JP2004031170A - 二次電池の内部抵抗検出装置及びこれを使用する充電制御システム - Google Patents

二次電池の内部抵抗検出装置及びこれを使用する充電制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、分極の影響度合い及び電流と電圧の関係の特性を考慮して二次電池の内部抵抗を高精度に算出することができる二次電池の内部抵抗検出装置の提供を目的とする。
【解決手段】二次電池Bの端子電圧を検出する電圧検出手段50と、上記二次電池Bに流れる電流を検出する電流検出手段40と、上記二次電池Bの分極状態を検出する分極状態検出手段70とを備えており、この分極状態検出手段70によって所定の放電分極状態であると判断した場合であって、上記二次電池Bが数秒間前に充電が行われていない場合に、上記二次電池Bの電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶し、上記記憶データ数Nが所定値を超えた場合に、この記憶データを用いて上記二次電池Bの内部抵抗Rを算出する。
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池の内部抵抗検出装置に係り、より詳細には、分極の影響が小さいデータを用いて内部抵抗を精度良く算出できる二次電池の内部抵抗検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池使用中の電流を一定のサンプリング周期で検出して、検出電流から電池の分極状態を検出する技術として、例えば特開平10−319100や特開2000−123886公報には、充放電による電極近傍の溶液濃度変化とこの解消分とに基づき分極の影響度合いを示す分極指数なる指数を用いる技術が開示されている。この分極指数を利用することにより、車両走行中の検出電流を監視して電池の分極状態を予測することが可能となり、これにより、電池の充電状態(SOC)を精度よく検出することが可能となる。
【0003】
また、例えば特開2000−258514公報においては、電池電流の充放電履歴を考慮して算出された分極起電力を利用して、予め測定されている起電力と電池の充電状態との関係を補正する技術が開示されている。この技術によれば、電池の分極起電力の影響が適切に補償されるので、電池の充電状態を精度よく検出することが可能となる。
【0004】
また、例えば特開平8−29506公報においては、電池の分極の影響を回避するため、車両の停車状態を確認し、その直後の車両加速状態における電池からの放電電流と電池電圧との関係から、電池の内部抵抗を算出する技術が開示されている。この技術は、車両停車直後の加速時における放電電流が分極の影響を受けることなく零から線形的に変化することを利用して、電池の内部抵抗を精度よく算出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電池の内部抵抗の増加は、エンジン等の始動性の低下を招くものであるため、電池の内部抵抗の増加を的確に検出することにより、当該始動性の低下を未然に防止することは有効である。この電池の内部抵抗を高精度に算出するためには、電池の充電状態の判断時と同様に、電池の分極状態を考慮する必要がある。
【0006】
しかしながら、電池の内部抵抗を算出するために利用する電流と電圧の関係は、電池の充電状態を検出する際に利用する関係とは全く異なる態様で、電池の分極状態に依存する場合がある。例えば、電流と電圧の関係は、電池が同一の分極状態にある場合であっても、電池が充電中か或いは放電中かによって異なる特性を有する。また、放電が継続する放電分極状態であっても、充電が行われた後再び放電が続いた場合には、当該充電後数秒間は、電流と電圧の関係の線形性が損なわれるという特性を有する。尚、これらの特性は、本発明の発明者による試験により確認されたものであり、後に詳説する。従って、電池の内部抵抗は、これらの特性を的確に認識した上で算出されることが望ましい。
【0007】
一方、上記特開平10−319100、特開2000−123886及び特開2000−258514公報に記載の技術は、分極の影響度合いを考慮して電池の充電状態を判断するものであり、これらの公報においては、分極の影響度合いを考慮して電池の内部抵抗を算出する技術については言及されていない。
【0008】
また、上記特開平8−29506公報に記載の技術は、分極の影響を受けない車両停車直後の加速時における検出値を利用するものであり、この公報においては、車両走行中の検出値を利用して内部抵抗を算出する技術については言及されていない。
【0009】
そこで、本発明は、車両走行中においても、分極の影響度合い及び電流と電圧の関係の特性を考慮して二次電池の内部抵抗を高精度に算出することができる、新規且つ有用な二次電池の内部抵抗検出装置及びこれを使用する充電制御システムの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、二次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、上記二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、上記二次電池の分極状態を検出する分極状態検出手段とを含み、
上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態である場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶し、上記記憶データの数が所定数を超えた場合に、上記記憶データを用いて上記二次電池の内部抵抗を算出することを特徴とする、二次電池の内部抵抗検出装置によって達成される。
【0011】
上記発明によれば、分極状態検出手段によって二次電池の分極状態が検出され、放電が継続している放電分極状態の電流データ及び電圧データのみが、二次電池の内部抵抗を算出するために選別されるので、二次電池の内部抵抗を高精度に算出することができる。即ち、放電分極状態においては、充電分極状態においてよりも、各検出電流に対する検出電圧のバラツキが小さいことを考慮し、放電分極状態における電流と電圧の関係のみを内部抵抗の算出に利用することにより、誤差の非常に少ない内部抵抗の算出を達成することができる。尚、分極状態検出手段は、分極指数を用いて二次電池の分極状態を判断してよく、或いは、密度計、濃度計、比重計若しくはその類を用いて判断してもよい。
【0012】
また、請求項2に記載する如く、請求項1記載の二次電池の内部抵抗検出装置において、上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態であり、且つ、上記二次電池が数秒間前に充電が行われていない場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶することとすると、二次電池の内部抵抗を更に高精度に算出することができる。
【0013】
即ち、放電分極状態であっても、充電が行われた後、数秒間は電流と電圧の関係が非線形となることを考慮し、当該非線形となる電流と電圧の関係を内部抵抗の算出に利用しないことにより、二次電池の内部抵抗を更に高精度に算出することができる。尚、上記「非線形となる電流と電圧の関係を内部抵抗の算出に利用しないこと」は、内部抵抗の算出に利用する電流データ及び電圧データを記憶する際に、直前の数秒間の充放電履歴を監視し、放電分極状態であっても当該直前の数秒間に充電が行われていた場合には、当該直前の数秒間に検出された電流データ及び電圧データを記憶データとして記憶しないことにより実現されてよい。
【0014】
また、請求項1又は2記載の二次電池の内部抵抗検出装置において、請求項3に記載する如く、上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態であり、且つ、上記電流検出手段が検出する電流の値が、充電を正と定義したときに所定の値より小さい場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶し、或いは、
請求項4に記載する如く、上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態であり、且つ、上記電流検出手段が検出する電流が放電電流である場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶することとすると、二次電池の内部抵抗を一層高精度に算出することができる。
【0015】
即ち、放電分極状態において、検出電流が充電電流であり所定の値より大きくなると、水素過電圧により電圧が見かけ上高くなり、電流と電圧の関係が非線形となることを考慮し、放電分極状態における線形性の保たれた電流と電圧の関係のみを内部抵抗の算出に利用することにより、誤差の更に少ない内部抵抗の算出を達成することができる。
【0016】
また、請求項5に記載する如く、請求項1乃至4のうちのいずれか1項の二次電池の内部抵抗検出装置において、上記記憶データは、移動平均データであり、上記二次電池の上記内部抵抗は、該移動平均データに対する最小2乗法により算出されることとすると、内部抵抗の計算が容易となり、計算精度も向上する。
【0017】
また、上記目的は、請求項6に記載する如く、請求項1乃至5のうちのいずれか1項の二次電池の内部抵抗検出装置と、上記二次電池の温度を検出する温度検出手段とを含み、
上記内部抵抗検出装置により算出された上記二次電池の上記内部抵抗の値は、上記二次電池の温度に応じて補正され、補正された上記内部抵抗が所定の値を超える場合に上記二次電池が劣化したと判断することを特徴とする、充電制御システムによって達成される。
【0018】
上記発明によれば、高精度に算出された内部抵抗を基づいて、内部抵抗の増加を伴う二次電池の劣化の検出が行われるので、エンジン等の始動性の低下を未然に確実に防止することができ、充電制御システムの安全性を更に高めることができる。
【0019】
本発明の他の目的、構成及び効果は、図面を参照して行う以下の実施形態の説明から、より明らかになるだろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る内部抵抗検出方法を使用する、車両用バッテリを充電制御するための充電制御システム90の実施形態を示す。尚、このバッテリは、鉛蓄電池のような二次電池Bにより構成されている。
【0021】
この充電制御システム90は、図1に示すように、交流発電機10(以下、発電機10という)と、整流器20と、レギュレータ30とを備えている。発電機10は、車両のエンジンにより駆動されて交流電圧を発生する。整流器20は、発電機10の交流電圧を整流して整流電圧を発生し二次電池B及びレギュレータ30に供給する。レギュレータ30は、後述するマイクロコンピュータ70による制御のもと、整流器20の整流電圧を調整して二次電池B及び電気的負荷Lに出力する。
【0022】
また、この充電制御システム90は、電流センサ40と、電圧センサ50と、マイクロコンピュータ70とを備えている。電流センサ40は、二次電池Bの充電電流或いは放電電流を所定のサンプリング周期で検出する。同様に、電圧センサ50は、二次電池Bの端子電圧を所定のサンプリング周期で検出する。マイクロコンピュータ70は、後述するフローチャートに従って制御プログラムを実行する。この制御プログラムの実行中に、マイクロコンピュータ70は、電流センサ40が検出する電流(以下、これを「検出電流」という)と電圧センサ50が検出する端子電圧(以下、これを「検出電圧」という)とに基づき二次電池Bの内部抵抗を算出、レギュレータ30の制御に要する処理やデータの記憶処理などを行う。尚、マイクロコンピュータ70は、二次電池Bから常時給電されて作動状態にあり、車両のイグニッションスイッチIGのオンにより、後述する制御プログラムの実行を開始する。尚、この制御プログラムはマイクロコンピュータ70のROMに予め記憶されている。
【0023】
<分極指数>
本発明に係る内部抵抗検出方法は、分極状態(分極の影響度合い)を表す指数として、次式で与えられる分極指数Pを用いる。
【0024】
【数1】
Figure 2004031170
この分極指数P(単位:A・sec)は、電極近傍の溶液濃度を電気量で表現したものであり、充放電による電極近傍の溶液濃度変化及び拡散による解消分を考慮している。尚、本明細書中において、この分極指数PがP<0である状態を、放電が継続している放電分極状態と称し、P≧0である状態を、充電が継続している充電分極状態と称する。
【0025】
ここで、式1において、Iは二次電池Bに流れる電流(A)であり、I>0を充電、I<0を放電とする。γは二次電池Bの充電効率の変動に対する補正項(二次電池Bの充電時に0〜1の値となるが、充放電が繰り返される場合は、ほぼ1となる)である。tは時間(秒)である。また、Idは二次電池B内の分極に起因する補正項である。そして、P’をt1の1周期前における指数Pの値とし、a、bをそれぞれ定数とすると、P’>0のとき、Id=a×P’であり、P’=0のとき、Id=0であり、P’<0のとき、Id=b×P’である。ここで定数a、bを使い分ける理由は、放電後と充電後で分極の影響時間が異なるためである。尚、式1は、マイクロコンピュータ70のROMに予め記憶されている。
【0026】
<電流−電圧特性の選別結果>
本発明の発明者は、上記分極指数Pを用いて、同一の分極状態の電流−電圧特性を選別した。図2は、電流センサ40からの検出電流及び電圧センサ50からの検出電圧をサンプリング毎にプロットした選別前のプロット分布図であり、検出電流I>0を充電、I<0を放電とする。尚、使用した2つの二次電池Bは、充電状態(SOC)がそれぞれ95%及び70%であり、当該充電状態は、当該検出中維持されていた。また、図2及び後に参照する図3の各図において、充電状態95%のデータは、▲印により示され、充電状態70%のデータは、○印により示される。
【0027】
図3(A)は、図2の検出電流及び検出電圧のデータから、分極指数PがP<−100である検出電流及び検出電圧のデータを抽出(選別)してプロットしたプロット分布図であり、図3(B)は、図2の検出電流及び検出電圧のデータから、分極指数PがP>400となる検出電流及び検出電圧のデータを抽出(選別)してプロットしたプロット分布図である。
【0028】
図3(A)及び図3(B)に示す結果から理解できるように、分極指数Pに従って選別された検出電流及び検出電圧のデータ分布は、図2における分布とは対照的に、検出電流に対する検出電圧のプロット点の分布範囲が小さく(即ち、バラツキが少なく)、特に図3(A)に示すP<−100の範囲では、検出電流に対する検出電圧のプロット点のバラツキが極めて少なくなっている。この結果から、分極指数Pに従って選別された検出電流と検出電圧の関係から、例えば最小2乗法による直線近似により、二次電池Bの内部抵抗を良好な精度で算出できることが確認された。
【0029】
また、図3(A)及び図3(B)において、電流が正方向に増加すると、水素過電圧の影響により、電圧が見かけ上高くなることがわかる。従って、検出電流が充電方向に増加していくと、放電中に維持されていた検出電流と検出電圧との間の線形的な関係が損なわれることになる。この結果から、放電中の検出電流と検出電圧の関係、或いは、上述したような水素過電圧の影響を大きく受けない範囲の検出電流と検出電圧の関係を利用することにより、精度の良好な内部抵抗の算出が可能であることが確認された。
【0030】
更に、本発明の発明者は、放電中の検出電流と検出電圧の線形的な関係のロバスト性を検証するため、放電が継続する放電分極状態において充電が実施された場合の電流値と電圧値を測定した。図4は、鉛蓄電池である二次電池Bに対して、放電を続けた状態から2秒間充電を行い、続いて放電を行った場合における、電圧、電流、及び上記式1で求めた分極指数Pの関係を示している。ここで、電流I>0を充電、I<0を放電とする。
【0031】
図4に示す結果から理解できるように、放電が続く放電分極状態であっても充電が行われ、再び放電が続いた場合には、充電後数秒間は、電流と電圧の関係が非線形となることがわかる。この数秒間は、約3秒であり、充電分極状態で放電が行われた場合でもほぼ同じであり、電流値や電池温度、二次電池の充電状態、充放電時間が違う場合でもほぼ同じであった。この結果から、この充電後数秒間の検出電流と検出電圧の関係を用いることなく内部抵抗を算出することで、内部抵抗の算出精度の低下を防止できることが見出された。
【0032】
<本発明による内部抵抗検出方法>
次に、本発明による内部抵抗検出方法を実現するための制御プログラムの作動について図5を用いて説明する。
【0033】
車両のイグニッションスイッチIGのオンにより、制御プログラムの実行が開始されると、ステップ100において、後述する二次電池の分極状態を表す指数Pの値をゼロに、内部抵抗Rの算出に使用する一時記憶データ数Nをゼロにリセットし、さらに、充放電状態を監視するための指数P3の値を0(秒)にリセットする。
【0034】
次いで、ステップ110から220の処理をサンプリング周期Δt毎に実施する。ステップ110では、電流センサ40の検出電流I、電圧センサ50の検出電圧Vが読み込まれる。続くステップ120において、二次電池Bの分極状態を表す指数Pが、上記式1に基づき、ステップ110で読み込んだ検出電流Iに応じて算出される。
【0035】
指数Pが算出されると、続くステップ130において、指数Pが所定値、例えば0(A・sec)よりも小さいか否か(−300<P<−100といった範囲を指定するようにしてもよい)、且つ、検出電流Iが例えば0(A)よりも小さいか否か、且つ、充放電状態を監視するための指数P3(後に詳説する)が0以下(P3≦0)であるか否かが判定される。いずれかの条件が満たされない場合は、ステップ190に進み、すべての条件が満たされた場合は、続くステップ140で、上記検出電流Iと検出電圧Vをマイクロコンピュータ70のRAMに一時記憶すると共に記憶データ数Nを1増加させる。
【0036】
ステップ150では、記憶データ数Nが所定の数を超えたか否かや、記憶電流値の範囲が所定値以上あるか否かといった、算出条件が成立しているか否かの判定が行われる。判定が否定された場合は、ステップ190に進み、肯定された場合は、ステップ160に進む。尚、算出に必要な記憶データ数Nは、次のステップ160による算出時に必要とされる算出精度や、上記ステップ130での選別条件等に依存する。
【0037】
ステップ160では、RAMに一時記憶された一時記憶データを用いて、例えば最小2乗法により二次電池Bの内部抵抗Rを算出し、記憶データ数Nと一時記憶データの初期化を行う。或いは、この初期化を行わずに一時記憶した移動平均データ(最新のデータが記憶されたときに最も古いデータを破棄する方式により得られる一定数の記憶データ)に対し最小2乗法を用いて内部抵抗Rを算出するようにしてもよい。これらの算出に使用される一時記憶データは、上記ステップ130により分極指数P及び検出電流Iに基づき選別されたバラツキの少ないデータ(図3参照)であるので、内部抵抗Rの算出精度が向上されることになる。
【0038】
ステップ170では、ステップ160で算出した内部抵抗Rが所定値RLimitよりも小さいか否かの判定が行われる。判定が否定された場合は、ステップ180に進み、ユーザに注意を喚起するための警告表示がマイクロコンピュータ70に指示されてよく、或いは、内部抵抗Rの増加に対応した制御、例えば充電(調整)電圧を高めに設定したフロート充電制御への移行がマイクロコンピュータ70に指示されてもよい。尚、このフロート充電制御が実行されると、二次電池Bが完全な充電状態に維持されることになる。
【0039】
ここで、二次電池Bの内部抵抗Rは温度に応じて変化するため、電池温度Tを検出する手段(図示せず)を追加し、検出温度Tに応じて上記内部抵抗Rを補正して所定値RLimitと比較するようにしてもよい。図6は、例えば鉛蓄電池である二次電池Bの電池温度Tと内部抵抗Rの一例(放電深度DOD5%時)を示したものである。この場合、上記検出温度Tに応じて上記内部抵抗Rに図6に示す補正係数Kの逆数を掛けた値と所定値RLimitの比較を行うようにすればよい。このような比較の結果、ステップ170で判定が肯定された場合は、続くステップ190へ進む。
【0040】
ステップ190では、検出電流Iがゼロよりも大きいか否かの判定が行われる。判定が否定された場合は、ステップ200に進み、上記指数P3が、P3=P3’−Δtなる式に基づき、1周期前の指数P3’とサンプリング周期Δtに応じて算出される。判定が肯定された場合は、続くステップ210で、例えば3秒前までの充放電状態を監視するために指数P3を3(秒)にセットする。これにより、充電が行われると充電後少なくとも3秒間、上記ステップ130でP3≦0の条件を満足しないため、検出電流Iと検出電圧Vが内部抵抗Rの算出用のデータとしてRAMに一時記憶されることが防止される。この結果、放電分極状態で、さらに3秒前から現在の間に充電が行われていない場合の一時記憶データのみが算出に利用されるので、内部抵抗Rの算出精度が一層向上されることになる。尚、この3秒は、図4に示すように放電分極状態(P<0)であっても途中で充電が行われ、続いて放電が行われた場合に、電流と電圧の関係が3秒間、非線形となることに着目して設定されている。
【0041】
ステップ220では、イグニッションスイッチIGがオフされたか否かを判定し、判定が否定された場合は、ステップ110以後の処理が繰り返される。一方、判定が肯定された場合は、処理を終了する。
【0042】
以上説明したように、本発明によると、放電分極状態であり、且つ、3秒前から現在の間に充電が行われていない場合における放電中の電流と電圧を用いて二次電池Bの内部抵抗Rが算出されるので、非常に良好な精度で二次電池の内部抵抗を算出できるようになる。
【0043】
尚、特許請求の範囲に記載した「分極状態検出手段」は、発明の詳細な説明に記載した制御プログラムのステップ130をマイクロコンピュータ70が実行することによって実現されている。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、上述した実施例におけるステップ130では、一例として、検出電流Iが0(A)よりも小さいか否かが判定されているが、0(A)以外の所定値を使用してもよい。この所定値は、0(A)より小さくてよいことは勿論であるが、図3(A)を参照して説明したように、水素過電圧に影響を受けない範囲内の値であれば、電流と電圧の線形的な関係が損なわれることなく、同等に高精度な内部抵抗の算出を実現することができる。
【0045】
また、上述した実施例においては、分極状態を判断するために、式1で定義された分極指数を使用していたが、特にこの式1に限定されるものではなく、式1に変更を加えた式、同一の観点から導出された式若しくはその類の式を本発明に適用することもできる。また、上述の式に代わって、密度計、濃度計、比重計若しくはその類を用いることにより、分極状態を物理的に判断してもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1の発明によると、放電分極状態の検出電流と検出電圧を選別するので、バラツキの少ない電流と電圧の関係に基づいて内部抵抗を算出することができる。
【0047】
また、請求項2の発明によると、放電分極状態における充電の実施に起因して非線形な関係となるデータが破棄されるので、二次電池の内部抵抗を更に高精度に算出することができる。
【0048】
また、請求項3又は4の発明によると、請求項1又は2の発明の効果に加えて、水素過電圧の影響を受けることのない高精度な内部抵抗の算出を達成することができる。また、請求項5の発明によると、計算処理の負担が軽減される。また、請求項6の発明によると、安全性が一層向上された充電制御システムを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用バッテリを充電制御する充電制御システム90を示す図である。
【図2】検出電流値に対する検出電圧値の選別前の分布状態を示すプロット図である。
【図3】検出電流値に対する検出電圧値の選別後の分布状態を示すプロット図であり、図3(A)は、P<−100による選別結果、図3(B)は、P>400による選別結果を示す。
【図4】放電分極状態における充電の実施の影響を示す図であり、電圧、電流、及び分極指数Pの関係を示す。
【図5】本発明によるマイクロコンピュータ70の動作を示すフローチャートである。
【図6】二次電池の電池温度と内部抵抗の関係を示す図である。
【符号の説明】
10  交流発電機
20  整流器
30  レギュレータ
40  電流センサ
50  電圧センサ
70  マイクロコンピュータ
90  充電制御システム
B  二次電池
L  電気的負荷

Claims (6)

  1. 二次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、上記二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、上記二次電池の分極状態を検出する分極状態検出手段とを含み、
    上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態である場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶し、上記記憶データの数が所定数を超えた場合に、上記記憶データを用いて上記二次電池の内部抵抗を算出することを特徴とする、二次電池の内部抵抗検出装置。
  2. 上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態であり、且つ、上記二次電池が数秒間前に充電が行われていない場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶する、請求項1記載の二次電池の内部抵抗検出装置。
  3. 上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態であり、且つ、上記電流検出手段が検出する電流の値が、充電を正と定義したときに所定の値より小さい場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶する、請求項1又は2記載の二次電池の内部抵抗検出装置。
  4. 上記二次電池の上記分極状態が所定の放電分極状態であり、且つ、上記電流検出手段が検出する電流が放電電流である場合に、上記二次電池の電圧データ及び電流データを記憶データとして記憶する、請求項1又は2記載の二次電池の内部抵抗検出装置。
  5. 上記記憶データは、移動平均データであり、上記二次電池の上記内部抵抗は、該移動平均データに対する最小2乗法により算出される、請求項1乃至4のうちのいずれか1項の二次電池の内部抵抗検出装置。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか1項の二次電池の内部抵抗検出装置と、二次電池の温度を検出する温度検出手段とを含み、
    上記内部抵抗検出装置により算出された上記二次電池の上記内部抵抗の値は、上記二次電池の温度に応じて補正され、補正された上記内部抵抗が所定の値を超える場合に上記二次電池が劣化したと判断することを特徴とする、充電制御システム。
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