JP2004031454A - 半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構において、リードフレーム搬送に関する異常を可及的速やかに把握し、よって該機構及び金型に係わる破損を未然に防ぐ。
【解決手段】リードフレーム搬送に係る機構を有し、リードフレームの摺動抵抗が所定値に達するとその過負荷を検出するセンサを備える半導体製造装置において、リードフレームの所定の穴に挿入されリードフレームを摺動するピンに切り欠きが設けられており、摺動抵抗が所定値に達するとその切り欠きにてピンが破損しその破損を検出する検出器の信号が過負荷を検出するセンサに伝えられ、よって、駆動源の自動停止を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】リードフレーム搬送に係る機構を有し、リードフレームの摺動抵抗が所定値に達するとその過負荷を検出するセンサを備える半導体製造装置において、リードフレームの所定の穴に挿入されリードフレームを摺動するピンに切り欠きが設けられており、摺動抵抗が所定値に達するとその切り欠きにてピンが破損しその破損を検出する検出器の信号が過負荷を検出するセンサに伝えられ、よって、駆動源の自動停止を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リードフレーム搬送機構を備える半導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13(1)は、従来の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図13(2)は、図13(1)の一部に係る拡大斜視図である。図13のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、アーム8、該アーム8を保持するボールネジ10、及び該ボールネジ10と連結するモータ12を含む。アーム8には送りピン(6a、6b)が備わる。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0003】
リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)は別の駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0004】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、ボールネジ10及びこれに連結するモータ12により「−X」方向に動作し停止する。ここで図13において、図面に向かって右方向を「+X」方向と定義する。本明細書における他の図面においても、同様である。
【0005】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ10の駆動によりボールネジ12が作用し、アーム8及び送りピン(6a、6b)を介してリードフレーム2が所望の量だけ移動する。以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0006】
上記のリードフレーム搬送に係る機構において、リードフレーム2の摺動を阻害する要因があったとしても、リードフレーム2は強制的に所望の量だけ搬送されてしまい、結果として製品であるリードフレーム2を破損又は変形してしまうという問題が存在する。
【0007】
また、リードフレーム2の摺動を阻害する要因の発生箇所が、リード加工金型内である場合には、リードフレーム2だけでなくその金型までも破損することがある。更に、前工程から投入されてくるリードフレーム2が既に変形しているような場合、そのまま搬送するとやはり金型破損を起こす可能性が高い。
【0008】
なお、特開2001−48346号では、薄板状ワークの搬送時、段差などの過負荷を検出して前進を停止するワークフィーダの過負荷検出装置を開示し、特開昭63−294000号でも略同内容を開示するが、特開2001−48346号には摺動抵抗に係る技術の開示は無く、特開平63−294000号はプリント基板搬送に係る開示でありリードフレーム搬送に係る機構には触れていない。また、特開昭63−294000号、及び特開2000−150612号は、バネ力調整を備える過負荷検出につき開示するが、特開昭63−294000号は爪搬送手段とありリードフレーム搬送に係る機構とは異なり、特開2000−150612号はウエハ搬送装置に関するものである。更に、特開昭62−175361号は、クラッチ、ボールネジを備えた搬送機構を開示するが、ウエハ搬送用のものである。特開昭52−55376号は、過負荷異常の検知においてパルスエンコーダ出力とパルスモータのパルス数とを比較し必要に応じてモータ停止する技術に関するが、リードフレーム搬送に係るものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構において、リードフレーム搬送に関する異常を可及的速やかに把握し、よって製品たるリードフレーム、金型、及び該機構に係わる破損を未然に防ぐことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するためになされたものである。本発明に係る請求項1に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動されるように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記所定値に達すると上記ピンの外周の一部に設けられた上記小径部が折損し更にその折損が自動検出されることにより、上記停止を自動的に行う手段であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る請求項2に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記ピンホルダの応力が集中する切り欠きに装着された歪みゲージの出力に基づき上記停止を自動的に行う手段であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る請求項3に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記摺動抵抗が所定値に達したことを検出する過負荷センサを含み、その検出信号を、ハードウエア系統である上記駆動源の搬送方向オーバランセンサ経路とソフトウエア系統である制御プログラムとの、2系統に反映させて上記停止を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る請求項4に記載の半導体製造装置は、
上記過負荷センサは、互いに論理の異なる2出力型であり、
上記過負荷センサが、摺動抵抗が所定値に達したことを検出したとき、
その出力の一方がソフトウエア系統である制御プログラムに反映され、他方がハードウエア系統である上記駆動源の搬送方向オーバランセンサ経路に反映され、それら2系統の利用により駆動源の駆動の停止が為されることを特徴とする、
請求項3に記載の半導体製造装置である。
【0014】
本発明に係る請求項5に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
摺動抵抗に相当する試験用負荷が、駆動源に対し選択的に加えられ、
よって過負荷検出機構の動作が正常であるか否かの自己診断が可能であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下において、図面を参照しつつ本発明に係る好適な実施の形態を説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1(1)は、本発明の実施の形態1に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図1(2)は、図1(1)の機構の一部に係る拡大斜視図である。図1のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、アーム8、該アーム8に取り付けられた弾性体フック22、該弾性体フック22に連結された弾性体24、該弾性体24のもう一方に連結されたアクチュエータ26、該アクチュエータ26を固定するブラケット28、該ブラケット28に連結されたボールネジ30、及び該ボールネジ30と連結するモータ32を含む。アーム8には送りピン6a、6bが備わる。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0017】
図1の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0018】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、ボールネジ30及びこれに連結するモータ32により「−X」方向に動作し停止する。
【0019】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30、ブラケット28、アクチュエータ26、弾性体24、及び弾性体フック22を介してアーム8を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0020】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0021】
ところで、上記のリードフレーム搬送に係る機構の、リードフレームの順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、アクチュエータ26とブラケット28とボールネジ30とは強制的に送られるが、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、弾性体24が延びることにより即座には強制的に送られることにはならない。よって、リードフレーム2は即座には破損しない。このときに、アーム8とブラケット28との相対動作が、所定の検出器(図示せず。)により検出されれば、送り動作、即ちモータ32を停止することができる。
【0022】
また、別の種類のリードフレーム2が利用され、リードフレーム2の材料、厚さ等が変わり、その剛性が変わってしまう場合には、装置稼動前にアクチュエータ26の調整で弾性体24の長さを変えることにより、対応する。即ち、弾性体24を適切な長さに変更することにより、各種類のリードフレーム2に最適な過負荷検出荷重(値)を設定することができる。
【0023】
このアクチュエータ26の調整により、様々の種類のリードフレーム2を搬送してもそれらリードフレーム2を破損することはない。更にその結果として、金型の破損も回避できる。
【0024】
実施の形態2.
図2(1)は、本発明の実施の形態2に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図2(2)は、実施の形態2における搬送トルクと時間の関係を示すグラフである。図2(1)のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、アーム8、該アーム8に取り付けられた第1の弾性体フック34、該第1の弾性体フック34に連結された弾性体24、該弾性体24のもう一方に連結された第2の弾性体フック36、該第2の弾性体フック36を固定するブラケット38、該ブラケット38に連結されたボールネジ30、及び該ボールネジ30と連結するモータ32を含む。アーム8には送りピン6a、6bが備わる。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0025】
図2の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0026】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、ボールネジ30及びこれに連結するモータ32により「−X」方向に動作し停止する。
【0027】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30、ブラケット38、第2の弾性体フック36、弾性体24、及び第1の弾性体フック34を介してアーム8を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0028】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0029】
上記のリードフレーム搬送に係る機構の順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、第2の弾性体フック36とブラケット28とボールネジ30とは強制的に送られるが、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、弾性体24が延びることにより即座には強制的に送られることにはならない。よって、リードフレーム2は即座には破損しない。このときに、アーム8とブラケット38との相対動作が、所定の検出器(図示せず。)により検出されれば、送り動作、即ちモータ32を停止することができる。
【0030】
また、別の種類のリードフレーム2が利用され、リードフレーム2の材料、厚さ等が変わり、その剛性が変わってしまう場合には、モータ32の加速時間を変更する。即ち、モータ32の加速時間を適切に変更することにより、各種類のリードフレーム2に最適な過負荷検出荷重(値)を設定することができる。
【0031】
図2(2)では、あるリードフレーム2を搬送した場合の、搬送トルクの時間変化を示す。ある速度線図で加速されるアーム8及び送りピン(6a、6b)は、線分A−Bのトルクをリードフレーム2に伝えることによりリードフレーム2を搬送する。アーム8が減速し停止する際には、線分B−CをたどりC−D、D−Eを経て停止する。
【0032】
送りピン(6a、6b)の加速時に、リードフレーム2がガイドレール(4a、4b)に引っ掛かったときに生ずる発生トルクを「F」(図2(2)参照)とすると、線分A−Bと線F間のトルクがフレーム破損時の発生トルクとなる。搬送するリードフレーム2の種類を変更した場合(ここでは、リードフレーム2の剛性が弱くなった場合)、上記と同じ加速線図により加速すると上記と同様に送りピン(6a、6b)に発生するトルクは線分A−Bとなるが、リードフレーム2の剛性が下がったために実際に破損に到るトルクは(例えば)Gの値となる。図2(2)のように線Gが線分A−Bより下ならば、線分A−B間にて搬送中にリードフレーム2が破損してもその破損が検知され得ないことになる。
【0033】
よって、送りアーム8の加速を下げ、(例えば図2(2)において)発生トルクを線分H−Jとすれば、そのリードフレーム2の剛性に合う最適の過負荷検知トルクを設定し得る。
【0034】
以上の送りアーム8の加速、即ち発生トルクの調整を適切に行えば、様々の種類のリードフレーム2を搬送する場合であってもそれらリードフレーム2を破損することはない。更にその結果として、金型の破損も回避できる。
【0035】
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。図3のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン6aが備わる第1のアーム40、該第1のアーム40に取り付けられた第1の弾性体フック42a、該第1の弾性体フック42aに連結された第1の弾性体44、該第1の弾性体44のもう一方に連結された第2の弾性体フック42b、該第2の弾性体フック42Bを固定する第1のブラケット54、送りピン6bが備わる第2のアーム46、該第2のアーム46に取り付けられた第3の弾性体フック48a、該第3の弾性体フック48aに連結された第2の弾性体50、該第2の弾性体50のもう一方に連結された第4の弾性体フック48b、該第4の弾性体フック48bを固定する第2のブラケット56、第1のアーム40と第2のアーム46との両方に固定され互いの位置を検出する検出装置52、ボールネジ30、及び該ボールネジ30と連結するモータ32を、含む。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0036】
図3の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0037】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、第1のアーム40と送りピン6a、及び第2のアーム46と送りピン6bは、ボールネジ30及びこれに連結するモータ32により「−X」方向に動作し停止する。
【0038】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30が動作し、第1のブラケット54、第2の弾性体フック42b、第1の弾性体44、及び第1の弾性体フック42aを介して第1のアーム40が+X方向に動作することにより、送りピン6aが+X方向に動作する。同様にボールネジ30の動作時に、第2のブラケット56、第4の弾性体フック48b、第2の弾性体50、及び第3の弾性体フック48aを介して第2のアーム46が+X方向に動作することにより、送りピン6bが+X方向に動作する。
【0039】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0040】
通常の稼動時には、送りピン6aと送りピン6bとは、同期して同時に動作するため、第1のアーム40上に固定された検出装置52と、第2のアーム46上に固定された検出装置52とは、互いの相対位置を検出し合うことにより、動作が通常であることを確認する。
【0041】
上記のリードフレーム搬送に係る機構の順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2が変形し破損してしまうような場合、第1の弾性体44または第2の弾性体50が伸びることにより2つの検出装置52の相対位置が変化することになる。このことにより異常即ち過負荷トルクの発生が検出される。その結果として、金型及びリードフレーム2の破損を回避できる。
【0042】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。図4のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン(6a、6b)が備わるアーム62、該アーム62を固定するボールネジ30、該ボールネジ30の軸端に固定される電磁励磁式クラッチ64、該電磁励磁式クラッチ64の軸端に固定されるモータ32、及びボールネジ30のもう一方の端に固定されるエンコーダ66を、含む。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0043】
図4の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0044】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、アーム62と送りピン(6a、6b)は、モータ32の駆動により電磁励磁式クラッチ64、ボールネジ30を介して「−X」方向に動作し停止する。
【0045】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動により電磁励磁式クラッチ64、ボールネジ30を介してアーム62を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0046】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0047】
ところで、エンコーダ66はボールネジ30の軸端に固定されているので、リードフレーム2の移動量を相当換算量として順送りの度毎に把握していることになる。
【0048】
一方、電磁励磁式クラッチ64の設定励磁力は、リードフレーム2を搬送するのに必要なトルクに若干のマージンを加味したトルクに設定される。従って、リードフレーム2に変形などの異常が発生した場合には電磁励磁式クラッチ64に設定した値以上のトルクが発生し、その結果、該電磁励磁式クラッチ64はスリップを起こす。このことにより、リードフレーム2の更なる破損を防ぐ。更に電磁励磁式クラッチ64のこのスリップ動作により、ボールネジ30軸端に位置するエンコーダ66の把握する移動量と、モータ32内のエンコーダ(図示せず。)の把握する移動量とにずれが生じる。このずれにより直ちに搬送を停止すればよい。
【0049】
また、別の種類のリードフレーム2が利用され、リードフレーム2の材料、厚さ等が変わり、その剛性が変わってしまう場合には、電磁励磁式クラッチ64の設定励磁力を所与の値に変更することにより、対応する。即ち、電磁励磁式クラッチ64の調整により、各種類のリードフレーム2に最適な過負荷検出荷重(値)を設定することができる。
【0050】
以上のように、実施の形態4においても、様々の種類のリードフレーム2を搬送してもそれらリードフレーム2を破損することはない。更にその結果として、金型の破損も回避できる。
【0051】
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。また、図6(1)は、図5の機構の一部に係る拡大斜視図であり、図6(2)は、図6(1)の更に一部の拡大縦断面図である。図5のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン(82、84)が備わるアーム86、該アーム86を固定するボールネジ30、及び該ボールネジ30の軸端に固定されるモータ32を、含む。リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0052】
この実施の形態5においては、図6(2)に示すように、送りピン82に切り欠き82aが設けられている。更に、送りピン82には検出器88が内蔵される。
【0053】
図5の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0054】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、アーム86と送りピン(82、84)は、モータ32の駆動によりボールネジ30を介して「−X」方向に動作し停止する。
【0055】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(82、84)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30を介してアーム86を動作させ、送りピン(82、84)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0056】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0057】
ところで、リードフレーム2が搬送される際、送りピン82に内蔵される検出器88は、常に送りピン82自身を検出している。リードフレームの順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、通常の搬送に必要なトルク以上の異常なトルクが送りピン(82、84)にかかる。すると、送りピン82に設けられた切り欠き82aの作用により、送りピン82は切り欠き82aの位置にて破断する。このことにより検出器88は検出する対象を失い、その結果、リードフレーム2の異常が確認されると共に、搬送が停止され得る。
【0058】
送りピン84が、検出器88及び切り欠き84aを備えていてもよい。
【0059】
以上のように、実施の形態5においても、リードフレーム2及び金型の破損を回避できる。
【0060】
実施の形態6.
図7(1)は、本発明の実施の形態6に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図7(2)は、図7(1)の機構の一部に係る拡大斜平面図である。図7のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン(6a、6b)が備わるアーム102、該アーム102を固定するボールネジ30、該ボールネジ30の軸端に固定されるモータ32、及びアーム102に取り付けられた歪みゲージ(104、106)を、含む。リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0061】
図7の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0062】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、アーム102と送りピン(6a、6b)は、モータ32の駆動によりボールネジ30を介して「−X」方向に動作し停止する。
【0063】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30を介してアーム102を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0064】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0065】
ところで、通常のリードフレーム2搬送時には、モータ32の発生するトルクがボールネジ32及びアーム102を介して送りピン(3a、3b)に伝えられるが、このとき、アーム102は微小な変形をする。歪みゲージ(104、016)は、リードフレーム2の順送り動作毎にこの変形を検出する。リードフレームの順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、通常の順送り動作時に発生する微小変形より大きい変形がアーム102に発生する。歪みゲージ(104、106)に検出される変形がそのように大きいものであるならば、リードフレーム2の異常が確認されると共に、搬送が停止され得る。
【0066】
以上のように、実施の形態6においても、リードフレーム2及び金型の破損を回避できる
【0067】
実施の形態7.
図8は、本発明の実施の形態7に係る半導体製造装置の概略の側断面図である。図8の半導体製造装置は、定板122、下金型124、精密切り刃部品124a、上金型128、及び認識機器130を、含む。下金型124は定板122に固定されている。精密切り刃部品124aは下金型124に内蔵される。上金型128は下金型124に対応し、認識機器130は下金型124に内蔵される。
【0068】
図8の半導体製造装置において、下金型124と上金型128との間にて、リードフレーム126は一定方向にピッチ送りされる。リードフレーム126が所定の位置に搬送されると、上金型128に内蔵された認識機器130にてリードフレーム126に位置が確認され、そこで、上金型128の下降動作によりリードフレーム126が所望の形状に加工される。加工後、上金型128は上昇し、その後リードフレーム126はピッチ送りされる。このように、プレス動作とピッチ送りが繰り返される。
【0069】
上記の動作中に、何らかの要因によりリードフレーム126が引っ掛かり加工のための所定の位置に到達しないような場合、認識機器130によりリードフレーム126が正常位置に無いことが確認され、その確認を基にプレス下降動作が停止される。このようにして、上金型128、下金型124、及び精密切り刃部品124aが、破損するのを防ぐ。
【0070】
認識機器130は精密切り刃部品124aを監視しているのだから、精密切り刃部品124aに損傷などの異常がある場合に、直ちにプレス動作を停止するように構成することも可能である。そのように構成することでも、不良品の製造を最小限に留めることが可能となる。
【0071】
実施の形態8.
図9は、本発明の実施の形態8に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。図9の半導体製造装置では、リードフレーム2が搬送される。図9の半導体製造装置は、リード加工金型204、リードフレーム2を搬送する駆動系を駆動するモータ32、該モータ32の回転を直線運動に変換するボールネジ30、該ボールネジ30のナット部210、該ナット部210と同期して直線運動しリードフレーム2を搬送するユニットを動作するブロック212、リードフレーム2を固定し搬送するアーム8、及び、コントローラ216を含む。矢印218はリードフレーム2の搬送方向を示す。
【0072】
更に、図9の半導体製造装置は、リードフレーム搬送駆動系の反搬送方向のオーバランセンサ222、リードフレーム搬送駆動系の原点センサ224、及び、リードフレーム搬送駆動系の搬送方向のオーバランセンサ226を、含む。
【0073】
上記のコントローラ8は、半導体製造装置の制御に係るソフトウエア稼動部228、該ソフトウエア稼動部228のリードフレーム搬送駆動系への出力230、搬送駆動モータ32へのパルスジェネレータ232、搬送駆動モータ32を駆動するパルス出力234、搬送駆動モータ32のサーボアンプ236、及び、搬送駆動モータ32への駆動動力線238を含む。
【0074】
更に、コントローラ8には、オーバランセンサ222の信号をパルスジェネレータ232へ伝える信号線242、原点センサ224の信号をパルスジェネレータ232へ伝える信号線244、及び、オーバランセンサ226の信号をパルスジェネレータ232へ伝える信号線246が、付属する。
【0075】
図9の半導体製造装置において、リードフレーム2に加わった過負荷は、過負荷検出センサ262により検出される。即ち、ナット部210とブロック212は伸縮バネ266に繋がれているが、リードフレーム2に過負荷が加わるとブロック212は矢印268の方向に動作し、過負荷検出センサ262は遮光板264により遮光されて適宜の信号を生成する。その過負荷検出センサ262の信号は、信号線282によりソフトウエア稼動部228に伝達され、信号線284によりパルスジェネレータ232に伝達される。但し、(過負荷検出センサ262からの)信号線284の信号と、(オーバランセンサ226からの)信号線246の信号とは、論理回路286にて論理演算され、出力信号線288に出力される。
【0076】
図10は、実施の形態8において、過負荷検出センサ262からの信号線284の信号と、オーバランセンサ226からの信号線246の信号とを論理演算し、出力信号線288に出力する、論理回路286の概略の模式図である。図10に示すように2つの信号の論理和が演算されるから、過負荷検出センサ262からの信号と、オーバランセンサ226からの信号との、いずれかが“オン”であれば、“オン”の信号を出すことになる。
【0077】
図9の半導体製造装置におけるリードフレーム過負荷検出について説明する。
【0078】
リードフレーム2はアーム8に固定されて搬送方向218へ搬送される。この際に、リードフレーム2が何らかの要因により搬送を妨げられると、リードフレーム2に負荷が掛かり、その負荷はアーム8及びブロック212に伝わる。更にその負荷は伸縮バネ266に作用するが、リードフレーム2が破損又は変形する程度に到った場合には、この伸縮バネ266が伸張し、過負荷検出センサ262が遮光板264により遮光されて「リードフレーム過負荷」を検出する。
【0079】
この過負荷検出(信号)は、信号線282、信号線284、及び信号線288を介して、各々ソフトウエア稼動部228、及びパルスジェネレータ232へ伝達される。過負荷検出信号が伝達されたソフトウエア稼動部228は、搬送駆動モータ32を停止させるべく停止出力を搬送駆動系への出力230へ出力する。パルスジェネレータ232は、上記の出力230の停止信号、及び信号線288からの過負荷検出信号によって、搬送駆動モータ32を停止させるべく、搬送駆動モータ32を駆動しているパルス出力234を停止する。
【0080】
これらにより、搬送駆動サーボアンプ236は、駆動動力線238を介して搬送駆動モータを停止させる。
【0081】
実施の形態8の半導体製造装置では、ICであるパルスジェネレータ232へ信号線288を介して過負荷検出信号を伝達し得る。従って、過負荷検出信号が生成された際の搬送駆動モータ32を停止させるための所要時間が、ソフトウエア稼動部228のみで過負荷検出信号を確認し更にフレーム搬送駆動系を停止するための所要時間と比較して、非常に短時間となる。よって、リードフレーム2が過負荷により現実に破損又は変形する前に、搬送駆動モータ32が停止され得る。即ち、製品であるリードフレーム2の破損又は変形が防止され、保護される。
【0082】
なお、本実施の形態8では、伸縮バネ266の例えばバネ定数は、予めリードフレーム2を破損又は変形する力が調べられた上で、それに基づき設定されている。
【0083】
本実施の形態8において、リード加工金型204内でリードフレーム2が何らかの要因で搬送が妨げられ金型内でリードフレーム2の破損又は変形が発生したとしても、上述のように、信号線288からの過負荷検出信号によって搬送駆動モータ32が停止するので、更なるリードフレーム2の破損又は変形は防がれる。更に、過負荷検出信号が伝達されたソフトウエア稼動部228が、リード加工金型204でのプレス加工を停止すべく制御するように、設定することも可能である。このことにより、リードフレーム2への過負荷発生時に、リード加工金型204が破損又は変形したリードフレーム2をプレス加工してしまいリード加工金型204自身も破損又は変形してしまう、という事態は回避され得るようになる。
【0084】
また、本実施の形態8の半導体製造装置においては、前工程から投入されてくるリードフレーム2が既に変形している場合、やはり搬送負荷が大きくなる。その負荷が過負荷検出センサ262で検出される程度のものであれば、上述の機構の動作により搬送駆動モータ32は停止され、ソフトウエア稼動部228は、リードフレーム2の変形を間接的に検知できる。これらのことにより、前工程から投入されるリードフレーム2が既に変形しているか否かが、検出され得ることになる。更にこのときも、ソフトウエア稼動部228がリード加工金型204でのプレス加工を停止すべく制御するように設定することも可能であるから、前工程以前で既に破損又は変形したリードフレーム2をリード加工金型204がプレス加工してしまいリード加工金型204自身も破損又は変形してしまう、という事態は回避され得る。
【0085】
実施の形態9.
図11は、本発明の実施の形態9に係る半導体製造装置におけるリードフレーム過負荷検出センサ262の概略模式図である。実施の形態9のその他の構成は、実施の形態8と同様のものであるから、説明を省略する。
【0086】
図11のリードフレーム過負荷検出センサ262からの信号線282と信号線284とは、各々、ソフトウエア稼動部228とパルスジェネレータ232とへ伝達している。
【0087】
ここで、リードフレーム過負荷検出センサ262は、互いに論理が異なる2出力タイプとして構成されている。この2出力につき一方はソフトウエア稼動部228へ、他方はパルスジェネレータ232へと、接続することで、二重チェックを行うことが可能になる。
【0088】
例えば、図11に示されるように、ソフトウエア稼動部228へは「a接点」を接続し、パルスジェネレータ232へは「b接点」を接続するものとする。この場合に、リードフレーム過負荷検出センサ262が破損すると、信号線282及び信号線284は共に同時に「導通」又は「非導通」となる。また、信号線282及び信号線284が同時に断線又は短絡破損すると、やはり共に同時に「導通」又は「非導通」となる。即ち、どちらの場面においても信号線282及び信号線284が同時に同論理となる。このことにより、リードフレーム過負荷検出センサ262、信号線282、信号線284に係る破損(の一部)が検知され得ることになり、リードフレーム過負荷検出回路の信頼性を向上することができる。
【0089】
リードフレーム過負荷検出センサ262として、出力論理が異なるセンサを2個設けてもよい。同論理のセンサを2個用いてセンサに対する遮光板の状態を互いに投光と遮光の逆状態としてもよい。
【0090】
実施の形態10.
図12は、本発明の実施の形態10に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。図9の実施の形態8に係る半導体製造装置と略同様の構成であり、同一部位には同一符号を付し、差異を中心に説明する。
【0091】
実施の形態10に係る半導体製造装置には、ストッパ302が追加されている。このストッパ302は、アーム8を搬送方向にへ移動させた際にアーム8と干渉し合う位置に配置される。更にストッパ302は、アーム8と干渉した際にはアーム8に過負荷を与えるように設定される。
【0092】
ストッパ302の動作を以下説明する。
【0093】
アーム8の原点復帰時、又は自動動作開始時に、アーム8を搬送方向へ移動してアーム8とストッパ302とを干渉させ、アーム8に過負荷を与える。するとリードフレーム過負荷検出センサ262が遮光板264で遮光されて過負荷検出センサ262から過負荷検出信号が出力され、該過負荷検出信号は信号線282と信号線284とを介して、ソフトウエア稼動部228及びパルスジェネレータ232へ入力される。
【0094】
ストッパ302が、アーム8の搬送方向への移動時の、動作範囲限界として設置されれば、リードフレーム過負荷検出機構及び過負荷検出回路の動作が、正常であるか否かの(自己)診断が可能となる。ただし、ストッパ302とアーム8との干渉位置、即ち、ストッパ302の設置位置は、アーム8の通常動作範囲の外とされる。よって、アーム8は通常動作時にはストッパ302と干渉することは無い。
【0095】
【発明の効果】
本発明を利用することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0096】
本発明に係る請求項1に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム搬送に関する異常を速やかに検出することができる。
【0097】
本発明に係る請求項2に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム搬送に関する異常を速やかに検出することができる。
【0098】
本発明に係る請求項3に記載の半導体製造装置を利用することにより、検出されたリードフレーム搬送に関する異常状況を、駆動系に速やかに伝達することができる。よって、リードフレームや金型の破損又は変形を極力避けることができる。また、前工程以前で既にリードフレームに破損又は変形が生じてしまっている場合に、その異常(破損又は変形)を検出できることになる。前工程での異常を把握できれば、その異常による金型の破損等も防げる。
【0099】
本発明に係る請求項4に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム過負荷検出回路の信頼性を向上することができる。
【0100】
本発明に係る請求項5に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム過負荷検出機構及び過負荷検出回路の動作が、正常であるか否かの(自己)診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)本発明の実施の形態1に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)(1)の機構の一部に係る拡大斜視図である。
【図2】(1)本発明の実施の形態2に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)実施の形態2における搬送トルクと時間の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態3に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。
【図6】(1)図5の機構の一部に係る拡大斜視図と、(2)(1)の一部の拡大縦断面図である。
【図7】(1)本発明の実施の形態6に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)(1)の機構の一部に係る拡大斜平面図である。
【図8】本発明の実施の形態7に係る半導体製造装置の概略の側断面図である。
【図9】本発明の実施の形態8に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。
【図10】実施の形態8において、過負荷検出センサからの信号線の信号と、オーバランセンサからの信号線の信号とを論理演算し、出力信号線に出力する、論理回路の概略の模式図である。
【図11】本発明の実施の形態9に係る半導体製造装置におけるリードフレーム過負荷検出センサの概略模式図である。
【図12】本発明の実施の形態10に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。
【図13】(1)従来の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)(1)の一部に係る拡大斜視図である。
【符号の説明】
2 リードフレーム、 2a、2b ピン孔(穴)、 4a、4b ガイドレール、 6a、6b、82、84 送りピン、 8 アーム、 30 ボールネジ、 32 モータ、 82a 切り欠き、 88 検出器、 104、106歪みゲージ、 222 オーバランセンサ、 224 原点センサ、 226オーバランセンサ、 228 ソフトウエア稼動部、 232 パルスジェネレータ、 262 過負荷検出センサ、 286 論理回路、 302 ストッパ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リードフレーム搬送機構を備える半導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13(1)は、従来の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図13(2)は、図13(1)の一部に係る拡大斜視図である。図13のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、アーム8、該アーム8を保持するボールネジ10、及び該ボールネジ10と連結するモータ12を含む。アーム8には送りピン(6a、6b)が備わる。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0003】
リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)は別の駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0004】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、ボールネジ10及びこれに連結するモータ12により「−X」方向に動作し停止する。ここで図13において、図面に向かって右方向を「+X」方向と定義する。本明細書における他の図面においても、同様である。
【0005】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ10の駆動によりボールネジ12が作用し、アーム8及び送りピン(6a、6b)を介してリードフレーム2が所望の量だけ移動する。以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0006】
上記のリードフレーム搬送に係る機構において、リードフレーム2の摺動を阻害する要因があったとしても、リードフレーム2は強制的に所望の量だけ搬送されてしまい、結果として製品であるリードフレーム2を破損又は変形してしまうという問題が存在する。
【0007】
また、リードフレーム2の摺動を阻害する要因の発生箇所が、リード加工金型内である場合には、リードフレーム2だけでなくその金型までも破損することがある。更に、前工程から投入されてくるリードフレーム2が既に変形しているような場合、そのまま搬送するとやはり金型破損を起こす可能性が高い。
【0008】
なお、特開2001−48346号では、薄板状ワークの搬送時、段差などの過負荷を検出して前進を停止するワークフィーダの過負荷検出装置を開示し、特開昭63−294000号でも略同内容を開示するが、特開2001−48346号には摺動抵抗に係る技術の開示は無く、特開平63−294000号はプリント基板搬送に係る開示でありリードフレーム搬送に係る機構には触れていない。また、特開昭63−294000号、及び特開2000−150612号は、バネ力調整を備える過負荷検出につき開示するが、特開昭63−294000号は爪搬送手段とありリードフレーム搬送に係る機構とは異なり、特開2000−150612号はウエハ搬送装置に関するものである。更に、特開昭62−175361号は、クラッチ、ボールネジを備えた搬送機構を開示するが、ウエハ搬送用のものである。特開昭52−55376号は、過負荷異常の検知においてパルスエンコーダ出力とパルスモータのパルス数とを比較し必要に応じてモータ停止する技術に関するが、リードフレーム搬送に係るものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構において、リードフレーム搬送に関する異常を可及的速やかに把握し、よって製品たるリードフレーム、金型、及び該機構に係わる破損を未然に防ぐことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するためになされたものである。本発明に係る請求項1に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動されるように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記所定値に達すると上記ピンの外周の一部に設けられた上記小径部が折損し更にその折損が自動検出されることにより、上記停止を自動的に行う手段であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る請求項2に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記ピンホルダの応力が集中する切り欠きに装着された歪みゲージの出力に基づき上記停止を自動的に行う手段であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る請求項3に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記摺動抵抗が所定値に達したことを検出する過負荷センサを含み、その検出信号を、ハードウエア系統である上記駆動源の搬送方向オーバランセンサ経路とソフトウエア系統である制御プログラムとの、2系統に反映させて上記停止を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る請求項4に記載の半導体製造装置は、
上記過負荷センサは、互いに論理の異なる2出力型であり、
上記過負荷センサが、摺動抵抗が所定値に達したことを検出したとき、
その出力の一方がソフトウエア系統である制御プログラムに反映され、他方がハードウエア系統である上記駆動源の搬送方向オーバランセンサ経路に反映され、それら2系統の利用により駆動源の駆動の停止が為されることを特徴とする、
請求項3に記載の半導体製造装置である。
【0014】
本発明に係る請求項5に記載の半導体製造装置は、
半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置である。その半導体製造装置において、
摺動抵抗に相当する試験用負荷が、駆動源に対し選択的に加えられ、
よって過負荷検出機構の動作が正常であるか否かの自己診断が可能であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下において、図面を参照しつつ本発明に係る好適な実施の形態を説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1(1)は、本発明の実施の形態1に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図1(2)は、図1(1)の機構の一部に係る拡大斜視図である。図1のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、アーム8、該アーム8に取り付けられた弾性体フック22、該弾性体フック22に連結された弾性体24、該弾性体24のもう一方に連結されたアクチュエータ26、該アクチュエータ26を固定するブラケット28、該ブラケット28に連結されたボールネジ30、及び該ボールネジ30と連結するモータ32を含む。アーム8には送りピン6a、6bが備わる。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0017】
図1の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0018】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、ボールネジ30及びこれに連結するモータ32により「−X」方向に動作し停止する。
【0019】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30、ブラケット28、アクチュエータ26、弾性体24、及び弾性体フック22を介してアーム8を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0020】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0021】
ところで、上記のリードフレーム搬送に係る機構の、リードフレームの順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、アクチュエータ26とブラケット28とボールネジ30とは強制的に送られるが、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、弾性体24が延びることにより即座には強制的に送られることにはならない。よって、リードフレーム2は即座には破損しない。このときに、アーム8とブラケット28との相対動作が、所定の検出器(図示せず。)により検出されれば、送り動作、即ちモータ32を停止することができる。
【0022】
また、別の種類のリードフレーム2が利用され、リードフレーム2の材料、厚さ等が変わり、その剛性が変わってしまう場合には、装置稼動前にアクチュエータ26の調整で弾性体24の長さを変えることにより、対応する。即ち、弾性体24を適切な長さに変更することにより、各種類のリードフレーム2に最適な過負荷検出荷重(値)を設定することができる。
【0023】
このアクチュエータ26の調整により、様々の種類のリードフレーム2を搬送してもそれらリードフレーム2を破損することはない。更にその結果として、金型の破損も回避できる。
【0024】
実施の形態2.
図2(1)は、本発明の実施の形態2に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図2(2)は、実施の形態2における搬送トルクと時間の関係を示すグラフである。図2(1)のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、アーム8、該アーム8に取り付けられた第1の弾性体フック34、該第1の弾性体フック34に連結された弾性体24、該弾性体24のもう一方に連結された第2の弾性体フック36、該第2の弾性体フック36を固定するブラケット38、該ブラケット38に連結されたボールネジ30、及び該ボールネジ30と連結するモータ32を含む。アーム8には送りピン6a、6bが備わる。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0025】
図2の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0026】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、ボールネジ30及びこれに連結するモータ32により「−X」方向に動作し停止する。
【0027】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30、ブラケット38、第2の弾性体フック36、弾性体24、及び第1の弾性体フック34を介してアーム8を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0028】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0029】
上記のリードフレーム搬送に係る機構の順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、第2の弾性体フック36とブラケット28とボールネジ30とは強制的に送られるが、送りピン(6a、6b)及びアーム8は、弾性体24が延びることにより即座には強制的に送られることにはならない。よって、リードフレーム2は即座には破損しない。このときに、アーム8とブラケット38との相対動作が、所定の検出器(図示せず。)により検出されれば、送り動作、即ちモータ32を停止することができる。
【0030】
また、別の種類のリードフレーム2が利用され、リードフレーム2の材料、厚さ等が変わり、その剛性が変わってしまう場合には、モータ32の加速時間を変更する。即ち、モータ32の加速時間を適切に変更することにより、各種類のリードフレーム2に最適な過負荷検出荷重(値)を設定することができる。
【0031】
図2(2)では、あるリードフレーム2を搬送した場合の、搬送トルクの時間変化を示す。ある速度線図で加速されるアーム8及び送りピン(6a、6b)は、線分A−Bのトルクをリードフレーム2に伝えることによりリードフレーム2を搬送する。アーム8が減速し停止する際には、線分B−CをたどりC−D、D−Eを経て停止する。
【0032】
送りピン(6a、6b)の加速時に、リードフレーム2がガイドレール(4a、4b)に引っ掛かったときに生ずる発生トルクを「F」(図2(2)参照)とすると、線分A−Bと線F間のトルクがフレーム破損時の発生トルクとなる。搬送するリードフレーム2の種類を変更した場合(ここでは、リードフレーム2の剛性が弱くなった場合)、上記と同じ加速線図により加速すると上記と同様に送りピン(6a、6b)に発生するトルクは線分A−Bとなるが、リードフレーム2の剛性が下がったために実際に破損に到るトルクは(例えば)Gの値となる。図2(2)のように線Gが線分A−Bより下ならば、線分A−B間にて搬送中にリードフレーム2が破損してもその破損が検知され得ないことになる。
【0033】
よって、送りアーム8の加速を下げ、(例えば図2(2)において)発生トルクを線分H−Jとすれば、そのリードフレーム2の剛性に合う最適の過負荷検知トルクを設定し得る。
【0034】
以上の送りアーム8の加速、即ち発生トルクの調整を適切に行えば、様々の種類のリードフレーム2を搬送する場合であってもそれらリードフレーム2を破損することはない。更にその結果として、金型の破損も回避できる。
【0035】
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。図3のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン6aが備わる第1のアーム40、該第1のアーム40に取り付けられた第1の弾性体フック42a、該第1の弾性体フック42aに連結された第1の弾性体44、該第1の弾性体44のもう一方に連結された第2の弾性体フック42b、該第2の弾性体フック42Bを固定する第1のブラケット54、送りピン6bが備わる第2のアーム46、該第2のアーム46に取り付けられた第3の弾性体フック48a、該第3の弾性体フック48aに連結された第2の弾性体50、該第2の弾性体50のもう一方に連結された第4の弾性体フック48b、該第4の弾性体フック48bを固定する第2のブラケット56、第1のアーム40と第2のアーム46との両方に固定され互いの位置を検出する検出装置52、ボールネジ30、及び該ボールネジ30と連結するモータ32を、含む。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0036】
図3の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0037】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、第1のアーム40と送りピン6a、及び第2のアーム46と送りピン6bは、ボールネジ30及びこれに連結するモータ32により「−X」方向に動作し停止する。
【0038】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30が動作し、第1のブラケット54、第2の弾性体フック42b、第1の弾性体44、及び第1の弾性体フック42aを介して第1のアーム40が+X方向に動作することにより、送りピン6aが+X方向に動作する。同様にボールネジ30の動作時に、第2のブラケット56、第4の弾性体フック48b、第2の弾性体50、及び第3の弾性体フック48aを介して第2のアーム46が+X方向に動作することにより、送りピン6bが+X方向に動作する。
【0039】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0040】
通常の稼動時には、送りピン6aと送りピン6bとは、同期して同時に動作するため、第1のアーム40上に固定された検出装置52と、第2のアーム46上に固定された検出装置52とは、互いの相対位置を検出し合うことにより、動作が通常であることを確認する。
【0041】
上記のリードフレーム搬送に係る機構の順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2が変形し破損してしまうような場合、第1の弾性体44または第2の弾性体50が伸びることにより2つの検出装置52の相対位置が変化することになる。このことにより異常即ち過負荷トルクの発生が検出される。その結果として、金型及びリードフレーム2の破損を回避できる。
【0042】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。図4のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン(6a、6b)が備わるアーム62、該アーム62を固定するボールネジ30、該ボールネジ30の軸端に固定される電磁励磁式クラッチ64、該電磁励磁式クラッチ64の軸端に固定されるモータ32、及びボールネジ30のもう一方の端に固定されるエンコーダ66を、含む。また、リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0043】
図4の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0044】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、アーム62と送りピン(6a、6b)は、モータ32の駆動により電磁励磁式クラッチ64、ボールネジ30を介して「−X」方向に動作し停止する。
【0045】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動により電磁励磁式クラッチ64、ボールネジ30を介してアーム62を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0046】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0047】
ところで、エンコーダ66はボールネジ30の軸端に固定されているので、リードフレーム2の移動量を相当換算量として順送りの度毎に把握していることになる。
【0048】
一方、電磁励磁式クラッチ64の設定励磁力は、リードフレーム2を搬送するのに必要なトルクに若干のマージンを加味したトルクに設定される。従って、リードフレーム2に変形などの異常が発生した場合には電磁励磁式クラッチ64に設定した値以上のトルクが発生し、その結果、該電磁励磁式クラッチ64はスリップを起こす。このことにより、リードフレーム2の更なる破損を防ぐ。更に電磁励磁式クラッチ64のこのスリップ動作により、ボールネジ30軸端に位置するエンコーダ66の把握する移動量と、モータ32内のエンコーダ(図示せず。)の把握する移動量とにずれが生じる。このずれにより直ちに搬送を停止すればよい。
【0049】
また、別の種類のリードフレーム2が利用され、リードフレーム2の材料、厚さ等が変わり、その剛性が変わってしまう場合には、電磁励磁式クラッチ64の設定励磁力を所与の値に変更することにより、対応する。即ち、電磁励磁式クラッチ64の調整により、各種類のリードフレーム2に最適な過負荷検出荷重(値)を設定することができる。
【0050】
以上のように、実施の形態4においても、様々の種類のリードフレーム2を搬送してもそれらリードフレーム2を破損することはない。更にその結果として、金型の破損も回避できる。
【0051】
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。また、図6(1)は、図5の機構の一部に係る拡大斜視図であり、図6(2)は、図6(1)の更に一部の拡大縦断面図である。図5のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン(82、84)が備わるアーム86、該アーム86を固定するボールネジ30、及び該ボールネジ30の軸端に固定されるモータ32を、含む。リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0052】
この実施の形態5においては、図6(2)に示すように、送りピン82に切り欠き82aが設けられている。更に、送りピン82には検出器88が内蔵される。
【0053】
図5の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0054】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、アーム86と送りピン(82、84)は、モータ32の駆動によりボールネジ30を介して「−X」方向に動作し停止する。
【0055】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(82、84)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30を介してアーム86を動作させ、送りピン(82、84)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0056】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0057】
ところで、リードフレーム2が搬送される際、送りピン82に内蔵される検出器88は、常に送りピン82自身を検出している。リードフレームの順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、通常の搬送に必要なトルク以上の異常なトルクが送りピン(82、84)にかかる。すると、送りピン82に設けられた切り欠き82aの作用により、送りピン82は切り欠き82aの位置にて破断する。このことにより検出器88は検出する対象を失い、その結果、リードフレーム2の異常が確認されると共に、搬送が停止され得る。
【0058】
送りピン84が、検出器88及び切り欠き84aを備えていてもよい。
【0059】
以上のように、実施の形態5においても、リードフレーム2及び金型の破損を回避できる。
【0060】
実施の形態6.
図7(1)は、本発明の実施の形態6に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図であり、図7(2)は、図7(1)の機構の一部に係る拡大斜平面図である。図7のリードフレーム搬送に係る機構は、リードフレーム2をガイドする一対のガイドレール(4a、4b)、送りピン(6a、6b)が備わるアーム102、該アーム102を固定するボールネジ30、該ボールネジ30の軸端に固定されるモータ32、及びアーム102に取り付けられた歪みゲージ(104、106)を、含む。リードフレーム2には穴(2a、2b)が開けられている。
【0061】
図7の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の動作について、説明する。リードフレーム2は、ガイドレール(4a、4b)により水平方向にガイドされる。ガイドレール(4a、4b)はモータ32と異なる駆動源(図示せず。)により上下動作を行なう。
【0062】
まず、ガイドレール(4a、4b)が下降し、それに従いリードフレーム2も下降する。次に、アーム102と送りピン(6a、6b)は、モータ32の駆動によりボールネジ30を介して「−X」方向に動作し停止する。
【0063】
次に、ガイドレール(4a、4b)の上昇によりリードフレーム2が上昇する。この際、送りピン(6a、6b)はリードフレーム2上の穴(2a、2b)に挿入される。続いて、モータ32の駆動によりボールネジ30を介してアーム102を動作させ、送りピン(6a、6b)によりリードフレーム2が所望の量だけ移動される。
【0064】
以降、上記の繰り返しにより、リードフレーム2は順送りされる。
【0065】
ところで、通常のリードフレーム2搬送時には、モータ32の発生するトルクがボールネジ32及びアーム102を介して送りピン(3a、3b)に伝えられるが、このとき、アーム102は微小な変形をする。歪みゲージ(104、016)は、リードフレーム2の順送り動作毎にこの変形を検出する。リードフレームの順送り動作において、何らかの要因によりリードフレーム2がガイドレール(2a、2b)に引っ掛かったような場合、通常の順送り動作時に発生する微小変形より大きい変形がアーム102に発生する。歪みゲージ(104、106)に検出される変形がそのように大きいものであるならば、リードフレーム2の異常が確認されると共に、搬送が停止され得る。
【0066】
以上のように、実施の形態6においても、リードフレーム2及び金型の破損を回避できる
【0067】
実施の形態7.
図8は、本発明の実施の形態7に係る半導体製造装置の概略の側断面図である。図8の半導体製造装置は、定板122、下金型124、精密切り刃部品124a、上金型128、及び認識機器130を、含む。下金型124は定板122に固定されている。精密切り刃部品124aは下金型124に内蔵される。上金型128は下金型124に対応し、認識機器130は下金型124に内蔵される。
【0068】
図8の半導体製造装置において、下金型124と上金型128との間にて、リードフレーム126は一定方向にピッチ送りされる。リードフレーム126が所定の位置に搬送されると、上金型128に内蔵された認識機器130にてリードフレーム126に位置が確認され、そこで、上金型128の下降動作によりリードフレーム126が所望の形状に加工される。加工後、上金型128は上昇し、その後リードフレーム126はピッチ送りされる。このように、プレス動作とピッチ送りが繰り返される。
【0069】
上記の動作中に、何らかの要因によりリードフレーム126が引っ掛かり加工のための所定の位置に到達しないような場合、認識機器130によりリードフレーム126が正常位置に無いことが確認され、その確認を基にプレス下降動作が停止される。このようにして、上金型128、下金型124、及び精密切り刃部品124aが、破損するのを防ぐ。
【0070】
認識機器130は精密切り刃部品124aを監視しているのだから、精密切り刃部品124aに損傷などの異常がある場合に、直ちにプレス動作を停止するように構成することも可能である。そのように構成することでも、不良品の製造を最小限に留めることが可能となる。
【0071】
実施の形態8.
図9は、本発明の実施の形態8に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。図9の半導体製造装置では、リードフレーム2が搬送される。図9の半導体製造装置は、リード加工金型204、リードフレーム2を搬送する駆動系を駆動するモータ32、該モータ32の回転を直線運動に変換するボールネジ30、該ボールネジ30のナット部210、該ナット部210と同期して直線運動しリードフレーム2を搬送するユニットを動作するブロック212、リードフレーム2を固定し搬送するアーム8、及び、コントローラ216を含む。矢印218はリードフレーム2の搬送方向を示す。
【0072】
更に、図9の半導体製造装置は、リードフレーム搬送駆動系の反搬送方向のオーバランセンサ222、リードフレーム搬送駆動系の原点センサ224、及び、リードフレーム搬送駆動系の搬送方向のオーバランセンサ226を、含む。
【0073】
上記のコントローラ8は、半導体製造装置の制御に係るソフトウエア稼動部228、該ソフトウエア稼動部228のリードフレーム搬送駆動系への出力230、搬送駆動モータ32へのパルスジェネレータ232、搬送駆動モータ32を駆動するパルス出力234、搬送駆動モータ32のサーボアンプ236、及び、搬送駆動モータ32への駆動動力線238を含む。
【0074】
更に、コントローラ8には、オーバランセンサ222の信号をパルスジェネレータ232へ伝える信号線242、原点センサ224の信号をパルスジェネレータ232へ伝える信号線244、及び、オーバランセンサ226の信号をパルスジェネレータ232へ伝える信号線246が、付属する。
【0075】
図9の半導体製造装置において、リードフレーム2に加わった過負荷は、過負荷検出センサ262により検出される。即ち、ナット部210とブロック212は伸縮バネ266に繋がれているが、リードフレーム2に過負荷が加わるとブロック212は矢印268の方向に動作し、過負荷検出センサ262は遮光板264により遮光されて適宜の信号を生成する。その過負荷検出センサ262の信号は、信号線282によりソフトウエア稼動部228に伝達され、信号線284によりパルスジェネレータ232に伝達される。但し、(過負荷検出センサ262からの)信号線284の信号と、(オーバランセンサ226からの)信号線246の信号とは、論理回路286にて論理演算され、出力信号線288に出力される。
【0076】
図10は、実施の形態8において、過負荷検出センサ262からの信号線284の信号と、オーバランセンサ226からの信号線246の信号とを論理演算し、出力信号線288に出力する、論理回路286の概略の模式図である。図10に示すように2つの信号の論理和が演算されるから、過負荷検出センサ262からの信号と、オーバランセンサ226からの信号との、いずれかが“オン”であれば、“オン”の信号を出すことになる。
【0077】
図9の半導体製造装置におけるリードフレーム過負荷検出について説明する。
【0078】
リードフレーム2はアーム8に固定されて搬送方向218へ搬送される。この際に、リードフレーム2が何らかの要因により搬送を妨げられると、リードフレーム2に負荷が掛かり、その負荷はアーム8及びブロック212に伝わる。更にその負荷は伸縮バネ266に作用するが、リードフレーム2が破損又は変形する程度に到った場合には、この伸縮バネ266が伸張し、過負荷検出センサ262が遮光板264により遮光されて「リードフレーム過負荷」を検出する。
【0079】
この過負荷検出(信号)は、信号線282、信号線284、及び信号線288を介して、各々ソフトウエア稼動部228、及びパルスジェネレータ232へ伝達される。過負荷検出信号が伝達されたソフトウエア稼動部228は、搬送駆動モータ32を停止させるべく停止出力を搬送駆動系への出力230へ出力する。パルスジェネレータ232は、上記の出力230の停止信号、及び信号線288からの過負荷検出信号によって、搬送駆動モータ32を停止させるべく、搬送駆動モータ32を駆動しているパルス出力234を停止する。
【0080】
これらにより、搬送駆動サーボアンプ236は、駆動動力線238を介して搬送駆動モータを停止させる。
【0081】
実施の形態8の半導体製造装置では、ICであるパルスジェネレータ232へ信号線288を介して過負荷検出信号を伝達し得る。従って、過負荷検出信号が生成された際の搬送駆動モータ32を停止させるための所要時間が、ソフトウエア稼動部228のみで過負荷検出信号を確認し更にフレーム搬送駆動系を停止するための所要時間と比較して、非常に短時間となる。よって、リードフレーム2が過負荷により現実に破損又は変形する前に、搬送駆動モータ32が停止され得る。即ち、製品であるリードフレーム2の破損又は変形が防止され、保護される。
【0082】
なお、本実施の形態8では、伸縮バネ266の例えばバネ定数は、予めリードフレーム2を破損又は変形する力が調べられた上で、それに基づき設定されている。
【0083】
本実施の形態8において、リード加工金型204内でリードフレーム2が何らかの要因で搬送が妨げられ金型内でリードフレーム2の破損又は変形が発生したとしても、上述のように、信号線288からの過負荷検出信号によって搬送駆動モータ32が停止するので、更なるリードフレーム2の破損又は変形は防がれる。更に、過負荷検出信号が伝達されたソフトウエア稼動部228が、リード加工金型204でのプレス加工を停止すべく制御するように、設定することも可能である。このことにより、リードフレーム2への過負荷発生時に、リード加工金型204が破損又は変形したリードフレーム2をプレス加工してしまいリード加工金型204自身も破損又は変形してしまう、という事態は回避され得るようになる。
【0084】
また、本実施の形態8の半導体製造装置においては、前工程から投入されてくるリードフレーム2が既に変形している場合、やはり搬送負荷が大きくなる。その負荷が過負荷検出センサ262で検出される程度のものであれば、上述の機構の動作により搬送駆動モータ32は停止され、ソフトウエア稼動部228は、リードフレーム2の変形を間接的に検知できる。これらのことにより、前工程から投入されるリードフレーム2が既に変形しているか否かが、検出され得ることになる。更にこのときも、ソフトウエア稼動部228がリード加工金型204でのプレス加工を停止すべく制御するように設定することも可能であるから、前工程以前で既に破損又は変形したリードフレーム2をリード加工金型204がプレス加工してしまいリード加工金型204自身も破損又は変形してしまう、という事態は回避され得る。
【0085】
実施の形態9.
図11は、本発明の実施の形態9に係る半導体製造装置におけるリードフレーム過負荷検出センサ262の概略模式図である。実施の形態9のその他の構成は、実施の形態8と同様のものであるから、説明を省略する。
【0086】
図11のリードフレーム過負荷検出センサ262からの信号線282と信号線284とは、各々、ソフトウエア稼動部228とパルスジェネレータ232とへ伝達している。
【0087】
ここで、リードフレーム過負荷検出センサ262は、互いに論理が異なる2出力タイプとして構成されている。この2出力につき一方はソフトウエア稼動部228へ、他方はパルスジェネレータ232へと、接続することで、二重チェックを行うことが可能になる。
【0088】
例えば、図11に示されるように、ソフトウエア稼動部228へは「a接点」を接続し、パルスジェネレータ232へは「b接点」を接続するものとする。この場合に、リードフレーム過負荷検出センサ262が破損すると、信号線282及び信号線284は共に同時に「導通」又は「非導通」となる。また、信号線282及び信号線284が同時に断線又は短絡破損すると、やはり共に同時に「導通」又は「非導通」となる。即ち、どちらの場面においても信号線282及び信号線284が同時に同論理となる。このことにより、リードフレーム過負荷検出センサ262、信号線282、信号線284に係る破損(の一部)が検知され得ることになり、リードフレーム過負荷検出回路の信頼性を向上することができる。
【0089】
リードフレーム過負荷検出センサ262として、出力論理が異なるセンサを2個設けてもよい。同論理のセンサを2個用いてセンサに対する遮光板の状態を互いに投光と遮光の逆状態としてもよい。
【0090】
実施の形態10.
図12は、本発明の実施の形態10に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。図9の実施の形態8に係る半導体製造装置と略同様の構成であり、同一部位には同一符号を付し、差異を中心に説明する。
【0091】
実施の形態10に係る半導体製造装置には、ストッパ302が追加されている。このストッパ302は、アーム8を搬送方向にへ移動させた際にアーム8と干渉し合う位置に配置される。更にストッパ302は、アーム8と干渉した際にはアーム8に過負荷を与えるように設定される。
【0092】
ストッパ302の動作を以下説明する。
【0093】
アーム8の原点復帰時、又は自動動作開始時に、アーム8を搬送方向へ移動してアーム8とストッパ302とを干渉させ、アーム8に過負荷を与える。するとリードフレーム過負荷検出センサ262が遮光板264で遮光されて過負荷検出センサ262から過負荷検出信号が出力され、該過負荷検出信号は信号線282と信号線284とを介して、ソフトウエア稼動部228及びパルスジェネレータ232へ入力される。
【0094】
ストッパ302が、アーム8の搬送方向への移動時の、動作範囲限界として設置されれば、リードフレーム過負荷検出機構及び過負荷検出回路の動作が、正常であるか否かの(自己)診断が可能となる。ただし、ストッパ302とアーム8との干渉位置、即ち、ストッパ302の設置位置は、アーム8の通常動作範囲の外とされる。よって、アーム8は通常動作時にはストッパ302と干渉することは無い。
【0095】
【発明の効果】
本発明を利用することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0096】
本発明に係る請求項1に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム搬送に関する異常を速やかに検出することができる。
【0097】
本発明に係る請求項2に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム搬送に関する異常を速やかに検出することができる。
【0098】
本発明に係る請求項3に記載の半導体製造装置を利用することにより、検出されたリードフレーム搬送に関する異常状況を、駆動系に速やかに伝達することができる。よって、リードフレームや金型の破損又は変形を極力避けることができる。また、前工程以前で既にリードフレームに破損又は変形が生じてしまっている場合に、その異常(破損又は変形)を検出できることになる。前工程での異常を把握できれば、その異常による金型の破損等も防げる。
【0099】
本発明に係る請求項4に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム過負荷検出回路の信頼性を向上することができる。
【0100】
本発明に係る請求項5に記載の半導体製造装置を利用することにより、リードフレーム過負荷検出機構及び過負荷検出回路の動作が、正常であるか否かの(自己)診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)本発明の実施の形態1に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)(1)の機構の一部に係る拡大斜視図である。
【図2】(1)本発明の実施の形態2に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)実施の形態2における搬送トルクと時間の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態3に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図である。
【図6】(1)図5の機構の一部に係る拡大斜視図と、(2)(1)の一部の拡大縦断面図である。
【図7】(1)本発明の実施の形態6に係る半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)(1)の機構の一部に係る拡大斜平面図である。
【図8】本発明の実施の形態7に係る半導体製造装置の概略の側断面図である。
【図9】本発明の実施の形態8に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。
【図10】実施の形態8において、過負荷検出センサからの信号線の信号と、オーバランセンサからの信号線の信号とを論理演算し、出力信号線に出力する、論理回路の概略の模式図である。
【図11】本発明の実施の形態9に係る半導体製造装置におけるリードフレーム過負荷検出センサの概略模式図である。
【図12】本発明の実施の形態10に係る半導体製造装置の概略の構成を示す平面図である。
【図13】(1)従来の半導体製造装置のリードフレーム搬送に係る機構の概略の平面図と、(2)(1)の一部に係る拡大斜視図である。
【符号の説明】
2 リードフレーム、 2a、2b ピン孔(穴)、 4a、4b ガイドレール、 6a、6b、82、84 送りピン、 8 アーム、 30 ボールネジ、 32 モータ、 82a 切り欠き、 88 検出器、 104、106歪みゲージ、 222 オーバランセンサ、 224 原点センサ、 226オーバランセンサ、 228 ソフトウエア稼動部、 232 パルスジェネレータ、 262 過負荷検出センサ、 286 論理回路、 302 ストッパ。
Claims (5)
- 半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動されるように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記所定値に達すると上記ピンの外周の一部に設けられた上記小径部が折損し更にその折損が自動検出されることにより、上記停止を自動的に行う手段であることを特徴とする、
半導体製造装置。 - 半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記ピンホルダの応力が集中する切り欠きに装着された歪みゲージの出力に基づき上記停止を自動的に行う手段であることを特徴とする、
半導体製造装置。 - 半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置において、
上記の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段は、上記摺動抵抗が所定値に達したことを検出する過負荷センサを含み、その検出信号を、ハードウエア系統である上記駆動源の搬送方向オーバランセンサ経路とソフトウエア系統である制御プログラムとの、2系統に反映させて上記停止を行うことを特徴とする、
半導体製造装置。 - 上記過負荷センサは、互いに論理の異なる2出力型であり、
上記過負荷センサが、摺動抵抗が所定値に達したことを検出したとき、
その出力の一方がソフトウエア系統である制御プログラムに反映され、他方がハードウエア系統である上記駆動源の搬送方向オーバランセンサ経路に反映され、それら2系統の利用により駆動源の駆動の停止が為されることを特徴とする、
請求項3に記載の半導体製造装置。 - 半導体チップを搭載するリードフレームが所定の水平方向に摺動され得るように支持すると共に、所定の範囲の上下動を断続的に繰り返し行うガイドレールと、
上記上下動が上限において停止した状態にて、上記リードフレームのピン孔に嵌入され、上記ガイドレールの下動に伴い上記ピン孔から抜け出るピンと、
上記ピンを支持するピンホルダと、
上記ピンホルダを駆動して上記ガイドレールに支持された上記リードフレームを摺動し、更に上記ピンが上記ピン孔から抜け出た状態にて上記摺動の原点に向かって原点復帰動作を行う駆動源と、
上記摺動の摺動抵抗が所定値に達すると上記駆動源の駆動を停止させる手段とを含む半導体製造装置において、
摺動抵抗に相当する試験用負荷が、駆動源に対し選択的に加えられ、
よって過負荷検出機構の動作が正常であるか否かの自己診断が可能であることを特徴とする、
半導体製造装置。
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