JP2004033148A - ミネラルの豊富な塩 - Google Patents
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Abstract
【課題】海水にもともと含まれているミネラル分の損失を可能な限り少なくし、ミネラル分が豊富で、粒度が細かく、かつ、にがりによる苦味のない呈味性の優れた塩を提供する。
【解決手段】海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼する。好ましくは、海水を高温のディスクに接触させる方法により高温加熱乾燥・焙焼する。南極海の海水を原料にし、好ましくは、現地でその海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼することにより、微生物による汚染の危険性を低くできる。
【選択図】 なし
【解決手段】海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼する。好ましくは、海水を高温のディスクに接触させる方法により高温加熱乾燥・焙焼する。南極海の海水を原料にし、好ましくは、現地でその海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼することにより、微生物による汚染の危険性を低くできる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、南極海から取水した清浄かつミネラル分の豊富な海水を原材料として作る、豊富なミネラルを含み、かつにがり特有の苦みが感じられない良食味の塩に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、国内で製造、販売されている塩は大別すると、海水から直接製造したものと、輸入原料塩に結晶苦汁を添加して水に溶かし、再度加熱結晶させる事によってミネラル分や食味を向上させた再生塩との2つに分けられる。
【0003】
現在、市販されている塩の大部分がイオン交換膜法による塩化ナトリウム99%前後の高純度の塩である。ただ、最近の自然嗜好の高まりから、一部、海水を単純濃縮して製造しているミネラル分の豊富な、良食味の塩もある。後者の再生塩は、自然塩、天然塩等と称して多種多様のものが市販されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自然塩が支持されているのは、従来の塩化ナトリウム成分99%前後という塩では食品としては味も良くないし、ミネラルバランスに欠けるのに対し、自然塩は味も良く、そのミネラルバランスが栄養、健康上も好ましいと考えられているためである。
【0005】
ただ、これらの再生塩は、ほとんどミネラル分の失われた輸入原料塩(塩化ナトリウム成分97%前後)に、輸入した結晶苦汁等を合わせ溶かし再結晶させたものなので、食味はある程度向上するものの、海水の含むミネラルの種類、量、バランスの面からみれば心許ないところがある。なぜならもともと苦汁は結晶した時点で、かなりのミネラル分を失っており、又再溶解後、苦汁のミネラル分がバランスよく再結晶するわけではないからである。
【0006】
直接海水を使って製造された塩は、ミネラルの種類、量がより多く含まれるものになるが、そのミネラルバランスは海水自身の組成による。
【0007】
本発明は、ミネラルを多く含有し、しかも、にがり成分の苦みを感じさせない塩を製造することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、南極海から取水した清浄かつミネラル分の豊富な海水を原材料とし、その海水が含有するミネラル分を可能な限り維持できるような製造方法を採用した。
本発明の製造方法は南極海から取水した海水を原料として、そのまま船上等、現地で実施することにより、海水が微生物などにより汚染する心配もなく、より好ましい。
【0009】
本発明は、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して、すなわち高温加熱により乾燥と焙焼を同時に、かつ瞬時に行うことにより得られるミネラルの豊富な塩を要旨とする。好ましくは、海水を直接、高温のディスクに接触させ、乾燥、焙焼を同時に行う方法により得られるミネラルの豊富な塩である。この製法により製造した塩は粒度が150メッシュ以下の細かいものとなるので、本発明は、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られるミネラルの豊富な、粒度が150メッシュ以下の塩を要旨とする。また、高温加熱乾燥・焙焼することにより、海水由来のにがりによる苦みが感じられないものであり、本発明は、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られるミネラルの豊富な、海水由来のにがりによる苦みが感じられない塩を要旨とする。
また、本発明は南極海から取水した海水を原料とする、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られるミネラルの豊富な塩を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の塩は海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼によって製造される。従来の製法と本発明の製法との関係は図1のように分類される。
【0011】
上記のように本発明の塩は海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られる。高温加熱乾燥・焙焼とは100℃以上に加熱された板上に海水を直接かけて、短時間で水分が蒸発し乾燥するような加熱方法であればよい。鍋で海水を煮詰めるような製法ではなく、短時間で水分を蒸発させることが必要である。これにより、塩の粒子が細かくなり、にがりの苦みも感じられないものになる。
【0012】
工業的にはCDドライヤー(西村鐡工所製CDドライヤー CD−500)などを用いることができる。CDドライヤーとは、回転ディスク内部に加圧蒸気を導入して回転ディスク表面を加熱し、その熱により回転ディスク表面上に供された対象物を乾燥する機構で、これが連続的に行えることが特徴である。
【0013】
従来の製法で製造した塩はいずれも200メッシュ以上の粒度であるが、本発明方法で製造した塩の粒度は150メッシュパスが95%以上と非常に細かい粉体であった。これは従来の塩製法の大部分が、原料塩を単に粉砕するか、もしくは一度、塩溶液を作製し、その濃度を徐々に上げていくことで、塩の結晶を成長させているためで、本発明品のような非常に小さな粒度の塩を得るためには、微粉砕を行う必要があった。
【0014】
通常の塩は岩塩もしくは海水を原料とし、岩塩の場合は異物や混入物除去の後、粉砕し、製品とする比較的簡単な製法である。一方、海水の場合はいくつかの製造方法があるが、代表的なものを示す。
1、イオン交換法
2、かん水(濃度の濃い塩水)を製造し、蒸煮により水分を蒸散させるもの
3、天日塩(海水を天日で乾燥したもの、主に輸入品)を再溶解し、蒸煮により水分を蒸散させるもの
【0015】
海水中には種々の塩類が含まれており、NaCl以外の塩類をまとめて苦汁(ニガリ)と呼んでいる。海水をただ濃縮乾燥しただけの塩ではニガリ影響でその呈味は悪く、ニガリを取り除く工程を経て、初めて食用に適した塩となる(しかし、適量のニガリは塩の呈味性を上げる)。本発明の塩は海水を単に乾燥させただけで、ニガリを除去する工程はない。しかしながら、CDドライヤーで処理する際の温度が非常に重要である。つまり、CDドライヤーのディスクには2.8Kg/cm2の蒸気が供給されているが、これは135〜140℃に相当する。このような高温のディスクに供された海水は一瞬にして水分を蒸散し、さらにディスク上で加熱(焙焼)される。この際に海水中に含まれるニガリ成分である塩化マグネシウムが酸化マグネシウムに変化したため呈味が改善されたと思われる(一般の塩でも焙焼の工程は必須である)。なお、この反応により本発明の塩のpHは変化し、3%水溶液で約9.9のアルカリ性を示す。反応式はMgCl2・6H2O→MgO+2HCl+5H2O(この反応は118℃以上で進行する)。
【0016】
南極海とは厳密に定義することはできないが、以下のような定義がされている。
1.南緯55度位にある南極前線(南極収束線)に一致する説
2.南緯35度〜45度にある亜熱帯収束線に一致する説
3.南半球の各大陸南端を結ぶ説
南極海の海洋生物資源保存に関わる条約(CCAMLR)では1の説を取っている。なお、現在での学術用語は南極海で、南氷洋は死語になりつつある。
【0017】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明するが、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0018】
実施例
使用したCDドライヤーは、西村鐵工所製CDドライヤー(CD−500)である。これに海水を供し、乾燥した。ディスク供給蒸気圧:2.8kg/cm2(135〜140℃に相当)生産量:76g/時間
【0019】
1.成分分析
実施例で製造した本発明の塩と市販されている他の塩について成分分析を行った。結果は表1、図2に示すとおり、本発明の塩は他の塩に比べ独特の組成を示した。表1に示した各市販品の製法は表2に示したとおりである。
新野ら、1999、市販食塩の品質、日本調理科学会誌 32巻 133−144ページより引用した「国内市販塩(未乾燥塩)の測定結果」を表3に示すが、本発明品の組成が独特のものであることがわかる。
【0020】
【表1】
市販品A:天塩 「天塩」社製
市販品B:いそしお 「長谷川水産」社製
市販品C:海の精 「海の精」社製
市販品D:シママース 「シママース」社製
市販品E:深海の華 「室戸界用深層水」社製
市販品F:天空の塩 「エプコン」社製
市販品G:なると浜の塩 「富田製薬」社製
市販品H:伯方の塩 「伯方塩業」社製
市販品I:昔あら塩 「キンカイ特殊塩」社製
市販品J:昔塩 「キンカイ特殊塩」社製
市販品K:JT塩 「JT」社製
【0021】
【表2】
【表3】
【0022】
南極海域は地球の自転の影響で常に湧昇流が生じている。このためミネラル分が多く含まれると考えられる。
【0023】
2.粒度分布
粒度分布は振動篩を用いて測定した。結果は表3すとおりである。本発明の塩は製法の特性上、100メッシュパスが95%以上と非常に細かい粉体となり、他の製法の塩ではこれほどの粉体を得るためには粉砕工程が必要であるのに対し、本方法では粉砕工程は全く必要ではない。なお、表4市販品F(細)は原塩を微粉砕したもので、粒度は南極海の塩と同等に細かいが、付着性が強く、うまく分級が出来なかった。
【0024】
【表4】
本発明ならびに市販品E、市販品F(粗)、市販品F(細)、市販品Hの電子顕微鏡写真を図3に示す。電子顕微鏡は日立製作所S−3200N 走査型電子顕微鏡を用いた。
【0025】
【発明の効果】
海水を高温加熱乾燥・焙焼することにより、海水に含まれるミネラルをそのまま含有するミネラルの豊富な塩を得ることができる。この塩は粒度が小さく、苦味がない呈味性に優れた塩である。また、南極海の海水を原料として使用することにより、海洋汚染の影響が低く、ミネラルの種類、量が豊富な塩を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】国内および海外における塩の製法の分類を示す図である。
【図2】本発明および市販品の塩の主要成分比較図である。
【図3】本発明および市販品の電子顕微鏡写真である。
【産業上の利用分野】
本発明は、南極海から取水した清浄かつミネラル分の豊富な海水を原材料として作る、豊富なミネラルを含み、かつにがり特有の苦みが感じられない良食味の塩に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、国内で製造、販売されている塩は大別すると、海水から直接製造したものと、輸入原料塩に結晶苦汁を添加して水に溶かし、再度加熱結晶させる事によってミネラル分や食味を向上させた再生塩との2つに分けられる。
【0003】
現在、市販されている塩の大部分がイオン交換膜法による塩化ナトリウム99%前後の高純度の塩である。ただ、最近の自然嗜好の高まりから、一部、海水を単純濃縮して製造しているミネラル分の豊富な、良食味の塩もある。後者の再生塩は、自然塩、天然塩等と称して多種多様のものが市販されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自然塩が支持されているのは、従来の塩化ナトリウム成分99%前後という塩では食品としては味も良くないし、ミネラルバランスに欠けるのに対し、自然塩は味も良く、そのミネラルバランスが栄養、健康上も好ましいと考えられているためである。
【0005】
ただ、これらの再生塩は、ほとんどミネラル分の失われた輸入原料塩(塩化ナトリウム成分97%前後)に、輸入した結晶苦汁等を合わせ溶かし再結晶させたものなので、食味はある程度向上するものの、海水の含むミネラルの種類、量、バランスの面からみれば心許ないところがある。なぜならもともと苦汁は結晶した時点で、かなりのミネラル分を失っており、又再溶解後、苦汁のミネラル分がバランスよく再結晶するわけではないからである。
【0006】
直接海水を使って製造された塩は、ミネラルの種類、量がより多く含まれるものになるが、そのミネラルバランスは海水自身の組成による。
【0007】
本発明は、ミネラルを多く含有し、しかも、にがり成分の苦みを感じさせない塩を製造することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、南極海から取水した清浄かつミネラル分の豊富な海水を原材料とし、その海水が含有するミネラル分を可能な限り維持できるような製造方法を採用した。
本発明の製造方法は南極海から取水した海水を原料として、そのまま船上等、現地で実施することにより、海水が微生物などにより汚染する心配もなく、より好ましい。
【0009】
本発明は、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して、すなわち高温加熱により乾燥と焙焼を同時に、かつ瞬時に行うことにより得られるミネラルの豊富な塩を要旨とする。好ましくは、海水を直接、高温のディスクに接触させ、乾燥、焙焼を同時に行う方法により得られるミネラルの豊富な塩である。この製法により製造した塩は粒度が150メッシュ以下の細かいものとなるので、本発明は、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られるミネラルの豊富な、粒度が150メッシュ以下の塩を要旨とする。また、高温加熱乾燥・焙焼することにより、海水由来のにがりによる苦みが感じられないものであり、本発明は、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られるミネラルの豊富な、海水由来のにがりによる苦みが感じられない塩を要旨とする。
また、本発明は南極海から取水した海水を原料とする、海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られるミネラルの豊富な塩を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の塩は海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼によって製造される。従来の製法と本発明の製法との関係は図1のように分類される。
【0011】
上記のように本発明の塩は海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られる。高温加熱乾燥・焙焼とは100℃以上に加熱された板上に海水を直接かけて、短時間で水分が蒸発し乾燥するような加熱方法であればよい。鍋で海水を煮詰めるような製法ではなく、短時間で水分を蒸発させることが必要である。これにより、塩の粒子が細かくなり、にがりの苦みも感じられないものになる。
【0012】
工業的にはCDドライヤー(西村鐡工所製CDドライヤー CD−500)などを用いることができる。CDドライヤーとは、回転ディスク内部に加圧蒸気を導入して回転ディスク表面を加熱し、その熱により回転ディスク表面上に供された対象物を乾燥する機構で、これが連続的に行えることが特徴である。
【0013】
従来の製法で製造した塩はいずれも200メッシュ以上の粒度であるが、本発明方法で製造した塩の粒度は150メッシュパスが95%以上と非常に細かい粉体であった。これは従来の塩製法の大部分が、原料塩を単に粉砕するか、もしくは一度、塩溶液を作製し、その濃度を徐々に上げていくことで、塩の結晶を成長させているためで、本発明品のような非常に小さな粒度の塩を得るためには、微粉砕を行う必要があった。
【0014】
通常の塩は岩塩もしくは海水を原料とし、岩塩の場合は異物や混入物除去の後、粉砕し、製品とする比較的簡単な製法である。一方、海水の場合はいくつかの製造方法があるが、代表的なものを示す。
1、イオン交換法
2、かん水(濃度の濃い塩水)を製造し、蒸煮により水分を蒸散させるもの
3、天日塩(海水を天日で乾燥したもの、主に輸入品)を再溶解し、蒸煮により水分を蒸散させるもの
【0015】
海水中には種々の塩類が含まれており、NaCl以外の塩類をまとめて苦汁(ニガリ)と呼んでいる。海水をただ濃縮乾燥しただけの塩ではニガリ影響でその呈味は悪く、ニガリを取り除く工程を経て、初めて食用に適した塩となる(しかし、適量のニガリは塩の呈味性を上げる)。本発明の塩は海水を単に乾燥させただけで、ニガリを除去する工程はない。しかしながら、CDドライヤーで処理する際の温度が非常に重要である。つまり、CDドライヤーのディスクには2.8Kg/cm2の蒸気が供給されているが、これは135〜140℃に相当する。このような高温のディスクに供された海水は一瞬にして水分を蒸散し、さらにディスク上で加熱(焙焼)される。この際に海水中に含まれるニガリ成分である塩化マグネシウムが酸化マグネシウムに変化したため呈味が改善されたと思われる(一般の塩でも焙焼の工程は必須である)。なお、この反応により本発明の塩のpHは変化し、3%水溶液で約9.9のアルカリ性を示す。反応式はMgCl2・6H2O→MgO+2HCl+5H2O(この反応は118℃以上で進行する)。
【0016】
南極海とは厳密に定義することはできないが、以下のような定義がされている。
1.南緯55度位にある南極前線(南極収束線)に一致する説
2.南緯35度〜45度にある亜熱帯収束線に一致する説
3.南半球の各大陸南端を結ぶ説
南極海の海洋生物資源保存に関わる条約(CCAMLR)では1の説を取っている。なお、現在での学術用語は南極海で、南氷洋は死語になりつつある。
【0017】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明するが、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0018】
実施例
使用したCDドライヤーは、西村鐵工所製CDドライヤー(CD−500)である。これに海水を供し、乾燥した。ディスク供給蒸気圧:2.8kg/cm2(135〜140℃に相当)生産量:76g/時間
【0019】
1.成分分析
実施例で製造した本発明の塩と市販されている他の塩について成分分析を行った。結果は表1、図2に示すとおり、本発明の塩は他の塩に比べ独特の組成を示した。表1に示した各市販品の製法は表2に示したとおりである。
新野ら、1999、市販食塩の品質、日本調理科学会誌 32巻 133−144ページより引用した「国内市販塩(未乾燥塩)の測定結果」を表3に示すが、本発明品の組成が独特のものであることがわかる。
【0020】
【表1】
市販品A:天塩 「天塩」社製
市販品B:いそしお 「長谷川水産」社製
市販品C:海の精 「海の精」社製
市販品D:シママース 「シママース」社製
市販品E:深海の華 「室戸界用深層水」社製
市販品F:天空の塩 「エプコン」社製
市販品G:なると浜の塩 「富田製薬」社製
市販品H:伯方の塩 「伯方塩業」社製
市販品I:昔あら塩 「キンカイ特殊塩」社製
市販品J:昔塩 「キンカイ特殊塩」社製
市販品K:JT塩 「JT」社製
【0021】
【表2】
【表3】
【0022】
南極海域は地球の自転の影響で常に湧昇流が生じている。このためミネラル分が多く含まれると考えられる。
【0023】
2.粒度分布
粒度分布は振動篩を用いて測定した。結果は表3すとおりである。本発明の塩は製法の特性上、100メッシュパスが95%以上と非常に細かい粉体となり、他の製法の塩ではこれほどの粉体を得るためには粉砕工程が必要であるのに対し、本方法では粉砕工程は全く必要ではない。なお、表4市販品F(細)は原塩を微粉砕したもので、粒度は南極海の塩と同等に細かいが、付着性が強く、うまく分級が出来なかった。
【0024】
【表4】
本発明ならびに市販品E、市販品F(粗)、市販品F(細)、市販品Hの電子顕微鏡写真を図3に示す。電子顕微鏡は日立製作所S−3200N 走査型電子顕微鏡を用いた。
【0025】
【発明の効果】
海水を高温加熱乾燥・焙焼することにより、海水に含まれるミネラルをそのまま含有するミネラルの豊富な塩を得ることができる。この塩は粒度が小さく、苦味がない呈味性に優れた塩である。また、南極海の海水を原料として使用することにより、海洋汚染の影響が低く、ミネラルの種類、量が豊富な塩を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】国内および海外における塩の製法の分類を示す図である。
【図2】本発明および市販品の塩の主要成分比較図である。
【図3】本発明および市販品の電子顕微鏡写真である。
Claims (5)
- 海水を直接、高温加熱乾燥・焙焼して得られるミネラルの豊富な塩。
- 高温加熱乾燥・焙焼が海水を直接、高温のディスクに接触させ、乾燥、焙焼を同時に行う高温加熱乾燥・焙焼である請求項1の塩。
- 粒度が150メッシュ以下である請求項1または2の塩。
- 海水由来のにがりによる苦みが感じられない請求項1ないし3いずれかの塩。
- 海水が南極海から取水した海水である請求項1ないし4いずれかの塩。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002197300A JP2004033148A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | ミネラルの豊富な塩 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002197300A JP2004033148A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | ミネラルの豊富な塩 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004033148A true JP2004033148A (ja) | 2004-02-05 |
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ID=31705111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002197300A Pending JP2004033148A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | ミネラルの豊富な塩 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004033148A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016007664A (ja) * | 2014-06-24 | 2016-01-18 | 株式会社Sumco | 研削装置および研削方法 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197300A patent/JP2004033148A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016007664A (ja) * | 2014-06-24 | 2016-01-18 | 株式会社Sumco | 研削装置および研削方法 |
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