JP2004035485A - テロメラーゼ阻害剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフェニレンジアミン誘導体によるテロメラーゼ阻害作用に基づく医薬品への利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
テロメアは真核生物の染色体末端に存在し、染色体を安定化するために重要な役割を果たしている。通常の細胞では、細胞分裂を行うごとにテロメアが50−200base短縮し、ある長さ以下に短縮すると細胞分裂を停止するため、細胞の寿命を決定する役割を果たしていると考えられている。そのため、通常の細胞は無限に増殖を続けることはない。たとえば、p53などの癌抑制遺伝子に変異が生じ、細胞が異常に分裂を続けるようになっても、分裂に伴いテロメアが短縮することにより、増殖停止あるいは細胞死がおこるため、癌になることはない。しかし、それらの細胞がテロメアを延長する酵素テロメラーゼを発現すると、不死化し癌細胞となることが知られている。
【0003】
そこで、テロメラーゼの阻害剤により癌細胞の無限増殖を抑えることができれば、毒性の低い新しい制癌剤となることが期待されている。実際、カテキン類(Biochem. Biophys. Res. Commun.、 249、 p391−396、 1998)、ポルフィリン誘導体(J. Am. Chem. Soc.、 120、 3261−3262、 1998)、核酸誘導体(Biochemistry、 35、 15611、 1996)、アントラキノン誘導体(J. Med. Chem.、 40、 2113、 1997)などがテロメラーゼ阻害剤として報告されている。さらに、2、4−ジオキソチアゾリジン誘導体(特開2001−72592)、フラボマンナン(特開2001−31564公報)、Spiro[benzo[1、2−b:5、4−c’]dipyran−2(3H)−naphtofuran]誘導体(特開2001−81029公報)、ピリジン誘導体(特開平11−49676号公報、11−49678号公報、11−49769号公報、11−49777号公報)、トリアジン誘導体(特開平11−60573号公報)などの特許が知られている。
【0004】
また、癌以外の細胞増殖に関わる様々な疾患においても、テロメラーゼが関与していることが知られており、テロメラーゼの阻害薬は広い可能性を持つ薬剤として期待されている。しかし、多くの研究が行われているにも関わらず、テロメラーゼを阻害して様々な疾患を治療できる、有効な薬剤は見いだされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、テロメラーゼに関わる疾患の治療および/または改善剤などの医薬品として有用な化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、o−フェニレンジアミン誘導体に、強いテロメラーゼ阻害活性を見いだし、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(1)[化5]
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、Zは置換されているフェニル基あるいは複素環基を表す。R1、R2、R3、R4、R7は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されてもよいスルホニル基を(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)、R5は水素原子および水酸基の保護基を、R6は水素原子または炭素数1〜5の置換されてもよいアルキル基またはベンジル基を表す)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含むテロメラーゼ阻害剤。
[2] 一般式(2)[化6]
【0010】
【化6】
【0011】
(式中、R1〜R7は前記に同じ(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)。R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されても良いスルホニル基を(ただし、R8、R9、R10、R11は同時に水素原子にならない))で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含む[1]に記載のテロメラーゼ阻害剤。
[3] 一般式(2)において、R2、R3がOR5(R5は前記に同じ)で表される[2]に記載のテロメラーゼ阻害剤。
[4] 一般式(2)において、R9の置換基がOR5(R5は前記に同じ)で表される[3]に記載のテロメラーゼ阻害剤。
[5] 一般式(1)[化7]
【0012】
【化7】
【0013】
(式中、Zは置換されているフェニル基あるいは複素環基を表す。R1、R2、R3、R4、R7は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されてもよいスルホニル基を(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)、R5は水素原子および水酸基の保護基を、R6は水素原子または炭素数1〜5の置換されてもよいアルキル基またはベンジル基を表す)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含む医薬品。
[6] 一般式(2)[化8]
【0014】
【化8】
【0015】
(式中、R1〜R7は前記に同じ(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)。R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されても良いスルホニル基を表す(ただし、R8、R9、R10、R11は同時に水素原子にならない)。)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含む[5]に記載の医薬品。
[7] 一般式(2)において、R2、R3がOR5(R5は前記に同じ)で表される[6]に記載の医薬品。
[8] 一般式(2)において、R9の置換基がOR5(R5は前記に同じ)で表される[7]に記載の医薬品。
[9] [5]から[8]のいずれか一項に示される医薬品が制癌剤であることを特徴とする制癌剤。
[10] [3]又は[4]記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【0016】
【発明実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)であわらされる化合物において、Zにおける置換されているフェニル基とは、フェニル基上の2位、3位、4位のいずれの位置に置換基があってもよく、また複数の位置に置換基があってもよい。複数の置換基を有する場合、置換基の種類は同一であっても別の置換基であってもよい。置換基としてはたとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの置換もしくは無置換アミノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、ホルムアミド基、アセトアミド基、ベンズアミド基などのアミド基等が挙げられる。置換されているフェニル基の例としては、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2、3−ジヒドロキシフェニル基、3、4−ジヒドロキシフェニル基、2、3、4−トリヒドロキシフェニル基、3、4、5−トリヒドロキシフェニル基、2、4、5−トリヒドロキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、3、4−ジアミノフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3、4−ジメトキシフェニル基、2、3−ジメトキシフェニル基、2、3、4−トリメトキシフェニル基、3、4、5−トリメトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、3、4−ジクロロフェニル基、3、4−ジブロモフェニル基、2−ホルムアミドフェニル基、3−ホルムアミドフェニル基、4−ホルムアミドフェニル基、2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基、3、4−アセトキシフェニル基、2、3−アセトキシフェニル基、4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル基等があげられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基などのさらなる置換が可能な置換基の先には、脂溶性、安定性、水溶性、体内への移行性、腸管での吸収性などをコントロールするような種々の置換基を導入することもできる。
【0017】
R5基における水酸基の保護基とは、フェノール性あるいはアルコール性の水酸基を保護するような置換基であれば良い。また、置換基においては脂溶性、水溶性、体内への移行性、腸管での吸収性をコントロールするような種々の部分構造を加える事ができる。R5基における置換基の例としては、他の官能基により置換されても良いアルキル基、他の官能基により置換されても良いシリル基、他の官能基により置換されても良いアルキルアシル基、他の官能基により置換されても良い芳香族アシル基、他の官能基により置換されても良いヒドロキシカルボニル基、他の官能基により置換されても良いアミノカルボニル基などがあげられる。
【0018】
他の官能基により置換されても良いアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、トリメチルシリルオキシエチル基などがあげられる。他の官能基により置換されても良いアルキルアシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、i−ブチリル基、n−ペンテノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ヘプタノイル基、n−オクタノイル基、メトキシプロピオニル基、フェニルアセチル基があげられる。また、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、メチオニンなどのアミノ酸のエステル類があげられる。他の官能基により置換されても良い芳香族アシル基の例としては、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、3−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、3−メトキシベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、2−ヒドロキシベンゾイル基、3−ヒドロキシベンゾイル基、4−ヒドロキシベンゾイル基、ピリジン−2−イルカルボニル基、ピリジンー3−イルカルボニル基、ピリジンー4−イルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル基、4−フェニルベンゾイル基、4−アミノベンゾイル基などがあげられる。他の官能基により置換されても良いヒドロキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキしカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、i−プロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、フェニルメチルオキシカルボニル基、などがあげられる。他の官能基により置換されても良いアミノカルボニル基の例としては、アミノカルボニル基、N−メチルアミノカルボニル基、N、N−ジメチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−プロピルアミノカルボニル基、N−フェニルアミノカルボニル基、N−ベンジルアミノカルボニル基などがあげられる。
【0019】
R1、R2、R3、R4の例としては水素原子、OR5基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等が挙げられる。
【0020】
R6の例としては具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ベンジル基、メトキシエチル基、アセトキシメチル基、アセトキシエチル基などをあげる事ができる。
【0021】
一般式(2)中、R8、R9、R10、R11においてアルキル基で置換されても良いアミノ基とは、アミノ基上の窒素原子にアルキル基が置換されても良い事を表す。具体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基などがあげられる。アルコキシカルボニル基の例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基などがあげられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。置換されても良いスルホニル基の例としてはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基などがあげられる。
【0022】
薬学的に許容される化合物の塩とは、この分野で常用されるリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミンなどの有機塩基、アンモニアなどの無機塩基との塩を化合物の塩として挙げることができる。
【0023】
また一般式(1)の化合物がアミノ基などの塩基性を有する場合は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸などの無機酸の他、酢酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸との塩も化合物の塩として挙げることができる。
【0024】
一般式(1)で表される化合物は医薬品として用いるために水酸基やアミノ基などをマスクする事でプロドラッグとして用いる事も出来る。
【0025】
一般式(1)で表される化合物において不斉炭素を有する場合は、異なった立体異性形態またはラセミ形態を含む立体異性形態の混合物の形態で存在することができる。すなわち、本発明はこのように規定した種々の形態をも包含するが、これらも同様に有効成分化合物として用いることができる。
【0026】
有効成分として含有するとは、製剤中に一般式(1)で表される化合物を一つまたは複数含有することである。
【0027】
医薬品とは、テロメラーゼに関係する疾病の治療および/または改善剤として有用である。より具体的には、細胞の増殖に関わる疾患や生体の恒常性に関わる疾患、すなわち悪性腫瘍、自己免疫性疾患、皮膚病、感染症、血管性疾患、血液性疾患、アレルギー性疾患、消化管傷害、ホルモン性疾患、代謝性疾患、糖尿病などの治療および/または改善剤として有用である。
【0028】
悪性腫瘍とは急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症などの造血器腫瘍の他、大腸癌、脳腫瘍、頭頸部癌、乳癌、肺癌、食道癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、膵島細胞癌、腎細胞癌、副腎皮質癌、膀胱癌、前立腺癌、睾丸腫瘍、卵巣癌、子宮癌、絨毛癌、甲状腺癌、悪性カルチノイド腫瘍、皮膚癌、悪性黒色腫、骨肉腫、軟部組織肉腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、網膜芽細胞腫などの固形腫瘍が挙げられる。
【0029】
自己免疫性疾患とはリウマチ、腎炎、糖尿病、全身性エリテマトーデス、ヒト自己免疫性リンパ球増殖性リンパ節症、免疫芽細胞性リンパ節症、クローン病、潰瘍性大腸炎などが挙げられる。
【0030】
皮膚病とは乾せん、アクネ、湿疹、アトピー性皮膚炎、寄生性皮膚疾患、脱毛症、化膿性皮膚疾患、皮膚硬化症などが挙げられる。
【0031】
感染症とは、様々な細菌、ウィルスあるいは寄生虫などの感染によって引き起こされる疾患を意味する。
血管性疾患とは、動脈硬化症などが挙げられる。
また、本発明のポリヒドロキシ基を有する薬物は、抗酸化作用も有することから、さらに広い医薬品としての利用が挙げられる。
【0032】
なお、本発明の対象疾患はこれらに限定されることはない。
【0033】
さらに、医薬品ばかりでなく動物用薬、健康を維持するための食品や機能性食品としても有用であり、食品への添加やそれ自体を医療用製剤と同様な形態で用いられる。
製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)および坐剤等が挙げられる。
【0034】
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来からよく知られている各種のものを広く使用することができる。その例としては、例えば乳糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロピルアルコール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、カルメロースカルシウム、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用することができる。さらに錠剤については、必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶性被包錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠とすることができる。
【0035】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体として従来この分野で公知のものを広く使用できる。その例としては、例えば結晶セルロース、乳糖、デンプン、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン等の結合剤、カルメロースカルシウム、カンテン等の崩壊剤等が挙げられる。
【0036】
カプセル剤は、常法に従い通常有効成分化合物を上記で例示した各種の担体と混合して、硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
【0037】
さらに必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有させることもできる。
【0038】
本発明のこれらの医薬製剤中に含有されるべき有効成分化合物の量は、特に限定されずに広範囲から適宜選択されるが、通常製剤組成物中に約1〜70重量%、好ましくは約5〜50重量%とするのがよい。
【0039】
以下、本発明の式(1)で示される化合物の代表的構造を表1に具体的に例示する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
一般式(1)で表される化合物は、反応混合物から通常の分離手段、例えば抽出法、再結晶法、カラムクロマトグラフィーなどの方法により単離精製することができる。
【0045】
本発明の一般式(1)で表される化合物またはその塩は、薬理学的に効果を示す投与量において毒性を示さない。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0047】
実施例1
化合物番号22の化合物の合成
(1−1)3、4、5−トリベンジルオキシ安息香酸1.15gのジクロロメタン10mL懸濁液に、オキザリルクロリド0.56mlを加え、DMF1滴を加えた後40℃で1時間攪拌した。法令後溶媒を流去したのち、ジクロロメタン10mLに懸濁した。 o−フェニレンジアミン 103mgのジクロロメタン4mL溶液にピリジン1mLを加え、さらに先に調製した酸クロリドを加えた後、室温で一晩反応させた。水を加えた後にクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後溶媒留去、トルエン共沸を行い得られた残さにジイソプロピルエーテルを加え析出した固体をろ過、乾燥することにより、N、N’−ビス(3、4、5−トリベンジルオキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン0.85g得た。
1H−NMR (DMSO−d6)δppm: 4.87(4H、s)、 5.12(8H、s)、 7.19−7.51(34H、 m)、7.68−7.71(2H、m)、 10.07(2H、s).
【0048】
(1−2)N、N’−ビス(3、4、5−トリベンジルオキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン 0.59gのTHF(50mL)−MeOH(40mL)懸濁液に窒素気流下10% Pd/C(50% wet、 0.2g)を加えたのち、水素気流下室温で攪拌した。窒素置換した後触媒をろ過し、濃縮して得られた残差にジイソプロピルエーテルを加えて析出した固体をろ過、乾燥することによりN、N’−ビス(3、4、5−トリヒドロキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン 0.28gを茶褐色固体として得た。収率70%
融点 >250℃
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 6.94(4H、s)、 7.19−7.23(2H、m)、 7.54−7.59(2H、m)、 9.74(2H、brs).
【0049】
同様の方法にて、以下の化合物を合成した。以下に物性値を記す。
化合物番号15の化合物 (N、N’−ビス−(3、4−ジヒドロキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 6.82(2H、d)、 7.20−7.24(2H、br m)、 7.30−7.35(1H、m)、 7.45(1H、d)、 7.60−7.64(1H、m)、 9.82(1H、 br s).
【0050】
実施例2
化合物番号4の化合物の合成法
(2−1) 3、4、5−トリ(ベンジルオキシ)安息香酸 (6.66g、 12mmol)のDMI(100ml)溶液にCDI(2.68g、 16.5mmol)を室温で加え、室温で2.5時間攪拌した。O−フェニレンジアミン(9.7g、 89.8mmol)を加えた後氷冷しトリフルオロ酢酸3.4mlを添加したのち、室温まであげて一晩攪拌した。反応液を水(800ml)にあけたのち固体を濾取、温水で洗浄して、 N−(2−アミノフェニル)−3、4、5−トリベンジルオキシベンズアミド7.85gを得た。
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 5.02(2H、s)、 5.21(4H、s)、 6.60(1H、dd)、 6.79(1H、d)、 6.97(1H、dd)、 7.12(1H、d)、 7.25−7.53(17H、m).
【0051】
(2−2)4−ベンジルオキシ安息香酸(0.34g、 1.5mmol)のジクロロメタン(10ml)懸濁液にオキザリルクロリド(0.18ml)を加えた後DMFを1滴加えて45℃で2時間攪拌した。溶媒を留去したのち、ジクロロメタン(10ml)に溶解した。氷冷下、N−(2−アミノフェニル)−3、4、5−トリベンジルオキシベンズアミド(0.53g、 1.0mmol)のピリジン(10ml)−ジクロロメタン(7ml)溶液を滴下し、室温で一晩攪拌した。水で希釈した後クロロホルムで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥、溶媒留去して得られた残差をトルエンで2回共沸脱ピリジンした後、メタノール−ジイソプロピルエーテルより結晶化して、乾燥することによりN−(2−(4−ベンジルオキシベンゾイル)アミノフェニル)−3、4、5−トリベンジルオキシベンズアミド425mgを白色固体として得た。これをTHF20mL−MeOH20mLに溶解した後、10% Pd/C(50% wet)0.2gを加え、水素気流下2時間攪拌した。触媒を濾別したのち溶媒を濃縮し、得られた残さにメタノールおよびジイソプロピルエーテルを加え析出した固体を濾取、乾燥することによりN−(2−(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル)−3、4、5−トリヒドロキシベンズアミド219m gを淡褐色固体として得た。
mp.135−7(dec)
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 6.94(2H、s)、 6.90−6.99(1H、m)、 7.23−7.35(5H、m)、 7.55−7.63(2H、m)、 9.73(1H、br s)、 9.99(1H、br s).
【0052】
同様にして、以下の化合物を合成した。物性値を記載する。
化合物番号131の化合物 N−(ベンズイミダゾール−5−イルカルボニル)−N’−(3、4、5−トリヒドロキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン
収率88%:mp. 192(dec.)
6.96(2H、s)、 7.24−7.29(2H、m)、 7.62−7.66(3H、m)、 7.85(1H、d、J=8.3Hz)、 8.2−8.3(1H、br m)、 8.37(1H、br s)、 9.78(1H、br s)、 10.1(1H、br s).
【0053】
実施例3
テロメラーゼ阻害作用
化合物の評価
化合物の活性評価は、U937細胞を用い、既知のTRAP法(Kimら、Science、266:2011(1994)、およびNucleic Acid Res. 25: 2595−2597、 1997))により行ない、IC50値を算出し、表−2にまとめた。
【0054】
【表5】
【0055】
【発明の効果】
本発明により、テロメラーゼ阻害作用を有する化合物及びその薬理的に許容される塩、及びそれらを含有するテロメラーゼ阻害剤が提供される。本発明に係る化合物はテロメラーゼに関わる疾患の治療及び/又は改善に効果を示すため、それら疾患の治療のための医薬組成物、特に制癌剤として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフェニレンジアミン誘導体によるテロメラーゼ阻害作用に基づく医薬品への利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
テロメアは真核生物の染色体末端に存在し、染色体を安定化するために重要な役割を果たしている。通常の細胞では、細胞分裂を行うごとにテロメアが50−200base短縮し、ある長さ以下に短縮すると細胞分裂を停止するため、細胞の寿命を決定する役割を果たしていると考えられている。そのため、通常の細胞は無限に増殖を続けることはない。たとえば、p53などの癌抑制遺伝子に変異が生じ、細胞が異常に分裂を続けるようになっても、分裂に伴いテロメアが短縮することにより、増殖停止あるいは細胞死がおこるため、癌になることはない。しかし、それらの細胞がテロメアを延長する酵素テロメラーゼを発現すると、不死化し癌細胞となることが知られている。
【0003】
そこで、テロメラーゼの阻害剤により癌細胞の無限増殖を抑えることができれば、毒性の低い新しい制癌剤となることが期待されている。実際、カテキン類(Biochem. Biophys. Res. Commun.、 249、 p391−396、 1998)、ポルフィリン誘導体(J. Am. Chem. Soc.、 120、 3261−3262、 1998)、核酸誘導体(Biochemistry、 35、 15611、 1996)、アントラキノン誘導体(J. Med. Chem.、 40、 2113、 1997)などがテロメラーゼ阻害剤として報告されている。さらに、2、4−ジオキソチアゾリジン誘導体(特開2001−72592)、フラボマンナン(特開2001−31564公報)、Spiro[benzo[1、2−b:5、4−c’]dipyran−2(3H)−naphtofuran]誘導体(特開2001−81029公報)、ピリジン誘導体(特開平11−49676号公報、11−49678号公報、11−49769号公報、11−49777号公報)、トリアジン誘導体(特開平11−60573号公報)などの特許が知られている。
【0004】
また、癌以外の細胞増殖に関わる様々な疾患においても、テロメラーゼが関与していることが知られており、テロメラーゼの阻害薬は広い可能性を持つ薬剤として期待されている。しかし、多くの研究が行われているにも関わらず、テロメラーゼを阻害して様々な疾患を治療できる、有効な薬剤は見いだされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、テロメラーゼに関わる疾患の治療および/または改善剤などの医薬品として有用な化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、o−フェニレンジアミン誘導体に、強いテロメラーゼ阻害活性を見いだし、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(1)[化5]
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、Zは置換されているフェニル基あるいは複素環基を表す。R1、R2、R3、R4、R7は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されてもよいスルホニル基を(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)、R5は水素原子および水酸基の保護基を、R6は水素原子または炭素数1〜5の置換されてもよいアルキル基またはベンジル基を表す)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含むテロメラーゼ阻害剤。
[2] 一般式(2)[化6]
【0010】
【化6】
【0011】
(式中、R1〜R7は前記に同じ(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)。R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されても良いスルホニル基を(ただし、R8、R9、R10、R11は同時に水素原子にならない))で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含む[1]に記載のテロメラーゼ阻害剤。
[3] 一般式(2)において、R2、R3がOR5(R5は前記に同じ)で表される[2]に記載のテロメラーゼ阻害剤。
[4] 一般式(2)において、R9の置換基がOR5(R5は前記に同じ)で表される[3]に記載のテロメラーゼ阻害剤。
[5] 一般式(1)[化7]
【0012】
【化7】
【0013】
(式中、Zは置換されているフェニル基あるいは複素環基を表す。R1、R2、R3、R4、R7は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されてもよいスルホニル基を(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)、R5は水素原子および水酸基の保護基を、R6は水素原子または炭素数1〜5の置換されてもよいアルキル基またはベンジル基を表す)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含む医薬品。
[6] 一般式(2)[化8]
【0014】
【化8】
【0015】
(式中、R1〜R7は前記に同じ(ただし、R1とR2のいずれか一方はOR5基を表す)。R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立して水素原子あるいはOR5基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン基、置換されても良いスルホニル基を表す(ただし、R8、R9、R10、R11は同時に水素原子にならない)。)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含む[5]に記載の医薬品。
[7] 一般式(2)において、R2、R3がOR5(R5は前記に同じ)で表される[6]に記載の医薬品。
[8] 一般式(2)において、R9の置換基がOR5(R5は前記に同じ)で表される[7]に記載の医薬品。
[9] [5]から[8]のいずれか一項に示される医薬品が制癌剤であることを特徴とする制癌剤。
[10] [3]又は[4]記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【0016】
【発明実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)であわらされる化合物において、Zにおける置換されているフェニル基とは、フェニル基上の2位、3位、4位のいずれの位置に置換基があってもよく、また複数の位置に置換基があってもよい。複数の置換基を有する場合、置換基の種類は同一であっても別の置換基であってもよい。置換基としてはたとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの置換もしくは無置換アミノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、ホルムアミド基、アセトアミド基、ベンズアミド基などのアミド基等が挙げられる。置換されているフェニル基の例としては、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2、3−ジヒドロキシフェニル基、3、4−ジヒドロキシフェニル基、2、3、4−トリヒドロキシフェニル基、3、4、5−トリヒドロキシフェニル基、2、4、5−トリヒドロキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、3、4−ジアミノフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3、4−ジメトキシフェニル基、2、3−ジメトキシフェニル基、2、3、4−トリメトキシフェニル基、3、4、5−トリメトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、3、4−ジクロロフェニル基、3、4−ジブロモフェニル基、2−ホルムアミドフェニル基、3−ホルムアミドフェニル基、4−ホルムアミドフェニル基、2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基、3、4−アセトキシフェニル基、2、3−アセトキシフェニル基、4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル基等があげられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基などのさらなる置換が可能な置換基の先には、脂溶性、安定性、水溶性、体内への移行性、腸管での吸収性などをコントロールするような種々の置換基を導入することもできる。
【0017】
R5基における水酸基の保護基とは、フェノール性あるいはアルコール性の水酸基を保護するような置換基であれば良い。また、置換基においては脂溶性、水溶性、体内への移行性、腸管での吸収性をコントロールするような種々の部分構造を加える事ができる。R5基における置換基の例としては、他の官能基により置換されても良いアルキル基、他の官能基により置換されても良いシリル基、他の官能基により置換されても良いアルキルアシル基、他の官能基により置換されても良い芳香族アシル基、他の官能基により置換されても良いヒドロキシカルボニル基、他の官能基により置換されても良いアミノカルボニル基などがあげられる。
【0018】
他の官能基により置換されても良いアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、トリメチルシリルオキシエチル基などがあげられる。他の官能基により置換されても良いアルキルアシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、i−ブチリル基、n−ペンテノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ヘプタノイル基、n−オクタノイル基、メトキシプロピオニル基、フェニルアセチル基があげられる。また、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、メチオニンなどのアミノ酸のエステル類があげられる。他の官能基により置換されても良い芳香族アシル基の例としては、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、3−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、3−メトキシベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、2−ヒドロキシベンゾイル基、3−ヒドロキシベンゾイル基、4−ヒドロキシベンゾイル基、ピリジン−2−イルカルボニル基、ピリジンー3−イルカルボニル基、ピリジンー4−イルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル基、4−フェニルベンゾイル基、4−アミノベンゾイル基などがあげられる。他の官能基により置換されても良いヒドロキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキしカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、i−プロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、フェニルメチルオキシカルボニル基、などがあげられる。他の官能基により置換されても良いアミノカルボニル基の例としては、アミノカルボニル基、N−メチルアミノカルボニル基、N、N−ジメチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−プロピルアミノカルボニル基、N−フェニルアミノカルボニル基、N−ベンジルアミノカルボニル基などがあげられる。
【0019】
R1、R2、R3、R4の例としては水素原子、OR5基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等が挙げられる。
【0020】
R6の例としては具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ベンジル基、メトキシエチル基、アセトキシメチル基、アセトキシエチル基などをあげる事ができる。
【0021】
一般式(2)中、R8、R9、R10、R11においてアルキル基で置換されても良いアミノ基とは、アミノ基上の窒素原子にアルキル基が置換されても良い事を表す。具体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基などがあげられる。アルコキシカルボニル基の例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基などがあげられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。置換されても良いスルホニル基の例としてはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基などがあげられる。
【0022】
薬学的に許容される化合物の塩とは、この分野で常用されるリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミンなどの有機塩基、アンモニアなどの無機塩基との塩を化合物の塩として挙げることができる。
【0023】
また一般式(1)の化合物がアミノ基などの塩基性を有する場合は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸などの無機酸の他、酢酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸との塩も化合物の塩として挙げることができる。
【0024】
一般式(1)で表される化合物は医薬品として用いるために水酸基やアミノ基などをマスクする事でプロドラッグとして用いる事も出来る。
【0025】
一般式(1)で表される化合物において不斉炭素を有する場合は、異なった立体異性形態またはラセミ形態を含む立体異性形態の混合物の形態で存在することができる。すなわち、本発明はこのように規定した種々の形態をも包含するが、これらも同様に有効成分化合物として用いることができる。
【0026】
有効成分として含有するとは、製剤中に一般式(1)で表される化合物を一つまたは複数含有することである。
【0027】
医薬品とは、テロメラーゼに関係する疾病の治療および/または改善剤として有用である。より具体的には、細胞の増殖に関わる疾患や生体の恒常性に関わる疾患、すなわち悪性腫瘍、自己免疫性疾患、皮膚病、感染症、血管性疾患、血液性疾患、アレルギー性疾患、消化管傷害、ホルモン性疾患、代謝性疾患、糖尿病などの治療および/または改善剤として有用である。
【0028】
悪性腫瘍とは急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症などの造血器腫瘍の他、大腸癌、脳腫瘍、頭頸部癌、乳癌、肺癌、食道癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、膵島細胞癌、腎細胞癌、副腎皮質癌、膀胱癌、前立腺癌、睾丸腫瘍、卵巣癌、子宮癌、絨毛癌、甲状腺癌、悪性カルチノイド腫瘍、皮膚癌、悪性黒色腫、骨肉腫、軟部組織肉腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、網膜芽細胞腫などの固形腫瘍が挙げられる。
【0029】
自己免疫性疾患とはリウマチ、腎炎、糖尿病、全身性エリテマトーデス、ヒト自己免疫性リンパ球増殖性リンパ節症、免疫芽細胞性リンパ節症、クローン病、潰瘍性大腸炎などが挙げられる。
【0030】
皮膚病とは乾せん、アクネ、湿疹、アトピー性皮膚炎、寄生性皮膚疾患、脱毛症、化膿性皮膚疾患、皮膚硬化症などが挙げられる。
【0031】
感染症とは、様々な細菌、ウィルスあるいは寄生虫などの感染によって引き起こされる疾患を意味する。
血管性疾患とは、動脈硬化症などが挙げられる。
また、本発明のポリヒドロキシ基を有する薬物は、抗酸化作用も有することから、さらに広い医薬品としての利用が挙げられる。
【0032】
なお、本発明の対象疾患はこれらに限定されることはない。
【0033】
さらに、医薬品ばかりでなく動物用薬、健康を維持するための食品や機能性食品としても有用であり、食品への添加やそれ自体を医療用製剤と同様な形態で用いられる。
製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)および坐剤等が挙げられる。
【0034】
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来からよく知られている各種のものを広く使用することができる。その例としては、例えば乳糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロピルアルコール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、カルメロースカルシウム、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用することができる。さらに錠剤については、必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶性被包錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠とすることができる。
【0035】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体として従来この分野で公知のものを広く使用できる。その例としては、例えば結晶セルロース、乳糖、デンプン、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン等の結合剤、カルメロースカルシウム、カンテン等の崩壊剤等が挙げられる。
【0036】
カプセル剤は、常法に従い通常有効成分化合物を上記で例示した各種の担体と混合して、硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
【0037】
さらに必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有させることもできる。
【0038】
本発明のこれらの医薬製剤中に含有されるべき有効成分化合物の量は、特に限定されずに広範囲から適宜選択されるが、通常製剤組成物中に約1〜70重量%、好ましくは約5〜50重量%とするのがよい。
【0039】
以下、本発明の式(1)で示される化合物の代表的構造を表1に具体的に例示する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
一般式(1)で表される化合物は、反応混合物から通常の分離手段、例えば抽出法、再結晶法、カラムクロマトグラフィーなどの方法により単離精製することができる。
【0045】
本発明の一般式(1)で表される化合物またはその塩は、薬理学的に効果を示す投与量において毒性を示さない。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0047】
実施例1
化合物番号22の化合物の合成
(1−1)3、4、5−トリベンジルオキシ安息香酸1.15gのジクロロメタン10mL懸濁液に、オキザリルクロリド0.56mlを加え、DMF1滴を加えた後40℃で1時間攪拌した。法令後溶媒を流去したのち、ジクロロメタン10mLに懸濁した。 o−フェニレンジアミン 103mgのジクロロメタン4mL溶液にピリジン1mLを加え、さらに先に調製した酸クロリドを加えた後、室温で一晩反応させた。水を加えた後にクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後溶媒留去、トルエン共沸を行い得られた残さにジイソプロピルエーテルを加え析出した固体をろ過、乾燥することにより、N、N’−ビス(3、4、5−トリベンジルオキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン0.85g得た。
1H−NMR (DMSO−d6)δppm: 4.87(4H、s)、 5.12(8H、s)、 7.19−7.51(34H、 m)、7.68−7.71(2H、m)、 10.07(2H、s).
【0048】
(1−2)N、N’−ビス(3、4、5−トリベンジルオキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン 0.59gのTHF(50mL)−MeOH(40mL)懸濁液に窒素気流下10% Pd/C(50% wet、 0.2g)を加えたのち、水素気流下室温で攪拌した。窒素置換した後触媒をろ過し、濃縮して得られた残差にジイソプロピルエーテルを加えて析出した固体をろ過、乾燥することによりN、N’−ビス(3、4、5−トリヒドロキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン 0.28gを茶褐色固体として得た。収率70%
融点 >250℃
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 6.94(4H、s)、 7.19−7.23(2H、m)、 7.54−7.59(2H、m)、 9.74(2H、brs).
【0049】
同様の方法にて、以下の化合物を合成した。以下に物性値を記す。
化合物番号15の化合物 (N、N’−ビス−(3、4−ジヒドロキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 6.82(2H、d)、 7.20−7.24(2H、br m)、 7.30−7.35(1H、m)、 7.45(1H、d)、 7.60−7.64(1H、m)、 9.82(1H、 br s).
【0050】
実施例2
化合物番号4の化合物の合成法
(2−1) 3、4、5−トリ(ベンジルオキシ)安息香酸 (6.66g、 12mmol)のDMI(100ml)溶液にCDI(2.68g、 16.5mmol)を室温で加え、室温で2.5時間攪拌した。O−フェニレンジアミン(9.7g、 89.8mmol)を加えた後氷冷しトリフルオロ酢酸3.4mlを添加したのち、室温まであげて一晩攪拌した。反応液を水(800ml)にあけたのち固体を濾取、温水で洗浄して、 N−(2−アミノフェニル)−3、4、5−トリベンジルオキシベンズアミド7.85gを得た。
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 5.02(2H、s)、 5.21(4H、s)、 6.60(1H、dd)、 6.79(1H、d)、 6.97(1H、dd)、 7.12(1H、d)、 7.25−7.53(17H、m).
【0051】
(2−2)4−ベンジルオキシ安息香酸(0.34g、 1.5mmol)のジクロロメタン(10ml)懸濁液にオキザリルクロリド(0.18ml)を加えた後DMFを1滴加えて45℃で2時間攪拌した。溶媒を留去したのち、ジクロロメタン(10ml)に溶解した。氷冷下、N−(2−アミノフェニル)−3、4、5−トリベンジルオキシベンズアミド(0.53g、 1.0mmol)のピリジン(10ml)−ジクロロメタン(7ml)溶液を滴下し、室温で一晩攪拌した。水で希釈した後クロロホルムで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥、溶媒留去して得られた残差をトルエンで2回共沸脱ピリジンした後、メタノール−ジイソプロピルエーテルより結晶化して、乾燥することによりN−(2−(4−ベンジルオキシベンゾイル)アミノフェニル)−3、4、5−トリベンジルオキシベンズアミド425mgを白色固体として得た。これをTHF20mL−MeOH20mLに溶解した後、10% Pd/C(50% wet)0.2gを加え、水素気流下2時間攪拌した。触媒を濾別したのち溶媒を濃縮し、得られた残さにメタノールおよびジイソプロピルエーテルを加え析出した固体を濾取、乾燥することによりN−(2−(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル)−3、4、5−トリヒドロキシベンズアミド219m gを淡褐色固体として得た。
mp.135−7(dec)
1H−NMR (270 MHz、 DMSO−d6) δ 6.94(2H、s)、 6.90−6.99(1H、m)、 7.23−7.35(5H、m)、 7.55−7.63(2H、m)、 9.73(1H、br s)、 9.99(1H、br s).
【0052】
同様にして、以下の化合物を合成した。物性値を記載する。
化合物番号131の化合物 N−(ベンズイミダゾール−5−イルカルボニル)−N’−(3、4、5−トリヒドロキシベンゾイル)−o−フェニレンジアミン
収率88%:mp. 192(dec.)
6.96(2H、s)、 7.24−7.29(2H、m)、 7.62−7.66(3H、m)、 7.85(1H、d、J=8.3Hz)、 8.2−8.3(1H、br m)、 8.37(1H、br s)、 9.78(1H、br s)、 10.1(1H、br s).
【0053】
実施例3
テロメラーゼ阻害作用
化合物の評価
化合物の活性評価は、U937細胞を用い、既知のTRAP法(Kimら、Science、266:2011(1994)、およびNucleic Acid Res. 25: 2595−2597、 1997))により行ない、IC50値を算出し、表−2にまとめた。
【0054】
【表5】
【0055】
【発明の効果】
本発明により、テロメラーゼ阻害作用を有する化合物及びその薬理的に許容される塩、及びそれらを含有するテロメラーゼ阻害剤が提供される。本発明に係る化合物はテロメラーゼに関わる疾患の治療及び/又は改善に効果を示すため、それら疾患の治療のための医薬組成物、特に制癌剤として有用である。
Claims (10)
- 一般式(2)において、R2、R3がOR5(R5は前記に同じ)で表される請求項2に記載のテロメラーゼ阻害剤。
- 一般式(2)において、R9の置換基がOR5(R5は前記に同じ)で表される請求項3に記載のテロメラーゼ阻害剤。
- 一般式(2)において、R2、R3がOR5(R5は前記に同じ)で表される請求項6に記載の医薬品。
- 一般式(2)において、R9の置換基がOR5(R5は前記に同じ)で表される請求項7に記載の医薬品。
- 請求項5から請求項8のいずれか一項に示される医薬品が制癌剤であることを特徴とする制癌剤。
- 請求項3又は請求項4記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
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