JP2004037650A - 帯電付与部材 - Google Patents

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Yosuke Matsui
松井 洋介
Harusuke Nagami
永見 晴資
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Abstract

【課題】交流成分を含む電圧を印加して使用した場合に発生する帯電音を装置の大幅な設計変更なしに耳障りにならないレベルに低減することができる電子写真装置用の帯電付与部材を提供する。
【解決手段】帯電付与部材は、良導電性軸体2の外面上に半導電性の発泡弾性層3を接着一体化して設け、発泡弾性層3の外面上に表面層4を接着せず密着して設ける構成にする。ニップ接触による力が大きく作用する軸体2と半導電性発泡弾性層3とは接着固定してずれを防ぎ、それよりも半径方向外方における導電発泡弾性層と表面層とは接着せず密着した状態にすることにより、帯電音振動を遮断吸収できる。前記接着せず密着した構成は、発泡弾性層3を、表面層用チューブに空気を流しながら挿入被覆することにより、容易に実現できる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に用いる帯電付与部材に関し、さらに詳しくは帯電音の低減効果を有する導電性ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、感光体ドラムを初期化帯電するための帯電器としてコロナ放電器が用いられてきた。しかし、コロナ放電は多量のオゾンを発生し、作業環境上の問題があること、また近年、OA機器は小型化の潮流にあることなどの理由により、コロナ放電に代わるものとして帯電ローラなどを用いる接触帯電方式が採用されるようになってきている。
【0003】
接触帯電方式では、帯電ローラなどの帯電部材を、感光体などの被帯電部材に接触させて帯電を行う。このとき被帯電部材である感光体の表面を均一に、安定して帯電するために、交流成分を含む電圧を印加した振動電圧を帯電部材である帯電ローラ等に印加して、感光体の帯電が行われることがある。たとえば、ピーク間電圧Vppを有する交流電圧Vacと直流電圧Vdcとを重畳した電圧V1(=Vac+Vdc)を帯電ローラに印加することによって感光体を均一に帯電することができる。しかし交流成分を含む電圧を印加した振動電圧を用いると、印加した電圧の交流成分のために帯電ローラと感光体との間に作用力が発生し、感光体が振動して、帯電音と呼ばれる振動音が発生するという問題が生じる。特に、高速複写機や高速プリンタなどで振動音は顕著である。
【0004】
帯電音に対する対策としては、特開平5−188733号公報には、図5に示したような導電性フィルムチューブ(帯電フィルム56)を用いて、フィルムチューブ56内側から押圧することなく感光体11に接触させて帯電を行い、帯電音を低減する技術が開示されている。芯金52の外面に発泡弾性層53が設けられて、フィルムチューブ56のための給電・駆動部材を構成し、さらにバックアップローラ54が設けられる。しかし、この構成では駆動ローラ、帯電チューブ6およびフィルムの押圧手段など複雑なシステムが必要になる。
【0005】
また特開平7−92776号公報には、チューブの内側に芯金を立てチューブと芯金の隙間に発泡部材を配して発泡させ発泡部材の外周面を導電性チューブで被覆したローラを用いて帯電音を低減する技術が開示されている。該公報に開示のものは、段落[0020]に記載のように芯金、発泡部材およびチューブは分離しており、それにより帯電音を小さくする技術であるが、チューブ表面と被帯電体との接触により発生する力により、芯金と発泡部材との間に軸方向や周方向にずれを生じやすく、帯電が不安定になりやすいという問題を有している。
【0006】
特開平11−125956号公報には、導電性発泡体の表面に、導電性樹脂体から成るチューブを被着して形成し、帯電部材としての製品硬度がASKER−F硬度90゜以下であるローラが開示されている。しかしASKER−F硬度を90゜以下にするためには、フィルムの材質および厚さの制約や発泡弾性層の制約が大きくなり、適合するローラを実現するのは困難である。
【0007】
その他、システム側から帯電音を低減させるための技術として、感光体中にゴムなどの重りを挿入して共振周波数を変化させる技術も提案されている。しかしこのような防振部材を使用する構成では、感光体ドラムの変形や重量化、さらには製造原価が高くなるなどの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、交流成分を含む重畳電圧を印加して使用した場合も、帯電音の発生を耳障りにならないレベルに抑えることができ、しかも、接触帯電に起因する力による導電性支持体と発泡弾性層のずれがなく安定した帯電ができる電子写真装置用の帯電付与部材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被帯電部材に接触し、交流成分を含む重畳電圧を印加して被帯電部材を帯電させる帯電付与部材において、
良導電性支持体と、該良導電性支持体の外面上に接着一体化して設けられた半導電性を有する発泡弾性層と、該発泡弾性層の外面上に接着せず密着して設けられた表面層とを有することを特徴とする帯電付与部材である。
【0010】
本発明に従えば、良導電性支持体とその外面上に設けられた半導電性の発泡弾性層は接着一体化されており、発泡弾性層とその外面上に設けられた表面層とは、接着せず密着して構成されているので、発泡弾性層による振動吸収性および発泡弾性層と表面層の非接着密着・分離により、良導電性支持体に印加される振動電圧のエネルギーを低減して、接触面に伝えるので、帯電音を小さくすることができる。しかも、良導電性支持体と発泡弾性層は接着一体化されているので、被帯電部材と表面層の接触により発生する力が作用しても、良導電性支持体と発泡弾性層のずれは生じない。また、発泡弾性層と表面層の間は、作用する力が小さく(ロール形状の場合、軸心からの径に反比例する)、層間のずれは生じにくい。
【0011】
また本発明は、前記半導電性を有する発泡弾性層の体積固有抵抗が、
1×10〜1×10Ω・cmであることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、低い印加電圧で、電荷を表面層に移送することが可能となる。
【0013】
本発明は、前記良導電性支持体が回転軸であり、前記表面層が熱可塑性樹脂から成るチューブであり、帯電付与部材が帯電ローラであることを特徴とする。
【0014】
本発明は、前記良導電性支持体が板状金具であり、該金具の少なくとも表裏面上に前記発泡弾性層が接着一体化して設けられ、表面層が熱可塑性樹脂から成る膜層であり、帯電付与部材が帯電ブレードであることを特徴とする。
【0015】
本発明の帯電付与部材としては、ローラ形状のもの、ブレード形状のもの、平ベルト形状のものが好ましく、特に上述のローラ形状およびブレード形状が好ましい。
【0016】
本発明は、前記表面層が、ナイロン12をベースとする熱可塑性樹脂組成物より成ることを特徴とする。
【0017】
ナイロン12をベースとする熱可塑性樹脂組成物より成る表面層を形成することにより、内側の発泡弾性層より移送された電荷をリークせずに被帯電部材に移すことができ、しかも剛性と柔軟性のバランスが良好で、発泡弾性層の変形に追従し、耐久する。また長時間圧接後でも変形回復が速い。
【0018】
また本発明は、良導電性支持体の外面上に設けられた導電性を有する発泡弾性層と、該発泡弾性層の外面上に設けられた表面層とを有する帯電付与部材の製造方法において、
接着処理した良導電性支持体の外面上に発泡弾性層を接着一体化して形成することによってローラ状やブレード状の成形体を製造する工程と、
熱可塑性樹脂をベースとする樹脂組成物から成る表面層形成材を形成する工程と、
前記成形体を、前記表面層形成材に、接着せず密着して、発泡弾性層の外面上に表面層を形成する工程とを含むことを特徴とする帯電付与部材の製造方法である。
【0019】
本発明は、前記表面層形成材が、チューブ形状であり、前記成形体の外径より小さく形成された外径を有するチューブである前記表面層形成材に、空気を吹込みつつ、前記表面層形成材に、前記成形体を挿入することを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、良導電性支持体の外面上に発泡弾性層を接着一体化して形成し、表面層を発泡弾性層の外面上に接着せず密着して形成しているので、振動電圧のエネルギーを小さくでき、しかも発泡弾性層が空転したり、軸方向にずれたりすることがなく、帯電音を低減でき、均一帯電性や耐久性に優れた帯電付与部材を製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の帯電付与部材について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の一形態による帯電付与部材である帯電ローラ1の斜視図であり、図2は、図1の帯電ローラ1の軸線に直角な断面図である。帯電ローラ1は、良導電性の軸体2と、該軸体2の外周面上に形成された半導電性の発泡弾性層3と、発泡弾性層3の外周面上に積層された表面層4とを含む多層構造を有する。軸体2は、両端を軸支したり、駆動部品を嵌合するため両端を精密加工した細長い直円柱状であり、金属、たとえば鉄、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが好適に用いられる。
【0022】
発泡弾性層3は、帯電付与部材が適切なニップ幅をもって被帯電部材を押圧し、被帯電部材表面を均一に帯電できるように、発泡ゴムから成り導電性微粒子を分散し含有させて電気抵抗を制御する。発泡ゴムとしては、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエン3元共重体(EPDM)、ポリウレタンゴムなどを挙げることができる。
【0023】
導電性微粒子としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物粒子を用いることができる。導電性付与性が大きく、補強性にも優れる点で、カーボンブラックが好ましく用いられる。
【0024】
発泡弾性層3の体積固有抵抗値は、1×10〜1×10Ω・cmに制御することが好ましい。また発泡弾性層3の層厚としては、2.5mm〜10mmが好ましく、3mm〜8mmがより好ましい。
【0025】
表面層4の被覆用チューブを形成する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、フッ素系樹脂などを挙げることができる。なかでもポリアミド12が、剛性、変形追従性、耐屈曲性の点で好ましい。表面層4の体積固有抵抗値は、1×10〜1×10Ω・cmであって、発泡弾性層の体積固有抵抗値より2〜4桁大きくなるよう制御することが好ましい。また表面層4の層厚としては、0.1mm〜0.4mmが好ましく、0.2mm〜0.3mmがより好ましい。
【0026】
本発明の帯電ローラ1には、ローラ表面にトナーやごみなどが付着するのを防止するために、表面層4をフッ素系樹脂などでコーティングして保護層を設けてもよい。
【0027】
次に、本発明の帯電ローラ1の製造方法について述べる。発泡弾性層3をゴムで形成する場合は、ベースゴムに、カーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤、劣化防止剤、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤などを配合し、ロールやニーダで混練してゴム組成物を得、チューブやシート状に形成して軸体2の外面上に供給して、加熱加硫してローラ成形体7を作製する。また発泡弾性層3をウレタンで形成する場合は、ポリオール中にカーボンブラックを添加し、3本ロールなどで混練分散させ、イソシアネート、硬化剤、発泡剤などを添加混合し、円筒状金型に注入して、軸体2の外面上に供給し、加熱硬化させてローラ成形体7を作製する。これらのローラ成形体7の弾性層3の外径を研削して、寸法、表面状態を調整する。
【0028】
図3は、表面層4の形成方法を示す図である。まず、所定のカーボンブラック等を配合し所定の体積固有抵抗に調整された熱可塑性樹脂組成物を押出成形によって表面層形成材であるチューブを成形する。チューブの内径は、発泡弾性層3の外面上に表面層4となるチューブが密着しているが、接着していない被覆状態を実現するために、研削仕上げしたローラ成形体7の外径より0.05mm〜0.20mm小さくするのが好ましい。次いで、図3に示すように空気を吹き込みながら、ローラ成形体7を、チューブに挿入して表面層4を形成し、本発明の帯電ローラ1を得る。帯電ローラ1の製造途中における構成要素にも、理解の便宜のために、対応する参照符を付して示すことがある。
【0029】
図4は、本発明の帯電ローラ1の使われ方を、レーザプリンタの構成を示す断面図を基に説明する。帯電ローラ1の軸体2には、高圧電源装置5によって直流電圧Vdcに交流電圧Vacを重畳した電圧V1が印加される。感光体11は、帯電ローラ1によって、負または正の電荷がその表面に均一に付与され、矢符16の方向に回転駆動されて、露光領域12に至り、露光手段22が露光され、静電潜像が形成される。
【0030】
感光体11は、さらに回転駆動されて、現像領域13に至り、前記静電潜像がトナーによって現像される。トナーは、供給ローラ25を介して現像ローラ26に供給され、規制ブレード27によって層厚を調整し、さらに帯電され現像ローラ26に担持されて、感光体11の現像域に運ばれた静電潜像を、トナー像として現像される。
【0031】
感光体11は、さらに回転駆動されて転写領域14に至り、前記トナー像が紙28などの記録媒体に転写され、転写後、感光体11上の残留トナーがクリーニングされる。紙28は、画像が転写された後、定着装置47に搬送され、トナー像が定着される。
【0032】
なお本発明に係る帯電付与部材は、前述のローラ形状が好ましいが、ブレード形状やベルト形状などとして機器設計に応じて使用することができる。
【0033】
以下、ローラ形状へ適用した場合について実施例および比較例によって、本発明をさらに具体的に説明する。
【0034】
(実施例1)
ニトリル量33%の中高ニトリルNBR100重量部(以下、重量部を部と略する)をベースゴムとし、HAFカーボンブラック40部、軟化剤(ジオクチルフタレート)10部、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、加硫剤(オイルサルファー)3.5部、加硫促進剤(チウラム系)2.5部、発泡剤(P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジン)2部および発泡助剤(セルトンNP)4部を添加し、オーブンロールで混練して素材ゴムを得た。この素材ゴムをスクリュー式押出機で混練すると同時に、外径11mmφ、内径8.5mmφのチューブ状に押出し、長さ約275mmに切断して、発泡弾性層3のための円筒状ローラ素材を得た。
【0035】
次いで、外径8mmφ、長さ320mmで、両端を軸支するために精密加工し、さらに片端に駆動ギアを嵌合するための断面D形加工をしたステンレス鋼製の軸体2に、ゴムと金属の接着処理をして、前記円筒状ローラ素材の内径に挿通した。これを内径が14mmφの鋼製の円筒から成る中型に入れ、軸体2の両端をシール型の中心孔に通し、シール型を中型の両端にテーパ嵌合して型組を行い、金型を組立てた。さらに金型全体を150℃に加熱してローラ素材を発泡加硫させ(発泡倍率:200%)、冷却後、ローラ成形体7を金型から取りだし、発泡弾性層3の両端を切断し、研磨仕上げして、外径13.8mmφ、発泡層3の長さ270mmのローラ成形体7を得た。
【0036】
次に、ナイロン12をベース樹脂とし、体積固有抵抗1.55×10Ω・cmに調整された樹脂組成物(ダイセル・ヒルズ社製X−3500)を用いて、薄肉チューブに押出し成形し、長さ方向に切断をして、外径14mmφ、内径13.7mmφ、長さ270mmの表面層のための被覆チューブ4を得た。
【0037】
ローラ成形体7の発泡弾性層3片端より被覆チューブ4に空気を吹き込みながら、チューブ4内にローラ成形体7の発泡弾性層3を圧入し、ローラ形状の帯電付与部材を作製した。
【0038】
(実施例2)
ポリエーテル系ポリオール(SBUポリオール0363、住友バイエルウレタン社製、水酸基価=24mgKOH/g)100部に、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、ライオンアクゾ社製)2部を添加し、3本ロールで混練分散した。得られたポリオール分散液に、反応調整剤として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7のオクチル酸塩(u−catSA102、サンアプロ社製)0.7部および発泡剤として水1.0部を添加し、混合して、混合ポリオール液を得た。
【0039】
次いで、得られた混合ポリオール液100部に対し、イソシアネート成分としてポリメリックMDI(スミジュール44v−20、住友バイエルウレタン社製、イソシアネート基31.5%)20.2部を添加(官能基モル比[NCO]/[OH]=1.02)して、混合した後、内面を鏡面仕上げした内径14mmφの円筒状中型の両端に、軸体2を保持する中心孔を有するフランジ型を組んだ型に注入した。45℃で15分間架橋硬化した後、脱型し、発泡弾性層3の外径が13.8mmφ、長さ270mmのローラ成形体7を得た。次いで、実施例1と同様にして、被覆チューブ4にローラ成形体7の発泡弾性層3を圧入して、ローラ形状の帯電付与部材を作製した。
【0040】
(比較例1)
実施例1の金型内径を約0.2mm大きくした以外は、実施例1と同様にして、外径14mmφ、発泡弾性層3の長さ270mmでNBRゴムベースのローラ成形体7を得、外表面を研磨して、チューブによる被覆のないローラ形状の帯電付与部材を作製した。
【0041】
(比較例2)
実施例2の金型内径を約0.2mm大きくした以外は、実施例2と同様にして、外径14mmφ、発泡弾性層3の長さ270mmでウレタンベースのローラ成形体7を得、外表面を研磨してチューブによる被覆のないローラ形状の帯電付与部材を作製した。
【0042】
(評価試験)
ニップ抵抗値の測定
実施例1,2および比較例1,2で得られた帯電付与部材であるローラの軸体2の両端部に、4.9Nの荷重を加えて金属平板に押しつけローラ外径が金属平板に沿って変形接触(ニップ)させて、250Vの電圧を印加したときの軸体2と金属平板の間の電気抵抗値を、電流計を用いて測定した。帯電音圧は、ローラ外面と軸体間の帯電電流の大小により影響を受けるので、ニップ抵抗すなわち帯電電流をほぼ同じレベルにして、次の帯電音圧の評価を行った。
【0043】
帯電音圧の測定
実施例1,2および比較例1,2で得られた帯電付与部材であるローラの軸体2の両端部に2.94Nの荷重を加えて、外径30mmφの感光体ドラム11に押し当てて、ピーク間電圧2kV/400Hzの交流電界を印加したときの音圧を30m離れた場所に置いた音圧計(Sound Level Meter Type2230、 B&K社製)を用いて測定した。なお参考比較のため、EPDM(エチレンプロピレンジエン3元共重合体)ソリッドローラを用いて、感光体中に重りを挿入詰めして消音を図った場合と、重りを挿入しなかった詰めなしの場合の帯電音圧の測定も行った。
評価試験の結果を表1に纏めて示す。
【0044】
【表1】
Figure 2004037650
【0045】
表1より、ニップ抵抗値を略同一にした、実施例1と比較例1および実施例2と比較例2を対比すると、帯電音圧は14dBおよび11dB実施例が下がっている。また、ニップ抵抗値を同一レベルに調整しない場合でも、帯電音圧は9〜19dB低くなることが判る。すなわち、発泡弾性層3と表面層4を接着剤で接着することなく、発泡弾性層3の外面上に表面層4を設けることによって、交流成分を含む電圧を印加して印加することに伴う帯電音を、EPDMをベースとするソリッドローラを用い、感光体中に重りを挿入詰めした場合と、同等の帯電音に低下した。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、電子写真装置に用いる帯電付与部材であって、良導電性支持体の外面上に半導電性の発泡弾性層を接着一体化して設け、発泡弾性層の外面上に接着せず密着して表面層を設けた構成によって、直流に交流を重畳して印加した場合に発生する帯電音を約10〜20dB低減させ、感光体の中に砂等の減衰材を詰めた場合と同様、耳障りに感じないレベルにすることができる。すなわち、本発明の帯電付与部材を用いることにより、電子写真装置に、大幅な設計変更を加えることなく交流を重畳して印加して、帯電均一性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による帯電ローラ1の斜視図である。
【図2】図1の帯電ローラ1の軸線に直角な断面図である。
【図3】図1の帯電ローラ1の表面層4の形成方法を示す図である。
【図4】図1の帯電ローラ1を装着する電子写真装置であるレーザプリンタの構成を示す断面図である。
【図5】帯電フィルム56を使用した従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 帯電ローラ
2 導電性軸体
3 発泡弾性層
4 表面層(チューブ)
5 高圧電源装置
6 帯電フィルムチューブ
11 感光体
21 転写搬送ベルト
23 現像装置
28 記録媒体
47 定着装置

Claims (7)

  1. 被帯電部材に接触し、交流成分を含む重畳電圧を印加して被帯電部材を帯電させる帯電付与部材において、
    良導電性支持体と、該良導電性支持体の外面上に接着一体化して設けられた半導電性を有する発泡弾性層と、該発泡弾性層の外面上に接着せず密着して設けられた表面層とを有することを特徴とする帯電付与部材。
  2. 前記半導電性を有する発泡弾性層の体積固有抵抗が、
    1×10〜1×10Ω・cmであることを特徴とする請求項1記載の帯電付与部材。
  3. 前記良導電性支持体が回転軸であり、前記表面層が熱可塑性樹脂から成るチューブであり、帯電付与部材が帯電ローラであることを特徴とする請求項1または2記載の帯電付与部材。
  4. 前記良導電性支持体が板状金具であり、該金具の少なくとも表裏面上に前記発泡弾性層が接着一体化して設けられ、表面層が熱可塑性樹脂から成る膜層であり、帯電付与部材が帯電ブレードであることを特徴とする請求項1または2記載の帯電付与部材。
  5. 前記表面層が、ナイロン12をベースとする熱可塑性樹脂組成物より成ることを特徴とする請求項3または4記載の帯電付与部材。
  6. 良導電性支持体の外面上に設けられた導電性を有する発泡弾性層と、該発泡弾性層の外面上に設けられた表面層とを有する帯電付与部材の製造方法において、
    接着処理した良導電性支持体の外面上に発泡弾性層を接着一体化して形成することによって成形体を製造する工程と、
    熱可塑性樹脂をベースとする樹脂組成物から成る表面層形成材を形成する工程と、
    前記成形体を、前記表面層形成材に、接着せず密着して、発泡弾性層の外面上に表面層を形成する工程とを含むことを特徴とする帯電付与部材の製造方法。
  7. 前記表面層形成材が、チューブ形状であり、前記成形体の外径より小さく形成された外径を有するチューブである前記表面層形成材に、空気を吹込みつつ、前記表面層形成材に、前記成形体を挿入することを特徴とする請求項6記載の帯電付与部材の製造方法。
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