JP2004037137A - 複屈折測定装置、除歪装置、偏光状態検出装置及び露光装置 - Google Patents

複屈折測定装置、除歪装置、偏光状態検出装置及び露光装置 Download PDF

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Yasuhiro Kishikawa
岸川 康宏
Seiji Takeuchi
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Abstract

【課題】被検測定物の紫外域における複屈折特性を簡便、高速、且つ高精度に測定する複屈折測定装置と、光学部材の熱処理工程において、熱処理時間を短縮化し、且つ複屈折量を制御することが可能な熱処理方法及び除歪装置と、上記複屈折測定装置により構成される偏光状態検出装置を搭載した露光装置を提供する。
【解決手段】光源と、特定の偏光方向の光束を抽出する偏光素子102と、被検測定物と、被検測定物を保持する試料ステージと、試料ステージを制御する制御手段と、被検測定物を射出した光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する光束分割手段と、光束分割手段により分割した光束の特定の偏光方向の光束を抽出する2つの偏光素子と、偏光素子を透過した光束の光量を検出する2つの光量検出手段と、光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、被検測定物から射出される光束の偏光状態の情報を求めることを特徴とする複屈折測定装置。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検測定物の複屈折量及び主軸方位を求める複屈折測定装置、及び該複屈折測定装置を搭載する除歪装置、及び該複屈折測定装置によって構成される偏光状態検出装置、及び該偏光状態検出装置を搭載する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複屈折は露光装置の結像性能に影響を与える要因の1つである。ArFエキシマレーザ、F2エキシマレーザ等を露光光源とする露光装置の光学系に用いられる蛍石には内部応力(応力歪)に起因する応力複屈折に加えて、その結晶構造に起因する真性複屈折(Intrinsic Birefringence)が存在することが2001年5月にNISTの発表により明らかとなり、露光装置開発のためには、上記真性複屈折を含めた複屈折への配慮が課題となる。従って、露光波長における複屈折量を把握することが必要となる。従来の複屈折測定方法として、回転検光子法、バビネ補償子等を用いる位相補償法、4分の1波長板を用いるセナルモン法、光弾性変調素子を用いる位相変調法、ゼーマンレーザ等を光源に用いる光ヘテロダイン法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の複屈折測定方法において、測定光源として紫外光を用いる場合には、測定波長における4分の1波長等の移相子や光弾性変調素子の製造が困難なことや、光源の安定性の問題により、蛍石等の紫外域における複屈折特性を簡便に測定することが困難であった。
【0004】
本発明の目的は、被検測定物の紫外域における複屈折特性を簡便、高速、且つ高精度に測定することが可能な複屈折測定装置を提供することである。又、光学部材の熱処理工程において、熱処理時間を短縮化し、且つ複屈折量を制御することが可能な光学部材の熱処理方法及び除歪装置を提供することである。又、上記複屈折測定装置により構成される偏光状態検出装置を搭載した露光装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の複屈折測定装置は、光源と、該光源からの光束の特定の偏光方向の光束を抽出する偏光素子1と、少なくとも1つの被検測定物と、該被検測定物を保持する試料ステージと、該試料ステージを制御する制御手段と、該被検測定物を射出した光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも1つの光束分割手段と、該光束分割手段により分割した光束の特定の偏光方向の光束を抽出する少なくとも2つの偏光素子2と、該偏光素子を透過した光束の光量を検出する少なくとも2つの光量検出手段と、該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、該被検測定物から射出される光束の偏光状態の情報を求めることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明の複屈折測定装置は、請求項1記載の発明において、上記光源は、パルス光源であることを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の発明の複屈折測定装置は、請求項2記載の発明において、上記光源は、エキシマレーザであることを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の発明の複屈折測定装置は、請求項1乃至3記載の発明において、上記偏光素子1は、直線偏光子から構成されることを特徴としている。
請求項5記載の発明の複屈折測定装置は、請求項4記載の発明において、上記偏光素子1は、該偏光素子1を光軸に対して回転可能な回転手段を有することを特徴としている。
【0009】
請求項6記載の発明の複屈折測定装置は、請求項5記載の発明において、上記試料ステージは、該被検測定物を光軸に対して回転可能な回転手段を有することを特徴としている。
【0010】
請求項7記載の発明の複屈折測定装置は、請求項6記載の発明において、上記試料ステージは、該被検測定物の測定範囲を手動又は自動で可変設定可能な測定位置可変手段を有することを特徴としている。
【0011】
請求項8記載の発明の複屈折測定装置は、請求項7記載の発明において、上記試料ステージは、被測定物を被検光束に対して挿脱可能に設けた挿脱手段とを有することを特徴としている。
【0012】
請求項9記載の発明の複屈折測定装置は、請求項8記載の発明において、上記光束分割手段は、入射光束の偏光状態を保存した状態で少なくとも2つの光束に分割することを特徴としている。
【0013】
請求項10記載の発明の複屈折測定装置は、請求項9記載の発明において、上記偏光素子2は直線偏光子から構成されることを特徴としている。
【0014】
請求項11記載の発明の複屈折測定装置は、請求項10記載の発明において、上記偏光素子2は、該偏光素子2を光軸に対して回転可能な回転手段を有することを特徴としている。
【0015】
請求項12記載の発明の複屈折測定装置は、請求項11記載の発明において、上記偏光素子2は、上記偏光素子1に対して直交ニコルの状態に設定することを特徴としている。
【0016】
請求項13記載の発明の複屈折測定装置は、請求項12記載の発明において、上記偏光素子2は、上記偏光素子1に対して平行ニコルの状態に設定することを特徴としている。
【0017】
請求項14記載の発明の複屈折測定装置は、請求項13記載の発明において、上記演算手段は、上記被検測定物の回転角度に対する上記光量検出手段の出力結果に基づいて、該被検測定物から射出される光束の偏光状態変化を解析することを特徴としている。
【0018】
請求項15記載の発明の複屈折測定装置は、請求項13記載の発明において、上記演算手段は、上記偏光素子1及び上記偏光素子2の回転角度に対する上記光量検出手段の出力結果に基づいて、該被検測定物から射出される光束の偏光状態変化を解析することを特徴としている。
【0019】
請求項16記載の発明の複屈折測定装置は、請求項14乃至15記載の発明において、上記演算手段による解析結果を基に、上記被検測定物の複屈折量及び主軸方位を算出することを特徴としている。
【0020】
請求項17記載の発明の複屈折測定装置は、請求項16記載の発明において、上記演算手段による測定結果を上記被検測定物における回転手段にフィードバックして該被検測定物の複屈折量及び主軸方位の精密測定を行うことを特徴としている。
【0021】
請求項18記載の発明の複屈折測定装置は、請求項16記載の発明において、上記演算手段による測定結果を上記偏光素子1及び上記偏光素子2における回転手段にフィードバックして該被検測定物の複屈折量及び主軸方位の精密測定を行うことを特徴としている。
【0022】
請求項19記載の発明の除歪装置は、光学部材に熱処理を施すことにより該光学部材の製造過程に生じた歪を除去する除歪装置において、該除歪装置内に請求項18記載の発明の複屈折測定手段を有することを特徴としている。
【0023】
請求項20記載の発明の除歪装置は、請求項19記載の発明において、光学部材の熱処理中における複屈折量を測定し、測定結果を熱処理部にフィードバックして該光学部材の複屈折量が所望の範囲内に収まるように熱処理条件を制御することを特徴としている。
【0024】
請求項21記載の発明の偏光状態検出装置は、入射光束を該入射光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも1つの光束分割手段と、少なくとも2つの偏光素子と、該偏光素子を回転制御する回転手段と、少なくとも2つの光量検出手段と、該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、該入射光束の偏光状態の情報を求めることを特徴としている。
【0025】
請求項22記載の発明の偏光状態検出装置は、入射光束と、該入射光束を用いる装置と、該入射光束を該入射光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも2つの光束分割手段と、少なくとも2つの偏光素子と、該偏光素子を回転制御する回転手段と、少なくとも2つの光量検出手段と、該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、第1の該光束分割手段により分割した一方の光束は前記装置に用い、もう一方の光束は該入射光束の偏光状態の情報を求めることに用いることを特徴としている。
【0026】
請求項23記載の発明の偏光状態検出装置は、請求項22記載の発明において、更に前記偏光状態検出装置で求めた入射光束の偏光状態の情報を前記装置にフィードバックすることを特徴としている。
【0027】
請求項24記載の発明の偏光状態検出装置は、請求項21乃至23記載の発明において、更に前記入射光束がパルス光であることを特徴としている。
【0028】
請求項25記載の発明の露光装置は、光源と、前記光源からの入射光束を該入射光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも2つの光束分割手段と、少なくとも2つの偏光素子と、該偏光素子を回転制御する回転手段と、少なくとも2つの光量検出手段と、該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、第1の該光束分割手段により分割した一方の光束は該入射光束の偏光状態の情報を求めることに用い、もう一方の光束は露光に用いることを特徴としている。
【0029】
請求項26記載の発明の露光装置は、請求項25記載の発明において、更に前記偏光状態の情報を前記露光装置にフィードバックし、露光パラメータを制御することを特徴としている。
【0030】
請求項27記載の発明の露光装置は、請求項26記載の発明において、更に前記偏光状態の情報を前記光源にフィードバックし、該光源を制御することを特徴としている。
【0031】
請求項28記載の発明の露光装置は、請求項27記載の発明において、上記光源は、パルス光源であることを特徴としている。
【0032】
請求項29記載の発明の露光装置は、請求項28記載の発明において、上記光源は、エキシマレーザであることを特徴としている。
【0033】
請求項30記載の発明のデバイス製造方法は、請求項29記載の発明の露光装置を用いることを特徴としている。
【0034】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
図1は本発明の実施例1にかかる複屈折測定装置の構成を示す概略図である。以下、図1、図2及び図3を参照にしながら実施例1にかかる複屈折測定装置を説明する。
【0035】
図1において光源101から射出される光束の進行方向をZ軸、レーザの設置面においてZ軸に対する垂直方向をX軸、レーザの設置面に対する法線方向をY軸とする。
【0036】
図1において、実施例1にかかる複屈折測定装置は、光源101、偏光素子102、被検測定物103、試料ステージ104、光束分割手段105、偏光素子106、108、光量検出手段107、109、演算部110、制御部111により構成される。
【0037】
光源101から射出される光束を、光軸方向に直交するXY面内において予め設定された基準方位に対して透過軸方位が0度となるように配置される偏光素子102を介して直線偏光Lに変換して被検測定物103に入射させる。
【0038】
ここで、偏光素子102、106、108は、グラントムソンプリズム、ローションプリズム、セナルモンプリズム、ウォラストンプリズム、又は誘電体多層膜等で形成した偏光ビームスプリッタなど直交する偏光成分を分離し直線偏光成分を取り出すことが可能な光学素子であれば何を用いてもよい。
【0039】
試料ステージ104は回転機構を有し、ステッピングモータ等によって光軸を中心として回転制御される。前記ステッピングモータは制御部111の指令に基づいて制御され、上記基準方位に対して進相軸方位を0度から180度(又は0度から360度)の回転が複屈折測定の1サイクルとなる。
【0040】
又、試料ステージ104はXYステージ等の測定位置可変機構を有し、光軸方向に直交する面内での測定位置を手動又は自動で可変制御できるようになっている。つまり、上記試料ステージ104により測定面上における2次元複屈折分布測定が可能となる。
【0041】
光束分割手段105は3枚の平行平板で構成されている光束分割装置(図2)から成り、入射光束を入射光束の偏光状態を保存した状態で2光束に分割する機能を有する。被検測定物103の複屈折情報を有する光束Lは光束分割手段105により、光束Lの偏光状態を保存した状態で光束Lと光束Lに分割される。
【0042】
光束Lは偏光素子102に対して透過軸方位が平行ニコルの状態になるように配置される偏光素子106を介して光量検出手段107に入射される。
【0043】
光束Lは偏光素子102に対して透過軸方位が直交ニコルの状態になるように配置される偏光素子108を介して光量検出手段109に入射される。
【0044】
光量検出手段107及び光量検出手段109は、被検測定物103の複屈折情報(複屈折量及び主軸の方位)を含む光信号としてこの光信号を検出し、その光信号の光強度に相当する検出信号を演算部110にリアルタイムに出力する。
【0045】
演算部110及び制御部111はCPU及びメモリを格納し、光源101、試料ステージ104などの複屈折測定装置の各部の動作を制御する。又、光量検出手段107及び光量検出手段109で検出された検出信号に基づいて、予め設定された演算アルゴリズムを実行することにより、被検測定物103の複屈折位相差Δ及び進相軸方位φを演算し、図示しない出力装置に複屈折測定の演算結果を出力する。
【0046】
図2において偏光状態を保存する光束分割手段について説明する。
【0047】
図2は入射光束を入射光束と同じ偏光状態を有する2光束に分割する光束分割手段の説明図である。201は入射光束、204、205、206は光束が45°の入射角で入射するように設置された平行平板、202は2枚の平行平板によって2回反射する第1の光束、203は2枚の平行平板を両方透過する第2の光束である。207、208は本実施例では用いない不要光である。
【0048】
第1の平行平板204と第2の平行平板205は、第1の平行平板204を反射するp偏光成分が第2の平行平板205ではs偏光成分として反射するように設置されている。この構成によると第1の平行平板204をs偏光で反射する偏光成分は第2の平行平板205ではp偏光成分として反射する。
【0049】
一方、第3の平行平板206は、第1の平行平板204を透過するp偏光成分が第3の平行平板206ではs偏光成分として透過するように設置されている。
この構成によると第1の平行平板204をs偏光で透過する偏光成分は第3の平行平板206ではp偏光成分として透過する。
【0050】
以下、上記光束分割手段が入射光束を入射光束と同じ偏光状態を有する2光束に分割する原理について説明する。ここでは簡略化のため、平行平板の裏面での反射は無視する。
【0051】
入射光束が完全偏光であれば、その電界ベクトルは(数1)と表され、
【0052】
【数1】
Figure 2004037137
【0053】
第1の平行平板の反射の際にp偏光成分となる直線偏光成分Eとs偏光成分となる直線偏光成分Eとに分解して計算することが可能である。入射光束が部分偏光や非偏光の時もこれらは複数の完全偏光の集まりであると考えられるので、各々の完全偏光が保存されればよい。
【0054】
材質の同じ平行平板3枚を用いると3つの平行平板のp偏光とs偏光の複素振幅反射率rとrは等しいため、入射光束のうち、第1の平行平板の反射の際にp偏光成分となる直線偏光成分の複素振幅をE、s偏光成分となる直線偏光成分の複素振幅をEとすると、平行平板を2回反射して得られる第1の光束202の第1偏光成分の複素振幅E11は(数2)となる。
【0055】
【数2】
Figure 2004037137
【0056】
一方、第2偏光成分の複素振幅E12は(数3)となる。
【0057】
【数3】
Figure 2004037137
【0058】
これらの足し合わせである反射光束の複素振幅Eは(数4)となり、
【0059】
【数4】
Figure 2004037137
【0060】
入射光束に対して定数rがかかっただけの光束となるため、この第1の光束202は偏光状態が入射光束の偏光状態と同じ光束である。
一方、平行平板を2回透過して得られる第2の光束203の第1偏光成分の複素振幅E21は(数5)となる。
【0061】
【数5】
Figure 2004037137
【0062】
一方、第2偏光成分の複素振幅E22は(数6)となる。
【0063】
【数6】
Figure 2004037137
【0064】
これらの足し合わせである透過光束の複素振幅Eは(数7)となり、
【0065】
【数7】
Figure 2004037137
【0066】
入射光束に対して定数tがかかっただけの光束となるため、この第2の光束203は偏光状態が入射光束の偏光状態と同じ光束である。
【0067】
尚、ここでは平行平板に対して入射角45°で入射するとしたが、3枚の入射角が同じであれば45°である必要はない。又、グレーティング、ビームスプリッタなど、光束分割可能な素子で、素子の偏光に対する反射特性、透過特性などの分割特性が同じものを3つ用いれば、同様の効果が得られる。r、r、t、tなどは単なる実数定数であるとは限らず、膜のついたスプリッタなどを用いる場合には、位相の変化を示す複素数定数となることもある。
【0068】
図1では不要光は図示していないが、図2の光束207と光束208は迷光となるため、ビームダンパーなどで吸収させている。
【0069】
尚、r、r、t、tは予め計算か測定により求めておくことで、これら定数分は補正演算を行う。
【0070】
図1に示した本発明の実施例1の複屈折測定方法について説明する。
【0071】
光源101から射出される光束は、前記基準方位に対して透過軸方位が0度となるように配置される偏光素子102を介して直線偏光に変換される。偏光素子102のジョーンズ行列は(数8)で表される。偏光素子102から射出される光束を光束Lすると、その偏光状態はジョーンズベクトルにより(数9)で表される。
【0072】
【数8】
Figure 2004037137
【0073】
【数9】
Figure 2004037137
【0074】
前記光束Lは被検測定物103を透過し、被検測定物103が有する2つの主軸間(進相軸、遅相軸)の屈折率差に起因して生じる位相ずれにより楕円偏光に変換される。被検測定物103の複屈折位相差Δ及びその主軸の方位φとすると、被検測定物103のジョーンズ行列は(数10)で表される。
【0075】
【数10】
Figure 2004037137
【0076】
被検測定物103は試料ステージ104により光軸を中心として回転する。回転角度をθとすると、この回転変換のジョーンズ行列は(数11)で表される。又、被検測定物103のジョーンズ行列は(数12)で表される。
【0077】
【数11】
Figure 2004037137
【0078】
【数12】
Figure 2004037137
【0079】
被検測定物103の回転角度θにおける射出光Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数13)で表される。
【0080】
【数13】
Figure 2004037137
【0081】
光束分割手段105により被検測定物103の複屈折情報を有する光束Lは偏光状態を保存した状態で光束Lと光束Lに分割される。光束Lと光束Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数14)、(数15)で表される。
ここで、r、r、t、tは光束分割手段105における平行平板のp偏光とs偏光に対する複素振幅反射率及び複素振幅透過率であり、予め計算か測定により求めておくことで、これら定数分は演算部110において補正演算を行う。
【0082】
【数14】
Figure 2004037137
【0083】
【数15】
Figure 2004037137
【0084】
光束Lは偏光素子102に対して透過軸方位が平行ニコルの状態になるように配置される偏光素子106を介して光量検出手段107に入射される。又、光束Lは偏光素子102に対して透過軸方位が直交ニコルの状態になるように配置される偏光素子108を介して光量検出手段109に入射される。偏光素子106及び偏光素子108のジョーンズ行列は(数16)、(数17)で表される。
【0085】
【数16】
Figure 2004037137
【0086】
【数17】
Figure 2004037137
【0087】
光量検出手段107及び光量検出手段109で受ける光束L及び光束Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数18)、(数19)で表される。
【0088】
【数18】
Figure 2004037137
【0089】
【数19】
Figure 2004037137
【0090】
光量検出手段107及び光量検出手段109は光束L及び光束Lの光信号を検出し、光強度に相当する検出信号を演算部110にリアルタイムに出力し、補正演算を行う。光量検出手段107及び光量検出手段109で検出される補正後の光強度は(数20)、(数21)で表される。ただし、添え字は、複素共役な関係を示す。
【0091】
【数20】
Figure 2004037137
【0092】
【数21】
Figure 2004037137
【0093】
光量検出手段107及び光量検出手段109で受ける光強度I及びIは被検測定物103の回転角度θに対して正弦的に変化する。演算部110において、被検測定物103の回転角度θに対する光強度I及びIの強度比I/Iを算出することで、被検測定物103の複屈折情報を表す複屈折楕円体の楕円率を示す変化曲線をモニタすることができる。
【0094】
被検測定物103の回転角度θに対する光強度比I/Iの出力例を図3に示す。図3において光強度比I/Iが最大となる時の偏光素子102の透過軸方位と被検測定物103の主軸方位との相対角度は45°であり、被検測定物103からの出射光束Lは最大楕円の楕円偏光となる。光強度比I/Iは楕円偏光の楕円率を示しているため、この変化曲線における光強度比I/Iの最大値を(I/I)max及びその角度をθmaxとすると、被検測定物103の複屈折位相差Δ[deg.]及びその主軸の方位φ[deg.]は(数22)、(数23)で表される。
【0095】
【数22】
Figure 2004037137
【0096】
【数23】
Figure 2004037137
【0097】
又、光源の波長をλ[nm]、被検測定物の厚みをd[cm]とすると、被検測定物103の複屈折量[nm/cm]は(数24)で表される。
【0098】
【数24】
Figure 2004037137
【0099】
本実施例にかかる複屈折測定装置は、測定光学系に4分の1波長板等の移相子を必要としないため、特に光源に紫外光を用いる測定に適している。
【0100】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、回転駆動する光学素子が1つであるため、従来の測定方法のように2つの光学素子の回転駆動周期を同期させる必要がないため同期ずれ等の影響を受けることなく高精度な複屈折測定が可能である。
【0101】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、偏光状態を保存して光束を分割する光束分割手段を用いることにより、被検光束の有する複屈折情報を2つ以上の受光素子で検出することができるため、楕円の最大光量と最小光量とを同時に測定することが可能となり、光源の光量変動等による影響を受けず、高精度な複屈折測定が可能である。
【0102】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、被検測定物103の回転に対する光量を検出することにより、被検測定物103の複屈折量と主軸を同時に測定することができる。そのため、従来の測定方法に比べて測定時間の短縮化が可能となる。
【0103】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、被検測定物103の回転に対して90度間隔に演算される複数の複屈折データを平均化することで光学素子の有する製造誤差等による影響をキャンセルさせることが可能となる。又、演算部110の情報を制御部111にフィードバックし、回転角度範囲及び測定データのサンプリング数を制御することで被検測定物103の複屈折量に応じて局所的に精密測定が可能である。
【0104】
【実施例2】
図4は本発明の実施例2にかかる複屈折測定装置の構成を示す概略図である。以下、図4を参照にしながら実施例2にかかる複屈折測定装置を説明する。
【0105】
尚、本実施例は上述の実施例1において、偏光素子102、106、108において回転制御手段を有する構成を用いたほかは実施例1と同一の構成を有するため、以下の説明では共通する部分には同一の符号(下2桁)を付して詳細説明を省略し、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
【0106】
図4において、実施例1にかかる複屈折測定装置は、光源401、偏光素子402、被検測定物403、試料ステージ404、光束分割手段405、偏光素子406、408、光量検出手段407、409、演算部410、制御部411により構成される。
【0107】
光源401から射出される光束を、制御部411により光軸を中心として回転制御される偏光素子402を介して直線偏光Lに変換して被検測定物403に入射させる。
【0108】
偏光素子402は回転機構を有し、ステッピングモータ等によって光軸を中心として回転制御される。前記ステッピングモータは制御部411の指令に基づいて制御され、上記基準方位に対して進相軸方位を0度から180度(又は0度から360度)の回転が複屈折測定の1サイクルとなる。
【0109】
又、試料ステージ404はXYステージ等の測定位置可変機構を有し、光軸方向に直交する面内での測定位置を手動又は自動で可変制御できるようになっている。つまり、上記試料ステージ404により測定面上における2次元複屈折分布測定が可能となる。
【0110】
被検測定物403の複屈折情報を有する光束Lは光束分割手段405により、光束Lの偏光状態を保存した状態で光束Lと光束Lに分割される。
【0111】
光束Lは制御部411により偏光素子402に対して透過軸方位が平行ニコルの状態を保つように回転制御される偏光素子406を介して光量検出手段407に入射される。
【0112】
光束Lは制御部411により偏光素子402に対して透過軸方位が直交ニコルの状態を保つように回転制御される偏光素子408を介して光量検出手段409に入射される。
【0113】
光量検出手段407及び光量検出手段409は、被検測定物403の複屈折情報(複屈折量及び主軸の方位)を含む光信号としてこの光信号を検出し、その光信号の光強度に相当する検出信号を演算部410にリアルタイムに出力する。
【0114】
演算部410及び制御部411はCPU及びメモリを格納し、光源401、偏光素子402、406、408、試料ステージ404などの複屈折測定装置の各部の動作を制御する。又、光量検出手段407及び光量検出手段409で検出された検出信号に基づいて、予め設定された演算アルゴリズムを実行することにより、被検測定物403の複屈折位相差Δ及び進相軸方位φを演算し、図示しない出力装置に複屈折測定の演算結果を出力する。
【0115】
図4に示した本発明の実施例2の複屈折測定方法について説明する。
光源401から射出される光束の偏光状態はジョーンズベクトルにより(数25)で表される。ここで、δは射出光束の直交成分における位相差を表す。
【0116】
【数25】
Figure 2004037137
【0117】
光源401からの射出光束は、制御部411により光軸を中心として回転制御される偏光素子402を介して直線偏光に変換される。偏光素子402及び回転変換のジョーンズ行列(数8)、(数11)より、回転制御される偏光素子402のジョーンズ行列は(数26)で表される。ただし、前記基準方位に対する偏光素子402の回転角度をθとする。
【0118】
【数26】
Figure 2004037137
【0119】
偏光素子402からの射出光束Lは被検測定物403を透過し、被検測定物403が有する2つの主軸間(進相軸、遅相軸)の屈折率差に起因して生じる位相ずれにより楕円偏光に変換される。偏光素子402の回転角度θにおける被検測定物403からの射出光束Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数27)で表される。
【0120】
【数27】
Figure 2004037137
【0121】
光束分割手段405により被検測定物403の複屈折情報を有する光束Lは偏光状態を保存した状態で光束Lと光束Lに分割される。光束Lと光束Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数28)、(数29)で表される。ここで、r、r、t、tは光束分割手段405における平行平板のp偏光とs偏光に対する複素振幅反射率及び複素振幅透過率であり、予め計算か測定により求めておくことで、これら定数分は演算部410において補正演算を行う。
【0122】
【数28】
Figure 2004037137
【0123】
【数29】
Figure 2004037137
【0124】
偏光素子406は制御部411により偏光素子402に対して透過軸方位が平行ニコルの状態を保つように回転制御されている。又、偏光素子408は制御部411により偏光素子402に対して透過軸方位が直交ニコルの状態を保つように回転制御されている。光束L及び光束Lは偏光素子406及び偏光素子408を介して光量検出手段407及び光量検出手段409に入射される。光量検出手段407及び光量検出手段409で受ける光束L及び光束Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数30)、(数31)で表される。
【0125】
【数30】
Figure 2004037137
【0126】
【数31】
Figure 2004037137
【0127】
光量検出手段407及び光量検出手段409は光束L及び光束Lの光信号を検出し、光強度に相当する検出信号を演算部410にリアルタイムに出力し、補正演算を行う。
【0128】
以下、光量検出手段407及び光量検出手段409で検出される検出信号から被検測定物403の複屈折量及び主軸方位を求めるアルゴリズムは実施例1と同じであるため省略する。
【0129】
本実施例にかかる複屈折測定装置は、被検測定物403が非回転のため、実施例1の構成では対応が困難な大口径のサンプルに対しても適応可能である。
【0130】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、測定光学系に4分の1波長板等の移相子を必要としないため、特に光源に紫外光を用いる測定に適している。
【0131】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、偏光状態を保存して光束を分割する光束分割手段を用いることにより、被検光束の有する複屈折情報を2つ以上の受光素子で検出することができるため、楕円の最大光量と最小光量とを同時に測定することが可能となり、光源の光量変動等による影響を受けず、高精度な複屈折測定が可能である。
【0132】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、偏光素子402、406、408の回転に対する光量を検出することにより、被検測定物403の複屈折量と主軸を同時に測定することができる。そのため、従来の測定方法に比べて測定時間の短縮化が可能となる。
【0133】
更に、本実施例にかかる複屈折測定装置は、被検測定物403の回転に対して90度間隔に演算される複数の複屈折データを平均化することで光学素子の有する製造誤差等による影響をキャンセルさせることが可能となる。又、演算部410の情報を制御部411にフィードバックし、回転角度範囲及び測定データのサンプリング数を制御することで被検測定物403の複屈折量に応じて局所的に精密測定が可能である。
【0134】
尚、本実施例は光源401と偏光素子402の間に入射光束の偏光状態を直線偏光に変換する不図示の偏光素子を配置する構成も可能である。
【0135】
【実施例3】
図5及び図6は本発明の実施例3にかかる除歪装置の構成を示す概略図である。以下、図5及び図6を参照にしながら実施例3にかかる除歪装置を説明する。
【0136】
尚、本実施例は、上述の実施例2の複屈折測定装置において、被検測定物403が熱処理部内に格納されている構成を有するほかは実施例2と同一の構成を有するため、以下の説明では共通する部分には同一の符号(下2桁)を付して詳細説明を省略し、実施例2と異なる部分を中心に説明する。
【0137】
図5において、実施例3にかかる除歪装置は、光源501、偏光素子502、被検測定物503、熱処理部512、光束分割手段505、偏光素子506、508、光量検出手段507、509、演算部510、制御部511により構成される。
【0138】
実施例3にかかる除歪装置は、被検測定物503が熱処理部512内に格納されている構成を有し、被検測定物503の熱処理工程における複屈折経時変化を計測し、その計測結果に基づいて制御部511により被検測定物503の複屈折量が所定の範囲内になるように熱処理条件を制御して被検測定物503の熱処理を行う装置である。
【0139】
図6において熱処理部512について説明する。
【0140】
熱処理部512は、サンプル収納保持室601を有するステンレス容器602、前記ステンレス容器602の外側周辺の側部、底部、及び上部に、それぞれ独立に温度制御が可能な加熱ヒーター等を内蔵する複数個の発熱体603、その周りを断熱壁604により囲まれた構成となっている。
【0141】
サンプル収納保持室601内の温度は温度制御部によって制御可能であり、ステンレス容器602の四方に設置された、それぞれ独立に温度制御が可能な複数個の発熱体603により容器を加熱することにより、サンプル収納保持室601内の温度むらを低減して、容器内に収納された被検測定物603をより均一に熱処理することができる。
【0142】
又、熱処理部512には、光源501より射出される光束Lをサンプル収納保持室601内に導くための導光管体605、及び被検測定物603の透過光束Lをサンプル収納室601外に射出するための導光管体606が設けられている。この導光管体605、606には、サンプル収納保持室601内の雰囲気と外部とを遮断するための透明シャッター607、608、透明石英窓、又は蛍石窓609、610等が設けられている。
【0143】
尚、被検測定物503は、レーザ光の入射面及び出射面の両面が平行になるように光学研磨が施されてあり、入射面及び出射面に対してレーザ光が垂直に入射及び出射するようにサンプル保持台611により保持されている。
【0144】
本実施例にかかる除歪装置によれば、被検測定物503の熱処理工程における複屈折量の経時変化をリアルタイムに計測することが可能となり、更にその結果に基づいて、制御部511により被検測定物503の熱処理条件(温度、保持時間、昇温速度、冷却速度等)をフィードバック制御することにより、被検測定物503の複屈折量の制御及び熱処理時間の短縮化が可能となる。
【0145】
尚、本実施例は光源501と偏光素子502の間に入射光束の偏光状態を直線偏光に変換する不図示の偏光素子を配置する構成も可能である。
【0146】
【実施例4】
図7は本発明の実施例4にかかる偏光状態検出装置の構成を示す概略図である。以下、図7を参照にしながら実施例4にかかる偏光状態検出装置を説明する。
【0147】
図7において、実施例4にかかる偏光状態検出装置は、光束分割手段701、702、偏光素子703、705、光量検出手段704、706、演算部707、制御部708により構成される。
【0148】
所望の装置の光源から射出される光束Lは偏光状態を保存した状態で2光束に分割する光束分割手段701により、光束Lと同じ偏光状態を有する光束Lと光束Lに分割される。一方の光束Lは実施例4にかかる偏光状態検出装置によって偏光状態を測定することに用いる。もう一方の光束Lは所望の装置に導入される。
【0149】
光束分割手段701により分割された被検光束Lは、光束分割手段702により同じ偏光状態を有する光束Lと光束Lに分割される。光束Lと光束Lは制御部708により光軸を中心として回転制御される偏光素子703、705を介して光量検出手段704、706に入射される。ここで偏光素子703、705は互いに直交ニコルの状態を保つように回転制御されている。
【0150】
光量検出手段704、706は、被検光束Lの偏光状態の情報を含む光信号としてこの光信号を検出し、その光信号の光強度に相当する検出信号を演算部707にリアルタイムに出力する。
【0151】
図7に示した本発明の実施例4の偏光状態検出方法について説明する。
【0152】
進行方向をZ軸とする被検光束Lの偏光状態は、その電界ベクトルを直交二成分に分解して(数32)で表される。ここで、A、Aは各成分の振幅、δはX成分とY成分の位相差を示している。
【0153】
【数32】
Figure 2004037137
【0154】
被検光束Lは、光束分割手段702により偏光状態を保存した状態で光束Lと光束Lに分割される。光束Lと光束Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数33)、(数34)で表される。ここで、r、r、t、tは光束分割手段702における平行平板のp偏光とs偏光に対する複素振幅反射率及び複素振幅透過率であり、予め計算か測定により求めておくことで、これら定数分は演算部707において補正演算を行う。
【0155】
【数33】
Figure 2004037137
【0156】
【数34】
Figure 2004037137
【0157】
光束L及び光束Lは互いに直交ニコルの状態を保つように回転制御されている偏光素子703、705を介して光量検出手段704、706に入射される。ここでは、回転面の基準方位(θ=0度)に対して、偏光素子703の透過軸方位を0度とし、偏光素子705の透過軸方位を90度としている。
【0158】
光量検出手段704及び光量検出手段706で受ける光束L及び光束Lの偏光状態はジョーンズベクトルにより(数35)、(数36)で表される。
【0159】
【数35】
Figure 2004037137
【0160】
【数36】
Figure 2004037137
【0161】
光量検出手段704及び光量検出手段706は光束L及び光束Lの光信号を検出し、光強度に相当する検出信号を演算部707にリアルタイムに出力し、補正演算を行う。光量検出手段704及び光量検出手段706で検出される補正後の光強度は(数37)、(数38)で表される。ただし、添え字は、複素共役な関係を示す。
【0162】
【数37】
Figure 2004037137
【0163】
【数38】
Figure 2004037137
【0164】
光量検出手段704及び光量検出手段706で受ける光強度I及びIは偏光素子703、705の回転角度θに対して正弦的に変化する。演算部707において回転角度θに対する光強度I及びIの強度比I/Iを算出し、(数39)により位相情報量Δに変換することで、被検光束Lの偏光状態の情報を表す変化曲線をモニタすることができる。
【0165】
【数39】
Figure 2004037137
【0166】
被検光束Lの回転角度θに対する位相情報量Δの出力例を図8に示す。図8において位相情報量Δが最小となるΔminと、その時の回転角度θminから、(数40)及び(数41)により、被検光束Lの偏光状態を表す情報としてX成分とY成分の位相差δ及び各成分の振幅比A/Aが算出される。
【0167】
【数40】
Figure 2004037137
【0168】
【数41】
Figure 2004037137
【0169】
又、被検光束Lの光量Iは(数42)で算出される。
【0170】
【数42】
Figure 2004037137
【0171】
本実施例にかかる偏光状態検出装置によれば、被検光束の光量変動の経時変化を計測するとともに、被検光束の偏光状態の経時変化を簡便に計測することが可能となる。本実施例の偏光状態検出装置は、各種照明装置、露光装置、光学測定装置、光学観察装置、干渉計等の偏光状態の変化が性能を左右する装置などに用いられる。
【0172】
【実施例5】
本発明の実施例5にかかる露光装置は、実施例4の偏光状態検出手段を有することを特徴とする露光装置である。本実施例にかかる露光装置によれば、露光装置の照明系の偏光状態を常時検出することが可能であるため、照明系を常に露光に適した偏光状態に保つようにフィードバック制御することが可能となる。又、照明系の偏光特性の変化に関わらず正確な露光量の検出を行うことが可能であるため、露光光量を高精度にフィードバック制御することが可能となる。
【0173】
【実施例6】
本発明の実施例6にかかるデバイス製造方法は、実施例5の露光装置を用いることを特徴とするデバイス製造方法である。本実施例にかかるデバイス製造方法によれば、かかる露光装置を使用することは、スループットを向上させるだけでなく、高品位なデバイスを提供することが可能となる。
【0174】
【発明の効果】
本発明にかかる複屈折測定装置は、測定光学系に4分の1波長板等の移相子を必要としないため、光源に紫外光を用いる簡便な複屈折測定が可能となる。更に、偏光状態を保存する光束分割手段を用いることにより、被検光束の有する複屈折情報を2つ以上の受光素子で検出することができるため、高速、且つ高精度な複屈折測定が可能となる。
【0175】
又、本発明にかかる除歪装置は、熱処理工程における光学部材の複屈折量の経時変化を計測し、熱処理条件をフィードバック制御することにより、光学部材の複屈折量の制御及び熱処理時間の短縮化が可能となる。
【0176】
又、本発明にかかる偏光状態検出装置は、被検光束の光量変動の経時変化を計測するとともに、被検光束の偏光状態の経時変化を計測することが可能となる。又、本発明にかかる露光装置は、照明系を常に露光に適した偏光状態に保つようにフィードバック制御し、露光光量を高精度にフィードバック制御することが可能となる。
【0177】
又、本発明にかかるデバイス製造方法は、スループットを向上させるだけでなく、高品位なデバイスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の複屈折測定装置の図である。
【図2】実施例1の光束分割装置の図である。
【図3】実施例1の出力例である。
【図4】実施例2の複屈折測定装置の図である。
【図5】実施例3の除歪装置の図である。
【図6】実施例3の熱処理部の図である。
【図7】実施例4の偏光状態検出装置の図である。
【図8】実施例4の出力例である。
【符号の説明】
101、401、501 光源
102、402、502 偏光素子
103、403、503 被検測定物
104、404 試料ステージ
105、405、505、701、702 偏光状態を保存して光束を分割する光束分割手段
106、406、506、108、408、508、703、705 偏光素子
107、407、507、109、409、509、704、706 光量検出手段
110、410、510、707 演算部
111、411、511、708 制御部
201、202、203、207、208 光束
204、205、206 平行平板
512 熱処理部
601 サンプル収納室
602 ステンレス容器
603 発熱体
604 断熱壁
605、606 導光管体
607、608 透明シャッター
609、610 透明石英窓、又は蛍石窓
611 サンプル保持台

Claims (30)

  1. 光源と、
    該光源からの光束の特定の偏光方向の光束を抽出する偏光素子1と、
    少なくとも1つの被検測定物と、
    該被検測定物を保持する試料ステージと、
    該試料ステージを制御する制御手段と、
    該被検測定物を射出した光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも1つの光束分割手段と、
    該光束分割手段により分割した光束の特定の偏光方向の光束を抽出する少なくとも2つの偏光素子2と、
    該偏光素子を透過した光束の光量を検出する少なくとも2つの光量検出手段と、
    該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、
    該被検測定物から射出される光束の偏光状態の情報を求めることを特徴とする複屈折測定装置。
  2. 上記光源は、パルス光源であることを特徴とする請求項1記載の複屈折測定装置。
  3. 上記光源は、エキシマレーザであることを特徴とする請求項2記載の複屈折測定装置。
  4. 上記偏光素子1は、直線偏光子から構成されることを特徴とする請求項1乃至3記載の複屈折測定装置。
  5. 上記偏光素子1は、該偏光素子1を光軸に対して回転可能な回転手段を有することを特徴とする請求項4記載の複屈折測定装置。
  6. 上記試料ステージは、該被検測定物を光軸に対して回転可能な回転手段を有することを特徴とする請求項5記載の複屈折測定装置。
  7. 上記試料ステージは、該被検測定物の測定範囲を手動又は自動で可変設定可能な測定位置可変手段を有することを特徴とする請求項6記載の複屈折測定装置。
  8. 上記試料ステージは、被測定物を被検光束に対して挿脱可能に設けた挿脱手段とを有することを特徴とする請求項7記載の複屈折測定装置。
  9. 上記光束分割手段は、入射光束の偏光状態を保存した状態で少なくとも2つの光束に分割することを特徴とする請求項8記載の複屈折測定装置。
  10. 上記偏光素子2は直線偏光子から構成されることを特徴とする請求項9記載の複屈折測定装置。
  11. 上記偏光素子2は、該偏光素子2を光軸に対して回転可能な回転手段を有することを特徴とする請求項10記載の複屈折測定装置。
  12. 上記偏光素子2は、上記偏光素子1に対して直交ニコルの状態に設定することを特徴とする請求項11記載の複屈折測定装置。
  13. 上記偏光素子2は、上記偏光素子1に対して平行ニコルの状態に設定することを特徴とする請求項12記載の複屈折測定装置。
  14. 上記演算手段は、上記被検測定物の回転角度に対する上記光量検出手段の出力結果に基づいて、該被検測定物から射出される光束の偏光状態変化を解析することを特徴とする請求項13記載の複屈折測定装置。
  15. 上記演算手段は、上記偏光素子1及び上記偏光素子2の回転角度に対する上記光量検出手段の出力結果に基づいて、該被検測定物から射出される光束の偏光状態変化を解析することを特徴とする請求項13記載の複屈折測定装置。
  16. 請求項14乃至15記載の複屈折測定装置において、上記演算手段による解析結果を基に、上記被検測定物の複屈折量及び主軸方位を算出することを特徴とする複屈折測定装置。
  17. 上記演算手段による測定結果を上記被検測定物における回転手段にフィードバックして該被検測定物の複屈折量及び主軸方位の精密測定を行うことを特徴とする請求項16記載の複屈折測定装置。
  18. 上記演算手段による測定結果を上記偏光素子1及び上記偏光素子2における回転手段にフィードバックして該被検測定物の複屈折量及び主軸方位の精密測定を行うことを特徴とする請求項16記載の複屈折測定装置。
  19. 光学部材に熱処理を施すことにより該光学部材の製造過程に生じた歪を除去する除歪装置において、該除歪装置内に請求項18記載の複屈折測定手段を有することを特徴とする除歪装置。
  20. 前記除歪装置において、光学部材の熱処理中における複屈折量を測定し、測定結果を熱処理部にフィードバックして該光学部材の複屈折量が所望の範囲内に収まるように熱処理条件を制御することを特徴とする請求項19記載の除歪装置。
  21. 入射光束を該入射光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも1つの光束分割手段と、少なくとも2つの偏光素子と、該偏光素子を回転制御する回転手段と、少なくとも2つの光量検出手段と、該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、該入射光束の偏光状態の情報を求めることを特徴とする偏光状態検出装置。
  22. 入射光束と、該入射光束を用いる装置と、該入射光束を該入射光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも2つの光束分割手段と、少なくとも2つの偏光素子と、該偏光素子を回転制御する回転手段と、少なくとも2つの光量検出手段と、該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、
    第1の該光束分割手段により分割した一方の光束は前記装置に用い、もう一方の光束は該入射光束の偏光状態の情報を求めることに用いることを特徴とする偏光状態検出装置。
  23. 更に前記偏光状態検出装置で求めた入射光束の偏光状態の情報を前記装置にフィードバックすることを特徴とする請求項22記載の偏光状態検出装置。
  24. 前記入射光束がパルス光であることを特徴とする請求項21乃至23記載の偏光状態検出装置。
  25. 光源と、前記光源からの入射光束を該入射光束と同じ偏光状態を有する2つの光束に分割する少なくとも2つの光束分割手段と、少なくとも2つの偏光素子と、該偏光素子を回転制御する回転手段と、少なくとも2つの光量検出手段と、該光量検出手段の受光光量を演算する演算手段とを有し、
    第1の該光束分割手段により分割した一方の光束は該入射光束の偏光状態の情報を求めることに用い、もう一方の光束は露光に用いることを特徴とする露光装置。
  26. 更に前記偏光状態の情報を前記露光装置にフィードバックし、露光パラメータを制御することを特徴とする請求項25記載の露光装置。
  27. 更に前記偏光状態の情報を前記光源にフィードバックし、該光源を制御することを特徴とする請求項26記載の露光装置。
  28. 上記光源は、パルス光源であることを特徴とする請求項27記載の露光装置。
  29. 上記光源は、エキシマレーザであることを特徴とする請求項28記載の露光装置。
  30. 請求項29記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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