JP2004035559A - 特定の環状基で置換されたピロリジル基を含むパラ−フェニレンジアミン誘導体とケラチン繊維の染色のためのその誘導体の使用 - Google Patents

特定の環状基で置換されたピロリジル基を含むパラ−フェニレンジアミン誘導体とケラチン繊維の染色のためのその誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】非選択的で耐性があり、良好な毒物学的性状を示し、様々な色調で強い着色を達成することができ、ケラチン繊維を劣化させないでケラチン繊維を染色することが可能な酸化ベース及びそれを含有する染色組成物を提供する。
【解決手段】次の式(I):
  【化1】
Figure 2004035559

{式中、nは0〜4であり、Rは、ハロゲン原子、脂肪族又は脂環式C-C炭化水素系鎖であり、Yは共有結合又はC-C14アルキレン鎖であり、Rは3〜7員の飽和又は不飽和の炭素環又は複素環を表す}
のピロリジル基で置換されたパラ-フェニレンジアミン誘導体又はその付加塩を酸化ベースとして配合する。
【選択図】なし

Description

 本発明は、特定の基で置換されたピロリジル基を含む新規なパラ-フェニレンジアミン誘導体と、それを含有する染色組成物と、これら組成物を用いてケラチン繊維を染色する方法に関する。
 ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を、一般に酸化ベースとして知られている酸化染料前駆物質、特に、オルト-又はパラ-フェニレンジアミン類、オルト-又はパラ-アミノフェノール類、複素環化合物、例えばジアミノピラゾール誘導体、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピリジン誘導体、5,6-ジヒドロキシインドール誘導体及び5,6-ジヒドロキシインドリン誘導体を含有する染色組成物で染色することが知られている。酸化染料前駆物質すなわち酸化ベースは、酸化物質と組み合わされると、酸化縮合プロセスにより、着色した化合物及び染料を生じうる無色かわずかに着色した化合物である。
 また、これらの酸化ベースにより得られる色調を、カップラー又は調色剤とこれらを組み合わせることにより、変化させることができることも知られており、後者はメタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ヒドロキシフェノール類及びある種の複素環化合物、例えばピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール誘導体、ピラゾロ[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール誘導体、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体、ピリジン誘導体、5-ピラゾロン誘導体、インドリン誘導体及びインドール誘導体から特に選択される。
 酸化ベース及びカップラーとして使用される様々な分子により、幅広い色調を得ることが可能になる。
 これら酸化染料により得られる「永久的」な着色は、幾つかの要求を更に満足させるものでなくてはならない。しかして、毒物学的な欠点がなく、所望の強さの色調が得られ、外的要因(光、悪天候、洗浄、パーマ施術、発汗及び擦過)に対して良好な耐性があるものでなくてはならない。
 また、染料はグレーの髪を隠すことができなければならず、最後に、可能な限り非選択的であること、すなわち、実際には髪の先端と根本の間で敏感化度(すなわち傷み具合)が異なる可能性のある同じケラチン繊維の長さ方向に沿って可能な限り色差が小さくなるようにしなければならない。また染料は処方物中で良好な化学的安定性を示さなければならず、良好な毒物学的性状を持たなければならない。
 染毛の分野では、パラ-フェニレンジアミン及びパラ-トリレンジアミンは広く用いられている酸化ベースである。それらは酸化カップラーで様々な色調をつくりだすことができる。
 しかし、色の強さ、色調の多様性、色の均一性及び外部要因に対する耐性の点で優れた性質を毛髪に付与することができると同時に、パラ-フェニレンジアミン及びパラ-トリレンジアミンよりも良好な毒物学的性状を持つ新規な酸化ベースを発見することが必要である。
 ケラチン繊維を着色するために酸化ベースとしてピロリジン基で置換したパラ-フェニレンジアミン誘導体を用いることは既に知られていることである。例えば、米国特許第5851237号はパラ-フェニレンジアミンの代替物として、ベンゼン核に置換されていてもよい1-(4-アミノフェニル)ピロリジン誘導体を使用することを記載している。
 米国特許第5993491号はパラ-フェニレンジアミンの代替物として、ピロリジン複素環の4位にヒドロキシル基が置換されたベンゼン核に置換がなされていてもよいN-(4-アミノフェニル)-2-ヒドロキシメチルピロリジン誘導体を使用することを提案している。
 特許出願JP11-158048号は、その窒素原子の一つが5員から7員の炭素系環に含まれる、ベンゼン核に置換がなされていてもよい4-アミノアニリン誘導体から選択される少なくとも一の化合物を含む組成物を提案している。
 特許出願EP1200052号は、アミノ基の一つが、3位がアミノ基で置換されたピロリジン環を形成しているパラ-フェニレンジアミン誘導体を酸化ベースとして含む染色組成物を記載している。
 これらの化合物は色の強さと色の均一性の欠如のためにパラ-フェニレンジアミン又はパラ-トルイレンジアミンで得られるものと品質が等価な着色を毛髪に付与することはできない。
 よって、それを含む組成物が、色の強さ、色調の多様性、色の均一性及び髪が被る恐れのある様々な外部の攻撃要因に対する耐性の点で優れた性質を毛髪に付与することができるような性質と良好な毒物学的性状を併せ持つ新規な酸化ベースを発見することが真に必要である。
 本発明の目的は、比較的非選択的で、特に耐性があり良好な毒物学的性状を示す、様々な色調で強い着色を達成することができると同時に、ケラチン繊維を劣化させない、ケラチン繊維の新規な染色組成物を提供することによって、先行技術の酸化ベースの欠点を持たない新規な染色組成物を開発することである。
 この目的は、その主題が、式(I):
Figure 2004035559
{上式中、
・nは0〜4であり、nが2以上の場合、R基は同一でも異なっていてもよく、
・Rは、ハロゲン原子;飽和又は不飽和の脂肪族又は脂環式C-C炭化水素系鎖であって、その一又は複数の炭素原子が一又は複数の酸素、窒素、ケイ素又は硫黄原子で、あるいはSO又はSO基で置き換えられ得る炭化水素系鎖を表し;R基はペルオキシド結合、又はジアゾ、ニトロ又はニトロソ基を含まず、該鎖は一又は複数のハロゲン原子又は一又は複数のヒドロキシル、アミノ、モノ-又はジ(C-C)アルキルアミノ又はトリ(C-C)アルキルアンモニウム基で置換されていてもよく、
・Yは共有結合又は直鎖状又は分枝状のC-C14アルキレン鎖であって、その一又は複数の炭素原子が酸素、窒素又は硫黄原子、SO又はSOで置き換えられ得るアルキレン鎖を表し、該鎖はヒドロキシル、C-Cアルコキシ、アミノ、C-Cアルキルアミノ又はC-Cジアルキルアミノ基で置換されていてもよく、該鎖は一又は複数のケトン官能基を担持していてもよく、
・Rは3員から7員の飽和又は不飽和の炭素環又は複素環であって、C-Cアルキル及びC-Cヒドロキシアルキル基から選択される少なくとも一の基で置換されていてもよいものを表す}
のピロリジル基で置換されたパラ-フェニレンジアミン誘導体とその付加塩である本発明によって達成される。
 本発明の主題はまた酸化ベースとして式(I)の少なくとも一のパラ-フェニレンジアミン誘導体を含む染色組成物である。
 本発明の他の主題は、ケラチン繊維を染色するためのこれら誘導体の使用であり、また本発明の組成物を使用する、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を染色する方法である。
 本発明の組成物は特に彩度があり、強力で、比較的非選択的で耐性のあるケラチン繊維の着色をつくりだすことができ、また良好な毒物学的性状を持つ。
 本発明において、脂肪族炭化水素系鎖はアルケン又はアルキンタイプの不飽和を含みうる直鎖状又は分枝状鎖である。脂環式炭化水素系鎖は、アルケン又はアルキンタイプの一又は複数の不飽和を含んでいてもよいが、芳香族環構造を含まない環状構造を含む分枝鎖である。
 鎖の炭素原子が酸素、硫黄、窒素又はケイ素原子T、SO又はSOで置き換えられる場合、例えばTに対して、-T-CH-又は-T-という単位が得られる。
 例を挙げると、Rは、塩素又は臭素原子又はメチル、エチル、イソプロピル、ビニル、アリル、メトキシメチル、ヒドロキシエチル、1-カルボキシメチル、1-アミノメチル、2-カルボキシエチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、1,2-ジヒドロキシエチル、1-ヒドロキシ-2-アミノエチル、1-アミノ-2-ヒドロキシエチル、1,2-ジアミノエチル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ又は2-ヒドロキシエチルオキシ基でありうる。
 本発明において、nは好ましくは0又は1に等しい。
 特定の一実施態様では、Rは、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、C-Cヒドロキシアルキル基、C-Cアミノアルキル基、C-Cアルコキシ基又はC-Cヒドロキシアルコキシ基から選択される。例を挙げると、Rは、メチル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジヒドロキシエチル、メトキシ、イソプロピルオキシ又は2-ヒドロキシエトキシ基から選択される。
 Yが共有結合を表す場合、Rは直接ピロリジン環に結合する。Yがアルキレン鎖を表す場合、Yは、好ましくは、-O-、-NR'-及び-NR'CO-(但し、R'は水素又はC-Cアルキル基を表す)から選択される一又は複数の単位を含みうるC-Cアルキレン鎖である。Yはまた-O-、-NR'-、-S-、-SO-又は-SO-を表しうる。
 例を挙げると、R基は、イミダゾール、ピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、トリアゾール、ジアゼパン、ピラゾール、モルホリン、テトラゾール、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール及びチアゾール環と、また上述の環の一又は複数の二重結合を還元することによって得られる全ての対応する環から選択されうる。トリアゾール環は1,2,3-トリアゾール又は1,2,4-トリアゾール環でありうる。
 好適な一実施態様では、Rは窒素含有複素環である。好ましくは、Rは、イミダゾール、ピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、トリアゾール、ジアゼパン及びピラゾール環から選択される。
 特定の一実施態様では、Rは、窒素含有複素環の窒素原子の一つを介してYに結合している。
 Rが炭素環である場合、Rは好ましくはC-Cシクロアルキル又はアリール基、好ましくはフェニルから選択される。
 式(I)の化合物は強無機酸、例えばHCl、HBr又はHSO、あるいは有機酸、例えば酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸又はコハク酸との酸塩の形態をとりうる。
 挙げることができる式(I)の誘導体の例には次のものが含まれる:
Figure 2004035559
Figure 2004035559
Figure 2004035559
 これらの化合物の中で次の化合物が特に好ましい:
− 4-(3-イミダゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン
− 4-[1,3']ビピロリジ-1'-イルフェニルアミン、
− 4-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン
− 4-{3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン
− 4-[3-(2-ピロリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン
− 4-[3-(ピペリジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン
− 4-[3-(2-ピペリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン
− [1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル](3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミン
− 2-メチル-[1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル]-(3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミン
− 4-(3-イミダゾル-1-イルピロリジ-1-イル)-2-メチルフェニルアミン
− 4-[1,3']ビピロリジ-1'-イル-2-メチルフェニルアミン、
− 2-メチル-4-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン
− 2-メチル-4-[3-(ピペリジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン
− 2-メチル-4-{3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン
− 4-[3-ピラゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン
− 2-メチル-4-[3-ピラゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン
− 2-メチル-4-[3-(2-ピロリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン
− 2-メチル-4-[3-(2-ピペリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン。
 本発明の染色組成物は、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維を染色するのに適した化粧品的に許容可能な媒体中に酸化ベースとして上述の式(I)の少なくとも一の誘導体を含有する。
 本発明の酸化ベース(群)は染色組成物の全重量に対してそれぞれ一般に約0.001〜10重量%、好ましくは約0.005〜6重量%の量で存在する。
 本発明の染色組成物はケラチン繊維の染色に常套的に使用される一又は複数のカップラーを含んでいてもよい。これらのカップラーとしては、メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレン系カップラー及び複素環カップラー並びにその付加塩を特に挙げることができる。
 挙げることができる例には、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイド-アニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン及び2,6-ビス(β-ヒドロキシ-エチルアミノ)トルエン並びにそれらの酸付加塩が含まれる。
 本発明の組成物において、カップラーは染色組成物の全重量に対して、一般に約0.001〜10重量%、好ましくは約0.005〜6重量%の量で存在する。
 本発明の組成物は酸化染色で従来より使用されている一又は複数の更なる酸化ベースを含んでいてもよい。例を挙げると、これらの更なる酸化ベースは、上述のもの以外のパラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、ビス-パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類及び複素環ベース並びにその付加塩から選択される。
 挙げることができるパラ-フェニレンジアミン類は、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルイレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-フェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン及び3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン、及びこれらの酸付加塩である。
 上記のパラ-フェニレンジアミン類の中で、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルイレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン及び2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン及びこれらの酸付加塩が特に好ましい。
 ビス(フェニル)アルキレンジアミン類としては、例えば、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、及びそれらの酸付加塩を特に挙げることができる。
 パラ-アミノフェノール類としては、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、及びそれらの酸付加塩を特に挙げることができる。
 オルト-アミノフェノール類としては、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、及びそれらの酸付加塩を特に挙げることができる。
 複素環ベースとしては、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体を挙げることができる。
 ピリジン誘導体としては、特に、例えば英国特許第1026978号及び同1153196号に記載されている化合物、例えば2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン及び3,4-ジアミノピリジン、及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
 本発明において有用な他のピリジン酸化ベースは、例えば仏国特許出願第2801308号に記載されている3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化ベース又はその付加塩である。例としては、ピラゾロ[1,5-a]ピリジ-3-イルアミン;2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-3-イルアミン;2-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリジ-3-イルアミン;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸;2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリジ-3-イルアミン;(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジ-7-イル)メタノール;2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-5-イル)エタノール;2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-7-イル)エタノール;(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-2-イル)メタノール;3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン;3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン;ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン;7-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリジ-3-イルアミン;ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン;5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリジ-3-イルアミン;2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-7-イル)-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-5-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-4-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-6-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジ-7-オール;並びにその酸との又は塩基との付加塩である。
 ピリミジン誘導体としては、例えば独国特許第2359399号;日本国特許第88-169571号;同05-63124号;欧州特許出願第0770375号又は国際公開第96/15765号に記載されている化合物、例えば2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン及び2,5,6-トリアミノピリミジンを挙げることができ、また仏国特許公開第2750048号に記載されているようなピラゾロピリミジン誘導体、例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール;2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール;2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール;2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;5,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン及び3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、それらの酸付加塩及び互変異性平衡が存在する場合にはそれらの互変異性体を挙げることができる。
 ピラゾール誘導体としては、独国特許第3843892号及び同4133957号及び国際公開第94/08969号、国際公開第94/08970号、仏国特許公開第2733749号及び独国特許第19543988号に記載されている化合物、例えば4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール及び3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
 本発明の組成物中に存在する酸化ベースは染色組成物の全重量に対してそれぞれ一般に約0.001〜10重量%、好ましくは約0.005〜6重量%の量で存在する。
 一般に、本発明の組成物において使用することができる酸化ベース及びカップラーの付加塩は、特に酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸、リン酸塩及び酢酸塩、更には塩基付加塩、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン又はアルカノールアミンから選択される。
 本発明の染色組成物はまた特にニトロベンゼン染料、アゾ直接染料及びメチン直接染料から選択される一又は複数の直接染料を含んでいてもよい。これら直接染料は非イオン性、アニオン性又はカチオン性の性質のものでありうる。
 染色担体としても知られている染色に適した媒体は、一般に、水、又は水には十分に溶解しない化合物を溶解させるための少なくとも1種の有機溶媒と水との混合物からなる。挙げることができる有機溶媒には、例えば、C-C低級アルカノール類、例えばエタノール及びイソプロパノール;ポリオール類及びポリオールエーテル類、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル、並びに芳香族アルコール類、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、及びその混合物が含まれる。
 溶媒は、染色組成物の全重量に対して、好ましくは約1〜40重量%、更により好ましくは約5〜30重量%の割合で存在する。
 本発明に係る染色組成物は、毛髪の染色組成物に従来から使用されている種々のアジュバント、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤又はその混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性のポリマー類又はその混合物、無機又は有機増粘剤、特にアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の会合性(associative)ポリマー増粘剤、酸化防止剤、浸透(penetration)剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、パッケージング剤、例えば揮発性もしくは非揮発性で変性もしくは未変性シリコーン類、皮膜形成剤、セラミド、防腐剤及び乳白剤を更に含有してもよい。
 上述のアジュバントは、一般に、組成物の全重量に対してそれぞれ0.01〜20重量%の量で存在している。
 言うまでもなく、当業者であれば、本発明の酸化染色組成物に固有の有利な特性が、考えられる添加により悪影響を全く受けないか、実質的には受けないように留意して、これら任意の付加的な化合物を選択するであろう。
 本発明の染色組成物のpHは、一般的には約3〜12、好ましくは約5〜11である。これは、ケラチン繊維の染色において通常使用される酸性化剤又は塩基性化剤により、あるいは別法として標準的なバッファー系を使用して、所望の値に調節することができる。
 酸性化剤としては、例えば、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸類、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、並びにスルホン酸類を挙げることができる。
 塩基性化剤としては、例えば、アンモニア水、アルカリ性の炭酸塩類、アルカノールアミン類、例えばモノ-、ジ-及びトリエタノールアミンとその誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び次の式(II):
Figure 2004035559
[ここで、Wは、C-Cアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよいプロピレン残基であり;R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又はC-Cアルキル基又はC-Cヒドロキシアルキル基を表す]
の化合物を挙げることができる。
 本発明に係る染色組成物は、種々の形態、例えば、液体、クリーム又はゲルの形態、又はケラチン繊維、特にヒトの毛髪を染色するのに適した任意の他の形態とすることができる。
 本発明の方法は、上述した本発明の染色組成物を、所望の着色が得られるのに十分な時間、酸化剤の存在下で繊維に塗布する方法である。色は酸性、中性又はアルカリ性で発色せしめられ得、酸化剤は丁度使用時に本発明の組成物と混合されうるか、あるいは本発明の組成物と同時にあるいはそれに続いて塗布される酸化組成物を用いて出発して使用することもできる。
 特定の一実施態様では、本発明の組成物は、好ましくは使用時に、染色に適した媒体中に少なくとも1種の酸化剤を含む組成物と混合され、この酸化剤は、発色に十分な量で存在する。得られた混合物を、ついでケラチン繊維に塗布する。およそ3〜50分、好ましくはおよそ5〜30分の作用時間後、ケラチン繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、再びすすぎ、乾燥させる。
 酸化剤は、ケラチン繊維の酸化染色に一般的に使用される酸化剤から選択することができ、そのなかでも、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩、例えば過ホウ酸塩及び過硫酸塩、過酸及びオキシダーゼ酵素、なかでも、ペルオキシダーゼ、2電子オキシドレダクターゼ、例えばウリカーゼ、及び4電子オキシゲナーゼ、例えばラッカーゼである。過酸化水素が特に好適である。
 酸化組成物はまた毛髪の染色用の組成物に一般的に使用される上述した様々なアジュバントをまた含むことができる。
 酸化剤を含む酸化組成物のpHは、染色組成物と混合した後に、得られるケラチン繊維に適用される組成物のpHが、好ましくは約3〜12、さらに好ましくは約5〜11になるような値である。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用される、上述したような酸性化剤又は塩基性化剤により、所望の値に調節される。
 ケラチン繊維に最終的に適用される使用準備が整った組成物は、様々な形態、例えば液体、クリーム、ゲルの形態、あるいはケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色に適した任意の形態をとることができる。
 本発明の他の主題は、第1収容部が上述の本発明の染色組成物を含み、第2収容部が酸化剤を含む、複数収容部の染色装置(染色具)又は「キット」である。この装置には、本出願人の名義の仏国特許第2586913号に記載された装置のような、所望の混合物を毛髪に塗布するための手段を装備させてもよい。
 この装置を用いて、式(I)の少なくとも一の酸化ベースを含有する染色組成物を酸化剤と混合し、得られた混合物を、所望の着色が得られるのに十分な時間、ケラチン繊維に塗布することを含む方法を使用して、ケラチン繊維を染色することができる。
 次に、本発明の実施例を例証するが、これらは本発明を限定するものではない。
実施例
実施例1:4-(3-イミダゾリル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミンの合成
Figure 2004035559
I.1-(4-ニトロフェニル)ピロリジ-3-イル・メタンスルホン酸塩(2)の合成
 40ml(0.516モル)の塩化メシルを、625mlの無水THF及び72.7ml(0.6モル)のトリエチルアミン中に溶解した83.3g(0.4モル)のN-(4-ニトロフェニル)-3-ヒドロキシピロリジンに5℃にて滴下して加えた。混合物を室温まで戻した後、氷に注いだところ、沈殿物が生じた。
 その沈殿物を吸引濾過し乾燥させた後に、109gの黄色の粉末(2)が得られた。
融点=203℃
H NMR(400 MHz-DMSO) ppm 8.09 (d, 2H); 6.68 (d, 2H); 5.47 (m, 1H); 3.77-3.48 (m, 4H); 3.28 (s, 3H); 2.35 (m, 2H)。
II.1-[1-(4-ニトロフェニル)ピロリジ-3-イル]-1H-イミダゾール(3)の合成
 22g(0.0767モル)の1-(4-ニトロフェニル)ピロリジ-3-イル・メタンスルホン酸塩(2)を170gのイミダゾール(2.5モル)中で2時間、95℃に加熱した。この混合物を、結晶化が起こるまで1lの氷冷水中に注いだ。濾過と乾燥後に、得られた黄色の粉末をクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタンで溶離させ、14.5gの誘導体(3)を回収した(73.2%収量)。
融点=163℃
H NMR(400 MHz-DMSO) ppm 8.20 (m, 2H); 7.87 (s, 1H); 7.38 (s, 1H); 7.06 (s, 1H); 6.81 (m, 2H); 5.17 (m, 1H); 4.06 (m, 1H); 3.79から3.65 (m, 3H); 2.66 (m, 1H); 2.50 (m, 1H);
質量ESI+: m/z = 259 [M+]
III.4-(3-イミダゾリル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン・塩酸塩(4)の合成 
 700mlのエタノールに溶解させた13.5g(0.0522モル)の上記誘導体を、8バールの水素圧下でパラジウム炭の存在下で水素化した。触媒の濾過後、予想された誘導体(4)を塩酸塩の形態で単離した。13gの白色粉末が得られた;82.7%の収量。
H NMR(400MHz-DMSO)ppm 9.29 (s, 1H); 7.84 (t, 1H); 7.71 (t, 1H); 7.26 (m, 2H); 6.67 (m, 2H); 5.29 (m, 1H); 3.77 (m, 1H); 3.68 (m, 2H); 3.38 (m, 1H); 2.51 (m, 1H); 2.46 (m, 1H);
質量ESI+: m/z = 229 [M+]。
実施例2:4-([1,3']ビピロリニル-1-イル)フェニルアミンの合成
Figure 2004035559
I.1'-(4-ニトロフェニル)[1,3]ビピロリジニル(5)の合成
 5g(0.0174モル)の1-(4-ニトロフェニル)ピロリジ-3-イル・メタンスルホン酸塩(2)を、30mlのピロリジン(モル)中で2時間85℃に加熱した。この混合物を、結晶化が生じるまで氷冷水に注いだ。濾過と乾燥後に、得られた黄色の粉末をクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン/メタノール(98/2)で溶離させ、2.6gの誘導体(5)を回収した(53%収量)。
融点=114℃
H NMR(400 MHz-DMSO) ppm 8.04 (m, 2H); 6.61 (m, 2H); 3.60 (m, 2H); 3.40 (m, 1H); 3.24 (m, 1H); 2.86 (m, 1H); 2.50 (m, 2H); 2.16 (m, 1H); 1.92 (m, 1H); 1.70 (m, 4H)。
質量ESI+: m/z = 262 [M+]
II.4-([1,3']ビピロリニル-1'-イル)フェニルアミン・塩酸塩(6)の合成 
 400mlのエタノールに溶解させた2.5g(0.0096モル)の上記誘導体(5)を、8バールの水素圧下で50℃にてパラジウム炭の存在下で水素化した;触媒の濾過後、予想された誘導体(6)を塩酸塩の形態で単離した。1.3gの白色粉末が得られた;44%の収量。
H NMR(400MHz-D2O)ppm 7.33 (m, 2H); 6.86 (m, 2H); 4.11 (m, 1H); 3.75 (m, 3H); 3.60 (m, 2H); 3.39 (m, 1H); 2.60 (m, 1H); 2.31 (m, 1H); 2.18 (m, 2H); 2.06 (m, 2H)
質量ESI+: m/z = 232 [M+]。
実施例3:[1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル](3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミンの合成
Figure 2004035559
I.[3-(イミダゾル-1-イル)プロピル][1-(4-ニトロフェニル)ピロリジ-3-イル]アミン(7)の合成
 30g(0.105モル)の1-(4-ニトロフェニル)ピロリジ-3-イル・メタンスルホン酸塩(2)を、120gのアミノプロピルイミダゾール(0.958モル)と共に18時間90℃にて加熱した。この混合物を氷冷水に注ぎ、生成物をジクロロメタンで抽出した。得られた黄色の粉末をクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン/メタノール(98/2)で溶離させ、15.2gの誘導体(7)を回収した(48.2%収量)。
融点=74℃
H NMR(400 MHz-DMSO) ppm 8.06 (m, 2H); 7.60 (s, 1H); 7.15 (s, 1H); 6.84 (s, 1H); 6.61 (m, 2H); 4.35 (bs, 1H); 4.03 (m, 2H); 3. (m, 2H); 3.49 (m, 2H);3.24 (m, 1H); 2.15 (m, 1H); 1.85 (m, 3H)。
質量ESI+: m/z = 316 [M+]
II.[1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル)-(3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミン・塩酸塩(8)の合成 
 500mlのエタノールに溶解させた6.5g(0.0206モル)の上記誘導体(7)を、10バールにてパラジウム炭の存在下で水素化した;触媒の濾過後、予想された誘導体(8)を塩酸塩の形態で単離した。7.07gの白色粉末が得られた;86%の収量。
H NMR(400MHz-D2O)ppm 8.86 (s, 1H); 7.63 (d, 1H); 7.55 (d, 1H); 7.34 (d, 2H); 6.83 (d, 2H); 4.46 (t, 1H); 4.13 (m, 1H); 3.72 (m, 1H); 3.61 (m, 2H); 3.40 (m, 1H); 2.58 (m, 1H); 2.43 (m, 1H); 2.31 (m, 1H)。
質量ESI+: m/z = 286 [M+]。
染色実施例
アルカリ性媒体中での染色実施例1〜11
Figure 2004035559
()pH9.5の染色担体(1):
96゜エチルアルコール                20.8g
メタ重亜硫酸ナトリウムの35%水溶液          0.23gA.M.
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩        0.48gA.M.
 の40%水溶液
-C10アルキルポリグルコシドの60%水溶液     3.6gA.M.
ベンジルアルコール                   2.0g
8単位のエチレンオキシドを含むポリエチレングリコール  3.0g
NHCl                        4.32g
20%のNHを含むアンモニア水             2.94g
 使用時に、各組成物を同重量の20容量の過酸化水素水(6重量%)と混合した。9.5の最終pHが得られた。
 得られた各混合物を、白髪を90%含有するグレーの髪の束に塗布した。30分の作用時間後、髪の束をすすぎ、標準的なシャンプーを用いて洗髪を行い、再度すすいで乾燥させた。
 以下の染色結果が得られた。
Figure 2004035559
酸性媒体における染色実施例12〜29
 以下の染色組成物を調製した:
Figure 2004035559
Figure 2004035559
()pH7の染色担体(2):
96゜エチルアルコール                20.0g
メタ重亜硫酸ナトリウムの35%水溶液          0.23gA.M.
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩        0.48gA.M.
 の40%水溶液
-C10アルキルポリグルコシドの60%水溶液     3.6gA.M.
ベンジルアルコール                   2.0g
8単位のエチレンオキシドを含むポリエチレングリコール  3.0g
NaHPO                     0.28g
KHPO                       0.46g
 使用時に、各組成物を同重量の20容量の過酸化水素水(6重量%)と混合した。7の最終pHが得られた。
 得られた各混合物を、白髪を90%含有するグレーの髪の束に塗布した。30分の作用時間後、髪の束をすすぎ、標準的なシャンプーを用いて洗髪を行い、再度すすいで乾燥させた。
 以下の染色結果が得られた。
Figure 2004035559

Claims (25)

  1.  式(I):
    Figure 2004035559
    {上式中、
    ・nは0〜4であり、nが2以上の場合、R基は同一でも異なっていてもよく、
    ・Rは、ハロゲン原子;飽和又は不飽和の脂肪族又は脂環式C-C炭化水素系鎖であって、その一又は複数の炭素原子が一又は複数の酸素、窒素、ケイ素又は硫黄原子で、あるいはSO又はSO基で置き換えられ得る炭化水素系鎖を表し;R基はペルオキシド結合、又はジアゾ、ニトロ又はニトロソ基を含まず、該鎖は一又は複数のハロゲン原子又は一又は複数のヒドロキシル、アミノ、モノ-又はジ(C-C)アルキルアミノ又はトリ(C-C)アルキルアンモニウム基で置換されていてもよく、
    ・Yは共有結合又は直鎖状又は分枝状のC-C14アルキレン鎖であって、その一又は複数の炭素原子が酸素、窒素又は硫黄原子、SO又はSOで置き換えられ得るアルキレン鎖を表し、該鎖はヒドロキシル、C-Cアルコキシ、アミノ、C-Cアルキルアミノ又はC-Cジアルキルアミノ基で置換されていてもよく、該鎖は一又は複数のケトン官能基を担持していてもよく、
    ・Rは3員から7員の飽和又は不飽和の炭素環又は複素環であって、C-Cアルキル及びC-Cヒドロキシアルキル基から選択される少なくとも一の基で置換されていてもよいものを表す}
    のピロリジル基で置換されたパラ-フェニレンジアミン誘導体とその付加塩。
  2.  nが0又は1に等しい、請求項1に記載の誘導体。
  3.  Rがハロゲン原子、C-Cアルキル基、C-Cヒドロキシアルキル基、C-Cアミノアルキル基、C-Cアルコキシ基又はC-Cヒドロキシアルコキシ基である、請求項1又は2に記載の誘導体。
  4.  Rが、メチル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジヒドロキシエチル、メトキシ、イソプロピルオキシ及び2-ヒドロキシエトキシ基から選択される、請求項1ないし3の何れか1項に記載の誘導体。
  5.  Yが共有結合である請求項1ないし4の何れか1項に記載の誘導体。
  6.  Yが、-O-、-NR'-及び-NR'CO-(但し、R'は水素又はC-Cアルキル基を表す)から選択される一又は複数の単位を含みうるC-Cアルキレン鎖である、請求項1ないし5の何れか1項に記載の誘導体。
  7.  Yが、-O-、-NR'-、-S-、-SO-又は-SO-を表す、請求項1ないし6の何れか1項に記載の誘導体。
  8.  Rが窒素含有複素環である、請求項1ないし6の何れか1項に記載の誘導体。
  9.  Rが、イミダゾール、ピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、トリアゾール、ジアゼパン及びピラゾール環から選択される、請求項8に記載の誘導体。
  10.  Rが、窒素含有複素環の窒素原子の一つを介してYに結合している、請求項8又は9に記載の誘導体。
  11.  Rが、C-Cシクロアルキルから選択される炭素環である、請求項1ないし7の何れか1項に記載の誘導体。
  12.  Rがフェニル基である、請求項1ないし7の何れか1項に記載の誘導体。
  13.  4-(3-イミダゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、4-(3-[1,2,4]トリアゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、4-[1,3']ビピロリジ-1'-イルフェニルアミン、4-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、4-[3-(4-メチル[1,4]ジアゼパン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、4-{3-[2-(4-メチル[1,4]ジアゼパン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン、4-{3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン、4-[3-(2-ピロリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、4-[3-(2-ピペリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、[1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル]-3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミン、2-メチル-[1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル](3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミン、4-(3-イミダゾル-1-イルピロリジ-1-イル)-2-メチルフェニルアミン、2-メチル-4-(3-[1,2,4]トリアゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、4-[1,3']ビピロリジ-1'-イル-2-メチルフェニルアミン、2-メチル-4-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、2-メチル-4-[3-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、2-メチル-4-{3-[2-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン、2-メチル-4-{3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン、4-(3-ピラゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、2-メチル-4-(3-ピラゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、2-メチル-4-[3-(2-ピロリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン及び2-メチル-4-[3-(2-ピペリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミンから選択される、請求項1ないし10の何れか1項に記載の誘導体。
  14.  4-(3-イミダゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、4-[1,3']ビピロリジ-1'-イルフェニルアミン、4-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、4-{3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン、4-[3-(2-ピロリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、4-[3-(ピペリジ-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、4-[3-(2-ピペリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、[1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル]-(3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミン、2-メチル-[1-(4-アミノフェニル)ピロリジ-3-イル](3-イミダゾル-1-イルプロピル)アミン、4-(3-イミダゾル-1-イルピロリジ-1-イル)-2-メチルフェニルアミン、4-[1,3']ビピロリジ-1'-イル-2-メチルフェニルアミン、2-メチル-4-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、2-メチル-4-[3-(ピペラジ-1-イル)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、2-メチル-4-{3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]ピロリジ-1-イル}フェニルアミン、4-(3-ピラゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、2-メチル-4-(3-ピラゾル-1-イルピロリジ-1-イル)フェニルアミン、2-メチル-4-[3-(2-ピロリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミン、2-メチル-4-[3-(2-ピペリジ-1-イルエトキシ)ピロリジ-1-イル]フェニルアミンから選択される、請求項8に記載の誘導体。
  15.  請求項1ないし14の何れか1項に記載の式(I)の少なくとも一のパラ-フェニレンジアミン誘導体を酸化ベースとして含有する染色組成物。
  16.  メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレン系カップラー及び複素環カップラー並びにその付加塩から選択されるカップラーを更に含有する、請求項15に記載の組成物。
  17.  パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類及び複素環ベース、並びにその付加塩から選択される、式(I)の酸化ベース以外の更なる酸化ベースを含有する、請求項15又は16に記載の組成物。
  18.  各酸化ベースの量が、染色組成物の全重量に対して約0.001〜10重量%である、請求項15ないし17の何れか1項に記載の組成物。
  19.  各カップラーの量が、染色組成物の全重量に対して約0.001〜10重量%である、請求項17に記載の組成物。
  20.  ケラチン繊維の染色に適した化粧品的に許容可能な媒体を含有する、請求項1ないし19の何れか1項に記載の組成物。
  21.  酸化剤を含有する、請求項15ないし20の何れか1項に記載の組成物。
  22.  請求項15ないし20の何れか1項に記載の染色組成物を、酸化剤の存在下で、所望の着色を生じるのに十分な時間、繊維に塗布することを特徴とする、ケラチン繊維の酸化染色方法。
  23.  酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩、過酸塩、過酸及びオキシダーゼ酵素から選択される、請求項22に記載の方法。
  24.  第1収容部が請求項15ないし20の何れか1項に記載の染色組成物を含み、第2収容部が酸化剤を含む、複数収容部の装置。
  25.  ケラチン繊維を染色するための、請求項15ないし21の何れか1項に記載の組成物の使用。
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