JP2004035799A - 反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脂肪族ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート(B)からのイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)のブロック化物(D)、及びポリエステル系ウレタンプレポリマー(F)からなる反応性ホットメルト接着剤である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応性ホットメルト接着剤に関する。さらに詳しくは、自動車用部品や繊維用部品の製造に好適に用いられるホットメルト接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホットメルト接着剤は冷却により強力な接着性能を示し、また無溶剤であり環境対策面にも優れていることから、幅広く使用されている。特に、自動車用部品や繊維用部品等耐熱接着性能の要求される分野においては、接着後の化学反応により接着剤を架橋させ、耐熱接着性能を向上させた反応性ホットメルト接着剤が開発されている。その中の一つに、結晶性ウレタンプレポリマーとワックス等の造核剤とを組み合わせた反応性ホットメルト接着剤が知られている(特開平10−245536号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この反応性ホットメルト接着剤は初期接着力には優れるが、加熱溶融時の熱安定性が不十分であり、また硬化後の硬度が大きく、接着体の風合いの柔軟性が要求される用途(例えば、クッション材の貼り合わせ、衣料繊維用基材の貼り合わせ等)への使用は制限されるという問題点があった。
本発明の目的は、初期接着力を維持し、加熱溶融時の熱安定性及び硬化後の風合いに優れる反応性ホットメルト接着剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、脂肪族ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート(B)からのイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)のブロック化物(D)、及びポリエステル系ウレタンプレポリマー(F)からなる反応性ホットメルト接着剤である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、脂肪族ポリエステルポリオール(A)は、脂肪族ジオール類(a1)と脂肪族ジカルボン酸(a2)を反応させて得られる。
(a1)としては、炭素数2〜15の脂肪族二価アルコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等)及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。これらの内で好ましくは直鎖の脂肪族二価アルコールであり、さらに好ましくは1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールである。
【0006】
(a2)としては、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等)及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。好ましくは炭素数4〜8の脂肪族ジカルボン酸であり、さらに好ましくはアジピン酸である。
(a1)と(a2)との配合比はモル比で、好ましくは101/100〜3/2であり、さらに好ましくは51/50〜4/3である。
【0007】
(a1)と(a2)とのエステル化反応は、無触媒でも、エステル化触媒を使用しても良い。エステル化触媒としては、リン酸等のプロトン酸、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B金属、4B金属及び5B金属の炭素数2〜4の有機カルボン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、塩化物、水酸化物、アルコキシド等が挙げられる。 これらの内で三酸化アンチモン、モノブチルスズオキシド、テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコネート、酢酸ジルコニル、酢酸亜鉛等が生成物の色調の観点から好ましい。エステル化触媒の使用量は、所望の分子量が得られる量であれば特に制限はないが、反応性及び色調の観点から、(a1)と(a2)の合計量に対して、0.005〜5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%である。
本エステル化反応は窒素等不活性ガス存在下または減圧下(例えば133Pa以下)に行われる。また、反応を促進するため、有機溶剤を加えて還流することもできる。反応終了後は有機溶剤を除去する。なお、有機溶剤としては、水酸基のような活性水素を有していなければ特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。
反応温度は好ましくは150〜250℃であり、反応時間は好ましくは3〜24時間である。
反応の終点は酸価(AV)で測定できる。終点の酸価は好ましくは1以下である。得られる(A)の数平均分子量は好ましくは500〜20,000であり、さらに好ましくは800〜10,000である。分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定できる。
【0008】
本発明において、ポリイソシアネート(B)としては炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性物及びこれらの2種類以上の混合物が含まれる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
【0009】
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
【0010】
芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
また、ポリイソシアネートの変性物には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物;及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらの内で好ましくは、HDI、IPDI、TDI、MDI、XDI及びTMXDIであり、特に好ましくは、HDI及びMDIである。
【0011】
本発明におけるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)は、通常(A)と過剰の(B)とを反応させることにより得られる。(A)のOH/(B)のNCO(イソシアネート)の当量比は、好ましくは1/1.01〜1/5、さらに好ましくは1/1.2〜1/4、特に好ましくは1/1.5〜1/3である。該(C)を製造する際には、ウレタン化触媒を使用しても良く、ウレタン化触媒としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。
金属触媒、例えば錫系触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエート等]、鉛系触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩、フェニル水銀プロピオン酸塩等];及びアミン系触媒例えばトリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU(サンアプロ社製,登録商標)〕等];ジアルキルアミノアルキルアミン類[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン等]又は複素環式アミノアルキルアミン類[2−(1−アジリジニル)エチルアミン,4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩及び有機酸塩(ギ酸塩等)等;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等;及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
【0012】
ウレタン化触媒の使用量は、(A)と(B)の合計質量を基準として、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。1質量%を超えると最終的に得られる接着剤の熱安定性を損なうことがある。
反応条件としては例えば(A)、(B)及びウレタン化触媒を温度制御機能を備えた反応槽に仕込み、30分〜20時間にわたって温度を50〜200℃で連続的に反応させる方法や、(A)、(B)及びウレタン化触媒を2軸エクスクルーダーに流し込み、温度100〜220℃で連続的に反応させる方法等がある。
得られる(C)中のイソシアネート基の含有量は、好ましくは0.2〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜3.0質量%である。0.2質量%以上であると耐熱性が良好となり、10質量%以下であると加熱溶融時の熱安定性が良好となる。
【0013】
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)はさらにブロック化剤で末端イソシアネートをブロックする。ブロック化剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−ニトロフェノール等のフェノール類、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン化合物、アセトアミド、アクリルアミド、アセトアニリド等の酸アミド類、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド類、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、エチレンイミン、重亜硫酸塩及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜8の一価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール等)である。
【0014】
該(C)のイソシアネート基とブロック化剤との反応において、ブロック化剤は(C)のNCO基1モル当たり、好ましくは0.8〜2当量、さらに好ましくは1〜1.5当量である。
ブロック化反応の反応条件はブロック化剤の種類によって異なるが、反応温度は好ましくは50〜100℃であり、反応時間は好ましくは3〜10時間である。反応の終点は イソシアネート基含有量で測定できる。
この様にして得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーのブロック化物(D)
の数平均分子量(Mn)は特に制約はないが、接着強度及び溶融粘度の観点から好ましくは500〜20,000であり、さらに好ましくは800〜10,000である。20,000以上であると溶融粘度が高く塗工性が悪化し、500以下であると接着強度が低下する。
【0015】
Mnの測定法は以下の条件で行うことができる。
装 置 :ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
溶 媒 :テトラヒドロフラン
基準物質 :ポリエチレングリコール(PEG)
サンプル濃度:0.25wt/vol%
カラム温度 :23℃
【0016】
本発明において、ポリエステル系ウレタンプレポリマー(F)はポリエステルポリオール(E)と(B)とのウレタン化反応によって得られる。
(E)は、ジオール類(e1)とジカルボン酸(e2)を反応させて得られるものである。
ジオール類(e1)としては、炭素数2〜24の脂肪族若しくは脂環式二価アルコール、[エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、及び1,20−エイコサンジオール;並びにジアルキレングリコール(ジエチレングリコール等の二価のアルコール);1−ヒドロキシメチル−1−シクロブタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1−メチル−3,4−シクロヘキサンジオール、2−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及びビシクロアルキレングリコール、例えば、1,1’−ジヒドロキシ−1,1’−ジシクロヘキシルメタン等の二価アルコール等;これらの二価アルコールのアルキレンオキサイド(重合度は好ましくは2〜50、さらに好ましくは4 〜30)付加物;カテコール、ヒドロキノン等の単環二価フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;これらの二価フェノールのアルキレンオキサイド付加(重合度は好ましくは2〜50、さらに好ましくは4〜30)物及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの内で、好ましくは二価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、二価フェノールのアルキレンオキサイド付加物であり、さらに好ましくは二価フェノールのアルキレンオキサイド付加物である。
【0017】
上記及び以下においてアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、2,3−、若しくは1,4−ブチレンオキサイド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系[ブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリ―型等)、ランダム付加又はこれらの混合系]が挙げられる。これらの内で好ましくはエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドである。
上記アルキレンオキサイドの付加は、公知の方法で行うことができ、無触媒で、又は触媒(アルカリ触媒、アミン触媒、酸性触媒)の存在下で(特に付加の後半の段階で)、常圧又は加圧下に1段階又は多段階で行なわれる。
【0018】
上記(e2)としては前記の炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸;炭素数8〜15の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸等);これらのエステル形成性誘導体[無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル、酸ハライド(クロライド等)等]及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。これらの内で好ましくは脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸であり、さらに好ましくは脂肪族ジカルボン酸である。
(e1)と(e2)との配合比はモル比で、好ましくは101/100〜2/1であり、さらに好ましくは51/50〜3/2である。
(e1)と(e2)とのエステル化反応の、触媒や反応条件は、前記のエステル化反応の条件と同じでよい。
得られる(E)の数平均分子量は好ましくは500〜20,000であり、さらに好ましくは800〜10,000である。
【0019】
本発明におけるイソシアネート末端のポリエステル系ウレタンプレポリマー(F)は、(E)と過剰の(B)とを反応させることにより得られる。(B)のNCO(イソシアネート)/(E)のOH比は、好ましくは1.01〜5.0、さらに好ましくは1.2〜4.0、特に好ましくは1.5〜3.0である。ウレタン化反応条件は 前記のイソシアネート末端プレポリマーの条件と同じでよい。
得られる(F)のイソシアネート基の含有量は、好ましくは0.2〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜3.0質量%である。0.2質量%以上であると耐熱性が良好となり、10質量%以下であると加熱溶融時の熱安定性が良好となる。
(F)の数平均分子量Mnは特に制約はないが、接着強度及び溶融粘度の観点から好ましくは500〜20,000であり、さらに好ましくは1,000〜10,000である。
500以上であると接着強度が良好となり、20,000以下であると溶融粘度が著しく高くならず、取り扱いも困難にならない。
(F)のMnは、(F)に過剰のメタノール等の一価アルコールを加えイソシアネート基を封鎖し、未反応のメタノール減圧留去した後、前記のGPCと同じ条件で測定できる。
【0020】
本発明のホットメルト接着剤は、上記のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーのブロック化物(C)及びポリエステル系ウレタンプレポリマー(F)からなる。(C)/(F)は質量比で、好ましくは1/99〜99/1であり、さらに好ましくは5/95〜95/5であり、特に好ましくは10/90〜90/10である。(C)の割合が、1質量%以上であると加熱溶融時の熱安定性が良好となり、99質量%以下であると硬化後の硬度が大きくならず接着体の風合いも良好である。
【0021】
本発明のホットメルト接着剤は、製造工程あるいは製造後の任意の段階において、初期接着力を向上させる目的で粘着性付与樹脂を含有させることができる。
粘着性付与樹脂としては、一般的にホットメルト接着剤に使用されているものが使用でき、例えば、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂及びキシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は特に制約はないが、好ましくは200以上、15,000以下であり、さらに好ましくは300以上、5,000以下である。
石油樹脂としては、脂肪族石油樹脂(イソブチレン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、ピペリジン等のC4〜C5モノ又はジオレフィンを主成分とする重合体等)、脂環式石油樹脂(スペントC4〜C5留分中のジエン成分を環化2量体化重合させた樹脂、芳香族炭化水素樹脂を水添した樹脂等)、芳香族石油樹脂(ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレン等のC9〜C10のビニル芳香族炭化水素を主成分とした重合体等)、脂肪族−芳香族共重合体等の石油樹脂及びこれらの水添物等が挙げられる。
【0022】
粘着性付与樹脂の環球法軟化点(測定法:JAI−7−1991準拠)は、接着剤の使用温度によって選定されるが、通常30〜160℃、好ましくは60〜120℃である。
常温で液状のものを単独で使用すると凝集力が低下しすぎる場合があるが、常温固体のものと併用することで使用できる。
粘着性付与樹脂の添加量は、本発明のホットメルト接着剤全体に対し、好ましくは0〜90質量%であり、さらに好ましくは20〜80質量%であり、特に好ましくは40〜70質量%である。添加量が90質量%を超えると接着強度が不足する。
【0023】
本発明のホットメルト接着剤は、製造工程あるいは製造後の任意の段階において、さらに接着力を向上させる目的で熱可塑性樹脂を含有させることができる。
該熱可塑性樹脂は、公知の熱可塑性樹脂から広範に選択することができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂等、市場から容易に入手できるものが使用できる。こららは、単独でも2種以上を併用しても良い。これらの数平均分子量は好ましくは1,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは2,000〜500,000である。
【0024】
該熱可塑性樹脂の添加量は、目的とする接着力によって異なるが、好ましくは本発明のホットメルト接着剤全体に対し0〜80質量%であり、さらに好ましくは0〜60質量%であり、特に好ましくは0〜50質量%である。添加量が80質量%を超えると接着力が低下することがある。
【0025】
本発明のホットメルト接着剤は、製造工程あるいは製造後の任意の段階において、低粘度化、粘着力及び固化速度等を調整する目的で軟化剤を添加することができる。
軟化剤としては、プロセスオイル、可塑剤、液状樹脂、ワックス等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上を併用しても良い。軟化剤は常温で液体であるか、固体であり、
使用時に溶融し、系の溶融粘度を低下させたり、可塑化し粘着力を付与させたり、固化速度を遅延または促進するもののことである。
プロセスオイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル、安息香酸エステル、リン酸エステル、脂肪族グリコールポリエステル、トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
液状樹脂としては、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレンおよびこれらの水添物が挙げられる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びこれらを酸化分解して得られる酸化ワックス、並びに(無水)マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸(無水物)をグラフト変性した酸変性ワックス等が挙げられる。
【0026】
さらに本発明の反応性ホットメルト接着剤は、製造工程あるいは製造後の任意の段階において、種々の目的及び用途に応じ、該組成物の特性を阻害しない範囲で他の樹脂用添加剤を任意に添加することができる。
該添加剤としては、顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラック等)、染料、充填剤(例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等)、核剤(例えば、ソルビトール、ホスフェート金属塩、安息香酸金属塩、リン酸金属塩等)、滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ブチル、オレイン酸アミド等)、離型剤(例えば、カルボキシル変性シリコーンオイル、ヒドロキシル変性シリコーンオイル等)、酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等)、光安定剤(例えば、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン、ベンゾエート等)、ベンゾトリアゾール等)及び難燃剤(例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等)等が挙げられる。
【0027】
本発明のホットメルト接着剤の製法は、特に限定されず通常の方法で製造することができ、具体的には、下記の2種類の方法が例示できる。
(i);(A)及び(B)を反応させ(C)さらに(D)を製造した後、別途合成した(F)を配合
、混練し製造する方法。
(ii);(D)の存在下で、(E)と(B)を反応させ(F)を製造する方法。
上記方法のうち、接着剤の接着強度、製造プロセスの簡便性及び得られる接着剤の熱安定性の観点から(ii)で行うことが好ましい。
【0028】
さらに上記反応に際しては、ウレタン化触媒、溶剤、軟化剤、顔料、染料、充填剤、核剤、滑剤、離型剤、酸化防止剤、光安定剤及び難燃剤等を含有させても良い。
本発明のホットメルト接着剤の製造に当たっては、該接着剤の構成成分を加熱、溶融、混練が可能なもので有ればよく、通常のホットメルト製造設備が使用できる。
例えば、一軸又は二軸押出機、シグマブレードミキサー、リボンブレンダー、バタフライミキサー、ニーダー等が挙げられる。
混合温度は好ましくは80〜200℃であり、樹脂劣化を防ぐための窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0029】
このようにして得られた本発明の接着剤は、適宜、ブロック、ペレット、粉体、シートまたはフィルム等所望の形状に成形され、ホットメルト接着剤として使用することができる。
本発明のホットメルト接着剤の使用方法としては特に限定されないが、例えば、該接着剤がブロック又はペレットの形状の場合には、該接着剤を溶融させた後、貼り合わせようとする基材に塗布して使用される。
【0030】
塗布に用いる装置としては、通常のホットメルト接着剤用のアプリケーター、[例えば、加熱可能な溶融槽を有するロールコーター(グラビアロール、リバースロール等)、カーテンコーター、ビード、スパイラル、スプレー]及び押出機[例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニーダールーダー等]等である。
前者のような装置の場合、被着体の一方又は両方に接着剤を塗布し、冷却固化する前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。
後者のような装置の場合、被着体の一方又は両方に押出し、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。
また、被着体の間に共押出しし、貼り合わせを同時に行うことができる。
【0031】
該接着剤が粉体の場合、被着体に散布後、加熱し貼り合わせて使用される。加熱温度は特に制約はないが、融点(または軟化点)より10〜20℃以上高い温度である方がよい。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。加圧する圧力は充分な密着力が得られる限り特に制約はなく、通常10kPa〜5MPaである。粉体の目付量は所望の接着力が得られる限り特に制約はないが、通常10〜500g/m2である。
該接着剤がシート又はフィルムの場合には、該接着剤を貼り合わせようとする基材同士の間に挟み込み、加熱溶融させて貼り合わせるか、一方又は両方に載せ、加熱溶融させ、冷却固化前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。加熱溶融時の加熱温度は特に制約はないが、融点(又は軟化点)より10〜20℃以上高い温度である方がよく、再度加熱する際の加熱温度は特に制約はないが、融点(または軟化点)より10〜20℃以上高い温度である方がよい。また、貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。加圧する圧力は所望の接着力が得られる限り特に制約はなく、通常10kPa〜5MPaである。
シート又はフィルムの大きさは特に制限はなく所望の面積を有するものであればよい。 シート又はフィルムの厚みは特に制限はないが、好ましくは10〜500μmであり、さらに好ましくは30〜300μmである。
【0032】
本発明のホットメルト接着剤の用途は特に限定されないが、例えば、各種プラスチック成形品(成形体、フィルム、シート)、各種プラスチックフォーム(ポリウレタンフォーム、ポリオレフィンフォーム)、繊維製品(天然繊維、合成繊維、不織布等)、紙、天然もしくは合成皮革等の同種または異種材料の接着に用いることができる。
具体的には、ウレタンフォームと表皮材の接着、不織布の接着剤、衣料の縫製接着剤などに使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。実施例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
【0034】
試料のNCO含有量、溶融粘度は次の方法で測定した。
NCO含有量;NCO当量より過剰(1.1倍〜10倍)のアミン(例えばジ−n−ブチルアミン)を添加し、トルエン溶液中室温(25℃)下で30分撹拌し、NCOと反応させた後、残ったアミンを塩酸で逆滴定し、測定した。
溶融粘度;120℃下で試料を15分温調した後、B型粘度計を用いて測定した。
【0035】
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのブロック化物の製造)
製造例1
温度制御装置、撹拌装置付きのセパラブルフラスコに「ニッポラン 4073」(日本ポリウレタン工業社製;1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸からなるポリエステルポリオール;水酸基価=55.0、Mn=2040)300部を仕込み、120℃で溶解後、減圧脱水(120℃、133Pa、1時間)した。
窒素雰囲気下、MDI73.5部を投入し、80℃で4時間熟成して、NCO含有量3.31%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。次いで、イソシアネート基のブロック化剤としてメタノール9.4部を投入し80℃でさらに4時間熟成した後、取り出し、ブロック化物[D−1]を得た。このものは溶融粘度10,000mPa・sであった。
【0036】
製造例2
製造例1記載のMDI73.5部に替えHDI49.5部を使用した他は、製造例1と同様の操作を行い、ブロック化物[D−2]を得た。このものは溶融粘度2,000mPa・sであった。
【0037】
製造例3
製造例1記載のメタノール9.4部に替え1−ブタノール21.8部を使用した他は、製造例1と同様の操作を行い、ブロック化物[D−3]を得た。このものは溶融粘度15,000mPa・sであった。
【0038】
製造例4
製造例1記載の「ニッポラン 4073」に替え「サンエスター 4620」(三洋化成工業社製;1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルポリオール;水酸基価=55.0、Mn=2040)を使用した他は、製造例1と同様の操作を行い、ブロック化物[D−4]を得た。このものは溶融粘度3,000mPa・sであった。
【0039】
(ポリエステルポリオール組成物の製造)
製造例5
温度計制御装置、還流脱水装置および撹拌装置を備えたセパラブルフラスコにアジピン酸310.1部、「ニューポール BPE−20」(三洋化成工業社製;ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水酸基価=343.0)766.3部を仕込み、原料が溶融して撹拌できるようになってから撹拌を開始して150℃から230℃まで8時間かけて徐々に昇温させた、230℃で4時間反応させた後、133Pa以下の減圧下で更に4時間反応させ、酸価=0.9、水酸基価=31.9、Mn=3,400のポリエステル[E−1]を得た。
【0040】
製造例6
温度計制御装置、還流脱水装置および撹拌装置を備えたセパラブルフラスコにアジピン酸145.9部、「ニューポール BPE−100」(三洋化成工業社製;ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水酸基価=168.0)890.1部を仕込み、原料が溶融して撹拌できるようになってから撹拌を開始して150℃から230℃まで8時間かけて徐々に昇温させた、230℃で4時間反応させた後、133Pa以下の減圧下で更に4時間反応させ、酸価=0.7、水酸基価=37.7、Mn=2,900のポリエステル[E−2]を得た。
【0041】
製造例7
温度計制御装置、還流脱水装置および撹拌装置を備えたセパラブルフラスコにアジピン酸285.7部、「ニューポール BP−2P」(三洋化成工業社製;ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、水酸基価=321.0)784.7部を仕込み、原料が溶融して撹拌できるようになってから撹拌を開始して150℃から230℃まで8時間かけて徐々に昇温させた、230℃で4時間反応させた後、133Pa以下の減圧下で更に4時間反応させ、酸価=0.5、水酸基価=37.1、Mn=3,000のポリエステル[E−3]を得た。
【0042】
実施例1
温度制御装置、撹拌装置付きのセパラブルフラスコに[D−1]140.0部、[E−1]60.0部を仕込み、120℃で溶解後、減圧脱水(120℃、133Pa、1時間)した。窒素雰囲気下、MDI8.5部を投入し、80℃で4時間熟成後取り出し、本発明のホットメルト接着剤[H−1]を得た。このものは溶融粘度15,000mPa・s、NCO含有量0.65%であった。
【0043】
実施例2〜12
表1に示されるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのブロック化物とウレタンプレポリマーの組み合わせで、それぞれ実施例1と同様の操作を行い、本発明の実施例であるホットメルト接着剤[H−2]〜[H−12]を得た。120℃溶融粘度、NCO含有量を表1に記載した。
【0044】
比較例1
温度制御装置、撹拌装置付きのセパラブルフラスコに「ニッポラン 4073」 200.0部を仕込み、120℃で溶解後、減圧脱水(120℃、133Pa、1時間)した。窒素雰囲気下、MDI49.0部を投入し、80℃で4時間熟成後取り出し、比較のホットメルト接着剤[h−1]を得た。120℃溶融粘度、NCO含有量を表1に記載した。
【0045】
比較例2
比較例1記載の「ニッポラン 4073」に替え「サンエスター 4620」を使用した他は、比較例1と同様の操作を行い、比較のホットメルト接着剤[h−2]を得た。120℃溶融粘度、NCO含有量を表1に記載した。
【0046】
比較例3
比較例1記載の「ニッポラン 4073」 200.0部に替え、「ニッポラン 4073」 140.0部、[E−1] 60.0部を使用した他は、比較例1と同様の操作を行い、比較のホットメルト接着剤[h−3]を得た。120℃溶融粘度、NCO含有量を表1に記載した。
【0047】
比較例4
比較例3記載の[E−1]に替え[E−2]を使用した他は、比較例1と同様の操作を行い、比較のホットメルト接着剤[h−4]を得た。120℃溶融粘度、NCO含有量を表1に記載した。
【0048】
比較例5
比較例3記載の[E−1]に替え[E−3]を使用した他は、比較例1と同様の操作を行い、比較のホットメルト接着剤[h−5]を得た。120℃溶融粘度、NCO含有量を表1に記載した。
【0049】
比較例6
比較例3記載の[E−1]に替え「ニューポール BPE−100」を使用した他は、比較例1と同様の操作を行い、比較のホットメルト接着剤[h−6]を得た。120℃溶融粘度、NCO含有量を表1に記載した。
【0050】
【表1】
【0051】
<試料の評価>
1)初期接着力;本発明のホットメルト接着剤及び比較のホットメルト接着剤を各々、温度120℃で溶融し、カーテンスプレー塗工機を用いて(ホットエアー圧力1.5kg/cm2、ホットエアー温度140℃、ガンヘッド温度130℃、ガンヘッドと被着体との距離10cm)、塗布量80g/m2でウレタンフォーム(自動車シートのクッション材に用いられる軟質ポリウレタンフォーム、長さ10cm、幅2.5cm、厚さ1cm)上に塗布し、冷却固化後、自動車内装用表皮材(ファブリック、長さ10cm、幅2.5cm、厚さ1.0cm)を合わせ、80℃、プレス圧98kPa、時間30秒の条件で再加熱し貼り合わせた。10分放置後、23℃、50%RH雰囲気下で180°剥離強度を測定し、被着体および接着剤の状態を観察して、下記基準で評価した。
評価基準 ○:ウレタンフォームの材料破壊
×:接着剤の凝集破壊
結果を表2に示す。
上記の初期接着力は、JIS K6854−1999に準じオートグラフを用いて、引張速度100mm/minの条件で測定した。
2)硬化後接着力;1)と同様にして貼り合わせ、23℃、50%RHの恒温恒湿槽中で1週間放置し、180°剥離強度を測定し、1)と同様の基準で評価した。結果を表2に示す。
3)硬化後硬度;23℃、50%RHの恒温恒湿槽中で1週間放置し硬化させた本発明のホットメルト接着剤及び比較のホットメルト接着剤を各々、JIS K7311に準じ、タイプAデュロメータを用いて測定を行った。なお、測定温度は23℃とした。結果を表2に示す。数値が低い程柔軟であり、風合いが良好であることを示す。
4)熱安定性;本発明のホットメルト接着剤及び比較のホットメルト接着剤を空気雰囲気下、温度120℃の恒温器に8時間放置し、粘度変化(試験後/初期の粘度比で表示)を測定し、熱安定性とした。結果を表2に示す。数値が1に近い程熱安定性が良好であることを示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の反応性ホットメルト接着剤は、下記の効果を奏する。従来のポリエステル系ウレタンプレポリマーからなる反応性ホットメルト接着剤に比べ、高い熱安定性を示し、硬化後の風合いにも優れる。
従って、本発明のホットメルト接着剤は、接着後、被着体の風合いが重要とされる用途でのホットメルト接着剤として有用である。
Claims (8)
- 脂肪族ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート(B)からのイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(C)のブロック化物(D)、及びポリエステル系ウレタンプレポリマー(F)からなる反応性ホットメルト接着剤。
- (A)が、脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸から得られるポリエステルポリオールである請求項1記載の接着剤。
- (D)が一価アルコールのブロック化物である請求項1又は2記載の接着剤。
- (F)が、二価フェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物とジカルボン酸からのポリエステルポリオール(E)及び(B)との反応物である請求項1〜3記載の接着剤。
- (F)が、(D)の存在下で(E)と(B)を反応させてなるものである請求項1〜4記載の接着剤。
- さらに、顔料、染料、充填剤、核剤、離型剤、酸化防止剤、光安定剤及び難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5の何れか記載の接着剤。
- 請求項1〜6の何れか記載の接着剤を硬化させてなる硬化物。
- 請求項1〜7の何れか記載の接着剤で接着されてなる接着体。
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