JP2004037842A - 表示素子 - Google Patents

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JP2004037842A JP2002194805A JP2002194805A JP2004037842A JP 2004037842 A JP2004037842 A JP 2004037842A JP 2002194805 A JP2002194805 A JP 2002194805A JP 2002194805 A JP2002194805 A JP 2002194805A JP 2004037842 A JP2004037842 A JP 2004037842A
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Hirotaka Shinya
新屋 博孝
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】従来よりも生産性に優れた表示素子を提供する。
【解決手段】互いに対向するTFT基板100aおよび対向基板100bと、これらの間に設けられた液晶層30と、TFT基板100aと対向基板100bとを互いに接着し、且つ、液晶層30を包囲するシール部40と、シール部40に隣接し、且つ、接触するようにTFT基板100a上に設けられた誘電体層50とを有する表示素子である。誘電体層50のTFT基板100aに対する密着力が、シール部40のTFT基板100aに対する密着力よりも強い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示素子に関し、特に、シール材を介して貼り合わされた一対の基板を備える表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶表示素子等のフラットディスプレイパネルは、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などに広く用いられている。
【0003】
フラットディスプレイパネルは、典型的には、一対のガラス基板を備えているが、携帯電話やPDAの薄型化、軽量化および堅牢化が要望されている近年、ガラス基板に代えて、薄型・軽量・強固なプラスチック基板を用いることが提案されており、プラスチック基板を備えたTN(Twisted Nematic)型やSTN(Super Twisted Nematic)型の液晶表示素子が一部実用化されている。
【0004】
ところが、近年では、フラットディスプレイパネルには高速応答、高コントラスト比等の高い仕様が要求されているので、フラットディスプレイパネルの駆動方式としては、一方の基板にTFT(Thin Film Transistor)やMIM等のスイッチング素子を設けたアクティブマトリクス方式が主流となっており、基板上にTFT等のスイッチング素子を設けるには、300℃以上の高温プロセスが必要となる。そのため、スイッチング素子が設けられるアクティブマトリクス基板として、耐熱性の低いプラスチック基板を用いるのは難しい。
【0005】
そこで、アクティブマトリクス基板としてはガラス基板を用い、これに対向する対向基板(カラーフィルタ等が設けられる基板)をプラスチック基板とすることで、薄型・軽量・強固なフラットディスプレイパネルを実現することが試みられている。
【0006】
しかしながら、ガラス基板とプラスチック基板とでは線膨張係数が大きく異なるので、これらをシール材として一般的に使用されている熱硬化性樹脂を用いて貼り合わせると、基板間の線膨張係数の違いに起因した貼り合わせ不良や貼り合わせ後の基板の反りが発生する。そのため、ガラス基板とプラスチック基板とを貼り合わせて表示素子を作製することは困難である。
【0007】
また、一方では、ガラス基板に代えてプラスチック基板等のフレキシブルな基板を用いることによるフレキシブルディスプレイの実用化も検討されており、線膨張係数が小さく耐熱性の高い不透明なプラスチック基板やSUS基板(ステンレス基板)等を用いることが検討されている。
【0008】
しかし、アクティブマトリクス基板として上述したものを用いても、対向するプラスチック基板と線膨張係数が大きく異なるので、やはり基板間の線膨張係数の違いに起因した貼り合わせ不良や貼り合わせ後の基板の反りが発生してしまう。
【0009】
上述したような、線膨張係数が異なる基板同士を貼り合わせる際の製造不良の発生を抑制するために、シール材として紫外線硬化性樹脂を用いるプロセスが提案されている。シール材として紫外線硬化性樹脂を用いると、熱硬化させる工程が不要となるので、熱による基板の伸びの発生が抑制され、製造不良の発生が抑制される。
【0010】
また、特開2000−241821号公報は、熱硬化性樹脂からなるシール材よりも外側に紫外線硬化型接着剤を塗布しておき、紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化させることによって基板同士を仮止めした後、熱処理を施してシール材を硬化させる方法を開示している。この方法によると、基板同士の組みずれや基板の反りが防止される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シール材として紫外線硬化性樹脂を用いる場合、紫外線硬化性樹脂は、一般に、熱硬化性樹脂と比べて基板に対する密着性が低いので、接着強度が十分ではないことがあり、後の工程においてシール材の剥がれが発生することがある。
【0012】
また、特開2000−241821号公報に開示されている方法では、熱硬化性樹脂を硬化させるプロセスが必要であるので、シール材として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に比べ、製造に要する時間が長くなってしまうという問題がある。
【0013】
さらに、アクティブマトリクス基板側に設けられた外部接続端子を取り出す(露出させる)工程において対向基板の一部を切断して除去する必要があるが、プラスチック基板のように粘性の比較的高い基板を対向基板として備えている場合には、対向基板の切断不良や、アクティブマトリクス基板側の接続端子の断線が発生することがある。
【0014】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも生産性に優れた表示素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による表示素子は、互いに対向する第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示媒体層と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに接着し、且つ、前記表示媒体層を包囲するシール部と、前記第1基板上に設けられ、前記シール部に隣接する誘電体層とを有し、前記誘電体層の前記第1基板に対する密着力が、前記シール部の前記第1基板に対する密着力よりも強い構成を有し、そのことによって上記目的が達成される。
【0016】
前記シール部は、光硬化性樹脂から形成されており、前記誘電体層は、熱硬化性樹脂から形成されていることが好ましい。
【0017】
あるいは、本発明による表示素子は、互いに対向する第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示媒体層と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに接着し、且つ、前記表示媒体層を包囲するシール部と、前記第1基板上に設けられ、前記シール部に隣接する誘電体層とを有し、前記シール部は、光硬化性樹脂から形成されており、前記誘電体層は、熱硬化性樹脂から形成されている構成を有し、そのことによって上記目的が達成される。
【0018】
前記誘電体層は、前記シール部に対して前記表示媒体層とは反対側に設けられていてもよいし、前記誘電体層は、前記シール部に対して前記表示媒体層側にも設けられていてもよい。勿論、前記誘電体層は、前記シール部に対して前記表示媒体層側にのみ設けられていてもよい。
【0019】
前記誘電体層は、前記第2基板の外周の少なくとも一部と重なってもよい。
【0020】
前記シール部は、前記誘電体層の少なくとも一部を覆ってもよい。
【0021】
あるいは、本発明による表示素子は、互いに対向する第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示媒体層と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに接着し、且つ、前記表示媒体層を包囲するシール部と、前記第1基板上に前記シール部に対して前記表示媒体層とは反対側に設けられた誘電体層とを備え、前記誘電体層は、前記第2基板の外周の少なくとも一部と重なる構成を有し、そのことによって上記目的が達成される。
【0022】
前記第1基板上に設けられた複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子上に設けられた層間絶縁層と、それぞれが前記層間絶縁層に設けられたコンタクトホールにおいて前記複数のスイッチング素子のそれぞれと電気的に接続された複数の画素電極とを有している場合には、前記誘電体層は、前記層間絶縁層と同一の膜から形成されていることが好ましい。
【0023】
前記表示媒体層は液晶層であってもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明による実施形態の表示素子を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0025】
図1を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示素子100の構造を説明する。
【0026】
液晶表示素子100は、アクティブマトリクス基板(以下「TFT基板」と呼ぶ。)100aと、これに対向する対向基板(以下「カラーフィルタ基板」とも呼ぶ。)100bと、TFT基板100aと対向基板100bとの間に設けられた表示媒体層としての液晶層30とを有する。TFT基板100aと対向基板100bとの間には、これらを互いに接着するシール部40が、液晶層30を包囲するように設けられている。
【0027】
TFT基板100aとして、本実施形態では、PI(Polyimide)樹脂基板を用いる。PI樹脂基板は、不透明、低線膨張係数、高耐熱性であるという特徴を有している。TFT基板100aの液晶層30側の表面には、アクティブマトリクス回路10が形成されている。
【0028】
ここで、アクティブマトリクス回路10の構成を図2および図3を参照しながら説明する。図2は、液晶表示素子100を模式的に示す上面図であり、図3は、TFT基板100aの1つの画素に対応する領域を模式的に示す断面図である。
【0029】
PI樹脂基板(TFT基板)100a上に、複数のゲート配線(走査配線)11と、ゲート配線11に電気的に接続されたゲート電極11aおよびゲート接続端子12と、ソース接続端子13とが設けられている。ゲート配線11、ゲート電極11a、ゲート接続端子12およびソース接続端子13は、例えばチタン(Ti)から形成されている。
【0030】
ゲート配線11およびゲート電極11aを覆うように、ゲート絶縁膜(例えば窒化シリコン膜)14が形成されている。さらに、ゲート電極11a上には、ゲート絶縁膜14を介して、真性アモルファスシリコン層15aと、リン(P)が不純物としてドープされたnアモルファスシリコン層15bとが積層されている。
【0031】
また、ゲート絶縁膜14上には、ソース接続端子13に接続された複数のソース配線16と、ソース配線16に接続されたソース電極16aと、ドレイン電極17とが設けられている。ソース配線16、ソース電極16aおよびドレイン電極17は、例えばチタン(Ti)から形成されている。ソース配線16は、ゲート絶縁膜14を介してゲート配線11と交差する(典型的には直交する)ように配置されている。
【0032】
ゲート電極11a、ゲート電極11a上のゲート絶縁膜14、真性アモルファスシリコン層15a、nアモルファスシリコン層15b、ソース電極16aおよびドレイン電極17は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)20を構成している。
【0033】
薄膜トランジスタ20は、ゲート配線11とソース配線16との交差部近傍に配置されている。また、薄膜トランジスタ20は、ゲート電極11aを介してゲート配線11に電気的に接続されているとともに、ソース電極16aを介してソース配線16に電気的に接続されている。
【0034】
上述の構成を有するアクティブマトリクス回路10上(ゲート配線11、ソース配線16および薄膜トランジスタ20上)に、層間絶縁層18が設けられている。本実施形態では、層間絶縁層18は、熱硬化性および感光性を有するアクリル系樹脂を用いて形成されている。
【0035】
この層間絶縁層18上に、画素ごとに画素電極19が設けられている。本実施形態では、画素電極19は、光を反射する材料(例えばアルミニウム)を用いて形成された反射電極である。画素電極19は、層間絶縁層18に設けられたコンタクトホール18a内で薄膜トランジスタ20のドレイン電極17と電気的に接続されている。画素電極19とソース配線16との電気的な接続は、薄膜トランジスタ20にゲート電極11aを介してゲート配線11から印加される走査信号に応じてオン/オフされる。
【0036】
画素電極19上には、配向層(例えばポリイミド系樹脂を用いて形成された配向膜:不図示)が形成されている。
【0037】
上述したTFT基板100aに対向する対向基板100bとして、本実施形態では、PES(Poly Ether Sulfone)基板を用いる。PES基板は、PI樹脂基板と比較して、高透明性、高線膨張係数、低耐熱性である。
【0038】
対向基板100b上に、図1に示したように、カラーフィルタ層21、オーバーコート層22および対向電極23がこの順に設けられている。カラーフィルタ層21は、典型的には、赤(R)色層、緑(G)色層および青(B)色層がストライプ状に配列され、これらの間に短冊状のブラックマトリクス(BM)が配置された構成を有しており、例えば顔料分散型のアクリル系樹脂を用いて形成されている。
【0039】
カラーフィルタ層21上に設けられたオーバーコート層22は、透明なアクリル系樹脂を用いて形成されている。オーバーコート層22上に設けられた対向電極23は、透明導電材料を用いて形成されており、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いて形成されている。
【0040】
また、対向電極23上には、配向層(例えばポリイミド系樹脂を用いて形成された配向膜:不図示)が形成されている。
【0041】
上述の構成を有するTFT基板100aと対向基板100bとは、シール部40を介して貼り合わされている。本実施形態では、シール部40は、紫外線硬化性樹脂を用いて、厚さ約5μm、幅約1.2mmで形成されている。シール部40によって包囲される領域内に液晶材料が封入され、表示媒体層としての液晶層30がTFT基板100aと対向基板100bとに挟持されている。
【0042】
また、TFT基板100a上には、シール部40に隣接する誘電体層50が設けられている。誘電体層50は、TFT基板100aに密着するように形成されており、シール部40にも密着している。本実施形態では、誘電体層50は、層間絶縁層18と同一の膜から形成されている。つまり、誘電体層50は、層間絶縁層18と同じ材料(ここでは熱硬化性および感光性を有するアクリル系樹脂)を用いて同一のプロセス(工程)で形成されている。
【0043】
本実施形態の液晶表示素子100においては、誘電体層50のTFT基板100aに対する密着力は、シール部40のTFT基板100aに対する密着力よりも強い。言い換えると、誘電体層50のTFT基板100aに対する密着度(密着性)は、シール部40のTFT基板100aに対する密着度(密着性)よりも高い。
【0044】
例えば、シール部40および誘電体層50の材料を適宜選択することによって、シール部40および誘電体層50は、誘電体層50のTFT基板100aに対する密着力がシール部40のTFT基板100aに対する密着力よりも強くなるように形成され得る。本実施形態では、シール部40の材料として紫外線硬化性樹脂を用い、誘電体層50の材料として、熱硬化性樹脂を用いる。
【0045】
上述したように、液晶表示素子100においては、誘電体層50のTFT基板100aに対する密着力が、シール部40のTFT基板100aに対する密着力よりも強く、シール部40は、TFT基板100aの表面だけでなく、TFT基板100a上に設けられた誘電体層50にも接触(密着)している。従って、シール部40は、TFT基板100aに対して直接接触した部分でTFT基板100aに固着されるだけでなく、誘電体層50に接触した部分でも誘電体層50を介して間接的にTFT基板100aに固着される。つまり、シール部40とTFT基板100aとの固着に寄与する、シール部40とTFT基板100aとの実効的な接触面積が広い。そのため、基板への密着力が比較的小さい材料を用いてシール部40を形成しても、基板同士の接着強度を実用上十分に確保することができ、シール部40の材料として熱硬化工程が不要な材料(例えば光硬化性樹脂)を用いることができる。それ故、シール部40の熱硬化工程を省略することによって、熱硬化工程に起因する基板同士の組みずれや基板の反りの発生が抑制されるので、基板間の線膨張係数の差に起因する製造不良の発生が抑制される。
【0046】
シール部40の材料としては、例えば、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂を用いることができる。光硬化性樹脂としては、具体的には、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂などを用いることができる。
【0047】
一般に、熱硬化性樹脂は、光硬化性樹脂に比べて基板への密着力が強い。そのため、シール部40の材料として光硬化性樹脂を用いる場合、誘電体層50の材料として熱硬化性樹脂を用いることによって、誘電体層50のTFT基板100aに対する密着力がシール部40のTFT基板100aに対する密着力よりも強い構成が容易に実現される。
【0048】
本実施形態では、誘電体層50は、シール部40の外周のほぼ全てに接触するように設けられているが、必ずしもシール部40の全周と接触している必要はなく、実用上十分な接着強度が得られればよい。勿論、より接着強度を向上する観点からは、シール部40との接触面積がなるべく広くなるように誘電体層50を設けることが好ましい。
【0049】
本実施形態では、誘電体層50は、シール部40に対して液晶層30とは反対側(つまり外側)に設けられているが、勿論、図4に示すようにシール部40に対して液晶層30側に設けられていてもよいし、図5に示すようにシール部40を挟むように両側に(つまり液晶層30側および液晶層30とは反対側の両方に)設けられてもよい。
【0050】
図5に示したように、誘電体層50がシール部40の両側に設けられている(シール部40の外側のみならず内側にも設けられている)と、シール部40と誘電体層50との接触面積が広くなり、シール部40とTFT基板100aとの実効的な接触面積が広くなるので、シール部40とTFT基板100aとをより強力に固着することができる。そのため、基板同士の接着強度をより向上することができる。
【0051】
また、図6に示すように、シール部40が、誘電体層50の一部(あるいは全部)を覆うように形成されている構成を採用しても、シール部40と誘電体層50との接触面積が広くなり、シール部40とTFT基板100aとの実効的な接触面積が広くなるので、基板同士の接着強度を向上することができる。
【0052】
さらに、本実施形態のように、誘電体層50を、層間絶縁膜18と同一の膜から形成すると、誘電体層50を設けるための工程を新たに設ける必要がないので、従来の製造プロセスに比べて工程数を増加させることなく上述したような製造不良の発生を抑制する効果が得られる。そのため、製造コストを著しく低減することが可能になる。
【0053】
本実施形態の液晶表示装置100は、例えば、以下のようにして製造される。
【0054】
まず、画素ごとに薄膜トランジスタ20および画素電極19が形成されたTFT基板100aを作製する工程を説明する。
【0055】
まず、TFT基板100aとなる厚さ0.2mmのPI(Polyimide)樹脂基板を用意する。
【0056】
次に、このPI樹脂基板上に、チタン(Ti)薄膜をスパッタリング法により形成し、その後、フォトリソグラフィ法によりこのチタン薄膜をパターニングすることによって、ゲート配線11、ゲート電極11a、ゲート接続端子12およびソース接続端子13を形成する。
【0057】
続いて、ゲート配線11およびゲート電極11aを覆うように、窒化シリコンからなるゲート絶縁膜14をCVD法を用いて形成する。
【0058】
次に、ゲート絶縁膜14上に、CVD法を用いて真性アモルファスシリコン膜およびnアモルファスシリコン膜を形成し、これらをフォトリソグラフィ法により島状にパターニングすることによって、ゲート電極11a上に位置する真性アモルファスシリコン層15aおよびnアモルファスシリコン層15bを形成する。
【0059】
続いて、ゲート絶縁膜14上に、チタン(Ti)薄膜をスパッタリング法により形成した後、フォトリソグラフィ法によりこのチタン薄膜をパターニングすることによって、ソース配線16、ソース電極16aおよびドレイン電極17を形成する。
【0060】
次に、ソース電極16aおよびドレイン電極17をマスクとして、nアモルファスシリコン層15bの一部(ソース電極16aとドレイン電極17との間に位置し、露出した部分)をエッチングすることによってチャネル部を形成する。
【0061】
このようにして、TFT基板100a上に形成された薄膜トランジスタ20が得られる。
【0062】
次に、ソース配線16や薄膜トランジスタ20を覆うように感光性のアクリル系樹脂からなる熱硬化性樹脂をスピンコート法を用いて厚さ3μmに塗布し、その後、この熱硬化性樹脂をフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、層間絶縁層18および誘電体層50を同時に形成する。
【0063】
このとき、層間絶縁層18は、画素となる領域内に形成され、誘電体層50は、後に形成されるシール部40に隣接するような位置に形成される。誘電体層50は、既に述べたように、表示領域内に形成されてもよいし、表示領域外に形成されてもよいし、表示領域内および表示領域外の両方に形成されてもよい。また、図6に示したように、誘電体層50は、その一部(あるいは全部)が後に形成されるシール部40によって覆われる位置に形成されてもよい。なお、ここでは、熱硬化性樹脂として、感光性を有するアクリル系樹脂を用いるが、エポキシ系樹脂などであってもよい。
【0064】
次に、層間絶縁層18上に、スパッタリング法を用いてアルミニウム(Al)薄膜を形成し、その後、アルミニウム薄膜をフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、反射電極として機能する画素電極19を形成する。
【0065】
上述のようにして、画素ごとに薄膜トランジスタ20および画素電極19が形成されたTFT基板100aが得られる。
【0066】
次に、カラーフィルタ層21、オーバーコート層22および対向電極23を備えた対向基板100bを作製する工程を説明する。
【0067】
まず、対向基板100bとなる厚さ0.2mmのPES(Poly Ether Sulfone)基板を用意する。
【0068】
次に、このPES基板上に、所定の色(例えば赤)に着色されたレジスト膜を形成し、その後このレジスト膜をフォトリソグラフィ法を用いてストライプ状にパターニングすることによって所定の色の色層(例えば赤色層)を形成する。この工程を赤(R)、緑(G)および青(B)の各色について施すことにより、ストライプ状に配列された赤(R)色層、緑(G)色層および青(B)色層を形成する。
【0069】
続いて、赤色層、緑色層および青色層が形成されたPES基板上に、黒色のレジスト膜を塗布し、その後、赤色層、緑色層および青色層をマスクとしてこの黒色のレジスト膜を裏面露光法によりパターニングしてブラックマトリクス(BM)を形成する。このようにして、赤色層、緑色層、青色層およびブラックマトリクスを有するカラーフィルタ層21が形成される。
【0070】
次に、カラーフィルタ層21上に、透明なアクリル系樹脂を用いて平坦化のためのオーバーコート層22を形成する。
【0071】
その後、オーバーコート層22上に、スパッタリング法を用いてITO(Indium Tin Oxide)からなる対向電極23を形成する。
【0072】
上述のようにして、カラーフィルタ層21、オーバーコート層22および対向電極23を備えた対向基板100bが得られる。
【0073】
次に、TFT基板100aと対向基板100bとを貼り合わせる工程を説明する。
【0074】
まず、TFT基板100aおよび対向基板100b上にフレキソ法を用いて配向膜材料を印刷し、その後、焼成することによって配向膜を形成する。次に、配向膜にラビング法により配向処理を施す。
【0075】
続いて、一方の基板上に、基板間の間隔を保持するスペーサとしてのプラスチックビーズを散布し、他方の基板上に、シール部40となる紫外線硬化性樹脂(例えば、ナガセケムテックス社製XNRシリーズ)をディスペンサ法により塗布する。本実施形態では、シール部40の厚さが約20μm、幅が約0.3mmとなるように紫外線硬化性樹脂を塗布する。なお、一方の基板上に、スペーサの散布および紫外線硬化性樹脂の塗布の両方を施してもよい。
【0076】
次に、両基板を精度良く重ね合わせ、UVプレス装置を用いて50kgfの荷重を加えながら、メタルハライドランプを用いて強度100mW、波長365nmの紫外線を120秒間照射することによって紫外線硬化性樹脂を硬化させ、シール部40を形成する。
【0077】
その後、TFT基板100aと対向基板100bとの間隙に、液晶層30となる液晶材料を封入することによって、液晶表示素子100が完成する。
【0078】
なお、対向基板100bの一部、より具体的には接続端子(ゲート接続端子12およびソース接続端子13)上に位置する部分を切断・除去することによって接続端子の取り出し(露出)が行われるが、この工程において以下のような問題が発生することがある。
【0079】
対向基板100bがガラス基板である場合には、切断したい箇所にクラックを入れた後、基板に圧力を加えてクラックを助長する(クラックを基板の厚さ方向に進行させる)ことによって、対向基板100bを容易に切断することができる。
【0080】
しかしながら、対向基板100bがプラスチック基板のような粘性の比較的高い基板である場合、適度なクラックを入れることが困難であり、また、クラックを入れた後に圧力を加えてもクラックが厚さ方向に進行しにくいので、対向基板100bを容易に切断・除去できない。
【0081】
そのため、対向基板100bとして粘性の比較的高い基板を用いる場合、切断を確実に行うためには、図7に示すように、対向基板100bに深い溝60を形成する(基板の裏側近傍まで形成する)ことが好ましく、この溝60の形成には、一般的には、精度の高いダイシングマシンが用いられる。
【0082】
ダイシングマシンにより溝60を形成する際、溝60の深さが浅すぎると、対向基板100bを確実に切断できないことがあり、また、溝60の深さが深すぎると、ダイシングマシンのブレードがゲート接続端子12(あるいはソース接続端子13)まで切り込んでしまうことがある。そのため、形成する溝60の深さを精度良く制御することが好ましい。
【0083】
溝60の深さを精度良く制御するためには、溝60の形成に用いる機械(例えば上述したダイシングマシン)の加工精度や対向基板100bの厚さの均一性が高いことが好ましいが、対向基板100bが例えばプラスチック基板である場合には、対向基板100bの厚さのばらつきが10%程度であるため、精度の高いダイシングマシンを用いても十分な切断マージンの確保が難しいことがある。
【0084】
例えば、対向基板100bを確実に切断するためには、基板裏側から30μm〜50μm程度の深さまで溝60を形成することが好ましいが、対向基板100bとして厚さ約0.2mmのプラスチック基板を用いると、20μm程度の厚さのばらつきが存在するので、対向基板100bに形成される溝60の深さを精度良く制御することが難しい。
【0085】
上述したように、粘性の比較的高い基板を対向基板100bとして備える場合には、溝60の深さが浅すぎること(切り込み不足)による切断不良や、溝60の深さが深すぎること(切り込み過ぎ)による接続端子の断線が発生することがある。また、溝60を形成する際の加圧によって、分断ライン(溝60)下に存在するスペーサを介してTFT基板100aにも圧力が加えられ、それによって配線の断線が発生することもある。
【0086】
図8(a)および(b)に示すように、対向基板100bの分断ライン(溝60)下に誘電体層50を設ける、言い換えると、対向基板100bの外周100b1の少なくとも一部と重なるように誘電体層50を設けると、誘電体層50が接続端子の保護層として機能するので、切り込み過ぎによる接続端子の断線の発生が抑制される。従って、ダイシングマシンによる溝の深さの設定を通常よりも深く設定することが可能になり、切り込み不足による切断不良も減少する。また、分断ライン下に誘電体層50が設けられていると、溝60を形成する際の加圧によって分断ライン下のスペーサを介してTFT基板100aに加えられる圧力が緩和されるので、加圧に起因した断線の発生も抑制される。
【0087】
なお、図8(a)および(b)では、シール部40に接触する誘電体層50を備えた液晶表示素子100において誘電体層50を分断ライン下に設けた場合を例示したが、誘電体層を分断ライン下に設けることによって得られる上述の効果は、種々の構成の表示素子において同様に得られる。例えば、図9(a)および(b)に示す液晶表示素子100’のように、シール部40と接触していない誘電体層50’が分断ライン下に設けられていても、同様の効果が得られる。
【0088】
また、本実施形態では、TFT基板100aとして不透明なPI基板を備えた反射型の液晶表示素子を例に本発明を説明したが、本発明は、透過型の液晶表示素子や透過反射両用型の液晶表示素子にも好適に用いることができる。透過型の液晶表示素子では、TFT基板として透明性の高い基板が用いられ、画素電極としてITOのような透明導電材料からなる電極が用いられる。
【0089】
さらに、本実施形態では、基板間に挟持される表示媒体層として液晶層30を用いるが、勿論これに限定されず、表示媒体層としては、印加される電圧あるいは供給される電流に応じて光量を調整できるものを用いることができる。液晶層のようにバックライトや外部からの光の透過光量あるいは反射光量を調整できる表示媒体層を用いてもよいし、無機ELや有機ELのように自らが発光する表示媒体層を用いてもよい。
【0090】
【発明の効果】
本発明によると、基板同士が実用上十分な接着強度で貼り合わされるとともに基板間の線膨張係数の差に起因する製造不良の発生が抑制された、生産性に優れた表示素子が提供される。本発明は、互いに線膨張係数が異なる一対の基板を備えた表示素子に好適に用いられ、例えば、プラスチック基板を備えた液晶表示素子に好適に用いられる。
【0091】
また、本発明によると、接続端子を取り出す工程における切断不良や断線の発生が抑制された、生産性に優れた表示素子が提供される。本発明は、表示媒体層を介して対向する一対の基板の一方として粘性の高い基板を備えた表示素子に好適に用いられ、例えば、プラスチック基板を備えた液晶表示素子に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の液晶表示素子100を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明による実施形態の液晶表示素子100を模式的に示す上面図である。
【図3】液晶表示素子100が備えるTFT基板100aの1つの画素に対応する領域を模式的に示す断面図である。
【図4】液晶表示素子100に用いられる誘電体層50の他の配置を模式的に示す断面図である。
【図5】液晶表示素子100に用いられる誘電体層50のさらに他の配置を模式的に示す断面図である。
【図6】液晶表示素子100に用いられる誘電体層50のさらに他の配置を模式的に示す断面図である。
【図7】対向基板100bの一部を切断・除去する際に溝60を形成する様子を模式的に示す断面図である。
【図8】対向基板100bの一部を切断・除去する様子を模式的示す断面図であり、(a)は、溝60の形成後で対向基板100bの一部を除去する前の様子を示し、(b)は、対向基板100bの一部を除去した後の様子を示す。
【図9】対向基板100bの一部を切断・除去する様子を模式的示す断面図であり、(a)は、溝60の形成後で対向基板100bの一部を除去する前の様子を示し、(b)は、対向基板100bの一部を除去した後の様子を示す。
【符号の説明】
10 アクティブマトリクス回路
11 ゲート配線
11a ゲート電極
12 ゲート接続端子
13 ソース接続端子
14 ゲート絶縁膜
15a 真性アモルファスシリコン層
15b nアモルファスシリコン層
16 ソース配線16
16a ソース電極16a
17 ドレイン電極
18 層間絶縁層18
19 画素電極
20 薄膜トランジスタ(TFT)
21 カラーフィルタ層
22 オーバーコート層
23 対向電極
30 液晶層
40 シール部
50 誘電体層
100 液晶表示素子
100a TFT基板(アクティブマトリクス基板)
100b 対向基板(カラーフィルタ基板)

Claims (10)

  1. 互いに対向する第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示媒体層と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに接着し、且つ、前記表示媒体層を包囲するシール部と、前記第1基板上に設けられ、前記シール部に隣接する誘電体層とを有し、
    前記誘電体層の前記第1基板に対する密着力が、前記シール部の前記第1基板に対する密着力よりも強い、表示素子。
  2. 前記シール部は、光硬化性樹脂から形成されており、前記誘電体層は、熱硬化性樹脂から形成されている、請求項1に記載の表示素子。
  3. 互いに対向する第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示媒体層と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに接着し、且つ、前記表示媒体層を包囲するシール部と、前記第1基板上に設けられ、前記シール部に隣接する誘電体層とを有し、
    前記シール部は、光硬化性樹脂から形成されており、前記誘電体層は、熱硬化性樹脂から形成されている、表示素子。
  4. 前記誘電体層は、前記シール部に対して前記表示媒体層とは反対側に設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の表示素子。
  5. 前記誘電体層は、前記シール部に対して前記表示媒体層側にも設けられている、請求項4に記載の表示素子。
  6. 前記誘電体層は、前記第2基板の外周の少なくとも一部と重なる請求項4または5に記載の表示素子。
  7. 前記シール部は、前記誘電体層の少なくとも一部を覆っている、請求項1から6のいずれかに記載の表示素子。
  8. 互いに対向する第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示媒体層と、前記第1基板と前記第2基板とを互いに接着し、且つ、前記表示媒体層を包囲するシール部と、前記第1基板上に前記シール部に対して前記表示媒体層とは反対側に設けられた誘電体層とを備え、
    前記誘電体層は、前記第2基板の外周の少なくとも一部と重なる、表示素子。
  9. 前記第1基板上に設けられた複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子上に設けられた層間絶縁層と、それぞれが前記層間絶縁層に設けられたコンタクトホールにおいて前記複数のスイッチング素子のそれぞれと電気的に接続された複数の画素電極とを有し、
    前記誘電体層は、前記層間絶縁層と同一の膜から形成されている、請求項1から8のいずれかに記載の表示素子。
  10. 前記表示媒体層は液晶層である請求項1から9のいずれかに記載の表示素子。
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