JP2004037844A - 光コネクタ用フェルール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光コネクタ用フェルールの成形時に挿通孔成形ピンが撓んだり、曲がったりして、ファイバ挿通孔が真っ直ぐに成形されない。
【解決手段】本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法は、成形型の成形空間内に配置された隣接する挿通孔成形ピン間に該ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから成形空間内に樹脂を注入してフェルールを製造するものである。本発明の光コネクタ用フェルールは、前記製造方法によって製造された証しとして、ファイバ挿通孔間の樹脂内に前記規制体が埋設されている。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法は、成形型の成形空間内に配置された隣接する挿通孔成形ピン間に該ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから成形空間内に樹脂を注入してフェルールを製造するものである。本発明の光コネクタ用フェルールは、前記製造方法によって製造された証しとして、ファイバ挿通孔間の樹脂内に前記規制体が埋設されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタ用フェルールとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高密度化、高精度化、量産性向上、低価格化などを目的として樹脂製の光コネクタ用フェルールの開発が進められている。昨今では、多心光コネクタにも単心光コネクタと同程度の接続損失特性が求められており、多心光コネクタ用フェルールの更なる高精度化が求められている。多心光コネクタ用フェルールには、光ファイバが挿通されるファイバ挿通孔Aが横一列に配列されたものと(図8参照)、前記ファイバ挿通孔Aが2段以上積層されたものとがある(図9a、b参照)。後者は前者と区別するために、多段多心光コネクタと呼ばれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示す多心光コネクタ用フェルールも、図9(a)(b)に示す多段多心光コネクタ用フェルールも金型を用いた型成形によって製造される。具体的には図10に示すように、上金型B及び下金型Cからなる成形型Dの成形空間E内に、図8、図9に示すガイドピン孔Fを成形するためのガイドピン孔成形ピン(図示しない)と、同図に示すファイバ挿通孔Aを成形するための挿通孔成形ピンGとを配置してから該成形空間E内に流動性のある樹脂を注入する。尚、前記ガイドピン孔成形ピン及び挿通孔成形ピンGは、単一のピンホルダHによって保持された状態で成形空間E内に配置される。
【0004】
しかし、成形空間E内に流動性のある樹脂を注入すると、注入された樹脂の流れによってガイドピン孔成形ピンや挿通孔成形ピンGが撓んだり、曲がったりする。特に、細径の挿通孔成形ピンGには撓みや曲がりが発生し易い。この結果、図8、図9に示すファイバ挿通孔Aが図11(a)に示すように縦方向に曲がって成形されたり、図11(b)に示すように横方向に曲がって成形されたり、縦横両方向に曲がって成形されたりする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、成形型の成形空間内に配置された挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制することによって、全てのファイバ挿通孔を設計どおり真っ直ぐに成形可能な光コネクタ用フェルールの製造方法と、その方法によって製造された光コネクタ用フェルールを提供するとを目的とする。
【0006】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法の一つは、ガイドピン孔を成形するための一対のガイドピン孔成形ピンが平行に配置され、それらガイドピン孔成形ピンの間にファイバ挿通孔を成形するための挿通孔成形ピンが2本以上平行に配置された成形型内に流動性のある樹脂を注入する光コネクタ用フェルールの製造方法において、成形型内の隣接する挿通孔成形ピン間に該ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから樹脂を注入するものである。
【0007】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法の他の一つは、ガイドピン孔を成形するための一対のガイドピン孔成形ピンが平行に配置され、それらガイドピン孔成形ピンの間にファイバ挿通孔を成形するための2本以上の挿通孔成形ピンがマトリックス状に配置された成形型内に流動性のある樹脂を注入する光コネクタ用フェルールの製造方法において、左右に隣接する挿通孔成形ピン間及び上下に隣接する挿通孔成形ピン間の双方又は一方にこれら挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから樹脂を注入するものである。
【0008】
本発明の光コネクタ用フェルールの一つは、2以上のファイバ挿通孔が一列に形成された樹脂製の光コネクタ用フェルールであって、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が隣接するファイバ挿通孔間に樹脂内に埋設されているものである。
【0009】
本発明の光コネクタ用フェルールの他の一つは、2以上のファイバ挿通孔が一列に配列されたファイバ挿通孔列が2段以上形成された樹脂製の光コネクタ用フェルールであって、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が隣接する左右のファイバ挿通孔間及び隣接する上下のファイバ挿通孔列間の双方又は一方の樹脂内に埋設されているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法の一実施例を説明する。まず、上金型及び下金型からなる成形型の成形空間内に、ガイドピン孔を成形するためのガイドピン孔成形ピンを所定間隔を隔てて2本平行に配置する。また、それらガイドピン孔成形ピンの間に、ファイバ挿通孔を成形するための挿通孔成形ピンを横一列に2段配置する。即ち、挿通孔成形ピンが横一列に配列されたピン列が上下に2段積層されるように、2本以上の挿通孔成形ピンをマトリックス状に配置する。
【0011】
本実施例では、前記ガイドピン孔成形ピン及び挿通孔成形ピンを一度で前記のように配置するために、図1に示すピンホルダ1を用いている。このピンホルダ1は、先端面に2本のガイドピン孔成形ピン2が平行に突設され、それらガイドピン孔成形ピン2の間に、挿通孔成形ピン3が横一列に配列されてなるピン列4が上下2段重ねで設けられおり、該ピンホルダ1を上金型5及び下金型6からなる成形型7の成形空間8内にセットすると、ガイドピン孔成形ピン2及び挿通孔成形ピン3が前記の通りに配置される。ここで、ピンホルダ1を成形空間8内にセットする前に、上下のピン列4の間に板状の規制体9を配置しておく。この規制体9は、図2に示すように、上下のピン列4間にほぼ隙間なく差入れ可能な肉厚を備えている。
【0012】
次に、図2に示す成形型7の樹脂注入口10から成形空間8内に流動性のある樹脂を注入する。このとき、各挿通孔成形ピン3には注入された樹脂の流れによって様々な力が作用する。特に、上段のピン列4を構成している各挿通孔成形ピン3には上方から下方へ向かう力(矢印a方向の力)が作用し、下段のピン列4を構成している各挿通孔成形ピン3には下方から上方へ向かう力(矢印b方向の力)が作用する。しかし、上下のピン列4の間には前記規制体9がほぼ隙間なく挟み込まれているので、樹脂の流れによって各挿通孔成形ピン3が撓んだり、曲がったりすることがない。
【0013】
注入された樹脂が硬化したら型を割って成形空間8から成形品を取り出し、取り出した成形品からガイドピン孔成形ピン2及び挿通孔成形ピン3を抜去すると、図3に示す光コネクタ用フェルール(本発明の光コネクタ用フェルール)20が得られる。この光コネクタ用フェルール20では、前記ガイドピン孔成形ピン2の抜き跡がガイドピン孔(図示しない)、挿通孔成形ピン3の抜き跡がファイバ挿通孔21(ピン列4の抜き跡がファイバ挿通孔列22)となることは勿論であるが、前記規制体9によって成形時における挿通孔成形ピン3の撓みや曲がったが規制されているので、全てのファイバ挿通孔21が設計通り真っ直ぐに成形されている。また、上下のファイバ挿通孔列22の間の樹脂中には、前記規制体9が埋設されて残存している(埋め殺されている)。
【0014】
前記規制体9の材質には特に制限はなく、フェルールの成形樹脂と同一の樹脂は勿論のこと、金属、ガラス、ジルコニアなどであってもよい。但し、光コネクタの組立て工程においては、フェルールのファイバ挿通孔に光ファイバを挿通させた後に、フェルールの接続端面を研磨する。従って、図3に示すように、フェルール20の接続端面23に規制体9が露出しており、さらに、その規制体9の材質がフェルール20の成形樹脂と異なると、接続端面23の研磨量と規制体9の研磨量が異なり、接続端面23に凹凸が発生してしまう。そこで、規制体の素材をフェルールの成形樹脂と同一の樹脂とするか、規制体をフェルールの接続端面より奥に設置することが望ましい。後者の場合、図4(a)に示すように、上下のピン列4の間に規制体9を設置する際に、該規制体9の端面24と成形空間8の内壁25との間に隙間26が形成されるように、該規制体9をピンホルダ1寄りに設置する。これにより、同図(b)に示すように、成形されたフェルール20の接続端面23と規制体9の端面24との間に前記隙間26の幅と同一厚の樹脂壁27が成形される。従って、接続端面の研磨量が樹脂壁27の厚みを超えない限り、前記のような問題は発生しない。尚、接続端面の研磨量は〜0.5mmが一般的なので、前記樹脂壁27の厚みは0.5mm以上とすることが望ましい。
【0015】
前記図1〜図4に示す規制体9の外周面は平坦であるが、図5(a)に示すように、規制体9の上下両面にV溝30を形成してもよい。このような規制体9を前記と同様に成形空間内の上下のピン列の間に配置すると、図5(b)に示すように、上下のピン列4の各挿通孔成形ピン3がV溝30に収容される。従って、挿通孔成形ピン30に上下方向からのみでなく、横方向から力が作用した場合も、該ピン3の撓みや曲がりが防止され、ファイバ挿通孔の成形精度がさらに向上する。
【0016】
前記図5(a)(b)に示すV溝は、図6(a)に示すような多角形溝や図6(b)に示すようなU溝とすることもでき、多角形溝やU溝とした場合も前記V溝と同様の作用効果が得られる。
【0017】
(実施形態2)
前記実施形態1に示す光コネクタ用フェルールの製造方法では、成形型の成形空間内に配置された上下の挿通孔成形ピンの間に単一の規制体を配置した。しかし、図7に示すように、左右に隣接する挿通孔成形ピン3の間に夫々規制体9を配置してもよい。この場合、隣接する挿通孔成形ピン3の間に配置される各規制体9を基体40に連結して櫛歯状に一体化すると、複数の規制体9を一度に所定位置に配置でき好都合である。尚、左右に隣接する挿通孔成形ピン3の間に規制体9を配置することは、成形時において、挿通孔成形ピン3に横方向(図中の矢印a方向)の力のみが作用する場合、又は縦方向(図中の矢印b方向)に比して横方向に作用する力が著しく大きい場合に好適である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法では、成形型の成形空間内に配置された隣接する挿通孔成形ピン間に該ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから成形空間内に樹脂を注入してフェルールを製造する。従って、成形空間内に注入された樹脂の流れによって挿通孔成形ピンが撓んだり、曲がったりすることがない。夫々のファイバ挿通孔が設計どおりに真っ直ぐ成形された光コネクタ用フェルールが製造され、このフェルールを用いて光コネクタを組み立てれば、低接続損失の光コネクタが実現される。
【0019】
本発明の光コネクタ用フェルールは、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が樹脂内に埋設されている。即ち、挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制しつつ成形されたものである。従って、夫々のファイバ挿通孔が設計どおりに真っ直ぐ成形されており、該挿通孔に光ファイバを挿通して光コネクタを組み立てれば、低接続損失の光コネクタが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法に使用される成形型、成形ピン、規制体の一例を示す説明図。
【図2】図1示す成形型内に同図に示す成形ピン及び規制体を配置した状態を示す断面図。
【図3】本発明の光コネクタ用フェルールの一例を示す断面図。
【図4】(a)は規制体の配置位置の一例を示す断面図、(b)は本発明の光コネクタ用フェルールの他例を示す断面図。
【図5】(a)は上下に隣接する挿通孔成形ピン間に配置される規制体の一例を示す斜視図、(b)は(a)の規制体を挿通孔成形ピン間に配置した状態を示す斜視図。
【図6】(a)(b)は上下に隣接する挿通孔成形ピン間に配置される規制体の異なる例を示す斜視図。
【図7】左右に隣接する挿通孔成形ピン間に配置される規制体の一例を示す斜視図。
【図8】光コネクタ用フェルールの一例を示す斜視図。
【図9】(a)(b)は多段光コネクタ用フェルールの異なる例を示す斜視図。
【図10】従来の光コネクタ用フェルールの製造方法を示す断面図。
【図11】従来方法によって製造された光コネクタ用フェルールを示す図であって、(a)はファイバ挿通孔が縦方向に曲がって成形されたフェルールの断面図、(b)はファイバ挿通孔が横方向に曲がって成形されたフェルールの断面図。
【符号の説明】
1 ピンホルダ
2 ガイドピン孔成形ピン
3 挿通孔成形ピン
4 ピン列
5 上金型
6 下金型
7 成形型
8 成形空間
9 規制体
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタ用フェルールとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高密度化、高精度化、量産性向上、低価格化などを目的として樹脂製の光コネクタ用フェルールの開発が進められている。昨今では、多心光コネクタにも単心光コネクタと同程度の接続損失特性が求められており、多心光コネクタ用フェルールの更なる高精度化が求められている。多心光コネクタ用フェルールには、光ファイバが挿通されるファイバ挿通孔Aが横一列に配列されたものと(図8参照)、前記ファイバ挿通孔Aが2段以上積層されたものとがある(図9a、b参照)。後者は前者と区別するために、多段多心光コネクタと呼ばれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示す多心光コネクタ用フェルールも、図9(a)(b)に示す多段多心光コネクタ用フェルールも金型を用いた型成形によって製造される。具体的には図10に示すように、上金型B及び下金型Cからなる成形型Dの成形空間E内に、図8、図9に示すガイドピン孔Fを成形するためのガイドピン孔成形ピン(図示しない)と、同図に示すファイバ挿通孔Aを成形するための挿通孔成形ピンGとを配置してから該成形空間E内に流動性のある樹脂を注入する。尚、前記ガイドピン孔成形ピン及び挿通孔成形ピンGは、単一のピンホルダHによって保持された状態で成形空間E内に配置される。
【0004】
しかし、成形空間E内に流動性のある樹脂を注入すると、注入された樹脂の流れによってガイドピン孔成形ピンや挿通孔成形ピンGが撓んだり、曲がったりする。特に、細径の挿通孔成形ピンGには撓みや曲がりが発生し易い。この結果、図8、図9に示すファイバ挿通孔Aが図11(a)に示すように縦方向に曲がって成形されたり、図11(b)に示すように横方向に曲がって成形されたり、縦横両方向に曲がって成形されたりする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、成形型の成形空間内に配置された挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制することによって、全てのファイバ挿通孔を設計どおり真っ直ぐに成形可能な光コネクタ用フェルールの製造方法と、その方法によって製造された光コネクタ用フェルールを提供するとを目的とする。
【0006】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法の一つは、ガイドピン孔を成形するための一対のガイドピン孔成形ピンが平行に配置され、それらガイドピン孔成形ピンの間にファイバ挿通孔を成形するための挿通孔成形ピンが2本以上平行に配置された成形型内に流動性のある樹脂を注入する光コネクタ用フェルールの製造方法において、成形型内の隣接する挿通孔成形ピン間に該ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから樹脂を注入するものである。
【0007】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法の他の一つは、ガイドピン孔を成形するための一対のガイドピン孔成形ピンが平行に配置され、それらガイドピン孔成形ピンの間にファイバ挿通孔を成形するための2本以上の挿通孔成形ピンがマトリックス状に配置された成形型内に流動性のある樹脂を注入する光コネクタ用フェルールの製造方法において、左右に隣接する挿通孔成形ピン間及び上下に隣接する挿通孔成形ピン間の双方又は一方にこれら挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから樹脂を注入するものである。
【0008】
本発明の光コネクタ用フェルールの一つは、2以上のファイバ挿通孔が一列に形成された樹脂製の光コネクタ用フェルールであって、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が隣接するファイバ挿通孔間に樹脂内に埋設されているものである。
【0009】
本発明の光コネクタ用フェルールの他の一つは、2以上のファイバ挿通孔が一列に配列されたファイバ挿通孔列が2段以上形成された樹脂製の光コネクタ用フェルールであって、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が隣接する左右のファイバ挿通孔間及び隣接する上下のファイバ挿通孔列間の双方又は一方の樹脂内に埋設されているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法の一実施例を説明する。まず、上金型及び下金型からなる成形型の成形空間内に、ガイドピン孔を成形するためのガイドピン孔成形ピンを所定間隔を隔てて2本平行に配置する。また、それらガイドピン孔成形ピンの間に、ファイバ挿通孔を成形するための挿通孔成形ピンを横一列に2段配置する。即ち、挿通孔成形ピンが横一列に配列されたピン列が上下に2段積層されるように、2本以上の挿通孔成形ピンをマトリックス状に配置する。
【0011】
本実施例では、前記ガイドピン孔成形ピン及び挿通孔成形ピンを一度で前記のように配置するために、図1に示すピンホルダ1を用いている。このピンホルダ1は、先端面に2本のガイドピン孔成形ピン2が平行に突設され、それらガイドピン孔成形ピン2の間に、挿通孔成形ピン3が横一列に配列されてなるピン列4が上下2段重ねで設けられおり、該ピンホルダ1を上金型5及び下金型6からなる成形型7の成形空間8内にセットすると、ガイドピン孔成形ピン2及び挿通孔成形ピン3が前記の通りに配置される。ここで、ピンホルダ1を成形空間8内にセットする前に、上下のピン列4の間に板状の規制体9を配置しておく。この規制体9は、図2に示すように、上下のピン列4間にほぼ隙間なく差入れ可能な肉厚を備えている。
【0012】
次に、図2に示す成形型7の樹脂注入口10から成形空間8内に流動性のある樹脂を注入する。このとき、各挿通孔成形ピン3には注入された樹脂の流れによって様々な力が作用する。特に、上段のピン列4を構成している各挿通孔成形ピン3には上方から下方へ向かう力(矢印a方向の力)が作用し、下段のピン列4を構成している各挿通孔成形ピン3には下方から上方へ向かう力(矢印b方向の力)が作用する。しかし、上下のピン列4の間には前記規制体9がほぼ隙間なく挟み込まれているので、樹脂の流れによって各挿通孔成形ピン3が撓んだり、曲がったりすることがない。
【0013】
注入された樹脂が硬化したら型を割って成形空間8から成形品を取り出し、取り出した成形品からガイドピン孔成形ピン2及び挿通孔成形ピン3を抜去すると、図3に示す光コネクタ用フェルール(本発明の光コネクタ用フェルール)20が得られる。この光コネクタ用フェルール20では、前記ガイドピン孔成形ピン2の抜き跡がガイドピン孔(図示しない)、挿通孔成形ピン3の抜き跡がファイバ挿通孔21(ピン列4の抜き跡がファイバ挿通孔列22)となることは勿論であるが、前記規制体9によって成形時における挿通孔成形ピン3の撓みや曲がったが規制されているので、全てのファイバ挿通孔21が設計通り真っ直ぐに成形されている。また、上下のファイバ挿通孔列22の間の樹脂中には、前記規制体9が埋設されて残存している(埋め殺されている)。
【0014】
前記規制体9の材質には特に制限はなく、フェルールの成形樹脂と同一の樹脂は勿論のこと、金属、ガラス、ジルコニアなどであってもよい。但し、光コネクタの組立て工程においては、フェルールのファイバ挿通孔に光ファイバを挿通させた後に、フェルールの接続端面を研磨する。従って、図3に示すように、フェルール20の接続端面23に規制体9が露出しており、さらに、その規制体9の材質がフェルール20の成形樹脂と異なると、接続端面23の研磨量と規制体9の研磨量が異なり、接続端面23に凹凸が発生してしまう。そこで、規制体の素材をフェルールの成形樹脂と同一の樹脂とするか、規制体をフェルールの接続端面より奥に設置することが望ましい。後者の場合、図4(a)に示すように、上下のピン列4の間に規制体9を設置する際に、該規制体9の端面24と成形空間8の内壁25との間に隙間26が形成されるように、該規制体9をピンホルダ1寄りに設置する。これにより、同図(b)に示すように、成形されたフェルール20の接続端面23と規制体9の端面24との間に前記隙間26の幅と同一厚の樹脂壁27が成形される。従って、接続端面の研磨量が樹脂壁27の厚みを超えない限り、前記のような問題は発生しない。尚、接続端面の研磨量は〜0.5mmが一般的なので、前記樹脂壁27の厚みは0.5mm以上とすることが望ましい。
【0015】
前記図1〜図4に示す規制体9の外周面は平坦であるが、図5(a)に示すように、規制体9の上下両面にV溝30を形成してもよい。このような規制体9を前記と同様に成形空間内の上下のピン列の間に配置すると、図5(b)に示すように、上下のピン列4の各挿通孔成形ピン3がV溝30に収容される。従って、挿通孔成形ピン30に上下方向からのみでなく、横方向から力が作用した場合も、該ピン3の撓みや曲がりが防止され、ファイバ挿通孔の成形精度がさらに向上する。
【0016】
前記図5(a)(b)に示すV溝は、図6(a)に示すような多角形溝や図6(b)に示すようなU溝とすることもでき、多角形溝やU溝とした場合も前記V溝と同様の作用効果が得られる。
【0017】
(実施形態2)
前記実施形態1に示す光コネクタ用フェルールの製造方法では、成形型の成形空間内に配置された上下の挿通孔成形ピンの間に単一の規制体を配置した。しかし、図7に示すように、左右に隣接する挿通孔成形ピン3の間に夫々規制体9を配置してもよい。この場合、隣接する挿通孔成形ピン3の間に配置される各規制体9を基体40に連結して櫛歯状に一体化すると、複数の規制体9を一度に所定位置に配置でき好都合である。尚、左右に隣接する挿通孔成形ピン3の間に規制体9を配置することは、成形時において、挿通孔成形ピン3に横方向(図中の矢印a方向)の力のみが作用する場合、又は縦方向(図中の矢印b方向)に比して横方向に作用する力が著しく大きい場合に好適である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法では、成形型の成形空間内に配置された隣接する挿通孔成形ピン間に該ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから成形空間内に樹脂を注入してフェルールを製造する。従って、成形空間内に注入された樹脂の流れによって挿通孔成形ピンが撓んだり、曲がったりすることがない。夫々のファイバ挿通孔が設計どおりに真っ直ぐ成形された光コネクタ用フェルールが製造され、このフェルールを用いて光コネクタを組み立てれば、低接続損失の光コネクタが実現される。
【0019】
本発明の光コネクタ用フェルールは、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が樹脂内に埋設されている。即ち、挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制しつつ成形されたものである。従って、夫々のファイバ挿通孔が設計どおりに真っ直ぐ成形されており、該挿通孔に光ファイバを挿通して光コネクタを組み立てれば、低接続損失の光コネクタが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法に使用される成形型、成形ピン、規制体の一例を示す説明図。
【図2】図1示す成形型内に同図に示す成形ピン及び規制体を配置した状態を示す断面図。
【図3】本発明の光コネクタ用フェルールの一例を示す断面図。
【図4】(a)は規制体の配置位置の一例を示す断面図、(b)は本発明の光コネクタ用フェルールの他例を示す断面図。
【図5】(a)は上下に隣接する挿通孔成形ピン間に配置される規制体の一例を示す斜視図、(b)は(a)の規制体を挿通孔成形ピン間に配置した状態を示す斜視図。
【図6】(a)(b)は上下に隣接する挿通孔成形ピン間に配置される規制体の異なる例を示す斜視図。
【図7】左右に隣接する挿通孔成形ピン間に配置される規制体の一例を示す斜視図。
【図8】光コネクタ用フェルールの一例を示す斜視図。
【図9】(a)(b)は多段光コネクタ用フェルールの異なる例を示す斜視図。
【図10】従来の光コネクタ用フェルールの製造方法を示す断面図。
【図11】従来方法によって製造された光コネクタ用フェルールを示す図であって、(a)はファイバ挿通孔が縦方向に曲がって成形されたフェルールの断面図、(b)はファイバ挿通孔が横方向に曲がって成形されたフェルールの断面図。
【符号の説明】
1 ピンホルダ
2 ガイドピン孔成形ピン
3 挿通孔成形ピン
4 ピン列
5 上金型
6 下金型
7 成形型
8 成形空間
9 規制体
Claims (4)
- ガイドピン孔を成形するための一対のガイドピン孔成形ピンが平行に配置され、それらガイドピン孔成形ピンの間にファイバ挿通孔を成形するための挿通孔成形ピンが2本以上平行に配置された成形型内に流動性のある樹脂を注入する光コネクタ用フェルールの製造方法において、成形型内の隣接する挿通孔成形ピン間に該ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから樹脂を注入することを特徴とする光コネクタ用フェルールの製造方法。
- ガイドピン孔を成形するための一対のガイドピン孔成形ピンが平行に配置され、それらガイドピン孔成形ピンの間にファイバ挿通孔を成形するための2本以上の挿通孔成形ピンがマトリックス状に配置された成形型内に流動性のある樹脂を注入する光コネクタ用フェルールの製造方法において、左右に隣接する挿通孔成形ピン間及び上下に隣接する挿通孔成形ピン間の双方又は一方にこれら挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制する規制体を配置してから樹脂を注入することを特徴とする光コネクタ用フェルールの製造方法。
- 2以上のファイバ挿通孔が一列に形成された樹脂製の光コネクタ用フェルールであって、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が隣接するファイバ挿通孔間に樹脂内に埋設されていることを特徴とする光コネクタ用フェルール。
- 2以上のファイバ挿通孔が一列に配列されたファイバ挿通孔列が2段以上形成された樹脂製の光コネクタ用フェルールであって、その成形時にファイバ挿通孔を成形する挿通孔成形ピンの撓みや曲がりを規制するために成形型内に配置した規制体が隣接する左右のファイバ挿通孔間及び隣接する上下のファイバ挿通孔列間の双方又は一方の樹脂内に埋設されていることを特徴とする光コネクタ用フェルール。
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2002
- 2002-07-03 JP JP2002194815A patent/JP2004037844A/ja active Pending
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