JP2004034303A - 多層シート、容器及び包装体 - Google Patents

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Hiroyuki Takahashi
高橋 博幸
Kazuyasu Maeda
前田 和保
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Abstract

【課題】良好な金外観を有し、高級感ある包装体を得ることができる多層シート、この多層シートを熱成形して得られる容器、この容器を用いた包装体を提供すること。
【解決手段】容器5は、金蒸着フィルム2と基材シート3を備えた多層シートを熱成形して得られたものであり、凹部51と切込み部331が形成されたフランジ部52とを有する。金蒸着フィルム2は、透明樹脂層21と、この透明樹脂層21上に蒸着された金蒸着層22とを有している。基材シート3は、接着層4を介して金蒸着フィルム2の金蒸着層22に接着されており、接着層4と当接する酸化チタン含有不透明樹脂層31と、次層32とを有する。また、次層32の酸化チタン含有不透明樹脂層31と反対側の面には、剥離性表面層33が形成されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品等の包装に使用される多層シート及びこの多層シートを用いた容器及び包装体に関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、熱可塑性樹を用いた容器は軽い、成形性がよい等の利点を有するため、各種食品類などの包装用として多く用いられている。なかでも、ガスバリア性を有する樹脂層を持つ多層シートから成形された容器は金属容器を代替しうるようになっている。
熱可塑性樹脂を用いた容器は、その外観がプラスチック様であるため、金属製の容器と比較すると見劣りするものであった。そのため、着色剤を配合したり、アルミニウムを蒸着する方法が検討され、アルミニウムの外観を有する熱可塑性樹脂容器が製品化されている。しかし、アルミニウムの外観は高級感があるとは言い難く、さらに高級感を出すために金外観を有する容器が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
金外観を有する容器を製造する方法として、樹脂に金色の着色剤を配合する方法が考えられる。しかし、この方法では、着色剤が金色に発色しなかったり、変色したりする等の問題があり、金外観の容器を得ることは困難である。また、金を熱可塑性樹脂のシート上に蒸着して金外観を有するシートを形成し、このシートを熱成形して容器を得る方法が考えられるが、シートの伸長変形により、金外観が悪化し、商品価値のある容器を得ることは非常に困難である。
【0004】
本発明の目的は、良好な金外観を有し、高級感ある包装体を得ることができる多層シート、この多層シートを熱成形して得られる容器、この容器を用いた包装体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は以下の構成を採用して前記目的を達成しようとするものである。
具体的には、本発明の多層シートは、多数の層が積層されて形成された多層シートであって、透明樹脂層及びこの透明樹脂層上に蒸着された金蒸着層を有する金蒸着フィルムと、この金蒸着フィルムの金蒸着層と接着層を介して接着される基材シートとを備え、前記基材シートは酸化チタン含有不透明樹脂層を有していることを特徴とする。
【0006】
ここで、接着層と、基材シートの酸化チタン含有不透明樹脂層とは直接接触していてもよく、両層間に、他の樹脂層が形成されていてもよい。
接着層は、特に制限はなく、ラミネート用接着層や溶融押し出し接着層であってもよい。
ラミネート用接着層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等が考えられる。
【0007】
また、溶融押し出し接着層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン系触媒を使用して重合したエチレンーα・オレフィン重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等を使用することができる。
【0008】
また、透明樹脂層としては、熱可塑性樹脂であればよいが、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレン系樹脂等が考えられる。この透明樹脂層の厚さ寸法は20μm以上、200μm以下が好ましい。
金蒸着量は0.1〜3.0mg/mが好ましい。金蒸着量が0.1mg/mより少ない場合には、金光沢が低下し、3.0mg/mより多い場合には、熱成形性が低下して外観も悪くなる。
基材シートは酸化チタン含有不透明樹脂層1層からなるものであってもよく、酸化チタン含有不透明樹脂層を含む多数の層からなるものであってもよい。
酸化チタン含有不透明樹脂層としては、例えば、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂に白色の着色剤である酸化チタンを混合したものであり、その含有量は他の添加剤、着色剤の含有量によっても異なるが、通常、不透明化に必要とされる0.2wt%以上、好ましくは、0.5wt%から20wt%以上である。
【0009】
この構成の本発明では、金蒸着層は接着層と、透明樹脂層との間に配置されているので、このシートを熱成形した場合であっても、金蒸着層がはがれたりすることはなく、金外観が悪化しない。
また、基材シートは酸化チタン含有不透明樹脂層を有しており、この樹脂層は光の透過率が低いため、光が反射されて、透明樹脂層側から見ると、金蒸着層の発色が良くなり、金外観のよい多層シートを得ることができる。
【0010】
この際、前記酸化チタン含有不透明樹脂層は黄色系着色剤を含有する金近似色であることが好ましい。
酸化チタンの他に黄色系着色剤を含有させて、金近似色(アイボリー)とすれば、多層シートを熱成形して、伸長変形した後の容器の外観を良好なものとすることができる。
ここで、酸化チタンと黄色系着色剤とが混合された着色剤として、アイボリー着色剤等の市販品を用いることができる。
【0011】
さらに、前記基材シートは、ガスバリア樹脂層を備えることが好ましい。
ここで、ガスバリア樹脂層は、酸素の難透過性を有する樹脂からなる層であればよく、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等を使用できる。なかでも、ガスバリア樹脂層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体から構成されており、その厚さ寸法が25μm以上、特に30μm以上、100μm以下であることがより好ましい。
【0012】
多層シートをガスバリア樹脂層を有するものとし、この多層シートで容器等を形成した場合、保存性の高い容器等とすることができる。
さらに、エチレン−ビニルアルコール共重合体は特にガスバリア性が優れているため、この多層シートを用いて容器を形成すれば、より保存性の高い容器等とすることができる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体は成形性にも優れているため、多層シートの成形性を低下させることがない。
さらに、ガスバリア樹脂層の厚さ寸法を25μmより薄い場合にはガスバリア性が充分でない可能性もあるが、25μm以上としたため、このような問題は生じない。従って、金属容器の代替として食品包装に用いることが可能となる。
【0013】
この際、前記基材シートの前記金蒸着フィルム側の面と反対側には、剥離性表面層が形成されており、その剥離強度は3〜15N/15mmであることが好ましい。
このことにより、多層シートを熱成形した容器に蓋材をヒートシールして強固に接着し、密封性を高めても、開封時に蓋材とともにフランジ部の表面層を剥離する開封方式を採用することができ、容易に開封できる包装体を提供することが可能となる。
【0014】
本発明の容器は、以上のような多層シートを熱成形してなるものであり、金蒸着フィルムの前記透明樹脂層を外表面とすることを特徴とする。
ここで、容器の成形方法としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等が考えられる。また、プラグアシスト成形を行うこともできる。
前述した多層シートを用いて形成しているため、金外観が良好なものとすることができる。
さらに、金蒸着フィルムの透明樹脂層を外表面としており、被包装物を収納する内表面側は酸化チタン含有不透明樹脂層の白色ないし金近似色(アイボリー)の外観を有しているため、例え、食品等を包んだとしても、ユーザーに違和感を与えることはない。
【0015】
この際、容器は、前記基材シートの前記金蒸着フィルム側の面と反対側の面に剥離性表面層が形成された前記多層シートを熱成形したものであり、 充填物収納用の凹部と、この凹部の開口周縁のフランジ部とを有し、前記フランジ部の剥離性表面層には前記開口周縁に沿って切込み部が形成されていることが好ましい。また、この容器の切込み部の外周側に蓋材が溶着されることにより包装体とされることが好ましい。
【0016】
ここで、剥離性表面層は、剥離性表面層あるいはこの剥離性表面層と隣接する層自身が破壊されて剥離する層内凝集剥離を起こすものや、層間剥離を起こすもの、界面凝集剥離を起こすものであってもよい。
この容器のフランジ部の剥離性表面層には切込み部が形成され、切込み部の外周側には蓋材が溶着される。蓋材を引きはがそうとすると、切込み部の外周側の剥離性表面層の一部が引き剥がし方向の力により剥離を起こし、蓋材と一緒に剥離されるので、容易に開封できる。
【0017】
前記蓋材は、前記フランジ部の切込み部から1mm以上外周側に溶着されることが好ましい。
剥離性表面層の切込み部から1mm以上外側に蓋材を溶着することで、包装体内部が加圧状態の時の開封しようとする圧力はフランジ部と蓋材との溶着部分の内周部分に作用し、切込み部には作用しない。従って、圧力により剥離性表面層が剥離してしまうことがないので、密封性が高く、かつ、易開封性を備える包装体とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施の形態の多層シート1が示されている。この多層シート1は複数の層が積層されて形成されたものであり、金蒸着フィルム2と、接着層4と、基材シート3とを有している。
金蒸着フィルム2は、透明樹脂層21と、この透明樹脂層21上に蒸着された金蒸着層22とを有している。
【0019】
透明樹脂層21は、熱可塑性樹脂であれば特に制限はないが、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレン系樹脂等が考えられる。この透明樹脂層21の厚さ寸法は20μm以上、200μm以下が好ましい。
金蒸着層22の金蒸着量は0.1〜3.0mg/mが好ましい。金蒸着量が0.1mg/mより少ない場合には、金光沢が低下し、3.0mg/m多い場合には、熱成形性が低下して外観も悪くなる。
この金蒸着フィルム2は公知の方法で製造でき、市場からも入手可能である。
【0020】
基材シート3は、接着層4を介して金蒸着フィルム2の金蒸着層22に接着されている。
接着層4は、金蒸着層22と基材シート3とを接着することができるものであれば特に制限はなく、例えば、ラミネート用接着層や溶融押し出し接着層が考えられる。
基材シート3は、接着層4と当接する酸化チタン含有不透明樹脂層31と、次層32とを有する。
酸化チタン含有不透明樹脂層31は、金近似色(アイボリー)であり、酸化チタンの他に黄色系着色剤を含有している。酸化チタンと黄色系着色剤の双方を含有する着色剤として、アイボリー着色剤等の市販品を使用することができる。
次層32は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂層である。
【0021】
この基材シート3の金蒸着フィルム2側の面と反対側、すなわち、次層32の酸化チタン含有不透明樹脂層31側の面と反対側の面には、剥離性表面層33が形成されている。剥離性表面層33は、引きはがす力を加えると、次層32から剥離できるようになっており、その剥離強度は3〜15N/15mmである。
【0022】
この様な多層シート1は、例えば、図2に示すように、金蒸着フィルム2及び基材シート3をそれぞれ、形成した後に、これらをラミネート用の接着層4により、接着する。
【0023】
図3には、以上のような多層シート1を熱成形した容器5と、蓋材6とを備えた包装体7が示されている。この容器5は、多層シート1をその金蒸着フィルム2が容器5の外表面となるようにプラグアシスト熱成形したものである。
容器5は、充填物収納用の凹部51と、この凹部51の開口周縁に形成されたフランジ部52とを備えている。
図4にも示すようにフランジ部52の剥離性表面層33には、開口周縁に沿って、その厚み方向に切込み部331が形成されている。この切込み部331は、図示しないがフランジ部52に環状刃を押圧することで形成できる。この環状刃は、常温でもよく、加熱されていてもよい。
【0024】
このような容器5は、凹部51に充填物を充填した後、蓋材6が取り付けられる。この蓋材6は、フランジ部52の剥離性表面層33の切込み部331よりも1mm以上外周側に溶着される。蓋材6をはがす際には、剥離性表面層33の蓋材6に溶着された部分が、引き剥がし方向の力により剥離され、蓋材6と共にはがれるようになっている。
【0025】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
金蒸着層22は接着層4と、透明樹脂層21との間に配置されているので、多層シート1を熱成形した場合であっても、金蒸着層22がはがれたりすることはなく、金外観が悪化しない。
また、金蒸着層22の金蒸着量を0.1〜3.0mg/mとしたため、金光沢が低下したり、多層シート1の熱成形性が低下したりすることもない。
【0026】
また、基材シート3は酸化チタン含有不透明樹脂層31を有しており、この樹脂層は光の透過率が低いため、光が反射され、透明樹脂層21側から見ると、金蒸着層22の発色が良くなり、金外観のよい多層シート1を得ることができる。
【0027】
さらに、酸化チタン含有不透明樹脂層31は、金近似色(アイボリー)であるため、多層シート1を熱成形して、伸長変形した後の容器5の外観を良好なものとすることができる。
【0028】
容器5は、多層シート1を熱成形したものであるため、金外観が良好なものとなる。
また、容器5は、金蒸着フィルム2の透明樹脂層21を外表面としており、充填物を収納する内表面側は酸化チタン含有不透明樹脂層31の金近似色の外観を有しているため、例え、食品等を充填しても、ユーザーに違和感を与える虞がない。
【0029】
さらに、本実施形態では、容器5のフランジ部52の剥離性表面層33には切込み部331が形成され、切込み部331の外周側には蓋材6が溶着されているため、蓋材6を引きはがす際に、切込み部331の外周側の剥離性表面層33の一部が、引き剥がし方向の力により剥離され、蓋材6と共にはがれるので、容易に開封できる。
【0030】
また、剥離性表面層33の切込み部331から1mm以上外側に蓋材6を溶着しているため、包装体7内部が加圧状態になっても圧力はフランジ部52と蓋材6との溶着部分の内周部分に作用し、切込み部331には作用しない。従って、内圧により剥離性表面層33が剥離してしまうことがないので、密封性が高く、かつ、易開封性を備える包装体7とすることができる。
【0031】
次に、図5を参照して本発明の第二実施形態を説明する。なお、以下の実施形態において、前記第一実施形態と同一もしくは同様の構成については、同一の符号を用い、説明を省略あるいは簡略する。
前記実施形態では、多層シート1の基材シート3は、3層構造であったが、本実施形態の多層シート1’の基材シート3’は、7層構造となっている。
【0032】
基材シート3’は、接着層4と当接するポリオレフィン樹脂層32’と、酸化チタン含有不透明樹脂層31と、接着性樹脂層36’と、ガスバリア樹脂層35と、接着性樹脂層36と、次層32と、剥離性表面層33とを有する。
酸化チタン含有不透明樹脂層31には、接着性樹脂層36’を介してガスバリア樹脂層35が接着されており、このガスバリア樹脂層35には、接着性樹脂層36を介して次層32が接着されている。
ここで、ガスバリア樹脂層35は、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体から構成されており、その厚さ寸法が25μm以上、特に好ましくは、30μm以上、100μm以下である。なお、前記実施形態と同様の切込み部331を形成する場合には、ガスバリア樹脂層35は、切込み部331が達しない位置に設けることが好ましい。
【0033】
このような第二実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
多層シート1’はガスバリア樹脂層35を有するため、この多層シート1’を熱成形した容器を、保存性の高いものとすることができる。特に、本実施形態では、ガスバリア樹脂層35をエチレン−ビニルアルコール共重合体で構成したため、容器をよりガスバリア性に優れたものとすることができる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体は成形性にも優れているため、多層シート1’の成形を優れたものとすることができる。
また、ガスバリア樹脂層35の厚さ寸法が25μmより薄い場合には、ガスバリア性が充分でない可能性もあるが、25μm以上としたため、このような問題は生じない。そのため、金属容器を代替することが可能である。
【0034】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第一実施形態では、多層シート1を用いて容器5を成形したが、これに限らず、袋等を成形してもよい。
また、第一実施形態では、容器5の剥離性表面層33に切込み部331を形成したが、切込み部331は無くてもよい。この場合、蓋材のヒートシール時にヒートシールリングを押圧することによりエッジ部を形成する。開封時には、このエッジ部から剥離性表面層33が切断されて剥離される。
また、蓋材6を切込み部331から1mm以上外周側に溶着したが、1mm未満の所に貼り付けてもよい。
【0035】
さらに、剥離性表面層33の剥離強度は3〜15N/15mmであるとしたが、剥離強度は、この範囲には限られず、蓋材6を引きはがす際に、人の力で容易に剥離が起こる程度の剥離強度であればよく、また、容器5のサイズ、形状、シール形態などによって適宜選択される。
【0036】
前記各実施形態では、多層シート1に剥離性表面層33を設けていたが剥離性表面層33は無くてもよい。多層シート1で袋を形成する場合等には剥離性表面層33は不要であり、多層シート1の用途に応じて適宜設ければよい。
前記各実施形態では、酸化チタン含有不透明樹脂層31は金近似色(アイボリー)としたが、容器5へ成形する際の伸長が低い場合には、黄色系着色剤を添加せず、酸化チタンのみを添加してもよい。
【0037】
また、第二実施形態において、ガスバリア樹脂層35は、25μm以上の厚さ寸法を有しているとしたが、これ以下であってもよく、被充填物の保存期間等を考慮して適宜決定すればよい。ガスバリア樹脂層35を25μm未満とすれば、多層シートを安価にできる。
【0038】
さらに、ガスバリア樹脂層35はエチレン−ビニルアルコール共重合体から構成されているとしたが、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等であってもよい。ただし、エチレン−ビニルアルコール共重合体でガスバリア樹脂層35を形成すれば、成形性がよく、かつ、より密封性の高いものとすることができる。
【0039】
また、前記第一実施形態では、多層シート1は、6層構造、第二実施形態では多層シート1’は、10層構造であったが、これらには限られず、例えば、10層以上であってもよい。
さらに、多層シートは、酸化チタン含有不透明樹脂層31と、接着層4と、透明樹脂層21と金蒸着層22との4層構造であってもよい。
【0040】
【実施例】
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
(実施例1)
以下の構成の金蒸着フィルム及び基材シートを形成した。
[金蒸着フィルムの構成]
金蒸着フィルムの構成を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004034303
【0042】
[基材シートの構成]
基材シートは、8層のTダイ共押し出し多層シートとした。基材シートの層構成を表2に示す。なお、使用したタルクの粒径は10μmである。
【0043】
【表2】
Figure 2004034303
【0044】
[多層シートの製造]
以上のような金蒸着フィルムと、基材シートとをラミネート用接着剤を用いてラミネートして金外観の多層シートを形成した。
[容器及び包装体の製造]
多層シートを金蒸着フィルムの透明樹脂層が外表面となるようにプラグアシスト熱成形により、第一実施形態と同様の容器を形成した。容器の凹部の開口径は65mm、底部径55mm、深さ25mm、フランジ部の幅は10mmとした。フランジ部には、開口周縁に沿って環状の切込み部を形成した。
次に、容器の凹部にゼリーを挿入して、蓋材をフランジ部の切込み部から2mm外周側にベタシーリングにより、ヒートシールした。さらに、ベタシーリングした部分の中央部には、リンク状の細幅のリンクシールを施した。
なお、蓋材は、直鎖状低密度ポリエチレン/接着剤/ポリエチレンテレフタレートからなる100μmのものである。
[評価]
容器の金外観は良好であった。また、剥離性表面層の剥離強度は8N/15mmであり、蓋材の開封は容易であった。さらに、蓋材が溶着された容器に空気を注入して耐圧性を測定したところ、0.19MPaであった。
【0045】
(実施例2)
基材シートの酸化チタン含有不透明樹脂層にタルクを配合しなかった。これ以外の点は実施例1と同様である。
[評価]
実施例1で得られた容器に比べ、剛性が低かったものの、金外観は良好であった。
【0046】
(実施例3)
基材シートの酸化チタン含有不透明樹脂層にアイボリー着色剤ではなく、酸化チタンを2wt%添加した。これ以外の点は実施例1と同様である。
[評価]
実施例1で得られた容器に比べ、金外観はやや劣っていたが、実用レベルであった。
【0047】
(比較例1)
基材シートにはアイボリー着色剤を添加しなかった。これ以外の点は実施例1と同様である。
[比較例1の評価及び実施例1から3との比較]
金外観は非常に悪く、実用レベルでは無かった。これに対し、実施例1から3では、実用レベルの金外観を有する容器を得ることができ、本発明の効果が顕著に示された。
【0048】
【発明の効果】
このような本発明によれば良好な金外観を有し、高級感ある包装体を得ることができる多層シート、この多層シートを熱成形して得られる容器及び包装体を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の多層シートを示す断面図である。
【図2】前記多層シートの製造工程を示す断面図である。
【図3】前記多層シートを熱成形した容器を示す断面図である。
【図4】前記容器のフランジ部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第二実施形態の多層シートを示す断面図である。
【符号の説明】
1   多層シート
1’  多層シート
2   金蒸着フィルム
3   基材シート
3’  基材シート
4   接着層
5   容器
6   蓋材
7   包装体
21   透明樹脂層
22   金蒸着層
31   酸化チタン含有不透明樹脂層
33   剥離性表面層
51   凹部
52   フランジ部
331   切込み部

Claims (9)

  1. 多数の層が積層されて形成された多層シートであって、
    透明樹脂層及びこの透明樹脂層上に蒸着された金蒸着層を有する金蒸着フィルムと、
    この金蒸着フィルムの金蒸着層と接着層を介して接着される基材シートとを備え、
    前記基材シートは酸化チタン含有不透明樹脂層を有していることを特徴とする多層シート。
  2. 請求項1記載の多層シートにおいて、
    前記酸化チタン含有不透明樹脂層は黄色系着色剤を含有する金近似色であることを特徴とする多層シート。
  3. 請求項1又は2に記載の多層シートにおいて、
    前記基材シートは、ガスバリア樹脂層を備えることを特徴とする多層シート。
  4. 請求項3に記載の多層シートにおいて、
    前記ガスバリア樹脂層はエチレン−ビニルアルコール共重合体から構成されており、その厚さ寸法が、25μm以上であることを特徴とする多層シート。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の多層シートにおいて、
    前記基材シートの前記金蒸着フィルム側の面と反対側には、剥離性表面層が形成されており、その剥離強度は3〜15N/15mmであることを特徴とする多層シート。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の多層シートを熱成形してなる容器であって、
    前記金蒸着フィルムの前記透明樹脂層を外表面とすることを特徴とする容器。
  7. 請求項6に記載の容器において、
    前記基材シートの前記金蒸着フィルム側の面と反対側の面に剥離性表面層が形成された多層シートを熱成形したものであり、
    充填物収納用の凹部と、この凹部の開口周縁のフランジ部とを有し、
    前記フランジ部の剥離性表面層には前記開口周縁に沿って切込み部が形成されていることを特徴とする容器。
  8. 請求項7に記載の容器と、蓋材とを有する包装体であって、前記蓋材は、前記容器のフランジ部の前記切込み部の外周側に溶着されていることを特徴とする包装体。
  9. 請求項8に記載の包装体において、
    前記蓋材は、前記フランジ部の切込み部から1mm以上外周側に溶着されることを特徴とする包装体。
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JP2013506097A (ja) * 2009-09-25 2013-02-21 ザ・ボーイング・カンパニー 構造設計された空力リブレット

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