装置100におけるプロコンについて説明するにあたり、まず、画像形成装置100の各動作部について説明する。図3は画像形成装置100の動作部を示す断面図である。図3に示すように、画像形成装置100は像担持体としての感光体ベルト21と、感光体ベルト21の表面を帯電させる帯電装置3と、感光体ベルト21の表面電位を検知する電位検知手段としての電位センサ2と、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の現像材(トナー)を有する4つの現像器を一体的に形成した現像手段としてのカラー現像装置4と、トナー補給手段としてのトナー補給装置5と、転写手段としての中間転写ベルト6と、中間転写ベルト6に対向配置された反射型フォトセンサ7、クリーニング装置8、除電装置9、LD(レーザダイオード)10、定着装置20(定着ローラ11、サーミスタ22)とを有している。
これら動作部を有する画像形成装置100は、トナー像を形成する電子写真プロセス部、トナー像を定着させる定着部、転写紙を収納し搬送する給紙部及び感光体ベルト上に画像データの潜像を形成するための書き込みユニットを備え、上述のCPU101(図1)によって制御される。
電子写真プロセス部は、トナー像の形成及びそのトナー像の用紙への転写を行う部分であり、感光体ベルト21の周囲にそのプロセスを行う装置を備えている。即ち、図3に示すように、感光体ベルト21の周りには、帯電装置3、カラー現像装置4、除電装置9、クリーニング装置8がこの順に配置されている。また、感光体ベルト21に対向するように中間転写ベルト6が配され、これにより、転写用紙に感光体ベルト21のトナー像が転写される。
給紙部は格納された転写紙を中間転写ベルト6へ供給し、感光体ベルト21のトナー像の先端と紙の先端を合わせるためにタイミングを合わせて転写紙を搬送するようになっている。定着部は、転写紙上のトナー像を定着するために最終段に設けられ、図3で定着装置20として示され、送り込まれてくる転写紙を対をなす定着ローラ11により熱圧着し、トナー像を定着させる。また、ここには定着ローラ11の温度を管理するために温度検知手段としてのサーミスタ22が設けられている。
書き込みユニットは、感光体ベルト21の帯電装置3とカラー現像装置4の間における領域に光ビームを照射し静電潜像を書き込むもので、画像データに基づいて駆動されるLD10からの光を高速回転するポリゴンミラーにより偏向させ、結像・反射光学系により感光体ベルト21面上を光走査する点像を結ぶように成されている。
また、光による主走査に加え、感光体ベルト21を搬送させて副走査を行っているので、感光体ベルト21上に2次元の潜像が作られる。この外に、電子写真方式によるプロセスを適正に動作させるために、感光体ベルト21の表面電位を検知する電位センサ2を書き込みユニットのレーザによる書き込みが行われる位置とカラー現像装置4の間に備え、また、トナー濃度検知手段として反射型フォトセンサ7を中間転写ベルト6に対向するように備える。
【0010】
ここで、各動作部による電子写真プロセスの画像形成動作を簡単に説明する。印刷ジョブの受け入れから各動作部による画像出力までの装置の動作全体を制御するCPU101からの画像形成の開始の指示により、ポリゴンミラー、感光体ベルト21、定着ローラ11等を駆動し、同時に、送り込まれた印刷データの処理を開始する。
印刷データからはこれをもとにビットマップデータが展開され、ビットマップデータにより書き込みユニットを動作させ、感光体ベルト21にレーザ書き込みを行う。感光体ベルト21では、帯電装置3で一様に帯電された感光体ベルト21の表面にLD10からのレーザ光による書き込みにより静電潜像が形成され、形成された潜像にはカラー現像装置4でトナーが付着されて顕像化された後、得られるトナー像が感光体ベルト21に対向配置される中間転写ベルト6上の転写紙に転写される。トナー像が形成された転写紙は定着装置20に送り込まれ、熱圧着による定着処理後に排紙されて、このプロセスを終了する。
【0011】
さて、上述のようにして行われる画像形成動作において、環境変動や経時変動の影響をなくし画質を安定に保つために、静電潜像の生成及び現像プロセスにおいて、電位制御及び露光量制御等のプロコンが実施される。そのコントロールは、感光体ベルト21への作用順に帯電装置3、LD10による書き込み部、LD10による書き込み部とカラー現像装置4との間に設けられ、感光体ベルト21の表面電位を検出する電位センサ2を用い、帯電装置3による帯電電位VDが所定の値となるよう調整し、さらに帯電電位VD調整後、LD書き込み露光後の電位が所定の値となるよう露光量を調整する等の方式により行い、画質の安定化を図る。
また、トナーを用いて画像形成を行う場合には、上述の調整に伴って行うプロセスコントロールの1つとして、トナー濃度制御を行う。この制御方式は、トナー基準パターンによる基準静電潜像の書き込みによる電位を検知し、この検知値に応じてトナー基準パターン作成時の現像バイアスを決定することによる。現像バイアスの調整はバイアス調整手段の機能も有するCPU101によって行われる。これらのプロセスコントロールついて以下に説明する。
【0012】
まず、この例の前提条件について明らかにする。現像時の電位の最適値を目標値として電位センサ2によりプロコンを行う場合に、感光体ベルト21の線速(副走査方向の速度)が早い条件で行うと、電位センサ2で検知した電位とカラー現像装置4において実際に現像する時点での電位が異なるので、ずれが生じ最適な作像条件を設定できないという問題があり、また、このずれは、温度やCTL(Carrier Transport Layer)膜厚に依存し、低温の方が、またCTL膜厚が大きい方がすれが顕著に現れることが分かっている。このずれについては、従来技術における実験結果として、下記表1が得られている。
【表1】
なお、表1は、帯電装置3により同一の帯電電位が付与された場合に、電位センサ2における検知値とカラー現像装置4における帯電電位値のずれ(電位差)を感光体ベルト21の温度をパラメータとしてとったものである。表1に示すように、感光体ベルト21の温度により異なる電位差が生じている。20℃では差がないが、例えば感光体ベルト21の温度が10℃であると電位センサ2とカラー現像装置4における電位は約60(V)の差が生じる。
このような環境で、従来例に示したようなプロコンにより電位調整が行われると、電位センサ2で−320(V)に調整したとしてもカラー現像装置4では、実際には−260(V)になってしまっており、目標よりも濃い、暗い画像となってしまう不具合が発生する。さらに、低温では感度が低下するため、低温の条件で調整をし、そのままの状態で機械稼働を続けている中に室温が暖まるなどした場合には、感度が戻り、より暗い、濃い画像となってしまう。これに対応するために温度条件や像担持体(感光体ベルト)の経時変化に応じたプロコンを行うものであり、以下の〈実施例1〉〜〈実施例8〉を用いて説明する。
【0013】
〈実施例1〉
本実施例は、プロコン実行時の温度条件を検知し、プロコンにより感光体ベルト21の表面電位を調整する場合の目標値を検知した温度条件をパラメータとして可変に設定することにより従来発生した調整のずれを防止するものである。
図4は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。先ず、装置を動作させる時点の機械の温度(環境温度)条件を求める。図4を参照すると、メインSWの電源を投入した時にフローが開始され(S301)、メインSWの電源を投入したと同時に、ここでは温度条件として定着装置20における定着温度Tを定着ローラ11の温度を検知するサーミスタ22により検知し(S302)、求めた定着温度Tに基づき電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T)を下記表2に例示されるような値を参照して決定する(S303)。例えば、メインSWの電源投入時の定着温度が11℃であった場合、目標値f(T)=−370(V)を決定する。
【表2】
なお、表2は、区分された温度範囲における各目標値f(T)が表され、目標値f(T)は、上述表1のずれ量を得たと同様にして、温度を変化させた場合に実験により求めた値に基づいて定められた値で、電位センサ2とカラー現像装置4の設置条件が違えば異なる値となる。次に、プロコンを実行するか否かを判断するために、先に検知した定着温度TがT≦80℃であるか否かをチェックし(S304)、T>80の場合には、何も実行せずに終了し(S316)、T≦80の場合には、プロコンを実行する。
このように、電源投入時の定着温度Tを検知し、定着温度Tが低く画像形成の準備が整う前の状態であると判断したところでプロコンを実行するようにしているために、ほぼ1日に1回プロコンが実行されることになる。プロコン実行時の手順は、次の通りである。プロコンの実行が開始されると(S305)、先ず、像坦持体としての感光体ベルト21に基準電圧を印加した際に電位センサ2の検知値が所定値となるように電位センサ2の校正を行う(S306)。
【0014】
次に、感光体ベルト21のトナー基準パターン濃度を検知するために設けられる反射型フォトセンサ7の校正を行う(S307)。校正は、トナー像の無いときの反射型フォトセンサ7の出力を4(V)に調整することにより行う。
電位センサ2と反射型フォトセンサ7の校正後に、帯電装置3において所定のグリッド電圧を印加して装置の電源を投入し(S308)、その際の表面電位VDを電位センサ2により検知する(S309)。この検知値が目標値である−900±15(V)であるか否かをチェックし(S310)、目標値ではない場合には、帯電装置3のグリッド電圧VGに−(VD+900)(V)を加える調整をし(S311)、再度検知を行う。検知値が−900±15(V)の範囲に入るまでこの手順を繰り返す。
感光体ベルト21の帯電電位VDが目標値になった後、露光量の調整を行う。この例では、LD10のPWM(パルス幅変調)dutyが1/2duty時の光量でトナー基準パターン潜像を作成し(S312)、この時の表面電位VHを検知し(S313)、検知値がS303で決定された目標値f(T)に基づくf(T)±20=−370±20(V)であるか否かをチェックしながら(S314)、表面電位VHが目標値になるまでLD10の光量の調整を行う(S315)。目標値(−370±20(V))に達したところで調整を終え、その光量値を決定し、このフローを終了する(S316)。
以上のように電源投入時に、温度変化による電位センサ2とカラー現像装置4の電位差を考慮して温度によって目標値を可変に設定することで、狙いのプロコンを行うことにより、プロコン終了後は、適正に調整されたグリッド電圧、LD光量にて作像される。
したがって、環境の変化や経時変化に対して調整がなされ、安定した良好な画質の画像が形成される。また、このような低温状態となるのは機械放置時の朝一回に限られ、機械が稼動している場合には定着の熱等で機械内部が暖まるため、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差は問題とならなくなる。そのため、感光体ベルト21の近傍に新たに温度検知手段を設けること無く、定着装置20に元からあるサーミスタ22を用いることでコストダウンとなり、かつ十分の効果を得ることができる。
【0015】
〈実施例2〉
本実施例は、プロコン実行時の温度条件が低温である場合に、調整量が大きいため、機械稼働後に内部温度が上昇した状態では、最適な調整が行われていないことがあり得る。このために、再度プロコンを行うようにしたものである。図5は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。先ず、装置を動作させる時点の機械の温度(環境温度)条件を求める。
図5を参照すると、メインSWの電源を投入するとフローが開始され(S401)、SWの電源を投入したと同時に、ここでは温度条件として定着装置20におけるサーミスタ22により定着温度Tを検知し、求めた定着温度Tに基づき電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T)を、上述〈実施例1〉におけると同じ手順で決定する(S402)。次に、プロコンを実行するか否かを判断するために、先に検知した定着温度TがT≦80℃であるか否かをチェックし(S403)、T>80の場合には、何も実行せずに終了し(S409)、T≦80の場合には、プロコンを実行する。
プロコン実行時の手順は、次の通りである。プロコンを実行する前に、先に検知した定着温度TがT≦19℃であるか否かをチェックし(S404)、T≦19の場合には、プロコンを実行した(S405)後に、今実行したプロコンから1k枚画像形成を行った後に、再度プロコンを実行するような設定を行う(S406)。つまり、1k枚画像形成後には、機械内が十分に暖まり、低温で行った先のプロコンを再調整する条件が整うからである。
このようにして、プロコンを再度行うことによって、目標により近い適正な画像形成が可能となる。また、T>19の場合には、プロコンを実行した(S407)後に、S406とは異なり、次のプロコン実行時期を変更せず(即ち、メインSWの電源投入時に行う)、プロコンを終了する(S409)
なお、S406において、1k枚画像形成後の再調整時に設定される電位VHの目標値f(T)は−320(V)とする(表2、参照)。また、このステップで、本実施例では、次回のプロコン実行時期を画像形成枚数にて決定したが、メインSWの電源を投入してからの時間で実行時期を決定するように実施しても良い。
【0016】
〈実施例3〉
本実施例は、プロコンを行って感光体ベルト21の表面電位を調整する場合に、さらに感光体ベルト21のCTL膜厚の経時変化を考慮して目標値f(T,H)を可変に設定することにより調整のずれを防止するものである。感光体ベルト21のCTL膜厚は使用するに連れて薄くなり、電位センサ2とカラー現像装置4における電位差は小さくなってくる。
この例においては、感光体ベルト21の膜厚の変化を感光体ベルト21の駆動時間の累積値(以後、単に「像担持体駆動時間」と記す)Hにより推定するようにしている。図6は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。本実施例のフローでは、先ず、装置を動作させる時点の機械の温度及び像担持体駆動時間を求める。図6を参照すると、メインSWの電源を投入した時にフローが開始され(S501)、SWの電源を投入したと同時に、ここでは定着装置20におけるサーミスタ22により定着温度Tと像担持体駆動時間Hを検知し(S502)、求めた値に基づき電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T,H)を下記表3に例示されるような値を参照して決定する(S503)。
例えば、メインSWの電源投入時の定着温度が11℃で像担持体駆動時間が5hrだった場合、目標値f(T,H)=−370(V)を、又、定着温度が11℃で像担持体駆動時間が60hrだった場合、目標値f(T,H)=−320(V)を決定する。
【表3】
なお、表3は、温度と駆動時間をパラメータとして区分された範囲における各目標値f(T,H)が表され、目標値f(T,H)は、温度と駆動時間を変化させた場合に実験により得たずれ分に基づいて定めた値であり、電位センサ2とカラー現像装置4の設置条件が違えば異なる値となる。続けて、プロコンが実行される。
その手順は、図6におけるS504〜S516までに示されている。このプロコン実行手順は、上述〈実施例2〉におけるプロコン実行手順(図4のS304〜S316)において、目標値f(T)を目標値f(T,H)とし、像担持体駆動時間を加味した目標値を設定した以外に手順に違いがなく、上述〈実施例2〉に記載したとおりのフローを実行する。したがって、ここでは、重複した説明をしない。
【0017】
〈実施例4〉
本実施例は、温度条件と感光体ベルト21の膜厚変化に応じてプロコンの異なる実行形態を選択するようにするもので、プロコン実行時の温度条件が高温である場合にプロコンを実行せず、低温且つ像担持体駆動時間が少ない場合や極めて低温の場合に、調整量が大きくなるため、機械稼働後に内部温度が上昇した状態では、最適な調整が行われていないことがあり得る。このために、再度プロコンを行うようにするものである。
図7は、本実施例のプロコンの実行フローを示す。先ず、装置を動作させる時点の機械の温度(環境温度)条件及び感光体ベルト21の膜厚状態を求める。図7を参照すると、メインSWの電源を投入した時にフローが開始され(S601)、SWの電源を投入したと同時に、ここでは温度条件として定着温度T及び像担持体駆動時間Hを検知し、求めた定着温度T及び像担持体駆動時間Hに基づき、電位センサ2の検知値により調整される電位VHの目標値f(T,H)を、上述〈実施例3〉におけると同じ手順で、決定する(S602)。
次に、プロコンを実行するか否かを判断するために、先に検知した定着温度TがT≦80℃であるか否かをチェックし(S603)、T>80の場合には、何も実行せずに終了し(S611)、T≦80の場合には、プロコンを実行する。
プロコン実行時の手順は、次の通りである。プロコンを実行する前に、先に検知した像担持体駆動時間HがH≦20hrであるか否かをチェックし(S604)、H≦20hrの場合は、さらに、先に検知した定着温度TがT≦19℃であるか否かをチェックし(S605)、T≦19の場合には、プロコンを実行した(S607)後に、今、実行したプロコンから1k枚画像形成を行った後に、再度プロコンを実行するような設定を行う(S609)。
つまり、1k枚画像形成後には、機械内が十分に暖まり、低温で行った先のプロコンを再調整する条件が整うからである。このようにして、プロコンを再度行うことによって、目標により近い適正な画像形成が可能となる。
【0018】
また、上述S605でT>19℃の場合には、プロコンを実行した(S608)後に、S609とは異なり、次のプロコン実行時期を変更せず(即ち、メインSWの電源投入時に行う)、プロコンを終了する(S611)。一方、S604でH>20hrの場合には、さらに、T≦10℃であるか否かをチェックし(S606)、T≦10℃の場合には、上述のS605〜S609に戻す。つまり、感光体ベルト21の膜厚変化だけからすると再調整の必要がない場合であっても、極めて低い温度条件にある場合には、再調整のフローを行うようにする。
また、S606でT>10℃の場合には、再調整を行わずに、上述のS608〜S611を行う。なお、S609において、1k枚画像形成後の再調整時に設定される電位VHの目標値f(T,H)は−320(V)とする(表3、参照)。また、このステップで、本実施例では、次回のプロコン実行時期を画像形成枚数にて決定したが、メインSWの電源投入時からの時間で実行時期を決定するようにしても良い。
このように、本実施例によると、温度条件と感光体ベルト21の膜厚状態を見ながら、再調整の必要性を判断し、適切にプロコンを行うようにして、無駄な感光体ベルト21の駆動をせずに、又、プロコン時の機械ストップ等を防ぐことができる。
【0019】
〈実施例5〉
ところで、トナーを用いて画像形成を行う場合には、プロセスコントロールとして、上述した感光体ベルト21の帯電電位VDの調整及びLD10の光量調整に加えて、トナー濃度制御を行う。この制御方式は、トナー基準パターンの書き込みによる電位を検知し、この検知値に応じトナー基準パターン作成時の現像バイアスを決定する等の調整を行うものである。このトナー濃度制御は図2のS4で示したプロコンにおいて実施されるもので、そのフローは図8の一部(図中のS710以降のS713までのフローを除いた部分)に示されている。
図8を参照し、フローを説明すると、ここでは、プロコンスタート命令が発生(S701)すると、トナー基準パターンでLD10を駆動することにより基準静電潜像を作成する(S703)。作成された基準静電潜像の電位VPを電位センサ2により検知し(S704)、得た電位VPに基づきVBp=VP−300(V)となるような現像バイアスをカラー現像装置4に設定する(S705)。
例えば、検知した電位VP=−300(V)だったとすると、VBp=−300−300(V)=−600(V)となる。こうして設定された現像条件にてトナー基準パターンを作像する(S706)。このトナー基準パターンの作像を行った時の中間転写ベルト6上のトナー像からの反射光を反射型フォトセンサ7により検知し検知値からトナー基準パターン濃度値Vsp/Vsgを求め(S707)、求めた濃度値からトナーの補給時間を決定し(S708)、決められた補給時間により濃度の調整がなされこのフローを終える(S709)。なお、ここでVspとはトナー基準パターンのトナー付着部に対する検出値であり、Vsgとは中間転写ベルトの地肌部に対する検出値である。
【0020】
しかしながら、上述のようにVPを検知して、VBpを決定すると、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差が生じてしまう場合には、ここでも濃度調整が適正になされないで、目標とする画像より薄くなるなどの不具合が発生する。
画像形成装置100では、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差を相殺するように、メインSWの電源投入時の定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて、VBpを決定することにより、目標とするトナー濃度の画像を得るための調整を行うようにしている。
これは、図8のフローチャートで説明したS705で行うVBpを決定するための算出式VBp=VP−300を、VBp=VP+α(T,H)として、α(T,H)の値を定着温度Tと像担持体駆動時間Hをパラメータとして下記表4に例示されるような値で変化させることによる。
【表4】
したがって、現像バイアスVBpは、検知した基準静電潜像の電位VPとメインSWの電源投入時の定着検知温度Tと像担持体駆動時間Hを基に表4を参照して得られるα(T,H)の値から算定する。例えば、VPの検知電位が−300(V)で、定着温度が11℃で像担持体駆動時間が5hrだった場合、α(T,H)=−250(V)を参照し、VBp=−300−250(V)=−550(V)を決定する。
【0021】
(実施例6)
本実施例は、目標とするトナー濃度の画像を得るための調整を行うことを意図するもので、この点で上述〈実施例5〉と軌を一にするが、本例では、電位センサ2とカラー現像装置4の電位差を相殺するように、メインSWの電源投入時の定着検知温度とトナー基準パターン濃度値Vsp/Vsg(トナー基準パターンの作像を行った時の感光体ベルト21上のトナー像からの反射光を反射型フォトセンサ7により検知した値から求めた値)に応じてトナー補給装置5のトナー補給時間を可変設定することにより、目標とするトナー濃度の画像を得るための調整を行うようにしたものである。
トナー補給時間の可変設定によるトナー補給量の調整はトナー補給量調整手段としての機能も有するCPU101によって行われる。目標とするトナー濃度の画像を得るための調整は、図8に示され、上述で説明したフローにおけるS708で行うトナー補給時間を決めるときに用いる補給時間の係数をトナー基準パターン濃度値Vsp/Vsgと定着検知温度Tをパラメータとして下記表5に例示されるような値で変化させることによる。この例では、補給時間を、補給時間=(補給時間の係数)×0.185(msec)なる式により算出する。
【表5】
したがって、トナー補給時間は、反射型フォトセンサ7により検知したトナー像からの反射光量に基づいて得たトナー基準パターン濃度値Vsp/VsgとメインSWの電源投入時の定着検知温度Tを基に表5を参照して得られる補給時間の係数から前記式により算定される。例えば、トナー基準パターン濃度値Vsp/Vsgが39/400で、定着温度が13℃だった場合、補給時間の係数は2を参照し、補給時間を、2×0.185=0.27(msec)と決定する。
【0022】
〈実施例7〉
本実施例は、画像のトナー濃度調整を行う動作フローの実行時期に関するもので、メインSWの電源投入時から所定時間経過後に上述〈実施例5〉で示したトナー基準パターン作成時の現像バイアスVBpへの補正動作をキャンセルするものである。このトナー濃度制御も図2のS4で示したプロコンによるものである。
図9は、本実施例の画像のトナー濃度調整の実行フローを示す。図9を参照し、フローを説明すると、ここでは、前例と同様に、プロコンスタート命令が発生(S801)すると、メインSWの電源投入から所定時間、本例では45分、経過したかをチェックし(S803)、経過していない場合に、上述〈実施例5〉と同様のフロー、即ち、メインSWの電源投入時の定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて現像バイアスVBpの補正を行うようにしたフロー(図9におけるS804〜S810のフロー)、を実行する。一方、45分経過後である場合は、メインSWの電源投入時の定着検知温度や像担持体駆動時間を無視した図9のS811〜S816のフロー(図8及び同図に関する上述説明、参照)を実行する。
このように、本実施例ではメインSWの電源投入時から所定時間(本例では45分)経過後は、定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて行われる現像バイアスVBpの補正をキャンセルし、画像のトナー濃度調整モードを選択することができるようにしたので、朝一など機械が冷えた状態のときには適正な補正が入り、機械が暖まった後には補正をキャンセルすることで、常に適正な画像を得ることができる。なお、ここの説明では調整モードの切換を所定時間としたが、所定枚数でも同様な効果が得られる。
【0023】
〈実施例8〉
本実施例は、画像のトナー濃度調整を行う動作フローの実行と並行に、特定の条件の下に、温度条件や感光体ベルト21の経時変化に応じてプロコンを再実行するようにしたものを示す。図8は、本実施例の画像形成プロセスの調整動作フローを示す。
図8を参照し、フローを説明すると、ここでは、前例と同様に、プロコンスタート命令が発生(S701)すると、画像のトナー濃度調整を行う動作フローに入る。その動作フローは、上述〈実施例5〉の前提技術として示した通りのフロー、即ち、メインSWの電源投入時の定着検知温度と像担持体駆動時間を無視し、検知したトナー基準パターン潜像の電位VPだけに基づき現像バイアスVBpを調整し、トナー補給時間を決定するようにしたフロー(図8におけるS703〜S713のフロー)を実行する。
しかも、画像のトナー濃度調整を行うその動作フローの実行と並行に、S704のトナー基準パターン潜像の電位VPの検知以降のフロー(図8中のS710以降のフロー)として温度条件や感光体ベルト21の経時変化に応じたプロコンを再度実行し得るようにしたステップを設ける。
このフローは、検知したトナー基準パターン潜像の電位VPと、メインSWの電源投入時に実行したプロコンにより得られる調整後の電位VHとを比較し、所定値以上の電位差があるかをチェックし(S710)、さらに、その電位差が所定回数以上続いたかをチェックする(S711)。いずれの条件も満たす場合(本例では、30(V)以上の電位差が3回連続した場合)には、電位が目標値からずれたと判断し、プロコンを再び実行する(S712)。
なお、このプロコンは、並行に実行されているトナー濃度調整によりトナー補給時間が決定された後に、実施する。前記S710、S711のチェックの結果として、いずれかがその条件を満たさない場合、また、プロコンの再実行をした場合には、このフローを終える(S713)。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、プロセスコントロールにおける作像条件を決める現像バイアス及び/又はトナー補給量の調整を行う場合に、静電潜像が形成された像担持体の電位に電位検知手段と現像手段において生じるずれを考慮して、電位検出手段による検知値によって行われる調整の目標値として、このずれを相殺するような値を設定するようにしたことにより、現像手段では適正な作像条件により画像が形成可能となり、さらに、入力された印刷データを少なくとも2ページ毎に印刷処理する2枚取り印刷モードと、前記入力された印刷データを1ページ毎に印刷処理する1枚取り印刷モードの切換えが可能な場合に、印刷処理の実行中にプロセスコントロールの実施命令が発生しても、1枚取り印刷モードを採用し、これにより生じた中間転写ベルトの空き領域にトナー濃度調整用のトナー基準パターンを形成してプロセスコントロールを実行するので、画像品質を常に一定に保つことができ、画像品質の劣化による印刷の失敗がない。したがって、印刷作業の効率を向上させることができる。
請求項2によれば、本実施例ではメインSWの電源投入時から所定時間経過後は、定着検知温度と像担持体駆動時間に応じて行われる現像バイアスVBpの補正をキャンセルし、画像のトナー濃度調整モードを選択することができるようにしたので、朝一番の始業時等のように機械が冷えた状態のときには適正な補正が入り、機械が暖まり、補正が要らない状態になっても、良好なプロセスコントロール(トナー濃度制御)を行うことができ、さらに、上記の所定時間が経過したときには、印刷処理の実行中であっても1枚取り印刷モードを採用し、これにより生じた中間転写ベルト6の空き領域にトナー濃度調整用のトナー基準パターンを形成してプロセスコントロールを実行するので、画像品質を常に一定に保つことができ、画像品質の劣化による印刷の失敗がない。したがって、印刷作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の制御系を示すブロック図。
【図2】画像形成装置の動作例を示すフローチャート。
【図3】画像形成装置の動作部を示す断面図。
【図4】露光量調整を行うプロコン実行フローの1実施例を示すフローチャート。
【図5】プロコンの実行条件を決めるフローの実施例を示すフローチャート。
【図6】露光量調整を行うプロコン実行フローの他の実施例を示すフローチャート。
【図7】プロコンの実行条件を決めるフローの他の実施例を示すフローチャート。
【図8】トナー濃度調整と、露光量調整を行うプロコンとを組み合わせた実行フローの実施例を示すフローチャート。
【図9】トナー濃度調整を行うプロコン実行フローの実施例を示すフローチャート。
【符号の説明】
2 電位センサ、3 帯電装置、4 カラー現像装置、5 トナー補給装置、6 中間転写ベルト、7 反射型フォトセンサ、8 クリーニング装置、9 除電装置、10 LD(レーザダイオード)、11 定着ローラ、20 定着装置、21 感光体ベルト、22 サーミスタ、100 画像形成装置、101 CPU、104 プログラムROM、106 RAM、107 エンジンI/F、108 エンジン、109 パネルI/F、110 操作パネル、111、112 ホストI/F、113、114 ホスト装置。
Claims (2)
- 入力された印刷データを少なくとも2ページ毎に印刷処理する2枚取り印刷モードと、前記入力された印刷データを1ページ毎に印刷処理する1枚取り印刷モードの切換えを制御する制御手段を有する画像形成装置であって、像担持体の表面電位を検知する電位検知手段と、現像剤により前記像担持体上の静電潜像を現像する現像手段と、前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、現像されたトナー像の濃度を検知するトナー濃度検知手段と、トナー基準パターンによる基準静電潜像が形成された時に前記電位検知手段により検知される前記像坦持体の表面電位に基づいてトナー基準パターンを顕像化する際の現像バイアスを調整するバイアス調整手段と、トナー基準パターンを前記バイアス調整手段により決定されたバイアスで顕像化した時に前記トナー濃度検知手段により検知される濃度値に応じて前記トナー補給手段におけるトナー補給量を調整するトナー補給量調整手段とを有し、前記バイアス調整手段及び/又は前記トナー補給量調整手段は、静電潜像が形成された前記像坦持体の表面電位が前記電位検知手段の検知時と前記現像手段における作用時において変化することを前提として、前記現像バイアス及び/又はトナー補給量を調整する画像形成装置において、
印刷処理の実行中にトナー濃度制御の実行命令が発生したときには、前記1枚取り印刷モードを採用し、前記1枚取り印刷モードの採用によって生じた前記像担持体上の空き領域に形成した前記トナー基準パターンを用いてトナー濃度制御を実行するようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像バイアス及び/又はトナー補給量の調整を、電源投入時から所定の時間経過後においては、現像バイアス及び/又はトナー補給量の前記補正なしで行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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