JP2004031013A - 組電池の容量調整装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】直並列に接続された組電池における並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制する。
【解決手段】複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で組電池の充電容量を調整する際に、組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データーから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがある場合には、組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止する。
【選択図】 図6
【解決手段】複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で組電池の充電容量を調整する際に、組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データーから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがある場合には、組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセル(単電池)が直並列に接続された組電池の容量調整装置および容量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のセルを直列に接続した組電池における容量調整方法が知られている(例えば特開2000−040530号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複数のセルを並列に接続したブロックを複数組直列に接続して組電池を構成した場合に、並列ブロック内のセルの容量が異なるとセルどうしで電圧差に応じた自己調整が自動的に行われる。
【0004】
しかし、並列ブロック内における容量自己調整は、セルどうしの電圧差が小さいほど自己調整時間が長くかかるため、自己調整が終了していない段階でこれらの並列ブロックが直列に接続された組電池に対して並列ブロック単位の容量調整を開始すると、並列ブロック内のセルの容量バラツキが増大してしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、直並列に接続された組電池における並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明は、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で組電池の充電容量を調整する際に、組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データーから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがある場合には、組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止する、ものである。
(2) また、本発明は、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で組電池の充電容量を調整する際に、組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合には、それらの放電深度が所定値より大きい並列ブロックのみに対して並列ブロック単位で容量調整を行う、ものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、直並列に接続された組電池における並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明の組電池の容量調整装置を電気自動車(EV)のバッテリーに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明の組電池の容量調整装置および方法は電気自動車のバッテリーに限定されず、ハイブリッド車両のバッテリーや、車両以外の多くの装置に用いられるバッテリーに応用することができる。
【0009】
図1は一実施の形態の構成を示す。一実施の形態の組電池1は、一般にセルと呼ばれる単電池2を2個ずつ並列に接続して並列ブロック1a〜1dを構成し、さらにこの並列ブロック1a〜1dを4組直列に接続したものである。この一実施の形態では、バッテリーコントローラー3および車両コントローラー4へ制御電源を供給する補助バッテリー5と区別するため、組電池1をメインバッテリーと呼ぶ。
【0010】
なお、この一実施の形態では2個のセルを並列に接続して複数の並列ブロックを形成し、これらの並列ブロックを4組直列に接続した組電池を例に上げて説明するが、組電池を構成するセルの並列接続数と並列ブロックの直列接続数はこの一実施の形態の数量に限定されない。
【0011】
このメインバッテリー1は電流センサー6とメインリレー7を介してインバーター8と補機システム10に接続され、インバーター8と補機システム10へ直流電力を供給する。インバーター8は、メインバッテリー1の直流電力を交流電力に変換して走行駆動用交流モーター9に印加し、モーター9を駆動して車両を走行させる。インバーター8はまた、車両の制動時にモーター9で発生した交流回生電力を直流電力に変換し、メインバッテリー1を充電する。
【0012】
バッテリーコントローラー3はCPU3a、メモリ3b、タイマー3c、セル電圧検出部3d、容量調整部3eなどから構成され、メインバッテリー1の充放電と容量調整を制御する。セル電圧検出部3dは、メインバッテリー1の各並列ブロック1a〜1dごとの2個のセル2の平均端子電圧を検出する。容量調整部3eは、セル電圧検出部3dで検出された各並列ブロック1a〜1dのセル平均端子電圧に基づいて並列セルブロック間の容量バラツキを補正する。この容量調整部3eの詳細については後述する。
【0013】
車両コントローラー4は、インバーター8と補機システム10を制御して車両の走行と補機の作動を制御する。なお、補機システム10には空調装置、灯火類、ワイパーなどが含まれる。電流センサー6は、バッテリー1からインバーター8へ流れる放電電流と、インバーター8からバッテリー1へ流れる充電電流とを検出し、CPU3aへ出力する。メインリレー7はCPU3aにより開閉され、メインバッテリー1の電源とモーター9および補機システム10の負荷との間の断接を行う。
【0014】
電圧センサー11はバッテリー1の両端電圧を検出し、CPU3aへ出力する。また、温度センサー12はバッテリー1の温度を検出し、CPU3aへ出力する。メインスイッチ13は、エンジンを走行駆動源とする従来の自動車のイグニッションスイッチに相当するものであり、電気自動車のメインキーが走行位置に設定されると閉路する。
【0015】
図2は容量調整部3eの詳細を示す。メインバッテリー1の並列ブロック1aには、抵抗器R1とトランジスターTr1の直列回路が並列に接続される。同様に、並列ブロック1b〜1dにもそれぞれ、抵抗器R2〜R4とトランジスターTr2〜Tr4の直列回路が並列に接続される。この抵抗器R1〜R4とトランジスターTr1〜Tr4の直列回路は、各並列ブロック1a〜1d内のセル2の充電容量を放電するための回路であり、抵抗器R1〜R4は放電抵抗、トランジスターTr1〜Tr4は放電と停止を行うためのスイッチである。なお、この一実施の形態では放電回路のスイッチにトランジスターTr1〜Tr4を用いた例を示すが、トランジスター以外のFETなどの半導体スイッチング素子や、リレーなどを用いてもよい。
【0016】
CPU3aは、各並列ブロック1a〜1dに接続される各トランジスターTr1〜Tr4のベースへ信号を送り、トランジスターTr1〜Tr4ごとにオン(導通)とオフ(非導通)を制御する。トランジスターTr1〜Tr4がオンすると、各並列ブロック1a〜1dのセル2の充電電力が抵抗器R1〜R4を介して放電し、放電分だけ充電容量SOC(State Of Charge)が減少する。CPU3aは、各トランジスターTr1〜Tr4のオンとオフを繰り返してデューティー制御を行う。このデューティーは、各並列ブロック1a〜1dの放電目標容量と容量調整時間とに基づいて決定する。
【0017】
各トランジスターTr1〜Tr4のコレクターとエミッター間にはそれぞれ、電圧センサー21〜24が接続される。トランジスターTr1〜Tr4がオンするとコレクター〜エミッター間電圧がほぼ0Vになり、オフするとコレクター〜エミッター間電圧が並列ブロック1a〜1dのセル両端電圧になる。CPU3aは、電圧センサー21〜24によりトランジスターTr1〜Tr4のコレクター〜エミッター間電圧をモニターし、各トランジスターTr1〜Tr4の動作状況、つまり各並列ブロック1a〜1dの容量調整状況を確認する。
【0018】
容量調整部3eは、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を行い、いずれかの並列ブロックが過充電状態または過放電状態になってメインバッテリー1の容量を十分に利用できなくなるのを防止する。しかし、容量調整部3eでは各並列ブロック1a〜1d内のセルどおしの容量バラツキを調整することはできない。各並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量バラツキは、容量自己調整により解消される。
【0019】
ここで、各並列ブロック内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整について説明する。図3(a)に示すように並列に接続された2個のセルAとBの間に容量のバラツキがあると、容量が高い側すなわち端子電圧が高い側のセルAの容量が容量の低い側すなわち端子電圧が低い側のセルBへ徐々に移動し、図3(b)に示すように2個の並列セルは等容量になろうとする性質がある。この性質は容量自己調整と呼ばれ、容量差(セル開放電圧の差)が大きいほど等容量に近い状態になるまでの容量の変化速度は速く、容量差が小さくなって等容量に近い状態になると容量変化速度は遅くなる。
【0020】
並列ブロック1a〜1d内での容量自己調整は、並列ブロック1a〜1d内における各セル2の電圧差を自己調整する機能に依存することになるため、容量自己調整時間は電圧差により変化する。このため、並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどうしの容量自己調整が終了しない段階でメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を開始すると、並列ブロック1a〜1d内における並列接続セルどうしの容量バラツキが増大してしまうという問題がある。
【0021】
一方、セルの開放電圧は図4に示すように放電深度(DOD;Depth Of Discharge)に応じて変化し、放電深度DODが小さいほど(充電容量SOC(State Of Charge)が大きいほど)放電深度DODに対する開放電圧変化が小さく、放電深度DODが大きいほど(充電容量SOCが小さいほど)放電深度に対する開放電圧変化が大きくなる。したがって、並列に接続されたセルの放電深度DODが小さい場合にはセルどうしの電圧差(容量差)が小さくなり、容量変化速度が遅いので等容量になるまでに時間がかかる。なお、充分に長い時間、容量自己調整が行われたとしても完全に等容量にはならないため、放電深度DODが非常に小さいと容量自己調整は行われない。
【0022】
このように放電深度DODが小さい場合は容量自己調整が十分に行われないため、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を行うと、並列ブロック1a〜1d内における並列接続セルどうしの容量バラツキが増大してしまうという問題がある。
【0023】
そこで、この一実施の形態ではメインスイッチが投入された時点において各並列ブロック1a〜1dのセル開放電圧を検出し、検出電圧に基づいて各並列ブロック1a〜1dの放電深度DODを把握する。そして、放電深度DODが判定基準値K[%]以下の並列ブロックがある場合には、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。
【0024】
メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を実施するか否かを判定するための判定基準値K[%]には、電池の種類に応じた最適な値を設定する。例えば負極にハードカーボン系材料を用いるリチウムイオン電池に対しては、図4に示すようにK=30%とするのが適当である。しかし、負極にグラファイト系材料を用いるリチウムイオン電池では、放電深度DODに対する開放電圧特性が、図4に破線で示すように電圧変化が小さい領域が大きくなるので、判定基準値K[%]を大きくする必要がある。
【0025】
一方、図4に示すように、放電深度DODが判定基準値K[%]よりも大きい領域では、放電深度DODに対する開放電圧変化が大きいため、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの充電容量SOCの差も大きくなる傾向がある。並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの充電容量SOCの差が大きいほど、セルどうしの容量自己調整に要する時間が長くなる。
【0026】
したがって、放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい場合に、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了していない段階でメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位の容量調整を開始すると、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量バラツキが増大するという問題がある。
【0027】
並列ブロック1a〜1d内のセルどおしの容量自己調整はメインスイッチ13のオフ時、すなわちメインリレー7が開放されてメインバッテリー1がインバーター8と補機システム10から切り離された無負荷状態において行われる。
【0028】
そこで、この一実施の形態ではメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間をタイマー3cにより計時し、放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい場合は、タイマー3cの計時時間、つまりメインバッテリー1の無負荷時間が予め設定した基準時間T[hr]以上か否かを判定する。
【0029】
タイマー3cの計時時間が基準時間T[hr]以上のときは、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了していると判断し、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を許可する。しかし、タイマー3cの計時時間が予め設定した基準時間T[hr]未満のときは、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了していないと判断し、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。
【0030】
図5は、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしのSOC差をパラメーターとした、各並列ブロック1a〜1dの並列接続セル2の開放電圧に対する容量自己調整時間[hr]の特性データを示す。セル開放電圧OCVが高くなるほど容量自己調整時間は徐々に長くなるが、放電深度DODが30%以下の開放電圧になると容量自己調整時間が急激に増大する。また、並列ブロック1a〜1d内のセルどおしのSOC差が大きくなるほど容量自己調整時間が長くなる。
【0031】
放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい場合に、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を実施するか否かを決定するための基準時間T[hr]は、次のようにして設定する。一般的な使用条件に対する所定値を実験などにより求め、基準時間T[hr]にその所定値を設定する方法がある。他の設定方法としては、セル開放電圧OCVに対する容量自己調整時間の基準時間T[hr]を設定し、マップデータ化しておく方法がある。後者の設定方法では、並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルのSOC差を検出するのは容易でないため、セル開放電圧OCVに対する並列接続セルのSOC差を想定し、想定したSOC差を考慮して基準時間T[hr]のマップデータを設定する。
【0032】
図6〜図7は、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。バッテリーコントローラー3のCPU3aは、メインスイッチ13がオン(閉路)するとこの容量調整プログラムの実行を開始する。
【0033】
メインスイッチ13がオンしてからメインリレー7がオン(閉路)するまでの間、すなわちメインバッテリー1が無負荷状態にあるステップ1において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dのセル開放電圧OCVを測定し、メモリ3bに予め記憶されているセル2の開放電圧OCVに対する放電深度DODの特性データ(図4参照)から、各並列ブロック1a〜1dの開放電圧OCVに対応する放電深度DODを読み出す。
【0034】
続くステップ2で、並列ブロック1a〜1dの中に、放電深度DODがメモリ3bに記憶されている判定基準値K[%]以下の並列ブロックがあるか否かを確認し、K[%]以下の並列ブロックがある場合はステップ3へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。そして、ステップ4でメインスイッチ13がオフされたか否かを確認し、オフされていなければステップ1へ戻る。メインスイッチ13がオフされた場合はステップ5へ進み、タイマー3cをリセットしてスタートさせ、メインバッテリー1の無負荷時間の計時を開始する。
【0035】
このように、メインバッテリー1の無負荷状態において検出した各並列ブロック1a〜1dの放電深度DODのいずれか1つが判定基準値K[%]以下である場合には、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止するようにしたので、並列ブロック1a〜1d内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整が終了していない段階でメインバッテリー1の容量調整を開始することによって、セルどうしの容量バラツキが増大するのを防止することができ、複数のセルが直並列に接続されたバッテリーにおける並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することができる。
【0036】
一方、並列ブロック1a〜1dの中に放電深度DODが判定基準値K[%]以下のブロックがない場合はステップ6へ進み、メモリ3bに記憶されているマップデータからセル2の開放電圧OCVに応じた基準時間T[hr]を読み出し、タイマー3cの計時時間、すなわちメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間と比較する。このメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間は、前回メインスイッチ13がオフされてメインバッテリー1が無負荷状態になってから、今回メインスイッチ13がオンされるまでの時間であり、今回、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を開始する直前のメインバッテリー1の無負荷時間である。
【0037】
タイマー3cにより計時されたメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]未満のときはステップ3へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。そして、ステップ4でメインスイッチ13がオフされたか否かを確認し、オフされていなければステップ1へ戻る。メインスイッチ13がオフされた場合はステップ5へ進み、タイマー3cをリセットしてスタートさせ、メインバッテリー1の無負荷時間の計時を開始する。
【0038】
このように、すべての並列ブロック1a〜1dの放電深度DODが判定基準値K[%]を超えている場合でも、メインスイッチ13がオンされるまでのメインスイッチ13のオフ時間、つまりメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]以上経過していない場合には、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止するようにしたので、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了してからメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整が実施されることになり、放電深度DODが大きい場合のセル容量の均一化を図ることができ、複数のセルが直並列に接続されたバッテリーにおける並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することができる。
【0039】
一方、すべての並列ブロック1a〜1dの放電深度DODが判定基準値K[%]より大きく、かつメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]以上の場合はステップ7以降へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を行う。まずステップ7で、セル電圧検出部3dにより、メインリレー7がオン(閉路)される前のメインバッテリー1の無負荷状態における各並列ブロック1a〜1dの開放電圧OCVを検出する。
【0040】
続くステップ8では、各並列ブロック1a〜1dの容量調整目標値を決定する。この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの中で、最も開放電圧OCVが低い並列ブロックの容量(SOC)を目標容量とし、この並列ブロックの容量との差を他の各並列ブロックの容量調整目標値とする。ステップ9において、容量調整時間と各並列ブロック1a〜1dの容量調整目標値とに基づいて、放電回路トランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。
【0041】
ステップ10で、容量調整部3eにより各並列ブロック1a〜1dごとのデューティーにしたがってトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフさせ、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を開始する。ステップ11で容量調整時間が経過したか否かを確認し、容量調整時間が経過したらステップ12へ進み、容量調整を終了する。その後、メインスイッチ13がオフされるのを待ち、メインスイッチ13がオフされたらステップ14でタイマー3cをリセットしてスタートし、メインバッテリー1の無負荷時間の計時を開始する。
【0042】
《発明の一実施の形態の変形例》
上述した一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの放電深度DODのいずれか1つが判定基準値K[%]以下である場合は、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する例を示したが、放電深度DODが判定基準値K以下の並列ブロック以外の並列ブロックにおいて、メインバッテリー1の並列ブロック単位での容量調整を実施するようにした変形例を説明する。なお、この変形例の構成は図1および図2に示す構成と同様であり、図示と説明を省略する。
【0043】
図8は変形例の容量調整プログラムを示すフローチャートである。なお、図6〜図7に示すフローチャートと同様な処理を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。並列ブロック1a〜1dの中に放電深度DODが判定基準値K[%]以下の並列ブロックがある場合はステップ2からステップ21へ進み、その並列ブロックをメインバッテリー1の並列ブロック単位での容量調整を禁止するブロックとしてメモリ3bに記憶する。
【0044】
続くステップ22で、並列ブロック1a〜1dの中で放電深度DODが判定基準値Kより大きい並列ブロックが2個以上あるか否かを確認する。放電深度DODが判定基準値Kより大きい並列ブロックが2個以上ない場合は、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整ができないのでステップ3へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。一方、放電深度DODが判定基準値Kより大きい並列ブロックが2個以上あればステップ6へ進む。
【0045】
放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい並列ブロックが2個以上あり、かつメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]以上の場合はステップ7A以降へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を行う。まずステップ7Aで、セル電圧検出部3dにより、メインリレー7がオン(閉路)される前のメインバッテリー1の無負荷状態における並列ブロック1a〜1dの開放電圧OCVを検出する。なお、ステップ21で容量調整禁止ブロックとしてメモリ3bに記憶した並列ブロックに対しては、セル開放電圧OCVを測定する必要はない。
【0046】
続くステップ8Aでは、容量調整対称の各並列ブロック1a〜1dの容量調整目標値を決定する。この変形例では、容量調整対称の並列ブロック1a〜1dの中で、最も開放電圧OCVが低い並列ブロックの充電容量(SOC)を目標容量とし、この並列ブロックの充電容量との差を他の容量調整ブロックの容量調整目標値とする。ステップ9Aにおいて、容量調整時間と容量調整対称ブロック1a〜1dの容量調整目標値とに基づいて、放電回路トランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。
【0047】
ステップ10Aで、容量調整部3eにより容量調整対称ブロック1a〜1dごとのデューティーにしたがってトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフさせ、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を開始する。
【0048】
このように、放電深度DODが判定基準値K以下の並列ブロックをメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整対称ブロックから外し、放電深度DODが判定基準値Kよりも大きい容量調整対称の並列ブロックが2個以上ある場合のみ、それらの並列ブロック単位でメインバッテリー1の容量調整を実施するようにしたので、容量調整が不要な並列ブロックでは並列接続セルどうしの容量バラツキを増大させることがなく、容量調整が必要な並列ブロックのみにおいて容量調整を実施することができ、複数のセルが直並列に接続されたバッテリーにおけるセル容量の均一化を合理的かつ短時間に達成することができる。
【0049】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、メインバッテリー1が組電池を、容量調整部3eが容量調整手段を、セル電圧検出部3dが電圧検出手段を、メモリ3bが記憶手段を、CPU3aが制御手段を、メインスイッチ13およびメインリレー7が無負荷状態検出手段を、タイマー3cが計時手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】容量調整部の詳細を示す図である。
【図3】並列接続されたセル間の容量自己調整を説明するための図である。
【図4】放電深度DODに対するセル開放電圧の特性を示す図である。
【図5】セル開放電圧OCVと並列接続セルどうしのSOC差に対する容量自己調整時間の特定データを示す図である。
【図6】一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図7】図6に続く、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図8】変形例の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインバッテリー
1a〜1d 並列ブロック
2 セル
3 バッテリーコントローラー
3a CPU
3b メモリ
3c タイマー
3d セル電圧検出部
3e 容量調整部
4 車両コントローラー
5 補助バッテリー
6 電流センサー
7 メインリレー
8 インバーター
9 モーター
10 補機システム
11,21〜24 電圧センサー
12 温度センサー
13 メインスイッチ
R1〜R4 放電抵抗
Tr1〜Tr2 トランジスター
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセル(単電池)が直並列に接続された組電池の容量調整装置および容量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のセルを直列に接続した組電池における容量調整方法が知られている(例えば特開2000−040530号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複数のセルを並列に接続したブロックを複数組直列に接続して組電池を構成した場合に、並列ブロック内のセルの容量が異なるとセルどうしで電圧差に応じた自己調整が自動的に行われる。
【0004】
しかし、並列ブロック内における容量自己調整は、セルどうしの電圧差が小さいほど自己調整時間が長くかかるため、自己調整が終了していない段階でこれらの並列ブロックが直列に接続された組電池に対して並列ブロック単位の容量調整を開始すると、並列ブロック内のセルの容量バラツキが増大してしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、直並列に接続された組電池における並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明は、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で組電池の充電容量を調整する際に、組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データーから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがある場合には、組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止する、ものである。
(2) また、本発明は、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で組電池の充電容量を調整する際に、組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合には、それらの放電深度が所定値より大きい並列ブロックのみに対して並列ブロック単位で容量調整を行う、ものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、直並列に接続された組電池における並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明の組電池の容量調整装置を電気自動車(EV)のバッテリーに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明の組電池の容量調整装置および方法は電気自動車のバッテリーに限定されず、ハイブリッド車両のバッテリーや、車両以外の多くの装置に用いられるバッテリーに応用することができる。
【0009】
図1は一実施の形態の構成を示す。一実施の形態の組電池1は、一般にセルと呼ばれる単電池2を2個ずつ並列に接続して並列ブロック1a〜1dを構成し、さらにこの並列ブロック1a〜1dを4組直列に接続したものである。この一実施の形態では、バッテリーコントローラー3および車両コントローラー4へ制御電源を供給する補助バッテリー5と区別するため、組電池1をメインバッテリーと呼ぶ。
【0010】
なお、この一実施の形態では2個のセルを並列に接続して複数の並列ブロックを形成し、これらの並列ブロックを4組直列に接続した組電池を例に上げて説明するが、組電池を構成するセルの並列接続数と並列ブロックの直列接続数はこの一実施の形態の数量に限定されない。
【0011】
このメインバッテリー1は電流センサー6とメインリレー7を介してインバーター8と補機システム10に接続され、インバーター8と補機システム10へ直流電力を供給する。インバーター8は、メインバッテリー1の直流電力を交流電力に変換して走行駆動用交流モーター9に印加し、モーター9を駆動して車両を走行させる。インバーター8はまた、車両の制動時にモーター9で発生した交流回生電力を直流電力に変換し、メインバッテリー1を充電する。
【0012】
バッテリーコントローラー3はCPU3a、メモリ3b、タイマー3c、セル電圧検出部3d、容量調整部3eなどから構成され、メインバッテリー1の充放電と容量調整を制御する。セル電圧検出部3dは、メインバッテリー1の各並列ブロック1a〜1dごとの2個のセル2の平均端子電圧を検出する。容量調整部3eは、セル電圧検出部3dで検出された各並列ブロック1a〜1dのセル平均端子電圧に基づいて並列セルブロック間の容量バラツキを補正する。この容量調整部3eの詳細については後述する。
【0013】
車両コントローラー4は、インバーター8と補機システム10を制御して車両の走行と補機の作動を制御する。なお、補機システム10には空調装置、灯火類、ワイパーなどが含まれる。電流センサー6は、バッテリー1からインバーター8へ流れる放電電流と、インバーター8からバッテリー1へ流れる充電電流とを検出し、CPU3aへ出力する。メインリレー7はCPU3aにより開閉され、メインバッテリー1の電源とモーター9および補機システム10の負荷との間の断接を行う。
【0014】
電圧センサー11はバッテリー1の両端電圧を検出し、CPU3aへ出力する。また、温度センサー12はバッテリー1の温度を検出し、CPU3aへ出力する。メインスイッチ13は、エンジンを走行駆動源とする従来の自動車のイグニッションスイッチに相当するものであり、電気自動車のメインキーが走行位置に設定されると閉路する。
【0015】
図2は容量調整部3eの詳細を示す。メインバッテリー1の並列ブロック1aには、抵抗器R1とトランジスターTr1の直列回路が並列に接続される。同様に、並列ブロック1b〜1dにもそれぞれ、抵抗器R2〜R4とトランジスターTr2〜Tr4の直列回路が並列に接続される。この抵抗器R1〜R4とトランジスターTr1〜Tr4の直列回路は、各並列ブロック1a〜1d内のセル2の充電容量を放電するための回路であり、抵抗器R1〜R4は放電抵抗、トランジスターTr1〜Tr4は放電と停止を行うためのスイッチである。なお、この一実施の形態では放電回路のスイッチにトランジスターTr1〜Tr4を用いた例を示すが、トランジスター以外のFETなどの半導体スイッチング素子や、リレーなどを用いてもよい。
【0016】
CPU3aは、各並列ブロック1a〜1dに接続される各トランジスターTr1〜Tr4のベースへ信号を送り、トランジスターTr1〜Tr4ごとにオン(導通)とオフ(非導通)を制御する。トランジスターTr1〜Tr4がオンすると、各並列ブロック1a〜1dのセル2の充電電力が抵抗器R1〜R4を介して放電し、放電分だけ充電容量SOC(State Of Charge)が減少する。CPU3aは、各トランジスターTr1〜Tr4のオンとオフを繰り返してデューティー制御を行う。このデューティーは、各並列ブロック1a〜1dの放電目標容量と容量調整時間とに基づいて決定する。
【0017】
各トランジスターTr1〜Tr4のコレクターとエミッター間にはそれぞれ、電圧センサー21〜24が接続される。トランジスターTr1〜Tr4がオンするとコレクター〜エミッター間電圧がほぼ0Vになり、オフするとコレクター〜エミッター間電圧が並列ブロック1a〜1dのセル両端電圧になる。CPU3aは、電圧センサー21〜24によりトランジスターTr1〜Tr4のコレクター〜エミッター間電圧をモニターし、各トランジスターTr1〜Tr4の動作状況、つまり各並列ブロック1a〜1dの容量調整状況を確認する。
【0018】
容量調整部3eは、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を行い、いずれかの並列ブロックが過充電状態または過放電状態になってメインバッテリー1の容量を十分に利用できなくなるのを防止する。しかし、容量調整部3eでは各並列ブロック1a〜1d内のセルどおしの容量バラツキを調整することはできない。各並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量バラツキは、容量自己調整により解消される。
【0019】
ここで、各並列ブロック内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整について説明する。図3(a)に示すように並列に接続された2個のセルAとBの間に容量のバラツキがあると、容量が高い側すなわち端子電圧が高い側のセルAの容量が容量の低い側すなわち端子電圧が低い側のセルBへ徐々に移動し、図3(b)に示すように2個の並列セルは等容量になろうとする性質がある。この性質は容量自己調整と呼ばれ、容量差(セル開放電圧の差)が大きいほど等容量に近い状態になるまでの容量の変化速度は速く、容量差が小さくなって等容量に近い状態になると容量変化速度は遅くなる。
【0020】
並列ブロック1a〜1d内での容量自己調整は、並列ブロック1a〜1d内における各セル2の電圧差を自己調整する機能に依存することになるため、容量自己調整時間は電圧差により変化する。このため、並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどうしの容量自己調整が終了しない段階でメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を開始すると、並列ブロック1a〜1d内における並列接続セルどうしの容量バラツキが増大してしまうという問題がある。
【0021】
一方、セルの開放電圧は図4に示すように放電深度(DOD;Depth Of Discharge)に応じて変化し、放電深度DODが小さいほど(充電容量SOC(State Of Charge)が大きいほど)放電深度DODに対する開放電圧変化が小さく、放電深度DODが大きいほど(充電容量SOCが小さいほど)放電深度に対する開放電圧変化が大きくなる。したがって、並列に接続されたセルの放電深度DODが小さい場合にはセルどうしの電圧差(容量差)が小さくなり、容量変化速度が遅いので等容量になるまでに時間がかかる。なお、充分に長い時間、容量自己調整が行われたとしても完全に等容量にはならないため、放電深度DODが非常に小さいと容量自己調整は行われない。
【0022】
このように放電深度DODが小さい場合は容量自己調整が十分に行われないため、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を行うと、並列ブロック1a〜1d内における並列接続セルどうしの容量バラツキが増大してしまうという問題がある。
【0023】
そこで、この一実施の形態ではメインスイッチが投入された時点において各並列ブロック1a〜1dのセル開放電圧を検出し、検出電圧に基づいて各並列ブロック1a〜1dの放電深度DODを把握する。そして、放電深度DODが判定基準値K[%]以下の並列ブロックがある場合には、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。
【0024】
メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を実施するか否かを判定するための判定基準値K[%]には、電池の種類に応じた最適な値を設定する。例えば負極にハードカーボン系材料を用いるリチウムイオン電池に対しては、図4に示すようにK=30%とするのが適当である。しかし、負極にグラファイト系材料を用いるリチウムイオン電池では、放電深度DODに対する開放電圧特性が、図4に破線で示すように電圧変化が小さい領域が大きくなるので、判定基準値K[%]を大きくする必要がある。
【0025】
一方、図4に示すように、放電深度DODが判定基準値K[%]よりも大きい領域では、放電深度DODに対する開放電圧変化が大きいため、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの充電容量SOCの差も大きくなる傾向がある。並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの充電容量SOCの差が大きいほど、セルどうしの容量自己調整に要する時間が長くなる。
【0026】
したがって、放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい場合に、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了していない段階でメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位の容量調整を開始すると、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量バラツキが増大するという問題がある。
【0027】
並列ブロック1a〜1d内のセルどおしの容量自己調整はメインスイッチ13のオフ時、すなわちメインリレー7が開放されてメインバッテリー1がインバーター8と補機システム10から切り離された無負荷状態において行われる。
【0028】
そこで、この一実施の形態ではメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間をタイマー3cにより計時し、放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい場合は、タイマー3cの計時時間、つまりメインバッテリー1の無負荷時間が予め設定した基準時間T[hr]以上か否かを判定する。
【0029】
タイマー3cの計時時間が基準時間T[hr]以上のときは、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了していると判断し、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を許可する。しかし、タイマー3cの計時時間が予め設定した基準時間T[hr]未満のときは、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了していないと判断し、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。
【0030】
図5は、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしのSOC差をパラメーターとした、各並列ブロック1a〜1dの並列接続セル2の開放電圧に対する容量自己調整時間[hr]の特性データを示す。セル開放電圧OCVが高くなるほど容量自己調整時間は徐々に長くなるが、放電深度DODが30%以下の開放電圧になると容量自己調整時間が急激に増大する。また、並列ブロック1a〜1d内のセルどおしのSOC差が大きくなるほど容量自己調整時間が長くなる。
【0031】
放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい場合に、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を実施するか否かを決定するための基準時間T[hr]は、次のようにして設定する。一般的な使用条件に対する所定値を実験などにより求め、基準時間T[hr]にその所定値を設定する方法がある。他の設定方法としては、セル開放電圧OCVに対する容量自己調整時間の基準時間T[hr]を設定し、マップデータ化しておく方法がある。後者の設定方法では、並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルのSOC差を検出するのは容易でないため、セル開放電圧OCVに対する並列接続セルのSOC差を想定し、想定したSOC差を考慮して基準時間T[hr]のマップデータを設定する。
【0032】
図6〜図7は、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。バッテリーコントローラー3のCPU3aは、メインスイッチ13がオン(閉路)するとこの容量調整プログラムの実行を開始する。
【0033】
メインスイッチ13がオンしてからメインリレー7がオン(閉路)するまでの間、すなわちメインバッテリー1が無負荷状態にあるステップ1において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dのセル開放電圧OCVを測定し、メモリ3bに予め記憶されているセル2の開放電圧OCVに対する放電深度DODの特性データ(図4参照)から、各並列ブロック1a〜1dの開放電圧OCVに対応する放電深度DODを読み出す。
【0034】
続くステップ2で、並列ブロック1a〜1dの中に、放電深度DODがメモリ3bに記憶されている判定基準値K[%]以下の並列ブロックがあるか否かを確認し、K[%]以下の並列ブロックがある場合はステップ3へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。そして、ステップ4でメインスイッチ13がオフされたか否かを確認し、オフされていなければステップ1へ戻る。メインスイッチ13がオフされた場合はステップ5へ進み、タイマー3cをリセットしてスタートさせ、メインバッテリー1の無負荷時間の計時を開始する。
【0035】
このように、メインバッテリー1の無負荷状態において検出した各並列ブロック1a〜1dの放電深度DODのいずれか1つが判定基準値K[%]以下である場合には、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止するようにしたので、並列ブロック1a〜1d内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整が終了していない段階でメインバッテリー1の容量調整を開始することによって、セルどうしの容量バラツキが増大するのを防止することができ、複数のセルが直並列に接続されたバッテリーにおける並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することができる。
【0036】
一方、並列ブロック1a〜1dの中に放電深度DODが判定基準値K[%]以下のブロックがない場合はステップ6へ進み、メモリ3bに記憶されているマップデータからセル2の開放電圧OCVに応じた基準時間T[hr]を読み出し、タイマー3cの計時時間、すなわちメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間と比較する。このメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間は、前回メインスイッチ13がオフされてメインバッテリー1が無負荷状態になってから、今回メインスイッチ13がオンされるまでの時間であり、今回、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を開始する直前のメインバッテリー1の無負荷時間である。
【0037】
タイマー3cにより計時されたメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]未満のときはステップ3へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。そして、ステップ4でメインスイッチ13がオフされたか否かを確認し、オフされていなければステップ1へ戻る。メインスイッチ13がオフされた場合はステップ5へ進み、タイマー3cをリセットしてスタートさせ、メインバッテリー1の無負荷時間の計時を開始する。
【0038】
このように、すべての並列ブロック1a〜1dの放電深度DODが判定基準値K[%]を超えている場合でも、メインスイッチ13がオンされるまでのメインスイッチ13のオフ時間、つまりメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]以上経過していない場合には、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止するようにしたので、並列ブロック1a〜1d内のセルどうしの容量自己調整が終了してからメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整が実施されることになり、放電深度DODが大きい場合のセル容量の均一化を図ることができ、複数のセルが直並列に接続されたバッテリーにおける並列ブロック内のセルの容量バラツキを抑制することができる。
【0039】
一方、すべての並列ブロック1a〜1dの放電深度DODが判定基準値K[%]より大きく、かつメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]以上の場合はステップ7以降へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を行う。まずステップ7で、セル電圧検出部3dにより、メインリレー7がオン(閉路)される前のメインバッテリー1の無負荷状態における各並列ブロック1a〜1dの開放電圧OCVを検出する。
【0040】
続くステップ8では、各並列ブロック1a〜1dの容量調整目標値を決定する。この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの中で、最も開放電圧OCVが低い並列ブロックの容量(SOC)を目標容量とし、この並列ブロックの容量との差を他の各並列ブロックの容量調整目標値とする。ステップ9において、容量調整時間と各並列ブロック1a〜1dの容量調整目標値とに基づいて、放電回路トランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。
【0041】
ステップ10で、容量調整部3eにより各並列ブロック1a〜1dごとのデューティーにしたがってトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフさせ、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を開始する。ステップ11で容量調整時間が経過したか否かを確認し、容量調整時間が経過したらステップ12へ進み、容量調整を終了する。その後、メインスイッチ13がオフされるのを待ち、メインスイッチ13がオフされたらステップ14でタイマー3cをリセットしてスタートし、メインバッテリー1の無負荷時間の計時を開始する。
【0042】
《発明の一実施の形態の変形例》
上述した一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの放電深度DODのいずれか1つが判定基準値K[%]以下である場合は、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する例を示したが、放電深度DODが判定基準値K以下の並列ブロック以外の並列ブロックにおいて、メインバッテリー1の並列ブロック単位での容量調整を実施するようにした変形例を説明する。なお、この変形例の構成は図1および図2に示す構成と同様であり、図示と説明を省略する。
【0043】
図8は変形例の容量調整プログラムを示すフローチャートである。なお、図6〜図7に示すフローチャートと同様な処理を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。並列ブロック1a〜1dの中に放電深度DODが判定基準値K[%]以下の並列ブロックがある場合はステップ2からステップ21へ進み、その並列ブロックをメインバッテリー1の並列ブロック単位での容量調整を禁止するブロックとしてメモリ3bに記憶する。
【0044】
続くステップ22で、並列ブロック1a〜1dの中で放電深度DODが判定基準値Kより大きい並列ブロックが2個以上あるか否かを確認する。放電深度DODが判定基準値Kより大きい並列ブロックが2個以上ない場合は、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整ができないのでステップ3へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を禁止する。一方、放電深度DODが判定基準値Kより大きい並列ブロックが2個以上あればステップ6へ進む。
【0045】
放電深度DODが判定基準値K[%]より大きい並列ブロックが2個以上あり、かつメインバッテリー1の無負荷時間が基準時間T[hr]以上の場合はステップ7A以降へ進み、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を行う。まずステップ7Aで、セル電圧検出部3dにより、メインリレー7がオン(閉路)される前のメインバッテリー1の無負荷状態における並列ブロック1a〜1dの開放電圧OCVを検出する。なお、ステップ21で容量調整禁止ブロックとしてメモリ3bに記憶した並列ブロックに対しては、セル開放電圧OCVを測定する必要はない。
【0046】
続くステップ8Aでは、容量調整対称の各並列ブロック1a〜1dの容量調整目標値を決定する。この変形例では、容量調整対称の並列ブロック1a〜1dの中で、最も開放電圧OCVが低い並列ブロックの充電容量(SOC)を目標容量とし、この並列ブロックの充電容量との差を他の容量調整ブロックの容量調整目標値とする。ステップ9Aにおいて、容量調整時間と容量調整対称ブロック1a〜1dの容量調整目標値とに基づいて、放電回路トランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。
【0047】
ステップ10Aで、容量調整部3eにより容量調整対称ブロック1a〜1dごとのデューティーにしたがってトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフさせ、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整を開始する。
【0048】
このように、放電深度DODが判定基準値K以下の並列ブロックをメインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位での容量調整対称ブロックから外し、放電深度DODが判定基準値Kよりも大きい容量調整対称の並列ブロックが2個以上ある場合のみ、それらの並列ブロック単位でメインバッテリー1の容量調整を実施するようにしたので、容量調整が不要な並列ブロックでは並列接続セルどうしの容量バラツキを増大させることがなく、容量調整が必要な並列ブロックのみにおいて容量調整を実施することができ、複数のセルが直並列に接続されたバッテリーにおけるセル容量の均一化を合理的かつ短時間に達成することができる。
【0049】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、メインバッテリー1が組電池を、容量調整部3eが容量調整手段を、セル電圧検出部3dが電圧検出手段を、メモリ3bが記憶手段を、CPU3aが制御手段を、メインスイッチ13およびメインリレー7が無負荷状態検出手段を、タイマー3cが計時手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】容量調整部の詳細を示す図である。
【図3】並列接続されたセル間の容量自己調整を説明するための図である。
【図4】放電深度DODに対するセル開放電圧の特性を示す図である。
【図5】セル開放電圧OCVと並列接続セルどうしのSOC差に対する容量自己調整時間の特定データを示す図である。
【図6】一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図7】図6に続く、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図8】変形例の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインバッテリー
1a〜1d 並列ブロック
2 セル
3 バッテリーコントローラー
3a CPU
3b メモリ
3c タイマー
3d セル電圧検出部
3e 容量調整部
4 車両コントローラー
5 補助バッテリー
6 電流センサー
7 メインリレー
8 インバーター
9 モーター
10 補機システム
11,21〜24 電圧センサー
12 温度センサー
13 メインスイッチ
R1〜R4 放電抵抗
Tr1〜Tr2 トランジスター
Claims (17)
- 複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池と、
前記組電池の各並列ブロックの充電容量を調整する容量調整手段と、
前記組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出する電圧検出手段と、
セル開放電圧に対する放電深度の特性データを記憶する記憶手段と、
前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記電圧検出手段で検出した各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を前記記憶手段の特性データから読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがある場合には、前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項1に記載の組電池の容量調整装置において、
前記組電池の無負荷状態を検出する無負荷状態検出手段と、
前記組電池の無負荷状態の継続時間を計時する計時手段とを備え、
前記制御手段は、放電深度が所定値以下の並列ブロックがない場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の前記計時手段による計時時間が所定時間以上でない場合には、前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項1に記載の組電池の容量調整装置において、
前記記憶手段はセル開放電圧に対する容量自己調整基準時間のマップデータを記憶するとともに、
前記組電池の無負荷状態を検出する無負荷状態検出手段と、
前記組電池の無負荷状態の継続時間を計時する計時手段とを備え、
前記制御手段は、前記電圧検出手段で検出したセル開放電圧に対応する容量自己調整基準時間を前記記憶手段の前記マップデータから読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがない場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の前記計時手段による計時時間が前記容量自己調整基準時間以上でない場合には、前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池と、
前記組電池の各並列ブロックの充電容量を調整する容量調整手段と、
前記組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出する電圧検出手段と、
セル開放電圧に対する放電深度の特性データを記憶する記憶手段と、
前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記電圧検出手段で検出した各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を前記記憶手段の特性データから読み出し、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合には、それらの放電深度が所定値より大きい並列ブロックのみを前記容量調整手段による容量調整対称とすることを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項4に記載の組電池の容量調整装置において、
前記制御手段は、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ない場合には、前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項4に記載の組電池の容量調整装置において、
前記組電池の無負荷状態を検出する無負荷状態検出手段と、
前記組電池の無負荷状態の継続時間を計時する計時手段とを備え、
前記制御手段は、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の前記計時手段による計時時間が所定時間以上でない場合には、前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項4に記載の組電池の容量調整装置において、
前記記憶手段はセル開放電圧に対する容量自己調整基準時間のマップデータを記憶するとともに、
前記組電池の無負荷状態を検出する無負荷状態検出手段と、
前記組電池の無負荷状態の継続時間を計時する計時手段とを備え、
前記制御手段は、前記電圧検出手段で検出したセル開放電圧に対応する容量自己調整基準時間を前記記憶手段の前記マップデータから読み出し、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の前記計時手段による計時時間が前記容量自己調整基準時間以上でない場合には、前記容量調整手段による前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項2、3、6、7のいずれかの項に記載の組電池の容量調整装置において、
前記無負荷状態検出手段は、前記組電池とその負荷との間に設置される開閉器が開路している状態を無負荷状態とすることを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項2、3、6、7のいずれかの項に記載の組電池の容量調整装置において、
前記組電池は走行用モーターの電源として電気自動車に搭載される組電池であり、
前記無負荷状態検出手段は、電気自動車のメインキーがオフされている状態を無負荷状態とすることを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項1〜9のいずれかの項に記載の組電池の容量調整装置において、
前記組電池はリチウムイオン電池であり、放電深度の前記所定値を略30%とすることを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で充電容量を調整する組電池の容量調整方法であって、
前記組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データーから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがある場合には、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項11に記載の組電池の容量調整方法において、
前記組電池の無負荷状態を検出してその継続時間を計時し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがない場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の無負荷状態の継続時間が所定時間以上でない場合には、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項11に記載の組電池の容量調整方法において、
セル開放電圧に対する容量自己調整基準時間のマップデータを予め記憶しておくとともに、前記組電池の無負荷状態を検出してその継続時間を計時し、検出したセル開放電圧に対応する容量自己調整基準時間を前記マップデータから読み出し、放電深度が所定値以下の並列ブロックがない場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の前記組電池の無負荷状態の継続時間が前記容量自己調整基準時間以上でない場合には、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対して、並列ブロック単位で充電容量を調整する組電池の容量調整方法であって、
前記組電池の各並列ブロックのセル開放電圧を検出し、予め記憶したセル開放電圧に対する放電深度の特性データから各並列ブロックのセル開放電圧に対応する放電深度を読み出し、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合には、それらの放電深度が所定値より大きい並列ブロックのみに対して並列ブロック単位で容量調整を行うことを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項14に記載の組電池の容量調整方法において、
放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ない場合には、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項14に記載の組電池の容量調整方法において、
前記組電池の無負荷状態を検出してその継続時間を計時し、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の前記組電池の無負荷時間の継続時間が所定時間以上でない場合には、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項14に記載の組電池の容量調整方法において、
セル開放電圧に対する容量自己調整基準時間のマップデータを予め記憶しておくとともに、前記組電池の無負荷状態を検出してその継続時間を計時し、検出したセル開放電圧に対応する容量自己調整基準時間を前記マップデータから読み出し、放電深度が所定値より大きい並列ブロックが2組以上ある場合でも、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を開始する直前の前記組電池の無負荷状態の継続時間が前記容量自己調整基準時間以上でない場合には、前記組電池の並列ブロック単位での容量調整を禁止することを特徴とする組電池の容量調整方法。
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2002
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