JP2004034848A - 車体組立用治具および車体組立方法 - Google Patents

車体組立用治具および車体組立方法 Download PDF

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JP2004034848A JP2002195683A JP2002195683A JP2004034848A JP 2004034848 A JP2004034848 A JP 2004034848A JP 2002195683 A JP2002195683 A JP 2002195683A JP 2002195683 A JP2002195683 A JP 2002195683A JP 2004034848 A JP2004034848 A JP 2004034848A
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伊藤 祐二
Isamu Tanaka
田中 勇
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Abstract

【課題】車体の外側で行う溶接作業などのような組立作業の邪魔にならない構成として組立作業性の向上を図ることのできる車体組立治具を提供すること。
【解決手段】車体を組み立てる際に車体を構成する複数の部品である車体構成部品を保持する車体組立用治具において、車体を下から受けるベース用治具と、組立時に車内となる位置に設置可能であるとともに、組立状態の車体から外部へ取り出すことのできる大きさに分解可能に構成されている内部用治具と、を備え、内部用治具は、組立および分解可能な治具骨格部材5と、治具骨格部材5の任意の位置に着脱可能であるとともに、治具骨格部材に対して回動および伸縮可能な治具アームと、この治具アームの先端部に設けられて前記車体構成部品を保持可能な保持具と、を備えている構成とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体を組み立てる際に使用する治具およびこの車体組立用治具を用いた車体組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、少量生産で車体を組み立てるときに使用する治具は、フロアアッセンブリの下に位置するフロア治具ベースを設け、このフロア治具ベースの上にフロアアッセンブリを所定の位置で保持するフロアアッセンブリ用の治具ポストを固定し、フロアアッセンブリ用の治具ポストの左右で、フロア治具ベースの上であって車体の外側位置に、左右のボディサイド治具ベースをそれぞれ固定し、ボディサイド治具ベースに、ボディサイドアッセンブリやルーフアッセンブリを所定の位置で保持するボディサイドアッセンブリ用の治具ポストを固定していた。
なお、それぞれの治具ポストには、部品の位置決めを行うロケートピン、ならびに部品を所定の位置に保持するクランプが設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車体組立用治具は、複数の治具ベースや、多数の治具ポストが車体の外側にあり、車体を取り囲むように配置されていたため、車体の組立作業を実行する際、作業者が治具を避けて作業をする必要があるとともに、治具を避けてスポット溶接機を扱う必要があり、治具が車体組立作業の邪魔になり、作業性が悪いという問題があった。
【0004】
また、それぞれの治具ベースに対し、組み立てる車体に対応した所定の位置に治具ポストを固定した構成であったため、汎用性の点で問題があった。
すなわち、それぞれの治具ベースは、組み立てる車体の大きさとほぼ同じ大きさであるから、組み立てる車体のタイプ(1BOX,3BOXなど)が同じであれば汎用性があるが、車体のタイプが異なれば汎用性はない。加えて、治具ポストは、組み立てる車体の形状ごとに応じて治具ベースに固定されているため、車体が異なれば、タイプが共通していても汎用性が無く、また、治具ポストを治具ベースに固定する位置も汎用性がない。
そのため、車種ごとに、治具ポストおよび治具ポストの固定位置を専用化しており、コスト高を招いていた。
【0005】
また、車体の組立精度は、治具精度と部品精度とにより生じる結果であったため、車体精度の解析には、治具ポストの位置の精度と部品の形状の精度の両方を調べる必要があり、解析に手間がかかるものであった。
【0006】
本発明は、上述のような従来の問題点に着目して成されたものであり、車体の外側で行う溶接作業などのような組立作業の邪魔にならない構成として組立作業性の向上を図ることのできる車体組立治具を提供することを主たる目的としている。
また、汎用性の高い車体組立用治具を提供することを目的としている。
さらに、従来よりも高精度の車体を組み立てることができるとともに、車体組立用治具を安価な構成にすることができ、かつ、部品精度の不具合の解析を容易に行うことができる車体組立方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、
車体を組み立てる際に、車体を構成する複数の部品である車体構成部品を保持する車体組立用治具において、
前記車体を下から受けるベース用治具と、
組立時に車内となる位置に設置可能であるとともに、組立状態の車体から外部へ取り出すことのできる大きさに分解可能に構成されている内部用治具と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車体組立用治具において、前記内部用治具は、組立および分解可能な治具骨格部材と、この治具骨格部材の任意の位置に着脱可能であるとともに、前記治具骨格部材に対して回動および伸縮可能な治具アームと、この治具アームの先端部に設けられて前記車体構成部品を保持可能な保持具と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車体組立用治具を用いて車体を組み立てる車体組立方法であって、
前記ベース用治具に支持された車体構成部品の上で、前記内部用治具の治具骨格部材を組み立て、
次に、治具骨格部材に治具アームを取り付け、
次に、車体構成部品の位置を測定して車体構成部品を予め設定された位置に配置させた状態で、前記治具アームの保持具により車体構成部品を保持し、この保持状態で、車体構成部品どうしを結合することを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載の発明の車体組立治具にあっては、車体構成部品を車体の内側となる位置に組み立てた内部用治具により保持するようにしたため、車体外側で溶接作業を行う際に、組立用治具がその作業の邪魔をすることが無く、溶接作業性に優れる。
また、上記の効果を得ることができる内部用治具は、車体の内側となる位置で組み立てるが、分解可能であるから組み立て後の車体に設けられた開口部などを利用して車外に撤去することができる。したがって、内部用治具が、その後、車体を組み立てる障害になることはない。
【0011】
請求項2に記載の発明の車体組立用治具にあっては、上記効果に加えて、下記の効果を有する。
すなわち、内部用治具は、組立および分解可能な治具骨格部材に対して治具アームおよび保持具を任意の位置で着脱可能であるとともに、保持具は任意の位置に固定可能な構成としたため、従来技術と比較して、いろいろな車体形状および車体構成部品形状に対応でき、治具としての汎用性に優れる。
【0012】
請求項3に記載の車体組立方法にあっては、車体構成部品を、位置を測定しながら所定の位置に保持するようにしたため、精度が必要な所定の面やフランジなどを選択的に正確に位置決めでき、従来よりも高精度の車体を組み立てることができる。
また、上述のように車体構成部品を高い精度で配置することを、車体組立用治具の精度に依らずに実行することができるため、車体組立用治具の精度を高める必要が無くなり、その分、車体組立用治具を安価に製造することができる。
加えて、このように、車体組立用治具の精度に依らないため、車体構成部品の部品精度による不具合の解析を容易に行うことができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
まず、請求項1および請求項2に記載の発明に対応した実施の形態の車体組立用治具の構成について説明する。
この実施の形態の車体組立用治具は、ベース用治具Bと、内部用治具Cとを備えている。
【0015】
前記ベース用治具Bは、フロア治具ベース1と、このフロア治具ベース1に固定された3種類の治具ポストであるフロア支持用治具ポスト2、補助用治具ポスト3、サイド支持用治具ポスト4とを備えている。
前記フロア治具ベース1は、予め、車体組立現場のフロアの所定の位置に固定されている。
前記フロア支持用治具ポスト2は、後述する車体構成部品としてのフロアアッセンブリFAを支持するものである。
前記補助用治具ポスト3は、内部用治具Cを補助的に保持するものである。
前記サイド支持用治具ポスト4は、後述する車体構成部品としてのボディサイドアッセンブリBAの下部を位置決めするものである。
【0016】
次に、前記内部用治具Cについて説明する。
この内部用治具Cは、後述する車体構成部品としてのフロアアッセンブリFA、ボディサイドアッセンブリBAなどに囲まれた位置に設置可能であるとともに、分解可能に構成されている。
すなわち、前記内部用治具Cは、治具骨格部材5と、治具アーム6と、保持具7とを備えている。
まず、治具骨格部材5について、図1により説明する。
この治具骨格部材5は、本実施の形態にあっては、汎用の角パイプ51と、同じく汎用の丸パイプ52と、同じく汎用のアングル材53と、平鋼板54と、U字ボルト55およびナット56により構成されている。
この治具骨格部材5は、後述するフロアアッセンブリFAに固定されるもので、固定にあたっては、フロアアッセンブリFAに予め設けられている部品取付用の穴(図示省略)を利用して、この穴に平鋼板54をボルト57およびナット(図示省略)により固定する。
このフロアアッセンブリFAに固定された平鋼板54を基礎として、前記角パイプ51、丸パイプ52、アングル材53を組み立てる。なお、実施の形態では、平鋼板54に角パイプ51やアングル材53を溶接部YBにて溶接しているが、この溶接は予め行っていてもよいし、フロアアッセンブリFAの上で行ってもよい。
また、本実施の形態では、角パイプ51とアングル材53との結合およびアングル材53どうしの結合は、溶接部YBにより行う構成としているが、ボルト・ナットを用いた着脱可能な結合とすることもできる。
また、前記丸パイプ52は、角パイプ51やアングル材53に対して、図示のようにU字ボルト55およびナット56により締結させている。
このように、角パイプ51、丸パイプ52、アングル材53を備えた治具骨格部材5を、建築足場のように組み立てる。
【0017】
前記治具アーム6は、ベース部材61と、アーム部材62と、保持具7とを備えている。
図2(a)は治具アーム6の斜視図であり、図3は治具アーム6の分解斜視図である。
両図に示すように、前記ベース部材61は、前記治具骨格部材5の丸パイプ52を挟持可能な2枚の挟持部材61a,61bを備えている。各挟持部材61a,61bには、前記丸パイプ52に対応した凹部61cが形成されており、これら凹部61c,61cの間に丸パイプ52を挟み、ネジ61dを締結して挟持部材61a,61bどうしを締結することで、丸パイプ52にベース部材61を固定することができ、また、ネジ61dを緩めることで、ベース部材61を丸パイプ52に対して回動させたり取り外したりすることができる。
【0018】
前記ベース部材61の一方の挟持部材61aには、アーム部材62の両端に設けられたネジ62a,62bの一方を締結させるネジ穴61fが形成されている。
すなわち、アーム部材62は、中間の6角形状の本体62cと、本体62cの両端に同軸に突出して形成されたネジ62a,62bと、このネジ62a,62bに螺合されたナット62d,62dと、先端側のネジ62bに螺合されるネジ穴62fが軸心に形成された連結具62gと、を備えている。また、アーム部材62の両端部に設けられたネジ62a,62bは、巻き方向が逆になったいわゆる逆ネジとなっており、アーム部材62の本体62cを回転させると、ベース部材61と連結具62gとの間隔が変化する構成となっている。
【0019】
前記連結具62gには、保持具7が取り付けられる。
この保持具7は、図示のように、2枚の長方形の金属製の挟持片71,72を備え、一方の挟持片71の一側から2枚の取付ブラケット73,74を略平行に突設させて形成され、一方の挟持片71に対して他方の挟持片72がネジ75により着脱可能であるとともに、両挟持片71,72の間に車体構成部品(図ではボディサイドアッセンブリBA)を挟持可能に構成されている。
また、前記取付ブラケット73,74が、前記連結具62gを挟んだ状態でピン76を両ブラケット73,74および連結具62gを貫通させることで、保持具7が連結具62g(アーム部材62)に対してピン76を中心に回動可能に支持される。なお、この回動は、一方の取付ブラケット73に螺合された蝶ネジ77を締めて、この蝶ネジ77の先端を連結具62gにきつく当てることにより規制することができる。なお、前記ピン76の先端には、抜け止め用のEクリップ78が取り付けられる。
【0020】
したがって、治具アーム6は、ベース部材61により治具骨格部材5の丸パイプ52に対して着脱可能であるとともに、丸パイプ52の軸心に対して任意の位置に回動可能であり、かつ、アーム部材62により軸方向寸法を任意に変更可能であり、かつ、保持具7が連結具62g(アーム部材62)に対してピン76を中心に任意の角度に回動可能であり、さらに、連結具62gをネジ62bに対して回動させることにより、保持具7をアーム部材62の軸心に対して任意の角度に回動可能である。
よって、保持具7の2枚の挟持片71,72による車体構成部品の挟持位置は、治具アーム6における4軸の回転軸と1軸の伸縮とにより、治具骨格部材5に対して任意の位置に調節することが可能である。
【0021】
なお、前記治具アーム6の先端に、必要に応じてロケートピン8を取り付けることもできる。すなわち、図2(b)は保持具7に代えてロケートピン8を取り付けた状態を示しており、このロケートピン8は、平板状の金属板からなる基体81と、保持具7で示した取付ブラケット73,74、ピン76および蝶ネジ77と、前記基体81の側面に溶接などにより固定されたピン本体82とを備えている。このロケートピン8も、保持具7と同様に4軸の回転軸と1軸の伸縮とにより、治具骨格部材5に対して任意の位置に調節することが可能である。
また、以上の構成の内部用治具Cは、治具骨格部材5と治具アーム6と保持具7とに分解することができ、さらに、治具骨格部材5は、角パイプ51,丸パイプ52,アングル材53などに分解できるもので、これら分解したものは、少なくとも、後述する車体に設けられた開口部OPから外部に撤去できる大きさとなっている。
【0022】
次に、請求項3に記載の発明に対応した実施の形態の車体組立方法を、工程順に説明する。
(ベース用治具設置工程)
車体の組み立てにあたり、まず、ベース用治具Bを設置する。
すなわち、図4に示すように、フロア治具ベース1を所定の位置へ固定し、このフロア治具ベース1の上の所定の位置に、フロア支持用治具ポスト2を固定するのに加え、必要に応じて、補助用治具ポスト3およびサイド支持用治具ポスト4を固定する。
【0023】
(フロアアッセンブリのセット工程)
次に、図5に示すように、フロア支持用治具ポスト3に、車体構成部品であってこれから組み立てる車体のフロア部分の部品の集合体であるフロアアッセンブリFAを載置する。
【0024】
(フロアアッセンブリの測定工程)
次に、フロアアッセンブリFAにおいて後述するボディサイドアッセンブリBAとの結合部分の位置を測定装置で測定し、この測定値が予め設定された値(図面値)との違いがある場合には、所定の精度までフロアアッセンブリFAの部品を修正する。なお、この修正とは、フロアアッセンブリFAの必要箇所を叩いたり曲げたり切断したりする加工である。
このように、フロアアッセンブリFAにおける結合箇所の位置を測定し、位置決めするため、精度が必要な所定の面やフランジなどを選択的に高い精度で位置決めができる。
【0025】
(治具骨格部材の固定工程)
次に、図6に示すように、治具骨格部材5をフロアアッセンブリFAの上で組み立てる。そして、この治具骨格部材5は、前述したように、平鋼板5をフロアアッセンブリFAの所定位置に固定する他、前述のフロア治具ベース1に固定した補助用治具ポスト3に固定する。
【0026】
(治具アーム・保持具の仮固定工程)
【0027】
次に、治具骨格部材5に治具アーム6および保持具7を仮固定し、分解できる治具である内部用治具CをフロアアッセンブリFAの上であって、後述するボディサイドアッセンブリBAやルーフRの内側となる位置に設置する。
【0028】
(ボディサイドアッセンブリのセット工程)
次に、図7に示すように、車体構成部品であって組み立てる車体のボディサイド部分の部品集合体であるボディサイドアッセンブリBAをセットする。このセットでは、フロア治具ベース1に固定したサイド支持用治具ポスト4によりボディサイドアッセンブリBAを支持するとともに、内部用治具Cの保持具7によりボディサイドアッセンブリBAの所定位置を仮固定する。
【0029】
(ボディサイドアッセンブリの測定工程)
次に、上述のようにセットしたボディサイドアッセンブリBAの位置を測定装置で測定し、ボディサイドアッセンブリBAが所定の精度で図面値の位置に配置されるように、治具アーム6および保持具7を、必要に応じて移動させた後、固定する。
上記のフロアアッセンブリFAと同様に、ボディサイドアッセンブリBAにおいても、結合箇所などの位置を測定して位置決めするため、精度が必要な所定の面やフランジなどを選択的に高い精度で位置決めができる。また、このときに、治具アーム6および保持具7を必要に応じて伸縮や回転させて移動させるため、治具自体の精度は車体の精度に関係が無く、車体の精度は、車体構成部品の精度に対応することになる。
【0030】
(フロントレールアッセンブリとリアレールアッセンブリのセット工程)
次に、図8に示すように、内部用治具CにフロントレールアッセンブリFRAとリアレールアッセンブリRRAをセットし、上記と同様に、治具アーム6および保持具7により仮固定する。
【0031】
(フロントレールアッセンブリとリアレールアッセンブリの測定工程)
次に、フロントレールアッセンブリFRAとリアレールアッセンブリRRAの位置を測定装置で測定し、フロントレールアッセンブリFRAとリアレールアッセンブリRRAが所定の精度で図面値の位置に配置されるように、治具アーム6および保持具7を固定する。
この場合も、ボディサイドアセンブリBAと同様に、選択的に高い精度で位置決めができるとともに、この精度は、治具精度に左右されることなく車体構成部品の精度に基づいて決定される。
【0032】
(溶接工程)
次に、図8に示す状態まで組み立てた部品であるフロアアッセンブリFA、ボディサイドアッセンブリBA、フロントレールアッセンブリFRA、リアレールアッセンブリRRAに対してスポット溶接を行って、これらの部品を固定する。
このスポット溶接を行うにあたり、ボディサイドアッセンブリBA、フロントレールアッセンブリFRA、リアレールアッセンブリRRAは、車内側に位置する内部用治具Cにより支持されていて、車外に配置されてるのは、ベース用治具Bだけであるため、車外で行う溶接作業をこれら治具B,Cが邪魔をすることが無く、溶接作業性に優れる。
【0033】
(ルーフのセット工程)
次に、図9に示すように、内部用治具CにルーフRをセットし、上記と同様に、治具アーム6および保持具7により仮固定する。
【0034】
(ルーフの測定工程)
次に、ルーフRの位置を測定装置で測定し、ルーフRが所定の精度で図面値の位置に配置されるように、治具アーム6および保持具7を固定する。
この場合も、ボディサイドアセンブリBAと同様に、選択的に高い精度で位置決めができるとともに、この精度は、治具精度に左右されることなく車体構成部品の精度に基づいて決定される。
【0035】
(スポット溶接工程)
ここまで組み立てた車体構成部品をスポット溶接により溶接する。
【0036】
(分解工程)
次に、内部用治具Cを、車体に設けられた開口部OPから外へ取り出せる大きさに分解し、車外へ撤去する。
【0037】
以上説明した実施の形態の車体組立治具にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
a)車体構成部品であるボディサイドアッセンブリBAフロントレールアッセンブリFRA、リアレールアッセンブリRRA、ルーフRを、それぞれ、車体の内側となる位置に組み立てた内部用治具Cにより保持するようにしたため、車体外側で溶接作業を行う際に、組立用治具がその作業の邪魔をすることが無く、溶接作業性に優れる。
b)上記a)の効果を得ることができる内部用治具Cは、車体の内側となる位置で組み立てるが、分解可能であるから組み立て後の車体の開口部OPを利用して車外に撤去することができる。したがって、内部用治具Cが、その後、車体を組み立てる障害になることはない。
c)内部用治具Cは、治具骨格部材5に対して治具アーム6および保持具7を任意の位置に固定可能であるとともに、治具アーム6および保持具7により、保持具7の位置を4軸の回動および1軸の伸縮により任意の位置で固定可能な構成としたため、従来技術と比較して、いろいろな車体形状および車体構成部品形状に対応でき、治具としての汎用性に優れる。
d)治具骨格部材5として、汎用の角パイプ51、丸パイプ52およびアングル材53を用いたため、治具骨格部材5を安価に構成することができる。
【0038】
さらに、本発明実施の形態の車体組立方法にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
e)車体構成部品であるフロアアッセンブリFA、ボディサイドアッセンブリBAフロントレールアッセンブリFRA、リアレールアッセンブリRRA、ルーフRを、それぞれ、位置を測定しながらこれらを所定の位置に保持するようにしたため、精度が必要な所定の面やフランジなどを選択的に正確に位置決めでき、従来よりも高精度の車体を組み立てることができる。
f)上述のように車体構成部品であるフロアアッセンブリFA、ボディサイドアッセンブリBAフロントレールアッセンブリFRA、リアレールアッセンブリRRA、ルーフRを高い精度で配置することを、車体組立用治具の精度に依らずに実行することができるため、車体組立用治具の精度を高める必要が無くなり、その分、車体組立用治具を安価に製造することができる。
加えて、このように、車体組立用治具の精度に依らないため、車体構成部品の部品精度による不具合の解析を容易に行うことができるようになる。
すなわち、従来では、部品精度の不具合が発生したときに、治具精度の要素も含まれていたため、部品精度と治具精度との両方から解析を行う必要があって、解析に手間を要していたが、これが容易になった。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、治具骨格部材として汎用の角パイプ51、丸パイプ52およびアングル材53を用いるようにしたが、これに限定されることはなく、これら角パイプ51、丸パイプ52およびアングル材53のうちの2つあるいは1つのみを用いるようにしてもよいし、あるいは、専用の骨格部材を用いるようにしてもよい。専用の骨格部材を用いた場合、実施の形態で示したものよりは高価になる可能性は高いが、車種に影響を受けずに共用化を図ることができるために、従来技術に比較すると安価な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の車体組立用治具における治具骨格部材を示す斜視図である。
【図2】実施の形態の車体組立用治具における治具アームおよび保持具を示す斜視図である。
【図3】実施の形態の車体組立用治具における治具アームおよび保持具を示す分解斜視図である。
【図4】実施の形態の車体組立方法の工程であるベース用治具設置工程を示す斜視図である。
【図5】実施の形態の車体組立方法の工程であるフロアアッセンブリのセット工程を示す斜視図である。
【図6】実施の形態の車体組立方法の工程である治具骨格部材の固定工程を示す斜視図である。
【図7】実施の形態の車体組立方法の工程であるボディサイドアッセンブリのセット工程を示す斜視図である。
【図8】実施の形態の車体組立方法の工程であるフロントレールアッセンブリとリアレールアッセンブリとのセット工程を示す斜視図である。
【図9】実施の形態の車体組立方法の工程であるルーフのセット工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1  フロア治具ベース
2  フロア支持用治具ポスト
3  補助用治具ポスト
4  サイド支持用治具ポスト
5  治具骨格部材
6  治具アーム
7  保持具
8  ロケートピン
51  角パイプ
52  丸パイプ
53  アングル材
54  平鋼板
55  字ボルト
56  ナット
57  ボルト
61  ベース部材
61a  挟持部材
61b  挟持部材
61c  凹部
61d  ネジ
61f  ネジ穴
62  アーム部材
62a,62b  ネジ
62c  本体
62d,62d  ナット
62f  ネジ穴
62g  連結具
71  挟持片
72  挟持片
73  取付ブラケット
74  取付ブラケット
75  ネジ
76  ピン
77  蝶ネジ
78  クリップ
81  基体
82  ピン本体
B  ベース用治具
C  内部用治具
YB  溶接部
BA  ボディサイドアッセンブリ
FA  フロアアッセンブリ
FRAフロントレールアッセンブリ
RRAリアレールアッセンブリ
R  ルーフ

Claims (3)

  1. 車体を組み立てる際に、車体を構成する複数の部品である車体構成部品を保持する車体組立用治具において、
    前記車体を下から受けるベース用治具と、
    組立時に車内となる位置に設置可能であるとともに、組立状態の車体から外部へ取り出すことのできる大きさに分解可能に構成されている内部用治具と、
    を備えていることを特徴とする車体組立用治具。
  2. 請求項1に記載の車体組立用治具において、
    前記内部用治具は、組立および分解可能な治具骨格部材と、この治具骨格部材の任意の位置に着脱可能であるとともに、前記治具骨格部材に対して回動および伸縮可能な治具アームと、この治具アームの先端部に設けられて前記車体構成部品を保持可能な保持具と、
    を備えていることを特徴とする車体組立用治具。
  3. 請求項2に記載の車体組立用治具を用いて車体を組み立てる車体組立方法であって、
    前記ベース用治具に支持された車体構成部品の上で、前記内部用治具の治具骨格部材を組み立て、
    次に、治具骨格部材に治具アームを取り付け、
    次に、車体構成部品の位置を測定して車体構成部品を予め設定された位置に配置させた状態で、前記治具アームの保持具により車体構成部品を保持し、この保持状態で、車体構成部品どうしを結合することを特徴とする車体組立方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010188817A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Fuji Heavy Ind Ltd 板金組立用位置規制治具
JP2021049616A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 いすゞ自動車株式会社 固定治具

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