JP2004036457A - ガスタービンにおける燃料切り替え制御装置 - Google Patents

ガスタービンにおける燃料切り替え制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスタービンの運転中に燃料を切り替えるとき、燃焼に与える影響を低減し、ガスタービンの回転数または出力電力の変動を抑制する。
【解決手段】使用中燃料から選択燃料への燃料切り替えに際して、使用中燃料の流量を減少させる比率をあらわす燃料減少比率発生関数31と、選択燃料の流量を増加させる比率をあらわす燃料増加比率発生関数32とを備える。燃料切り替え時には、発熱量を基本とした燃料流量目標値に対して、燃料減少比率発生関数31で決まる比率を乗じて使用中燃料の目標発熱量を求め、燃料増加比率発生関数32で決まる比率を乗じて選択燃料の目標発熱量を求める。求めた使用中燃料の目標発熱量に基づきその燃料の制御弁の開度指令を発生し、求めた選択燃料の目標発熱量に基づきその燃料の制御弁の開度指令を発生する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば工業用ガスタービンなど、複数種類の燃料を使用するガスタービンに適用されるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数種類の燃料を使用するガスタービンにおいて、運転中に燃料の種類を切り替える場合、従来は、例えば2種類の燃料を切り替えるとすると、一方の燃料の流量を時間に対して変化させるとともに、他方の燃料の流量は、全体の燃料流量から前記一方の燃料の流量を減算することによって決定していた。なお、この場合の燃料流量は、質量流量もしくは体積流量の絶対値である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガスタービンの運転中に燃料の種類を切り替える場合、それまで使用中の燃料に代わって新たに使用する燃料側は、燃料制御弁、燃料遮断弁から燃焼器内の燃料ノズルまでの配管の中に燃料がないため、従来の切り替え方法では、切り替え直後からこれらの配管の中に燃料が充満されるまでの間、燃焼に寄与する燃料はそれまで使用中の燃料側だけから供給されることになり、しかも、新たに使用される燃料側の配管の中に燃料が充満されるまでに要する時間が不明であるため、正しく制御することは不可能である。
【0004】
そのため、燃料の切り替えにともなって、ガスタービンの回転数または出力電力が大きくしかも予測不能に変動することが避けられず、例えば、使用中の燃料と新たに使用する燃料とが発熱量に大きな差異のあるような場合は、事実上燃料切り替えができないこともあるという問題があった。
【0005】
この発明の課題は、上記従来のもののもつ問題点を排除して、ガスタービンの運転中に燃料を切り替えるとき、その燃料切り替えが燃焼に与える影響を低減することができ、それにより、運転中の燃料切り替えにともなうガスタービンの回転数または出力電力の変動を抑制することのできるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、ガスタービンの運転中に、使用中の燃料を燃料選択信号により選択された燃料に切り替える燃料切り替え制御装置において、燃料切り替えに際して、使用中の燃料の流量を減少させる時間に対する減少比率をあらわす燃料減少比率発生関数と、選択された燃料の流量を増加させる時間に対する増加比率をあらわす燃料増加比率発生関数とを備え、前記燃料選択信号に基づき燃料を切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記燃料減少比率発生関数で決まる比率を乗じて使用中の燃料の目標発熱量を求めるとともに、前記燃料増加比率発生関数で決まる比率を乗じて選択された燃料の目標発熱量を求め、求めた使用中の燃料の目標発熱量に基づき当該燃料の制御弁の開度指令を発生するとともに、求めた選択された燃料の目標発熱量に基づき当該燃料の制御弁の開度指令を発生するように構成したガスタービンにおける燃料切り替え制御装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、ガスタービンの運転中に燃料選択信号に基づき燃料Aと燃料Bとを切り替える燃料切り替え制御装置において、燃料Aから燃料Bへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第1燃料比率発生関数、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第2燃料比率発生関数と、燃料Bから燃料Aへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第3燃料比率発生関数、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第4燃料比率発生関数とを備え、前記燃料選択信号に基づき燃料Aから燃料Bへ切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記第1燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、前記第2燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求め、一方、燃料Bから燃料Aへ切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記第3燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、前記第4燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求め、求めた燃料Aの目標発熱量に基づき燃料Aの制御弁の開度指令を発生するとともに、求めた燃料Bの目標発熱量に基づき燃料Bの制御弁の開度指令を発生するように構成したガスタービンにおける燃料切り替え制御装置である。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記燃料減少比率発生関数および燃料増加比率発生関数の引数となる時間、または、前記第1〜第4燃料比率発生関数の引数となる時間は、タイマにより任意に設定可能であるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置である。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記燃料減少比率発生関数および燃料増加比率発生関数の時間/比率の相関形状、または、前記第1〜第4燃料比率発生関数の時間/比率の相関形状は、ガスタービンの特性に合わせて任意に設定可能であるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明によるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置の一実施の形態を示すブロック図であり、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置10は、図示しないガスタービンの運転中に、使用中の燃料を、燃料選択信号により選択された燃料に切り替えるものである。
【0011】
そのため、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置10は、燃料切り替えに際して、使用中の燃料(以下、「使用中燃料」という。)の流量を減少させる時間に対する減少比率をあらわす燃料減少比率発生関数31と、選択された燃料(以下、「選択燃料」という。)の流量を増加させる時間に対する増加比率をあらわす燃料増加比率発生関数32とを備えている。これらの燃料減少比率発生関数31および燃料増加比率発生関数32は、いずれも、横軸に時間を、縦軸に該当する燃料の減少または増加の比率をとった2次元テーブルデータを備え、時間の値を基に、該当する燃料の減少比率または増加比率を求めるようになっている。
【0012】
そして、図中31のブロック内に、燃料減少比率発生関数31の時間/比率の相関形状を概略的に図示してあり、また、図中32のブロック内に、燃料増加比率発生関数32の時間/比率の相関形状を概略的に図示してあるが、これらの時間/比率の相関形状は、ガスタービンの特性に合わせて任意に設定できるものであり、一旦設定後も運転してみて任意に変更できるものである。
【0013】
また、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置10は、燃料選択信号の立ち上がりまたは立ち下がりを検出して切り替え開始のトリガとする微分器11と、微分器11による切り替え開始から時間を積算していき、燃料減少比率発生関数31および燃料増加比率発生関数32の引数とするタイマ21とを備えている。
【0014】
また、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置10は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、燃料減少比率発生関数31から出力される燃料減少比率を乗じて使用中燃料の目標発熱量を求める使用中燃料比率掛算器51と、求めた使用中燃料の目標発熱量に基づいて、使用中燃料の制御弁の流量特性に応じた開度指令を発生する使用中燃料制御弁開度指令発生器61とを備えている。また、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、燃料増加比率発生関数32から出力される燃料増加比率を乗じて選択燃料の目標発熱量を求める選択燃料比率掛算器52と、求めた選択燃料の目標発熱量に基づいて、選択燃料の制御弁の流量特性に応じた開度指令を発生する選択燃料制御弁開度指令発生器62とを備えている。これらの使用中燃料制御弁開度指令発生器61および選択燃料制御弁開度指令発生器62は、いずれも、横軸に発熱量を、縦軸に該当する燃料制御弁の開度をとった2次元テーブルデータを備え、発熱量の値を基に、該当する燃料制御弁の開度を求めるようになっている。
【0015】
次に、上記の実施の形態の作用について説明する。
燃料選択信号に基づいて燃料を切り替える際は、使用中燃料比率掛算器51が、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、燃料減少比率発生関数31で決まる比率を乗じて使用中燃料の目標発熱量を求めるとともに、選択燃料比率掛算器52が、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、燃料増加比率発生関数32で決まる比率を乗じて選択燃料の目標発熱量を求める。
【0016】
そして、使用中燃料比率掛算器51で求めた使用中燃料の目標発熱量に基づいて、使用中燃料制御弁開度指令発生器61が使用中燃料の制御弁の開度指令を発生するとともに、選択燃料比率掛算器52で求めた選択燃料の目標発熱量に基づいて、選択燃料制御弁開度指令発生器62が選択燃料の制御弁の開度指令を発生する。
【0017】
これにより、燃料減少比率発生関数31で決まる比率および燃料増加比率発生関数32で決まる比率を好適に設定しておくことで、ガスタービンの運転中に燃料を切り替えるとき、その燃料切り替えが燃焼に与える影響を低減することができ、運転中の燃料切り替えにともなうガスタービンの回転数または出力電力の変動を抑制することができる。
【0018】
しかも、発熱量を基本とし目標発熱量に基づいて、使用中燃料の制御弁開度および選択燃料の制御弁開度を調整できるため、使用中燃料と選択燃料とが発熱量に大きな差異のある場合でも、支障なく燃料切り替えを実現することができる。
【0019】
また、燃料減少比率発生関数31および燃料増加比率発生関数32の引数となる時間は、タイマ21により任意に設定可能であるため、燃料切り替えに要する時間をガスタービンに合わせることができる。
【0020】
図2は、この発明によるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置の他の実施の形態を示すブロック図であり、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置100は、図示しないガスタービンの運転中に、燃料選択信号に基づき、燃料Aと燃料Bとを切り替えるものである。
【0021】
そのため、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置100は、燃料Aから燃料Bへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第1燃料比率発生関数131、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第2燃料比率発生関数132と、燃料Bから燃料Aへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第3燃料比率発生関数133、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第4燃料比率発生関数134とを備えている。これらの第1〜第4燃料比率発生関数131〜134は、いずれも、横軸に時間を、縦軸に該当する燃料の比率をとった2次元テーブルデータを備え、時間の値を基に、該当する燃料の比率を求めるようになっている。
【0022】
そして、図中131のブロック内に、第1燃料比率発生関数131の時間/比率の相関形状を概略的に図示してあり、また、図中132のブロック内に、第2燃料比率発生関数132の時間/比率の相関形状を概略的に図示してあり、また、図中133のブロック内に、第3燃料比率発生関数133の時間/比率の相関形状を概略的に図示してあり、さらに、図中134のブロック内に、第4燃料比率発生関数134の時間/比率の相関形状を概略的に図示してあるが、これらの時間/比率の相関形状は、ガスタービンの特性に合わせて任意に設定できるものであり、一旦設定後も運転してみて任意に変更できるものである。
【0023】
また、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置100は、燃料選択信号の立ち上がり(すなわち、使用中の燃料Aから切り替える燃料Bを選択する信号)を検出して切り替え開始のトリガとする第1微分器111と、第1微分器111による切り替え開始から時間を積算していき、第1燃料比率発生関数131および第2燃料比率発生関数132の引数とする第1タイマ121とを備えている。また、燃料選択信号の立ち下がり(すなわち、使用中の燃料Bから切り替える燃料Aを選択する信号)を検出して切り替え開始のトリガとする第2微分器112と、第2微分器112による切り替え開始から時間を積算していき、第3燃料比率発生関数133および第4燃料比率発生関数134の引数とする第2タイマ122とを備えている。
【0024】
また、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置100は、第1燃料比率発生関数131の出力または第3燃料比率発生関数133の出力のいずれかを選択する第1選択スイッチ141と、第2燃料比率発生関数132の出力または第4燃料比率発生関数134の出力のいずれかを選択する第2選択スイッチ142とを備えている。これらの第1、第2選択スイッチ141、142は、燃料切り替え方向が燃料Aから燃料Bへのときは、第1微分器111による切り替え開始をスイッチ切り替え信号として、第1燃料比率発生関数131から出力される燃料Aの比率、および、第2燃料比率発生関数132から出力される燃料Bの比率を選択する一方、燃料切り替え方向が燃料Bから燃料Aへのときは、第2微分器112による切り替え開始をスイッチ切り替え信号として、第3燃料比率発生関数133から出力される燃料Aの比率、および、第4燃料比率発生関数134から出力される燃料Bの比率を選択するようになっている。
【0025】
また、このガスタービンにおける燃料切り替え制御装置100は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、第1選択スイッチ141で選択された第1燃料比率発生関数131または第3燃料比率発生関数133から出力される燃料Aの比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求める第1燃料比率掛算器151と、求めた燃料Aの目標発熱量に基づいて、燃料Aの制御弁の流量特性に応じた開度指令を発生する第1燃料制御弁開度指令発生器161とを備えている。また、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、第2選択スイッチ142で選択された第2燃料比率発生関数132または第4燃料比率発生関数134から出力される燃料Bの比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求める第2燃料比率掛算器152と、求めた燃料Bの目標発熱量に基づいて、燃料Bの制御弁の流量特性に応じた開度指令を発生する第2燃料制御弁開度指令発生器162とを備えている。これらの第1、第2燃料制御弁開度指令発生器161、162は、いずれも、横軸に発熱量を、縦軸に該当する燃料制御弁の開度をとった2次元テーブルデータを備え、発熱量の値を基に、該当する燃料制御弁の開度を求めるようになっている。
【0026】
次に、上記の実施の形態の作用について説明する。
燃料選択信号に基づき燃料Aから燃料Bへ切り替える際は、第1燃料比率掛算器151が、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、第1燃料比率発生関数131で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、第2燃料比率掛算器152が、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、第2燃料比率発生関数132で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求める。
【0027】
そして、第1燃料比率掛算器151で求めた燃料Aの目標発熱量に基づいて、第1燃料制御弁開度指令発生器161が燃料Aの制御弁の開度指令を発生するとともに、第2燃料比率掛算器152で求めた燃料Bの目標発熱量に基づいて、第2燃料制御弁開度指令発生器162が燃料Bの制御弁の開度指令を発生する。
【0028】
一方、燃料選択信号に基づき燃料Bから燃料Aへ切り替える際は、第1燃料比率掛算器151が、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、第3燃料比率発生関数133で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、第2燃料比率掛算器152が、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、第4燃料比率発生関数134で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求める。
【0029】
そして、第1燃料比率掛算器151で求めた燃料Aの目標発熱量に基づいて、第1燃料制御弁開度指令発生器161が燃料Aの制御弁の開度指令を発生するとともに、第2燃料比率掛算器152で求めた燃料Bの目標発熱量に基づいて、第2燃料制御弁開度指令発生器162が燃料Bの制御弁の開度指令を発生する。
【0030】
これにより、第1燃料比率発生関数131で決まる比率および第2燃料比率発生関数132で決まる比率を好適に設定しておくことで、または、第3燃料比率発生関数133で決まる比率および第4燃料比率発生関数134で決まる比率を好適に設定しておくことで、ガスタービンの運転中に燃料を切り替えるとき、その燃料切り替えが燃焼に与える影響を低減することができ、運転中の燃料切り替えにともなうガスタービンの回転数または出力電力の変動を抑制することができる。
【0031】
しかも、発熱量を基本とし目標発熱量に基づいて、燃料Aの制御弁開度および燃料Bの制御弁開度を調整できるため、燃料Aと燃料Bとが発熱量に大きな差異のある場合でも、支障なく燃料切り替えを実現することができる。
【0032】
また、第1燃料比率発生関数131および第2燃料比率発生関数132の引数となる時間、または、第3燃料比率発生関数133および第4燃料比率発生関数134の引数となる時間は、第1タイマ121または第2タイマ122により任意に設定可能であるため、燃料切り替えに要する時間をガスタービンに合わせることができる。
【0033】
図3は、ガスタービンの運転中に液体燃料から気体燃料へ切り替えた場合の時間(横軸)と燃料制御弁開度およびガスタービンの回転数(縦軸)との関係を示す図である。
【0034】
図3に示すように、まず気体燃料の制御弁を開き始め、続いて液体燃料の制御弁を絞り始め、気体燃料の制御弁開度と液体燃料の制御弁開度とが逆転したのち、切り替え開始(気体燃料の制御弁開指令)から約6秒後に液体燃料の制御弁を絞り切り、気体燃料の制御弁はその後所定の開度に安定する。これにより、回転数は切り替え途中でわずかに上昇するが、許容範囲内に抑えることができる。
【0035】
図4は、ガスタービンの運転中に気体燃料から液体燃料へ切り替えた場合の時間(横軸)と燃料制御弁開度およびガスタービンの回転数(縦軸)との関係を示す図である。
【0036】
図4に示すように、まず液体燃料の制御弁を開き始め、その後しばらくしてから気体燃料の制御弁を絞り始め、液体燃料の制御弁開度と気体燃料の制御弁開度とが逆転したのち、切り替え開始(液体燃料の制御弁開指令)から約15秒後に気体燃料の制御弁を絞り切り、これとほぼ同時に液体燃料の制御弁が所定の開度に安定する。これにより、回転数は切り替え途中でわずかに下降するが、許容範囲内に抑えることができる。
【0037】
実際に試運転してみたところ、定格回転数14550回/分に対して、切り替え時の回転数の変動は100回/分程度であり、実用上まったく問題ない範囲に変動を抑えることができた。
【0038】
なお、上記の実施の形態では、使用中燃料から選択燃料への燃料切り替え、および、燃料Aと燃料Bとの燃料切り替えについて説明したが、これに限定するものでなく、例えば、3種類またはそれ以上の種類の燃料切り替えについても適用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
この発明は以上のように、ガスタービンの運転中に、使用中の燃料を燃料選択信号により選択された燃料に切り替える燃料切り替え制御装置において、燃料切り替えに際して、使用中の燃料の流量を減少させる時間に対する減少比率をあらわす燃料減少比率発生関数と、選択された燃料の流量を増加させる時間に対する増加比率をあらわす燃料増加比率発生関数とを備え、前記燃料選択信号に基づき燃料を切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記燃料減少比率発生関数で決まる比率を乗じて使用中の燃料の目標発熱量を求めるとともに、前記燃料増加比率発生関数で決まる比率を乗じて選択された燃料の目標発熱量を求め、求めた使用中の燃料の目標発熱量に基づき当該燃料の制御弁の開度指令を発生するとともに、求めた選択された燃料の目標発熱量に基づき当該燃料の制御弁の開度指令を発生するように構成したので、燃料減少比率発生関数で決まる比率および燃料増加比率発生関数で決まる比率を好適に設定することで、ガスタービンの運転中に燃料を切り替えるとき、その燃料切り替えが燃焼に与える影響を低減することができ、それにより、運転中の燃料切り替えにともなうガスタービンの回転数または出力電力の変動を抑制することができる効果がある。
【0040】
また、この発明は、ガスタービンの運転中に燃料選択信号に基づき燃料Aと燃料Bとを切り替える燃料切り替え制御装置において、燃料Aから燃料Bへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第1燃料比率発生関数、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第2燃料比率発生関数と、燃料Bから燃料Aへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第3燃料比率発生関数、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第4燃料比率発生関数とを備え、前記燃料選択信号に基づき燃料Aから燃料Bへ切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記第1燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、前記第2燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求め、一方、燃料Bから燃料Aへ切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記第3燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、前記第4燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求め、求めた燃料Aの目標発熱量に基づき燃料Aの制御弁の開度指令を発生するとともに、求めた燃料Bの目標発熱量に基づき燃料Bの制御弁の開度指令を発生するように構成したので、第1燃料比率発生関数で決まる比率および第2燃料比率発生関数で決まる比率を好適に設定することで、または、第3燃料比率発生関数で決まる比率および第4燃料比率発生関数で決まる比率を好適に設定することで、ガスタービンの運転中に燃料を切り替えるとき、その燃料切り替えが燃焼に与える影響を低減することができ、それにより、運転中の燃料切り替えにともなうガスタービンの回転数または出力電力の変動を抑制することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】この発明によるガスタービンにおける燃料切り替え制御装置の他の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】ガスタービンの運転中に液体燃料から気体燃料へ切り替えた場合の時間(横軸)と燃料制御弁開度およびガスタービンの回転数(縦軸)との関係を示す図である。
【図4】ガスタービンの運転中に気体燃料から液体燃料へ切り替えた場合の時間(横軸)と燃料制御弁開度およびガスタービンの回転数(縦軸)との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 ガスタービンにおける燃料切り替え制御装置
11 微分器
21 タイマ
31 燃料減少比率発生関数
32 燃料増加比率発生関数
51 使用中燃料比率掛算器
52 選択燃料比率掛算器
61 使用中燃料制御弁開度指令発生器
62 選択燃料制御弁開度指令発生器
100 ガスタービンにおける燃料切り替え制御装置
111,112 微分器
121,122 タイマ
131,132,133,134 燃料比率発生関数
141,142 選択スイッチ
151,152 燃料比率掛算器
161,162 燃料制御弁開度指令発生器

Claims (4)

  1. ガスタービンの運転中に、使用中の燃料を燃料選択信号により選択された燃料に切り替える燃料切り替え制御装置において、
    燃料切り替えに際して、使用中の燃料の流量を減少させる時間に対する減少比率をあらわす燃料減少比率発生関数と、選択された燃料の流量を増加させる時間に対する増加比率をあらわす燃料増加比率発生関数とを備え、
    前記燃料選択信号に基づき燃料を切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記燃料減少比率発生関数で決まる比率を乗じて使用中の燃料の目標発熱量を求めるとともに、前記燃料増加比率発生関数で決まる比率を乗じて選択された燃料の目標発熱量を求め、
    求めた使用中の燃料の目標発熱量に基づき当該燃料の制御弁の開度指令を発生するとともに、求めた選択された燃料の目標発熱量に基づき当該燃料の制御弁の開度指令を発生するように構成したことを特徴とするガスタービンにおける燃料切り替え制御装置。
  2. ガスタービンの運転中に燃料選択信号に基づき燃料Aと燃料Bとを切り替える燃料切り替え制御装置において、
    燃料Aから燃料Bへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第1燃料比率発生関数、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第2燃料比率発生関数と、
    燃料Bから燃料Aへ切り替える際の、燃料Aの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第3燃料比率発生関数、および、燃料Bの流量の時間に対する変化の比率をあらわす第4燃料比率発生関数とを備え、
    前記燃料選択信号に基づき燃料Aから燃料Bへ切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記第1燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、前記第2燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求め、一方、燃料Bから燃料Aへ切り替える際は、発熱量を基本とした所定の燃料流量目標値に対して、前記第3燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Aの目標発熱量を求めるとともに、前記第4燃料比率発生関数で決まる比率を乗じて燃料Bの目標発熱量を求め、
    求めた燃料Aの目標発熱量に基づき燃料Aの制御弁の開度指令を発生するとともに、求めた燃料Bの目標発熱量に基づき燃料Bの制御弁の開度指令を発生するように構成したことを特徴とするガスタービンにおける燃料切り替え制御装置。
  3. 前記燃料減少比率発生関数および燃料増加比率発生関数の引数となる時間、または、前記第1〜第4燃料比率発生関数の引数となる時間は、タイマにより任意に設定可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガスタービンにおける燃料切り替え制御装置。
  4. 前記燃料減少比率発生関数および燃料増加比率発生関数の時間/比率の相関形状、または、前記第1〜第4燃料比率発生関数の時間/比率の相関形状は、ガスタービンの特性に合わせて任意に設定可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガスタービンにおける燃料切り替え制御装置。
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