JP2004036533A - 多翼羽根車の製造方法 - Google Patents

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▲高▼田 泰成
Yasunari Takada
Kiminobu Shionoiri
塩野入 公宣
Takashi Tsubouchi
坪内 剛史
Satoshi Fukatsu
深津 諭
Mitsuhiko Ohira
大平 光彦
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】コストがかからず、特性のばらつきの少ない羽根径の大きなものに好適な多翼羽根車の製造方法を開発する。
【解決手段】両端に金属製のリング状の補強リング1を有し、この補強リング1間に周方向に多数の金属製の翼2が並んで装架され、それらの各翼2の内周部にわたってボス部を有する円形板状の主板を備えた多翼羽根車の製造にあたり、複数の翼2を単体として単独に作り、二つの補強リング1を成形できるダイカスト金型5に、単体として作った各翼2をセットして、ダイカスト成形して各翼2と補強リング1とを一体構造にしてから各翼2の内周部にわたって円形板状の主板3装着する。或いは、複数の翼2を単体として単独に作り、二つの補強リングと主板を成形できるダイカスト金型に、単体として作った各翼をセットして、ダイカスト成形して各翼と各補強リング及び主板とを一体構造にする。
【選択図】     図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として低融点金属のアルミニウムやマグネシウム合金によって構成される遠心ファンや横断流ファンに用いられる多翼羽根車の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遠心ファンや横断流ファンの主体となる多翼羽根車について、大風量形のものでは強度上、全体が金属材料で構成されている。この種の羽根径の大きな多翼羽根車は、多数の翼を両側において補強リングにカシメ付けて製造されているが、製造に手間がかかりコストも高くついている。これに対して、例えば、特開2001―193689号公報には、図8に示すような内周に多数の翼20を軸方向に備えたアルミニウムやマグネシウム合金のような低融点金属を押出し成形した円筒体21から、多翼羽根車を製造する技術が示されている。これは、押出し成形で得られた円筒体21を、所定の長さに切断した後、両端の補強リング部22を残して翼部分の外周肉部23を、切削加工して各翼を呈出させ、モーターの回転軸に連結する主板を結合するものである。こうして作られた多翼羽根車は、一体構造のため回転バランスも良く、騒音も低い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の多翼羽根車の製造方法において、羽根径の大きな多翼羽根車については、円筒体21を押出し成形する成形機が非常に大型になるうえ、金型の製作も困難である。また、羽根径が大きくなるほど強度上、円筒体21の肉厚を厚くしなくてはならず、翼部分の削り出しにおいて材料の大半を切削除去することになり、多量の廃材ができ、コストが高騰するといった問題点がある。
【0004】
本発明は、係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その課題とするところは、コストがかからず、特性のばらつきの少ない羽根径の大きなものに好適な多翼羽根車の製造方法を開発することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために請求項1の発明は、両端に金属製のリング状の補強リングを有し、補強リング間に周方向に多数の金属製の翼が並んで装架され、各翼の内周部にわたってボス部を有する円形板状の主板を備えた多翼羽根車の製造にあたり、複数の翼を単体として単独に作り、二つの補強リングを成形できるダイカスト金型に、単体として作った各翼をセットして、ダイカスト成形して各翼と各補強リングとを一体構造にしてから各翼の内周部にわたって円形板状の主板を装着する手段を採用する。
【0006】
前記課題を達成するために請求項2の発明は、両端に金属製のリング状の補強リングを有し、補強リング間に周方向に多数の金属製の翼が並んで装架され、各翼の内周部にわたってボス部を有する円形板状の主板を備えた多翼羽根車の製造にあたり、複数の翼を単体として単独に作り、二つの補強リングと主板を成形できるダイカスト金型に、単体として作った各翼をセットして、ダイカスト成形して各翼と各補強リング及び主板とを一体構造にする手段を採用する。
【0007】
前記課題を達成するために請求項3の発明は、請求項2に係る前記手段における主板のボス部を別工程で固着する手段を採用する。
【0008】
前記課題を達成するために請求項4の発明は、請求項2に係る前記手段における主板のボス部を主板のダイカスト成形とともに一体成形する手段を採用する。
【0009】
前記課題を達成するために請求項5の発明は、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記手段における複数の単体としての翼を、押出し成形物を分断して作る手段を採用する。
【0010】
前記課題を達成するために請求項6の発明は、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記手段における複数の単体としての翼を、板材に曲げ加工を施し、これを分断して作る手段を採用する。
【0011】
前記課題を達成するために請求項7の発明は、請求項1〜請求項5までのいずれかに係る前記手段における複数の単体としての翼の材料をアルミニウム材とする手段を採用する。
【0012】
前記課題を達成するために請求項8の発明は、請求項6に係る前記手段における複数の単体としての翼の材料を鉄材とする手段を採用する。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本実施の形態は、遠心ファンや横断流ファンのような送風機に用いられる図1や図2に示す多翼羽根車に関するものである。この多翼羽根車は、低融点金属のアルミニウムやマグネシウム合金によって構成した両端のリング状の補強リング1と、補強リング1間に周方向に装架した多数の湾曲板形状の翼2とで構成されている。各翼2の内周部には、各翼2の内周端縁にわたる円形板状の主板3が設けられ、主板3の中心に設けられたボス部4においてモーターの回転軸に装着される。
【0014】
この多翼羽根車は、図3に示すように複数の翼2を単体として個々に単独に作る工程と、図4に示すように二つの補強リングを成形できるダイカスト金型5に、単体として作った各翼2をセットする工程と、各翼2をセットしたダイカスト金型5にアルミニウムやマグネシウム合金等を圧入し、ダイカスト成形して各翼2と各補強リング1との一体構造の成形物を得る工程と、一体構造の成形物の各翼2の内周部にわたって円形板状の主板3をカシメ付けにより装着する最終工程を経て製造される。
【0015】
各翼2は、押出し成形により得られた長尺の湾曲翼材2Aを、所定長に切断するか、押出し成形により得られた平板翼材に、曲げ加工を施して湾曲させたものを所定長に切断したものが使われる。この各翼2の材料は、押出し成形によるアルミニウム板でもマグネシウム合金板でも、鉄の帯板でもよく、補強リング1を成形する二個のダイカスト金型5に両端部がインサートされセットされる。ダイカスト成形により、翼2と補強リング1とが一体化した成形物に中心にボス部4を持つ主板3を各翼2の内径にわたってカシメ付けて多翼羽根車が完成する。主板3については、図5に示すようにボス部4を一体成形したアルミニウムやマグネシウム合金の円板又は、図1に示すようにボス部4を後付けにした円板が使われる。
【0016】
この多翼羽根車の製造方法は、切削加工により翼を削り出すのではなく、ダイカスト成形の手法によるため廃材が出ず、歩留りがよく、低コストで多翼羽根車を製造することができる。強度上、補強リング1の肉厚が厚くなる羽根径の大きなものに好適な製造方法と言える。この製造方法によって得られる多翼羽根車は、特性のばらつきの少ない、低騒音のものである。翼2をアルミニウムやマグネシウム合金の押出し成形による湾曲翼材2Aで作ることは手軽な方法であるが、より安価な鉄板で作ることによりコストの低減を推進することができる。
【0017】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1で示した多翼羽根車の製造方法に関し、主板もダイカストで一体成形するようにしたものである。主板の製造過程に係ること以外は、実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1のものと同じ部分については、実施の形態1のものと同じ符号を用い、それらについての説明は省略する。
【0018】
本実施の形態では、単体として単独に作った複数の翼2を、二つの補強リング1と中央に主板3を成形できるダイカスト金型にセットして、ダイカスト成形して各翼2と各補強リング1及び主板3とを、図6や図7に示すような一体構造にするものである。ボス部4は、主板3に一体成形する方が主板3の回転トルクに対する強度の向上を図ることができるが、後付けによって主板3に固着する仕方を採用することにより、寸法の異なるボス部4を自由に取付けることができる。この製造方法によれば、全てが一体成形物の多翼羽根車となり、羽根強度の高い多翼羽根車が得られるうえ、ダイカスト金型の個数も少なく、カシメ付け加工も必要がないので製造コストをより低減することができる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、コストがかからず、特性のばらつきの少ない羽根径の大きなものに好適な多翼羽根車の製造方法が得られる。
【0020】
請求項2の発明によれば、コストがかからず、特性のばらつきの少ない羽根径の大きなものに好適な多翼羽根車の製造方法が得られ、多翼羽根車の強度も向上する。
【0021】
請求項3の発明によれば、請求項2に係る前記効果とともにボス部の大きさを自由に変えることができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、請求項2に係る前記効果とともに主板の回転トルクに対する強度を向上させることができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記効果とともに翼製作が簡単になり、低コスト化を推進できる。
【0024】
請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記効果とともに翼製作が簡単になり、低コスト化を推進できる。
【0025】
請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項5までのいずれかに係る前記効果とともに成形が容易になる。
【0026】
請求項8の発明によれば、請求項6に係る前記効果とともにコストの低減を推進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の製造方法で得られる多翼羽根車を示す側面図である。
【図2】実施の形態1の製造方法で得られる多翼羽根車を示す正面図である。
【図3】実施の形態1の製造方法の翼の製造過程を示す斜視図である。
【図4】実施の形態1の製造方法の製造過程を示す説明図である。
【図5】実施の形態1の製造方法による多翼羽根車の断面図である。
【図6】実施の形態2の製造方法による多翼羽根車の側面図である。
【図7】実施の形態2の製造方法による多翼羽根車の断面図である。
【図8】従来の多翼羽根車の製造方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 補強リング、 2 翼、 3 主板、 4 ボス部、 5 ダイカスト金型。

Claims (8)

  1. 両端に金属製のリング状の補強リングを有し、この補強リング間に周方向に多数の金属製の翼が並んで装架され、それらの各翼の内周部にわたってボス部を有する円形板状の主板を備えた多翼羽根車の製造にあたり、複数の翼を単体として単独に作り、二つの補強リングを成形できるダイカスト金型に、単体として作った各翼をセットして、ダイカスト成形して各翼と各補強リングとを一体構造にしてから各翼の内周部にわたって円形板状の主板を装着する多翼羽根車の製造方法。
  2. 両端に金属製のリング状の補強リングを有し、この補強リング間に周方向に多数の金属製の翼が並んで装架され、それらの各翼の内周部にわたってボス部を有する円形板状の主板を備えた多翼羽根車の製造にあたり、複数の翼を単体として単独に作り、二つの補強リングと主板を成形できるダイカスト金型に、単体として作った各翼をセットして、ダイカスト成形して各翼と各補強リング及び主板とを一体構造にする多翼羽根車の製造方法。
  3. 請求項2に記載の多翼羽根車の製造方法であって、主板のボス部を別工程で固着する多翼羽根車の製造方法。
  4. 請求項2に記載の多翼羽根車の製造方法であって、主板のボス部を主板のダイカスト成形とともに一体成形する多翼羽根車の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4までのいずれかに記載の多翼羽根車の製造方法であって、押出し成形物を分断して複数の単体としての翼を作る多翼羽根車の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項4までのいずれかに記載の多翼羽根車の製造方法であって、板材に曲げ加工を施し、これを分断して複数の単体としての翼を作る多翼羽根車の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項5までのいずれかに記載の多翼羽根車の製造方法であって、複数の単体としての翼の材料をアルミニウム材とした多翼羽根車の製造方法。
  8. 請求項6に記載の多翼羽根車の製造方法であって、複数の単体としての翼の材料を鉄材とした多翼羽根車の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101943182A (zh) * 2010-09-21 2011-01-12 浙江亿利达风机股份有限公司 一体式风机叶轮及其制造方法

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