JP2004033984A - アルミニウムイオン含有廃酸の処理方法 - Google Patents

アルミニウムイオン含有廃酸の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原液のままで高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸を中和処理することができるのはもちろん、中和処理工程において、中和剤として工業用の炭酸カルシウムを用いた場合にも、これが未反応の状態で残るといった不都合をなくした、アルミニウムイオン含有廃酸の処理方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム材の処理工程から排出されるアルミニウムイオンを含む廃酸を前段と後段の2段で中和処理するアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法である。まず、前段の中和処理工程において、アルミニウムイオン含有廃酸を中和して得られる処理液のpHを3以下に調整する。次いで、後段の中和処理工程において、中和剤を含む水溶液中にpHを3以下に調整した処理液を添加し、得られる処理液にpH3〜5の中間pH域が形成されないようにして、この処理液をpH6〜8の範囲に中和する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材の処理工程から排出されるアルミニウムイオン含有廃酸を、中和処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学工場など、アルミニウムを大量に使用する工場等では、各種の処理後、高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸が系外に排出されることがある。このアルミニウムイオンを含む廃酸は、塩酸等を含む酸でアルミニウムを高濃度に溶解してなるもので、当然ながら、一般排水とするため、中和処理後固形分の除去処理がなされる。
【0003】
高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸の処理方法として、pH0程度の強酸性の塩化アルミニウム等を含む濃厚廃酸を無希釈で中和する場合、攪拌槽内にて炭酸カルシウム等のアルカリ水溶液を添加し、pH3程度とする。次いで、これに水酸化カルシウム等の水溶液を添加する。
【0004】
すると、この処理液では、炭酸カルシウム等の水溶液が添加されることによって析出した高濃度の水酸化アルミニウムが、さらに水酸化カルシウム等の水溶液が添加されてPHが3.5〜4.0となった際、ゲル化してしまう。このようにして水酸化アルミニウムがゲル化してしまうと、攪拌ができなくなってしまうことから、これ以上水酸化カルシウム等の水溶液を添加しても中和処理が正常に進まなくなってしまう。
したがって、従来では、高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸を水等で10倍以上に希釈することにより濃度を薄めてから中性化(中和)し、得られた大量の希釈液(中和処理液)を汚泥濃縮槽に入れてここで汚泥(スラッジ)を沈殿濃縮し、さらにこの汚泥を脱水するといった処理をする必要があった。
【0005】
しかしながら、前記のごとく高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸を10倍以上に希釈して中和処理する方法では、処理水量が多くなることから攪拌槽等の中和処理装置も大型のものが必要となり、また汚泥を沈殿濃縮するための汚泥濃縮槽が必要となり、さらに汚泥を脱水するための脱水装置も被処理汚泥の濃度が低いため、処理容量が大きい大型のものが必要となる。
【0006】
このような背景から、高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸を水等で希釈することなく原液のままで中和することができれば、汚泥濃度が高いため汚泥濃縮槽が不要となり、また脱水装置も小型のものでよくなるため、原液のままで高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸を処理する方法の提供が望まれている。
【0007】
そこで、このような要望に応えるべく、本発明者らは、先に以下の技術を提案した。
アルミニウム材の処理工程から排出されるアルミニウムイオンを含む廃酸をバッチ式で前段と後段の2段で中和処理する方法であって、まず、前段の中和処理工程において、中和剤を含む水溶液中に前記アルミニウムイオン含有廃酸を添加して、得られる処理液のpHを3.5〜4の範囲に調整し、次いで後段の中和処理工程において、この処理液に中和剤を含む水溶液を添加して中和処理を行い、処理液のpHが5〜9の範囲で中和する、アルミニウムイオン含有廃酸の処理方法。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の処理方法では、特に前段の中和処理工程において中和剤として工業用の炭酸カルシウムを用いた場合、これが処理液中において溶解しにくく、結果として未反応の炭酸カルシウムが多く残ってしまうといった課題があった。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、原液のままで高濃度にアルミニウムイオンを含む廃酸を中和処理することができるのはもちろん、中和処理工程において、中和剤として工業用の炭酸カルシウムを用いた場合にも、これが未反応の状態で残るといった不都合をなくして良好に中和処理を行うことのできる、アルミニウムイオン含有廃酸の処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法では、アルミニウム材の処理工程から排出されるアルミニウムイオンを含む廃酸を連続式で前段と後段の2段で中和処理する方法であって、まず、前段の中和処理工程において、前記アルミニウムイオン含有廃酸を中和して得られる処理液のpHを3以下に調整し、次いで、後段の中和処理工程において、中和剤を含む水溶液中に前記のpHを3以下に調整した処理液を添加し、得られる処理液にpH3〜5の中間pH域が形成されないようにして、該処理液をpH6〜8の範囲に中和することを前記課題の解決手段とした。
【0011】
この処理方法によれば、前段の中和処理工程においてpHが3以下に調整された処理液を、後段の中和処理工程において、得られる処理液にpH3〜5の中間pH域が形成されないようにして、該処理液をpH6〜8の範囲に中和するので、処理液中のアルミニウムイオンが、酸性側から中和した場合にpH3.5〜pH4.0で急激に水酸化アルミニウムとして全量析出するといった現象が起こらず、したがってアルミニウムイオン含有廃酸の中和処理が良好になされる。
また、特に前段の中和処理工程においては、アルミニウムイオン含有廃酸を中和して得られる処理液のpHを3以下に調整するので、このときの中和剤として工業用の炭酸カルシウムを用いた場合、処理液のpHが3以下と非常に酸性が強いため、炭酸カルシウムがこの処理液中により溶解し易く、これにより未反応の炭酸カルシウムが残るといった不都合が防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法を実施するのに好適な、処理装置の一例を示す図である。まず、本発明の処理方法を説明するのに先立ち、図1に示した処理装置について説明する。この処理装置は、被処理液となるアルミニウムイオン含有廃酸、例えば10〜90g/lのアルミニウムイオン含有廃酸を貯留するためのタンク1と、前中和槽2と、前中和槽2で調整された処理液を中和する後中和槽3と、後中和槽3から得られるスラリー状の中和処理液を貯留するスラリー貯槽4とを備えて構成されたものである。
【0013】
タンク1には、その底部に前中和槽2に接続する配管5が設けられており、さらにこの配管5中にはポンプ6が設けられている。このような構成によりタンク1中に貯留されたアルミニウムイオン含有廃酸は、ポンプ6により配管5を介して前中和槽2に送出されるようになっている。なお、配管5にはポンプ6によって送られてきたタンク1に戻す返送管7が連結されている。
【0014】
前中和槽2は、ブロアー8に連結する配管9の一端側を槽内底部に配設したもので、ブロアー8から導入した空気によって槽内を曝気するとともに、槽内に設けられた攪拌機24によって槽内を撹拌することができるように構成されたものである。また、この前中和槽2には、配管10、分岐管13を介して炭酸カルシウム水溶液槽11が接続されている。この炭酸カルシウム水溶液槽11は、10〜30Wt/V%(水1リットル中に100〜300gの炭酸カルシウムを溶解させた濃度)程度に調整された炭酸カルシウム水溶液を貯留したもので、図示しないポンプによって貯留した炭酸カルシウム水溶液を前中和槽2に送出するよう構成されたものである。ここで、炭酸カルシウムとしては、特に工業用のものが好適に用いられる。
【0015】
また、前中和槽2内には公知のpH計12が設けられており、これによって中和槽2では、槽内の処理液のpHが連続的に検知されるようになっている。
前記配管10には、分岐管13が設けられており、後述するようにpH計12で検知された前中和槽2内のpH値が予め設定した値になるよう、電動バルブ(図示せず)によって前中和槽2内に炭酸カルシウム水溶液が自動供給されるようになっている。
また、前中和槽2には、その周壁の上部側に配管14が設けられており、前中和槽2内の液面が配管14のレベルに達すると、この配管14を通じて後中和槽3に流れ出るようになっている。
【0016】
後中和槽3は、その容積が前中和槽2の容積より十分に大きく形成されたものである。また、この後中和槽3は、前中和槽2内における配管14のレベルより十分に下方に配設されたもので、このような構成のもとに前中和槽2からの処理液の移送は、ポンプ等によることなく、これら前中和槽2と後中和槽3との水位差によって自動的になされるようになっている。この後中和槽3には、配管15を介して水酸化カルシウム水溶液槽16が接続されている。この水酸化カルシウム水溶液槽16は、10〜30Wt/V%(水1リットル中に100〜300gの水酸化カルシウムを溶解させた濃度)程度に調整された水酸化カルシウム水溶液を貯留したもので、図示しないポンプによって貯留した水酸化カルシウム水溶液を後中和槽3に送出するよう構成されたものである。
【0017】
また、この後中和槽3には、攪拌機17が設けられており、さらに公知のpH計18および液位計19が設けられている。液位計19は、後中和槽3における液面を数段階(本例では4段階)で検知するよう、複数個(4個)のセンサを高さ方向(深さ方向)に等間隔で配設したもので、これによって図1中二点鎖線で示した各レベルでの液位を検知するものである。
このような構成のもとに後中和槽3では、槽内の処理液のpHを連続的に検知することができ、かつ液位計19によって予め設定した液位に処理液の量を調整することができるようになっている。
また、この後中和槽3には、その底部に配管20が接続されており、さらにこの配管20中にはポンプ21が設けられている。このような構成のもとに、後中和槽3で中和処理がなされた後のスラリー状の中和処理液は、ポンプ21の作動により配管20を通ってスラリー貯槽4に送られるようになっている。
【0018】
スラリー貯槽4は、従来の汚泥濃縮槽と異なり、後中和槽3で中和されて得られるスラリー状の中和処理液を単に貯留するだけのもので、フィルタープレス等からなる脱水装置(図示せず)で脱水処理する中和処理液を、ここに待機させるためのものである。また、このスラリー貯槽4には、その底部に配管22が接続されており、さらにこの配管22中にはポンプ23が設けられている。このような構成のもとに、スラリー貯槽4に貯留されたスラリー状の中和処理液は、ポンプ23の作動によってその一部配管22を通って後中和槽3に返送されるようになっている。
【0019】
次に、このような構成の処理装置による処理方法に基づき、本発明のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法の一例を説明する。
まず、ポンプ6を作動させ、タンク1中のアルミニウムイオン含有廃酸を前中和槽2に注入する。
次いで、攪拌機24で前中和槽2内の液を撹拌し、さらにブロアー8から前中和槽2内に空気を導入して前中和槽2内の液を曝気しつつ、炭酸カルシウム水溶液槽11中の10〜30Wt/V%炭酸カルシウム水溶液を前中和槽2内に注入する。
【0020】
このとき、前中和槽2においては、アルミニウムイオン含有廃酸と炭酸カルシウム水溶液とが混合されてなる処理液のpHを、pH計12によって連続的に検知する。そして、この処理液のpHが2.8〜3の範囲を保持するように炭酸カルシウム水溶液を自動滴下する。
【0021】
このような前中和槽2での中和では、pHが3以下、すなわち2.8〜3の範囲にまでしか中和を行わないので、処理液中のアルミニウムイオンが水酸化アルミニウムとして全量析出するといった現象が起こらない。
また、中和処理をpH3以下にまでしか行わないので、中和剤として工業用の炭酸カルシウムを用いた場合にも、得られる処理液のpHが3以下と非常に酸性が強いため、炭酸カルシウムがこの処理液中に十分に溶解しており、したがって未反応の炭酸カルシウムが残るといった不都合が回避されている。
また、前中和槽2内にブロアー8から空気を導入して曝気を行っているので、中和によって生じた炭酸ガスが空気に同伴されるなどして処理液中より除去され、処理液中に溶存する炭酸ガス量が十分に減少する。
【0022】
このようにして処理液のpHを2.8〜3の範囲に保持しつつ、アルミニウムイオン含有廃酸および炭酸カルシウム水溶液を前中和槽2内に注入して中和を続けると、処理液の液面が配管14のレベルを越える。すると、処理液は水位差によって配管14を通じて後中和槽3に流れ落ちる。
なお、後中和槽3には、前処理槽2から処理液が流入してくる前に、予め水酸化カルシウム水溶液槽16から10〜30Wt/V%水酸化カルシウム水溶液を注入しておき、さらには水や後述するスラリー貯槽4からのスラリー状中和処理液を必要に応じて注入しておく。
【0023】
このようにして、10〜30Wt/V%水酸化カルシウム水溶液等を貯留した、すなわち高pH値のアルカリ液を貯留した後中和槽3に、pH3以下に調整された処理液が前中和槽2から流入すると、後中和槽3は前中和槽2に比べその容積が十分に大きく、したがってここに貯留された液量が前中和槽2から流入する液の量に比べ十分に多いことなどから、pH3以下に調整された処理液は高pH値のアルカリ液中に混合されることによって瞬時に中和され、実質的にpH3〜5の中間pH域を形成することなく、pH5を越えるようになる。
そして、攪拌機17による撹拌を行いつつ、前中和槽2からの処理液の流入と10〜30Wt/V%水酸化カルシウム水溶液の注入とをそれぞれ続け、水酸化カルシウム水溶液の流入量を自動制御することにより、得られる処理液のpHを6〜8の範囲に調整する。
【0024】
このようにして中和処理を行い、後中和槽3内の処理液の量が液位計19によって予め設定された量になったら、液位計19によってこれを検知し、図示しない制御装置によってポンプ21を作動させ、後中和槽3底部の中和処理液をスラリー貯槽4に移送する。そして、後中和槽3内の処理液の量が液位計19によって予め設定された量にまで減少したら、ポンプ21の作動を停止し、中和処理を続ける。
【0025】
なお、このようにして得られた中和処理液は、中和処理によって生成した水酸化アルミニウムなどの固形分が多く含まれており、しかも従来のように希釈処理がなされることなく原液のままで処理されていることにより、スラリー濃度(汚泥濃度)が十分に高いものとなっている。ただし、前中和槽2から流入した処理液中からは炭酸ガスが十分に除去されているため、後中和槽3にて注入した水酸化カルシウムとの反応による炭酸カルシウムがほとんど生成されず、したがって炭酸カルシウムによる固形分はほとんどない。
また、このように炭酸カルシウムがほとんど生成されないことから、注入された水酸化カルシウムは炭酸カルシウムの生成に消費されることがほとんどなく、したがって経済的に有利になる。
【0026】
その後、スラリー貯槽4中の中和処理液を脱水装置(図示せず)に送り、ここで脱水濾過処理することによって該中和処理液を固液分離する。なお、固形分である脱水ケーキについては、産業廃棄物などとして搬出されるだけでなく、水酸化アルミニウムとして硫酸バン土等の原料としても利用可能である。
また、スラリー貯槽4中の中和処理液の一部については、前述したように配管22を介して後中和槽3に返送し、中和剤として利用するようにしてもよい。
【0027】
このようなアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法にあっては、前中和槽2においてpH3以下に調整した処理液を、後中和槽3において、得られる処理液にpH3〜5の中間pH域が形成されないようにして、該処理液をpH6〜8の範囲に中和するので、処理液中のアルミニウムイオンが、酸性側から中和した場合にpH3.5〜pH4.0で急激にゲル化し、水酸化アルミニウムとして全量析出するといった現象が起こらず、したがってアルミニウムイオン含有廃酸の中和処理を良好に行うことができる。
【0028】
また、前中和槽2では中和処理をpH3以下にまでしか行わないので、ここでの中和剤として工業用の炭酸カルシウムを用いても、得られる処理液のpHが3以下と非常に酸性が強いため、炭酸カルシウムがこの処理液中に十分に溶解する。したがって、未反応の炭酸カルシウムが残ることを防止することができる。
また、前中和槽2において空気を導入して曝気を行っているので、前中和槽2から後中和槽3に流入した処理液中からは炭酸ガスが十分に除去されており、したがって後中和槽3では炭酸カルシウムの生成に水酸化カルシウムが消費されることがほとんどなく、経済的に有利になる。
【0029】
なお、本発明は前記例に限定されることなく、アルミニウムイオン含有廃液としてアルミニウムイオン濃度10g/l以上の無機酸に応用でき、また使用する炭酸カルシウム水溶液や水酸化カルシウム水溶液の濃度についても、前記例の濃度でなく、処理条件に応じて種々の濃度で用いることが可能である。
また、前記例では、前段(前中和槽2)での中和剤に炭酸カルシウムを用いたが、これに代えて水酸化マグネシウムや水酸化ナトリウムなどを用いてもほぼ同様の結果を得ることができる。また、後段(後中和槽3)の中和剤についても、水酸化カルシウム以外に、水酸化マグネシウムや水酸化ナトリウムなどを用いることができ、その場合にも前記例とほぼ同様の結果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法は、前段の中和処理工程においてpHが3以下に調整された処理液を、後段の中和処理工程において、得られる処理液にpH3〜5の中間pH域が形成されないようにして、該処理液をpH6〜8の範囲に中和するようにした方法であるから、処理液中のアルミニウムイオンが、酸性側から中和した場合にpH3.5〜pH4.0で急激に水酸化アルミニウムとして全量析出するといった現象を起こすことなく、そのまま(原液のまま)中和処理を行うことができる。したがって、アルミニウムイオン含有廃酸の中和処理を良好に行うことができる。
また、前段の中和処理工程においては、アルミニウムイオン含有廃酸を中和して得られる処理液のpHを3以下に調整するので、このときの中和剤として工業用の炭酸カルシウムを用いた場合、処理液のpHが3以下と非常に酸性が強いため、炭酸カルシウムがこの処理液中により溶解し易くなる。したがって、未反応の炭酸カルシウムが残るといった不都合が防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法を実施するのに好適な、処理装置の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1…タンク、2…前中和槽、3…後中和槽、4…スラリー貯槽、
8…ブロアー、11…炭酸カルシウム水溶液槽、
16…水酸化カルシウム水溶液槽、12、18…pH計

Claims (6)

  1. アルミニウム材の処理工程から排出されるアルミニウムイオンを含む廃酸を前段と後段の2段で中和処理する方法であって、
    まず、前段の中和処理工程において、前記アルミニウムイオン含有廃酸を中和して得られる処理液のpHを3以下に調整し、
    次いで、後段の中和処理工程において、中和剤を含む水溶液中に前記のpHを3以下に調整した処理液を添加し、得られる処理液にpH3〜5の中間pH域が形成されないようにして、該処理液をpH6〜8の範囲に中和することを特徴とするアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法。
  2. 廃酸中のアルミニウムイオンの濃度が10〜90g/lである請求項1記載のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法。
  3. 前段の中和処理工程で使用する中和剤は、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムのいずれか1種以上を10〜30Wt/V%含む請求項1又は2記載のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法。
  4. 後段の中和処理工程で使用する中和剤は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムのいずれか1種以上を10〜30Wt/V%含む請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法。
  5. 前段の中和処理工程において処理液中に空気を導入することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法。
  6. 後段の中和処理工程において、得られる処理液にpH3〜5の中間pH域が形成されないようにするため、前段の中和処理を行う前中和槽と後段の中和処理を行う後中和槽とを、それぞれ独立させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウムイオン含有廃酸の処理方法。
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