JP2004035588A - オレフィン重合触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】濾過・洗浄が極めて容易で、且つ、再現性の良い粒径分布を有する造粒物からなる活性の高いオレフィン重合触媒を提供すること。
【解決手段】イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から製造した造粒物(C)と、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)からなるオレフィン重合触媒である。
【選択図】 なし
【解決手段】イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から製造した造粒物(C)と、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)からなるオレフィン重合触媒である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換性層状化合物とシリカゾルから調製した造粒物(担体)と、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体からなるオレフィン重合触媒、該重合触媒の製造方法並びに該触媒を用いるポリオレフィンの製造方法に関するものである。
又、イオン交換性層状化合物とシリカゾルからの造粒物(担体)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン製造用触媒の担体として広く使用されている塩化マグネシウムやシリカに代えて粘土鉱物を採用する試みがなされているが、次のような問題点がある。
例えば、スメクタイトにメタロセン化合物とアルミノキサンを担持したオレフィン重合触媒が知られている(特開平5−25214号公報)が、取扱いが難しい上、高価なメチルアルモキサンを有機化粘土に担持させて用いるものである。アルミノキサンを用いない方法として、モンモリロナイトを粉砕し、塩化マグネシウムの水溶液で処理した後、更に、塩酸で処理したものを噴霧造粒して製造した担体にメタロセン系遷移金属化合物を担持するオレフィン重合触媒が知られている(特開平7−228621号公報)。
上記公報に開示された方法は、担体の造粒前に2段階の処理を施すもので、それぞれの処理の後、水洗を必須とするものである。
このため、触媒の生産性に改良の余地がある。
担体の造粒前の処理を1回とした方法も提案されている(特開平9−316119号公報)。
この触媒製造方法は、膨潤性合成雲母を粉砕し、硫酸亜鉛水溶液で処理した後、噴霧造粒して製造した担体にメタロセン系遷移金属化合物を担持するというものである。
ところで、上記公報に開示された触媒製造方法では、膨潤性合成雲母や親水性スメクタイトを他のイオン(例えば、硫酸亜鉛や硫酸アルミニウム)でイオン交換処理をしているが、イオン交換された粘土スラリーは濾過・洗浄処理が困難となり、後処理に長時間が必要である。
又、上記公報に開示されているようなスプレー・ドライ法による造粒では、スプレー・ドライに用いる粘土スラリーのスラリー濃度とスラリー粘度の再現性が低く、造粒物の粒径の制御が困難である。
従って、濾過・洗浄が極めて容易で、且つ、再現性の良い粒径分布を与える粘土鉱物よりなる新規な担体及び該担体からなる活性の高いオレフィン重合触媒が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、濾過・洗浄処理工程の迅速化と簡素化がなされ、且つ、再現性の良い粒径分布を有する造粒物(担体)、該造粒物の製造方法、該造粒物からなるオレフィン重合触媒及びその製造方法並びに該オレフィン重合触媒を用いるポリオレフィンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から製造した造粒物(担体)(C)が上記問題点を解決できることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、
1.イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から製造した造粒物(C)と、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)からなるオレフィン重合触媒、
2.イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させる造粒物(C)の製造方法、
3.上記造粒物(C)に、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)を接触させるオレフィン重合触媒の製造方法、
4.イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させて造粒物(C)を製造し、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)を接触させるオレフィン重合触媒の製造方法
5.上記オレフィン重合触媒又は上記方法で製造したオレフィン重合触媒を用るポリオレフィンの製造方法に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるイオン交換性層状化合物(A)としては、特に制限はないが、層電荷0.1〜0.7を有する2:1型イオン交換性層状化合物が好ましい。
イオン交換性層状化合物としては、例えば、フィロシリケート群に属するスメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、ヘクトライト、スチブンサイト、サポナイト)及び弗素四珪素雲母と呼ばれる合成雲母化合物等を挙げることができる。
イオン交換性層状化合物の平均粒子径は、5nm〜20μm、好ましくは、20nm〜5μmである。
イオン交換性層状化合物を使用することにより、オレフィン重合活性の高いオレフィン重合触媒を製造することができる。
【0006】
本発明で用いるシリカゾル(B)としては、特に制限はないが、コロイダルシリカとも呼称される水溶性のシリカゾルが好ましい。
シリカゾルの平均粒子径は、入手の容易さから、1〜1000nm、好ましくは1〜200nm、特に好ましくは、5〜100nmである。
シリカゾルの分散媒としては、水が好ましいが、アルコール、ケトン、アミド及びエーテル等も使用することができる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール等が挙げられる。
ケトンとしては、例えば、イソブチルメチルケトン、メチルエチルケトン及びアセトン等が挙げられる。
アミドとしては、例えば、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0007】
本発明の造粒物(担体)(C)は、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から構成される。
その構成比は、それぞれの乾燥質量比が(A):(B)=20:1〜1:50であり、好ましくは、10:1〜1:20である。
造粒物中のイオン交換性層状化合物(A)の割合が増加すると、オレフィン重合触媒の活性が増大し好ましい。
しかしながら、乾燥質量比が20:1を超えると、ポリオレフィンの嵩密度が低くなり、重合反応器の容積当りの生産性が低下するので好ましくない。又、ポリオレフィンのハンドリングが困難となる場合がある。
一方、シリカゾル(B)の割合が増加すると、ポリオレフィンの嵩密度が上昇し、ポリオレフィンのハンドリングが容易となる。
しかし、乾燥質量比が1:50より大きくなると、オレフィン重合触媒の活性が低下するようになる。
上記乾燥質量比は、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)の仕込み比によって調節することができる。
造粒物の平均粒子径は、1〜1000μm、好ましくは5〜100μmである。
平均粒子径が1μm未満では、造粒物の濾過・洗浄とイオン交換処理に時間を要し、又、造粒物と遷移金属錯体の接触による重合触媒の製造において、濾過及び洗浄を行う場合、その操作が煩雑となる。
又、平均粒子径が1000μmを超えると、オレフィン重合触媒の活性が低下する場合がある。
更に、造粒物は90質量%以上の粒子が1〜1000μmの範囲に入ることが好ましい。
1μm未満の粒子が10質量%を超えて存在すると、造粒物の濾過及び触媒製造等において取扱いが煩雑になり、1000μmを超える粒子が10質量%を超えて存在すると、このような粒子がポリオレフィン中に目に見える造粒物粒子として残存する場合があり好ましくない。
【0008】
本発明の造粒物(C)の製造方法としては、例えば、下記の製造方法が挙げられる。
シリカゾル(B)又は、これに更に水を加えた溶液に、イオン交換性層状化合物(A)を0〜100℃、好ましくは10〜60℃で添加し、分散する。
この層状化合物の懸濁液に、水とは非相溶な溶媒を加え、更に、界面活性剤及び必要に応じ、凝結補助剤を0〜100℃、好ましくは10〜60℃で添加する。
次に、層状化合物の二相懸濁液を激しく攪拌しながら、加熱還流し、系内から流出した水分を除去する。
水の留去が止まった時点で加熱攪拌を止め、濾過することにより造粒物を得ることができる。
水とは非相溶な溶媒としては、水より沸点の高い有機溶媒が用いられる。
具体的には、トルエン、キシレン、ヘプタン、デカリン、テトラリン及びトリクロロベンゼン等を挙げることができる。
【0009】
本発明で好適に用いられる界面活性剤(E)は、水と有機溶媒の界面で作用するもので、種類を問わず、使用することができる。
界面活性剤(E)の具体的例としては、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキル硫酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)等の陰イオン活性剤、第四級アンモニウム塩(例えば、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド)、ハロゲン化アルキルピリジニウム塩(例えば、ヘキサデシルピリジニウムクロリド)等の陽イオン活性剤及びポリエチレングリコールアルキルエーテル等の非イオン活性剤が挙げられる。
界面活性剤の添加量としては、水を含む全溶媒量100質量部に対し、0.0001〜0.1質量部、好ましくは0.0005〜0.05質量部である。
添加量が0.0005質量部未満であると、懸濁液の安定性が悪くなることにより、造粒物の粒径分布が広範囲となり、0.05質量部を超えると、造粒物の平均粒径が小さくなる。
【0010】
凝結補助剤(F)は、造粒物の粒径制御性の向上のために添加する。
凝結補助剤としては、アルミニウム化合物が優れており、具体例としては、ジアセトキシアルミニウムヒドロキシド、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、アルミニウムトリエトキシド及びアルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。
凝結補助剤の添加量としては、イオン交換性化合物とシリカゾルの総固形量100質量部に対し、0.1〜100質量部、好ましくは1〜10質量部である。添加量が0.1質量部未満であると、造粒物の成形強度が不十分で造粒物が微分化する恐れがあり、100質量部を超えると、重合触媒の活性が低下する。
【0011】
上記のようにして得られた造粒物(C)は、150℃〜400℃、好ましくは150〜250℃の温度で加熱する。
この熱処理により、造粒物は耐水性及び力学的強度が向上する。
熱処理が不十分であると、特に、造粒物のイオン交換処理において、造粒物が破砕される恐れがある。
又、熱処理を行なわない場合、酸(プロトン)によるイオン交換処理、有機アルミニウム化合物(G)処理及び周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)の接触処理の各操作中に造粒物が破砕される恐れがある。
【0012】
上記のようにして得られた造粒物(C)を構成するイオン交換性層状化合物中のNa又はLiカチオンはその後、他のカチオンと0〜100℃、好ましくは
10〜60℃でイオン交換を行なう。
このイオン交換処理を行なわない場合、周期律表第4〜10族の遷移金属のキレート錯体やメタロセン錯体(D)を造粒物に担持しても、オレフィン重合触媒の活性は低い。
イオン交換処理法としては、酸処理、塩化アンモニウム処理、亜鉛、アルミニウム及び鉄等の多価金属塩水溶液処理等が挙げられる。
最も優れたイオン交換処理法は酸処理であり、Na又はLiカチオンをプロトンで置換することが好ましい。
酸としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等が挙げられる。
酸の量としては、イオン交換性層状化合物及びシリカゾルに含まれるNa又はLiカチオンのモル数に対して、等モル〜100倍モルである。
【0013】
イオン交換された造粒物(C)は、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)と0〜100℃、好ましくは10〜60℃で接触(担持)させてオレフィン重合触媒を製造する。
造粒物と遷移金属錯体の接触は、造粒物1kg当り、遷移金属錯体(D)の金属原子のモル数において、0.0001〜0.5、好ましくは0.001〜0.2とすることが好ましい。
遷移金属錯体(D)の添加割合が0.0001未満であると、オレフィン重合触媒の活性向上が十分でなく、0.5を越えると、遷移金属当たりのオレフィン重合触媒の活性が低下する。
造粒物(C)と遷移金属錯体(D)の接触は,重合前であってもよいし、重合時でもよい。遷移金属錯体(D)が速やかに担持され,重合活性が速やかに発現する場合には、触媒調製が簡便となるので,重合時に接触することが好ましい。一方,重合活性の発現までに誘導期がある場合には,誘導期を考慮し、重合前に接触することが好ましい。
又、非担持の遷移金属錯体が存在する場合には,触媒活性に影響しない溶媒を用いて洗浄を行うことが好ましい。
【0014】
本発明の周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及びメタロセン錯体(D)について、以下に詳述する。
周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及びメタロセン錯体(D)としては、周期律表4〜6族の遷移金属を含むメタロセン錯体又は周期律表4〜10族、好ましくは8〜10族の遷移金属を含み、ヘテロ原子の配位子を持つキレート錯体が用いられる。
これらの中、エチレンやプロピレンに対しても重合能があり、活性が高い点から、周期律表第4〜6族の遷移金属を含むインデニル錯体が好ましい。
又、共重合能が良好な架橋ハーフメタロセン錯体(拘束幾何型配位子錯体やCGC錯体を含む)も用いることができる。
周期律表4〜6族のメタロセン錯体としては、活性の面より一般式(1)〜(3)で表される遷移金属化合物を好ましいものとして挙げることができ、又、周期律表8〜10族のキレート錯体としては、一般式(4)で表される遷移金属化合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0015】
Q1 a(C5H5−a−bR7 b)(C5H5−a−cR8 c)M1X3 pY1 q (1)
Q2 a(C5H5−a−dR9 d)Z1M1X3 pY1 q (2)
M1X4 r (3)
L1L2M2X4 uY2 v (4)
【0016】
〔式中、Q1は、二つの共役五員環配位子(C5H5−a−bR7 b)及び(C5H5−a−cR8 c)を架橋する結合性基を示し、Q2は、共役五員環配位子(C5H5−a−dR9 d)とZ1基を架橋する結合性基を示す。
R7,R8及びR9は、それぞれ炭化水素基,ハロゲン原子,アルコキシ基,珪素含有炭化水素基,リン含有炭化水素基,窒素含有炭化水素基又は硼素含有炭化水素基を示し、aは0,1又は2である。
b,c及びdは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。
(p+q)は(M1の価数−2)であり、rはM1の価数を示す。
M1は周期律表4〜6族の遷移金属、M2は周期律表8〜10族の遷移金属を示し、(u+v)はM2の価数を示す。
又、L1,L2は、それぞれ配位結合性の配位子を表し、X3,Y1,Z1,X4,Y2は、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を表している。
尚、L1,L2,X4及びY2は、それぞれ互いに結合して環構造を形成していてもよい。〕
【0017】
このQ1及びQ2の具体例としては、(1)メチレン基,エチレン基,イソプロピレン基,メチルフェニルメチレン基,ジフェニルメチレン基,シクロヘキシレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基,シクロアルキレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、(2)シリレン基,ジメチルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジフェニルシリレン基,ジシリレン基,テトラメチルジシリレン基等のシリレン基,オリゴシリレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、(3)(CH3)2Ge基,(C6H5)2Ge基,(CH3)P基,(C6H5)P基,(C4H9)N基,(C6H5)N基,(CH3)B基,(C4H9)B基,(C6H5)B基,(C6H5)Al基,(CH3O)Al基等のゲルマニウム,リン,窒素,硼素又はアルミニウムを含む炭化水素基〔低級アルキル基,フェニル基,ヒドロカルビルオキシ基(好ましくは低級アルコキシ基)等〕等が挙げられる。
これらの中で、オレフィンの重合活性の面よりアルキレン基及びシリレン基が好ましい。
【0018】
又、(C5H5−a−bR7 b)、(C5H5−a−cR8 c)及び(C5H5−a−dR9 d)は共役五員環配位子であり、R7,R8及びR9は、それぞれ炭化水素基,ハロゲン原子,アルコキシ基,珪素含有炭化水素基,リン含有炭化水素基,窒素含有炭化水素基又は硼素含有炭化水素基を示し、aは0,1又は2である。
b,c及びdは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。
ここで、炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、特に、炭素数1〜12のものが好ましい。
この炭化水素基は一価の基として、共役五員環基であるシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、又、これが複数個存在する場合には、その2個が互いに結合してシクロペンタジエニル基の一部と共に環構造を形成していてもよい。即ち、該共役五員環配位子の代表例は、置換又は非置換のシクロペンタジエニル基,インデニル基及びフルオレニル基である。
ハロゲン原子としては、塩素,臭素,ヨウ素及びフッ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、炭素数1〜12のものが好ましく挙げられる。
珪素含有炭化水素基としては、例えば、−Si(R10)(R11)(R12)(R10,R11及びR12は炭素数1〜24の炭化水素基)等が挙げられ、リン含有炭化水素基,窒素含有炭化水素基及び硼素含有炭化水素基としては、それぞれP−(R13)(R14),−N(R13)(R14)及び−B(R13)(R14)(R13及びR14は炭素数1〜18の炭化水素基)等が挙げられる。
R7,R8及びR9がそれぞれ複数ある場合には、複数のR7,複数のR8及び複数のR9は、それぞれにおいて同一であっても異なっていてもよい。
又、一般式(1)において、共役五員環配位子(C5H5−a−bR7 b)及び(C5H5−a−cR8 c)は同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1〜24の炭化水素基又は炭素数1〜18の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基及び脂環式脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基及びn−デシル基等が挙げられ、本発明においては炭素数1〜20のものが好ましい。
アルケニル基としては、ビニル基、1―プロペニル基、1―ブテニル基、1―ヘキセニル基、1―オクテニル基及びシクロヘキセニル基等が挙げられ、本発明においては炭素数2〜10のものが好ましい。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基及びナフチル基等が挙げられ、本発明においては炭素数6〜14のものが好ましい。
脂環式脂肪族炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0019】
一方、M1は周期律表4〜6族の遷移金属元素を示し、具体例としては、チタン,ジルコニウム,ハフニウム,バナジウム、ニオブ,モリブテン及びタングステン等を挙げることができるが、これらの中で活性の面よりチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好ましい。
Z1は共有結合性の配位子であり、具体的には、ハロゲン原子、酸素(−O−),硫黄(−S−),炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基,炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基(例えば、t−ブチルアミノ基,t−ブチルイミノ基等),炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基を示す。
X3及びY1は、それぞれ共有結合性の配位子又は結合性の配位子であり、具体的には、水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基,炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,アミノ基,炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基等)又は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチルシリル基等),炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基或いはハロゲン含有硼素化合物[例えば、B(C6H5)4,BF4]を示す。
これらの中でハロゲン原子及び炭化水素基が好ましい。
このX3及びY1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
又、X4は共有結合性の配位子であり、具体的には、ハロゲン原子、ヒドロカルビルアミノ基或いはヒドロカルビルオキシ基であり、好ましくはアルコキシ基である。
本発明の周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及びメタロセン錯体(D)としては、一般式(1)で表される遷移金属化合物が好ましく、この中でも、インデニル、シクロペンタジエニル又はフルオレニル構造を有する配位子を持つ錯体が特に好ましい。
【0020】
(I)一般式(1)又は(2)で表される遷移金属化合物の具体例として、以下の化合物を挙げることができる。
▲1▼ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロロヒドリド,ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドロジルコニウム,(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウムに置換した化合物等の架橋する結合基を有さず共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0021】
▲2▼メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,メチレンビス(インデニル)ジルコニウムクロロヒドリド,エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムクロリド,エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジエトキシド,エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム,エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2−メチル−4−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2,4−ジメチル−5,6,7−トリヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−t−ブチル−5’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,3,5−トリメチルシクペンタジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−t−ブチル−5’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムクロロヒドリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム,メチレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,5−ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,シクロヘキシリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド及び、上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムに置換した化合物等のアルキレン基で架橋した共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0022】
▲3▼ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,テトラメチルジシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,テトラメチルジシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,テトラメチルジシリレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2−エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5−ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジエチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2−エチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(エチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムで置換した化合物等のシリレン基架橋共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0023】
▲4▼ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,メチルアルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルアルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルホスフィレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,エチルボレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルアミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルアミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムに置換した化合物等のゲルマニウム,アルミニウム,硼素,リン又は窒素を含む炭化水素基で架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0024】
▲5▼ペンタメチルシクロペンタジエニル(ジフェニルアミノ)チタニウムジクロリド,インデニル(ジフェニルアミノ)チタニウムジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニル−ビス(トリメチルシリル)アミノチタニウムジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルフェノキシチタニウムジクロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミノチタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルアミノチタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)デシルアミノチタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)〔ビス(トリメチルシリル)アミノ〕チタニウムジクロリド,ジメチルゲルミレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルアミノチタニウムジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド、及び上記化合物において、チタニウムをジルコニウム及びハフニウムに置換した化合物等の共役五員環配位子を1個有する遷移金属化合物、
【0025】
▲6▼(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ビス(トリメチルシリル)ジルコニウム,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ビス(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−エチレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−シクロヘキシリデン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムに置換した化合物等の配位子同士が二重架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
▲7▼更には、上記▲1▼〜▲6▼に記載の化合物において、これらの化合物の塩素原子を臭素原子,ヨウ素原子,水素原子,メチル基,フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基等に置き換えたものを挙げることができる。
【0026】
▲8▼上記▲1▼〜▲7▼に記載の化合物の中、▲3▼のシリレン基架橋共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物であって、遷移金属がジルコニウム又はチタンである遷移金属化合物が、特に好ましく用いられる。
(II)一般式(3)表される遷移金属化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
テトラ−n−ブトキシチタニウム,テトラ−i−プロポキシチタニウム,テトラフェノキシチタニウム,テトラクレゾキシチタニウム,テトラクロロチタニウム,テトラキス(ジエチルアミノ)チタニウム, テトラブロモチタニウム,及びチタンをジルコニウム、ハフニウムに置き換えた化合物等を挙げることができる。
これらの遷移金属化合物の中で、アルコキシチタニウム化合物、アルコキシジルコニウム化合物及びアルコキシハフニウム化合物が好ましい。
【0027】
(III)一般式(4)で表される遷移金属化合物において、M2は周期律表8〜10族の遷移金属を示し、具体的には、鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム,白金等が挙げられるが、そのうちニッケル,パラジウム、鉄が好ましい。
又、L1,L2は、それぞれ窒素原子もしくは燐原子を介して遷移金属と結合した配位結合性の有機配位子を表わし、X4,Y2はそれぞれ共有結合性、又はイオン結合性の配位子を表している。
ここで、X4,Y2については、前述したように、具体的には、水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基,炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,イミノ基,アミノ基,炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基等)又は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチルシリル基等),炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基、或いはハロゲン含有硼素化合物〔例えば、B(C6H5)4,BF4〕を示す。
これらの中では、ハロゲン原子及び炭化水素基が好ましい。
このX4及びY2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
更に、L1,L2の具体例としては、トリフェニルホスフィン;アセトニトリル;ベンゾニトリル;1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン;1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン;1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン;シクロオクタジエン;ピリジン;キノリン;N−メチルピロリジン;ビストリメチルシリルアミノビストリメチルシリルイミノホスホラン等を挙げることができる。
尚、上記L1,L2,X4及びY2は、それぞれ互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0028】
一般式(4)で表される遷移金属化合物について、その具体例を示すと、ジブロモビストリフェニルホスフィンニッケル,ジクロロビストリフェニルホスフィンニッケル,ジブロモジアセトニトリルニッケル,ジブロモジベンゾニトリルニッケル,ジブロモ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケル,ジブロモ(1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン)ニッケル,ジブロモ(1,1’−ジフェニルビスホスフィノフェロセン)ニッケル,ジメチルビストリフェニルホスフィンニッケル,ジメチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケル,メチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケルテトラフルオロボレート,(2−ジフェニルホスフィノ−1−フェニルエチレンオキシ)フェニルピリジンニッケル,ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム,ジクロロジベンゾニトリルパラジウム,ジクロロジアセトニトリルパラジウム,ジクロロ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)パラジウム,ビストリフェニルホスフィンパラジウムビステトラフルオロボレート,ビス(2,2’−ビピリジン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテラート及び下記に示す化合物等が挙げられる。
【0029】
【化1】
【0030】
〔式中、Meはメチル基を、Rはメチル基又はイソプロピル基を示す。〕
これら化合物の中でも、メチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケルテトラフルオロボレートやビストリフェニルホスフィンパラジウムビステトラフルオロボレート,ビス(2,2’−ビピリジン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテラートのようなカチオン型錯体や上記式で表わされる化合物が好ましく用いられる。
本発明のオレフィン重合触媒においては、遷移金属錯体(D)は、一種用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
尚、造粒物(C)は、必要に応じ、有機アルミニウム化合物(G)と50〜150℃、好ましくは80〜120℃で接触(活性化処理)させることが好ましい。
一般に、イオン交換処理を行なった造粒物を、不活性溶媒(脂肪族又は芳香族溶媒)に懸濁させ、有機アルミニウム化合物と接触させ、過剰な有機アルミニウム化合物を不活性溶媒で除去した後、遷移金属錯体(D)を接触させてオレフィン重合触媒を製造することが好ましい。
脂肪族又は芳香族溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物処理が有用な場合は、遷移金属錯体(D)が、周期律表第4〜6族金属のキレート錯体や中心金属がチタンであるメタロセン錯体の場合である。
チタン以外の遷移金属を中心金属とするメタロセン錯体又は周期律表第8〜10族の遷移金属を中心金属とするキレート錯体の場合、造粒物の有機アルミニウムによる活性化処理は必ずしも必要ではない。
【0032】
有機アルミニウム化合物(G)としては、一般式(5)
【0033】
R15 vAlQ3 3−v (5)
(式中、R15は炭素数1〜10のアルキル基、Q3は水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である。)
で示される化合物が用いられる。
一般式(5)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド及びエチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は、一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
又、他の有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。
アルミニウムオキシ化合物としては、一般式(6)
【0034】
【化2】
【0035】
(式中、R16は炭素数1〜20、好ましくは2〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基等の炭化水素基或いはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。尚、各R16は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(7)
【0036】
【化3】
【0037】
(式中、R16及びwは前記一般式(6)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
前記アルミノキサンの具体例としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン及びイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。
本発明において、有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、一般式(6)において、R16のうち少なくとも一つが炭素数2以上のアルキル基であり、それ以外のR16が炭素数1〜10のアルキル基であるものが好ましい。
【0038】
本発明において、オレフィン(H)としては、オレフィン類、スチレン及びスチレン類等が挙げられる。
オレフィン類については特に制限はないが、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンが好ましい。
このα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−フェニル−1−ブテン、6−フェニル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等の直鎖又は分岐状α−オレフィン類、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等のジエン類、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、2−フルオロプロペン、フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、3−フルオロプロペン、トリフルオロエチレン、3,4−ジクロロ−1−ブテン等のハロゲン置換α−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン等の環状オレフィン類が挙げられる。
スチレン類としては、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−プロピルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−メチルスチレン、o−エチルスチレン、o−プロピルスチレン、o−イソプロピルスチレン、m−メチルスチレン、m−エチルスチレン、m−イソプロピルスチレン、m−ブチルスチレン、メシチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン等のアルキルスチレン類、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、o−ブロモスチレン、p−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、o−フルオロスチレン、o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン、更にはトリメチルシリルスチレン、ビニル安息香酸エステル、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
本発明においては、オレフィンは一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
二種以上のオレフィンの共重合を行う場合、上記オレフィン類を任意に組み合わせることができる。
【0039】
又、本発明においては、上記オレフィン類と他の単量体とを共重合させてもよく、この際用いられる他の単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等の鎖状ジオレフィン類、ノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ノルボルネン等の多環状オレフィン類、ノルボルナジエン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状ジオレフィン類等を挙げることができる。
本発明において、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12の1−オレフィン、環状オレフィン及びスチレンから選ばれるものが好ましい。
この中で、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレンのいずれかであることがより好ましく、エチレン及びプロピレンが特に好適である。
【0040】
重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、トルエン及びシクロヘキサン等の炭化水素や、液化α−オレフィン等の溶媒存在下、又は無溶媒の条件下に行われる。
重合温度は、−50℃〜250℃であるが、室温〜150℃が好ましい。
圧力は特に制限されないが、好ましくは、常圧〜200MPaの範囲である。
又、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
重合工程においては、▲1▼重合反応槽で、発熱による内温の上昇を15℃以内(好ましくは、10℃以内)に抑える、▲2▼予め、オレフィン重合触媒にオレフィンで予備重合処理を施す、のいずれかの条件を満足させれば、オレフィン重合活性と共に共重合の選択性を確保することができる。
【0041】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積200mlの二口フラスコに、シリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)40mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)2gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン60mlを加え、更に、界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド4mgと凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド0.4gを添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、還流させながら、水トラップを設けた還流器を用い、トルエンと水を分離し、水を懸濁液から留去した。
水の留去が収まってから、懸濁液を冷却し、内容物を濾過・乾燥させた。
このようにして造粒した層状化合物を粒径分布測定装置(MASTER SIZER 2000、Malrern Instrument Ltd)を用い、粒径分布を測定した。図1に造粒物の粒径分布を示す。
図1から、造粒物の平均粒子径は40μm、小粒子径側から積算した粒子総質量の10%点を表わす最小径は8μm及び同じく90%点を表わす最大径は110μmであった。
【0042】
▲2▼造粒物のイオン交換処理及び活性化処理
上記▲1▼で調製した造粒物9gを180℃、4時間熱処理した後、0.1N塩酸水溶液200mlの中に、室温で2時間浸漬し、造粒物のイオン交換処理を行なった。
次に、イオン交換処理した造粒物を濾過(濾過時間は1分以内)し、150℃、2時間真空乾燥した。
このイオン交換処理した造粒物8gを採取し、内容積500mlのシュレンク管に移し、系内を不活性ガスで置換した。
次に、トルエン80mlと1モル濃度のトリイソブチルアルミニウム(TIBA)トルエン溶液80mlを加え、100℃で1時間加熱し、活性化処理を行なった。
この活性化処理を行なった造粒物の懸濁液をトルエンで2回洗浄(懸濁液の沈降が速いため、一回の洗浄は10分以内)した。
造粒物懸濁液の液量をトルエンで320mlに調整し、活性化された造粒物の懸濁液A(固形物濃度:0.025g/ml、モンモリロナイト濃度:0.005g/ml)を得た。
【0043】
▲3▼プロピレンの重合及び評価
1.6L容積のオートクレーブにヘプタン400ml、1モル濃度のTIBAトルエン溶液0.5ml、上記▲2▼で調製した造粒物の懸濁液Aを10ml(モンモリロナイト0.05g)を順次投入し、75℃に昇温した。
同温度に5分間保持した後、ヘプタンに懸濁させたジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライドの溶液(1マイクロモル/mlヘプタン)1mlを添加した。
次に、プロピレンガスを連続的に供給しながら、内温を75℃に、反応圧力を0.67MPA(ゲージ圧)に保ち、プロピレン重合反応を3時間行なった。
メタノールを添加することより重合反応を停止し、脱圧した後、ポリマーを取出し、ろ過分離した。
得られたポリマーを減圧下、90℃で12時間乾燥し、顆粒状ポリプロピレンを123gの収量で得た。
この顆粒状ポリプロピレンの嵩密度を測定したところ、0.29g/mlであった。
【0044】
[実施例2]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド0.4gを0.2gに代えた他は、実施例1▲1▼と同様にして、造粒物を調製した。
造粒物の平均粒子径は40μm、小粒子径側から積算した粒子総質量の10%点を表わす最小径は8μm及び同じく90%点を表わす最大径は1050μmであった。
図2に造粒物の粒径分布を示す。
▲2▼造粒物のイオン交換処理及び活性化処理
上記▲1▼で調製した造粒物9gを用いて、実施例1▲2▼と同様にして、活性化された造粒物の懸濁液B(固形物濃度:0.025g/ml、モンモリロナイト濃度:0.005g/ml)を調製した。
▲3▼プロピレンの重合及び評価
造粒物の懸濁液A10ml(層状化合物0.05g)及びジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド溶液(1マイクロモル/mlヘプタン)1mlの代わりに、造粒物の懸濁液B40ml(層状化合物0.20g)及びジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド溶液(1マイクロモル/mlヘプタン)3mlを用い、重合時間を3時間を30分に代えた他は、実施例1▲3▼と同様にして、プロピレン重合を行った。
その結果、顆粒状ポリプロピレンが102gの収量で得られた。
この顆粒状ポリプロピレンの嵩密度を測定したところ、0.24g/mlであった。
【0045】
[比較例1]
▲1▼Na−モンモリロナイトのシリカビーズへの担持処理
容積200mlのフラスコにシリカビーズ(Davison社製、粒子径30〜60μm)8gと蒸留水32mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)2gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン60mlを加え後、このフラスコをエバポレータに取付けて、フラスコを回転させながら、減圧下、水を加熱・留去した。
水の留去に伴い、トルエン懸濁液中に凝集固体が生成した。
凝集固体を取出し、光学顕微鏡で偏光をかけて観察したところ、透明な30〜60μmサイズのシリカビーズとは別に、10μm以下の偏光を放つ不定形固体が多量に存在した。
以上の結果から、シリカビーズへのモンモリロナイトの担持は困難であることが判明した。
【0046】
[比較例2]
▲1▼Na−モンモリロナイトのイオン交換処理
容積500mlのビーカーに蒸留水40mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)2gを徐々に添加し、水中に十分分散させた。
次に、分散液に0.1N塩酸水溶液200mlを添加したところ、分散液全体がノリ状となり、加圧濾過器(孔径3μmのメンブレンフィルター)を用い、空気圧(0.49MPAゲージ)をかけても、内容物の濾過はできなかった。
【0047】
[比較例3]
▲1▼Na−モンモリロナイトのイオン交換処理
特開平7−309907号公報の実施例1に準拠して、以下に示すイオン交換処理を行った。
500ml容積の三口セパラブルフラスコに、塩化マグネシウム6水和物20gを溶解した蒸留水100mlを入れ、これにイオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)20gを分散させてから、攪拌下、90℃で0.5時間加熱処理後、固体成分を水洗した。
上記処理操作をもう一度繰り返し、塩化マグネシウム処理層状化合物を得た。次に、この塩化マグネシウム処理層状化合物を6%の塩酸水溶液160mlに分散し、攪拌しながら還流下で2時間加熱処理した。
このイオン交換処理層状化合物の懸濁液を濾過し、濾液がpH=6になるまで水洗を繰り返した。
最後(3回目)の懸濁液の濾過(ロ液のpH=6)では、加圧濾過器(孔径3μmのメンブレンフィルター)を用い、空気圧(0.49MPAゲージ)をかけたが、濾過操作に48時間要した。
次に、このようにして調製した濾過物を常温で、真空下18時間乾燥を行ない、イオン交換処理層状化合物を得た。
【0048】
▲2▼イオン交換モンモリロナイトの活性化処理
上記▲1▼で調製した乾燥イオン交換モンモリロナイト粉末8gを採取し、内容積500mlのシュレンク管に移し、系内を不活性ガスで置換した。
次に、トルエン80mlを加えた後、1モル濃度のTIBAトルエン溶液160mlを極めて徐々に添加した。
この層状化合物懸濁液の発泡・発熱が収まった後、100℃で1時間攪拌を行なった。
層状化合物懸濁液の沈降・静置に12時間かけた後、懸濁液をトルエンで洗浄し、懸濁液液量をトルエンで320mlに調整し、活性化された造粒物の懸濁液C(層状化合物濃度:0.025g/ml)とした。
【0049】
▲3▼プロピレンの重合及び評価
実施例1▲3▼において、造粒物懸濁液A10ml(層状化合物0.05g)の代わりに、上記▲2▼で調製した造粒物の懸濁液Cを2ml(モンモリロナイト0.05g)を用いた他は、実施例1▲3▼と同様にして、プロピレン重合を行った。
その結果、粉末状ポリプロピレンが46gの収量で得られた。
この粉末状ポリプロピレンの嵩密度を測定したところ、0.11g/mlであった。
【0050】
[実施例3〜7]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積100mlの二口フラスコにシリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)20mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)1gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン30mlを加え、更に界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド(HDP)及び凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド(DAH)を表1の割合で添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、還流させながら、水トラップを設けた還流器を用い、トルエンと水を分離し、水を懸濁液から留去した。
水の留去が収まってから、懸濁液を冷却し、内容物を濾過・乾燥した。
このようにして造粒した層状化合物を目視又は光学顕微鏡にて観察した。得られた結果を表1に示す。
【0051】
[実施例8〜10]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積100mlの二口フラスコにシリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)20mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)1gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン30mlを加え、更に界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド(HDP)を表2の割合で添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、還流させながら、水トラップを設けた還流器を用い、トルエンと水を分離し、水を懸濁液から留去した。
水の留去が収まってから、懸濁液を冷却し、内容物を濾過・乾燥した。
このようにして造粒した層状化合物を目視又は光学顕微鏡にて観察した。得られた結果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
[実施例11]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積100mlの二口フラスコにシリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)20mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)1gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン30mlを加え、更に界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド0.25g及び凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド0.2gを添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、90℃で4時間攪拌を行った。
この懸濁液を平底のバットに移し、ドラフト中で溶媒を揮散させた後、乾燥した。
得られた造粒物を光学顕微鏡で観察したところ、30μmの板状物と10μm以下の無定形物の2種類の造粒物が観測された。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、イオン交換性層状化合物の造粒を行なった後、Naイオン等をイオン交換した造粒物は、濾過・洗浄が極めて容易で、且つ、再現性の良い粒径分布を与えるため、活性の高いオレフィン重合触媒を効率よく、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の造粒物の粒径分布を示す図である。
【図2】実施例2の造粒物の粒径分布を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換性層状化合物とシリカゾルから調製した造粒物(担体)と、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体からなるオレフィン重合触媒、該重合触媒の製造方法並びに該触媒を用いるポリオレフィンの製造方法に関するものである。
又、イオン交換性層状化合物とシリカゾルからの造粒物(担体)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン製造用触媒の担体として広く使用されている塩化マグネシウムやシリカに代えて粘土鉱物を採用する試みがなされているが、次のような問題点がある。
例えば、スメクタイトにメタロセン化合物とアルミノキサンを担持したオレフィン重合触媒が知られている(特開平5−25214号公報)が、取扱いが難しい上、高価なメチルアルモキサンを有機化粘土に担持させて用いるものである。アルミノキサンを用いない方法として、モンモリロナイトを粉砕し、塩化マグネシウムの水溶液で処理した後、更に、塩酸で処理したものを噴霧造粒して製造した担体にメタロセン系遷移金属化合物を担持するオレフィン重合触媒が知られている(特開平7−228621号公報)。
上記公報に開示された方法は、担体の造粒前に2段階の処理を施すもので、それぞれの処理の後、水洗を必須とするものである。
このため、触媒の生産性に改良の余地がある。
担体の造粒前の処理を1回とした方法も提案されている(特開平9−316119号公報)。
この触媒製造方法は、膨潤性合成雲母を粉砕し、硫酸亜鉛水溶液で処理した後、噴霧造粒して製造した担体にメタロセン系遷移金属化合物を担持するというものである。
ところで、上記公報に開示された触媒製造方法では、膨潤性合成雲母や親水性スメクタイトを他のイオン(例えば、硫酸亜鉛や硫酸アルミニウム)でイオン交換処理をしているが、イオン交換された粘土スラリーは濾過・洗浄処理が困難となり、後処理に長時間が必要である。
又、上記公報に開示されているようなスプレー・ドライ法による造粒では、スプレー・ドライに用いる粘土スラリーのスラリー濃度とスラリー粘度の再現性が低く、造粒物の粒径の制御が困難である。
従って、濾過・洗浄が極めて容易で、且つ、再現性の良い粒径分布を与える粘土鉱物よりなる新規な担体及び該担体からなる活性の高いオレフィン重合触媒が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、濾過・洗浄処理工程の迅速化と簡素化がなされ、且つ、再現性の良い粒径分布を有する造粒物(担体)、該造粒物の製造方法、該造粒物からなるオレフィン重合触媒及びその製造方法並びに該オレフィン重合触媒を用いるポリオレフィンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から製造した造粒物(担体)(C)が上記問題点を解決できることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、
1.イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から製造した造粒物(C)と、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)からなるオレフィン重合触媒、
2.イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させる造粒物(C)の製造方法、
3.上記造粒物(C)に、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)を接触させるオレフィン重合触媒の製造方法、
4.イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させて造粒物(C)を製造し、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)を接触させるオレフィン重合触媒の製造方法
5.上記オレフィン重合触媒又は上記方法で製造したオレフィン重合触媒を用るポリオレフィンの製造方法に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるイオン交換性層状化合物(A)としては、特に制限はないが、層電荷0.1〜0.7を有する2:1型イオン交換性層状化合物が好ましい。
イオン交換性層状化合物としては、例えば、フィロシリケート群に属するスメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、ヘクトライト、スチブンサイト、サポナイト)及び弗素四珪素雲母と呼ばれる合成雲母化合物等を挙げることができる。
イオン交換性層状化合物の平均粒子径は、5nm〜20μm、好ましくは、20nm〜5μmである。
イオン交換性層状化合物を使用することにより、オレフィン重合活性の高いオレフィン重合触媒を製造することができる。
【0006】
本発明で用いるシリカゾル(B)としては、特に制限はないが、コロイダルシリカとも呼称される水溶性のシリカゾルが好ましい。
シリカゾルの平均粒子径は、入手の容易さから、1〜1000nm、好ましくは1〜200nm、特に好ましくは、5〜100nmである。
シリカゾルの分散媒としては、水が好ましいが、アルコール、ケトン、アミド及びエーテル等も使用することができる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール等が挙げられる。
ケトンとしては、例えば、イソブチルメチルケトン、メチルエチルケトン及びアセトン等が挙げられる。
アミドとしては、例えば、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0007】
本発明の造粒物(担体)(C)は、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から構成される。
その構成比は、それぞれの乾燥質量比が(A):(B)=20:1〜1:50であり、好ましくは、10:1〜1:20である。
造粒物中のイオン交換性層状化合物(A)の割合が増加すると、オレフィン重合触媒の活性が増大し好ましい。
しかしながら、乾燥質量比が20:1を超えると、ポリオレフィンの嵩密度が低くなり、重合反応器の容積当りの生産性が低下するので好ましくない。又、ポリオレフィンのハンドリングが困難となる場合がある。
一方、シリカゾル(B)の割合が増加すると、ポリオレフィンの嵩密度が上昇し、ポリオレフィンのハンドリングが容易となる。
しかし、乾燥質量比が1:50より大きくなると、オレフィン重合触媒の活性が低下するようになる。
上記乾燥質量比は、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)の仕込み比によって調節することができる。
造粒物の平均粒子径は、1〜1000μm、好ましくは5〜100μmである。
平均粒子径が1μm未満では、造粒物の濾過・洗浄とイオン交換処理に時間を要し、又、造粒物と遷移金属錯体の接触による重合触媒の製造において、濾過及び洗浄を行う場合、その操作が煩雑となる。
又、平均粒子径が1000μmを超えると、オレフィン重合触媒の活性が低下する場合がある。
更に、造粒物は90質量%以上の粒子が1〜1000μmの範囲に入ることが好ましい。
1μm未満の粒子が10質量%を超えて存在すると、造粒物の濾過及び触媒製造等において取扱いが煩雑になり、1000μmを超える粒子が10質量%を超えて存在すると、このような粒子がポリオレフィン中に目に見える造粒物粒子として残存する場合があり好ましくない。
【0008】
本発明の造粒物(C)の製造方法としては、例えば、下記の製造方法が挙げられる。
シリカゾル(B)又は、これに更に水を加えた溶液に、イオン交換性層状化合物(A)を0〜100℃、好ましくは10〜60℃で添加し、分散する。
この層状化合物の懸濁液に、水とは非相溶な溶媒を加え、更に、界面活性剤及び必要に応じ、凝結補助剤を0〜100℃、好ましくは10〜60℃で添加する。
次に、層状化合物の二相懸濁液を激しく攪拌しながら、加熱還流し、系内から流出した水分を除去する。
水の留去が止まった時点で加熱攪拌を止め、濾過することにより造粒物を得ることができる。
水とは非相溶な溶媒としては、水より沸点の高い有機溶媒が用いられる。
具体的には、トルエン、キシレン、ヘプタン、デカリン、テトラリン及びトリクロロベンゼン等を挙げることができる。
【0009】
本発明で好適に用いられる界面活性剤(E)は、水と有機溶媒の界面で作用するもので、種類を問わず、使用することができる。
界面活性剤(E)の具体的例としては、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキル硫酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)等の陰イオン活性剤、第四級アンモニウム塩(例えば、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド)、ハロゲン化アルキルピリジニウム塩(例えば、ヘキサデシルピリジニウムクロリド)等の陽イオン活性剤及びポリエチレングリコールアルキルエーテル等の非イオン活性剤が挙げられる。
界面活性剤の添加量としては、水を含む全溶媒量100質量部に対し、0.0001〜0.1質量部、好ましくは0.0005〜0.05質量部である。
添加量が0.0005質量部未満であると、懸濁液の安定性が悪くなることにより、造粒物の粒径分布が広範囲となり、0.05質量部を超えると、造粒物の平均粒径が小さくなる。
【0010】
凝結補助剤(F)は、造粒物の粒径制御性の向上のために添加する。
凝結補助剤としては、アルミニウム化合物が優れており、具体例としては、ジアセトキシアルミニウムヒドロキシド、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、アルミニウムトリエトキシド及びアルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。
凝結補助剤の添加量としては、イオン交換性化合物とシリカゾルの総固形量100質量部に対し、0.1〜100質量部、好ましくは1〜10質量部である。添加量が0.1質量部未満であると、造粒物の成形強度が不十分で造粒物が微分化する恐れがあり、100質量部を超えると、重合触媒の活性が低下する。
【0011】
上記のようにして得られた造粒物(C)は、150℃〜400℃、好ましくは150〜250℃の温度で加熱する。
この熱処理により、造粒物は耐水性及び力学的強度が向上する。
熱処理が不十分であると、特に、造粒物のイオン交換処理において、造粒物が破砕される恐れがある。
又、熱処理を行なわない場合、酸(プロトン)によるイオン交換処理、有機アルミニウム化合物(G)処理及び周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)の接触処理の各操作中に造粒物が破砕される恐れがある。
【0012】
上記のようにして得られた造粒物(C)を構成するイオン交換性層状化合物中のNa又はLiカチオンはその後、他のカチオンと0〜100℃、好ましくは
10〜60℃でイオン交換を行なう。
このイオン交換処理を行なわない場合、周期律表第4〜10族の遷移金属のキレート錯体やメタロセン錯体(D)を造粒物に担持しても、オレフィン重合触媒の活性は低い。
イオン交換処理法としては、酸処理、塩化アンモニウム処理、亜鉛、アルミニウム及び鉄等の多価金属塩水溶液処理等が挙げられる。
最も優れたイオン交換処理法は酸処理であり、Na又はLiカチオンをプロトンで置換することが好ましい。
酸としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等が挙げられる。
酸の量としては、イオン交換性層状化合物及びシリカゾルに含まれるNa又はLiカチオンのモル数に対して、等モル〜100倍モルである。
【0013】
イオン交換された造粒物(C)は、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)と0〜100℃、好ましくは10〜60℃で接触(担持)させてオレフィン重合触媒を製造する。
造粒物と遷移金属錯体の接触は、造粒物1kg当り、遷移金属錯体(D)の金属原子のモル数において、0.0001〜0.5、好ましくは0.001〜0.2とすることが好ましい。
遷移金属錯体(D)の添加割合が0.0001未満であると、オレフィン重合触媒の活性向上が十分でなく、0.5を越えると、遷移金属当たりのオレフィン重合触媒の活性が低下する。
造粒物(C)と遷移金属錯体(D)の接触は,重合前であってもよいし、重合時でもよい。遷移金属錯体(D)が速やかに担持され,重合活性が速やかに発現する場合には、触媒調製が簡便となるので,重合時に接触することが好ましい。一方,重合活性の発現までに誘導期がある場合には,誘導期を考慮し、重合前に接触することが好ましい。
又、非担持の遷移金属錯体が存在する場合には,触媒活性に影響しない溶媒を用いて洗浄を行うことが好ましい。
【0014】
本発明の周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及びメタロセン錯体(D)について、以下に詳述する。
周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及びメタロセン錯体(D)としては、周期律表4〜6族の遷移金属を含むメタロセン錯体又は周期律表4〜10族、好ましくは8〜10族の遷移金属を含み、ヘテロ原子の配位子を持つキレート錯体が用いられる。
これらの中、エチレンやプロピレンに対しても重合能があり、活性が高い点から、周期律表第4〜6族の遷移金属を含むインデニル錯体が好ましい。
又、共重合能が良好な架橋ハーフメタロセン錯体(拘束幾何型配位子錯体やCGC錯体を含む)も用いることができる。
周期律表4〜6族のメタロセン錯体としては、活性の面より一般式(1)〜(3)で表される遷移金属化合物を好ましいものとして挙げることができ、又、周期律表8〜10族のキレート錯体としては、一般式(4)で表される遷移金属化合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0015】
Q1 a(C5H5−a−bR7 b)(C5H5−a−cR8 c)M1X3 pY1 q (1)
Q2 a(C5H5−a−dR9 d)Z1M1X3 pY1 q (2)
M1X4 r (3)
L1L2M2X4 uY2 v (4)
【0016】
〔式中、Q1は、二つの共役五員環配位子(C5H5−a−bR7 b)及び(C5H5−a−cR8 c)を架橋する結合性基を示し、Q2は、共役五員環配位子(C5H5−a−dR9 d)とZ1基を架橋する結合性基を示す。
R7,R8及びR9は、それぞれ炭化水素基,ハロゲン原子,アルコキシ基,珪素含有炭化水素基,リン含有炭化水素基,窒素含有炭化水素基又は硼素含有炭化水素基を示し、aは0,1又は2である。
b,c及びdは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。
(p+q)は(M1の価数−2)であり、rはM1の価数を示す。
M1は周期律表4〜6族の遷移金属、M2は周期律表8〜10族の遷移金属を示し、(u+v)はM2の価数を示す。
又、L1,L2は、それぞれ配位結合性の配位子を表し、X3,Y1,Z1,X4,Y2は、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を表している。
尚、L1,L2,X4及びY2は、それぞれ互いに結合して環構造を形成していてもよい。〕
【0017】
このQ1及びQ2の具体例としては、(1)メチレン基,エチレン基,イソプロピレン基,メチルフェニルメチレン基,ジフェニルメチレン基,シクロヘキシレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基,シクロアルキレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、(2)シリレン基,ジメチルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジフェニルシリレン基,ジシリレン基,テトラメチルジシリレン基等のシリレン基,オリゴシリレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、(3)(CH3)2Ge基,(C6H5)2Ge基,(CH3)P基,(C6H5)P基,(C4H9)N基,(C6H5)N基,(CH3)B基,(C4H9)B基,(C6H5)B基,(C6H5)Al基,(CH3O)Al基等のゲルマニウム,リン,窒素,硼素又はアルミニウムを含む炭化水素基〔低級アルキル基,フェニル基,ヒドロカルビルオキシ基(好ましくは低級アルコキシ基)等〕等が挙げられる。
これらの中で、オレフィンの重合活性の面よりアルキレン基及びシリレン基が好ましい。
【0018】
又、(C5H5−a−bR7 b)、(C5H5−a−cR8 c)及び(C5H5−a−dR9 d)は共役五員環配位子であり、R7,R8及びR9は、それぞれ炭化水素基,ハロゲン原子,アルコキシ基,珪素含有炭化水素基,リン含有炭化水素基,窒素含有炭化水素基又は硼素含有炭化水素基を示し、aは0,1又は2である。
b,c及びdは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。
ここで、炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、特に、炭素数1〜12のものが好ましい。
この炭化水素基は一価の基として、共役五員環基であるシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、又、これが複数個存在する場合には、その2個が互いに結合してシクロペンタジエニル基の一部と共に環構造を形成していてもよい。即ち、該共役五員環配位子の代表例は、置換又は非置換のシクロペンタジエニル基,インデニル基及びフルオレニル基である。
ハロゲン原子としては、塩素,臭素,ヨウ素及びフッ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、炭素数1〜12のものが好ましく挙げられる。
珪素含有炭化水素基としては、例えば、−Si(R10)(R11)(R12)(R10,R11及びR12は炭素数1〜24の炭化水素基)等が挙げられ、リン含有炭化水素基,窒素含有炭化水素基及び硼素含有炭化水素基としては、それぞれP−(R13)(R14),−N(R13)(R14)及び−B(R13)(R14)(R13及びR14は炭素数1〜18の炭化水素基)等が挙げられる。
R7,R8及びR9がそれぞれ複数ある場合には、複数のR7,複数のR8及び複数のR9は、それぞれにおいて同一であっても異なっていてもよい。
又、一般式(1)において、共役五員環配位子(C5H5−a−bR7 b)及び(C5H5−a−cR8 c)は同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1〜24の炭化水素基又は炭素数1〜18の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基及び脂環式脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基及びn−デシル基等が挙げられ、本発明においては炭素数1〜20のものが好ましい。
アルケニル基としては、ビニル基、1―プロペニル基、1―ブテニル基、1―ヘキセニル基、1―オクテニル基及びシクロヘキセニル基等が挙げられ、本発明においては炭素数2〜10のものが好ましい。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基及びナフチル基等が挙げられ、本発明においては炭素数6〜14のものが好ましい。
脂環式脂肪族炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0019】
一方、M1は周期律表4〜6族の遷移金属元素を示し、具体例としては、チタン,ジルコニウム,ハフニウム,バナジウム、ニオブ,モリブテン及びタングステン等を挙げることができるが、これらの中で活性の面よりチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好ましい。
Z1は共有結合性の配位子であり、具体的には、ハロゲン原子、酸素(−O−),硫黄(−S−),炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基,炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基(例えば、t−ブチルアミノ基,t−ブチルイミノ基等),炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基を示す。
X3及びY1は、それぞれ共有結合性の配位子又は結合性の配位子であり、具体的には、水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基,炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,アミノ基,炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基等)又は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチルシリル基等),炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基或いはハロゲン含有硼素化合物[例えば、B(C6H5)4,BF4]を示す。
これらの中でハロゲン原子及び炭化水素基が好ましい。
このX3及びY1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
又、X4は共有結合性の配位子であり、具体的には、ハロゲン原子、ヒドロカルビルアミノ基或いはヒドロカルビルオキシ基であり、好ましくはアルコキシ基である。
本発明の周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及びメタロセン錯体(D)としては、一般式(1)で表される遷移金属化合物が好ましく、この中でも、インデニル、シクロペンタジエニル又はフルオレニル構造を有する配位子を持つ錯体が特に好ましい。
【0020】
(I)一般式(1)又は(2)で表される遷移金属化合物の具体例として、以下の化合物を挙げることができる。
▲1▼ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロロヒドリド,ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドロジルコニウム,(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウムに置換した化合物等の架橋する結合基を有さず共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0021】
▲2▼メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,メチレンビス(インデニル)ジルコニウムクロロヒドリド,エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムクロリド,エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジエトキシド,エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム,エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2−メチル−4−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレンビス(2,4−ジメチル−5,6,7−トリヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−t−ブチル−5’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,3,5−トリメチルシクペンタジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−t−ブチル−5’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムクロロヒドリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム,メチレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,エチレン(2,5−ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,シクロヘキシリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド及び、上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムに置換した化合物等のアルキレン基で架橋した共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0022】
▲3▼ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,テトラメチルジシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,テトラメチルジシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,テトラメチルジシリレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2−エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5−ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジエチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2−エチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(エチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムで置換した化合物等のシリレン基架橋共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0023】
▲4▼ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,メチルアルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルアルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルホスフィレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,エチルボレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルアミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,フェニルアミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムに置換した化合物等のゲルマニウム,アルミニウム,硼素,リン又は窒素を含む炭化水素基で架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0024】
▲5▼ペンタメチルシクロペンタジエニル(ジフェニルアミノ)チタニウムジクロリド,インデニル(ジフェニルアミノ)チタニウムジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニル−ビス(トリメチルシリル)アミノチタニウムジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルフェノキシチタニウムジクロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミノチタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルアミノチタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)デシルアミノチタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)〔ビス(トリメチルシリル)アミノ〕チタニウムジクロリド,ジメチルゲルミレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルアミノチタニウムジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド、及び上記化合物において、チタニウムをジルコニウム及びハフニウムに置換した化合物等の共役五員環配位子を1個有する遷移金属化合物、
【0025】
▲6▼(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ビス(トリメチルシリル)ジルコニウム,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ビス(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−エチレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−シクロヘキシリデン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、及び上記化合物において、ジルコニウムをチタニウム及びハフニウムに置換した化合物等の配位子同士が二重架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
▲7▼更には、上記▲1▼〜▲6▼に記載の化合物において、これらの化合物の塩素原子を臭素原子,ヨウ素原子,水素原子,メチル基,フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基等に置き換えたものを挙げることができる。
【0026】
▲8▼上記▲1▼〜▲7▼に記載の化合物の中、▲3▼のシリレン基架橋共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物であって、遷移金属がジルコニウム又はチタンである遷移金属化合物が、特に好ましく用いられる。
(II)一般式(3)表される遷移金属化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
テトラ−n−ブトキシチタニウム,テトラ−i−プロポキシチタニウム,テトラフェノキシチタニウム,テトラクレゾキシチタニウム,テトラクロロチタニウム,テトラキス(ジエチルアミノ)チタニウム, テトラブロモチタニウム,及びチタンをジルコニウム、ハフニウムに置き換えた化合物等を挙げることができる。
これらの遷移金属化合物の中で、アルコキシチタニウム化合物、アルコキシジルコニウム化合物及びアルコキシハフニウム化合物が好ましい。
【0027】
(III)一般式(4)で表される遷移金属化合物において、M2は周期律表8〜10族の遷移金属を示し、具体的には、鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム,白金等が挙げられるが、そのうちニッケル,パラジウム、鉄が好ましい。
又、L1,L2は、それぞれ窒素原子もしくは燐原子を介して遷移金属と結合した配位結合性の有機配位子を表わし、X4,Y2はそれぞれ共有結合性、又はイオン結合性の配位子を表している。
ここで、X4,Y2については、前述したように、具体的には、水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基,炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,イミノ基,アミノ基,炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基等)又は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチルシリル基等),炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基、或いはハロゲン含有硼素化合物〔例えば、B(C6H5)4,BF4〕を示す。
これらの中では、ハロゲン原子及び炭化水素基が好ましい。
このX4及びY2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
更に、L1,L2の具体例としては、トリフェニルホスフィン;アセトニトリル;ベンゾニトリル;1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン;1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン;1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン;シクロオクタジエン;ピリジン;キノリン;N−メチルピロリジン;ビストリメチルシリルアミノビストリメチルシリルイミノホスホラン等を挙げることができる。
尚、上記L1,L2,X4及びY2は、それぞれ互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0028】
一般式(4)で表される遷移金属化合物について、その具体例を示すと、ジブロモビストリフェニルホスフィンニッケル,ジクロロビストリフェニルホスフィンニッケル,ジブロモジアセトニトリルニッケル,ジブロモジベンゾニトリルニッケル,ジブロモ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケル,ジブロモ(1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン)ニッケル,ジブロモ(1,1’−ジフェニルビスホスフィノフェロセン)ニッケル,ジメチルビストリフェニルホスフィンニッケル,ジメチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケル,メチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケルテトラフルオロボレート,(2−ジフェニルホスフィノ−1−フェニルエチレンオキシ)フェニルピリジンニッケル,ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム,ジクロロジベンゾニトリルパラジウム,ジクロロジアセトニトリルパラジウム,ジクロロ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)パラジウム,ビストリフェニルホスフィンパラジウムビステトラフルオロボレート,ビス(2,2’−ビピリジン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテラート及び下記に示す化合物等が挙げられる。
【0029】
【化1】
【0030】
〔式中、Meはメチル基を、Rはメチル基又はイソプロピル基を示す。〕
これら化合物の中でも、メチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケルテトラフルオロボレートやビストリフェニルホスフィンパラジウムビステトラフルオロボレート,ビス(2,2’−ビピリジン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテラートのようなカチオン型錯体や上記式で表わされる化合物が好ましく用いられる。
本発明のオレフィン重合触媒においては、遷移金属錯体(D)は、一種用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
尚、造粒物(C)は、必要に応じ、有機アルミニウム化合物(G)と50〜150℃、好ましくは80〜120℃で接触(活性化処理)させることが好ましい。
一般に、イオン交換処理を行なった造粒物を、不活性溶媒(脂肪族又は芳香族溶媒)に懸濁させ、有機アルミニウム化合物と接触させ、過剰な有機アルミニウム化合物を不活性溶媒で除去した後、遷移金属錯体(D)を接触させてオレフィン重合触媒を製造することが好ましい。
脂肪族又は芳香族溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物処理が有用な場合は、遷移金属錯体(D)が、周期律表第4〜6族金属のキレート錯体や中心金属がチタンであるメタロセン錯体の場合である。
チタン以外の遷移金属を中心金属とするメタロセン錯体又は周期律表第8〜10族の遷移金属を中心金属とするキレート錯体の場合、造粒物の有機アルミニウムによる活性化処理は必ずしも必要ではない。
【0032】
有機アルミニウム化合物(G)としては、一般式(5)
【0033】
R15 vAlQ3 3−v (5)
(式中、R15は炭素数1〜10のアルキル基、Q3は水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である。)
で示される化合物が用いられる。
一般式(5)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド及びエチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は、一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
又、他の有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。
アルミニウムオキシ化合物としては、一般式(6)
【0034】
【化2】
【0035】
(式中、R16は炭素数1〜20、好ましくは2〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基等の炭化水素基或いはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。尚、各R16は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(7)
【0036】
【化3】
【0037】
(式中、R16及びwは前記一般式(6)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
前記アルミノキサンの具体例としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン及びイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。
本発明において、有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、一般式(6)において、R16のうち少なくとも一つが炭素数2以上のアルキル基であり、それ以外のR16が炭素数1〜10のアルキル基であるものが好ましい。
【0038】
本発明において、オレフィン(H)としては、オレフィン類、スチレン及びスチレン類等が挙げられる。
オレフィン類については特に制限はないが、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンが好ましい。
このα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−フェニル−1−ブテン、6−フェニル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等の直鎖又は分岐状α−オレフィン類、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等のジエン類、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、2−フルオロプロペン、フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、3−フルオロプロペン、トリフルオロエチレン、3,4−ジクロロ−1−ブテン等のハロゲン置換α−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン等の環状オレフィン類が挙げられる。
スチレン類としては、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−プロピルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−メチルスチレン、o−エチルスチレン、o−プロピルスチレン、o−イソプロピルスチレン、m−メチルスチレン、m−エチルスチレン、m−イソプロピルスチレン、m−ブチルスチレン、メシチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン等のアルキルスチレン類、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、o−ブロモスチレン、p−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、o−フルオロスチレン、o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン、更にはトリメチルシリルスチレン、ビニル安息香酸エステル、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
本発明においては、オレフィンは一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
二種以上のオレフィンの共重合を行う場合、上記オレフィン類を任意に組み合わせることができる。
【0039】
又、本発明においては、上記オレフィン類と他の単量体とを共重合させてもよく、この際用いられる他の単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等の鎖状ジオレフィン類、ノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ノルボルネン等の多環状オレフィン類、ノルボルナジエン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状ジオレフィン類等を挙げることができる。
本発明において、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12の1−オレフィン、環状オレフィン及びスチレンから選ばれるものが好ましい。
この中で、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレンのいずれかであることがより好ましく、エチレン及びプロピレンが特に好適である。
【0040】
重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、トルエン及びシクロヘキサン等の炭化水素や、液化α−オレフィン等の溶媒存在下、又は無溶媒の条件下に行われる。
重合温度は、−50℃〜250℃であるが、室温〜150℃が好ましい。
圧力は特に制限されないが、好ましくは、常圧〜200MPaの範囲である。
又、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
重合工程においては、▲1▼重合反応槽で、発熱による内温の上昇を15℃以内(好ましくは、10℃以内)に抑える、▲2▼予め、オレフィン重合触媒にオレフィンで予備重合処理を施す、のいずれかの条件を満足させれば、オレフィン重合活性と共に共重合の選択性を確保することができる。
【0041】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積200mlの二口フラスコに、シリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)40mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)2gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン60mlを加え、更に、界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド4mgと凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド0.4gを添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、還流させながら、水トラップを設けた還流器を用い、トルエンと水を分離し、水を懸濁液から留去した。
水の留去が収まってから、懸濁液を冷却し、内容物を濾過・乾燥させた。
このようにして造粒した層状化合物を粒径分布測定装置(MASTER SIZER 2000、Malrern Instrument Ltd)を用い、粒径分布を測定した。図1に造粒物の粒径分布を示す。
図1から、造粒物の平均粒子径は40μm、小粒子径側から積算した粒子総質量の10%点を表わす最小径は8μm及び同じく90%点を表わす最大径は110μmであった。
【0042】
▲2▼造粒物のイオン交換処理及び活性化処理
上記▲1▼で調製した造粒物9gを180℃、4時間熱処理した後、0.1N塩酸水溶液200mlの中に、室温で2時間浸漬し、造粒物のイオン交換処理を行なった。
次に、イオン交換処理した造粒物を濾過(濾過時間は1分以内)し、150℃、2時間真空乾燥した。
このイオン交換処理した造粒物8gを採取し、内容積500mlのシュレンク管に移し、系内を不活性ガスで置換した。
次に、トルエン80mlと1モル濃度のトリイソブチルアルミニウム(TIBA)トルエン溶液80mlを加え、100℃で1時間加熱し、活性化処理を行なった。
この活性化処理を行なった造粒物の懸濁液をトルエンで2回洗浄(懸濁液の沈降が速いため、一回の洗浄は10分以内)した。
造粒物懸濁液の液量をトルエンで320mlに調整し、活性化された造粒物の懸濁液A(固形物濃度:0.025g/ml、モンモリロナイト濃度:0.005g/ml)を得た。
【0043】
▲3▼プロピレンの重合及び評価
1.6L容積のオートクレーブにヘプタン400ml、1モル濃度のTIBAトルエン溶液0.5ml、上記▲2▼で調製した造粒物の懸濁液Aを10ml(モンモリロナイト0.05g)を順次投入し、75℃に昇温した。
同温度に5分間保持した後、ヘプタンに懸濁させたジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライドの溶液(1マイクロモル/mlヘプタン)1mlを添加した。
次に、プロピレンガスを連続的に供給しながら、内温を75℃に、反応圧力を0.67MPA(ゲージ圧)に保ち、プロピレン重合反応を3時間行なった。
メタノールを添加することより重合反応を停止し、脱圧した後、ポリマーを取出し、ろ過分離した。
得られたポリマーを減圧下、90℃で12時間乾燥し、顆粒状ポリプロピレンを123gの収量で得た。
この顆粒状ポリプロピレンの嵩密度を測定したところ、0.29g/mlであった。
【0044】
[実施例2]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド0.4gを0.2gに代えた他は、実施例1▲1▼と同様にして、造粒物を調製した。
造粒物の平均粒子径は40μm、小粒子径側から積算した粒子総質量の10%点を表わす最小径は8μm及び同じく90%点を表わす最大径は1050μmであった。
図2に造粒物の粒径分布を示す。
▲2▼造粒物のイオン交換処理及び活性化処理
上記▲1▼で調製した造粒物9gを用いて、実施例1▲2▼と同様にして、活性化された造粒物の懸濁液B(固形物濃度:0.025g/ml、モンモリロナイト濃度:0.005g/ml)を調製した。
▲3▼プロピレンの重合及び評価
造粒物の懸濁液A10ml(層状化合物0.05g)及びジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド溶液(1マイクロモル/mlヘプタン)1mlの代わりに、造粒物の懸濁液B40ml(層状化合物0.20g)及びジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド溶液(1マイクロモル/mlヘプタン)3mlを用い、重合時間を3時間を30分に代えた他は、実施例1▲3▼と同様にして、プロピレン重合を行った。
その結果、顆粒状ポリプロピレンが102gの収量で得られた。
この顆粒状ポリプロピレンの嵩密度を測定したところ、0.24g/mlであった。
【0045】
[比較例1]
▲1▼Na−モンモリロナイトのシリカビーズへの担持処理
容積200mlのフラスコにシリカビーズ(Davison社製、粒子径30〜60μm)8gと蒸留水32mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)2gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン60mlを加え後、このフラスコをエバポレータに取付けて、フラスコを回転させながら、減圧下、水を加熱・留去した。
水の留去に伴い、トルエン懸濁液中に凝集固体が生成した。
凝集固体を取出し、光学顕微鏡で偏光をかけて観察したところ、透明な30〜60μmサイズのシリカビーズとは別に、10μm以下の偏光を放つ不定形固体が多量に存在した。
以上の結果から、シリカビーズへのモンモリロナイトの担持は困難であることが判明した。
【0046】
[比較例2]
▲1▼Na−モンモリロナイトのイオン交換処理
容積500mlのビーカーに蒸留水40mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)2gを徐々に添加し、水中に十分分散させた。
次に、分散液に0.1N塩酸水溶液200mlを添加したところ、分散液全体がノリ状となり、加圧濾過器(孔径3μmのメンブレンフィルター)を用い、空気圧(0.49MPAゲージ)をかけても、内容物の濾過はできなかった。
【0047】
[比較例3]
▲1▼Na−モンモリロナイトのイオン交換処理
特開平7−309907号公報の実施例1に準拠して、以下に示すイオン交換処理を行った。
500ml容積の三口セパラブルフラスコに、塩化マグネシウム6水和物20gを溶解した蒸留水100mlを入れ、これにイオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)20gを分散させてから、攪拌下、90℃で0.5時間加熱処理後、固体成分を水洗した。
上記処理操作をもう一度繰り返し、塩化マグネシウム処理層状化合物を得た。次に、この塩化マグネシウム処理層状化合物を6%の塩酸水溶液160mlに分散し、攪拌しながら還流下で2時間加熱処理した。
このイオン交換処理層状化合物の懸濁液を濾過し、濾液がpH=6になるまで水洗を繰り返した。
最後(3回目)の懸濁液の濾過(ロ液のpH=6)では、加圧濾過器(孔径3μmのメンブレンフィルター)を用い、空気圧(0.49MPAゲージ)をかけたが、濾過操作に48時間要した。
次に、このようにして調製した濾過物を常温で、真空下18時間乾燥を行ない、イオン交換処理層状化合物を得た。
【0048】
▲2▼イオン交換モンモリロナイトの活性化処理
上記▲1▼で調製した乾燥イオン交換モンモリロナイト粉末8gを採取し、内容積500mlのシュレンク管に移し、系内を不活性ガスで置換した。
次に、トルエン80mlを加えた後、1モル濃度のTIBAトルエン溶液160mlを極めて徐々に添加した。
この層状化合物懸濁液の発泡・発熱が収まった後、100℃で1時間攪拌を行なった。
層状化合物懸濁液の沈降・静置に12時間かけた後、懸濁液をトルエンで洗浄し、懸濁液液量をトルエンで320mlに調整し、活性化された造粒物の懸濁液C(層状化合物濃度:0.025g/ml)とした。
【0049】
▲3▼プロピレンの重合及び評価
実施例1▲3▼において、造粒物懸濁液A10ml(層状化合物0.05g)の代わりに、上記▲2▼で調製した造粒物の懸濁液Cを2ml(モンモリロナイト0.05g)を用いた他は、実施例1▲3▼と同様にして、プロピレン重合を行った。
その結果、粉末状ポリプロピレンが46gの収量で得られた。
この粉末状ポリプロピレンの嵩密度を測定したところ、0.11g/mlであった。
【0050】
[実施例3〜7]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積100mlの二口フラスコにシリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)20mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)1gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン30mlを加え、更に界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド(HDP)及び凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド(DAH)を表1の割合で添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、還流させながら、水トラップを設けた還流器を用い、トルエンと水を分離し、水を懸濁液から留去した。
水の留去が収まってから、懸濁液を冷却し、内容物を濾過・乾燥した。
このようにして造粒した層状化合物を目視又は光学顕微鏡にて観察した。得られた結果を表1に示す。
【0051】
[実施例8〜10]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積100mlの二口フラスコにシリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)20mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)1gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン30mlを加え、更に界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド(HDP)を表2の割合で添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、還流させながら、水トラップを設けた還流器を用い、トルエンと水を分離し、水を懸濁液から留去した。
水の留去が収まってから、懸濁液を冷却し、内容物を濾過・乾燥した。
このようにして造粒した層状化合物を目視又は光学顕微鏡にて観察した。得られた結果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
[実施例11]
▲1▼造粒物の製造(Na−モンモリロナイトの造粒)
容積100mlの二口フラスコにシリカゾル(商品名スノーテックスO:日産化学社製、平均粒子径が10〜20nmの間にあるシリカゾル、SiO2濃度20wt%、分散媒は水)20mlを入れ、攪拌しながら、イオン交換性層状化合物としてNa−モンモリロナイト(商品名ベンゲル:豊潤洋行社製Na−モンモリロナイト)1gを徐々に添加した。
この懸濁液に、水に非相溶な溶媒としてトルエン30mlを加え、更に界面活性剤としてヘキサデシルピリジニウムクロリド0.25g及び凝結補助剤としてジアセトキシアルミニウムヒドロキシド0.2gを添加した。
次に、この懸濁液を昇温し、90℃で4時間攪拌を行った。
この懸濁液を平底のバットに移し、ドラフト中で溶媒を揮散させた後、乾燥した。
得られた造粒物を光学顕微鏡で観察したところ、30μmの板状物と10μm以下の無定形物の2種類の造粒物が観測された。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、イオン交換性層状化合物の造粒を行なった後、Naイオン等をイオン交換した造粒物は、濾過・洗浄が極めて容易で、且つ、再現性の良い粒径分布を与えるため、活性の高いオレフィン重合触媒を効率よく、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の造粒物の粒径分布を示す図である。
【図2】実施例2の造粒物の粒径分布を示す図である。
Claims (21)
- イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)から製造した造粒物(C)と、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)からなるオレフィン重合触媒。
- イオン交換性層状化合物(A)が、層電荷0.1〜0.7を有する2:1型層状化合物である請求項1記載のオレフィン重合触媒。
- シリカゾル(B)の粒子径が1〜200nmである請求項1又は請求項2記載のオレフィン重合触媒。
- 造粒物(C)が、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)のそれぞれの乾燥質量比が(A):(B)=20:1〜1:50で構成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触媒。
- 周期律表第4〜10族遷移金属のメタロセン錯体(D)が、共役炭素5員環を有する配位子からなるメタロセン錯体である請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン重合触媒。
- イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させる造粒物(C)の製造方法。
- 界面活性剤(E)の存在下、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させる請求項6に記載の造粒物(C)の製造方法。
- 界面活性剤(E)及び凝結補助剤(F)の存在下、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させる請求項6に記載の造粒物(C)の製造方法。
- 界面活性剤(E)の存在下、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を含水系で接触後、脱水処理する請求項6に記載の造粒物(C)の製造方法。
- Na又はLiカチオンを含有するイオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触後、Na又はLiカチオンを他のカチオンで置換する請求項6〜9のいずれかに記載の造粒物(C)の製造方法。
- イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触後、150℃以上の温度で熱処理する請求項6〜9のいずれかに記載の造粒物(C)の製造方法。
- 請求項6〜11のいずれかに記載の造粒物(C)に、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)を接触させるオレフィン重合触媒の製造方法。
- 造粒物(C)と有機アルミニウム化合物(G)を接触させる請求項12に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させて造粒物(C)を製造し、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)を接触させるオレフィン重合触媒の製造方法。
- 界面活性剤(E)の存在下、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させて造粒物(C)を製造する請求項14に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- 界面活性剤(E)及び凝結補助剤(F)の存在下、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触させて造粒物(C)を製造する請求項14に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- 界面活性剤(E)の存在下、イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を含水系で接触後、脱水し、造粒物(C)を製造する請求項14に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- Na又はLiカチオンを含有するイオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触後、Na又はLiカチオンを他のカチオンで置換する請求項14〜17のいずれかに記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- イオン交換性層状化合物(A)とシリカゾル(B)を接触後、150℃以上の温度で熱処理し、周期律表第4〜10族遷移金属のキレート錯体及び/又はメタロセン錯体(D)を接触させる請求項14〜18のいずれかに記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- 造粒物(C)と有機アルミニウム化合物(G)を接触させる請求項14〜19のいずれかに記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合触媒又は請求項12〜20のいずれかに記載の方法で製造したオレフィン重合触媒を用るポリオレフィンの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002190439A JP2004035588A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | オレフィン重合触媒及びその製造方法 |
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