JP2004031080A - 高圧放電ランプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ランプが安定点灯状態にあるときに一対の主電極6R、6Lが対向して配置される発光管2の発光部3の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持するヒータ4が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の主電極が対向して配置される発光管の発光部内に水銀が封入された高圧放電ランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタや投射型液晶ディスプレイ装置等のバックライトは、矩形状のスクリーンに対して充分な輝度、効率及び演色性を以って均一に画像を投射することが要求されるため、その光源として、一対の主電極が対向して配置される発光管の発光部内に水銀や金属ハロゲン化物を封入した高圧放電ランプが用いられている。そして近時は、その光源の小型化、点光源化をより一層推進することが求められている。
【0003】これらの要求に鑑み、金属ハロゲン化物を封入した高圧放電ランプに代わって、0.15mg/mm3以上の水銀を封入してランプの安定点灯時における水銀蒸気圧が100気圧を超える超高圧水銀ランプと称する高圧放電ランプが提案されている(特開平2−148561号公報、特開平6−52830号公報)。
【0004】この種のランプは、高輝度・高効率・高演色性を実現するために、ランプの安定点灯時における発光部内の水銀蒸気圧を100気圧以上に高めることにより、主電極間に生ずるアークの径方向の拡がりを抑えて光出力を向上させるようにしたもので、その発光管のシール部は、耐圧性を高めるために排気用の細管を設けない所謂溶封タイプとし、また、発光部の肉厚は、自動車の前照灯等に用いる高圧放電ランプのそれに比べて約3倍の2mm前後としている。
【0005】しかし、このように肉厚が大きい発光部は、熱容量が大きくて温まり難いので、ランプの点灯始動時に発光部の内面に溜まっている液滴状の水銀が温められて水銀蒸気となり、その蒸気分圧が上昇してランプの光出力が立ち上がるまでにかなりの時間を要し、例えば150W程度のランプでは、実に約60秒もの時間を要する。
【0006】そのため、この種のランプをバックライトとする液晶プロジェクタや投射型液晶ディスプレイ装置は、立ち上がりが遅く、これら装置をプレゼンテーションなどに使用したときに、スクリーンが画像を投射するに充分な明るさに達するまでの待ち時間が長いという問題があった。
【0007】この立ち上がりの遅さを改善するために、発光管のシール部に電熱線を巻装して成るヒータによって、ランプの点灯始動前に発光部の表面温度を予め100℃以上に加熱する手段が提案されている(特開2001−266797号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ランプは、いつ点灯始動されるか分からないので、点灯始動前に発光部を予熱しようとすれば、その予熱を行うヒータは、ランプを点灯しないときも常時通電状態にしておかなければならないので、電力消費量が著しく嵩むという問題がある。また、モバイル系と称される携帯型のディスプレイ装置などは、バックライトとなるランプの発光管にヒータを設けたとしても、該装置を持ち運ぶ際は、そのヒータに通電して発光管の発光部を予熱することができないため、持ち運んで直ぐ使用する場合はランプの光出力の立ち上がりが遅くなってしまう。
【0009】また、近時は、ランプの光学的効率を高めるうえで、ランプ電力を変更せずにショートアーク化することが望まれており、そのためには、発光部の大きさや形状を変えずに、その発光部内に対向して配置される主電極間の距離を狭めることによってアーク長を短くせざるを得ないが、主電極間の距離を狭めると、その分だけ各主電極の背面側に生ずるシャドウの面積が大きくなって、発光部の内面における温度差が大きくなり、シャドウの中心に位置する各主電極の固定箇所近傍における発光部の内面温度は、従来のアーク長の長いものに比べて著しく低温となる。
【0010】すなわち、図4は、同一の大きさ及び形状を有する発光管40の発光部41内に対向して配置された主電極42R、42L間の距離が異なるものを対比して示すもので、同図(a)の如く主電極42R、42L間の距離が広くてアーク長が長いものは、主電極42R、42Lの各々の背面側に生ずるシャドウ43の面積が比較的小さいのに対し、同図(b)の如く主電極42R、42L間の距離を狭めてアーク長を短くしたものは、その背面側に生ずるシャドウ43の面積が大きい。
【0011】このため、図4(b)の発光部41は、シャドウ43の中心に位置する各主電極42R、42Lの固定箇所近傍における内面の温度が他に比べて著しく低くなり、ランプが安定点灯状態にあるときも、その最低温度となる内面に未蒸発の水銀が溜まりやすい。したがって、発光部41の内部に0.15mg/mm3以上の水銀を封入しても、その水銀量に見合った蒸気分圧を得ることができず、安定点灯時のランプ電圧は規格範囲よりも著しく低くなり、ランプ電流は規格範囲よりも大きな値となるので、主電極42R、42Lの損耗が早まり、その電極材であるタングステンの蒸発飛散による発光部41内面の黒化が早期に生じて、ランプ寿命が損なわれるおそれがある。
【0012】また、発光部41の内面に未蒸発の水銀が溜まるような低温部分があると、ハロゲン化合物によって黒化を防止するハロゲンサイクルが活発に行われず、そのハロゲンサイクルに異常を来して早期に黒化を生ずる原因となる。
【0013】また、定格電力未満の低電力でランプを点灯させる調光点灯を行なう場合も、発光部の内面に著しく温度の低い部分があると、水銀の未蒸発によるランプ電圧の低下や光色不良、不安定な放電等を生ずるおそれがある。
【0014】そこで本発明は、ランプの光学的効率を向上させるためにそのアーク長を短くした場合や、調光点灯を行なう場合に、発光管の発光部内に封入された水銀の未蒸発によって、ランプ電圧の低下や光色不良を生じたり、主電極の損耗が早まったり、その電極材であるタングステンの蒸発飛散による発光部内面の黒化が早期に生じたりしないようにすることを主たる技術的課題とし、また、同時に、ランプの点灯始動前に発光管を予熱せずに光出力の立ち上がりを速めることを従たる技術的課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、一対の主電極が対向して配置される発光管の発光部内に水銀が封入された高圧放電ランプ装置において、ランプが安定点灯状態にあるときに前記発光部の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持するヒータが設けられていることを特徴とする。
【0016】本発明によれば、ランプが安定点灯状態にあるときに、ヒータによって発光部の内面における最低温度が未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持されることにより、発光部に封入された水銀量に見合うだけの充分な蒸気分圧が得られるので、安定点灯時のランプ電圧やランプ電流が規格範囲を逸脱することがなく、また、ハロゲンサイクルに異常を来すこともないので、主電極の損耗や発光部内面の黒化が早期に進行するおそれが解消される。更に、前記ヒータを利用して、ランプを点灯始動させる際に発光管の発光部を加熱することにより、光出力の立ち上がりを速めることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面によって具体的に説明する。
図1は本発明による高圧放電ランプ装置の一例を示す図、図2はその立ちあがり特性の一例を示すグラフ、図3はヒータへの通電量を可変制御する通電コントローラの制御手順の一例を示すフローチャートである。
【0018】本例の高圧放電ランプ装置は、例えばアーク長を従来の1.5mmに比べて著しく短い0.8mmとした150Wの超高圧水銀ランプ1に発光管2の発光部3を加熱するためのヒータ4が設けられている。発光部3は、約60mm3程度の内容積を有し、その内部には、該発光部3の両端を封止するシール部5R、5Lに埋設して固定された一対の主電極6R、6Lが互いに対向して配置されると共に、水銀が約12mg、点灯始動用補助ガスとなるアルゴンが約20kPa(常温時)封入されている。
【0019】ヒータ4は、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウムなどを主成分とする線径約0.29mm、長さ170mmの電熱線で成り、該電熱線を一方のシール部5Rから発光部3を跨いで他方のシール部5Lへ至るように発光管2の外表面にスパイラル状に巻装させると共に、シール部5R及び5Lの発光部3に近い側を夫々密巻きにして、該電熱線に15V−3.6Aの電力を供給すると外気中で数秒後に約1000℃の温度に到達すべく設計された54Wのヒータとなっている。
【0020】図中7は、ランプ1の電極端子8R、8Lとランプ電源9との間に接続されたランプ点灯装置であって、該点灯装置7は、ランプ1の点灯始動に必要な電気的条件を与える始動装置10や、ランプ電流を規定値に制御する安定器11のほかに、ランプ1の主電極6R、6L間の電圧を検出してその検出信号を出力する電圧検出器12を備えている。なお、ランプ電源9は、ヒータ4の電源をも兼ねている。
【0021】図中13は、ヒータ4への通電量を可変制御する通電コントローラであって、例えばランプ電源9の投入時に起動してヒータ4への通電を所定のタイミングで開始させるスイッチ手段や、ヒータ4への通電量を段階的もしくは連続的に可変する電力制御手段を有し、ランプ1の点灯始動時又は始動後にヒータ4への通電を開始させて、ランプ1の点灯始動初期における主電極6R、6L間の電圧が安定点灯時のランプ電圧より低いときにヒータ4への通電量を一定時間だけ最大とした後、その通電量を、ランプ1が安定点灯状態にあるときに発光部3の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持するに足る通電量にまで低下させるように構成されている。
【0022】以上が本例に示す高圧放電ランプ装置の構成であり、次にその動作について説明する。ランプ電源9がオンされると、ランプ点灯装置7が起動してランプ1が点灯始動されると共に、そのランプ1の点灯始動時又は始動後に通電コントローラ13がヒータ4への通電を開始させて、ランプ1の点灯始動初期における主電極6R、6L間の電圧が安定点灯時のランプ電圧より低いとき、すなわちランプ電圧の100%に相当する電圧値に達する前に、ヒータ4への通電量を一定時間だけ設計値の54W(15V−3.6A)とした後、その通電量を、ランプ1が安定点灯状態にあるときに発光部3の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持することができる8W前後にまで段階的もしくは連続的に低下させる。
【0023】これにより、ランプ1の点灯始動前に発光管2の発光部3を予熱せずに、ランプ1の点灯始動時又は始動後にその発光部3をヒータ4で加熱開始して光出力の立ち上がり速度を速めることができる。また、主電極6R、6L間の電圧が安定点灯時のランプ電圧より低いときにヒータ4への通電量を一定時間だけ最大した後、その通電量を低下させれば、ヒータ4で加熱する発光部3の表面温度が異常に上昇してその発光部3が膨らみや破裂を生ずるおそれもない。
【0024】そして、ランプ1が安定点灯状態となってからは、ヒータ4に8W程度の僅かな電力を供給して、発光部3の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持することにより、発光部3に封入された水銀量に見合うだけの充分な蒸気分圧が得られるので、安定点灯時のランプ電圧やランプ電流が規格範囲を逸脱することがなく、また、ハロゲンサイクルに異常を来すこともないので、主電極6R、6Lの損耗や発光部3内面の黒化が早期に進行するおそれがなくなる。
【0025】つまり、例えば、ランプ1の光出力の立ち上がりを速めるために、該ランプ1が安定点灯状態となるまで、ヒータ4へその設計値である54Wの最大電力を供給し続けると、発光管3の表面温度が異常に上昇し、その発光部3が膨らみを生じて安定点灯時のランプ電圧が低下したり、破裂を生ずるおそれがあるが、上記の如く、ランプ1の点灯始動初期における主電極6R、6L間の電圧が安定点灯時のランプ電圧より低いときにヒータ4への通電量を一定時間だけ最大とした後、その通電量を低下させるようにすれば、発光部3が膨らんだり破裂するおそれを解消することができる。
【0026】また、アーク長0.8mmの150Wのランプ1が安定点灯状態にあるときにその発光部3の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持するために必要なヒータ4への通電量は、僅か8W程度で足りるので、そのヒータ4の電力消費量がそれほど嵩むことなく水銀の未蒸発による不具合を確実に解消することができる。
【0027】なお、ランプ1の点灯始動初期におけるヒータ4への通電量は、必ずしも設計値を最大とする場合に限らず、その最大値は設計値を超えるものであってもよく、例えば図2のグラフは、ランプ1の点灯始動初期における主電極6R、6L間の電圧が安定点灯時におけるランプ電圧の55%以内にあるときに、通電コントローラ13により、ヒータ4へ設計値の電流値3.6Aを大きく上回る7.0Aの最大電流を3秒間だけ流した後、その電流値を設計値の3.6Aに低下させ、更に、ランプ電圧の65%に達してから、0.5〜0.6A程度にまで低下させた場合の立ち上がり特性を示しており、このグラフによれば、主電極6R、6L間の電圧がランプ電圧の100%に達した後も、発光管2の表面温度は上昇するが、その上昇幅は比較的小さいので、発光部3が膨らんで安定点灯時のランプ電圧が低下したり、ランプ寿命が短くなるという危惧はない。
【0028】また、ランプ1の点灯始動時にヒータ4への通電を開始してランプ1の主電極6R、6L間の電圧が安定点灯時のランプ電圧の65%に達するまでの間に、ヒータ4へ3.6Aの電流を一定的に流した場合と、上記の如く最初の3秒間だけ7.0Aの電流を流してから3.6Aに低下させた場合との比較実験によれば、前者は、ランプ1の安定点灯時における明るさの約2分の1に相当する明るさが得られるまでの平均所要時間が約25秒であったのに対し、後者のそれは僅か15秒前後であり、光出力の立ち上がり速度が著しく速まることが確認された。また、ヒータ4の通電開始時に2秒間だけ8.5Aの電流を流してから3.6Aに低下させた場合における前記平均所要時間は、14秒前後であった。
【0029】また、ランプ1の点灯始動初期における主電極6R、6L間の電圧が安定点灯時におけるランプ電圧の100%以内にあるときは、ヒータ4へ設計値の3.6Aを大きく上回る7.0A〜8.5Aもの最大電流を流しても、ほんの数秒間程度なら、発光部3の過熱によってランプ寿命が損なわれるおそれは少なく、ヒータ4の損傷も少なくて済むことが実験により確認された。
【0030】以下、通電コントローラ13でヒータ4への通電量を制御する手順の一例を図3のフローチャートによって説明する。まず、ステップ▲1▼でランプ電源9が投入されたか否かを判定し、ランプ電源9が投入されると、ステップ▲2▼へ移行して、ヒータ4への通電を開始し、例えばランプ1の点灯始動とほぼ同時にヒータ4へ7.0Aの最大電流を供給する。
【0031】次いで、ステップ▲3▼へ移行して、3秒間経過したか否かを判定し、3秒間経過すると、ステップ▲4▼へ移行して、ヒータ4への通電量を可変する電力制御手段によりヒータ4へ供給する電流を7.0Aから設計値の3.6Aにまで低下させる。
【0032】そして、ステップ▲5▼へ移行し、電圧検出器12で検出されるランプ1の主電極6R、6L間の電圧が、安定点灯時のランプ電圧の65%に達したか否かを判定し、65%に達すると、ステップ▲6▼に移行して、ヒータ4へ供給する電流を0.5〜0.6A程度まで低下させる。
【0033】以上のように、ランプ1の点灯始動初期における主電極6R、6L間の電圧に応じたヒータ4の通電制御を行えば、ランプ1の点灯始動前に発光管2の発光部3をヒータ4で予熱せずに、点灯始動と同時又はその始動後にヒータ4による加熱を開始しても、予熱した場合と同等もしくはそれ以上の速度で光出力を立ち上げることができると同時に、ヒータ4の熱で発光部3の表面温度が異常に上昇して該発光部3が膨らみを生じたり破裂を生ずることも防止できる。
【0034】また、ランプ1が安定点灯状態となってからは、ヒータ4へ僅かな電力を供給するだけで、発光部3の内面における最低温度がその内面に未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持されて、発光部3に封入された水銀量に見合うだけの充分な蒸気分圧が得られるので、安定点灯時のランプ電圧やランプ電流が規格範囲を逸脱することがなく、ハロゲンサイクルに異常を来すこともないので、主電極6R、6Lの損耗や発光部3内面の黒化が早期に進行するおそれが解消される。
【0035】また、従来において、定格電力150Wのランプ1を例えばその定格電力の約85%に相当する128Wの低電力で点灯させる調光点灯を行なう場合は、主電極6R、6Lの背面側における発光部3の内面温度が著しく低くなって、不安定な放電を生ずると共に、水銀の一部が未蒸発となるために、明るさが150W点灯時の70%程度にとどまり、また、光色も緑色が強い好ましくない色味を呈していたが、そのランプ1の安定点灯時に、上記の如く発光管2に設けたヒータ4へ8W程度の電力を供給して発光部3を加熱する実験によれば、その発光部3内に封入した水銀が全て蒸発して、明るさが定格電力で点灯させたときの88%程度に達するという好ましい結果が得られた。
【0036】更に、ランプ1が安定点灯状態にあるときに、ヒータ4によって発光部3をその内面に未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に加熱するものと、加熱しないものとのランプ寿命を比較する寿命試験によれば、発光部3を加熱しないものは、主電極6R、6Lの背面側の内面が早期に黒化し、その黒化の進行により発光部3の表面温度が著しく上昇して発光部3の膨らみや破裂を生じ、ランプ寿命の規定基準を満足することができなかったのに対し、発光部3をヒータ4で加熱したものは、黒化の発生がなく、ランプ寿命が規定基準を大きく上回ることが確認された。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、光学的効率を向上させるために短アーク化したランプであっても、該ランプが安定点灯状態にあるときに、発光部の内面における最低温度をヒータで未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持して、その発光部に封入された水銀量に見合うだけの充分な蒸気分圧を得ることができるので、安定点灯時のランプ電圧及びランプ電流が規格範囲を逸脱することがなく、ハロゲンサイクルに異常を来すこともないので、主電極の損耗や発光部内面の黒化が早期に進行するおそれが解消されるという優れた効果がある。
【0038】また、定格電力未満の低電力で点灯を行なう調光点灯の場合に生ずる不安定な放電や、水銀の未蒸発による照度不足や光色の色調不良等も著しく改善することができるという優れた効果がある。更に、ランプを点灯始動させる際に、前記ヒータを利用して発光管の発光部を加熱することにより、光出力の立ち上がりを速めることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高圧放電ランプ装置の一例を示す図
【図2】本発明による高圧放電ランプ装置の立ち上がり特性を示すグラフ
【図3】ヒータへの通電量を制御する手順の一例を示すフローチャート
【図4】本発明が解決しようとする課題を説明するための図
【符号の説明】
1………………ランプ
2………………発光管
3………………発光部
4………………ヒータ
13………………通電コントローラ
Claims (3)
- 一対の主電極が対向して配置される発光管の発光部内に水銀が封入された高圧放電ランプ装置において、ランプが安定点灯状態にあるときに前記発光部の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持するヒータが設けられていることを特徴とする高圧放電ランプ装置。
- 前記ヒータへの通電量を可変制御する通電コントローラを備えている請求項1記載の高圧放電ランプ装置。
- 前記通電コントローラが、ランプの点灯始動時又は始動後に前記ヒータへの通電を開始させて、ランプの点灯始動初期における前記主電極間の電圧が安定点灯時のランプ電圧より低いときに前記ヒータへの通電量を一定時間だけ最大とした後、前記発光部の内面における最低温度を未蒸発の水銀が溜まらない程度の温度に保持するに足る通電量にまで低下させるように構成されている請求項2記載の高圧放電ランプ装置。
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