JP2004037158A - 近接場光によるラマン分光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料表面の成分解析を近接場光によるラマン散乱光を利用して回折限界以下の水平分解能で行うラマン分光方法において、散乱光を受光する際の迷光を極力低減しながら、微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光することにより、より精密な成分解析を可能とする。
【解決手段】近接場光プローブ8の周囲に集光レンズ16、絞り20、21を配置して、試料表面の近接場光照射位置10からの散乱光が集光レンズ16により集光される位置に絞り20、21を設置する手順と、近接場光照射位置10からの散乱光を複数の方向からそれぞれ集光レンズ16に集光する手順と、絞り20、21により、迷光を低減しながら、集光レンズ16の集光位置を通過する散乱光のみを受光して分光器23に導く手順とからなる。
【選択図】 図5
【解決手段】近接場光プローブ8の周囲に集光レンズ16、絞り20、21を配置して、試料表面の近接場光照射位置10からの散乱光が集光レンズ16により集光される位置に絞り20、21を設置する手順と、近接場光照射位置10からの散乱光を複数の方向からそれぞれ集光レンズ16に集光する手順と、絞り20、21により、迷光を低減しながら、集光レンズ16の集光位置を通過する散乱光のみを受光して分光器23に導く手順とからなる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料表面の微細領域の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で測定する近接場光によるラマン分光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、試料表面の成分解析等を行う方法の一つに、試料に光を照射して反射光や透過光のスペクトル分布を観測する分光法がある。分光法には、吸光分光、蛍光分光、ラマン分光等があるが、照射光の波長に対して±νだけシフトした波長を観測して試料成分を解析するラマン分光法は、可視光が利用できること、試料の準備に特別な作業が不要であることなどから、近年、特に注目されている。
【0003】
測定すべき試料には、半導体、磁性体、誘電体、分子性物質等の電子部品や材料等が挙げられる。近年の電子機器の小型化に伴い、これら試料の測定領域が微細化しており、試料表面を微細に解析できる手段が重要となってきている。これに加えて、試料表面を傷つける恐れがない非接触での計測方法に対する要望がある。試料表面に非接触で計測でき、かつ、試料表面の微細領域を解析できる手段として、近接場光を利用する方法がある。
【0004】
近接場光を利用すると、光の回折限界以下の水平分解能で試料表面の微細領域の観測を行うことができる。この近接場光による測定とラマン分光を組合わせることにより、試料表面の微細領域の物性を非接触で解析することが可能となる。
【0005】
しかし,一般にラマン散乱光の光強度は極めて微小あるため、ラマン散乱光を検出してスペクトル解析を行うためには,同時に発生する光強度ではラマン散乱光よりもはるかに大きいレイリー散乱光や、照射光の乱反射等に起因する迷光(ノイズ)を最大限低減する必要がある。
【0006】
図1は、一般的な従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【0007】
図1において、試料1の表面に向け、入射レーザ光2を斜め上方から照射する。この試料表面における入射レーザ光の照射領域5から、試料1上方に発生する散乱光3を、試料1の真上に設置した受光部4で受光する。受光部4は、照射領域5からの反射光が入射しないように設置することが迷光を低減する上から望ましい。
【0008】
受光部4において受光された光は、ノッチフィルタあるいは前置分光器(図示なし)によりレイリー散乱光を低減してから、分光器(図示なし)に導入する。分光器では、導入した光を目的の波長領域で分光して、分光器の射出口に設置される検出器(図示なし)に出力される。検出器からの出力を制御機器等に入力することにより、ラマンシフト量を解析し、物性分析を行う。
【0009】
図1の構成では、入射レーザ光2として平行光を想定しており、照射領域5は入射レーザ光2のビーム径よりも必然的に大きくなる。したがって、試料表面の微細な領域を解析するには限界がある。
【0010】
上記の問題を解決するために、図2のような構成例もある。図2は、図1の従来のラマン分光方法の構成に集光レンズ6を配置した例を示す。
【0011】
図2の構成では、入射レーザ光2を集光レンズ6で集光することにより、照射領域7を、図1に示した照射領域5よりも小さくしている。このため、図1の構成に比べて、より微小な領域をラマン分光により解析することができる。
【0012】
しかし、照射領域7の大きさは、光の回折限界によって制限され、使用する照射光の波長程度の水平分解能が限界となり、回折限界以下の水平分解能で試料表面を観測できない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題を解決する従来の方法として、図3に示すような近接場光を利用した方法がある。図3は、近接場光を利用した従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【0014】
図3の構成では、図示しないレーザからの光を近接場光プローブ8に導入する。導入された光は、近接場光プローブ8の先端から試料1の表面に射出される。照射領域10を、図2に示した照射領域7よりもさらに小さくしている。この近接場光プローブ8の先端には、使用するレーザ波長よりも十分小さい、たとえば、数百nm程度の、微小開口が開いている。この微小開口からは、通常の伝搬光は射出せず、非伝搬光である近接場光9が射出される。近接場光プローブ8の先端近傍の近接場光9のビーム径は、微小開口程度であるため、照射領域10は、回折限界以下の微小化を実現できる。
【0015】
ただし、近接場光9は非伝搬光であるため、近接場光プローブ8の先端と試料1の表面との間の距離は、数10nm程度まで狭くする必要がある。この微細な照射領域10から散乱する散乱光3を、受光部4で受光することにより、試料表面を回折限界以下の水平分解能でラマン分光でき、微細領域の物性分析を行うことができる。
【0016】
しかし、近接場光の光強度は微弱であり、さらに微弱であるラマン散乱光を検出するためには、ラマン散乱光を効率よく集光する必要がある。この問題を解決する従来の方法として、図4に示すような構成が考えられる。図4は、図3の従来のラマン分光方法の構成に反射ミラー11を配置した例を示す。
【0017】
図4の構成では、反射ミラー11を照射領域10の近傍に配置することにより、受光部4では直接受光できない散乱光12を受光部4に導いてラマン散乱光を集光している。しかし、図4の構成においては、近接場光プローブ8の先端を試料1の表面に極めて近接させて設置しなければならない等の制約により、乱反射が起こり易く、迷光がノイズになるという問題があった。
【0018】
上述のように、近接場光を利用した従来のラマン分光方法では、散乱光を受光する際に生じる迷光を十分に低減できないため、試料表面の微細領域の成分解析を精密に行うことが困難であった。
【0019】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、試料表面の成分解析を近接場光によるラマン散乱光を利用して回折限界以下の水平分解能で行うラマン分光方法において、散乱光を受光する際の迷光を極力低減しながら、微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光することにより、より精密な成分解析を可能とする近接場光によるラマン分光方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、試料表面の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で行う近接場光顕微鏡を用いたラマン分光方法において、前記近接場光顕微鏡を、近接場光プローブの周囲に集光レンズ、絞りを配置して、試料表面の近接場光照射位置からの散乱光が前記集光レンズにより集光される位置に前記絞りを設置する手順と、前記近接場光照射位置からの散乱光を複数の方向からそれぞれ前記集光レンズに集光する手順と、前記絞りにより、迷光を低減しながら、前記集光レンズの集光位置を通過する散乱光のみを受光して分光器に導く手順とからなることを特徴とする。
【0021】
請求項2に記載した発明は、請求項1記載のラマン分光方法において、前記近接場光プローブの周囲に、前記近接場光照射位置を第1の焦点位置とする結像ミラーを配置することにより、前記集光レンズで直接受光される第1の散乱光をそのまま受光し、前記集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記結像ミラーを介して前記集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記結像ミラーの光軸、あるいは直接反射する光軸と前記集光レンズの光軸をずらすことにより、前記集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の散乱光の集光位置とにそれぞれ前記絞りを配置したことを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載した発明は、請求項2記載のラマン分光方法において、前記集光レンズ及び前記結像ミラーを、前記結像ミラーの第2の焦点位置を通過した前記第2の散乱光を、前記集光レンズに係る集光位置に集光するよう配置したことを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載した発明は、請求項2記載のラマン分光方法において、ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるように絞りの位置を動かす手順を有し、前記第1の散乱光の集光位置、あるいは前記第2の散乱光の集光位置のみからの光が通過するように絞りの位置調整を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載した発明は、請求項1記載のラマン分光方法において、前記近接場光プローブの周囲に、第1の集光レンズ、第1の絞り、第2の集光レンズおよび第2の絞りを配置することにより、前記第1の集光レンズで直接受光される第1の散乱光を受光し、前記第1の集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記第2の集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記第1の集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の集光レンズに係る前記第2の散乱光の集光位置にそれぞれ、前記第1の絞りと前記第2の絞りを配置したことを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、試料表面の成分解析を近接場光によるラマン散乱光を利用して回折限界以下の水平分解能で行うラマン分光方法において、結像ミラーを用いて受光部の光軸と結像ミラーの反射光軸とをずらすことにより、散乱光を受光する際に生じる迷光を低減しながら、散乱光を複数の方向から受光することができる。微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光できることにより、試料表面の成分解析をより精密に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
図5は本発明の第1の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。この実施態様では、ラマン分光方法を実施するために用いる近接場光顕微鏡は、基本的に、近接場光プローブ8と、結像ミラー13と、集光レンズ16と、ピンホール20、21と、光ファイバー22とから構成されている。
【0028】
図5の構成において、図示しないレーザ光源から射出した光が近接場光プローブ8に導かれ、近接場光プローブ8はその先端の微小開口(図示なし)から近接場光9を試料1に照射する。近接場光9は、試料1の微小な照射領域10を照射する。このとき、近接場光プローブ8の周囲に結像ミラー13を配置する。
【0029】
図5の実施形態では、実際に設置する結像ミラー13として楕円面鏡を使用している。説明の便宜上、この楕円面鏡13を含む回転楕円体を、図5中の点線14で示す。この楕円面鏡13を含む回転楕円体14は、近接場光プローブ8の周囲の異なる2箇所に焦点15を有している。以下の説明では、図5において左下に位置している回転楕円体14の焦点を第1の焦点15、右上に位置している回転楕円体14の焦点を第2の焦点15とする。
図5の実施形態では、楕円面鏡13(結像ミラー)を、第1の焦点15と照射領域10とが一致するように設置する。このように設置することにより、照射領域10から集光レンズ16に向かう方向に導かれる散乱光18は直接集光レンズ16に入射し、照射領域10から集光レンズ16と反対の方向に導かれる散乱光19は楕円面鏡13で反射して、第2の焦点15で再び集光して集光レンズ16に入射する。このように設置した結像ミラーにより、ラマン散乱光の集光効率を高めることができる。
【0030】
これに加えて、結像ミラー13の反射光軸、あるいは直接集光レンズ16に入射する反射光軸と集光レンズ16の光軸17(図5中の一点鎖線で示す)とを図5に示したようにずらしておくことにより、第1の焦点15を通過した散乱光の結像位置と、第2の焦点15を通過した散乱光の結像位置とに、それぞれピンホール20、ピンホール21を設置することができ、第1及び第2の焦点15を通らない光、すなわち、乱反射等による迷光を大幅に低減することができる。この場合、各ピンホールは、絞りとして機能する。
【0031】
ピンホール20、21を通過した光は、光ファイバー22により分光器23に導かれ、分光器23で分光された光に基づいてラマンシフト量が算出される。
上述した実施態様の近接場光を利用したラマン分光方法によれば、散乱光を受光する際の迷光をピンホール20、21により極力低減しながら、微弱光であるラマン散乱光を楕円面鏡13を用いて効率よく集光することができ、ラマン分光により試料1のより精密な成分解析が可能である。
【0032】
図6は本発明の第2の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。この実施態様では、ラマン分光方法を実施するために用いる近接場光顕微鏡は、基本的に、近接場光プローブ8と、結像ミラー13と、集光レンズ16と、ピンホール20、21と、光ファイバー22と、偏光解消板24と、偏光解消板25と、ノッチフィルター26とから構成されている。
【0033】
図6の構成では、分光時の偏光の影響の有無を取り除くために、偏光解消板24、25を挿入してある。偏光解消板24は、照射領域10と結像ミラー13との間に挿入され、偏光解消板25は、集光レンズ16と各ピンホールとの間にそれぞれ挿入されている。ラマン散乱光をこれら偏光解消板に通過させることにより、偏光の影響がある場合にも、分光器23でラマン分光する際に、その影響を取り除くことができる。
【0034】
また、レイリー散乱光の影響を取り除くためには、ノッチフィルター26を挿入するとよい。ノッチフィルター26は、光ファイバー22の、分光器23の入射口と接続される箇所より手前の位置に挿入される。この場合、ノッチフィルター26は、逆バンドパスフィルターとして機能し、レイリー散乱光の影響を低減した光を分光器23に導くことができる。
【0035】
図7は本発明の第3の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。この実施態様では、ラマン分光方法を実施するために用いる近接場光顕微鏡は、基本的に、近接場光プローブ8と、結像ミラー13と、集光レンズ16と、ピンホール20、21と、光ファイバー22と、偏光解消板24と、偏光解消板25と、ノッチフィルター26と、ピンホール駆動部27とから構成されている。
【0036】
図7の構成では、迷光をより効果的に低減するために、図6の構成に対し、ピンホール20、ピンホール21を駆動するためのピンホール駆動部27をさらに設けてある。このピンホール駆動部27を制御することにより、ピンホール20、21を微動させることが可能であり、目的の波長付近のノイズが低減するようにピンホール20、21を微動させることができる。
【0037】
また、図7の構成では、ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるようにピンホール20、21の位置を微動させることにより、照射位置以外から発生する迷光を低減し、精密な分光を行うことができる。さらに、複数サイズのピンホールを用意しておき、ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるようにピンホールサイズを調整していくことにより、ピンホール駆動部27の制御によるピンホールの位置調整を容易にすることができ、集光レンズ16で直接受光できる第1の散乱光の集光位置、あるいは結像ミラー13を介して受光できる第2の散乱光の集光位置のみからの光が通過するようにピンホールの位置調整を行うことができる。
【0038】
上述した実施態様のラマン分光方法により、試料表面の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で分光でき、散乱光を受光する際の迷光を極力低減しながら、微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光することができ、より精密な試料表面の成分解析が実現できる。
【0039】
図8は本発明の第4の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。図5乃至図7の構成では、近接場光プローブ8の近傍に結像ミラー13(楕円面鏡)を配置しているが、図8の構成では、この結像ミラー13を省略し、代わりに、新たな集光レンズ16’を配置している。この実施態様では、集光レンズ16及び集光レンズ16’により、ラマン散乱光を複数の方向から検出するよう構成している。この場合、光学系のサイズは大きくなるが、図6の構成で設けた偏光解消板24が不要になるので、近接場光プローブ8の周囲の光学系を簡素化できる。
【0040】
図9は、本発明のラマン分光方法を実施するために用いられる計測システムの構成例を示す。
【0041】
図9の計測システムでは、図5の実施形態の近接場光顕微鏡を使用している。レーザ光源29として、例えば、アルゴンイオンレーザ(励起波長:488nm)を用いることができる。近接場光プローブ8として、例えば、先端の開口径が100nm程度のものを使用できる。分光器23としては、市販のポリクロメータを用いることができる。集光レンズ16としては、例えば、NA0.4程度の対物レンズを使用できる。ピンホール20、21としては、例えば、集光レンズ等による光学系の総合倍率を10倍と仮定し、収差を無視した場合、開口径が数μm程度のものを用いることができる。ただし、実際には、ピンホールの開口径は、集光レンズ等による光学系の総合倍率に影響され、総合倍率は集光レンズの配置位置により大きく変わることを考慮して決める必要がある。また、結像位置の集光点の収差等も考慮する必要がある。
【0042】
本発明によるラマン分光方法を実施するには、まず、図示していないハンドラ等から試料1をステージ28上に設置する。試料を設置したことが制御部34に出力されると、制御部34はステージ28を駆動して、試料1を所定位置まで動かして測定準傭を行う。
【0043】
次に、レーザ光源29から射出されたレーザ光が、近接場光プローブ8を通って、試料1表面の測定点となる、回折限界以下の微小な照射領域10を照射する。このとき、近接場光プローブ8の先端を、試料表面近傍に位置させるために、プローブ駆動部30により、近接場光プローブ8は適切な位置に制御される。プローブ駆動部30は、制御部34により制御される。また、ステージ28を駆動することにより、試料1上の任意の位置を測定点とする。
【0044】
ここで、近接場光プローブ8の先端の近傍にある照射領域10は、楕円面鏡13の第1の焦点と一致している。また、楕円面鏡13の反射光軸、あるいは直接集光レンズ16に入射する反射光軸と集光レンズ16の光軸は、図5に示したようにずらしておく。
【0045】
照射領域10から発生する散乱光18、19のうち、散乱光18は、直接集光レンズ16に入射する(散乱光18を、第1の散乱光とよぶ)。散乱光19は、楕円面鏡13で反射し、楕円面鏡13の第2の焦点で集光した後に集光レンズ16に入射する(散乱光19を、第2の散乱光とよぶ)。集光レンズ16を通過した各散乱光18、19は、それぞれ異なる位置で結像し、ピンホール20、21により、楕円面鏡13の各焦点15を通らない光、すなわち乱反射等による迷光を低減することかできる。
【0046】
ピンホール20、21を通過した各散乱光18、19は、光ファイバー22により、分光器23に導かれる。このとき、レイリー散乱光を低減するために、前置分光器(図示なし)、あるいはノッチフィルター(図示なし)を介しても艮い。ノッチフィルターとしては、例えば、中心波長488nmをOD6程度減衰させるものを用いることができる。
分光器23で分光された光は検出器31に入射し、検出器31はその光強度をグラバ32に出力する。各波長毎の光強度はグラバ32を介してメモリ33に蓄積される。
【0047】
メモリ33からの蓄積データを制御部34に出力することにより、制御部34は、各波長の相対光強度を算出する。制御部34に目的とする波長域のラマンシフト量が入力されると、目的波長域の相対光強度が算出される。制御部34は、ステージ28を適宜動かして、試料1上の次の測定点に移動する。
【0048】
制御部34は、ラマンシフトの算出結果を適宜、出力部35に出力する。制御部34は、測定領域あるいは測定対象が無くなるまで上述の動作を繰りかえす。
(付記1)
試料表面の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で行う近接場光顕微鏡を用いたラマン分光方法において、前記近接場光顕微鏡を、近接場光プローブの周囲に集光レンズ、絞りを配置して、試料表面の近接場光照射位置からの散乱光が前記集光レンズにより集光される位置に前記絞りを設置する手順と、前記近接場光照射位置からの散乱光を複数の方向からそれぞれ前記集光レンズに集光する手順と、前記絞りにより、迷光を低減しながら、前記集光レンズの集光位置を通過する散乱光のみを受光して分光器に導く手順とからなることを特徴とするラマン分光方法。
(付記2)
前記近接場光プローブの周囲に、前記近接場光照射位置を第1の焦点位置とする結像ミラーを配置することにより、前記集光レンズで直接受光される第1の散乱光をそのまま受光し、前記集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記結像ミラーを介して前記集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記結像ミラーの光軸、あるいは直接反射する光軸と前記集光レンズの光軸をずらすことにより、前記集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の散乱光の集光位置とにそれぞれ前記絞りを配置したことを特徴とする付記1記載のラマン分光方法。
(付記3)
前記集光レンズ及び前記結像ミラーを、前記結像ミラーの第2の焦点位置を通過した前記第2の散乱光を、前記集光レンズに係る集光位置に集光するよう配置したことを特徴とする付記2記載のラマン分光方法。
(付記4)
ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるように絞りの位置を動かす手順を有し、前記第1の散乱光の集光位置、あるいは前記第2の散乱光の集光位置のみからの光が通過するように絞りの位置調整を行うことを特徴とする付記2記載のラマン分光方法。
(付記5)
前記近接場光プローブの周囲に、第1の集光レンズ、第1の絞り、第2の集光レンズおよび第2の絞りを配置することにより、前記第1の集光レンズで直接受光される第1の散乱光を受光し、前記第1の集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記第2の集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記第1の集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の集光レンズに係る前記第2の散乱光の集光位置にそれぞれ、前記第1の絞りと前記第2の絞りを配置したことを特徴とする付記1記載のラマン分光方法。
(付記6)
前記結像ミラーと前記結像ミラーが作る結像位置との間に偏光解消板を設けることにより、前記結像ミラーによる偏光特性を解消し、偏光成分に左右されないラマン分光を行うことを特徴とする付記2記載のラマン分光方法。
(付記7)
前記照射位置から直接受光できる前記第1の散乱光に対しても、前記照射位置と前記分光器との間に偏光解消板を設けることにより、前記分光器による偏光特性を解消し、偏光成分に左右されないラマン分光を行うことを特徴とする付記6記載のラマン分光方法。
(付記8)
前記分光器に散乱光が入射する前に、ノッチフィルタを設けることにより、ラマン散乱光と同時に発生するレイリー散乱光を低減することを特徴とする付記1記載のラマン分光方法。
【0049】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、試料表面の成分解析を近接場光によるラマン散乱光を利用して回折限界以下の水平分解能で行うラマン分光方法において、結像ミラーを用いて、受光部の光軸と、結像ミラーの反射光軸、あるいは直接反射光軸とをずらすことにより、散乱光を受光する際に生じる迷光を低減しながら、散乱光を複数の方向から受光することができる。微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光できることにより、試料表面の成分解析をより精密に行うことができ、電子材料等の微細領域の物性分析手段として寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【図2】図1の従来のラマン分光方法の構成に集光レンズを配置した例を示す図である。
【図3】近接場光を利用した従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【図4】図3の従来のラマン分光方法の構成に反射ミラーを配置した例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第3の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図8】本発明の第4の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図9】本発明のラマン分光方法を実施するための計測システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 試料
2 入射レーザ光
3 散乱光
4 受光部
5 照射領域
6 集光レンズ
7 照射領域
8 近接場光プローブ
9 近接場光
10 照射領域
11 反射ミラー
12 反射光
13 結像ミラー(楕円面鏡)
14 回転楕円体
15 焦点
16 集光レンズ
16’集光レンズ
17 光軸
18 散乱光
19 散乱光
20 ピンホール
21 ピンホール
22 光ファイバー
23 分光器
24 偏光解消板
25 偏光解消板
26 ノッチフィルター
27 ピンホール駆動部
28 ステージ
29 レーザ光源
30 プローブ駆動部
31 検出器
32 グラバ
33 メモリ
34 制御部
35 出力部
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料表面の微細領域の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で測定する近接場光によるラマン分光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、試料表面の成分解析等を行う方法の一つに、試料に光を照射して反射光や透過光のスペクトル分布を観測する分光法がある。分光法には、吸光分光、蛍光分光、ラマン分光等があるが、照射光の波長に対して±νだけシフトした波長を観測して試料成分を解析するラマン分光法は、可視光が利用できること、試料の準備に特別な作業が不要であることなどから、近年、特に注目されている。
【0003】
測定すべき試料には、半導体、磁性体、誘電体、分子性物質等の電子部品や材料等が挙げられる。近年の電子機器の小型化に伴い、これら試料の測定領域が微細化しており、試料表面を微細に解析できる手段が重要となってきている。これに加えて、試料表面を傷つける恐れがない非接触での計測方法に対する要望がある。試料表面に非接触で計測でき、かつ、試料表面の微細領域を解析できる手段として、近接場光を利用する方法がある。
【0004】
近接場光を利用すると、光の回折限界以下の水平分解能で試料表面の微細領域の観測を行うことができる。この近接場光による測定とラマン分光を組合わせることにより、試料表面の微細領域の物性を非接触で解析することが可能となる。
【0005】
しかし,一般にラマン散乱光の光強度は極めて微小あるため、ラマン散乱光を検出してスペクトル解析を行うためには,同時に発生する光強度ではラマン散乱光よりもはるかに大きいレイリー散乱光や、照射光の乱反射等に起因する迷光(ノイズ)を最大限低減する必要がある。
【0006】
図1は、一般的な従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【0007】
図1において、試料1の表面に向け、入射レーザ光2を斜め上方から照射する。この試料表面における入射レーザ光の照射領域5から、試料1上方に発生する散乱光3を、試料1の真上に設置した受光部4で受光する。受光部4は、照射領域5からの反射光が入射しないように設置することが迷光を低減する上から望ましい。
【0008】
受光部4において受光された光は、ノッチフィルタあるいは前置分光器(図示なし)によりレイリー散乱光を低減してから、分光器(図示なし)に導入する。分光器では、導入した光を目的の波長領域で分光して、分光器の射出口に設置される検出器(図示なし)に出力される。検出器からの出力を制御機器等に入力することにより、ラマンシフト量を解析し、物性分析を行う。
【0009】
図1の構成では、入射レーザ光2として平行光を想定しており、照射領域5は入射レーザ光2のビーム径よりも必然的に大きくなる。したがって、試料表面の微細な領域を解析するには限界がある。
【0010】
上記の問題を解決するために、図2のような構成例もある。図2は、図1の従来のラマン分光方法の構成に集光レンズ6を配置した例を示す。
【0011】
図2の構成では、入射レーザ光2を集光レンズ6で集光することにより、照射領域7を、図1に示した照射領域5よりも小さくしている。このため、図1の構成に比べて、より微小な領域をラマン分光により解析することができる。
【0012】
しかし、照射領域7の大きさは、光の回折限界によって制限され、使用する照射光の波長程度の水平分解能が限界となり、回折限界以下の水平分解能で試料表面を観測できない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題を解決する従来の方法として、図3に示すような近接場光を利用した方法がある。図3は、近接場光を利用した従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【0014】
図3の構成では、図示しないレーザからの光を近接場光プローブ8に導入する。導入された光は、近接場光プローブ8の先端から試料1の表面に射出される。照射領域10を、図2に示した照射領域7よりもさらに小さくしている。この近接場光プローブ8の先端には、使用するレーザ波長よりも十分小さい、たとえば、数百nm程度の、微小開口が開いている。この微小開口からは、通常の伝搬光は射出せず、非伝搬光である近接場光9が射出される。近接場光プローブ8の先端近傍の近接場光9のビーム径は、微小開口程度であるため、照射領域10は、回折限界以下の微小化を実現できる。
【0015】
ただし、近接場光9は非伝搬光であるため、近接場光プローブ8の先端と試料1の表面との間の距離は、数10nm程度まで狭くする必要がある。この微細な照射領域10から散乱する散乱光3を、受光部4で受光することにより、試料表面を回折限界以下の水平分解能でラマン分光でき、微細領域の物性分析を行うことができる。
【0016】
しかし、近接場光の光強度は微弱であり、さらに微弱であるラマン散乱光を検出するためには、ラマン散乱光を効率よく集光する必要がある。この問題を解決する従来の方法として、図4に示すような構成が考えられる。図4は、図3の従来のラマン分光方法の構成に反射ミラー11を配置した例を示す。
【0017】
図4の構成では、反射ミラー11を照射領域10の近傍に配置することにより、受光部4では直接受光できない散乱光12を受光部4に導いてラマン散乱光を集光している。しかし、図4の構成においては、近接場光プローブ8の先端を試料1の表面に極めて近接させて設置しなければならない等の制約により、乱反射が起こり易く、迷光がノイズになるという問題があった。
【0018】
上述のように、近接場光を利用した従来のラマン分光方法では、散乱光を受光する際に生じる迷光を十分に低減できないため、試料表面の微細領域の成分解析を精密に行うことが困難であった。
【0019】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、試料表面の成分解析を近接場光によるラマン散乱光を利用して回折限界以下の水平分解能で行うラマン分光方法において、散乱光を受光する際の迷光を極力低減しながら、微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光することにより、より精密な成分解析を可能とする近接場光によるラマン分光方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、試料表面の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で行う近接場光顕微鏡を用いたラマン分光方法において、前記近接場光顕微鏡を、近接場光プローブの周囲に集光レンズ、絞りを配置して、試料表面の近接場光照射位置からの散乱光が前記集光レンズにより集光される位置に前記絞りを設置する手順と、前記近接場光照射位置からの散乱光を複数の方向からそれぞれ前記集光レンズに集光する手順と、前記絞りにより、迷光を低減しながら、前記集光レンズの集光位置を通過する散乱光のみを受光して分光器に導く手順とからなることを特徴とする。
【0021】
請求項2に記載した発明は、請求項1記載のラマン分光方法において、前記近接場光プローブの周囲に、前記近接場光照射位置を第1の焦点位置とする結像ミラーを配置することにより、前記集光レンズで直接受光される第1の散乱光をそのまま受光し、前記集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記結像ミラーを介して前記集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記結像ミラーの光軸、あるいは直接反射する光軸と前記集光レンズの光軸をずらすことにより、前記集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の散乱光の集光位置とにそれぞれ前記絞りを配置したことを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載した発明は、請求項2記載のラマン分光方法において、前記集光レンズ及び前記結像ミラーを、前記結像ミラーの第2の焦点位置を通過した前記第2の散乱光を、前記集光レンズに係る集光位置に集光するよう配置したことを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載した発明は、請求項2記載のラマン分光方法において、ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるように絞りの位置を動かす手順を有し、前記第1の散乱光の集光位置、あるいは前記第2の散乱光の集光位置のみからの光が通過するように絞りの位置調整を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載した発明は、請求項1記載のラマン分光方法において、前記近接場光プローブの周囲に、第1の集光レンズ、第1の絞り、第2の集光レンズおよび第2の絞りを配置することにより、前記第1の集光レンズで直接受光される第1の散乱光を受光し、前記第1の集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記第2の集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記第1の集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の集光レンズに係る前記第2の散乱光の集光位置にそれぞれ、前記第1の絞りと前記第2の絞りを配置したことを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、試料表面の成分解析を近接場光によるラマン散乱光を利用して回折限界以下の水平分解能で行うラマン分光方法において、結像ミラーを用いて受光部の光軸と結像ミラーの反射光軸とをずらすことにより、散乱光を受光する際に生じる迷光を低減しながら、散乱光を複数の方向から受光することができる。微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光できることにより、試料表面の成分解析をより精密に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
図5は本発明の第1の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。この実施態様では、ラマン分光方法を実施するために用いる近接場光顕微鏡は、基本的に、近接場光プローブ8と、結像ミラー13と、集光レンズ16と、ピンホール20、21と、光ファイバー22とから構成されている。
【0028】
図5の構成において、図示しないレーザ光源から射出した光が近接場光プローブ8に導かれ、近接場光プローブ8はその先端の微小開口(図示なし)から近接場光9を試料1に照射する。近接場光9は、試料1の微小な照射領域10を照射する。このとき、近接場光プローブ8の周囲に結像ミラー13を配置する。
【0029】
図5の実施形態では、実際に設置する結像ミラー13として楕円面鏡を使用している。説明の便宜上、この楕円面鏡13を含む回転楕円体を、図5中の点線14で示す。この楕円面鏡13を含む回転楕円体14は、近接場光プローブ8の周囲の異なる2箇所に焦点15を有している。以下の説明では、図5において左下に位置している回転楕円体14の焦点を第1の焦点15、右上に位置している回転楕円体14の焦点を第2の焦点15とする。
図5の実施形態では、楕円面鏡13(結像ミラー)を、第1の焦点15と照射領域10とが一致するように設置する。このように設置することにより、照射領域10から集光レンズ16に向かう方向に導かれる散乱光18は直接集光レンズ16に入射し、照射領域10から集光レンズ16と反対の方向に導かれる散乱光19は楕円面鏡13で反射して、第2の焦点15で再び集光して集光レンズ16に入射する。このように設置した結像ミラーにより、ラマン散乱光の集光効率を高めることができる。
【0030】
これに加えて、結像ミラー13の反射光軸、あるいは直接集光レンズ16に入射する反射光軸と集光レンズ16の光軸17(図5中の一点鎖線で示す)とを図5に示したようにずらしておくことにより、第1の焦点15を通過した散乱光の結像位置と、第2の焦点15を通過した散乱光の結像位置とに、それぞれピンホール20、ピンホール21を設置することができ、第1及び第2の焦点15を通らない光、すなわち、乱反射等による迷光を大幅に低減することができる。この場合、各ピンホールは、絞りとして機能する。
【0031】
ピンホール20、21を通過した光は、光ファイバー22により分光器23に導かれ、分光器23で分光された光に基づいてラマンシフト量が算出される。
上述した実施態様の近接場光を利用したラマン分光方法によれば、散乱光を受光する際の迷光をピンホール20、21により極力低減しながら、微弱光であるラマン散乱光を楕円面鏡13を用いて効率よく集光することができ、ラマン分光により試料1のより精密な成分解析が可能である。
【0032】
図6は本発明の第2の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。この実施態様では、ラマン分光方法を実施するために用いる近接場光顕微鏡は、基本的に、近接場光プローブ8と、結像ミラー13と、集光レンズ16と、ピンホール20、21と、光ファイバー22と、偏光解消板24と、偏光解消板25と、ノッチフィルター26とから構成されている。
【0033】
図6の構成では、分光時の偏光の影響の有無を取り除くために、偏光解消板24、25を挿入してある。偏光解消板24は、照射領域10と結像ミラー13との間に挿入され、偏光解消板25は、集光レンズ16と各ピンホールとの間にそれぞれ挿入されている。ラマン散乱光をこれら偏光解消板に通過させることにより、偏光の影響がある場合にも、分光器23でラマン分光する際に、その影響を取り除くことができる。
【0034】
また、レイリー散乱光の影響を取り除くためには、ノッチフィルター26を挿入するとよい。ノッチフィルター26は、光ファイバー22の、分光器23の入射口と接続される箇所より手前の位置に挿入される。この場合、ノッチフィルター26は、逆バンドパスフィルターとして機能し、レイリー散乱光の影響を低減した光を分光器23に導くことができる。
【0035】
図7は本発明の第3の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。この実施態様では、ラマン分光方法を実施するために用いる近接場光顕微鏡は、基本的に、近接場光プローブ8と、結像ミラー13と、集光レンズ16と、ピンホール20、21と、光ファイバー22と、偏光解消板24と、偏光解消板25と、ノッチフィルター26と、ピンホール駆動部27とから構成されている。
【0036】
図7の構成では、迷光をより効果的に低減するために、図6の構成に対し、ピンホール20、ピンホール21を駆動するためのピンホール駆動部27をさらに設けてある。このピンホール駆動部27を制御することにより、ピンホール20、21を微動させることが可能であり、目的の波長付近のノイズが低減するようにピンホール20、21を微動させることができる。
【0037】
また、図7の構成では、ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるようにピンホール20、21の位置を微動させることにより、照射位置以外から発生する迷光を低減し、精密な分光を行うことができる。さらに、複数サイズのピンホールを用意しておき、ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるようにピンホールサイズを調整していくことにより、ピンホール駆動部27の制御によるピンホールの位置調整を容易にすることができ、集光レンズ16で直接受光できる第1の散乱光の集光位置、あるいは結像ミラー13を介して受光できる第2の散乱光の集光位置のみからの光が通過するようにピンホールの位置調整を行うことができる。
【0038】
上述した実施態様のラマン分光方法により、試料表面の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で分光でき、散乱光を受光する際の迷光を極力低減しながら、微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光することができ、より精密な試料表面の成分解析が実現できる。
【0039】
図8は本発明の第4の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。図5乃至図7の構成では、近接場光プローブ8の近傍に結像ミラー13(楕円面鏡)を配置しているが、図8の構成では、この結像ミラー13を省略し、代わりに、新たな集光レンズ16’を配置している。この実施態様では、集光レンズ16及び集光レンズ16’により、ラマン散乱光を複数の方向から検出するよう構成している。この場合、光学系のサイズは大きくなるが、図6の構成で設けた偏光解消板24が不要になるので、近接場光プローブ8の周囲の光学系を簡素化できる。
【0040】
図9は、本発明のラマン分光方法を実施するために用いられる計測システムの構成例を示す。
【0041】
図9の計測システムでは、図5の実施形態の近接場光顕微鏡を使用している。レーザ光源29として、例えば、アルゴンイオンレーザ(励起波長:488nm)を用いることができる。近接場光プローブ8として、例えば、先端の開口径が100nm程度のものを使用できる。分光器23としては、市販のポリクロメータを用いることができる。集光レンズ16としては、例えば、NA0.4程度の対物レンズを使用できる。ピンホール20、21としては、例えば、集光レンズ等による光学系の総合倍率を10倍と仮定し、収差を無視した場合、開口径が数μm程度のものを用いることができる。ただし、実際には、ピンホールの開口径は、集光レンズ等による光学系の総合倍率に影響され、総合倍率は集光レンズの配置位置により大きく変わることを考慮して決める必要がある。また、結像位置の集光点の収差等も考慮する必要がある。
【0042】
本発明によるラマン分光方法を実施するには、まず、図示していないハンドラ等から試料1をステージ28上に設置する。試料を設置したことが制御部34に出力されると、制御部34はステージ28を駆動して、試料1を所定位置まで動かして測定準傭を行う。
【0043】
次に、レーザ光源29から射出されたレーザ光が、近接場光プローブ8を通って、試料1表面の測定点となる、回折限界以下の微小な照射領域10を照射する。このとき、近接場光プローブ8の先端を、試料表面近傍に位置させるために、プローブ駆動部30により、近接場光プローブ8は適切な位置に制御される。プローブ駆動部30は、制御部34により制御される。また、ステージ28を駆動することにより、試料1上の任意の位置を測定点とする。
【0044】
ここで、近接場光プローブ8の先端の近傍にある照射領域10は、楕円面鏡13の第1の焦点と一致している。また、楕円面鏡13の反射光軸、あるいは直接集光レンズ16に入射する反射光軸と集光レンズ16の光軸は、図5に示したようにずらしておく。
【0045】
照射領域10から発生する散乱光18、19のうち、散乱光18は、直接集光レンズ16に入射する(散乱光18を、第1の散乱光とよぶ)。散乱光19は、楕円面鏡13で反射し、楕円面鏡13の第2の焦点で集光した後に集光レンズ16に入射する(散乱光19を、第2の散乱光とよぶ)。集光レンズ16を通過した各散乱光18、19は、それぞれ異なる位置で結像し、ピンホール20、21により、楕円面鏡13の各焦点15を通らない光、すなわち乱反射等による迷光を低減することかできる。
【0046】
ピンホール20、21を通過した各散乱光18、19は、光ファイバー22により、分光器23に導かれる。このとき、レイリー散乱光を低減するために、前置分光器(図示なし)、あるいはノッチフィルター(図示なし)を介しても艮い。ノッチフィルターとしては、例えば、中心波長488nmをOD6程度減衰させるものを用いることができる。
分光器23で分光された光は検出器31に入射し、検出器31はその光強度をグラバ32に出力する。各波長毎の光強度はグラバ32を介してメモリ33に蓄積される。
【0047】
メモリ33からの蓄積データを制御部34に出力することにより、制御部34は、各波長の相対光強度を算出する。制御部34に目的とする波長域のラマンシフト量が入力されると、目的波長域の相対光強度が算出される。制御部34は、ステージ28を適宜動かして、試料1上の次の測定点に移動する。
【0048】
制御部34は、ラマンシフトの算出結果を適宜、出力部35に出力する。制御部34は、測定領域あるいは測定対象が無くなるまで上述の動作を繰りかえす。
(付記1)
試料表面の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で行う近接場光顕微鏡を用いたラマン分光方法において、前記近接場光顕微鏡を、近接場光プローブの周囲に集光レンズ、絞りを配置して、試料表面の近接場光照射位置からの散乱光が前記集光レンズにより集光される位置に前記絞りを設置する手順と、前記近接場光照射位置からの散乱光を複数の方向からそれぞれ前記集光レンズに集光する手順と、前記絞りにより、迷光を低減しながら、前記集光レンズの集光位置を通過する散乱光のみを受光して分光器に導く手順とからなることを特徴とするラマン分光方法。
(付記2)
前記近接場光プローブの周囲に、前記近接場光照射位置を第1の焦点位置とする結像ミラーを配置することにより、前記集光レンズで直接受光される第1の散乱光をそのまま受光し、前記集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記結像ミラーを介して前記集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記結像ミラーの光軸、あるいは直接反射する光軸と前記集光レンズの光軸をずらすことにより、前記集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の散乱光の集光位置とにそれぞれ前記絞りを配置したことを特徴とする付記1記載のラマン分光方法。
(付記3)
前記集光レンズ及び前記結像ミラーを、前記結像ミラーの第2の焦点位置を通過した前記第2の散乱光を、前記集光レンズに係る集光位置に集光するよう配置したことを特徴とする付記2記載のラマン分光方法。
(付記4)
ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるように絞りの位置を動かす手順を有し、前記第1の散乱光の集光位置、あるいは前記第2の散乱光の集光位置のみからの光が通過するように絞りの位置調整を行うことを特徴とする付記2記載のラマン分光方法。
(付記5)
前記近接場光プローブの周囲に、第1の集光レンズ、第1の絞り、第2の集光レンズおよび第2の絞りを配置することにより、前記第1の集光レンズで直接受光される第1の散乱光を受光し、前記第1の集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記第2の集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記第1の集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の集光レンズに係る前記第2の散乱光の集光位置にそれぞれ、前記第1の絞りと前記第2の絞りを配置したことを特徴とする付記1記載のラマン分光方法。
(付記6)
前記結像ミラーと前記結像ミラーが作る結像位置との間に偏光解消板を設けることにより、前記結像ミラーによる偏光特性を解消し、偏光成分に左右されないラマン分光を行うことを特徴とする付記2記載のラマン分光方法。
(付記7)
前記照射位置から直接受光できる前記第1の散乱光に対しても、前記照射位置と前記分光器との間に偏光解消板を設けることにより、前記分光器による偏光特性を解消し、偏光成分に左右されないラマン分光を行うことを特徴とする付記6記載のラマン分光方法。
(付記8)
前記分光器に散乱光が入射する前に、ノッチフィルタを設けることにより、ラマン散乱光と同時に発生するレイリー散乱光を低減することを特徴とする付記1記載のラマン分光方法。
【0049】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、試料表面の成分解析を近接場光によるラマン散乱光を利用して回折限界以下の水平分解能で行うラマン分光方法において、結像ミラーを用いて、受光部の光軸と、結像ミラーの反射光軸、あるいは直接反射光軸とをずらすことにより、散乱光を受光する際に生じる迷光を低減しながら、散乱光を複数の方向から受光することができる。微弱光であるラマン散乱光を効率よく集光できることにより、試料表面の成分解析をより精密に行うことができ、電子材料等の微細領域の物性分析手段として寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【図2】図1の従来のラマン分光方法の構成に集光レンズを配置した例を示す図である。
【図3】近接場光を利用した従来のラマン分光方法の原理を説明するための図である。
【図4】図3の従来のラマン分光方法の構成に反射ミラーを配置した例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第3の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図8】本発明の第4の実施態様に係るラマン分光方法を説明するための図である。
【図9】本発明のラマン分光方法を実施するための計測システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 試料
2 入射レーザ光
3 散乱光
4 受光部
5 照射領域
6 集光レンズ
7 照射領域
8 近接場光プローブ
9 近接場光
10 照射領域
11 反射ミラー
12 反射光
13 結像ミラー(楕円面鏡)
14 回転楕円体
15 焦点
16 集光レンズ
16’集光レンズ
17 光軸
18 散乱光
19 散乱光
20 ピンホール
21 ピンホール
22 光ファイバー
23 分光器
24 偏光解消板
25 偏光解消板
26 ノッチフィルター
27 ピンホール駆動部
28 ステージ
29 レーザ光源
30 プローブ駆動部
31 検出器
32 グラバ
33 メモリ
34 制御部
35 出力部
Claims (5)
- 試料表面の成分解析を近接場光を利用して回折限界以下の水平分解能で行う近接場光顕微鏡を用いたラマン分光方法において、
前記近接場光顕微鏡を、近接場光プローブの周囲に集光レンズ、絞りを配置して、試料表面の近接場光照射位置からの散乱光が前記集光レンズにより集光される位置に前記絞りを設置する手順と、
前記近接場光照射位置からの散乱光を複数の方向からそれぞれ前記集光レンズに集光する手順と、
前記絞りにより、迷光を低減しながら、前記集光レンズの集光位置を通過する散乱光のみを受光して分光器に導く手順と、
からなることを特徴とするラマン分光方法。 - 前記近接場光プローブの周囲に、前記近接場光照射位置を第1の焦点位置とする結像ミラーを配置することにより、前記集光レンズで直接受光される第1の散乱光をそのまま受光し、前記集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記結像ミラーを介して前記集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記結像ミラーの光軸、あるいは直接反射する光軸と前記集光レンズの光軸をずらすことにより、前記集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の散乱光の集光位置とにそれぞれ前記絞りを配置したことを特徴とする請求項1記載のラマン分光方法。
- 前記集光レンズ及び前記結像ミラーを、前記結像ミラーの第2の焦点位置を通過した前記第2の散乱光を、前記集光レンズに係る集光位置に集光するよう配置したことを特徴とする請求項2記載のラマン分光方法。
- ラマン散乱光、あるいは同時に発生するレイリー散乱光の光強度が最も強くなるように絞りの位置を動かす手順を有し、前記第1の散乱光の集光位置、あるいは前記第2の散乱光の集光位置のみからの光が通過するように絞りの位置調整を行うことを特徴とする請求項2記載のラマン分光方法。
- 前記近接場光プローブの周囲に、第1の集光レンズ、第1の絞り、第2の集光レンズおよび第2の絞りを配置することにより、前記第1の集光レンズで直接受光される第1の散乱光を受光し、前記第1の集光レンズで直接受光できない第2の散乱光を前記第2の集光レンズで受光する受光手順を有すると共に、前記第1の集光レンズに係る前記第1の散乱光の集光位置と、前記第2の集光レンズに係る前記第2の散乱光の集光位置にそれぞれ、前記第1の絞りと前記第2の絞りを配置したことを特徴とする請求項1記載のラマン分光方法。
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