JP2004034827A - 乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の衝突時にステアリングコラム11が前方にストロークすることにより乗員Hの衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構20の荷重特性が制御装置ECUにより変更可能とされている乗員保護装置において、ステアリングコラム11側から乗員Hが実際に受ける実荷重を検出する荷重センサSoを設けるとともに、ステアリングコラム11のストローク中にステアリングコラム11側から乗員Hが受けると想定した目標荷重と荷重センサSoが検出する実荷重との差が減少する方向にエネルギー吸収機構20の荷重特性を変更する変更手段を制御装置ECUに設けた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に装備されて車両の衝突時に乗員の衝突エネルギーを吸収することで乗員を保護する乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の乗員保護装置の一つとして、車両の衝突時(前面衝突時)にステアリングコラムが前方にストロークすることにより乗員の衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構を備えていて、このエネルギー吸収機構の荷重特性が制御装置により変更可能とされているものがあり、例えば、特開2001−58552号公報に示されている。この公報に示されている乗員保護装置においては、エネルギー吸収機構の荷重特性が制御装置により変更可能であるものの、その変更は乗員の体重、着座シート位置、シートベルトの着用有無等に応じてステアリングコラムのストローク前に行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したステアリングコラムの前方へのストロークは、車両の衝突に伴う二次衝突(乗員のステアリングコラム側への衝突)に伴って生じるものであり、このステアリングコラムのストローク中にステアリングコラム側から乗員が受ける荷重(乗員への入力荷重)は、エネルギー吸収機構の荷重のみではなくて、不確定要素(例えば、ステアリングコラムの搭載角度の変化、乗員の体格・姿勢による影響、構成部品の干渉等)による荷重も含まれる。したがって、上記した不確定要素による荷重が増大するような場合には、乗員への入力荷重が設定値より増大するおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題に対処すべく、車両の衝突時にステアリングコラムが前方にストロークすることにより乗員の衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構を備えていて、このエネルギー吸収機構の荷重特性が制御装置により変更可能とされている乗員保護装置において、前記ステアリングコラム側から乗員が実際に受ける実荷重を検出する荷重センサを設けるとともに、前記ステアリングコラムのストローク中に前記ステアリングコラム側から乗員が受けると想定した目標荷重と前記荷重センサが検出する実荷重との差が減少する方向に前記エネルギー吸収機構の荷重特性を変更する変更手段を前記制御装置に設けたこと(請求項1に係る発明)に特徴がある。
【0005】
この場合において、前記目標荷重は、乗員の体重、着座シート位置、シートベルトの着用有無の少なくとも一つに基づいて求められていること(請求項2に係る発明)も可能である。また、前記実荷重は、異なる部位にて荷重を検出する複数の荷重センサからの検出信号に基づいて求められていること(請求項3に係る発明)も可能である。
【0006】
【発明の作用・効果】
本発明による乗員保護装置(請求項1に係る発明)においては、制御装置に設けた変更手段が、ステアリングコラムのストローク中、すなわち、車両の衝突に伴う二次衝突時に、ステアリングコラム側から乗員が受けると想定した目標荷重と荷重センサが検出する実荷重との差が減少する方向にエネルギー吸収機構の荷重特性を変更する。
【0007】
このため、例えば、ステアリングコラムの搭載角度の変化、乗員の体格・姿勢による影響、構成部品の干渉等の不確定要素による乗員への入力荷重が増大するような場合にも、エネルギー吸収機構の荷重特性を荷重が小さくなるように変更することで、乗員への入力荷重を目標荷重に近似させることができ、想定した状態に近似した状態にて衝突エネルギーを吸収することが可能である。
【0008】
また、本発明による乗員保護装置(請求項2に係る発明)においては、前記目標荷重が乗員の体重、着座シート位置、シートベルトの着用有無の少なくとも一つに基づいて求められているため、乗員の体格や着座状況に合わせて乗員への入力荷重を的確に制御して、乗員を的確に保護することが可能である。また、本発明による乗員保護装置(請求項3に係る発明)においては、前記実荷重が異なる部位にて荷重を検出する複数の荷重センサからの検出信号に基づいて求められているため、実荷重を正確に検出することが可能であり、制御精度を高めることが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明による乗員保護装置を示していて、この乗員保護装置においては、ステアリングコラム11と車体(図示省略)との間にエネルギー吸収機構20が装着されていて、このエネルギー吸収機構20の荷重特性(エネルギー吸収特性)が電気制御装置ECUにより変更可能とされている。また、シート30と車体との間にシートベルト装置40が装着されていて、このシートベルト装置40によって乗員(運転者)Hの車両前方への移動が拘束されるようになっている。
【0010】
ステアリングコラム11は、その後方がアッパサポートブラケット12を介して車体の一部(図示省略)に支持され、かつ、その前方がエネルギー吸収機構20を介して車体の一部に支持されていて、ステアリングシャフト13を軸方向移動不能かつ回転自在に支持している。アッパサポートブラケット12は、車体の一部に組付けられてステアリングコラム11を前方へブレイクアウエイ可能に支持するブラケットであり、ステアリングコラム11に車両前方に向けて所定の荷重が作用したとき、ステアリングコラム11を離脱させて前方へ移動可能とするようになっている。
【0011】
ステアリングシャフト13は、先端部にてステアリングリンク機構14に連結されていて、後端にてステアリングホイール15を一体的に支持している。また、ステアリングシャフト13の後端部には、荷重センサSoが装着されている。荷重センサSoは、ステアリングシャフト13とステアリングホイール15等を介してステアリングコラム11側から乗員Hが実際に受ける実荷重F(乗員Hからステアリングコラム11に伝わる力の反力)を検出するセンサであり、電気制御装置ECUに接続されている。
【0012】
エネルギー吸収機構20は、車両の衝突時にステアリングコラム11が前方にストロークすることにより乗員Hの衝突エネルギーを吸収するものであり、ステアリングコラム11の前方を支持する支持機構を兼ねていて、図2〜図4に示したように、支持ブラケット21、支持ピン22、ロアサポートブラケット23、エネルギー吸収部材である屈曲プレート24を備えるとともに、その荷重特性を変更させることが可能な係合装置25を備えている。
【0013】
支持ブラケット21は、前後方向からみて門形形状のものであり、互いに対向する側壁部21aの下側端部にて、ステアリングコラム11の外周の上方部位に固着されている。また、支持ブラケット21の両側壁部21aには、中央部位から後方へ斜め上方に向けて延びる長孔21bが対向して形成されている。長孔21bは、基端部である円形孔部21b1と、円形孔部21b1から後方へ斜め上方に向けて延びる帯状孔部21b2と、これら両孔部21b1,21b2を連結する幅狭部21b3とからなるもので、帯状孔部21b2は円形孔部21b1の径と略同一寸法の幅に形成されている。
【0014】
支持ピン22は、支持ブラケット21の長孔21bを貫通した状態で、車体の一部に固着されるロアサポートブラケット23に組付けられるもので、ロアサポートブラケット23に組付けられた状態では、支持ブラケット21を介してステアリングコラム11の前端部を車体の一部に上下方向へ回動可能に支持する。また、支持ピン22は、図示状態にて支持ブラケット21の長孔21bにおける円形孔部21b1に挿通されていて、支持ブラケット21との相対的な移動(相対移動)により、幅狭部21b3を乗り越えて帯状孔部21b2内を後方へ移動可能である。
【0015】
屈曲プレート24は、所定幅のプレートの後端部側を略360度屈曲して形成されているもので、所定間隔を保持して対向する上側壁部24a、下側壁部24b、これら両壁部24a,24bを後端側にて連結する円弧状壁部24c、および、下側壁部24bの先端部から直交して起立する起立壁部24dにて構成されている。
【0016】
また、屈曲プレート24は、支持ブラケット21の側壁部21aにおける長孔21bの円形孔部21b1の外周を取り巻くように植設された複数のピン21cにより位置決めされた状態で支持ブラケット21に溶接固定されていて、支持ブラケット21内で支持ピン22を包囲し、起立壁部24dを支持ピン22の前側に位置にさせ、かつ、円弧状壁部24cを支持ピン22の後側にて長孔21bの帯状孔部21b2を交差して経由させている。
【0017】
この屈曲プレート24においては、図5および図6に示すように、上側壁部24aの幅方向の中央部に長さ方向に延びる上下の溝部24e1,24e2が形成されているとともに、両溝部24e1,24e2の後端部に円形状の係合孔24e3と、係合孔24e3を両溝部24e1,24e2に連結する切欠き溝24e4が形成されている。
【0018】
係合装置25は、ソレノイド25aと、ソレノイド25aに対する通電制御により進退する剪断作用ピン25bとからなり、ソレノイド25aを支持ブラケット21の上壁部21dの前端部に固定することにより、支持ブラケット21に取付けられている。また、係合装置25は、その取付状態において、剪断作用ピン25bが支持ブラケット21の上壁部21dを貫通していて、屈曲プレート24の上側壁部24aの係合孔24e3に進退可能に挿通されている。剪断作用ピン25bは、漸次先細りとなるテーパ形状に形成されている。
【0019】
この係合装置25においては、ソレノイド25aに対する印加電流値Iを電気制御装置ECUによって増減制御することにより、剪断作用ピン25bの突出長さを無段階に調整可能(可変可能)であり、エネルギー吸収機構20にて得られるエネルギー吸収荷重(剪断作用ピン25bが屈曲プレート24を剪断する荷重)を無段階に調整可能である。なお、支持ピン22が屈曲プレート24を引き延ばすように変形させることにより得られるエネルギー吸収荷重(剪断作用ピン25bが屈曲プレート24を剪断するときにおいて略同時に得られる)は略一定であって不変である。
【0020】
シートベルト装置40は、図1に示したように、シートベルト41、タングプレート42、バックル43、ショルダーベルトアンカ44を備えるとともに、プリテンショナ機構およびフォースリミッタ機構を内蔵したリトラクタ45を備えていて、バックル43内のスイッチS1がタングプレート42の有無を検知することにより、乗員Hのシートベルト着用・非着用(着用有無ON・OFF)が検出されるようになっている。
【0021】
なお、プリテンショナ機構は、車両の前面衝突時の初期にシートベルト41を瞬時に巻き取り、乗員Hの身体をしっかりと拘束する機構である。また、フォースリミッタ機構は、車両の前面衝突時に乗員Hが衝撃の反動で前方へ移動したときに、シートベルト41の拘束力を少し緩めて、乗員Hの胸部にかかる荷重を低減する機構である。
【0022】
電気制御装置ECUは、エネルギー吸収機構20の作動を制御するものであり、エネルギー吸収機構20のソレノイド25aに電気的に接続されるとともに、ステアリングシャフト13に装着した荷重センサSo、乗員Hのシートベルト着用有無ON・OFFを検出するバックル43内のスイッチS1、乗員Hの着座シート位置Pを検出する着座シート位置検出センサS2、乗員Hの体重Wを検出する体重センサS3、車両の衝突時を検出する衝突センサS4にそれぞれ電気的に接続されている。
【0023】
また、電気制御装置ECUは、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を有するマイクロコンピュータを備えるとともに、エネルギー吸収機構20のソレノイド25aに電流を供給する通電回路を備えていて、ステアリングコラム11が前方にストロークするとき(正確には、衝突センサS4が車両の衝突時を検出した時点toからの経過時間tが所定時間t1以降のとき)に、図7のフローチャートに対応した通電制御プログラムを所定の短時間(例えば、5msec)毎に繰り返し実行して、ソレノイド25aへの通電を制御する。
【0024】
上記のように構成したこの実施形態においては、乗員Hがシートベルト41を着用している状態での車両の衝突時、乗員Hの胸部移動に伴って、シートベルト装置40が機能するとともに、ステアリングコラム11の前方へのストロークに伴って、ステアリングコラム11と車体(図示省略)との間に装着したエネルギー吸収機構20が作動して、乗員Hの衝突エネルギーを吸収する。なお、乗員Hがシートベルト41を着用していない状態での車両の衝突時には、シートベルト装置40が機能しないものの、ステアリングコラム11の前方へのストロークに伴って、エネルギー吸収機構20が作動して、乗員Hの衝突エネルギーを吸収する。
【0025】
ところで、ステアリングコラム11が前方にストロークするとき(衝突センサS4が車両の衝突時を検出した時点toからの経過時間tが所定時間t1以降のとき)には、図7のフローチャートに対応した通電制御プログラムが所定の短時間毎に繰り返し実行され、そのステップ101にて通電制御が開始され、ステップ103にて乗員Hのシートベルト着用有無ON・OFF、乗員Hの着座シート位置P、乗員Hの体重Wおよび衝突時点toからの経過時間tが読み込まれる。
【0026】
また、ステップ105では、乗員Hのシートベルト着用有無ON・OFF、乗員Hの着座シート位置P、乗員Hの体重Wおよび衝突時点toからの経過時間tから、電気制御装置ECU内に予め記憶してあるマップまたはテーブル(乗員Hのシートベルト着用有無ON・OFF、乗員Hの着座シート位置P、乗員Hの体重Wおよび衝突時点からの経過時間tと目標荷重Fmの関係を示したものであり、その一つが図8に例示してある)を参照することにより目標荷重Fmが演算される。
【0027】
なお、図8に示した経過時間tと目標荷重Fmの関係は、標準体重の乗員Hが標準シート位置に着座していて、シートベルト41を装着している場合のものであり、シートベルト41を装着していない場合には、目標荷重Fmがシートベルト装置40の機能に相当する量だけ上方に加算され、乗員Hの着座シート位置Pが標準位置より前方(または後方)に変位している場合には、着座シート位置Pの変位量に相当する量だけ左方(または右方)に変位され、乗員Hの体重Wが標準体重より重い(または軽い)場合には、体重Wの増量(または減量)に相当する量だけ上方に加算(または下方に減算)される。
【0028】
また、ステップ107では、荷重センサSoが検出している実荷重Fが読み込まれ、ステップ109では、実荷重Fが目標荷重Fmに等しいか否かが判定され、ステップ111では実荷重Fが目標荷重Fmより大きいか否かが判定される。このとき、実荷重Fが目標荷重Fmに等しければ、ステップ109にて「Yes」と判定してステップ113に進み、実荷重Fが目標荷重Fmより大きければ、ステップ109にて「No」と判定した後にステップ111にて「Yes」と判定してステップ115に進み、実荷重Fが目標荷重Fmより小さければ、ステップ109とステップ111にて共に「No」と判定してステップ117に進む。
【0029】
ステップ113では、ソレノイド25aに対する印加電流値Iを維持する維持信号を出力し、ステップ115では、ソレノイド25aに対する印加電流値Iを所定量低減する低減信号を出力し、ステップ117では、ソレノイド25aに対する印加電流値Iを所定量増加する増加信号を出力し、ステップ119にてこの通電制御プログラムの実行を終了する。
【0030】
ところで、ソレノイド25aに対する印加電流値Iが低減すると、剪断作用ピン25bの突出長さが減少して、エネルギー吸収機構20にて得られるエネルギー吸収荷重が低減する。また、ソレノイド25aに対する印加電流値Iが増加すると、剪断作用ピン25bの突出長さが増大して、エネルギー吸収機構20にて得られるエネルギー吸収荷重が増大する。したがって、ステアリングコラム11のストローク中、すなわち、車両の衝突に伴う二次衝突時には、ステアリングコラム11側から乗員Hが受けると想定した目標荷重Fmと荷重センサSoが検出する実荷重Fとの差が減少する方向にエネルギー吸収機構20の荷重特性が変更される。
【0031】
このため、車両の衝突に伴って、例えば、ステアリングコラム11の搭載角度の変化、乗員Hの体格・姿勢による影響、構成部品の干渉等の不確定要素による乗員Hへの入力荷重が増大するような場合にも、エネルギー吸収機構20の荷重特性を荷重が小さくなるように変更することで、乗員Hへの入力荷重を目標荷重Fmに近似させることができ、想定した状態に近似した状態にて衝突エネルギーを吸収することが可能である。
【0032】
また、この実施形態においては、乗員Hの体重W、着座シート位置P、シートベルト41の着用有無、経過時間tに応じて変化する目標荷重Fmが、乗員Hの体重W、着座シート位置P、シートベルト41の着用有無、経過時間tに基づいて求められているため、乗員Hの体格や着座状況に合わせて乗員Hへの入力荷重を的確に制御して、乗員Hを的確に保護することが可能である。なお、目標荷重Fmが乗員Hの体重W、着座シート位置P、シートベルト41の着用有無の少なくとも一つに基づいて求められるように構成して実施しても同様の効果を期待することが可能である。
【0033】
上記実施形態においては、衝突センサS4が車両の衝突時を検出した時点toからの経過時間tが所定時間t1以降のときにはステアリングコラム11がストロークするとの実験結果を基にして、経過時間tが所定時間t1以降であればステアリングコラム11がストローク中であることを予測検出して実施したが、ステアリングコラム11のストロークをストロークセンサ(図示省略)により直接または間接的に検出するように構成して実施することも可能である。
【0034】
また、上記実施形態においては、乗員Hの体重W、着座シート位置P、シートベルト41の着用有無、経過時間tに応じて変化する目標荷重Fmが、乗員Hの体重W、着座シート位置P、シートベルト41の着用有無、経過時間tに基づいて求められるようにして実施したが、目標荷重を適宜な固定値に設定して実施することも可能である。なお、目標荷重を固定値として実施する場合には、図7に示したステップ103と105は不用となる。
【0035】
また、上記実施形態においては、ステアリングコラム11側から乗員Hが実際に受ける実荷重Fを一つの荷重センサSoにて検出するように構成して実施したが、図9にて例示したように、ステアリングコラム11の上側と下側に設けた荷重センサSa,Sb(個数は適宜増加可能である)にて実荷重Fを検出するように構成して実施することも可能である。
【0036】
この場合には、両荷重センサSa,Sbからの出力差に基づいてステアリングコラム11に作用する曲げモーメントをも間接的に求めることが可能であり、上記実施形態に比して、ステアリングコラム11側から乗員Hが実際に受ける実荷重Fを正確に検出することが可能であるため、制御精度を高めることが可能である。なお、この場合には、図7に示したステップ107にて両荷重センサSa,Sbからの検出信号に基づいて実荷重Fを演算する必要がある。
【0037】
また、上記実施形態においては、ステアリングコラム11と車体間に設けたエネルギー吸収機構20にて乗員Hの衝突エネルギーを吸収するようにして実施したが、ステアリングコラム自体に設けたエネルギー吸収機構により乗員の衝突エネルギーを吸収するようにして実施することも可能であり、エネルギー吸収機構の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、車両の衝突時にステアリングコラムが前方にストロークすることにより乗員の衝突エネルギーを吸収する構成であれば適宜変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乗員保護装置の一実施形態を概略的に示す側面図である。
【図2】図1に示したステアリング装置を概略的に示す平面図である。
【図3】図2に示したステアリング装置の側面図である。
【図4】図3の要部拡大縦断側面図である。
【図5】図4に示した屈曲プレートの平面図である。
【図6】図5の6−6線に沿う拡大縦断正面図である。
【図7】図1の電気制御装置によって実行される通電制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】衝突時点からの経過時間と目標荷重の関係の一つを示す図である。
【図9】本発明による乗員保護装置の他の実施形態を概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
11…ステアリングコラム、12…アッパサポートブラケット、13…ステアリングシャフト、15…ステアリングホイール、20…エネルギー吸収機構、40…シートベルト装置、H…乗員、So…荷重センサ、S1…シートベルト着用・非着用を検出するスイッチ、S2…着座シート位置検出センサ、S3…体重センサ、S4…衝突センサ、ECU…電気制御装置。
Claims (3)
- 車両の衝突時にステアリングコラムが前方にストロークすることにより乗員の衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構を備えていて、このエネルギー吸収機構の荷重特性が制御装置により変更可能とされている乗員保護装置において、前記ステアリングコラム側から乗員が実際に受ける実荷重を検出する荷重センサを設けるとともに、前記ステアリングコラムのストローク中に前記ステアリングコラム側から乗員が受けると想定した目標荷重と前記荷重センサが検出する実荷重との差が減少する方向に前記エネルギー吸収機構の荷重特性を変更する変更手段を前記制御装置に設けたことを特徴とする乗員保護装置。
- 請求項1に記載の乗員保護装置において、前記目標荷重は、乗員の体重、着座シート位置、シートベルトの着用有無の少なくとも一つに基づいて求められていることを特徴とする乗員保護装置。
- 請求項1に記載の乗員保護装置において、前記実荷重は、異なる部位にて荷重を検出する複数の荷重センサからの検出信号に基づいて求められていることを特徴とする乗員保護装置。
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