JP2004034140A - 突合せ継手の製造方法、突合せ継手及び摩擦撹拌接合法 - Google Patents

突合せ継手の製造方法、突合せ継手及び摩擦撹拌接合法 Download PDF

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Abstract

【課題】裏面撹拌領域幅(接合部の裏面の幅)を増大し得て、接合強度を向上させることのできる突合せ継手の製造方法、摩擦撹拌接合法を提供すること。
【解決手段】互いに高温変形抵抗が相異する2個の接合部材1、2を突合せ状に配置する。接合工具10のプローブ12の回転方向を、接合方向JDの後方側において、高温変形抵抗の低い接合部材1から高温変形抵抗の高い接合部材2へと回転する方向に設定する。そして、この回転しているプローブ12を、両接合部材1、2の突合せ部3に埋入する。この状態で、プローブ12を突合せ部3に沿って移動させることにより、突合せ部3を摩擦撹拌接合する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、輸送機器、家電機器、産業機器等における金属製部材として用いられる突合せ継手の製造方法、突合せ継手、該突合せ継手を製造する際に好適に用いられる摩擦撹拌接合法及び曲げ加工品の製造方法に関する。
【0002】
なお、この明細書では、説明の便宜上、接合部材の厚さ方向両側の面のうち、接合工具のプローブが埋入される側の面を「表面」と呼ぶ。
【0003】
【従来の技術】
摩擦撹拌接合は、固相接合の範疇に入り、接合部材である金属材の種類に制限を受けない、接合に伴う熱歪みによる変形が少ない等の優れた利点を有し、近年、様々な構造物を製造するための接合手段として用いられている。
【0004】
この摩擦撹拌接合を図6を参照して説明する。同図において、(51)は板状の金属製第1接合部材、(52)は板状の金属製第2接合部材である。第1接合部材(51)の材質と第2接合部材(52)の材質は、互いに相異している。一方、第1接合部材(51)の肉厚t1’と第2接合部材(52)の肉厚t2’は、互いに同寸に設定されている(即ち、t1’=t2’)。
【0005】
ここでは、説明の便宜上、第1接合部材(51)の高温変形抵抗をY1’とし、第2接合部材(52)の高温変形抵抗をY2’とすると、第1接合部材(1)の高温変形抵抗Y1’よりも第2接合部材(2)の高温変形抵抗Y2’の方が高い(即ち、Y1’<Y2’)として、説明を行う。
【0006】
これら両接合部材(51)(52)は、裏面同士及び表面同士が面一に連なる態様で突合せ状に配置されている。また、第1接合部材(51)の、突き合わされた端面には凹凸部が形成されており、このため、両接合部材(51)(52)が突合せ状に配置された状態において、両接合部材(51)(52)の突合せ部(53)に間隙(57)が生じている。
【0007】
同図おいて、(60)は摩擦撹拌接合用の接合工具である。この接合工具(60)は、円柱状の回転子(61)と、該回転子(61)の端面(61a)に突設されたピン状プローブ(62)とをを有している。回転子(61)の端面(61a)における直径は、プローブ(62)の直径より径大に設定されている。
【0008】
この接合工具(60)を用いて両接合部材(51)(52)の突合せ部(53)を接合する場合には、まず接合工具(60)の回転しているプローブ(62)を突合せ部(53)に埋入する。そして、この状態で、プローブ(62)を突合せ部(53)に沿って移動させる。これにより、突合せ部(53)がプローブ埋入位置にてプローブ(62)により順次接合されていく。同図において、(53’)はプローブ(62)により接合された突合せ部、(55)はこの突合せ部(53’)に形成された摩擦撹拌接合部である。また、(JD’)は接合方向であり、この従来例では、接合方向(JD’)はプローブ(62)の移動方向(MD’)と同じ方向となる。
【0009】
ところで、一般に、摩擦撹拌接合では、プローブの回転方向(L)と接合方向(JD’)とが一致している側を「アドバンシングサイド(advancing side)」と呼び、一方、このアドバンシングサイドとは反対の側を「リトリーティングサイド(retreating side)」と呼んでいる。そして、リトリーティングサイドでは摩擦熱の発生量が少ないという特徴がある。一方、アドバンシングサイドでは接合部材の摩耗量が多く、このため、接合部の表面における、アドバンシングサイドに位置する接合部材側の部分に、アンダーカット部が形成されるという現象が発生する。なお、同図において、ADはアドバンシングサイドを示し、REはリトリーティングサイドを示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
而して、この摩擦撹拌接合において、プローブ(12)の回転方向を、例えば、接合方向(LD’)の後方側において、第2接合部材(52)から第1接合部材(51)へと回転する方向(L)に設定して、接合を行うと、次のような問題が生じる。
【0011】
すなわち、上述したようにリトリーティングサイド(RE)では摩擦熱の発生量が小さいので、両接合部材(51)(52)のうち、リトリーティングサイド(RE)に位置する接合部材である第2接合部材(52)は軟化し難く、その上、この第2接合部材(52)は、上述したように第1接合部材(51)の高温変形抵抗Y1’よりも高い高温変形抵抗Y2’を有するものであるから、当該第2接合部材(52)は益々軟化し難い。この結果、裏面撹拌領域幅H’(即ち、接合部(55)の裏面の幅)が狭くなり、このため、突合せ部(53)に生じた間隙(57)が残存する虞があった。このように間隙(57)が残存すると、突合せ継手の接合強度(例えば曲げ強度や引張強度)が低下する。したがって、この突合せ継手を曲げ加工素材として用いる場合には、曲げ加工を良好に行えなくなるという問題が発生する。
【0012】
この発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、裏面撹拌領域幅(接合部の裏面の幅)を増大し得て、接合強度を向上させることのできる突合せ継手の製造方法、突合せ継手、これを用いた曲げ加工品の製造方法、突合せ継手を製造する際に好適に用いられる摩擦撹拌接合法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明は、互いに高温変形抵抗が相異する2個の接合部材を突合せ状に配置するとともに、両接合部材の突合せ部を、該突合せ部に埋入され接合工具の回転しているプローブによって、突合せ部に沿って摩擦撹拌接合することにより、突合せ継手を得る突合せ継手の製造方法であって、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、高温変形抵抗の低い接合部材から高温変形抵抗の高い接合部材へと回転する方向に設定して、摩擦撹拌接合を行うことを特徴としている(請求項1)。
【0014】
この突合せ継手の製造方法によれば、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、高温変形抵抗の低い接合部材から高温変形抵抗の高い接合部材へと回転する方向に設定することにより、リトリーティングサイドには、両接合部材のうち高温変形抵抗の小さい方の接合部材が位置することとなるから、この接合部材が軟化し易くなり、もって裏面撹拌領域幅(即ち、接合部の裏面の幅)が増大する。このため、もし仮に両接合部材の突合せ部に間隙が生じている場合であっても、この間隙を接合部材の肉で確実に埋め塞ぐことができ、もって、得られる突合せ継手の接合強度が向上する。また、裏面撹拌領域幅が増大するから、接合時にプローブの突合せ部への埋入位置を厳密に設定しなくても、突合せ部を良好に接合することができ、これにより接合作業能率が向上する。
【0015】
なお、この発明において、両接合部材の高温変形抵抗の高低についての比較は、接合温度での変形抵抗に基づいて行う。これを具体的に示すと、両接合部材の双方が例えばアルミニウム又はその合金製である場合には、200〜600℃の範囲内における平均変形抵抗に基づいて比較することが望ましく、特に400〜550℃の範囲内における平均変形抵抗に基づいて比較することが望ましい。こうすることにより、裏面撹拌領域幅を確実に増大することができる。
【0016】
また、この発明では、接合部材としては、例えば金属製のものが用いられ、特にアルミニウム又はその合金製のものや、銅又はその合金製のものが好適に用いられる。
【0017】
第2発明は、互いに同一材質で且つ互いに肉厚が相異する2個の接合部材を厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置するとともに、両接合部材の突合せ部を、該突合せ部に表面側から埋入され接合工具の回転しているプローブによって、突合せ部に沿って摩擦撹拌接合することにより、突合せ継手を得る突合せ継手の製造方法であって、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、肉厚の薄い接合部材から肉厚の厚い接合部材へと回転する方向に設定して、摩擦撹拌接合を行うことを特徴としている(請求項2)。
【0018】
この突合せ継手の製造方法によれば、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、肉厚の薄い接合部材から肉厚の厚い接合部材へと回転する方向に設定することにより、リトリーティングサイドには、両接合部材のうち肉厚の薄い接合部材が位置することとなるため、裏面撹拌領域幅が増大する。このため、第1発明と同じ作用を奏し得る。
【0019】
第3発明は、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY1及びt1である第1接合部材と、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY2及びt2である第2接合部材とを準備し、突合せ状に配置された両接合部材の突合せ部を、該突合せ部に埋入され接合工具の回転しているプローブによって、突合せ部に沿って摩擦撹拌接合することにより、突合せ継手を得る突合せ継手の製造方法であって、両接合部材がY1×t1>Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、第2接合部材から第1接合部材へと回転する方向に設定して、摩擦撹拌接合を行い、両接合部材がY1×t1<Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、第1接合部材から第2接合部材へと回転する方向に設定して、摩擦撹拌接合を行うことを特徴としている(請求項3)。
【0020】
この突合せ継手の製造方法によれば、両接合部材の双方の高温変形抵抗及び肉厚を考慮してプローブの回転方向を設定することにより、裏面撹拌領域幅が確実に増大される。
【0021】
第4発明は、曲げ加工特性に優れた突合せ継手であって、第1発明〜第3発明のいずれか1つの発明に係る突合せ継手の製造方法により得られたものであることを特徴としている(請求項4)。
【0022】
この第4発明においては、第1発明〜第3発明のいずれか1つの発明に係る突合せ継手の製造方法により得られた突合せ継手は、突合せ部に生じた間隙が確実に埋め塞がれているので、優れた曲げ加工特性を有している。したがって、この突合せ継手に対して曲げ加工を行うことにより、曲げ加工欠陥の発生を確実に防止することができて、高品質の曲げ加工品を得ることができる。
【0023】
第5発明は、曲げ加工品の製造方法であって、第1発明〜第3発明のいずれか1つの発明に係る突合せ継手の製造方法により得られた突合せ継手に対して曲げ加工を行うことを特徴としている(請求項5)。
【0024】
この曲げ加工品の製造方法によれば、上記第4発明と同じ理由により、高品質の曲げ加工品を得ることができる。
【0025】
なお、この第5発明において、曲げ加工の種類は限定されるのではなく、例えば、プレス曲げ加工をはじめ、プレス型やダイスやロール等を用いた様々な曲げ加工を適用可能である。
【0026】
第6発明は、突合せ状に配置された2個の接合部材の突合せ部が、該突合せ部に沿って摩擦撹拌接合されることにより、両接合部材が一体化された突合せ継手であって、両接合部材のうち、一方の接合部材は、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY1及びt1であり、他方の接合部材は、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY2及びt2であるとすると、摩擦撹拌接合部の表面における、両接合部材のうちY1×t1の値とY2×t2の値とを比較して大きい方の接合部材側の部分に、アンダーカット部が形成されていることを特徴としている(請求項6)。
【0027】
この突合せ継手によれば、アンダーカット部は、摩擦撹拌接合部の表面における、両接合部材のうちY1×t1の値とY2×t2の値とを比較して大きい方の接合部材側の部分に形成されているので、アンダーカット部による接合強度への影響が少なく、接合強度の低下は殆ど生じていない。したがって、この突合せ継手は、優れた接合強度を有している。
【0028】
この第6発明に係る接合継手は、上記第1〜第3発明のいずれか1つの発明に係る接合継手の製造方法によって確実に得ることができる。また同じく、後述する第7発明〜第9発明のいずれか1つの発明に係る摩擦撹拌接合法によっても確実に得ることができる。
【0029】
なお、この第6発明では、もし仮に、摩擦撹拌接合部の表面おける、両接合部材のうちY1×t1の値とY2×t2の値とを比較して大きい方の接合部材側の部分と、小さい方の接合部材側の部分とに、それぞれアンダーカット部が形成されている場合においては、摩擦撹拌接合部の表面における、大きい方の接合部材側の部分に、アンダーカット部が、小さい方の接合部材側の部分に形成されたアンダーカット部よりも相対的に大きく形成されていることが望ましい。
【0030】
第7発明は、互いに高温変形抵抗が相異する2個の接合部材を突合せ状に配置するとともに、両接合部材の突合せ部を、該突合せ部に埋入され接合工具の回転しているプローブによって、突合せ部に沿って接合する摩擦撹拌接合法であって、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、高温変形抵抗の低い接合部材から高温変形抵抗の高い接合部材へと回転する方向に設定して、接合を行うことを特徴としている(請求項7)。
【0031】
この第7発明は、上記第1発明と同じ作用を奏し得る。
【0032】
第8発明は、 互いに同一材質で且つ互いに肉厚が相異する2個の接合部材を厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置するとともに、両接合部材の突合せ部を、該突合せ部に表面側から埋入され接合工具の回転しているプローブによって、突合せ部に沿って接合する摩擦撹拌接合法であって、
接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、肉厚の薄い接合部材から肉厚の厚い接合部材へと回転する方向に設定して、接合を行うことを特徴としている(請求項8)。
【0033】
この第8発明は、上記第2発明と同じ作用を奏し得る。
【0034】
第9発明は、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY1及びt1である第1接合部材と、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY2及びt2である第2接合部材とを準備し、突合せ状に配置された両接合部材の突合せ部を、該突合せ部に埋入され接合工具の回転しているプローブによって、突合せ部に沿って接合する摩擦撹拌接合法であって、両接合部材がY1×t1>Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、第2接合部材から第1接合部材へと回転する方向に設定して、接合を行い、両接合部材がY1×t1<Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、第1接合部材から第2接合部材へと回転する方向に設定して、接合を行うことを特徴としている(請求項9)。
【0035】
この第9発明は、上記第3発明と同じ作用を奏し得る。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の好ましい幾つかの実施形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は、この発明の第1実施形態に係る接合継手の製造方法を説明するための図である。
【0038】
同図において、(1)は板状の第1接合部材、(2)は板状の第2接合部材である。
【0039】
ここで、第1接合部材(1)の高温変形抵抗をY1、肉厚をt1とする。一方、第2接合部材(2)の高温変形抵抗をY2、肉厚をt2とする。
【0040】
この第1実施形態では、第1接合部材(1)の肉厚t1と第2接合部材(2)の肉厚t2は、互いに同寸に設定されている(即ち、t1=t2)。
【0041】
一方、第1接合部材(1)の材質と第2接合部材(2)の材質は、互いに相異している。そのため、第1接合部材(1)の高温変形抵抗Y1と第2接合部材(2)の高温変形抵抗Y2は、互いに相異している(即ち、Y1≠Y2)。詳述すると、第1接合部材(1)の高温変形抵抗Y1よりも第2接合部材(2)の高温変形抵抗Y2の方が高く設定されている(即ち、Y1<Y2)。
【0042】
したがって、第1接合部材(1)の高温変形抵抗Y1と肉厚t1との積つまりY1×t1の値と、第2接合部材(2)の高温変形抵抗Y2と肉厚t2との積つまりY2×t2の値とを比較すると、Y1×t1の値よりもY2×t2の値の方が大きくなっている(即ち、Y1×t1<Y2×t2)。
【0043】
この第1実施形態では、第1接合部材(1)と第2接合部材(2)は、互いに相異する材質のアルミニウム又はその合金製のものである。
【0044】
そして、この両接合部材(1)(2)は、裏面同士及び表面同士が面一に連なる態様で幅方向の一端面同士が突き合わされている。更に、この突合せ状態のままで、両接合部材(1)(2)がその裏面側から支持部材(図示せず)によって支持されている。また、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の裏面には、裏当て部材(図示せず)が当てられている。
【0045】
また、両接合部材(1)(2)のうち少なくとも一方の接合部材(同図では第1接合部材(1))の、突き合わされる端面には、切断傷等からなる凹凸部が形成されており、このため、両接合部材(1)(2)が突合せ状に配置された状態のもとで、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)には前記凹凸部に起因する間隙(7)が生じている。なお、同図では、説明の便宜上、間隙(7)を誇張して示している。
【0046】
同図において、(10)は摩擦撹拌接合用の接合工具である。この接合工具(10)は、円柱状の回転子(11)と、該回転子(11)の端面(11a)に突設されたピン状のプローブ(12)とを有している。回転子(11)の端面(11a)における直径は、プローブ(12)のそれより径大に設定されている。回転子(11)及びプローブ(12)は、両接合部材(1)(2)よりも硬質で且つ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱材料から形成されている。また、プローブ(12)の外周面には、摩擦熱にて軟化した両接合部材(1)(2)の肉を撹拌するための撹拌用凸部(図示せず)が螺旋状等に設けられている。
【0047】
この接合工具(10)において、回転子(11)の端面(11a)の少なくとも外周縁部は、回転軸線(P)に直交する平面内にある。この実施形態では、回転子(11)の端面(11a)は平坦状に形成されている。なお、この発明では、回転子(11)の端面(11a)は、その外周縁部から回転中心部に向かって窪んだ形状になっていても良い。
【0048】
次に、この接合工具(10)を用いて両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合する方法を説明する。なお、この実施形態では、この突合せ継手の製造方法により得られる突合せ継手(20)は、例えば曲げ加工素材として用いられるものであり(図2参照)、具体的に言うと自動車のテーラードブランク材として好適に用いられるものである。
【0049】
まず、図1に示すように、接合工具(10)の回転子(11)及びプローブ(12)を、回転軸線(P)を中心に所定の回転方向(この回転方向については後述する。)に回転させる。そして、回転しているプローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に表面側から埋入した状態に配置する。さらに、回転している回転子(11)の端面(11a)を両接合部材(1)(2)の表面に押し付けた状態に配置する。なお、プローブ(12)の突合せ部(3)への埋入は、両接合部材(1)(2)の長さ方向の一端面から行っても良い。
【0050】
この状態で、プローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に沿って移動させる。このプローブ(12)の移動に伴い、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)がプローブ埋入位置にてプローブ(12)により突合せ部(3)に沿って順次接合されていく。同図において、(3’)は、プローブ(12)により接合された突合せ部を示し、(5)はこの突合せ部(3’)に形成された摩擦撹拌接合部を示している。(MD)は、プローブ(12)の移動方向を示している。この実施形態では、プローブの移動方向(MD)が接合方向(JD)となる。
【0051】
ここで、接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向について説明する。
【0052】
この第1実施形態では、両接合部材(1)(2)は、Y1×t1<Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されているから、プローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第1接合部材(1)から第2接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定する。そして、この回転方向(R)に回転子(11)及びプローブ(12)を回転させた状態で、上述したようにプローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に埋入し、これを突合せ部(3)に沿って移動させる。
【0053】
すると、プローブ(12)の回転により発生する摩擦熱と、回転子(11)の端面(11a)と両接合部材(1)(2)の表面との摺動に伴い発生する摩擦熱とによって、両接合部材(1)(2)はプローブ埋入位置近傍にて軟化する。そして、両接合部材(1)(2)の軟化した肉が、プローブ(12)の回転力を受けて撹拌混合される。そして、この肉がプローブ(12)の通過溝を埋めるように塑性流動したのち、摩擦熱を急速に失って冷却固化される。この現象がプローブ(12)の移動に伴って順次繰り返されていき、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)がプローブ通過部分において接合され、両接合部材(1)(2)が一体化される。
【0054】
而して、この摩擦撹拌接合において、リトリーティングサイド(RE)には、両接合部材(1)(2)のうち第1接合部材(1)が位置しているが、この第1接合部材(1)のY1×t1の値は、上述したように第2接合部材(2)のY2×t2の値よりも小さく(即ち、Y1×t1<Y2×t2)、このため、この第1接合部材(1)は軟化し易くなっている。この結果、裏面撹拌領域幅H(即ち、接合部(5)の裏面の幅)が増大する。このため、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に生じた間隙(7)を両接合部材(1)(2)の肉で確実に埋め塞ぐことができる。したがって、この突合せ継手の製造方法により得られた突合せ継手(20)は、高い接合強度を有するものとなる。
【0055】
図2は、この突合せ継手(20)に対して公知のプレス機械等を用いてU字曲げ(又はV字曲げ)加工を行った状態を示す斜視図である。同図では、この突合せ継手(20)は、接合部(5)の裏面が外側に向く態様にして接合部(5)に沿って横断面U字状(又は横断面V字状)に屈曲されている。而して、上述したように、この突合せ継手(20)は、突合せ部(3)に生じた間隙(7)が両接合部材(1)(2)の肉で確実に埋め塞がれているので、高い接合強度を有しており、このため、同図に示すようにこの突合せ継手(20)に対してU字曲げ加工を行った場合であっても、接合部(5)に割れ等の曲げ加工欠陥が殆ど発生せず、高品質の曲げ加工品を得ることができる。したがって、この突合せ継手(20)は、自動車のテーラードブランク材として特に好適に用いることができる。
【0056】
なお、この発明では、曲げ加工はU字曲げ(又はV字曲げ)加工に限定されるものではなく、様々な曲げ加工を適用可能である。
【0057】
また、この接合継手の製造方法によれば、裏面撹拌領域幅Hが増大することから、接合時にプローブ(12)の突合せ部(3)への埋入位置を厳密に設定しなくても、突合せ部(3)を良好に接合することができる。したがって、能率良く接合作業を行うことができる。
【0058】
図3〜図5は、この発明の第2実施形態に係る接合継手の製造方法を説明するための図である。なお、これらの図には、上記第1実施形態で示した要素に対応する要素に同一の符号が付されており、以下、この第2実施形態を上記第1実施形態との相異点を中心に説明する。
【0059】
この第2実施形態では、第1接合部材(1)の肉厚t1と第2接合部材(2)の肉厚t2は、互いに相異している(即ち、t1≠t2)。詳述すると、第1接合部材(1)の肉厚t1よりも第2接合部材(3)の肉厚t2の方が大寸に設定されている(即ち、t1<t2)。
【0060】
一方、第1接合部材(1)の材質と第2接合部材(2)の材質は、互いに同一である(即ち、Y1=Y2)。
【0061】
したがって、第1接合部材(1)の高温変形抵抗Y1と肉厚t1との積つまりY1×t1の値と、第2接合部材(2)の高温変形抵抗Y2と肉厚t2との積つまりY2×t2の値とを比較すると、Y1×t1の値よりもY2×t2の値の方が大きくなっている(即ち、Y1×t1<Y2×t2)。
【0062】
この第2実施形態では、第1接合部材(1)と第2接合部材(2)は、互いに同一材質のアルミニウム又はその合金製のものものである。
【0063】
そして、この両接合部材(1)(2)は、裏面同士が面一に連なる態様で幅方向の一端面同士が突き合わされている。このため、厚さ方向に両者の肉厚差に対応した段差を両接合部材(1)(2)の表面側にて生じている。図4において、(4)は段部を示しており、(4a)はこの段部(4)のすみ部を示している。
【0064】
この両接合部材(1)(2)の他の構成は、上記第1実施形態のそれと同じである。すなわち、図3及び図4において、(7)は、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に生じた間隙である。
【0065】
接合工具(10)の構成は、上記第1実施形態のそれと同じであり、重複する説明を省略する。
【0066】
次に、接合工具(10)を用いて両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合する方法を説明する。
【0067】
まず、接合工具(10)の回転子(11)及びプローブ(12)を、回転軸線(P)を中心に所定の回転方向(この方向については後述する。)に回転させる。そして、回転しているプローブ(12)を第1接合部材(1)側に傾斜させた状態で、回転しているプローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に表面側から埋入した状態に配置する。さらに、回転している回転子(11)の端面(11a)を両接合部材(1)(2)の表面に押し付けた状態に配置する。この第2実施形態では、回転子(11)の端面(11a)は、突合せ部(3)から表面側へ突出している第2接合部材(2)の肩部(図4参照、2a)に押し付けられた状態に配置されている。なお、プローブ(12)の突合せ部(3)への埋入は、両接合部材(1)(2)の長さ方向の一端面から行っても良い。また、プローブ(12)を突合せ部(3)に埋入した後で、回転軸線(P)を第1接合部材(1)側に傾斜させても良いし、あるいは回転軸線(P)を傾動させないで、両接合部材(1)(2)を傾動させることによって、かかる状態を実現しても良い。
【0068】
この状態で、プローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に沿って移動させる。このプローブ(12)の移動に伴い、両接合部材(1)(2)がプローブ埋入位置にてプローブ(12)により突合せ部(3)に沿って順次接合されていく。
【0069】
すなわち、プローブ(12)の回転により発生する摩擦熱と、回転子(11)の端面(11a)と第2接合部材(2)の肩部(2a)との摺動に伴い発生する摩擦熱とによって、両接合部材(1)(2)はプローブ埋入位置近傍にて軟化するとともに、第2接合部材(2)の肩部(2a)が回転子(11)の端面(11a)からの押付け力を受けてその表面が傾斜面になるように塑性変形される。さらに、この肩部(2a)の塑性変形によって、当該肩部(2a)の肉の一部が段部(4)のすみ部(4a)内に充填される。
【0070】
こうして肩部(2a)が塑性変形されながら、摩擦熱にて軟化した両接合部材(1)(2)の肉が、プローブ(12)の回転力を受けて撹拌混合される。そして、この肉がプローブ(12)の通過溝を埋めるように塑性流動したのち、摩擦熱を失って冷却固化される。この現象がプローブ(12)の移動に伴って順次繰り返されていき、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)がプローブ通過部分において接合され、両接合部材(1)(2)が一体化される。
【0071】
ここで、接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向について説明する。
【0072】
この第2実施形態では、両接合部材(1)(2)は、Y1×t1<Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されているから、プローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第1接合部材(1)から第2接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定する。この回転方向(R)に回転子(11)及びプローブ(12)を回転させた状態で、該プローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に沿って移動させて、上述した摩擦撹拌接合を行う。
【0073】
而して、この摩擦撹拌接合において、リトリーティングサイド(RE)には、両接合部材(1)(2)のうち第1接合部材(1)が位置しているが、この第1接合部材(1)のY1×t1の値は、第2接合部材(2)のY2×t2の値よりも小さい(即ち、Y1×t1<Y2×t2)ので、この第1接合部材(1)は軟化し易くなっている。このため、裏面撹拌領域幅Hが増大する。このため、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に生じた間隙(7)を両接合部材(1)(2)の肉で確実に埋め塞ぐことができる。したがって、この突合せ継手の製造方法により得られた突合せ継手は、上記第1実施形態と同じく、高い接合強度を有している。さらに、この突合せ継手に対して公知のプレス機械等を用いてU字曲げ(又はV字曲げ)加工を行った場合であっても、接合部(5)に割れ等の曲げ加工欠陥が殆ど発生せず、高品質の曲げ加工品を得ることができる。
【0074】
特にこの接合継手の製造方法は、次のような優れた利点を有している。すなわち、上述したように、接合工具(10)の回転子(11)の端面(11a)は第1接合部材(1)側に傾斜した状態に配置されており、且つ回転子(11)の端面(11a)は第2接合部材(2)の肩部(2a)に押し付けられた状態に配置されていることから、接合部(5)の表面は、図5に示すように第1接合部材(1)の表面と第2接合部材(2)の表面とに跨る傾斜面に形成されることとなる。このため、この突合せ継手に対して曲げ加工を行った場合であっても、曲げ加工時に段部(図4参照、4)に作用することのある応力集中を緩和することができる。したがって、この突合せ継手は、極めて優れた曲げ加工特性を有している。このため、この突合せ継手に対して曲げ加工を行った場合には、極めて高品質の曲げ加工品を得ることができる。
【0075】
また、図5に示すように、この突合せ継手においては、接合部(5)の表面における、アドバンシングサイド(AD)に位置する接合部材である第2接合部材(2)側の部分には、アンダーカット部(8)が形成されている。しかしながら、この第2接合部材(2)のY2×t2の値は、第1接合部材(1)のY1×t1の値よりも大きいので、この突合せ継手では、アンダーカット部(8)による接合強度への影響は少なく、接合強度の低下は殆ど生じていない。したがって、この突合せ継手は、優れた接合強度を維持している。なお、同図では、説明の便宜上、アンダーカット部(8)の大きさを誇張して示している。
【0076】
この第2実施形態に係る接合継手の製造方法における他の利点は、上記第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
【0077】
以上で説明した第1及び第2実施形態に係る接合継手の製造方法では、いずれも、両接合部材(1)(2)がY1×t1<Y2×t2の関係式を満足して突合せ状態に配置されている場合について説明しているが、これとは逆に、両接合部材(1)(2)がY1×t1>Y2×t2の関係式を満足して突合せ状態に配置されている場合には、プローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第2接合部材(2)から第1接合部材(1)へと回転する方向(図1参照、L)に設定する。こうすることにより、この場合において、上述した効果を奏し得るものとなる。この場合における他の接合方法は、上記第1及び第2実施形態と同じであり、重複した説明を省略する。
【0078】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【0079】
例えば、上記実施形態では、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の接合操作は、両接合部材(1)(2)の位置を固定しておき、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に表面側から埋入された回転しているプローブ(12)を、突合せ部(3)に沿って移動させることにより、行われているが、この発明では、この他に、回転しているプローブ(12)の位置を固定しておき、このプローブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に表面側から埋入した状態に配置し、この状態で、突合せ部(3)が順次プローブ(12)を通過するように両接合部材(1)(2)を移動させることによって、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の接合を行っても良い。この場合には、両接合部材(1)(2)の移動方向とは反対の方向が接合方向となる。
【0080】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例を説明する。
【0081】
<実施例1>
平板状のアルミニウム合金製第1接合部材(材質A6061−T6、肉厚t1=2mm)と、平板状のアルミニウム合金製第2接合部材(材質A5083−O、肉厚t2=2mm)とを準備した。
【0082】
なお、A6061−T6の400〜550℃の範囲内における平均変形抵抗とA5083−Oの同温度範囲内における平均変形抵抗とを比較すると、A6061−T6の方が低いことが一般に知られている。したがって、同温度範囲内において、第1接合部材(1)の高温変形抵抗Y1と肉厚t1との積つまりY1×t1の値と、第2接合部材(2)の高温変形抵抗Y2と肉厚t2との積つまりY2×t2の値とを比較すると、第1接合部材(1)の方が小さくなる(即ち、Y1×t1<Y2×t2)。
【0083】
一方、接合工具(10)として、回転子(11)の端面(11a)における直径が12mm、プローブ(12)の直径が5mmのものを準備した。
【0084】
そして、両接合部材(1)(2)を、裏面同士及び表面同士が面一に連なる態様で突合せ状に配置した。そして、接合工具(10)の回転子(11)及びプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第1接合部材(1)から第2接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定し、上記第1実施形態で示された接合手順に従って、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合した。
【0085】
したがって、この実施例1では、リトリーティングサイド(RE)には第1接合部材(1)が位置し、アドバンスシングサイド(AD)には第2接合部材(2)が位置することとなる。
【0086】
<比較例1>
接合工具(10)の回転子(11)及びプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第2接合部材(2)から第1接合部材(1)へと回転する方向(L)に設定し、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合した。他の接合条件は、実施例1と同じである。
【0087】
したがって、この比較例1では、リトリーティングサイド(RE)には第2接合部材(2)が位置し、アドバンスシングサイド(AD)には第1接合部材(1)が位置することとなる。
【0088】
<実施例2>
平板状のアルミニウム合金製第1接合部材(材質A5052−O、肉厚t1=1mm)と、平板状のアルミニウム合金製第2接合部材(材質A5052−O、肉厚t2=2mm)とを準備した。
【0089】
なお、第1接合部材(1)の材質と第2接合部材(2)の材質は、互いに同一であることから、第1接合部材(1)のY1×t1の値と、第2接合部材(2)のY2×t2の値とを比較すると、第1接合部材(1)の方が小さくなる(即ち、Y1×t1<Y2×t2)。
【0090】
そして、両接合部材(1)(2)を、裏面同士が面一に連なる態様で突合せ状に配置した。そして、接合工具(10)の回転子(11)及びプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第1接合部材(1)から第2接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定し、上記第2実施形態で示された接合手順に従って、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合した。使用した接合工具(10)は、上記実施例1で使用したものと同じである。
【0091】
したがって、この実施例2では、リトリーティングサイド(RE)には第1接合部材(1)が位置し、アドバンスシングサイド(AD)には第2接合部材(2)が位置することとなる。
【0092】
<比較例2>
接合工具(10)の回転子(11)及びプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第2接合部材(2)から第1接合部材(1)へと回転する方向(L)に設定し、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を接合した。他の接合条件は、実施例2と同じである。
【0093】
したがって、この比較例2では、リトリーティングサイド(RE)には第2接合部材(2)が位置し、アドバンスシングサイド(AD)には第1接合部材(1)が位置することとなる。
【0094】
[接合結果]
上記実施例1、比較例1、実施例2及び比較例2で得られたそれぞれの突合せ継手において、裏面撹拌領域幅Hを測定した。この結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
Figure 2004034140
【0096】
同表に示すように、実施例1及び実施例2で得られた突合せ継手では、裏面撹拌領域幅Hは比較例1及び比較例2のそれよりも大きいことが分かった。したがって、この発明に係る接合継手の製造方法によれば、裏面撹拌領域幅Hを増大できることを確認し得た。
【0097】
【発明の効果】
上述の次第で、第1発明によれば、接合工具のプローブの回転方向を、接合方向の後方側において、高温変形抵抗の低い接合部材から高温変形抵抗の高い接合部材へと回転する方向に設定して、摩擦撹拌接合を行うものなので、裏面撹拌領域幅(接合部の裏面の幅)を増大できる。このため、もし仮に両接合部材の突合せ部に間隙が生じている場合であっても、この間隙を接合部材の肉で確実に埋め塞ぐことができて、突合せ継手の接合強度を向上させることができる。さらに、裏面撹拌領域幅が増大することから、接合時にプローブの突合せ部への埋入位置を厳密に設定しなくても、突合せ部を良好に接合することができ、このため、能率良く接合作業を行うことができる。
【0098】
第2発明によれば、上記第1発明と同じ効果を奏し得る。
【0099】
第3発明によれば、両接合部材の双方の高温変形抵抗及び肉厚を考慮してプローブの回転方向を設定しているので、裏面撹拌領域幅を確実に増大させることができる。したがって、突合せ継手の接合強度を確実に向上させることができるし、より一層能率良く接合作業を行うことができる。
【0100】
第4発明によれば、曲げ加工欠陥の発生を確実に防止することができ、もって高品質の曲げ加工品を得ることができる。
【0101】
第5発明によれば、高品質の曲げ加工品を得ることができる。
【0102】
第6発明によれば、摩擦撹拌接合部の表面おける、両接合部材のうちY1×t1の値とY2×t2の値とを比較して大きい方の接合部材側の部分に、アンダーカット部が形成されているので、アンダーカット部による接合強度への影響が少なく、接合強度の低下は殆ど生じておらず、このため、優れた接合強度を有する突合せ継手を提供することができる。
【0103】
第7発明によれば、上記第1発明と同じ効果を奏し得る。
【0104】
第8発明によれば、上記第2発明と同じ効果を奏し得る。
【0105】
第9発明によれば、上記第3発明と同じ効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る接合継手の製造方法を説明するための図で、接合途中の状態を示す斜視図である。
【図2】同接合継手の製造方法により得られた接合継手に対して曲げ加工を行った状態の斜視図である。
【図3】この発明の第2実施形態に係る接合継手の製造方法を説明するための図で、接合途中の状態を示す斜視図である。
【図4】図3中のA−A線断面図である。
【図5】図3中のB−B線断面図である。
【図6】従来の接合継手の製造方法を説明するための図で、接合途中の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…第1接合部材
2…第2接合部材
3…突合せ部
5…摩擦撹拌接合部
7…間隙
10…接合工具
12…プローブ
H…裏面撹拌領域幅
JD…接合方向
R、L…回転方向

Claims (9)

  1. 互いに高温変形抵抗が相異する2個の接合部材(1)(2)を突合せ状に配置するとともに、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を、該突合せ部(3)に埋入され接合工具(10)の回転しているプローブ(12)によって、突合せ部(3)に沿って摩擦撹拌接合することにより、突合せ継手(20)を得る突合せ継手の製造方法であって、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、高温変形抵抗の低い接合部材(1)から高温変形抵抗の高い接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定して、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする突合せ継手の製造方法。
  2. 互いに同一材質で且つ互いに肉厚が相異する2個の接合部材(1)(2)を厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置するとともに、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を、該突合せ部(3)に表面側から埋入され接合工具(10)の回転しているプローブ(12)によって、突合せ部(3)に沿って摩擦撹拌接合することにより、突合せ継手(20)を得る突合せ継手の製造方法であって、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、肉厚の薄い接合部材(1)から肉厚の厚い接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定して、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする突合せ継手の製造方法。
  3. 高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY1及びt1である第1接合部材(1)と、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY2及びt2である第2接合部材(2)とを準備し、
    突合せ状に配置された両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を、該突合せ部(3)に埋入され接合工具(10)の回転しているプローブ(12)によって、突合せ部(3)に沿って摩擦撹拌接合することにより、突合せ継手(20)を得る突合せ継手の製造方法であって、
    両接合部材(1)(2)がY1×t1>Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第2接合部材(2)から第1接合部材(1)へと回転する方向(L)に設定して、摩擦撹拌接合を行い、
    両接合部材(1)(2)がY1×t1<Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第1接合部材(1)から第2接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定して、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする突合せ継手の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の突合せ継手の製造方法により得られた突合せ継手(20)からなることを特徴とする、曲げ加工特性に優れた突合せ継手。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の突合せ継手の製造方法により得られた突合せ継手(20)に対して曲げ加工を行うことを特徴とする曲げ加工品の製造方法。
  6. 突合せ状に配置された2個の接合部材(1)(2)の突合せ部(3)が、該突合せ部(3)に沿って摩擦撹拌接合されることにより、両接合部材(1)(2)が一体化された突合せ継手(20)であって、
    両接合部材(1)(2)のうち、一方の接合部材(1)は、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY1及びt1であり、他方の接合部材(2)は、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY2及びt2であるとすると、
    摩擦撹拌接合部(5)の表面における、両接合部材(1)(2)のうちY1×t1の値とY2×t2の値とを比較して大きい方の接合部材(2)側の部分に、アンダーカット部(8)が形成されていることを特徴とする突合せ継手。
  7. 互いに高温変形抵抗が相異する2個の接合部材(1)(2)を突合せ状に配置するとともに、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を、該突合せ部(3)に埋入され接合工具(10)の回転しているプローブ(12)によって、突合せ部(3)に沿って接合する摩擦撹拌接合法であって、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、高温変形抵抗の低い接合部材(1)から高温変形抵抗の高い接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定して、接合を行うことを特徴とする摩擦撹拌接合法。
  8. 互いに同一材質で且つ互いに肉厚が相異する2個の接合部材(1)(2)を厚さ方向に段差を表面側にて生じる態様で突合せ状に配置するとともに、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を、該突合せ部(3)に表面側から埋入され接合工具(10)の回転しているプローブ(12)によって、突合せ部(3)に沿って接合する摩擦撹拌接合法であって、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、肉厚の薄い接合部材(1)から肉厚の厚い接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定して、接合を行うことを特徴とする摩擦撹拌接合法。
  9. 高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY1及びt1である第1接合部材(1)と、高温変形抵抗及び肉厚がそれぞれY2及びt2である第2接合部材(2)とを準備し、
    突合せ状に配置された両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)を、該突合せ部(3)に埋入され接合工具(10)の回転しているプローブ(12)によって、突合せ部(3)に沿って接合する摩擦撹拌接合法であって、
    両接合部材(1)(2)がY1×t1>Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第2接合部材(2)から第1接合部材(1)へと回転する方向(L)に設定して、接合を行い、
    両接合部材(1)(2)がY1×t1<Y2×t2の関係式を満足して突合せ状に配置されている場合には、
    接合工具(10)のプローブ(12)の回転方向を、接合方向(JD)の後方側において、第1接合部材(1)から第2接合部材(2)へと回転する方向(R)に設定して、接合を行うことを特徴とする摩擦撹拌接合法。
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