JP2004032486A - 電気音響変換器 - Google Patents

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JP2004032486A
JP2004032486A JP2002187486A JP2002187486A JP2004032486A JP 2004032486 A JP2004032486 A JP 2004032486A JP 2002187486 A JP2002187486 A JP 2002187486A JP 2002187486 A JP2002187486 A JP 2002187486A JP 2004032486 A JP2004032486 A JP 2004032486A
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voice coil
outer peripheral
vibration
electroacoustic transducer
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JP2002187486A
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Jiro Nakaso
中曽 二郎
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

【課題】長手方向の異常振動を抑制して、大入力に対しても異常のない音波放射を図った電気音響変換器を提供する。
【解決手段】振動方向から見た振動面が長手と短手を有し、振動面は長手方向に凹凸状に連続的した湾曲部を形成し、振動面の外周部に沿って帯状に溝部30を形成した非軸対称形の振動板1と、溝部30の外周部に沿って帯状に形成され、振動板を振動自在に保持するトラック部2と、振動板の裏面の長手方向に取付けられる複数のボイスコイルボビン4A、4Bと、複数のボイスコイルボビンの外周面に巻回される複数のボイスコイル5,5と、複数のボイスコイルに振動用の磁束を与える複数の磁気回路6、7、8等と、トラック部の外周部、複数の磁気回路を保持するフレーム3とを有し、一方のボイスコイル5には、ローパスフィルタを介した電気信号を、残りのボイルコイル5には、帯域制限を受けない電気信号がそれぞれ入力されるよう構成した。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細幅(長)で、かつ音質の優れた電気音響変換器としてのスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイビジョンやワイドビジョン等の普及により、テレビの画面は横長ののものが一般的になりつつある。しかし一方では、我が国の住宅事情から、テレビセット全体として幅狭・薄型のものが望まれている。このことは、テレビに限らず、一般のオーディオコンポにも云えることである。
【0003】
例えば、テレビ用のスピーカユニットは、通常ブラウン管の両脇に取付けられるため、テレビセットの横幅を大きくする一因となっている。そのため、従来からテレビ用には、角型や楕円型の幅の狭いスピーカユニットが用いられてきた。
ところが、ブラウン管の横長化により、スピーカユニットの幅はますます狭くすることが求められる一方、画面の高画質化に対応した音声の高音質化が要求されてきている。
【0004】
ところで、スピーカユニットの横幅を小にするためには、細幅の振動板を使用せざるをえない。しかも、長径(手)と短径(手)を有する細幅の振動板を使用し、この細幅の振動板をボイスコイルで駆動するスピーカにおいて、前記したスピーカユニットとしての性能を維持しつつ、充分な音圧と低域の再生帯域を確保するためには、振動板の縦(長手)方向の寸法は、必然的に大にならざるを得なくなる。
【0005】
しかるに、単純に振動板の縦方向の寸法を大にして低音を拡大させたものでは、振動板各部分からの音波が干渉し合うことにより、高音域で縦方向の指向特性が多峰性を持つことになり、音質に問題が生じる事になる。
【0006】
また、いたずらに振動板の縦方向の寸法を大きくした場合には、その方向への制約が新たに加わることになる。従って、これらの制約により、従来は充分な再生帯域と広い指向特性を得ることは難しいものであった。
【0007】
そこで、充分な音圧を得るために従来一般的に採用されてきた方法の一つとしては、細長のスピーカを縦(長手)方向に複数個並べていたものであったが、この方法では、単体スピーカのピストン帯域音圧が個数分だけ増強される効果しかなく、低音再生帯域が広がることはない。
【0008】
又、実効質量を大きくするために、縦方向の寸法を大きくしたスピーカを使うものにあっては、低音再生帯域を拡大することは可能ではあるが、両者とも前記したように高音域で縦方向の指向特性が多峰性を持つことになるので、音質に問題が生じる事は避けられないものであった。
【0009】
以下、上記した従来の細幅の電気音響変換器20の構成について、図10〜図19を参照して説明する。
【0010】
図10(a)、(b)、(c)は、それぞれ従来の細幅の電気音響変換器20の平面図、A−A線断面図及び側面図である。図10(a)、(b)、(c)において、21は、振動方向から見た平面形状が、長径(手)と短径(手)を有し、音を放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲した形状を有する非軸対称形の振動板である。この振動板21の外周部にはエッジ22が接合され、フレーム23に保持されている。なお、このフレーム23は、略平板状に形成されている。
【0011】
振動板21の外周部下端には、図11に示す如くのトラック型のボイスコイルボビン24が固着されている。このボイスコイルボビン24の外周面には、ボイスコイル25が巻回されている。
【0012】
ボイスコイルボビン24は、振動板21の振動方向から見た平面形状が、長径と短径を有する非軸対称形であって、かつ、ボイスコイルボビン24の一部は、振動板21の長径方向に関して互いに平行な直線部分を有している。
【0013】
また、ボイスコイルボビン24は、巻線を施すフォーム部分が振動板21の長径方向に沿って2分割(24,24)されており、この分割部分が短、長径方向に関して平行になる如く接合することにより、補強部としての梁32が形成されるものである。なお、33は、ボイスコイルボビン24の外周面に巻回され補強紙として用いられるクラフト紙からなるバンドである。
【0014】
ボイスコイルボビン24は後述する磁気回路の図示しない磁気空隙に釣り下げられ、音声信号電流と磁束により駆動力を発生する。
【0015】
フレーム23の内側底面23aには、前記した磁気回路が取付けられている。
磁気回路は、鉄製のヨーク26、マグネット27、ポールピース28で構成され、図示しない治具によりフレーム23の所定位置に固定されている。なお、マグネット27、ポールピース28は、振動板21の主振動部に対応する位置に取付けられているものである。また、30は溝部である。
【0016】
ここで、振動板21の具体的構成につき説明する。この振動板21は、前記した如く、振動方向から見た平面形状が、長径と短径を有し、音を放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲した形状を有する非軸対称形のものである。すなわち、29a1〜29a6を凸状部とし、これと交互に連続している29b1〜29b4を凹状部としたものである。
【0017】
なお、それぞれの凸状部29a1〜29a6から凹状部29b1〜29b4までの深さ方向の寸法Dは、ほぼ同程度に形成されている。また、この振動板21は、ボイスコイル25の発熱に耐え、かつ、振動板21としての機械的特性に優れたポリイミド(PI)フィルムによって構成されている。なお、29cは、振動板21の略中央部に設けた凹状溝部、31は、入力用のリード線である。
【0018】
図12は、前記した図10の構成の細幅の電気音響変換器20において、振動板21の構成を、縦方向において2倍にしてスリムスピーカ構造とした電気音響変換器40の平面図、A−A線断面図及び側面図である。
【0019】
図12(a)、(b)、(c)において、41は、振動方向から見た平面形状が、長径と短径を有し、音を放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲した形状を有する非軸対称形の振動板である。この振動板41の外周部にはエッジ42が接合され、フレーム43に保持されている。
【0020】
なお、この図12の構成において、49a1〜49a12,49b1〜49b8,49c1〜49c3は、それぞれ前記した図10の29a1〜29a6,29b1〜29b4,29c1〜29c3に対応している凸状部、凹状部、凹状溝部であるので、ここでは改めて説明しない。
【0021】
また、前記した振動板41の外周部下端には、これまた前記した図11に示す如くのトラック型のボイスコイルボビン24が固着されている。このボイスコイルボビン24の構成も、前記したものと同様なので、ここでは改めて説明しない。
なお、46はヨーク、47はポールピース、48はマグネットであり、51は入力用のリード線である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成を有する電気音響変換器20の1個及び2個を、ポール19の縦方向に配置したスピーカシステム例を、図13、図14にそれぞれ示す。図15,図16は、前記した図13、図14におけるスピーカシステムのそれぞれの音圧周波数特性を示す説明図であり、この両図(図15,図16)より明らかな如く、単純に振動板21の構成を縦方向において2個並設にしたのみでは、低音再生帯域の拡大化は見ることができない。
【0023】
図17に示すものは、振動板21の構成を、縦方向において2倍にしそれをポール19に配置したスピーカシステムの側面図であり、図18にその音圧周波数特性を示す。この図18より、前記した振動板21の縦方向寸法を2倍にした振動板41を用いて実効質量を大としたことにより、低音再生帯域の拡大化が見られる。
【0024】
しかしながら、図19(7kHzの指向特性)から明らかなように、この図18の振動板21の縦方向寸法を2倍にしたものにあっては、低音再生帯域の拡大化は見られるものの、指向特性が多峰性を持つことになるので、聴取時、頭を若干移動させるがけで大きく聴取音圧が変わってしまうことになり、音質の劣化はさけられなかった。
【0025】
本発明は、かかる点に鑑みなされたものであり、前記した縦長スピーカ(振動板の縦方向寸法を2倍にしたもの)を、1個の振動板と、複数個、例えば2個のボイスコイル、例えば2個の磁気回路を持つ構成することにより実効質量を大きくし、且つ、2つに分割した駆動部に異なった帯域を持つ入力信号を加えることにより、低域再生帯域の拡大を図りながら、高域における指向性が多峰性を持つ現象を防ぐことが出来るようにした電気音響変換器を提供することをその目的とするものである。
【0026】
具体的には、複数の駆動回路の少なくとも一方にはローパスフィルタを通った信号を印加し、他方には何ら帯域制限を加えない信号を印加するものである。これにより、低音域は拡大化され、一方、高域による相互干渉がなくなり同一音場が得られるものである。又、低音域と高音域のバランスを変化させたい場合には、全帯域信号を加えることなく、シェルビング型フィルタのような特性を持つフィルタを導入してもよい。
【0027】
又、これらのバランス調整回路を含んだスピーカシステム構成とすることによって、音楽分野によっては要求が異なることが多い、低音域と高音域のエネルギーバランスを任意に変えることが出来るスピーカシステムを提供することもできる。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
振動方向から見た振動面の平面形状が長手と短手を有し、前記振動面は前記長手方向に凹凸状に連続的した湾曲部を形成しており、かつ、前記振動面の外周部に沿って帯状に形成された溝部30を有する非軸対称形の振動板1と、
前記溝部30の外周部に沿って帯状に形成され、前記振動板1と一体的に接続されて、前記振動板1を振動自在に保持するトラック部(エッジ)2と、
前記振動板1の裏面の長手方向に取付けられる複数のボイスコイルボビン4A、4Bと、
前記複数のボイスコイルボビン4A、4Bの外周面に巻回される複数のボイスコイル5,5と、
前記複数のボイスコイル5,5に振動用の磁束を与える複数の磁気回路6,6、7,7、8,8と、
前記トラック部2の外周部、前記複数の磁気回路を保持するフレーム3とを有してなり、
前記複数のボイスコイル51,52のうちの少なくも一つのボイスコイル5には、ローパスフィルタを介した電気信号が入力され、残りのボイルコイル5には、帯域制限を受けない電気信号が入力されるよう構成したことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0030】
図1は、本発明になる電気音響変換器10の好ましい一実施例を示すもので、(a)は平面図、(b)はA−A線断面図、(c)は側面図である。図2は、図1の電気音響変換器10をポール形状の筐体19に取付けたスピーカシステムの側面図、図3は、本発明になる電気音響変換器の音圧周波数特性を示す図、図4は、図3の音圧周波数特性において、7KHzの指向特性を示す説明図、図5は、本発明になる電気音響変換器に用いられるローパスフィルタの入出力特性を示す説明図、図6は、本発明になる電気音響変換器を用いたスピーカシステムにおけるローパスフィルタ通過後のスピーカ特性を示す説明図、図7は、本発明になる電気音響変換器を用いたスピーカシステムにおける帯域制限のないスピーカ特性を示す説明図、図8は、本発明になる電気音響変換器の駆動形態を示す説明図、図9は、本発明になる電気音響変換器に用いられるトラック型ボイスコイルの斜視図である。
【0031】
まず、図1を参照して、本発明になる電気音響変換器10を構成する振動板1の具体的構成について説明する。
【0032】
図1(a),(b),(c)において、1は、振動方向から見た平面形状が、長径(手)と短径(手)を有し、音を放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲した形状と外周部に沿って帯状に形成された溝部とを有する非軸対称形の振動板である。この振動板1の外周部にはエッジ(トラック部)2が接合され、その外周部2aによってフレーム3に保持されている。なお、このフレーム3は、略平板状に形成されている。
【0033】
振動板1の外周部下端には、図9に示す如くの2個のトラック型のボイスコイルボビン4A,4Bが固着されている。このボイスコイルボビン4A,4Bの外周面には、ボイスコイル5,5が巻回されている。
【0034】
ボイスコイルボビン4A(4B)は、振動板1の振動方向から見た平面形状が、長径と短径を有する非軸対称形であって、かつ、ボイスコイルボビン4A(4B)の一部は、振動板1の長径方向に関して互いに平行な直線部分を有している。
【0035】
また、ボイスコイルボビン4A(4B)は、巻線を施すフォーム部分が振動板1の長径方向に沿って2分割(4,4)されており、この分割部分が短、長径方向に関して平行になる如く接合することにより、補強部としての梁15が形成されるものである。なお、16は、ボイスコイルボビン4A(4B)の外周面に巻回され補強紙として用いられるクラフト紙からなるバンドである。
【0036】
ボイスコイルボビン4A(4B)は、後述する磁気回路の図示しない磁気空隙に釣り下げられ、音声信号電流と磁束により駆動力を発生する。
【0037】
フレーム3の内側底面には、前記した如くの2組の磁気回路が取付けられている。それぞれの磁気回路は、鉄製のヨーク6,6、マグネット7,7、ポールピース8,8で構成され、図示しない治具によりフレーム3の所定位置に固定されている。なお、これらマグネット7,7、ポールピース8,8は、振動板1の主振動部1aに対応する位置に設けられているものである。
【0038】
ここで、振動板1の具体的構成につき説明する。この振動板1は、前記した如く、振動方向から見た平面形状が、長径と短径を有し、音を放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲した形状と外周部に沿って帯状に形成された溝部30とを有する非軸対称形のものである。すなわち、11a〜11f、13a〜13fを凸状部とし、これと交互に連続している12a〜12d、14a〜14dを凹状部としたものである。なお、9,9は、この振動板1に一体的に形成された細溝部であり、18は、これまた、この振動板1に一体的に形成された接続部である。
【0039】
なお、それぞれの凹状部までの深さ方向の寸法は、中央部を除き、ほぼ同程度に形成されている。また、この振動板1は、ボイスコイル5,5の発熱に耐え、かつ、振動板1としての機械的特性に優れたポリイミド(PI)フィルムによって構成されている。
【0040】
次に、このように構成した電気音響変換器10の動作について、主として図1、図8を中心に説明する。
【0041】
前記構成において、振動板1の下部それぞれ分割された形で形成されているにマグネット7,7によってボイルコイルボビン4A(4B)の周囲に磁界が発生し、このボイルコイルボビン4A(4B)に巻回されたボイルコイル5,5に駆動電流が流れると、前記したボイルコイルボビン4A(4B)に駆動電流に応じた電磁力が作用し、この電磁力で主振動部1a、1bを主体として振動板1が振動する。
【0042】
この振動に際して、振動板1の振動部の周囲に設けた細溝部9,9の図示しない下端部は、その面精度が確保されるよう形成されており、かつ、ボイルコイルボビン4A(4B)の上端部と比較的大きな接触面積で支持されているため、正確に駆動力が伝達される。
【0043】
又、振動板1の上面は外側(音を放射する方向)に突出する形状の略半円筒面11aと、これと連続しており、内側にくぼむ形状の略半円筒面12a、略半円筒面13aと、これと連続しており、内側にくぼむ形状の略半円筒面14a等とが長手方向に交互に配置される形状となっているので、相補的にこの部分の振動成分の発生が未然に防止される。
【0044】
また、本実施例になる電気音響変換器10において、図8に明示される如く一方のボイスコイル5には、図5に示す如くの入出力特性を有するローパスフィルタを通った電気信号を印加し、残りのボイスコイル5には、何ら帯域制限を加えない電気信号を印加する。この場合の音圧周波数特性図を図3に、また、図3において、7kHzにおける指向特性図を図4にそれぞれ示す。
【0045】
この図4より明らかな如く、本実施例になる一方のボイスコイル5には、ローパスフィルタを通った電気信号を印加し、残りのボイスコイル5には、何ら帯域制限を加えない電気信号を印加することにより、高音域の縦方向指向特性が相互に干渉することがないので、多峰性を持つようなことがなく、しかも低音再生帯域の拡大化が図られていることがわかる。
【0046】
図6は、前記した図8において、ローパスフィルタを通過したあとの信号を、一方のボイスコイル5のみに印加した時の音圧周波数特性を、図7は、ローパスフィルタを使用しない帯域制限のない信号を、残りのボイスコイル5に印加したときの音圧周波数特性をそれぞれ示すものである。
【0047】
前記した本実施例になる構成を有する電気音響変換器によれば、図2の如くのスリム形状の電気音響変換器であっても、充分な再生帯域と平坦な音圧周波数特性、良好な高音域指向特性が実現でき、忠実な音楽再生が可能となる。すなわち、図6、図7の両図より明らかな如く、本実施例構成によれば、実効質量が大となることにより低音域においては拡大化がなされ、一方、高音域において、相互に干渉する(多峰性を有する)ことがないので、どのような聴取位置でも同一音場が得られるものである。
【0048】
なお、低音域と高音域のバランスを変化させたい場合には、例えば、残りのボイスコイル5に全帯域信号を加えることなく、シェルビング型フィルタのような特性を持つフィルタを導入すればよい。
【0049】
又、これらのバランス調整回路を含んだシステムに於いては、音楽分野によっては要求が異なることが多い低音域と高音域のエネルギーバランスを任意に変えることが出来る電気音響変換器を提供することもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、振動方向から見た振動面の平面形状が長手と短手を有し、前記振動面は前記長手方向に凹凸状に連続的した湾曲部を形成しており、かつ、前記振動面の外周部に沿って帯状に形成された溝部を有する非軸対称形の振動板と、前記溝部の外周部に沿って帯状に形成され、前記振動板と一体的に接続されて、前記振動板を振動自在に保持するトラック部と、前記振動板の裏面の長手方向に取付けられる複数のボイスコイルボビンと、前記複数のボイスコイルボビンの外周面に巻回される複数のボイスコイルと、前記複数のボイスコイルに振動用の磁束を与える複数の磁気回路と、前記トラック部の外周部、前記複数の磁気回路を保持するフレームとを有してなり、前記複数のボイスコイルのうちの少なくも一つのボイスコイルには、ローパスフィルタを介した電気信号が入力され、残りのボイルコイルには、帯域制限を受けない電気信号が入力されるよう構成したことにより、スリム形状であっても充分な再生帯域と平坦な音圧周波数特性、良好な高音域指向特性が実現でき、忠実な音楽再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる電気音響変換器の好ましい一実施例を示す説明図である。
【図2】図1になる電気音響変換器を搭載したスピーカシステムの側面図である。
【図3】本発明になる電気音響変換器の音圧周波数特性を示す図である。
【図4】図3において、7KHzの指向特性を示す説明図である。
【図5】本発明になる電気音響変換器に用いられるローパスフィルタの入出力特性を示す説明図である。
【図6】本発明になる電気音響変換器を用いたスピーカシステムにおけるローパスフィルタ通過後のスピーカ特性を示す説明図である。
【図7】本発明になる電気音響変換器を用いたスピーカシステムにおける帯域制限のないスピーカ特性を示す説明図である。
【図8】本発明になる電気音響変換器の駆動形態を示す説明図である。
【図9】本発明になる電気音響変換器に用いられるトラック型ボイスコイルの斜視図である。
【図10】従来の電気音響変換器を示す説明図である。
【図11】トラック型ボイスコイルの斜視図である。
【図12】従来の電気音響変換器において、振動板の縦方向の寸法を2倍にした状態を示す説明図である
【図13】図10の電気音響変換器を搭載したスピーカシステムの説明図である。
【図14】図10の電気音響変換器を縦方向に2個搭載したスピーカシステムの側面図である。
【図15】図10の電気音響変換器を1個搭載したスピーカシステムの音圧周波数特性を示す説明図である。
【図16】図10の電気音響変換器を縦方向に2個搭載したスピーカシステムの音圧周波数特性を示す説明図である
【図17】図12になる電気音響変換器を搭載したスピーカシステムの側面図である。
【図18】図13の電気音響変換器の音圧周波数特性を示す説明図である。
【図19】図15、図16、図18において、7KHzの指向特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1  振動板
2  エッジ
2a 外周部
3  フレーム
4A(4B)ボイスコイルボビン
(5)  ボイスコイル
(6)  ヨーク
(7)    マグネット
(8)    ポールピース
(9)    細溝部
10  電気音響変換器
11a〜11f 凸状部
12a〜12f 凹状部
13a〜13f 凸状部
14a〜14f 凹状部
15  梁
16  バンド
17  リード線
18  接続部
19  ポール
20  電気音響変換器
21  振動板
22  エッジ
23  フレーム
24  ボイスコイルボビン
25  ボイスコイル
26  ヨーク
27  マグネット
28  ポールピース
29a1〜29a6    凸状部
29b1〜29b4    凹状部
30  溝部
31  リード線
32  梁
33  バンド
40  電気音響変換器
41  振動板
42  エッジ
43  フレーム
46  ヨーク
47  ポールピース
48  マグネット
49a1〜49a12 凸状部
49b1〜49b8    凹状部
49 凹状溝部
50 ネジ部

Claims (1)

  1. 振動方向から見た振動面の平面形状が長手と短手を有し、前記振動面は前記長手方向に凹凸状に連続的した湾曲部を形成しており、かつ、前記振動面の外周部に沿って帯状に形成された溝部を有する非軸対称形の振動板と、
    前記溝部の外周部に沿って帯状に形成され、前記振動板と一体的に接続されて、前記振動板を振動自在に保持するトラック部と、
    前記振動板の裏面の長手方向に取り付けられる複数のボイスコイルボビンと、前記複数のボイスコイルボビンの外周面に巻回される複数のボイスコイルと、
    前記複数のボイスコイルに振動用の磁束を与える複数の磁気回路と、
    前記トラック部の外周部、前記複数の磁気回路を保持するフレームとを有してなり、
    前記複数のボイスコイルのうちの少なくも一つのボイスコイルには、ローパスフィルタを介した電気信号が入力され、残りのボイルコイルには、帯域制限を受けない電気信号が入力されるよう構成したことを特徴とする電気音響変換器。
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