JP2004030065A - 機械装置の特性同定装置 - Google Patents

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Takayuki Kaneko
金子 貴之
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Abstract

【課題】電動機と負荷機械の間に非線形要素があっても、高速で且つ高精度で特性の同定ができるようにすることにある。
【解決手段】電動機トルクと位置および速度を保存する記録手段105と、これで保存したトルクを入力として模擬電動機位置と模擬電動機速度を出力とするシステムモデル150と、システムモデル150が出力する模擬電動機位置および模擬電動機速度と、記録手段105で保存した電動機位置と速度を入力として適合度を出力する評価手段107と、この評価手段107の重みを任意の量に設定する評価重み設定手段108と、遺伝的アルゴリズムを備えて前記評価手段107の評価結果から、前記システムモデル150の複数の変数を最適値に修正するモデル修正手段151とを備える。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動機などで駆動される負荷機械の伝達特性を同定する機械装置の特性同定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は機械装置の特性同定装置の従来例を示したブロック図であるが、これは「特開2001−8476号」公報で公開されたものであるから、これの説明は簡略して行う。
図7において、505は機械システムであって、負荷機械501,伝達機構502,電動機503および動力変換装置504で構成されている。506は実観測器,507は指令発生器,508は実制御器,509は第1前処理器,510は第2前処理器,511は実応答保存器,513は評価関数器,514はトータル調整装置で530は模擬回路である。
【0003】
第1前処理器509は、サンプル間隔で離散信号に変換されたτM (k) をデータ行列として実応答保存器511に保存する。第2前処理器510は、サンプル間隔で離散信号θM (k) に変換し、下記の数式1で計算してその値をωM  # (k) とする。
【0004】
【数1】
〔θM (k) −θM (k−1) 〕/T
実応答保存器511には、θM (k) とωM (k) を2つのデータ行列として保存する。この実応答保存器511は、P組のτM (k) ,θM (k) ,ωM (k) を保存できる保存器である。評価関数513は、模擬回路512からθM  # (k) ,ωM  # (k) を、実応答保存器511からθM (k) ,ωM (k) を読込み、下記の数式2の演算を行う。
【0005】
【数2】
Figure 2004030065
図8は図7の従来例に記載の模擬回路の構成を示したブロック図である。模擬回路530は3つの係数器530b,f,gと、4つの積分器530c,d,h,iと、2つの比較器530a,eと、模擬観測器530jとで構成されている。この模擬回路530では、与えられたパラメータPi を用いて、係数器530b,f,gそれぞれの係数Jmi,Kci,JLiを更新し、実応答保存器511に保存されたτM (k) のデータに対して1つずつ、この図8に図示の所定の計算を行い、θM  # (k) とωM  # (k) を計算して評価関数器513へ提供する。トータル調整装置514は、評価関数値Ji に対して、「特開平9−131087号」公報で公開されている遺伝的アルゴリズムを用いた調整方法で、評価関数値Ji を最小化する。この遺伝的アルゴリズム調整方法の最適化判定条件が満足されたとき、パラメータPi (Jmi,Kci,JLiを含む)は、同定された最適模擬パラメータ行列である。システムの一定時間区間の入出力信号を複数回でなく1回だけ計測すれば、局所解に陥ることなくシステムを模擬回路のパラメータとして同定することができる。また、システムを2慣性系として近似し、2慣性系模擬回路のパラメータを同定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例における数式2で示される評価関数は、模擬回路530の応答と実応答保存器511に保存された応答との誤差が、とある分散の正規分布に従うものと仮定し、分散が未知であることを前提にして定義してあるから、その結果として、同定速度が遅くなってしまうことが多い。また、すべての応答範囲で数式2の評価関数を適用した場合、検出器の分解能の影響などから、検出した応答が同定精度に問題を与える区間を生じる恐れがある。
【0007】
また、実際の機械システムは不感帯などの非線形要素を含むことが多く、その影響を制御器で補償しようとする場合、従来の同定装置では、その量を同定することが出来ない欠点もある。
そこでこの発明は、電動機と負荷機械の間に非線形要素があっても、高速で且つ高精度で特性の同定ができるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明の機械装置の特性同定装置は、
前記電動機を駆動するトルク量あるいは推力量と当該電動機の位置および速度とを保存する記録手段と、この記録手段で保存したトルク量あるいは推力量を入力として模擬電動機位置および模擬電動機速度を出力とする第1システムモデルと、この第1システムモデルが出力する模擬電動機位置および模擬電動機速度と、前記記録手段で保存した電動機位置および電動機速度を入力として適合度を出力する評価手段と、この評価手段の重みを任意の量に設定する評価重み設定手段と、遺伝的アルゴリズムを備えて前記評価手段の評価結果から、前記第1システムモデルの2つの変数である電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントと,負荷機械に含まれる粘性係数と,を最適値に修正する第1モデル修正手段とを備える。
【0009】
または、前記電動機を駆動するトルク量あるいは推力量と当該電動機の位置および速度とを保存する記録手段と、少なくとも前記電動機と負荷機械系との間にばね要素を模擬した多慣性系モデルを備え、前記記録手段で保存したトルク量あるいは推力量を入力として当該多慣性系モデルで模擬した模擬電動機位置および模擬電動機速度を出力とする第2システムモデルと、この第2システムモデルが出力する模擬電動機位置および模擬電動機速度と、前記記録手段で保存した電動機位置および電動機速度を入力として適合度を出力する評価手段と、この評価手段の重みを任意の量に設定する評価重み設定手段と、遺伝的アルゴリズムを備えて前記評価手段の評価結果から前記第2システムモデルの4つの変数である電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントと,負荷機械の慣性モーメントと,負荷機械の剛性値と,負荷機械に含まれる粘性係数と,を最適値に修正する第2モデル修正手段とを備える。
【0010】
または、前記電動機を駆動するトルク量あるいは推力量と当該電動機の位置および速度とを保存する記録手段と、少なくとも前記電動機と電動機側ギアの間のばね要素と,電動機側ギアと負荷側ギアの間の不感帯と弾性を模擬したバックラッシュモデルと,負荷側ギアと負荷機械の間のばね要素とを備え、前記記録手段で保存したトルク量あるいは推力量を入力として前記バックラッシュモデルで模擬した模擬電動機位置および模擬電動機速度を出力とする第3システムモデルと、この第3システムモデルが出力する模擬電動機位置および模擬電動機速度と、前記記録手段で保存した電動機位置および電動機速度を入力として適合度を出力する評価手段と、この評価手段の重みを任意の量に設定する評価重み設定手段と、遺伝的アルゴリズムを備えて前記評価手段の評価結果から前記第3システムモデルの11つの変数である電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントと,負荷機械の慣性モーメントと,電動機側ギヤの慣性モーメントと,負荷側ギアの慣性モーメントと,電動機と電動機側ギアの間に含まれる剛性値と,負荷側ギアと負荷機械の間に含まれる剛性値と,電動機側ギアと負荷側ギアの間に含まれる剛性値と,電動機と電動機側ギアの間に含まれる粘性値と,負荷側ギアと負荷機械の間に含まれる粘性値と,電動機側ギアと負荷側ギアの間の損失係数と,電動機側ギアと負荷側ギアの間の不感帯幅と,を最適値に修正する第3モデル修正手段とを備える。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施例を表した全体構成のブロック図である。図1の第1実施例において、制御器104は速度指令値Nr または位置指令値Xr を入力とし、フィードバックされてくる電動機速度Nm または電動機位置Xm とによりトルク指令値を出力する。トルク制御手段103はトルク指令ir を入力として電動機102が発生するトルクまたは推力を制御する。この電動機102が負荷機械系101を駆動する。
【0012】
記録手段105は、検出され,または推定された電動機速度Nm 及び電動機位置Xm とトルク指令ir を一定サンプリング時間でサンプルし、時系列データとしてそれぞれを電動機速度Nm (k) ,電動機位置Xm (k) ,トルク指令ir (k) として保存するメモリである。
第1システムモデル150は、前述の記録手段105から入力するトルク指令ir (k) と、電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm ならびに負荷機械に含まれる粘性係数DF とを用いて、模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) を演算する。
【0013】
評価手段107は第1システムモデル150が演算した模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) ,ならびに記録手段105に保存されている電動機速度Nm (k) と電動機位置Xm (k) を入力する。更に評価重み設定手段108からの重みp(k) も入力して下記の数式3の演算を行うことで、実際の応答と第1システムモデル150の応答との適合度Fを評価する。
【0014】
【数3】
Figure 2004030065
ここで重みp(k) は、評価重み設定手段108において任意に設定されるデータ列であって、第1システムモデル150におけるモデル化誤差や、電動機速度Nm (k) や電動機位置Xm (k) を計測する際に影響される外乱を考慮して設定する。
【0015】
第1モデル修正手段151では、適合度Fが最小となるような模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) を得るように、電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm と負荷機械に含まれる粘性係数DF とを遺伝的アルゴリズムを用いて探索する。
図2は本発明の第2実施例であり、図1に図示の第1システムモデルの構成を表したブロック図である。図2の第2実施例において、加算器201は、記録手段105から入力するトルク指令ir (k) と第2係数器205の出力値との偏差を演算する。電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm の逆数で表されるゲインを有する第1係数器202と第1積分器203とを直列にして演算することで、加算器201の演算値から模擬電動機速度Nm  # (k) が得られる。更に、この模擬電動機速度Nm  # (k) を第2積分器204で積分することで模擬電動機位置Xm  # (k) が演算される。これら模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) は、評価手段107へ出力される。
【0016】
負荷機械に含まれる粘性係数DF をゲインに持つ第2係数器は、前述により得られた模擬電動機速度Nm  # (k) を入力してこれをゲイン倍し、前記の加算器201へ与える。
図3は本発明の第3実施例を表した全体構成のブロック図であるが、負荷機械系101,電動機102,トルク制御手段103,制御器104,記録手段105,評価手段107および評価重み設定手段108の名称・用途・機能は、図1で既述の第1実施例と同じであるから、同じ部分の説明は省略する。
【0017】
第2システムモデル350は、2慣性系モデルの場合であるが、前述の第1実施例と同様に、記録手段105からトルク指令ir (k) を入力する。これと、電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm ,負荷機械の慣性モーメントJL ,負荷機械に含まれる粘性係数DF ならびに負荷機械の剛性値KF とを用いて、模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) を演算する。
【0018】
第2モデル修正手段351では、適合度Fが最小となるような模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) を得るように、電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm ,負荷機械の慣性モーメントJL ,負荷機械に含まれる粘性係数DF ならびに負荷機械の剛性値KF を、遺伝的アルゴリズムを用いて探索する。
【0019】
図4は本発明の第4実施例であり、図3に図示の第2システムモデルの構成を表したブロック図である。図4の第4実施例において、第1加算器301は、記録手段105から入力するトルク指令ir (k) と第3加算器303の演算値である負荷機械の模擬ねじりトルクiF との偏差を演算する。電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm の逆数で表されるゲインを有する第1係数器304と第1積分器306とを直列して演算することで、第1加算器301の演算値から模擬電動機速度Nm  # (k) が求められ、更にこの模擬電動機速度Nm  # (k) を第2積分器309で積分することで模擬電動機位置Xm  # (k) が演算される。これら模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) は、評価手段107へ出力される。
【0020】
第2加算器302は、模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬負荷速度NL  # (k) の偏差を演算する。負荷機械に含まれる粘性係数DF をゲインにもつ第2係数器310は、この偏差をゲイン倍して第3加算器303へ出力する。また第3積分器307と負荷機械の剛性値KF をゲインにもつ第3係数器311を直列にして第2加算器302の出力値を演算し、その演算結果を第3加算器303へ出力する。第3加算器303はこれら両演算値を加算して得られる負荷機械の模擬ねじりトルクiF を、第4係数器305と前記の第1加算器301へ出力する。
【0021】
この第3加算器303が出力する負荷機械の模擬ねじりトルクiF を、負荷機械の慣性モーメントJL の逆数をゲインにもつ第4係数器305と第4積分器308を直列にして演算することで、模擬負荷速度NL  # (k) が得られる。この模擬負荷速度NL  # (k) は前述した第2加算器302へ与えられる。
図5は本発明の第5実施例を表した全体構成のブロック図であるが、負荷機械系101,電動機102,トルク制御手段103,制御器104,記録手段105,評価手段107および評価重み設定手段108の名称・用途・機能は、図1で既述の第1実施例と同じであるから、同じ部分の説明は省略する。
【0022】
第3システムモデル450は、電動機と負荷の間にバネ要素や不感帯などの非線形要素我存在する場合であり、前述の第1実施例と同様に、記録手段105からトルク指令ir (k) を入力する。これと、電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm ,負荷機械の慣性モーメントJL ,電動機側ギア要素の慣性モーメントJ1 ,負荷側ギア要素の慣性モーメントJ2 ,電動機と電動機ギア間に含まれる剛性値Ks1,負荷と負荷側ギア間に含まれる剛性値Ks2,電動機側ギアと負荷側ギア間に含まれる剛性値Kg ,電動機と電動機ギア間に含まれる粘性係数Ds1,負荷と負荷側ギア間に含まれる粘性係数Ds2,電動機側ギアと負荷側ギア間の損失係数Dg ,電動機側ギアと負荷側ギア間の損失係数Dg ならびにギアの不感帯幅Δθを用いて演算を行う。
【0023】
第3モデル修正手段451では、適合度Fが最小となるような模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) を得るように、前述のJm ,JL ,J1 ,J2 ,Ks1,Ks2,Kg ,Ds1,Ds2,Dg ならびにΔθを、遺伝的アルゴリズムを用いて探索する。
図6は本発明の第6実施例であり、図5に図示の第3システムモデルの構成を表したブロック図である。図6の第6実施例において、第1加算器401は、記録手段105から入力するトルク指令ir (k) と第3加算器407の演算値である電動機側ギアのねじれトルクとの偏差を演算する。電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントJm の逆数で表されるゲインを有する第1係数器421と第1積分器410とを直列にして演算することで、第1加算器401の演算値から模擬電動機速度Nm  # (k) が求められ、更にこの模擬電動機速度Nm  # (k) を第2積分器417で積分することで、模擬電動機位置Xm  # (k) が演算される。これら模擬電動機速度Nm  # (k) と模擬電動機位置Xm  # (k) は、評価手段107へ出力される。
【0024】
第2加算器402は、模擬電動機速度Nm  # (k) と電動機側ギア速度Ng1との偏差を演算する。電動機と電動機ギア間に含まれる粘性係数Ds1をゲインにもつ第2係数器425は、この偏差をゲイン倍して第3加算器407へ出力する。また第3積分器411と電動機と電動機ギア間に含まれる剛性値Ks1をゲインにもつ第3係数器418を直列にして第2加算器402の出力値を演算し、その演算結果を第3加算器407へ出力する。第3加算器407はこれら両演算値を加算して得られる電動機側ギアのねじれトルクを、第4加算器403と前述の第1加算器401へ出力する。
【0025】
この第3加算器407が出力する電動機側ギアのねじれトルクを、電動機側ギア要素の慣性モーメントJ1 の逆数をゲインにもつ第4係数器422と第4積分器412を直列にして演算することで、電動機側ギア速度Ng1が得られ、これを第8加算器404と前述の第2加算器402へ出力する。
一方負荷機械側では、第5加算器405が負荷側ギア速度Ng2と模擬負荷速度NL  # (k) との偏差を演算する。負荷と負荷側ギア間に含まれる粘性係数Ds2をゲインにもつ第6係数器427は、この偏差をゲイン倍して第6加算器409へ出力する。また第6積分器415と,負荷と負荷側ギア間に含まれる剛性値Ks2をゲインにもつ第7係数器420を直列にして第5加算器405の出力値を演算し、その演算結果を第6加算器409へ出力する。第6加算器409はこれら両演算値を加算して得られる負荷側ギアのねじれトルクを、第7加算器406と、第5係数器424と第5積分器416の直列回路と、へ出力する。
【0026】
第7加算器406は、この負荷側ギアのねじれトルクとギアの伝達トルクig との偏差を演算する。この偏差を、負荷側ギア要素の慣性モーメントJ2 の逆数をゲインにもつ第8係数器423と第7積分器417を直列にして演算することで負荷側ギア速度Ng2が得られる。この負荷側ギア速度Ng2は第8加算器404と前述の第5加算器405へ与えられる。更にこの負荷側ギアのねじれトルクは、負荷機械の慣性モーメントJL の逆数をゲインにもつ第5係数器424と第5積分器416を直列にして演算することで模擬負荷速度NL  # (k) が求まる。この模擬負荷速度NL  # (k) は前述した第5加算器405へ入力される。
【0027】
ギア部430は、第8加算器404,第9加算器408,第8積分器413,電動機側ギアと負荷側ギア間に含まれる剛性値Kg をゲインにもつ第9係数器419,電動機側ギアと負荷側ギア間の損失係数Dg をゲインにもつ第10係数器426,微分器428および不感帯発生器429で構成している。
そこで第8加算器404へ電動機側ギア速度Ng1と負荷側ギア速度Ng2とを入力し、これら両入力の偏差を演算し、この偏差を第8積分器413へ入力し、第8積分器413の出力を不感帯発生器429へ入力する。不感帯発生器429の出力を第9係数器419でゲイン倍して第9加算器408へ出力すると共に、微分器428と第10係数器426を直列にしてこの不感帯発生器429の出力を演算し、その演算結果を第9加算器408へ出力する。
【0028】
第9加算器408はこれら両入力の和であるギアの伝達トルクig を演算して第4加算器403と第7加算器406へ出力する。
【0029】
【発明の効果】
従来の特性同定装置では、検出器の分解能の影響などから、検出した応答が同定精度に問題を与える区間を生じる恐れがあった。また、実際の機械システムは不感帯などの非線形要素を含むことが多いから、その影響を制御器で補償しようとする場合に、従来の同定装置では、その量を同定することが出来ない欠点もあった。
【0030】
これに対して請求項1と2に記載の発明では、電動機速度ならびに電動機位置についてのシステムモデルの出力と記録手段で保存したデータとの適合度を評価する際に、評価重み設定手段を導入することで評価関数の重みを任意に変化させることができるので、従来方式に比べてより高速な同定を実現することができる効果が得られる。また請求項3と4に記載の発明では、多慣性系をシステムモデルを導入することで、電動機と負荷との間にばね要素が存在しても、高速で且つ高精度で同定できる効果が得られる。更に、請求項5と6に記載の発明では、システムモデルにバックラッシュモデルを導入することで、電動機と負荷との間にばね要素や不感帯のような非線形要素が存在しても、高速で且つ高精度で同定できる効果が得られる。
【0031】
なお、負荷の駆動がリニアモータなどの場合は、トルクの代わりに推力を適用することで、本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を表した全体構成のブロック図
【図2】本発明の第2実施例であり、図1に図示の第1システムモデルの構成を表したブロック図
【図3】本発明の第3実施例を表した全体構成のブロック図
【図4】本発明の第4実施例であり、図3に図示の第2システムモデルの構成を表したブロック図
【図5】本発明の第5実施例を表した全体構成のブロック図
【図6】本発明の第6実施例であり、図5に図示の第3システムモデルの構成を表したブロック図
【図7】機械装置の特性同定装置の従来例を示したブロック図
【図8】図7の従来例に記載の模擬回路の構成を示したブロック図
【符号の説明】
105  記録手段
107  評価手段
108  評価重み設定手段
150  第1システムモデル
151  第1モデル修正手段
350  第2システムモデル
351  第2モデル修正手段
450  第3システムモデル
429  不感帯発生器
451  第3モデル修正手段
F    負荷機械に含まれる粘性係数
g    電動機側ギアと負荷側ギア間の損失係数
s1   電動機と電動機ギア間に含まれる粘性係数
s2   負荷と負荷側ギア間に含まれる粘性係数
F    負荷機械の模擬ねじりトルク
g    ギアの伝達トルク
1    電動機側ギア要素の慣性モーメント
2    負荷側ギア要素の慣性モーメント
L    負荷機械の慣性モーメント
m    電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメント
F    負荷機械の剛性値
g    電動機側ギアと負荷側ギア間に含まれる剛性値
s1   電動機と電動機ギア間に含まれる剛性値
s2   負荷と負荷側ギア間に含まれる剛性値
L  # (k) 模擬負荷速度
m  # (k) 模擬電動機速度
g1   電動機側ギア速度
g2   負荷側ギア速度
m  # (k) 模擬電動機位置
Δθ   ギアの不感帯幅

Claims (6)

  1. 負荷機械系と、この負荷機械系を駆動する電動機を備えた機械装置において、
    前記電動機を駆動するトルク量あるいは推力量と当該電動機の位置および速度とを保存する記録手段と、
    この記録手段で保存したトルク量あるいは推力量を入力として模擬電動機位置および模擬電動機速度を出力とする第1システムモデルと、
    この第1システムモデルが出力する模擬電動機位置および模擬電動機速度と、前記記録手段で保存した電動機位置および電動機速度を入力として適合度を出力する評価手段と、
    この評価手段の重みを任意の量に設定する評価重み設定手段と、
    遺伝的アルゴリズムを備えて前記評価手段の評価結果から、前記第1システムモデルの2つの変数である電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントと,負荷機械に含まれる粘性係数と,を最適値に修正する第1モデル修正手段と、
    を備えることを特徴とする機械装置の特性同定装置。
  2. 請求項1に記載の機械装置の特性同定装置において、前記第1システムモデルは、
    加算器は、前記記録手段から入力するトルク量あるいは推力量と粘性摩擦分トルクとの偏差を演算し、
    電動機とこれに付随する剛体の慣性モーメントの逆数をゲインとする第1係数器と第1積分器は、前記加算器の演算値から電動機速度を求め、
    第2積分器は、この模擬電動機速度から模擬電動機位置を求め、
    負荷機械に含まれる粘性係数をゲインとする第2係数器は、前記模擬電動機速度から前記粘性摩擦分トルクを演算することを特徴とする機械装置の特性同定装置。
  3. 負荷機械系と、この負荷機械系を駆動する電動機を備えた機械装置において、
    前記電動機を駆動するトルク量あるいは推力量と当該電動機の位置および速度とを保存する記録手段と、
    少なくとも前記電動機と負荷機械系との間にばね要素を模擬した多慣性系モデルを備え、前記記録手段で保存したトルク量あるいは推力量を入力として当該多慣性系モデルで模擬した模擬電動機位置および模擬電動機速度を出力とする第2システムモデルと、
    この第2システムモデルが出力する模擬電動機位置および模擬電動機速度と、前記記録手段で保存した電動機位置および電動機速度を入力として適合度を出力する評価手段と、
    この評価手段の重みを任意の量に設定する評価重み設定手段と、
    遺伝的アルゴリズムを備えて前記評価手段の評価結果から前記第2システムモデルの4つの変数である電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントと,負荷機械の慣性モーメントと,負荷機械の剛性値と,負荷機械に含まれる粘性係数と,を最適値に修正する第2モデル修正手段と、
    を備えることを特徴とする機械装置の特性同定装置。
  4. 請求項3に記載の機械装置の特性同定装置において、前記第2システムモデルは、
    第1加算器は、前記記録手段から入力するトルク量あるいは推力量と負荷機械の模擬ねじれトルクとの偏差を演算し、
    電動機とこれに付随する剛体の慣性モーメントの逆数をゲインとする第1係数器と第1積分器は、前記第1加算器の演算値から模擬電動機速度を求め、
    第2積分器は、この模擬電動機速度から模擬電動機位置を求め、
    第2加算器は、この模擬電動機速度と模擬負荷速度との偏差を演算し、
    負荷機械に含まれる粘性係数をゲインとする第2係数器は、この第2加算器の演算結果を演算すると共に、負荷機械の剛性値をゲインとする第3係数器と第3積分器は、当該第2加算器の演算結果を演算し、
    第3加算器は、これら両演算値の和である前記負荷機械の模擬ねじれトルクを演算し、
    負荷機械の慣性モーメントの逆数をゲインとする第4係数器と第4積分器は、この第3加算器の演算結果を演算して前記模擬負荷速度を得ることを特徴とする機械装置の特性同定装置。
  5. 負荷機械系と、この負荷機械系を駆動する電動機を備えた機械装置において、
    前記電動機を駆動するトルク量あるいは推力量と当該電動機の位置および速度とを保存する記録手段と、
    少なくとも前記電動機と電動機側ギアの間のばね要素と,電動機側ギアと負荷側ギアの間の不感帯と弾性を模擬したバックラッシュモデルと,負荷側ギアと負荷機械の間のばね要素と,を備え、前記記録手段で保存したトルク量あるいは推力量を入力として前記バックラッシュモデルで模擬した模擬電動機位置および模擬電動機速度を出力とする第3システムモデルと、
    この第3システムモデルが出力する模擬電動機位置および模擬電動機速度と、前記記録手段で保存した電動機位置および電動機速度を入力として適合度を出力する評価手段と、
    この評価手段の重みを任意の量に設定する評価重み設定手段と、
    遺伝的アルゴリズムを備えて前記評価手段の評価結果から前記第3システムモデルの11つの変数である電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントと,負荷機械の慣性モーメントと,電動機側ギアの慣性モーメントと,負荷側ギアの慣性モーメントと,電動機と電動機側ギアの間に含まれる剛性値と,負荷側ギアと負荷機械の間に含まれる剛性値と,電動機側ギアと負荷側ギアの間に含まれる剛性値と,電動機と電動機側ギアの間に含まれる粘性値と,負荷側ギアと負荷機械の間に含まれる粘性値と,電動機側ギアと負荷側ギアの間の損失係数と,電動機側ギアと負荷側ギアの間の不感帯幅と,を最適値に修正する第3モデル修正手段と、
    を備えることを特徴とする機械装置の特性同定装置。
  6. 請求項5に記載の機械装置の特性同定装置において、前記第3システムモデルは、
    電動機側では、第1加算器は前記記録手段から入力するトルク量あるいは推力量と電動機側ギアのねじれトルクとの偏差を演算し、
    電動機とそれに付随する剛体の慣性モーメントの逆数をゲインとする第1係数器と第1積分器は、前記第1加算器の演算値から模擬電動機速度を求め、
    第2積分器は、この模擬電動機速度から模擬電動機位置を求め、
    第2加算器は、前記模擬電動機速度と電動機側ギア速度との偏差を演算し、
    電動機と電動機ギア間に含まれる粘性係数をゲインとする第2係数器は、第2加算器の演算結果を演算すると共に、電動機と電動機ギア間に含まれる剛性値をゲインとする第3係数器と第3積分器は、前記第2加算器の演算結果を演算し、第3加算器は、これら両演算値の和である前記電動機側ギアのねじれトルクを演算し、
    第4加算器はこの電動機側ギアのねじれトルクとギアの伝達トルクとの偏差を演算し、
    電動機側ギア要素の慣性モーメントの逆数をゲインとする第4係数器と第4積分器は、第4加算器の演算値から前記電動機側ギア速度を演算し、
    負荷機械側では、第5加算器は、模擬負荷速度と負荷側ギア速度の偏差を演算し、
    負荷と負荷側ギア間に含まれる粘性係数をゲインとする第6係数器は、第5加算器の演算結果を演算すると共に、負荷と負荷側ギア間に含まれる剛性値をゲインとする第7係数器と第6積分器は、前記第5加算器の演算結果を演算し、
    第6加算器は、これら両演算値の和である負荷側ギアのねじれトルクを演算し、
    負荷機械の慣性モーメントの逆数をゲインとする第5係数器と第5積分器は、この負荷側ギアのねじれトルクから前記模擬負荷速度を演算し、
    第7加算器はこの負荷側ギアのねじれトルクとギアの伝達トルクとの偏差を演算し、
    負荷側ギア要素の慣性モーメントの逆数をゲインとする第8係数器と第7積分器は、第7加算器の演算結果から前記負荷側ギア速度を演算し、
    ギアでは、第8加算器は前記電動機側ギア速度と負荷側ギア速度との偏差を演算し、
    第8積分器は第8加算器の演算結果を積分し、
    不感帯発生器は、第8積分器の演算結果を入力し、
    電動機側ギアと負荷側ギア間に含まれる剛性値をゲインとする第9係数器は不感帯発生器の出力を演算すると共に、電動機側ギアと負荷側ギア間の損失係数をゲインとする第10係数器と微分器は、前記不感帯発生器の出力を演算し、
    第9加算器はこれら両演算値の和である前記ギアの伝達トルクを演算することを特徴とする機械装置の特性同定装置。
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