JP2004034731A - 前二軸車のリフトアクスル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前二軸車のリフトアクスル装置に関し、前後軸6bとフレーム2側との間に設けられるべきショックアブソーバとして、通常走行時に作動油の流動抵抗を利用した振動緩衝機能を発揮し且つ油圧系の切り替えにより適宜に油圧シリンダとして作動させることが可能なリフト機能付きショックアブソーバ11を採用すると共に、該ショックアブソーバ11を油圧シリンダとして作動させるための作動油を給排する作動油分離シリンダ12を備え、該作動油分離シリンダ12をステアリング用油圧源から分流して導いた作動油で作動させるように構成し、軽積載状態でショックアブソーバ11を収縮作動させて前後軸6bをリフトアップさせる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前二軸車のリフトアクスル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、前前軸及び前後軸と、駆動力が伝達される後軸とを配設してなる前二軸三軸車は、トラック等の大型車両に適用されている。
【0003】
図4は前前軸及び前後軸と後軸とを備えてなる前二軸三軸車のサスペンション装置の一例を表わすものであって、図4中における符号の1は前二軸三軸車、2は前二軸三軸車1のフレームを示し、フレーム2の前端部に固着したブラケット3aに、トレーリングリーフスプリング4aの前端部がピン5aに巻き付けられて連結され、該トレーリングリーフスプリング4aの中途部には、前前軸6aが取り付けられており、前記トレーリングリーフスプリング4aの後端部の上面と前記フレーム2の下面との間には、エアスプリング7aが介装されるようになっている。
【0004】
また、フレーム2の前端部における前記ブラケット3aより後方位置に固着したブラケット3bには、トレーリングリーフスプリング4bの前端部がピン5bに巻き付けられて連結され、該トレーリングリーフスプリング4bの中途部には、前後軸6bが取り付けられており、前記トレーリングリーフスプリング4bの後端部の上面と前記フレーム2の下面との間には、エアスプリング7bが介装されるようになっている。
【0005】
更に、フレーム2の後端部に固着したブラケット3cに、トレーリングリーフスプリング4cの前端部がピン5cに巻き付けられて連結され、該トレーリングリーフスプリング4cの中途部には、後軸6cが取り付けられており、前記トレーリングリーフスプリング4cの後端部の上面と前記フレーム2の下面との間には、エアスプリング7cが介装されるようになっている。
【0006】
そして、以上に述べた前記各トレーリングリーフスプリング4a,4b,4cにより、前前軸6aと前後軸6bと後軸6cとにかかる前後左右及び捩れ方向の荷重を支持すると共に、前記各エアスプリング7a,7b,7cによって、前前軸6aと前後軸6bと後軸6cとにかかる上下方向の荷重を支持するようになっている。
【0007】
尚、図4中における8a,8b,8cは前記各トレーリングリーフスプリング4a,4b,4cの下面側に重ね合わされて二重構造を成すようにしたサブリーフスプリング、9aは前前輪、9bは前後輪、9cは後輪、10a,10b,10cはショックアブソーバを夫々示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した如き前二軸三軸車1においては、荷重条件に関係なく常に前前輪9aと前後輪9bと後輪9cの全車輪を使って走行を行っているので、軽積載状態となっている場合では、駆動力が伝達される後軸6cに加わる荷重が小さくなって、駆動輪としての後輪9cの接地荷重が小さくなり、特に発進時等に後輪9cがスリップして走行不能となる虞れがあった。
【0009】
また、常に前前輪9aと前後輪9bと後輪9cの全車輪を使って走行を行っているため、路面に対する車輪の転がり抵抗が増えて走行燃費が悪くなるという欠点を有していた。
【0010】
本発明は、上述の実情に鑑みてなしたもので、駆動輪の接地荷重を大きくして発進性能を向上し且つ路面に対する車輪の転がり抵抗を抑えて走行燃費を向上し得るようにした前二軸車のリフトアクスル装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前前軸及び前後軸と、少なくとも一つの後軸とを備えた前二軸車のリフトアクスル装置であって、前後軸とフレーム側との間に設けられるべきショックアブソーバとして、通常走行時に作動油の流動抵抗を利用した振動緩衝機能を発揮し且つ油圧系の切り替えにより適宜に油圧シリンダとして作動させることが可能なリフト機能付きショックアブソーバを採用し、該ショックアブソーバを油圧シリンダとして作動させるための作動油を給排する作動油分離シリンダを備え、該作動油分離シリンダをステアリング用油圧源から分流して導いた作動油で作動させるように構成したことを特徴とするものである。
【0012】
而して、車両が軽積載状態となっている場合に、作動油分離シリンダをステアリング用油圧源から分流して導いた作動油により作動させ、これにより作動油分離シリンダから作動油をショックアブソーバに供給して収縮作動させると、該ショックアブソーバの収縮作動により前後軸がフレーム側にリフトアップされる結果、駆動力が伝達される車軸に加わる荷重が大きくなって駆動輪の接地荷重が大きくなり、発進時等に駆動輪がスリップすることが回避されて発進性能が向上される。
【0013】
更に、前後軸と一緒に前後輪がフレーム側にリフトアップされるため、路面に対する車輪の転がり抵抗が減ることで走行燃費が向上され、しかも、前後輪の摩耗も低減される。
【0014】
また、油圧系の切り替えにより適宜に油圧シリンダとして作動させることが可能なリフト機能付きショックアブソーバを採用し、しかも、そのリフト機能付きショックアブソーバを作動油分離シリンダの介在によりステアリング用油圧源の油圧を利用して作動させるようにしているので、前後軸をリフトアップさせるための機構や油圧源を別途新設する必要がなくて済む。
【0015】
尚、リフト機能付きショックアブソーバに対する作動油の給排を、ステアリング用油圧源から分流して導いた作動油で作動する作動油分離シリンダで行うようにしているのは、ショックアブソーバで適切な振動緩衝機能を発揮するよう用いられている粘性の高い作動油と、ステアリング用油圧源からの粘性の低い作動油とを分離して扱うためである。
【0016】
更に、より具体的に本発明を実施するに際しては、例えば、エンジン駆動のオイルポンプとステアリングギヤボックスとの間から分流弁を介し導いた作動油を常時流してステアリングギヤボックスに戻す作動油循環ラインと、該作動油循環ラインの途中に適宜に作動油を抜き出し得るように設けられた第一の油圧制御弁と、該第一の油圧制御弁を介し作動油循環ラインから抜き出した作動油を作動油分離シリンダを経由させてオイルタンクに戻す作動油連絡ラインと、該作動油連絡ラインの作動油分離シリンダより下流側に適宜に作動油の流通を遮断し得るように設けられた第二の油圧制御弁とを備えた構成を採用することが可能である。
【0017】
このようにすれば、車両が軽積載状態となっている場合に、第一の油圧制御弁を切り替えて作動油循環ラインから作動油を抜き出す一方、第二の油圧制御弁を切り替えて作動油連絡ラインにおける作動油の流通を遮断すると、作動油循環ラインから作動油分離シリンダに油圧がかけられ、該作動油分離シリンダが作動することでショックアブソーバに向け油圧がかけられて該ショックアブソーバが収縮作動し、この収縮作動により前後軸がフレーム側にリフトアップされることになる。
【0018】
そして、このリフトアップ状態にて第一の油圧制御弁の作動油の抜き出しを停止して作動油循環ラインと作動油分離シリンダとの間の作動油の流通を停止することで、既に閉じている第二の油圧制御弁との間で油圧がロック状態となり、これにより作動油分離シリンダ及びショックアブソーバの作動が固定されて前後軸がフレーム側にリフトアップされた状態に保持される。
【0019】
然る後に、第二の油圧制御弁を切り替えて作動油分離シリンダの油圧を解放すると、ショックアブソーバが前後軸及び前後輪の重量により伸長しつつ該ショックアブソーバから作動油分離シリンダ側へ作動油が戻され、これにより前後軸が下降されて前後輪が路面に接地した通常の走行状態に復帰することになる。
【0020】
そして、これ以降の通常の走行状態にあっては、ショックアブソーバの油圧系を切り替えて、作動油の流動抵抗を利用した本来の振動緩衝機能を発揮するようにショックアブソーバの作動を戻しておけば良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0022】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0023】
図1に示す如く、本形態例における基本的な構成は、先の図4に示した従来の前二軸三軸車1と略同様であるが、その特徴とするところは、前後軸6bとフレーム2側との間に設けられるべきショックアブソーバとして、通常走行時に作動油の流動抵抗を利用した振動緩衝機能を発揮し且つ油圧系の切り替えにより適宜に油圧シリンダとして作動させることが可能なリフト機能付きショックアブソーバ11を採用すると共に、該ショックアブソーバ11を油圧シリンダとして作動させるための作動油を給排する作動油分離シリンダ12を備え、該作動油分離シリンダ12をステアリング用油圧源から分流して導いた作動油で作動させるようにした点にある。ここで、作動油分離シリンダ12は、左右のショックアブソーバ11の夫々に1対1で対応させても良いし、一本の作動油分離シリンダ12で左右のショックアブソーバ11に1対2で対応させても良い。
【0024】
そして、ここに図示している例においては、エンジン駆動のオイルポンプ13によりステアリングギヤボックス14とオイルタンク15との間で作動油を循環させるようになっていると共に、このオイルポンプ13とステアリングギヤボックス14との間から分流弁16を介し導いた作動油を常時流して前記ステアリングギヤボックス14に戻す作動油循環ライン17が備えられている。
【0025】
この作動油循環ライン17の途中には、該作動油循環ライン17から作動油を抜き出す分流状態と、作動油を作動油循環ライン17にそのまま流し続ける循環継続状態の二位置に切り替え可能な油圧制御弁18(第一の油圧制御弁)が設けられている。
【0026】
また、この油圧制御弁18を介し作動油循環ライン17から抜き出した作動油を作動油分離シリンダ12上側の第一室12Aを経由させてオイルタンク15に戻す作動油連絡ライン19が備えられており、該作動油連絡ライン19の作動油分離シリンダ12より下流側には、作動油分離シリンダ12の第一室12Aの油圧をオイルタンク15に解放する油圧解放状態と、作動油分離シリンダ12の第一室12Aからステアリングギヤボックス14への作動油の流通を遮断する流通遮断状態の二位置に切り替え可能な油圧制御弁20(第二の油圧制御弁)が設けられている。
【0027】
更に、作動油分離シリンダ12下側の第二室12Bと、ショックアブソーバ11の油圧供給口21との間が油圧給排ライン22により接続されており、作動油分離シリンダ12の第一室12Aにステアリング用油圧源からの作動油が導入されて作動油分離シリンダ12が収縮作動した際に、その第二室12Bに貯留されている作動油が押し出されて油圧給排ライン22を通しショックアブソーバ11の油圧供給口21に導入されるようになっている。
【0028】
ここで、リフト機能付きショックアブソーバ11は、既に従来より周知の技術となっているものであるが、その具体的な機構について、図2及び図3を参照しつつ以下に説明する。
【0029】
図2はショックアブソーバ11を油圧シリンダとして作動させた時の作動油の流れを付した説明図であり、実線の矢印が給油時(収縮時)を示し、鎖線の矢印が排油時(伸長時)を示している。
【0030】
ここに図示されている如く、作動油分離シリンダ12からの作動油が導入される油圧供給口21は、ピストンロッド23の上端部に形成されており、このピストンロッド23内に穿設された油通路24を通して作動油がパイロットコントロールバルブ25に到り、該パイロットコントロールバルブ25を介して作動油が上側の第一室11Aに導入されるようになっている。
【0031】
他方、このショックアブソーバ11のシリンダ26は二重殻構造となっていて、ピストン27の下降により収縮した第二室11B内の作動油がシリンダ26外周部の第三室11Cに流れ込んで貯留されるようになっている。即ち、この第二室11Bと第三室11Cとにおける作動油の総量は常に不変で、該作動油がピストン27の昇降に伴い第二室11Bと第三室11Cとの間を行き来するようになっているのである。
【0032】
因みに、ショックアブソーバ11を振動緩衝機能を発揮するように通常作動させる時の作動油の流れは図3に示す通りであり、この場合には、パイロットコントロールバルブ25により油通路24が閉じられ且つ第一室11Aと第二室11Bとの間がピストン27内を通して開通されるようになっており、ショックアブソーバ11の伸長時に、実線の矢印で示す如く、第一室11Aから第二室11Bに作動油が流れ込むと共に、第三室11Cから第二室11Bに作動油が流れ込み、また、ショックアブソーバ11の収縮時には、鎖線の矢印で示す如く、第二室11Bから第一室12Aに作動油が流れ込むと共に、第二室11Bから第三室11Cに作動油が流れ込むようになっている。
【0033】
そして、これらの作動油の行き来の間に、ピストン27内に装備された減衰バルブ28と、第二室11Bの下端部に装備された減衰バルブ29とを作動油が通過することになり、この通過時に流動抵抗による減衰作用が生じて振動緩衝機能が発揮されるようになっている。
【0034】
ここで、パイロットコントロールバルブ25は、ピストンロッド23内の油通路24に油圧がかかった時に、この油圧で作動して第一室11Aと第二室11Bとの間を隔絶し且つ油通路24と第一室11Aとを連通するようになっており、ピストンロッド23内の油通路24の油圧が喪失した時には、図示しないバネの弾撥力で復帰して第一室11Aと第二室11Bとの間を開通し且つ油通路24と第一室11Aとを隔絶するようになっている。
【0035】
また、シリンダ26の下方位置には、何らかの原因でシリンダ26内の圧力が上昇した場合の安全対策としてリリーフバルブ30が装備されており、ここから逃がされた作動油はドレインホース31を介しリザーバタンク32(図1参照)へ回収されるようになっている。
【0036】
尚、図1中における33は作動油分離シリンダ12の第二室12Bに油不足が生じた場合に負圧により前記リザーバタンク32から作動油を吸い上げて補充するようにした油補充ライン、34は該油補充ライン33の途中に装備した逆流防止用の逆止弁、35は作動油循環ライン17の途中に装備した逆流防止用の逆止弁を夫々示している。
【0037】
而して、車両が軽積載状態となっている車両停車時に、油圧制御弁18を分流状態に切り替えて作動油循環ライン17から作動油を抜き出す一方、油圧制御弁20を流通遮断状態に切り替えて作動油連絡ライン19における作動油の流通を遮断すると、作動油循環ライン17から作動油分離シリンダ12の第一室12Aに油圧がかけられ、この作動油分離シリンダ12が収縮作動することで第二室12Bから作動油が押し出され、油圧給排ライン22を通しショックアブソーバ11の油圧供給口21に導入される。
【0038】
油圧供給口21に作動油を導入されたショックアブソーバ11は、図2に示す如く、油通路24及びパイロットコントロールバルブ25を介して作動油を上側の第一室11Aに導入されることにより収縮作動し、この収縮作動により前後軸6bがフレーム2側にリフトアップされることになる。
【0039】
そして、このリフトアップ状態にて油圧制御弁18を循環継続状態に切り替えて作動油の抜き出しを停止し且つ作動油循環ライン17と作動油分離シリンダ12との間の作動油の流通を停止することで、既に閉じている油圧制御弁20との間で油圧がロック状態となり、これにより作動油分離シリンダ12及びショックアブソーバ11の作動が固定されて前後軸6bがフレーム側にリフトアップされた状態に保持される。
【0040】
この結果、駆動力が伝達される後軸6c(図4参照)に加わる荷重が大きくなって、駆動輪としての後輪9c(図4参照)の接地荷重が大きくなり、発進時等に駆動輪である後輪9cがスリップすることが回避されて発進性能が向上されることになる。
【0041】
更に、前後軸6bと一緒に前後輪9bがフレーム2側にリフトアップされるため、路面に対する前後輪9bの転がり抵抗が減ることで走行燃費が向上され、しかも、前後輪9bの摩耗も低減されることになる。
【0042】
然る後に、油圧制御弁20を油圧解放状態に切り替えて作動油分離シリンダ12の第一室12Aの油圧を解放すると、ショックアブソーバ11が前後軸6b及び前後輪9bの重量により伸長しつつ該ショックアブソーバ11から作動油分離シリンダ12の第二室12B側へ作動油が戻され、これにより前後軸6bが下降されて前後輪9bが路面に接地した通常の走行状態に復帰することになる。
【0043】
そして、これ以降の通常の走行状態にあっては、ショックアブソーバ11の油圧系を切り替える、即ち、油圧制御弁18を循環継続状態に保持してピストンロッド23内の油通路24に油圧がかからないようにし、これによりパイロットコントロールバルブ25を図示しないバネの弾撥力で復帰させ、第一室11Aと第二室11Bとの間を開通し且つ油通路24と第一室11Aとを隔絶させて、作動油の流動抵抗を利用した本来の振動緩衝機能を発揮するようにショックアブソーバ11の作動を戻しておけば良い。
【0044】
従って、上記形態例によれば、駆動輪としての後輪9cの接地荷重を増加させることができるので、従来より発進性能を大幅に向上することができ、しかも、路面に対する前後輪9bの転がり抵抗を減らして走行燃費を向上し且つ前後輪9bの摩耗の低減化を図ることができる。
【0045】
更に、油圧系の切り替えにより適宜に油圧シリンダとして作動させることが可能なリフト機能付きショックアブソーバ11を採用し、しかも、そのリフト機能付きショックアブソーバ11を作動油分離シリンダ12の介在によりステアリング用油圧源の油圧を利用して作動させるようにしているので、前後軸6bをリフトアップさせるための機構や油圧源を別途新設する必要がなくて済み、リフトアクスル装置の実施に要するコストを著しく低減化することができる。
【0046】
また、リフト機能付きショックアブソーバ11に対する作動油の給排を、ステアリング用油圧源から分流して導いた作動油で作動する作動油分離シリンダ12で行うようにしているので、ショックアブソーバ11で適切な振動緩衝機能を発揮するよう用いられている粘性の高い作動油と、ステアリング用油圧源からの粘性の低い作動油とを確実に分離して扱うことができ、現行のリフト機能付きショックアブソーバ11を利用したリフトアクスル装置を実現することができる。
【0047】
尚、本発明の前二軸車のリフトアクスル装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、前前軸及び前後軸と、駆動力が伝達される後軸とを配設してなる前二軸三軸車に限らず、前二軸と後二軸とを配設してなる前二軸四軸車にも同様に適用し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0048】
【発明の効果】
上記した本発明の前二軸車のリフトアクスル装置によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0049】
(I)駆動輪の接地荷重を増加させることができるので、従来より発進性能を大幅に向上することができ、しかも、路面に対する前後輪の転がり抵抗を減らして走行燃費を向上し且つ前後輪の摩耗の低減化を図ることができる。
【0050】
(II)油圧系の切り替えにより適宜に油圧シリンダとして作動させることが可能なリフト機能付きショックアブソーバを採用し、しかも、そのリフト機能付きショックアブソーバを作動油分離シリンダの介在によりステアリング用油圧源の油圧を利用して作動させるようにしているので、前後軸をリフトアップさせるための機構や油圧源を別途新設する必要がなくて済み、リフトアクスル装置の実施に要するコストを著しく低減化することができる。
【0051】
(III)リフト機能付きショックアブソーバに対する作動油の給排を、ステアリング用油圧源から分流して導いた作動油で作動する作動油分離シリンダで行うようにしているので、ショックアブソーバで適切な振動緩衝機能を発揮するよう用いられている粘性の高い作動油と、ステアリング用油圧源からの粘性の低い作動油とを確実に分離して扱うことができ、現行のリフト機能付きショックアブソーバを利用したリフトアクスル装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を概略的に示す系統図である。
【図2】図1のショックアブソーバの油圧シリンダとしての作動時の作動油の流れを示す説明図である。
【図3】図1のショックアブソーバの通常作動時の作動油の流れを示す説明図である。
【図4】従来の前二軸三軸車のサスペンション装置の一例を示す全体側面図である。
【符号の説明】
1 前二軸三軸車(前二軸車)
2 フレーム
6a 前前軸
6b 前後軸
6c 後軸
11 リフト機能付きショックアブソーバ
12 作動油分離シリンダ
13 オイルポンプ
14 ステアリングギヤボックス
15 オイルタンク
16 分流弁
17 作動油循環ライン
18 油圧制御弁(第一の油圧制御弁)
19 作動油連絡ライン
20 油圧制御弁(第二の油圧制御弁)
Claims (2)
- 前前軸及び前後軸と、少なくとも一つの後軸とを備えた前二軸車のリフトアクスル装置であって、前後軸とフレーム側との間に設けられるべきショックアブソーバとして、通常走行時に作動油の流動抵抗を利用した振動緩衝機能を発揮し且つ油圧系の切り替えにより適宜に油圧シリンダとして作動させることが可能なリフト機能付きショックアブソーバを採用し、該ショックアブソーバを油圧シリンダとして作動させるための作動油を給排する作動油分離シリンダを備え、該作動油分離シリンダをステアリング用油圧源から分流して導いた作動油で作動させるように構成したことを特徴とする前二軸車のリフトアクスル装置。
- エンジン駆動のオイルポンプとステアリングギヤボックスとの間から分流弁を介し導いた作動油を常時流してステアリングギヤボックスに戻す作動油循環ラインと、該作動油循環ラインの途中に適宜に作動油を抜き出し得るように設けられた第一の油圧制御弁と、該第一の油圧制御弁を介し作動油循環ラインから抜き出した作動油を作動油分離シリンダを経由させてオイルタンクに戻す作動油連絡ラインと、該作動油連絡ラインの作動油分離シリンダより下流側に適宜に作動油の流通を遮断し得るように設けられた第二の油圧制御弁とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の前二軸車のリフトアクスル装置。
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CN107795532A (zh) * | 2017-11-28 | 2018-03-13 | 湖南星邦重工有限公司 | 一种剪叉式高空作业平台及其浮动液压控制系统 |
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