JP2004037138A - 電離放射線照射方法および電離放射線照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、連続シート状または枚葉状の被照射物を搬送させ、シートまたはフィルムの架橋または改質や、紙、プラスチック、金属等の基材上に施した印刷物または塗布物を硬化、架橋、改質または乾燥させることを目的とし、メンテナンスを容易かつ安全にでき、しかも省スペース化が可能な電離放射線照射方法および電離放射線照射装置に関する。
【解決手段】搬送される被照射物が、搬送ロール1により、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法である。また、搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送される被照射物に電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に搬送の向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置である。
【選択図】なし
【解決手段】搬送される被照射物が、搬送ロール1により、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法である。また、搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送される被照射物に電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に搬送の向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続シート状または枚葉状の被照射物を搬送させ、シートまたはフィルムの架橋または改質や、紙、プラスチック、金属等の基材上に施した印刷物または塗布物を硬化、架橋、改質または乾燥させることを目的とし、メンテナンスを容易かつ安全にでき、しかも省スペース化が可能な電離放射線照射方法および電離放射線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の連続シート状の被照射物に対する電子線等の電離放射線照射装置では、水平に搬送し、上から下向きに電離放射線を照射する照射方法が一般的である。また、図1に示す搬送方法および電離放射線照射装置では、電離放射線発生装置55からの電離放射線59を被照射物57に照射する。電離放射線照射時に、照射室入り口62および照射室出口63から漏洩する放射線を遮蔽するために、4本の搬送ロール51,52,53,54を使用して搬送経路を傾斜させている。更に照射室入り口62あるいは照射室出口63から搬送ロール51あるいは搬送ロール54付近まで、放射線遮蔽カバー56および放射線遮蔽カバー58をそれぞれ取り付ける必要がある(なお、図1の61は天井の遮蔽板を示す)。よって、構造的に搬送方向に装置が長くなってしまい、搬送方向での省スペース化が図りにくい。
【0003】
またこのような構造からなる電離放射線照射装置は、照射室内60あるいは電離放射線発生装置55などの状態を調べる際に、狭い照射室内を検査しにくく、また電離放射線発生装置55の照射窓や窓箔等を調べる際は、この構造では視点が下から上向きになるために非常に見にくくなる。また電離放射線発生装置55自体を交換する際には電離放射線発生装置55を引出して作業する必要があり、作業工程が煩雑になりやすいため、メンテナンス性が悪く作業の危険性も多くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、従来の電離放射線照射装置では、メンテナンス性、安全性および設置における省スペース化に不都合な点が多く、それらに関し課題が残る。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】
以上の課題を解決する手段として、第1の発明は、搬送される被照射物が、搬送ロール1により、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法である。
第2の発明は、水平に搬送される連続シート状の被照射物が、搬送ロール1により、180度反転させて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法である。
第3の発明は、搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送される被照射物に電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に搬送の向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置である。
第4の発明は、搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送されている被照射物に対して下から上向きに電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に下向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置である。
第5の発明は、照射室の上部に開閉扉を設け、該開閉扉が上方に開閉することを特徴とする上記に記載の電離放射線照射装置である。
第6の発明は、開閉扉に搬送ロール1が装着されていることを特徴とする上記に記載の電離放射線照射装置である。
第7の発明は、開閉扉に搬送ロール2に被照射物をニップするためのロール4を装着し、該ロール4が、開閉扉が閉じたときに、照射後の被照射物を下向きに変える搬送ロール2をニップすることを特徴とする上記に記載の電離放射線照射装置である。
本発明は、1実施態様として、右または左から水平に搬送される連続シート状または枚葉状の被照射物が搬送ロールを介し、90〜180度の角度で搬送方向または進行方向を回転または反転した後、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロールにより、70度以上の角度で搬送の向きを変える電離放射線照射方法を提供する。このとき照射室に入る前の搬送ロールにより、好ましくは被照射物を90〜180度の範囲で、より好ましくは120〜180度の範囲で搬送の向きを変えるのがよい。また、該搬送ロールは、1本だけではなく、複数本用いて被照射物を反転させてもよい。この発明により、搬送方向に装置を長くすることなく搬送方向に進行する放射線の遮蔽が可能となり、搬送方向への省スペース化を図ることができる。また、被照射物として、連続シート状または枚葉状のものが挙げられるが、枚葉状の被照射物の場合には、搬送のための支持体(コンベアベルト等)に被照射物を1枚ごとに保持または固定することが望ましい。
【0006】
照射後の被照射物を下向きに変える搬送ロールにより、70度以上の角度で向きを変える。好ましくは70〜90度の角度に、より好ましくは90度に被照射物を下向きに変えるのがよい。この方法または装置により、搬送方向に装置を長くすることなく搬送出口からの放射線の遮蔽が可能となり、搬送方向への省スペース化を図ることができる。
照射室の上部に開閉扉を設け、該開閉扉が上方に開閉することを特徴とする電離放射線照射装置により、電離放射線発生装置を、照射室内において、被照射物の下に設置させ、電離放射線の照射方向を下から上向きにし、更に照射室の上部に開閉扉を設け開閉扉を上方に開閉させることにより、安全かつ直ちに照射室内部および電離放射線発生装置の状態を、視点を下にして容易に調べることができる。また、電離放射線発生装置の故障などがあった際も、電離放射線発生装置が下側に設置されているので取り外しおよび交換作業を行いやすくなりメンテナンス性の向上を図ることができる。
開閉扉に搬送ロールが装着されていることを特徴とする電離放射線照射装置では、開閉扉に搬送ロールを装着することにより、開閉扉を開けただけで、上記に述べた作業等を連続シート状の被照射物を切断することなく、連続シート状の被照射物を通紙した状態で行うことができ、大幅にメンテナンス性を向上させるものである。
開閉扉に搬送ロールに対して被照射物をニップするためのロールを装着し、該ロールが、開閉扉が閉じたときに、照射後の被照射物を下向きに変える搬送ロールをニップすることを特徴とする電離放射線照射装置では、開閉扉に装着したロールと照射室出口の搬送ロールをニップすることにより、照射室内を窒素ガス等の不活性ガスにより充填する際に、不活性ガスの流出および外気の流入を遮断し、照射室内の酸素濃度上昇を抑制することができ、不活性ガスの使用量を低減し、効率的に不活性ガス照射雰囲気を作ることが出来る。また開閉扉に搬送ロールをニップするためのロールを
装着し、該ロールが、開閉扉が閉じたときに照射室出口の搬送ロール2をニップする簡易な機構とすることにより、開閉扉を開けただけで、連続シート状等の被照射物を切断することなく、連続シート状等の被照射物を通紙した状態で、種々の作業を行うことができ、特にシート状の被照射物を通紙する作業の煩雑さを大幅に改善するものである。
ロール間のニップ圧は対象となる被照射物に合わせて適宜選ばれるが、好ましくは1〜10kgf/cm2、より好ましくは2〜4kgf/cm2のニップに設定される。また開閉扉に装着したニップ用ロールは、開閉扉に直接固定するかまたはバネなどの弾性体を使用して装着し弾性を持たせてもよい。このとき、ニップするロールの搬送ロールへの押し付け角度は、搬送ロールの真上を0度として、反時計回りに0〜80度の範囲、好ましくは0度の方向から搬送ロール2を押し付けるのがよい。
【0007】
被照射物としては、連続シート状または枚葉状であり、シートまたはフィルムの架橋または改質や、紙、プラスチック、金属、これらの複合材料等の基材上に施した印刷物または塗布物を硬化、架橋、改質または乾燥させるためのものである。平面形状の被照射物に限らず、立体形状の被照射物でもよい。
代表的には基体に被覆された電離放射線硬化型の印刷インキ、塗料、接着剤等を硬化、架橋、改質または乾燥させるものである。
電離放射線としては、電子線、γ線、X線、紫外線等であるが、省スペース、放射線遮蔽性、不活性ガス置換の低減をはかりやすい、真空管型電子線照射装置を使用することが望ましい。この装置は、円筒状をなすガラスまたはセラミック製の真空容器と、その容器内に設けられ、陰極から放出された電子を電子線として取り出してこれを加速する電子線発生部と、真空容器の端部に設けられ、電子線を射出する電子線射出部と、給電部より給電するためのピン部とを有する。電子線射出部には薄膜状の照射窓が設けられている。電子線射出部の照射窓は、ガスは透過せずに電子線を透過する機能を有しており偏平状をなしている。そして、照射室内に配置された被照射物に照射窓から射出された電子線が照射される。本発明における真空管型電子線照射装置は、従来のドラム型の電子線照射装置のごとく、電子線発生部であるドラム内を常に真空引きしながら電子線を照射するタイプの装置と異なり、電子線発生部を真空引きする必要がないため、小型で、移動可能とできる装置である。なお、真空管型電子線照射装置としては、通常、円柱状の形状を有する照射管を用いるものであり、たとえば、1本ないし複数本の照射管を使用した装置である。
このような構成の照射管を有する装置は、米国特許第5、414、267号に開示されており、Ushio International Technologies社によりMin−EB装置として知られている。この装置においては、低加速電圧でも電子線の透過力の低下が小さく、有効に電子線を取り出すことができる。これによって、低深度で電子線を作用させることが可能となり、例えば基体に設けられた印刷層、接着層、粘着層、ニス層を効率良く硬化、架橋、乾燥させたり、フィルムの表面層を改質させることができる。また、低加速電圧、低エネルギーにより2次電子線の発生量を低下させることができるようになり、大がかりなシールド構造を必要としない特徴を有する。
【0008】
さらに、本発明では、印刷、塗装等の後であれば、どのように電離放射線を照射してもよいが、生産コストや製品の安定性等の点で、電離放射線照射装置を印刷機または塗装機に組み込み、印刷または塗装された対象物にインラインで電離放射線を照射することが望ましい。
【0009】
【実施形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0010】
図2は通紙した状態の概略の装置断面図である。開閉扉8と電離放射線発生装置5との間に照射室6が設けられており、電離放射線発生装置5は、照射室6の下側に設置されている。開閉扉8に、搬送ロール1およびニップロール4が装着され、照射室出口11に搬送ロール2が取り付けられている。照射室出口11付近で開閉扉8に設置されたニップロール4が、開閉扉8を閉じたときに、搬送ロール2をニップする状態になる。なお、図2の10は、照射室入口を示している。特に図示はしていないが、放射線の遮蔽を考慮した、つまり、なるべく隙間の少ない構造とすることが望ましい。
【0011】
以上の構造において、連続シート状の被照射物7が、搬送ロール1を介し、180度向きを変え、照射室6に入り、照射室6内で下から電離放射線9が連続シート状の被照射物7に向けて照射され、照射室6を通過した後、照射室出口11にある搬送ロール2を介し、90度向きを変える経路を経て搬送される。照射室出口11にある搬送ロール2をニップロール4により、連続したシート状の被照射物7を搬送させたときに、すべりが発生しない程度のニップ圧、すなわち2〜4kgf/cm2でニップする。またこれにより、不活性ガスの流出や照射室外部から外気が流入することによる酸素濃度上昇を抑えることができる。
【0012】
図3は、開閉扉8が上向きに開く機構を示したものである。開閉扉8は支持棒12によりヒンジ式で取り付けられている。固定端部13と駆動部15(例えばエアーシリンダー)が回転支持部17で接続され、また、開閉扉8に装着された固定支持部16と駆動部15が回転支持部14で接続されている。駆動部15を伸縮させることにより、開閉扉8の開閉を行うことができる。
【0013】
図4は、開閉扉8を90度開閉させた状態を示している。開閉扉8を開けたときに、連続シート状の被照射物7を切断する事なく通紙した状態のまま、照射室6内部の状態、及び、電離放射線発生装置5の状態をただちに見ることができ、また、下向きで電離放射線発生装置5の窓箔の交換も行うことができるため、安全かつ効率的に交換作業ができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明により、搬送方向への放射線の遮蔽性を損なうことなく、搬送方向の省スペース化を図ることができ、また、通紙した状態のまま上方に開閉する扉および上向き方向へ照射する構造の採用により通紙を切断することなく、すぐに照射室内部および電離放射線発生装置の状態を調べることができ、また電離放射線発生装置の交換作業も、安全かつ容易になり、メンテナンス性が大幅に向上された。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の電離放射線方法または装置の側面の概略断面図を、図2、図3、図4は本発明の1実施態様を示す電離放射線方法または装置を説明するための図面であり、図2は側面の概略断面図を、図3、図4は開閉扉を開けた状態の側面の概略断面図を、それぞれ示す。
図2〜図4中の符号は、1−搬送ロール、2−搬送ロール、3−搬送ロール、4−ニップロール、5−電離放射線発生装置、6−照射室、7−被照射物、8−開閉扉、9−電離放射線、10−照射室入口、11−照射室出口、12−支持棒、13−固定端部、14−回転支持部、15−駆動部、16−固定支持部、17−回転支持部、をそれぞれ示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続シート状または枚葉状の被照射物を搬送させ、シートまたはフィルムの架橋または改質や、紙、プラスチック、金属等の基材上に施した印刷物または塗布物を硬化、架橋、改質または乾燥させることを目的とし、メンテナンスを容易かつ安全にでき、しかも省スペース化が可能な電離放射線照射方法および電離放射線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の連続シート状の被照射物に対する電子線等の電離放射線照射装置では、水平に搬送し、上から下向きに電離放射線を照射する照射方法が一般的である。また、図1に示す搬送方法および電離放射線照射装置では、電離放射線発生装置55からの電離放射線59を被照射物57に照射する。電離放射線照射時に、照射室入り口62および照射室出口63から漏洩する放射線を遮蔽するために、4本の搬送ロール51,52,53,54を使用して搬送経路を傾斜させている。更に照射室入り口62あるいは照射室出口63から搬送ロール51あるいは搬送ロール54付近まで、放射線遮蔽カバー56および放射線遮蔽カバー58をそれぞれ取り付ける必要がある(なお、図1の61は天井の遮蔽板を示す)。よって、構造的に搬送方向に装置が長くなってしまい、搬送方向での省スペース化が図りにくい。
【0003】
またこのような構造からなる電離放射線照射装置は、照射室内60あるいは電離放射線発生装置55などの状態を調べる際に、狭い照射室内を検査しにくく、また電離放射線発生装置55の照射窓や窓箔等を調べる際は、この構造では視点が下から上向きになるために非常に見にくくなる。また電離放射線発生装置55自体を交換する際には電離放射線発生装置55を引出して作業する必要があり、作業工程が煩雑になりやすいため、メンテナンス性が悪く作業の危険性も多くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、従来の電離放射線照射装置では、メンテナンス性、安全性および設置における省スペース化に不都合な点が多く、それらに関し課題が残る。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】
以上の課題を解決する手段として、第1の発明は、搬送される被照射物が、搬送ロール1により、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法である。
第2の発明は、水平に搬送される連続シート状の被照射物が、搬送ロール1により、180度反転させて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法である。
第3の発明は、搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送される被照射物に電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に搬送の向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置である。
第4の発明は、搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送されている被照射物に対して下から上向きに電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に下向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置である。
第5の発明は、照射室の上部に開閉扉を設け、該開閉扉が上方に開閉することを特徴とする上記に記載の電離放射線照射装置である。
第6の発明は、開閉扉に搬送ロール1が装着されていることを特徴とする上記に記載の電離放射線照射装置である。
第7の発明は、開閉扉に搬送ロール2に被照射物をニップするためのロール4を装着し、該ロール4が、開閉扉が閉じたときに、照射後の被照射物を下向きに変える搬送ロール2をニップすることを特徴とする上記に記載の電離放射線照射装置である。
本発明は、1実施態様として、右または左から水平に搬送される連続シート状または枚葉状の被照射物が搬送ロールを介し、90〜180度の角度で搬送方向または進行方向を回転または反転した後、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロールにより、70度以上の角度で搬送の向きを変える電離放射線照射方法を提供する。このとき照射室に入る前の搬送ロールにより、好ましくは被照射物を90〜180度の範囲で、より好ましくは120〜180度の範囲で搬送の向きを変えるのがよい。また、該搬送ロールは、1本だけではなく、複数本用いて被照射物を反転させてもよい。この発明により、搬送方向に装置を長くすることなく搬送方向に進行する放射線の遮蔽が可能となり、搬送方向への省スペース化を図ることができる。また、被照射物として、連続シート状または枚葉状のものが挙げられるが、枚葉状の被照射物の場合には、搬送のための支持体(コンベアベルト等)に被照射物を1枚ごとに保持または固定することが望ましい。
【0006】
照射後の被照射物を下向きに変える搬送ロールにより、70度以上の角度で向きを変える。好ましくは70〜90度の角度に、より好ましくは90度に被照射物を下向きに変えるのがよい。この方法または装置により、搬送方向に装置を長くすることなく搬送出口からの放射線の遮蔽が可能となり、搬送方向への省スペース化を図ることができる。
照射室の上部に開閉扉を設け、該開閉扉が上方に開閉することを特徴とする電離放射線照射装置により、電離放射線発生装置を、照射室内において、被照射物の下に設置させ、電離放射線の照射方向を下から上向きにし、更に照射室の上部に開閉扉を設け開閉扉を上方に開閉させることにより、安全かつ直ちに照射室内部および電離放射線発生装置の状態を、視点を下にして容易に調べることができる。また、電離放射線発生装置の故障などがあった際も、電離放射線発生装置が下側に設置されているので取り外しおよび交換作業を行いやすくなりメンテナンス性の向上を図ることができる。
開閉扉に搬送ロールが装着されていることを特徴とする電離放射線照射装置では、開閉扉に搬送ロールを装着することにより、開閉扉を開けただけで、上記に述べた作業等を連続シート状の被照射物を切断することなく、連続シート状の被照射物を通紙した状態で行うことができ、大幅にメンテナンス性を向上させるものである。
開閉扉に搬送ロールに対して被照射物をニップするためのロールを装着し、該ロールが、開閉扉が閉じたときに、照射後の被照射物を下向きに変える搬送ロールをニップすることを特徴とする電離放射線照射装置では、開閉扉に装着したロールと照射室出口の搬送ロールをニップすることにより、照射室内を窒素ガス等の不活性ガスにより充填する際に、不活性ガスの流出および外気の流入を遮断し、照射室内の酸素濃度上昇を抑制することができ、不活性ガスの使用量を低減し、効率的に不活性ガス照射雰囲気を作ることが出来る。また開閉扉に搬送ロールをニップするためのロールを
装着し、該ロールが、開閉扉が閉じたときに照射室出口の搬送ロール2をニップする簡易な機構とすることにより、開閉扉を開けただけで、連続シート状等の被照射物を切断することなく、連続シート状等の被照射物を通紙した状態で、種々の作業を行うことができ、特にシート状の被照射物を通紙する作業の煩雑さを大幅に改善するものである。
ロール間のニップ圧は対象となる被照射物に合わせて適宜選ばれるが、好ましくは1〜10kgf/cm2、より好ましくは2〜4kgf/cm2のニップに設定される。また開閉扉に装着したニップ用ロールは、開閉扉に直接固定するかまたはバネなどの弾性体を使用して装着し弾性を持たせてもよい。このとき、ニップするロールの搬送ロールへの押し付け角度は、搬送ロールの真上を0度として、反時計回りに0〜80度の範囲、好ましくは0度の方向から搬送ロール2を押し付けるのがよい。
【0007】
被照射物としては、連続シート状または枚葉状であり、シートまたはフィルムの架橋または改質や、紙、プラスチック、金属、これらの複合材料等の基材上に施した印刷物または塗布物を硬化、架橋、改質または乾燥させるためのものである。平面形状の被照射物に限らず、立体形状の被照射物でもよい。
代表的には基体に被覆された電離放射線硬化型の印刷インキ、塗料、接着剤等を硬化、架橋、改質または乾燥させるものである。
電離放射線としては、電子線、γ線、X線、紫外線等であるが、省スペース、放射線遮蔽性、不活性ガス置換の低減をはかりやすい、真空管型電子線照射装置を使用することが望ましい。この装置は、円筒状をなすガラスまたはセラミック製の真空容器と、その容器内に設けられ、陰極から放出された電子を電子線として取り出してこれを加速する電子線発生部と、真空容器の端部に設けられ、電子線を射出する電子線射出部と、給電部より給電するためのピン部とを有する。電子線射出部には薄膜状の照射窓が設けられている。電子線射出部の照射窓は、ガスは透過せずに電子線を透過する機能を有しており偏平状をなしている。そして、照射室内に配置された被照射物に照射窓から射出された電子線が照射される。本発明における真空管型電子線照射装置は、従来のドラム型の電子線照射装置のごとく、電子線発生部であるドラム内を常に真空引きしながら電子線を照射するタイプの装置と異なり、電子線発生部を真空引きする必要がないため、小型で、移動可能とできる装置である。なお、真空管型電子線照射装置としては、通常、円柱状の形状を有する照射管を用いるものであり、たとえば、1本ないし複数本の照射管を使用した装置である。
このような構成の照射管を有する装置は、米国特許第5、414、267号に開示されており、Ushio International Technologies社によりMin−EB装置として知られている。この装置においては、低加速電圧でも電子線の透過力の低下が小さく、有効に電子線を取り出すことができる。これによって、低深度で電子線を作用させることが可能となり、例えば基体に設けられた印刷層、接着層、粘着層、ニス層を効率良く硬化、架橋、乾燥させたり、フィルムの表面層を改質させることができる。また、低加速電圧、低エネルギーにより2次電子線の発生量を低下させることができるようになり、大がかりなシールド構造を必要としない特徴を有する。
【0008】
さらに、本発明では、印刷、塗装等の後であれば、どのように電離放射線を照射してもよいが、生産コストや製品の安定性等の点で、電離放射線照射装置を印刷機または塗装機に組み込み、印刷または塗装された対象物にインラインで電離放射線を照射することが望ましい。
【0009】
【実施形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0010】
図2は通紙した状態の概略の装置断面図である。開閉扉8と電離放射線発生装置5との間に照射室6が設けられており、電離放射線発生装置5は、照射室6の下側に設置されている。開閉扉8に、搬送ロール1およびニップロール4が装着され、照射室出口11に搬送ロール2が取り付けられている。照射室出口11付近で開閉扉8に設置されたニップロール4が、開閉扉8を閉じたときに、搬送ロール2をニップする状態になる。なお、図2の10は、照射室入口を示している。特に図示はしていないが、放射線の遮蔽を考慮した、つまり、なるべく隙間の少ない構造とすることが望ましい。
【0011】
以上の構造において、連続シート状の被照射物7が、搬送ロール1を介し、180度向きを変え、照射室6に入り、照射室6内で下から電離放射線9が連続シート状の被照射物7に向けて照射され、照射室6を通過した後、照射室出口11にある搬送ロール2を介し、90度向きを変える経路を経て搬送される。照射室出口11にある搬送ロール2をニップロール4により、連続したシート状の被照射物7を搬送させたときに、すべりが発生しない程度のニップ圧、すなわち2〜4kgf/cm2でニップする。またこれにより、不活性ガスの流出や照射室外部から外気が流入することによる酸素濃度上昇を抑えることができる。
【0012】
図3は、開閉扉8が上向きに開く機構を示したものである。開閉扉8は支持棒12によりヒンジ式で取り付けられている。固定端部13と駆動部15(例えばエアーシリンダー)が回転支持部17で接続され、また、開閉扉8に装着された固定支持部16と駆動部15が回転支持部14で接続されている。駆動部15を伸縮させることにより、開閉扉8の開閉を行うことができる。
【0013】
図4は、開閉扉8を90度開閉させた状態を示している。開閉扉8を開けたときに、連続シート状の被照射物7を切断する事なく通紙した状態のまま、照射室6内部の状態、及び、電離放射線発生装置5の状態をただちに見ることができ、また、下向きで電離放射線発生装置5の窓箔の交換も行うことができるため、安全かつ効率的に交換作業ができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明により、搬送方向への放射線の遮蔽性を損なうことなく、搬送方向の省スペース化を図ることができ、また、通紙した状態のまま上方に開閉する扉および上向き方向へ照射する構造の採用により通紙を切断することなく、すぐに照射室内部および電離放射線発生装置の状態を調べることができ、また電離放射線発生装置の交換作業も、安全かつ容易になり、メンテナンス性が大幅に向上された。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の電離放射線方法または装置の側面の概略断面図を、図2、図3、図4は本発明の1実施態様を示す電離放射線方法または装置を説明するための図面であり、図2は側面の概略断面図を、図3、図4は開閉扉を開けた状態の側面の概略断面図を、それぞれ示す。
図2〜図4中の符号は、1−搬送ロール、2−搬送ロール、3−搬送ロール、4−ニップロール、5−電離放射線発生装置、6−照射室、7−被照射物、8−開閉扉、9−電離放射線、10−照射室入口、11−照射室出口、12−支持棒、13−固定端部、14−回転支持部、15−駆動部、16−固定支持部、17−回転支持部、をそれぞれ示す。
Claims (7)
- 搬送される被照射物が、搬送ロール1により、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法。
- 水平に搬送される連続シート状の被照射物が、搬送ロール1により、180度反転させて、照射室内に入り、電離放射線を照射され、照射室出口で搬送ロール2により、70度以上の角度で搬送の向きを変えることを特徴とする電離放射線照射方法。
- 搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送されている被照射物に電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に下向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置。
- 搬送される被照射物を、90〜180度の角度で搬送の向きを変えて照射室内に導く搬送ロール1と、照射室内において、搬送されている被照射物に対して下から上向きに電離放射線を照射する電離放射線発生装置、および照射後の被照射物を70度以上の角度に下向きに変える搬送ロール2を有することを特徴とする電離放射線照射装置。
- 照射室の上部に開閉扉を設け、該開閉扉が上方に開閉することを特徴とする請求項3または4記載の電離放射線照射装置
- 開閉扉に搬送ロール1が装着されていることを特徴とする請求項5記載の電離放射線照射装置。
- 開閉扉に搬送ロール2に被照射物をニップするためのロール4を装着し、該ロール4が、開閉扉が閉じたときに、照射後の被照射物を下向きに変える搬送ロール2をニップすることを特徴とする請求項3ないし6いずれかに記載の電離放射線照射装置。
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JP2002191766A JP2004037138A (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 電離放射線照射方法および電離放射線照射装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109051793A (zh) * | 2018-07-31 | 2018-12-21 | 中山易必固新材料科技有限公司 | 一种下沉式二氧化碳气体保护输送管 |
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2002
- 2002-07-01 JP JP2002191766A patent/JP2004037138A/ja active Pending
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