JP2004036786A - 直動装置 - Google Patents
直動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004036786A JP2004036786A JP2002195815A JP2002195815A JP2004036786A JP 2004036786 A JP2004036786 A JP 2004036786A JP 2002195815 A JP2002195815 A JP 2002195815A JP 2002195815 A JP2002195815 A JP 2002195815A JP 2004036786 A JP2004036786 A JP 2004036786A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- leg
- slider
- main body
- legs
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C29/00—Bearings for parts moving only linearly
- F16C29/04—Ball or roller bearings
- F16C29/06—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load
- F16C29/0633—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides
- F16C29/0652—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides whereby the return paths are at least partly defined by separate parts, e.g. covers attached to the legs of the main body of the U-shaped carriage
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C29/00—Bearings for parts moving only linearly
- F16C29/04—Ball or roller bearings
- F16C29/06—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load
- F16C29/0602—Details of the bearing body or carriage or parts thereof, e.g. methods for manufacturing or assembly
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C29/00—Bearings for parts moving only linearly
- F16C29/04—Ball or roller bearings
- F16C29/06—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load
- F16C29/0633—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides
- F16C29/0652—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides whereby the return paths are at least partly defined by separate parts, e.g. covers attached to the legs of the main body of the U-shaped carriage
- F16C29/0654—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides whereby the return paths are at least partly defined by separate parts, e.g. covers attached to the legs of the main body of the U-shaped carriage with balls
- F16C29/0657—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides whereby the return paths are at least partly defined by separate parts, e.g. covers attached to the legs of the main body of the U-shaped carriage with balls with two rows of balls, one on each side of the rail
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
【課題】金属製の本体と合成樹脂製の成形体とが一体化されてなるスライダを備えた直動装置において、温度変化に伴ってスライダに変形が生じたり、転動体が正常に運動しない状態となることを回避する。
【解決手段】スライダ2を、金属製の本体4と、合成樹脂製の枠体5およびエンドキャップ6とで構成する。枠体5は本体4の外側に着脱自在に嵌合される。本体4に転動溝21aを設ける。枠体5に戻し通路21bと方向転換路の内側溝53を設ける。エンドキャップ6に方向転換路の外側溝63aを設ける。枠体5の外脚51の長さL5を本体4の内脚41の長さL4より小さくし、スライダの幅方向の寸法も、左右でそれぞれΔWだけ外脚51の方を小さくする。戻し通路21bの断面円の直径を、金属製のボール3の直径より大きくする。
【選択図】 図5
【解決手段】スライダ2を、金属製の本体4と、合成樹脂製の枠体5およびエンドキャップ6とで構成する。枠体5は本体4の外側に着脱自在に嵌合される。本体4に転動溝21aを設ける。枠体5に戻し通路21bと方向転換路の内側溝53を設ける。エンドキャップ6に方向転換路の外側溝63aを設ける。枠体5の外脚51の長さL5を本体4の内脚41の長さL4より小さくし、スライダの幅方向の寸法も、左右でそれぞれΔWだけ外脚51の方を小さくする。戻し通路21bの断面円の直径を、金属製のボール3の直径より大きくする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアガイド装置等の直動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リニアガイド装置の従来例を図8に示す。この図に示すように、リニアガイド装置は、案内レール1とスライダ(「ベアリング」とも称される。)2と複数個のボール(転動体)3とで構成される。
案内レール1は、長手方向に平行に延びる転動溝11を両側面に有する。スライダ2は、案内レール1の幅方向両側に配置される脚部2Aと、両脚部2Aを連結する水平部2Bとからなる。水平部2Bは、案内レール1の厚さ方向(長さ方向と幅方向の両方に垂直な方向)一端側(この図では、案内レール1の上面側)に配置されている。そして、スライダ2の両内側面が案内レール1の両側面に対向配置されている。
【0003】
スライダ2は、直動方向で本体21とエンドキャップ22とに分割され、エンドキャップ22が本体21の直動方向両端に配置されている。この本体21の両内側面に、案内レール1の転動溝11と対向する転動溝21aが形成されている。これらの転動溝11,21aでボール3の転動通路12が形成される。
スライダ2の本体21の転動溝21aより外側に、直線状の戻し通路21bが形成されている。エンドキャップ22の案内レール1の両側面に配置される部分(脚部2Aの外側部分)に、半円弧状の方向転換路22aが形成されている。この方向転換路22aで転動通路12と戻し通路21bとが連通され、これら各路でボール3を無限に循環させる循環経路25が構成される。
【0004】
このリニアガイド装置は循環経路を四本(二対四列)備えており、各循環経路25をボール3が転がることによって、スライダ2が案内レール1に沿ってスライドする。
従来のリニアガイド装置では、戻し通路21bを、金属製の本体21に穴あけ加工を施すことにより形成しているが、この作業には手間とコストがかかる。
【0005】
これに代わる方法として、実開昭61−85716号公報等には、スライダの脚部の外側に凹溝を設け、この凹溝を閉塞部材で覆い、この閉塞部材の長さ方向両端をエンドキャップに固定する方法が記載されている。この方法では、前記凹溝と閉塞部材の内面とで戻し通路が構成されている。
しかしながら、前記公報に記載の方法は、金属製の本体に穴あけ加工を施す方法よりも部品点数が増え、組み立てが煩雑となる。また、閉塞部材の固定が不十分となった場合に、部品が振動して騒音が発生することがある。
【0006】
また、特許第2846050号公報には、スライダを、金属製のブロックと、合成樹脂製の方環体と、合成樹脂製の一対のプレートとに分割することが記載されている。このスライダの両脚部は、幅方向でブロックと方環体およびプレートとに分割され、厚さ方向で(両脚部の幅方向外側部分は)方環体とプレートとに二分割されている。そして、連続している戻し通路と方向転換路が厚さ方向で二分割された形状の溝が、方環体とプレートにそれぞれ形成されている。
【0007】
この公報に記載のスライダでは、方向転換路が厚さ方向で二分割された溝により構成されていることから、転動溝から方向転換路へ(或いはその逆に)転動体を向かわせるためのタングと称される掬い上げ部も厚さ方向での二分割体からなるため、非分割体からなる場合と比較してタングの強度が低下する。
これらの問題点を解決できる提案として、特開平7−317762号公報には、少なくとも脚部の幅方向外側部分(戻し通路が形成されている部分)を、合成樹脂からなる成形体としてブロック体に一体成形することにより、戻し通路が非分割体で構成されているスライダを形成することが記載されている。
【0008】
また、このスライダの改良発明として、特開平9−291937号公報には、合成樹脂からなる成形体がブロック体から剥がれて位置ずれを起こすことを防止するために、ブロック体に係止凹溝を設けることが開示されている。このような構成とすることにより、成形体とブロック体との結合が強固なものとなり、ボール循環に伴う騒音の発生を防止できるようになると記載されている。
【0009】
さらに、特開平10−47343号公報には、脚部の幅方向外側部分(側面形成部)とブロック体の直動方向両端に配置される端面形成部とを、合成樹脂からなる成形体として、金属製のブロック体に一体成形されたスライダにおいて、両端面形成部をブロック体の上面で連結する上面形成部を、側面形成部および端面形成部と同時に一体成形することが開示されている。このような構成とすることにより、戻し通路が形成されている側面形成部が収縮し、この収縮力が端面形成部に作用しても、上面形成部がこの収縮力に抗して端面形成部を引っ張り、端面形成部がブロック体の端面に対して浮き上がることが防止されると記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−291937号公報および特開平10−47343号公報の記載のリニアガイド装置には、金属製のブロック体と合成樹脂製の成形体との線膨張率の差に起因する問題(温度変化に伴ってスライダに変形が生じたり、転動体が正常に運動しない状態となったりすること)を有効に解決するという点で、更なる改善の余地がある。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、金属製の本体と合成樹脂製の成形体とが一体化されてなるスライダを備えた直動装置において、温度変化に伴ってスライダに変形が生じたり、転動体が正常に運動しない状態となったりすることを効果的に防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、案内レールとスライダと複数個の転動体とで構成され、案内レールの幅方向両側面に、転動体の軌道溝が形成され、スライダは、案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、案内レールの厚さ方向一端側に配置されて両脚部を連結する水平部とからなり、前記両脚部の内側面に、案内レールの転動溝に対向配置される転動溝を有し、この転動溝と案内レールの転動溝とにより転動体の転動通路が形成され、前記両脚部の外側部分に転動体の戻し通路が形成され、前記両脚部にはまた、前記戻し通路と前記転動通路を連通させる方向転換路が形成され、前記転動通路、戻し通路、および方向転換路で構成された循環経路内を転動体が転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直動する直動装置において、前記スライダが、▲1▼前記転動溝を有し前記脚部の幅方向内側部分を成す内脚と、前記水平部の主要部分を成す部分(本体水平部)と、を備えた本体と、▲2▼前記内脚の幅方向外側に接触配置され、前記脚部の幅方向外側部分を成し、少なくとも前記戻し通路を備えた外脚と、を有し、▲3▼前記外脚は前記本体をなす材料よりも線膨張率が大きな材料で形成され、▲4▼前記外脚の寸法を、これに対応する前記本体の寸法より小さく(例えば、外脚の長さを内脚の長さより短く、外脚の幅を本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分の幅より狭く)したことを特徴とする直動装置を提供する。
【0013】
前記直動装置としては、前記本体は金属製であり、前記外脚は合成樹脂製である形態が挙げられる。
前記直動装置において、前記転動体が前記外脚をなす材料よりも線膨張率が小さな材料で形成されている場合は、前記戻し通路の断面円の直径を前記転動体の直径より大きくすることが好ましい。
【0014】
本発明はまた、案内レールとスライダと複数個の転動体とで構成され、案内レールの幅方向両側面に、転動体の軌道溝が形成され、スライダは、案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、案内レールの厚さ方向一端側に配置されて両脚部を連結する水平部とからなり、前記両脚部の内側面に、案内レールの転動溝に対向配置される転動溝を有し、この転動溝と案内レールの転動溝とにより転動体の転動通路が形成され、前記両脚部の外側部分に転動体の戻し通路が形成され、前記両脚部にはまた、前記戻し通路と前記転動通路を連通させる方向転換路が形成され、前記転動通路、戻し通路、および方向転換路で構成された循環経路内を転動体が転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直動する直動装置において、下記の▲5▼〜▲9▼および▲4▼を特徴とする直動装置を提供する。
▲5▼スライダは、金属製の本体と、この本体の外側に着脱自在に嵌合される合成樹脂製の枠体と、この枠体の直動方向両端に配置され、この枠体を介して本体に固定されるエンドキャップと、からなる。
▲6▼枠体は、前記脚部の幅方向外側部分をなす外脚と、水平部の直動方向端部分をなす枠体水平部とからなり、両外脚に戻し通路と方向転換路の内側溝を有し、両外脚の内側に凸部を有する。
▲7▼本体は、前記脚部の幅方向内側部分をなす内脚と、水平部の主要部分をなす本体水平部とからなり、両内脚の内側に転動溝を有し、前記凸部に対応する凹部を両内脚の外側に有し、この凹部に前記凸部が嵌合されることで本体と枠体が一体化される。
▲8▼エンドキャップは、前記脚部の直動方向端部分をなす端脚と、水平部の直動方向最端部分をなすエンドキャップ水平部とからなり、両端脚の前記枠体側に方向転換路の外側溝を有する。
▲9▼前記本体の両内脚の、前記凹部より下側端部間のスライダ幅方向での最長外寸法が、枠体の前記凸部間のスライダ幅方向での最短寸法より大きく形成され、前記着脱は、枠体を弾性変形させて、枠体水平部側から本体の脚部側を出し入れすることによりなされる。
▲4▼前記外脚の寸法を、これに対応する前記本体の寸法より小さく(例えば、外脚の長さを内脚の長さより短く、外脚の幅を本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分の幅より狭く)した。
【0015】
前記直動装置において、前記転動体が前記外脚をなす材料よりも線膨張率が小さな材料で形成されている場合は、前記戻し通路の断面円の直径を前記転動体の直径より大きくすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に相当するリニアガイド装置(直動装置)を示す斜視図である。このリニアガイド装置は、案内レール1とスライダ2と複数個のボール(転動体)3とで構成されている。
【0017】
案内レール1は、長手方向に平行に延びる転動溝11を両側面に有する。スライダ2は、案内レール1の幅方向両側に配置される脚部2Aと、両脚部2Aを連結する水平部2Bとからなる。水平部2Bは、案内レール1の厚さ方向一端側(この図では、案内レール1の上面側)に配置されている。そして、スライダ2の両内側面が案内レール1の両側面に対向配置されている。
【0018】
スライダ2の両脚部2Aの内側面に、案内レール1の転動溝11と対向する転動溝21aが形成されている。これらの転動溝11,21aでボール3の転動通路12が形成される。
両脚部2Aの外側部分に、ボールの戻し通路21bが直線状に形成され、さらに、この戻し通路21bと転動通路12を連通させる方向転換路22aが形成されている。戻し通路21bと転動通路12と方向転換路22aとで、ボール3を無限に循環させる循環経路25が構成されている。このリニアガイド装置は循環経路を二個(一対二列)備えており、各循環経路をボール3が転がることによって、スライダ2が案内レール1に沿ってスライドする。
【0019】
この実施形態のスライダ2は、SUS440Cからなる素材を引き抜き加工および切削加工することにより形成された本体4と、POM(ポリオキシメチレン樹脂)の射出成形により形成された枠体5およびエンドキャップ6とで構成されている。また、エンドキャップ6の外側にはサイドシール7が取り付けてある。
スライダ2の分解状態を、図2に斜視図で示す。また、本体4の正面図を図3に、枠体5の図2のA−A線断面図を図4に示す。
【0020】
これらの図に示すように、本体4は、両脚部2Aの幅方向内側部分をなす内脚41と、スライダ全体の水平部2Bの主要部分をなす本体水平部42とからなる。また、内脚41に転動溝21aが形成され、内脚41の外側に転動溝21aと平行な凹部43が設けてある。本体4の幅方向両端面において、凹部43と本体水平部42との間は、凹部43側の寸法が小さいテーパ状面44に形成されている。
【0021】
また、本体水平部42の直動方向両端面に、二個の雌ねじ45が形成されている。二個の雌ねじ45は、幅方向に所定間隔をおいて配置されている。本体水平部2Bの上面のスライダ幅方向中央部分に凹部46が形成され、この凹部46の両脇の外側部分47に、テーブル等の他部材取り付け用の二個の雌ねじ穴47aが、直動方向に所定間隔をおいて形成されている。
【0022】
枠体5は、両脚部2Aの幅方向外側部分をなす外脚51と、スライダ全体の水平部2Bの直動方向端部分をなす枠体水平部52とからなる。外脚51は、第一部分51aと第二部分51bとからなり、第一部分51aは両枠体水平部52を連結するように配置され、その内部に戻し通路21bが形成されている。第二部分51bは、第一部分51aから両枠体水平部52の外面方向に延びる半円弧状の突起であり、この突起に、戻し通路21bに連続する方向転換路22aの内側溝53が形成されている。
【0023】
第一部分51aと第二部分51bとの間に段差部51cが存在する。また、第一部分51aの上面(枠体水平部52側の面)は、本体4のテーパ状面44と嵌合するテーパ状面51dに形成されている。
外脚51の第一部分51aの内側に、戻し通路21bと平行な凸部54が形成されている。枠体水平部52に、本体4の雌ねじ45に対応する貫通穴55が形成されている。枠体水平部52の幅方向両端部には、エンドキャップ6との位置決め用の凹部56とこの凹部56の中心を貫通する貫通穴56aが形成されている。枠体水平部52の幅方向中央部には貫通穴57が形成されている。この貫通穴57は、エンドキャップ6に設けた貫通穴(グリースニップル取り付け穴)67と連通する穴である。
【0024】
エンドキャップ6は、枠体5の直動方向両端部に配置される部材であり、両脚部2Aの直動方向端部分をなす端脚61と、スライダ全体の水平部2Bの直動方向最端部分をなすエンドキャップ水平部62とからなる。端脚61の枠体側に、半円弧状の凹みを有する突起63が形成され、この突起63に方向転換路22aの外側溝63aが形成されている。この外側溝63aの幅方向内側の端部が、転動溝12からボール3を掬い上げるタング63bとなっている。また、両突起63の間に、エンドキャップ水平部62の下面から延びる板状材64が、両突起63と同じ突出長さで形成されている。
【0025】
また、エンドキャップ水平部62に、本体4の雌ねじ45に対応する貫通穴65が形成されている。エンドキャップ水平部62の幅方向両端部の内面には、枠体5との位置決め用の突起66と、この突起66の中心を貫通する貫通穴66aが形成されている。この突起66を枠体5の凹部56に嵌合することにより、枠体5の貫通穴56aとエンドキャップ6の貫通穴66aが連通する。
【0026】
エンドキャップ水平部62の幅方向中央部には貫通穴67が形成されている。この貫通穴67はグリースニップル取り付け穴であり、枠体5の貫通穴57はこれに連通するように形成され、サイドシール7にもこれに連通する貫通穴71が形成されている。また、端脚61の外面には、サイドシール7との位置決め用の凸部69が形成されている。
【0027】
ここで、本体4の内脚41の下端部(凹部43より本体水平部42から離れる側の端部)間のスライダ幅方向での最長外寸法W1(図3に表示)は、枠体5の凸部54間のスライダ幅方向での最短寸法W2(図4に表示)より大きく形成されている。
また、本体4と枠体5を一体化した状態での断面図(枠体5の断面は図4の断面に相当)を図5に示す。この実施形態では、本体4およびボール3がSUS440C製であり、枠体5がPOM製である。POMはSUS440Cより線膨張率が大きいため、温度変化による寸法変化量は、本体4およびボール3より枠体5の方が大きい。
【0028】
このことを考慮して、図5に示すように、枠体5の外脚51の長さ(スライダの厚さ方向の寸法)L5を本体4の内脚41の長さL4よりΔLだけ短くし、スライダの幅方向の寸法も左右でそれぞれΔWだけ小さくした。すなわち、外脚51の内脚41との接触位置での幅W5を、本体水平部42の内脚41より幅方向外側となる部分42aの幅W4より狭くした。また、戻し通路21bの断面円の直径を、ボール3の直径よりΔDだけ大きくした。
【0029】
なお、ΔL,ΔW,ΔDの各値は、使用環境で想定される温度範囲に応じて、POMとSUS440Cとの寸法変化量の差に対応させた値とする。例えば、L4が20mmのときに、ΔLを0.10mm〜0.20mmとし、本体水平部42の幅が40mmのときに、ΔWを0.10mm〜0.40mmとする。
スライダ2の組み立ては、手作業あるいはプレス加工によって行われる。手作業の場合には、先ず、枠体水平部52側から枠体5内に本体4の内脚(本体の脚部側)41を入れ、例えば、本体水平部42の上面の外側部分47と、枠体5の外脚51の第一部分51aの下面とのいずれか一方に親指を当て、他方に人指し指と中指を当てて、両手により左右同時に、親指と人指し指および中指とを近づける方向の力を加える。
【0030】
これにより、枠体5が図6に示すように弾性変形して、本体4の凹部43に枠体5の凸部54が嵌合される。また、本体4の内脚41と枠体5の外脚51の第一部材51aとが嵌合され、本体4のテーパ状面44と枠体5のテーパ状面51dとが嵌合され、本体4の本体水平部42の外面と枠体5の枠体水平部52の内面とが嵌合される。このようにして、本体4と枠体5が容易に一体化され、幅方向および直動方向および上下方向(厚さ方向)の位置決めが精密になされる。
【0031】
また、本体4を枠体5から外す際には、この一体化物の直動方向の一端を一方の手で持ち、他端を他方の手で持ち、それぞれの手において、例えば、本体4の本体水平部42の下面に親指を当て、枠体5の枠体水平部52の上面に人指し指と中指を当てて、親指で本体水平部42を上側に押す力と、人指し指と中指で枠体枠体水平部52の上面を下側に押す力を同時に加える。これにより、枠体5が図6に示すように弾性変形して、本体4と枠体5との各部の嵌合が解除される。
【0032】
前述のようにして本体4と枠体5を一体化した後、枠体4の直動方向両端にエンドキャップ6を配置し、エンドキャップ6の突起66を枠体5の凹部56に嵌合することにより、枠体5の段差部51cにエンドキャップ6の突起63が嵌め込まれる。また、エンドキャップ6の板状材64が枠体5の枠体水平部52の下面に嵌まり、枠体5の枠体水平部52の貫通穴55とエンドキャップ6の貫通穴65とが連通する。また、枠体5の貫通穴56aとエンドキャップ6の貫通穴66aが連通する。
【0033】
そして、貫通穴55,65にエンドキャップ6の外側からねじ18を通し、その先端を本体4の雌ねじ45に螺合させることで、ねじ18によりエンドキャップ6と枠体5が本体4に固定され、スライダ2が組み立てられる。
このようにして組み立てられたスライダ2と、ボール3と、案内レール1と、サイドシール7と、保持ワイヤWとを用いて、図1に示すリニアガイド装置を組み立てる。その際には、先ず、スライダ2の戻し通路21bと方向転換路22aと転動溝21aにボール3を入れて、転動溝21aに入れたボール3を保持ワイヤWで保持した後、このスライダ2を案内レール1に組み込む。
【0034】
次に、エンドキャップ6の凸部69を利用して、サイドシール7をスライダ2に位置決めし、貫通穴56a,66aを使用して、タッピンネジ72によりサイドシール7をスライダ2に固定する。次に、サイドシール7の貫通穴71を介して、エンドキャップ6の貫通穴(グリースニップル取り付け穴)67にグリースニップルを挿入する。
【0035】
この実施形態のリニアガイド装置によれば、スライダ2を、転動溝21aを有する本体4と、戻し通路21bと方向転換路22aの内側溝53を有する枠体5と、方向転換路22aの外側溝63aを有するエンドキャップ6とに分割しているため、戻し通路部分を含む成形体(この実施形態の枠体5に相当する部分)をブロック体に一体成形する前記特開平7−317762号公報に記載のスライダと比較して、成形後に転動溝形状の修正を容易に行うことができる。
【0036】
また、枠体5を単体で成形しているため、一体成形の場合よりも成形性が良好であるとともに、金型の構造を単純なものにできる。また、枠体5の生産が本体4の生産とは独立して進められるため、成形の効率を追求した生産体制をとることができる。さらに、本体4と枠体5は、前述のように手作業でも簡単に着脱することができ、枠体5はエンドキャップ6とともに、ネジ止めで本体4に容易にしかも確実に固定できる。このように、この実施形態のスライダ2は、前記特開平7−317762号公報に記載のスライダと比較して、生産性の点でも有利である。
【0037】
加えて、SUS440C製の本体4およびボール3とPOM製の枠体5との間にΔL,ΔW,ΔDの寸法差を設けたことで、温度変化に伴ってスライダ2に変形が生じたり、ボール3が正常に運動しない状態となったりすることが回避される。
なお、前記実施形態では、枠体5とエンドキャップ6をネジ止めで本体4に固定することにより、スライダを組み立てているが、本体と枠体とエンドキャップとからなるスライダは、ネジを使用せずに組み立てることもできる。例えば、合成樹脂同士の溶着を利用した方法で、枠体5とエンドキャップ6と本体4との固定を行っても良い。
【0038】
また、前記実施形態では、本体4の本体水平部42と凹部43との間にテーパ状面44を設け、このテーパ状面44に嵌合するテーパ状面51dを枠体5に設けているが、本発明においてこのテーパ状面44は必須要件ではなく、本体水平部42と内脚41との境界(凹部43より上側)が直角に形成されていてもよい。
【0039】
また、前記実施形態では、本体4と枠体5を別体で形成し、これを一体化してスライダ2を得ているが、例えば図7に示すように、少なくとも戻し通路21bを備え、枠体水平部52で連結されていない外脚51が、内脚41の幅方向外側に固定されている構造のスライダ2であってもよい。この例では、本体水平部42と内脚41との境界が直角に形成され、外脚51も断面が長方形に形成されている。
【0040】
そして、外脚51の長さ(スライダの厚さ方向の寸法)L5を本体4の内脚41の長さL4よりΔLだけ小さくし、外脚51の幅(スライダの幅方向の寸法)W5を、本体水平部42の内脚41より幅方向外側となる部分42aの幅W4より、左右でそれぞれΔWだけ小さくした。また、戻し通路21bの断面円の直径を、ボール3の直径よりΔDだけ大きくした。
【0041】
この場合も、ΔL,ΔW,ΔDの各値を、使用環境で想定される温度範囲に応じて、外脚51を構成する合成樹脂と本体4およびボール3を構成する金属との寸法変化量の差に対応させた値に設定する。
例えば、図7の構造では、ボール3の直径が4mm以下のときに、ΔDを0.1mm程度に、好ましくは0.15mm〜0.30mmとする。また、図7の構造でL4が20mmのとき、ΔLを例えば0.10mm〜0.20mmとし、W5が20mmのとき、ΔWを例えば0.10mm〜0.20mmとする。
【0042】
また、この実施形態では、循環経路を二本(一対二列)備えたリニアガイド装置(直動装置)について述べているが、本発明の直動装置は循環経路の本数に特徴があるものではなく、四本(二対四列)以上有するリニアガイド装置も本発明の直動装置に当然に含まれる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、金属製の本体と合成樹脂製の成形体とが一体化されてなるスライダを備えた直動装置において、温度変化に伴ってスライダに変形が生じたり、転動体が正常に運動しない状態となったりすることが回避される。
したがって、本発明によれば、作動性や取り付け精度の悪化や剛性の低下等を生じることなく、軽量化、低騒音化、およびコストダウンが達成された直動装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に相当するリニアガイド装置(直動装置)を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアガイド装置を構成するスライダの実施形態を示す図であって、このスライダの分解状態を示す斜視図である。
【図3】図2のスライダを構成する本体を示す正面図である。
【図4】図2のスライダを構成する枠体を示す図であって、図2のA−A線断面図に相当する。
【図5】図3の本体と図4の枠体を一体化した状態を示す断面図である。
【図6】図4の枠体の弾性変形状態を示す断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態に相当するリニアガイド装置を構成するスライダの断面図である。
【図8】リニアガイド装置の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 案内レール
11 転動溝
12 ボールの転動通路
18 ねじ(雄ねじ)
2 スライダ
2A スライダの脚部
2B スライダの水平部
21a 転動溝
21b ボールの戻し通路
22a 方向転換路
25 循環経路
3 ボール(転動体)
4 本体
41 内脚(脚部の幅方向内側部分)
42 本体水平部
42a 本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分
43 転動溝に沿った凹部
44 テーパ状面
45 雌ねじ
46 凹部
46A 凹部
47 凹部の両脇の外側部分
47a 雌ねじ穴
5 枠体
51 外脚(脚部の幅方向外側部分)
51a 外脚の第一部分
51b 外脚の第二部分
51c 段差部
51d テーパ状面
52 枠体水平部
53 方向転換路の内側溝
54 戻し通路に沿った凸部
55 本体の雌ねじに対応する貫通穴
56 エンドキャップとの位置決め用の凹部
56a 貫通穴
57 貫通穴
6 エンドキャップ
61 端脚(脚部の直動方向端部分)
62 エンドキャップ水平部
63 突起
63a 方向転換路の外側溝
63b タング
64 板状材
65 本体の雌ねじに対応する貫通穴
66 枠体との位置決め用の突起
66a 貫通穴
67 貫通穴(グリースニップル取り付け穴)
69 サイドシールとの位置決め用の凸部
7 サイドシール
71 貫通穴
72 タッピンネジ
L5 外脚の長さ
L4 内脚の長さ
W 保持ワイヤ
W1 内脚の下端部間のスライダ幅方向での最長外寸法
W2 枠体の凸部間のスライダ幅方向での最短寸法
W4 本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分の幅
W5 外脚の(内脚との接触位置での)幅
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアガイド装置等の直動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リニアガイド装置の従来例を図8に示す。この図に示すように、リニアガイド装置は、案内レール1とスライダ(「ベアリング」とも称される。)2と複数個のボール(転動体)3とで構成される。
案内レール1は、長手方向に平行に延びる転動溝11を両側面に有する。スライダ2は、案内レール1の幅方向両側に配置される脚部2Aと、両脚部2Aを連結する水平部2Bとからなる。水平部2Bは、案内レール1の厚さ方向(長さ方向と幅方向の両方に垂直な方向)一端側(この図では、案内レール1の上面側)に配置されている。そして、スライダ2の両内側面が案内レール1の両側面に対向配置されている。
【0003】
スライダ2は、直動方向で本体21とエンドキャップ22とに分割され、エンドキャップ22が本体21の直動方向両端に配置されている。この本体21の両内側面に、案内レール1の転動溝11と対向する転動溝21aが形成されている。これらの転動溝11,21aでボール3の転動通路12が形成される。
スライダ2の本体21の転動溝21aより外側に、直線状の戻し通路21bが形成されている。エンドキャップ22の案内レール1の両側面に配置される部分(脚部2Aの外側部分)に、半円弧状の方向転換路22aが形成されている。この方向転換路22aで転動通路12と戻し通路21bとが連通され、これら各路でボール3を無限に循環させる循環経路25が構成される。
【0004】
このリニアガイド装置は循環経路を四本(二対四列)備えており、各循環経路25をボール3が転がることによって、スライダ2が案内レール1に沿ってスライドする。
従来のリニアガイド装置では、戻し通路21bを、金属製の本体21に穴あけ加工を施すことにより形成しているが、この作業には手間とコストがかかる。
【0005】
これに代わる方法として、実開昭61−85716号公報等には、スライダの脚部の外側に凹溝を設け、この凹溝を閉塞部材で覆い、この閉塞部材の長さ方向両端をエンドキャップに固定する方法が記載されている。この方法では、前記凹溝と閉塞部材の内面とで戻し通路が構成されている。
しかしながら、前記公報に記載の方法は、金属製の本体に穴あけ加工を施す方法よりも部品点数が増え、組み立てが煩雑となる。また、閉塞部材の固定が不十分となった場合に、部品が振動して騒音が発生することがある。
【0006】
また、特許第2846050号公報には、スライダを、金属製のブロックと、合成樹脂製の方環体と、合成樹脂製の一対のプレートとに分割することが記載されている。このスライダの両脚部は、幅方向でブロックと方環体およびプレートとに分割され、厚さ方向で(両脚部の幅方向外側部分は)方環体とプレートとに二分割されている。そして、連続している戻し通路と方向転換路が厚さ方向で二分割された形状の溝が、方環体とプレートにそれぞれ形成されている。
【0007】
この公報に記載のスライダでは、方向転換路が厚さ方向で二分割された溝により構成されていることから、転動溝から方向転換路へ(或いはその逆に)転動体を向かわせるためのタングと称される掬い上げ部も厚さ方向での二分割体からなるため、非分割体からなる場合と比較してタングの強度が低下する。
これらの問題点を解決できる提案として、特開平7−317762号公報には、少なくとも脚部の幅方向外側部分(戻し通路が形成されている部分)を、合成樹脂からなる成形体としてブロック体に一体成形することにより、戻し通路が非分割体で構成されているスライダを形成することが記載されている。
【0008】
また、このスライダの改良発明として、特開平9−291937号公報には、合成樹脂からなる成形体がブロック体から剥がれて位置ずれを起こすことを防止するために、ブロック体に係止凹溝を設けることが開示されている。このような構成とすることにより、成形体とブロック体との結合が強固なものとなり、ボール循環に伴う騒音の発生を防止できるようになると記載されている。
【0009】
さらに、特開平10−47343号公報には、脚部の幅方向外側部分(側面形成部)とブロック体の直動方向両端に配置される端面形成部とを、合成樹脂からなる成形体として、金属製のブロック体に一体成形されたスライダにおいて、両端面形成部をブロック体の上面で連結する上面形成部を、側面形成部および端面形成部と同時に一体成形することが開示されている。このような構成とすることにより、戻し通路が形成されている側面形成部が収縮し、この収縮力が端面形成部に作用しても、上面形成部がこの収縮力に抗して端面形成部を引っ張り、端面形成部がブロック体の端面に対して浮き上がることが防止されると記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−291937号公報および特開平10−47343号公報の記載のリニアガイド装置には、金属製のブロック体と合成樹脂製の成形体との線膨張率の差に起因する問題(温度変化に伴ってスライダに変形が生じたり、転動体が正常に運動しない状態となったりすること)を有効に解決するという点で、更なる改善の余地がある。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、金属製の本体と合成樹脂製の成形体とが一体化されてなるスライダを備えた直動装置において、温度変化に伴ってスライダに変形が生じたり、転動体が正常に運動しない状態となったりすることを効果的に防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、案内レールとスライダと複数個の転動体とで構成され、案内レールの幅方向両側面に、転動体の軌道溝が形成され、スライダは、案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、案内レールの厚さ方向一端側に配置されて両脚部を連結する水平部とからなり、前記両脚部の内側面に、案内レールの転動溝に対向配置される転動溝を有し、この転動溝と案内レールの転動溝とにより転動体の転動通路が形成され、前記両脚部の外側部分に転動体の戻し通路が形成され、前記両脚部にはまた、前記戻し通路と前記転動通路を連通させる方向転換路が形成され、前記転動通路、戻し通路、および方向転換路で構成された循環経路内を転動体が転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直動する直動装置において、前記スライダが、▲1▼前記転動溝を有し前記脚部の幅方向内側部分を成す内脚と、前記水平部の主要部分を成す部分(本体水平部)と、を備えた本体と、▲2▼前記内脚の幅方向外側に接触配置され、前記脚部の幅方向外側部分を成し、少なくとも前記戻し通路を備えた外脚と、を有し、▲3▼前記外脚は前記本体をなす材料よりも線膨張率が大きな材料で形成され、▲4▼前記外脚の寸法を、これに対応する前記本体の寸法より小さく(例えば、外脚の長さを内脚の長さより短く、外脚の幅を本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分の幅より狭く)したことを特徴とする直動装置を提供する。
【0013】
前記直動装置としては、前記本体は金属製であり、前記外脚は合成樹脂製である形態が挙げられる。
前記直動装置において、前記転動体が前記外脚をなす材料よりも線膨張率が小さな材料で形成されている場合は、前記戻し通路の断面円の直径を前記転動体の直径より大きくすることが好ましい。
【0014】
本発明はまた、案内レールとスライダと複数個の転動体とで構成され、案内レールの幅方向両側面に、転動体の軌道溝が形成され、スライダは、案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、案内レールの厚さ方向一端側に配置されて両脚部を連結する水平部とからなり、前記両脚部の内側面に、案内レールの転動溝に対向配置される転動溝を有し、この転動溝と案内レールの転動溝とにより転動体の転動通路が形成され、前記両脚部の外側部分に転動体の戻し通路が形成され、前記両脚部にはまた、前記戻し通路と前記転動通路を連通させる方向転換路が形成され、前記転動通路、戻し通路、および方向転換路で構成された循環経路内を転動体が転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直動する直動装置において、下記の▲5▼〜▲9▼および▲4▼を特徴とする直動装置を提供する。
▲5▼スライダは、金属製の本体と、この本体の外側に着脱自在に嵌合される合成樹脂製の枠体と、この枠体の直動方向両端に配置され、この枠体を介して本体に固定されるエンドキャップと、からなる。
▲6▼枠体は、前記脚部の幅方向外側部分をなす外脚と、水平部の直動方向端部分をなす枠体水平部とからなり、両外脚に戻し通路と方向転換路の内側溝を有し、両外脚の内側に凸部を有する。
▲7▼本体は、前記脚部の幅方向内側部分をなす内脚と、水平部の主要部分をなす本体水平部とからなり、両内脚の内側に転動溝を有し、前記凸部に対応する凹部を両内脚の外側に有し、この凹部に前記凸部が嵌合されることで本体と枠体が一体化される。
▲8▼エンドキャップは、前記脚部の直動方向端部分をなす端脚と、水平部の直動方向最端部分をなすエンドキャップ水平部とからなり、両端脚の前記枠体側に方向転換路の外側溝を有する。
▲9▼前記本体の両内脚の、前記凹部より下側端部間のスライダ幅方向での最長外寸法が、枠体の前記凸部間のスライダ幅方向での最短寸法より大きく形成され、前記着脱は、枠体を弾性変形させて、枠体水平部側から本体の脚部側を出し入れすることによりなされる。
▲4▼前記外脚の寸法を、これに対応する前記本体の寸法より小さく(例えば、外脚の長さを内脚の長さより短く、外脚の幅を本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分の幅より狭く)した。
【0015】
前記直動装置において、前記転動体が前記外脚をなす材料よりも線膨張率が小さな材料で形成されている場合は、前記戻し通路の断面円の直径を前記転動体の直径より大きくすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に相当するリニアガイド装置(直動装置)を示す斜視図である。このリニアガイド装置は、案内レール1とスライダ2と複数個のボール(転動体)3とで構成されている。
【0017】
案内レール1は、長手方向に平行に延びる転動溝11を両側面に有する。スライダ2は、案内レール1の幅方向両側に配置される脚部2Aと、両脚部2Aを連結する水平部2Bとからなる。水平部2Bは、案内レール1の厚さ方向一端側(この図では、案内レール1の上面側)に配置されている。そして、スライダ2の両内側面が案内レール1の両側面に対向配置されている。
【0018】
スライダ2の両脚部2Aの内側面に、案内レール1の転動溝11と対向する転動溝21aが形成されている。これらの転動溝11,21aでボール3の転動通路12が形成される。
両脚部2Aの外側部分に、ボールの戻し通路21bが直線状に形成され、さらに、この戻し通路21bと転動通路12を連通させる方向転換路22aが形成されている。戻し通路21bと転動通路12と方向転換路22aとで、ボール3を無限に循環させる循環経路25が構成されている。このリニアガイド装置は循環経路を二個(一対二列)備えており、各循環経路をボール3が転がることによって、スライダ2が案内レール1に沿ってスライドする。
【0019】
この実施形態のスライダ2は、SUS440Cからなる素材を引き抜き加工および切削加工することにより形成された本体4と、POM(ポリオキシメチレン樹脂)の射出成形により形成された枠体5およびエンドキャップ6とで構成されている。また、エンドキャップ6の外側にはサイドシール7が取り付けてある。
スライダ2の分解状態を、図2に斜視図で示す。また、本体4の正面図を図3に、枠体5の図2のA−A線断面図を図4に示す。
【0020】
これらの図に示すように、本体4は、両脚部2Aの幅方向内側部分をなす内脚41と、スライダ全体の水平部2Bの主要部分をなす本体水平部42とからなる。また、内脚41に転動溝21aが形成され、内脚41の外側に転動溝21aと平行な凹部43が設けてある。本体4の幅方向両端面において、凹部43と本体水平部42との間は、凹部43側の寸法が小さいテーパ状面44に形成されている。
【0021】
また、本体水平部42の直動方向両端面に、二個の雌ねじ45が形成されている。二個の雌ねじ45は、幅方向に所定間隔をおいて配置されている。本体水平部2Bの上面のスライダ幅方向中央部分に凹部46が形成され、この凹部46の両脇の外側部分47に、テーブル等の他部材取り付け用の二個の雌ねじ穴47aが、直動方向に所定間隔をおいて形成されている。
【0022】
枠体5は、両脚部2Aの幅方向外側部分をなす外脚51と、スライダ全体の水平部2Bの直動方向端部分をなす枠体水平部52とからなる。外脚51は、第一部分51aと第二部分51bとからなり、第一部分51aは両枠体水平部52を連結するように配置され、その内部に戻し通路21bが形成されている。第二部分51bは、第一部分51aから両枠体水平部52の外面方向に延びる半円弧状の突起であり、この突起に、戻し通路21bに連続する方向転換路22aの内側溝53が形成されている。
【0023】
第一部分51aと第二部分51bとの間に段差部51cが存在する。また、第一部分51aの上面(枠体水平部52側の面)は、本体4のテーパ状面44と嵌合するテーパ状面51dに形成されている。
外脚51の第一部分51aの内側に、戻し通路21bと平行な凸部54が形成されている。枠体水平部52に、本体4の雌ねじ45に対応する貫通穴55が形成されている。枠体水平部52の幅方向両端部には、エンドキャップ6との位置決め用の凹部56とこの凹部56の中心を貫通する貫通穴56aが形成されている。枠体水平部52の幅方向中央部には貫通穴57が形成されている。この貫通穴57は、エンドキャップ6に設けた貫通穴(グリースニップル取り付け穴)67と連通する穴である。
【0024】
エンドキャップ6は、枠体5の直動方向両端部に配置される部材であり、両脚部2Aの直動方向端部分をなす端脚61と、スライダ全体の水平部2Bの直動方向最端部分をなすエンドキャップ水平部62とからなる。端脚61の枠体側に、半円弧状の凹みを有する突起63が形成され、この突起63に方向転換路22aの外側溝63aが形成されている。この外側溝63aの幅方向内側の端部が、転動溝12からボール3を掬い上げるタング63bとなっている。また、両突起63の間に、エンドキャップ水平部62の下面から延びる板状材64が、両突起63と同じ突出長さで形成されている。
【0025】
また、エンドキャップ水平部62に、本体4の雌ねじ45に対応する貫通穴65が形成されている。エンドキャップ水平部62の幅方向両端部の内面には、枠体5との位置決め用の突起66と、この突起66の中心を貫通する貫通穴66aが形成されている。この突起66を枠体5の凹部56に嵌合することにより、枠体5の貫通穴56aとエンドキャップ6の貫通穴66aが連通する。
【0026】
エンドキャップ水平部62の幅方向中央部には貫通穴67が形成されている。この貫通穴67はグリースニップル取り付け穴であり、枠体5の貫通穴57はこれに連通するように形成され、サイドシール7にもこれに連通する貫通穴71が形成されている。また、端脚61の外面には、サイドシール7との位置決め用の凸部69が形成されている。
【0027】
ここで、本体4の内脚41の下端部(凹部43より本体水平部42から離れる側の端部)間のスライダ幅方向での最長外寸法W1(図3に表示)は、枠体5の凸部54間のスライダ幅方向での最短寸法W2(図4に表示)より大きく形成されている。
また、本体4と枠体5を一体化した状態での断面図(枠体5の断面は図4の断面に相当)を図5に示す。この実施形態では、本体4およびボール3がSUS440C製であり、枠体5がPOM製である。POMはSUS440Cより線膨張率が大きいため、温度変化による寸法変化量は、本体4およびボール3より枠体5の方が大きい。
【0028】
このことを考慮して、図5に示すように、枠体5の外脚51の長さ(スライダの厚さ方向の寸法)L5を本体4の内脚41の長さL4よりΔLだけ短くし、スライダの幅方向の寸法も左右でそれぞれΔWだけ小さくした。すなわち、外脚51の内脚41との接触位置での幅W5を、本体水平部42の内脚41より幅方向外側となる部分42aの幅W4より狭くした。また、戻し通路21bの断面円の直径を、ボール3の直径よりΔDだけ大きくした。
【0029】
なお、ΔL,ΔW,ΔDの各値は、使用環境で想定される温度範囲に応じて、POMとSUS440Cとの寸法変化量の差に対応させた値とする。例えば、L4が20mmのときに、ΔLを0.10mm〜0.20mmとし、本体水平部42の幅が40mmのときに、ΔWを0.10mm〜0.40mmとする。
スライダ2の組み立ては、手作業あるいはプレス加工によって行われる。手作業の場合には、先ず、枠体水平部52側から枠体5内に本体4の内脚(本体の脚部側)41を入れ、例えば、本体水平部42の上面の外側部分47と、枠体5の外脚51の第一部分51aの下面とのいずれか一方に親指を当て、他方に人指し指と中指を当てて、両手により左右同時に、親指と人指し指および中指とを近づける方向の力を加える。
【0030】
これにより、枠体5が図6に示すように弾性変形して、本体4の凹部43に枠体5の凸部54が嵌合される。また、本体4の内脚41と枠体5の外脚51の第一部材51aとが嵌合され、本体4のテーパ状面44と枠体5のテーパ状面51dとが嵌合され、本体4の本体水平部42の外面と枠体5の枠体水平部52の内面とが嵌合される。このようにして、本体4と枠体5が容易に一体化され、幅方向および直動方向および上下方向(厚さ方向)の位置決めが精密になされる。
【0031】
また、本体4を枠体5から外す際には、この一体化物の直動方向の一端を一方の手で持ち、他端を他方の手で持ち、それぞれの手において、例えば、本体4の本体水平部42の下面に親指を当て、枠体5の枠体水平部52の上面に人指し指と中指を当てて、親指で本体水平部42を上側に押す力と、人指し指と中指で枠体枠体水平部52の上面を下側に押す力を同時に加える。これにより、枠体5が図6に示すように弾性変形して、本体4と枠体5との各部の嵌合が解除される。
【0032】
前述のようにして本体4と枠体5を一体化した後、枠体4の直動方向両端にエンドキャップ6を配置し、エンドキャップ6の突起66を枠体5の凹部56に嵌合することにより、枠体5の段差部51cにエンドキャップ6の突起63が嵌め込まれる。また、エンドキャップ6の板状材64が枠体5の枠体水平部52の下面に嵌まり、枠体5の枠体水平部52の貫通穴55とエンドキャップ6の貫通穴65とが連通する。また、枠体5の貫通穴56aとエンドキャップ6の貫通穴66aが連通する。
【0033】
そして、貫通穴55,65にエンドキャップ6の外側からねじ18を通し、その先端を本体4の雌ねじ45に螺合させることで、ねじ18によりエンドキャップ6と枠体5が本体4に固定され、スライダ2が組み立てられる。
このようにして組み立てられたスライダ2と、ボール3と、案内レール1と、サイドシール7と、保持ワイヤWとを用いて、図1に示すリニアガイド装置を組み立てる。その際には、先ず、スライダ2の戻し通路21bと方向転換路22aと転動溝21aにボール3を入れて、転動溝21aに入れたボール3を保持ワイヤWで保持した後、このスライダ2を案内レール1に組み込む。
【0034】
次に、エンドキャップ6の凸部69を利用して、サイドシール7をスライダ2に位置決めし、貫通穴56a,66aを使用して、タッピンネジ72によりサイドシール7をスライダ2に固定する。次に、サイドシール7の貫通穴71を介して、エンドキャップ6の貫通穴(グリースニップル取り付け穴)67にグリースニップルを挿入する。
【0035】
この実施形態のリニアガイド装置によれば、スライダ2を、転動溝21aを有する本体4と、戻し通路21bと方向転換路22aの内側溝53を有する枠体5と、方向転換路22aの外側溝63aを有するエンドキャップ6とに分割しているため、戻し通路部分を含む成形体(この実施形態の枠体5に相当する部分)をブロック体に一体成形する前記特開平7−317762号公報に記載のスライダと比較して、成形後に転動溝形状の修正を容易に行うことができる。
【0036】
また、枠体5を単体で成形しているため、一体成形の場合よりも成形性が良好であるとともに、金型の構造を単純なものにできる。また、枠体5の生産が本体4の生産とは独立して進められるため、成形の効率を追求した生産体制をとることができる。さらに、本体4と枠体5は、前述のように手作業でも簡単に着脱することができ、枠体5はエンドキャップ6とともに、ネジ止めで本体4に容易にしかも確実に固定できる。このように、この実施形態のスライダ2は、前記特開平7−317762号公報に記載のスライダと比較して、生産性の点でも有利である。
【0037】
加えて、SUS440C製の本体4およびボール3とPOM製の枠体5との間にΔL,ΔW,ΔDの寸法差を設けたことで、温度変化に伴ってスライダ2に変形が生じたり、ボール3が正常に運動しない状態となったりすることが回避される。
なお、前記実施形態では、枠体5とエンドキャップ6をネジ止めで本体4に固定することにより、スライダを組み立てているが、本体と枠体とエンドキャップとからなるスライダは、ネジを使用せずに組み立てることもできる。例えば、合成樹脂同士の溶着を利用した方法で、枠体5とエンドキャップ6と本体4との固定を行っても良い。
【0038】
また、前記実施形態では、本体4の本体水平部42と凹部43との間にテーパ状面44を設け、このテーパ状面44に嵌合するテーパ状面51dを枠体5に設けているが、本発明においてこのテーパ状面44は必須要件ではなく、本体水平部42と内脚41との境界(凹部43より上側)が直角に形成されていてもよい。
【0039】
また、前記実施形態では、本体4と枠体5を別体で形成し、これを一体化してスライダ2を得ているが、例えば図7に示すように、少なくとも戻し通路21bを備え、枠体水平部52で連結されていない外脚51が、内脚41の幅方向外側に固定されている構造のスライダ2であってもよい。この例では、本体水平部42と内脚41との境界が直角に形成され、外脚51も断面が長方形に形成されている。
【0040】
そして、外脚51の長さ(スライダの厚さ方向の寸法)L5を本体4の内脚41の長さL4よりΔLだけ小さくし、外脚51の幅(スライダの幅方向の寸法)W5を、本体水平部42の内脚41より幅方向外側となる部分42aの幅W4より、左右でそれぞれΔWだけ小さくした。また、戻し通路21bの断面円の直径を、ボール3の直径よりΔDだけ大きくした。
【0041】
この場合も、ΔL,ΔW,ΔDの各値を、使用環境で想定される温度範囲に応じて、外脚51を構成する合成樹脂と本体4およびボール3を構成する金属との寸法変化量の差に対応させた値に設定する。
例えば、図7の構造では、ボール3の直径が4mm以下のときに、ΔDを0.1mm程度に、好ましくは0.15mm〜0.30mmとする。また、図7の構造でL4が20mmのとき、ΔLを例えば0.10mm〜0.20mmとし、W5が20mmのとき、ΔWを例えば0.10mm〜0.20mmとする。
【0042】
また、この実施形態では、循環経路を二本(一対二列)備えたリニアガイド装置(直動装置)について述べているが、本発明の直動装置は循環経路の本数に特徴があるものではなく、四本(二対四列)以上有するリニアガイド装置も本発明の直動装置に当然に含まれる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、金属製の本体と合成樹脂製の成形体とが一体化されてなるスライダを備えた直動装置において、温度変化に伴ってスライダに変形が生じたり、転動体が正常に運動しない状態となったりすることが回避される。
したがって、本発明によれば、作動性や取り付け精度の悪化や剛性の低下等を生じることなく、軽量化、低騒音化、およびコストダウンが達成された直動装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に相当するリニアガイド装置(直動装置)を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアガイド装置を構成するスライダの実施形態を示す図であって、このスライダの分解状態を示す斜視図である。
【図3】図2のスライダを構成する本体を示す正面図である。
【図4】図2のスライダを構成する枠体を示す図であって、図2のA−A線断面図に相当する。
【図5】図3の本体と図4の枠体を一体化した状態を示す断面図である。
【図6】図4の枠体の弾性変形状態を示す断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態に相当するリニアガイド装置を構成するスライダの断面図である。
【図8】リニアガイド装置の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 案内レール
11 転動溝
12 ボールの転動通路
18 ねじ(雄ねじ)
2 スライダ
2A スライダの脚部
2B スライダの水平部
21a 転動溝
21b ボールの戻し通路
22a 方向転換路
25 循環経路
3 ボール(転動体)
4 本体
41 内脚(脚部の幅方向内側部分)
42 本体水平部
42a 本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分
43 転動溝に沿った凹部
44 テーパ状面
45 雌ねじ
46 凹部
46A 凹部
47 凹部の両脇の外側部分
47a 雌ねじ穴
5 枠体
51 外脚(脚部の幅方向外側部分)
51a 外脚の第一部分
51b 外脚の第二部分
51c 段差部
51d テーパ状面
52 枠体水平部
53 方向転換路の内側溝
54 戻し通路に沿った凸部
55 本体の雌ねじに対応する貫通穴
56 エンドキャップとの位置決め用の凹部
56a 貫通穴
57 貫通穴
6 エンドキャップ
61 端脚(脚部の直動方向端部分)
62 エンドキャップ水平部
63 突起
63a 方向転換路の外側溝
63b タング
64 板状材
65 本体の雌ねじに対応する貫通穴
66 枠体との位置決め用の突起
66a 貫通穴
67 貫通穴(グリースニップル取り付け穴)
69 サイドシールとの位置決め用の凸部
7 サイドシール
71 貫通穴
72 タッピンネジ
L5 外脚の長さ
L4 内脚の長さ
W 保持ワイヤ
W1 内脚の下端部間のスライダ幅方向での最長外寸法
W2 枠体の凸部間のスライダ幅方向での最短寸法
W4 本体水平部の内脚より幅方向外側となる部分の幅
W5 外脚の(内脚との接触位置での)幅
Claims (5)
- 案内レールとスライダと複数個の転動体とで構成され、
案内レールの幅方向両側面に、転動体の軌道溝が形成され、
スライダは、案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、案内レールの厚さ方向一端側に配置されて両脚部を連結する水平部とからなり、
前記両脚部の内側面に、案内レールの転動溝に対向配置される転動溝を有し、この転動溝と案内レールの転動溝とにより転動体の転動通路が形成され、前記両脚部の外側部分に転動体の戻し通路が形成され、前記両脚部にはまた、前記戻し通路と前記転動通路を連通させる方向転換路が形成され、
前記転動通路、戻し通路、および方向転換路で構成された循環経路内を転動体が転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直動する直動装置において、
前記スライダは、
前記転動溝を有し前記脚部の幅方向内側部分を成す内脚と、前記水平部の主要部分を成す部分と、を備えた本体と、
前記内脚の幅方向外側に接触配置され、前記脚部の幅方向外側部分を成し、少なくとも前記戻し通路を備えた外脚と、
を有し、
前記外脚は前記本体をなす材料よりも線膨張率が大きな材料で形成され、
前記外脚の寸法を、これに対応する前記本体の寸法より小さくしたことを特徴とする直動装置。 - 前記本体は金属製であり、前記外脚は合成樹脂製である請求項1記載の直動装置。
- 前記転動体は前記外脚をなす材料よりも線膨張率が小さな材料で形成され、前記戻し通路の断面円の直径を前記転動体の直径より大きくしたことを特徴とする請求項1記載の直動装置。
- 案内レールとスライダと複数個の転動体とで構成され、
案内レールの幅方向両側面に、転動体の軌道溝が形成され、
スライダは、案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、案内レールの厚さ方向一端側に配置されて両脚部を連結する水平部とからなり、
前記両脚部の内側面に、案内レールの転動溝に対向配置される転動溝を有し、この転動溝と案内レールの転動溝とにより転動体の転動通路が形成され、前記両脚部の外側部分に転動体の戻し通路が形成され、前記両脚部にはまた、前記戻し通路と前記転動通路を連通させる方向転換路が形成され、
前記転動通路、戻し通路、および方向転換路で構成された循環経路内を転動体が転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直動する直動装置において、
スライダは、金属製の本体と、この本体の外側に着脱自在に嵌合される枠体と、この枠体の直動方向両端に配置され、この枠体を介して本体に固定されるエンドキャップと、からなり、
枠体は、前記脚部の幅方向外側部分をなす外脚と、水平部の直動方向端部分をなす枠体水平部とからなり、両外脚に戻し通路と方向転換路の内側溝を有し、両外脚の内側に凸部を有し、
本体は、前記脚部の幅方向内側部分をなす内脚と、水平部の主要部分をなす本体水平部とからなり、両内脚の内側に転動溝を有し、前記凸部に対応する凹部を両内脚の外側に有し、この凹部に前記凸部が嵌合されることで本体と枠体が一体化され、
エンドキャップは、前記脚部の直動方向端部分をなす端脚と、水平部の直動方向最端部分をなすエンドキャップ水平部とからなり、両端脚の前記枠体側に方向転換路の外側溝を有し、
前記本体の両内脚の、前記凹部より下側端部間のスライダ幅方向での最長外寸法が、枠体の前記凸部間のスライダ幅方向での最短寸法より大きく形成され、
前記着脱は、枠体を弾性変形させて、枠体水平部側から本体の脚部側を出し入れすることによりなされ、
前記外脚の寸法を、これに対応する前記本体の寸法より小さくしたことを特徴とする直動装置。 - 前記転動体は前記外脚をなす材料よりも線膨張率が小さな材料で形成され、前記戻し通路の断面円の直径を前記転動体の直径より大きくしたことを特徴とする請求項4記載の直動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002195815A JP2004036786A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 直動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002195815A JP2004036786A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 直動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004036786A true JP2004036786A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31704086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002195815A Pending JP2004036786A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 直動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004036786A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014173648A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Nsk Ltd | 直動案内装置 |
WO2015174528A1 (ja) * | 2014-05-15 | 2015-11-19 | Thk株式会社 | 運動装置 |
-
2002
- 2002-07-04 JP JP2002195815A patent/JP2004036786A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014173648A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Nsk Ltd | 直動案内装置 |
WO2015174528A1 (ja) * | 2014-05-15 | 2015-11-19 | Thk株式会社 | 運動装置 |
JP2015218792A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | Thk株式会社 | 運動装置 |
US9777768B2 (en) | 2014-05-15 | 2017-10-03 | Thk Co., Ltd. | Movement device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1245845B1 (en) | Linear motion guide unit | |
US7175348B2 (en) | Linear guide apparatus and method for assembling the same | |
JP3412914B2 (ja) | 転がり案内装置および転がり案内装置の移動ブロックの製造方法 | |
US5435649A (en) | Linear motion guide unit | |
KR20060126313A (ko) | 리니어 가이드 장치 | |
JP4035363B2 (ja) | 直動案内ユニット | |
US6250805B1 (en) | Linear motion guide unit | |
JP5826537B2 (ja) | 直動案内ユニット | |
EP0427238B1 (en) | Linear guide device | |
JP4173420B2 (ja) | リニアガイド | |
EP0834664A1 (en) | Rolling motion guide unit and method of manufacturing movable member of the same | |
JP2004036786A (ja) | 直動装置 | |
US5092685A (en) | Sealing structure for linear motion bearing | |
JPH11315831A (ja) | 保持器強制ガイド付き直動ガイド | |
WO1999053208A1 (fr) | Corps relie par des galets et dispositif de guidage lineaire | |
JP2004108475A (ja) | 直動装置およびその製造方法 | |
JP4221962B2 (ja) | 直動装置 | |
JP2007032730A (ja) | 転がり案内装置 | |
JPH0639143Y2 (ja) | 小形無限直線運動用玉軸受の方向転換路の構成構造 | |
JP4173403B2 (ja) | 直動装置 | |
JP3256363B2 (ja) | 直線案内装置 | |
JP2004108537A (ja) | リニアガイド装置の製造方法、リニアガイド装置 | |
JP2008185044A (ja) | リニアガイド装置 | |
JPH064092Y2 (ja) | ミニアチュアリニアガイド装置の固定装置 | |
JP2004084818A (ja) | 直動装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050629 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070823 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080108 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080708 |