JP2004029121A - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP2004029121A JP2002181440A JP2002181440A JP2004029121A JP 2004029121 A JP2004029121 A JP 2004029121A JP 2002181440 A JP2002181440 A JP 2002181440A JP 2002181440 A JP2002181440 A JP 2002181440A JP 2004029121 A JP2004029121 A JP 2004029121A
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佐藤  進
Rumiko Yamaguchi
山口  留美子
Kanetaka Sekiguchi
関口  金孝
Yasushi Kaneko
金子  靖
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Abstract

【課題】一対の基板間に液晶層を挟持した液晶表示装置において、蛍光二色性色素を含む液晶層の蛍光二色性色素の発光効率を向上し、鮮やかな表示を達成する。
【解決手段】第1の基板と第2の基板との間に封入する液晶層に、目的の発光色の主蛍光二色性色素を添加し、さらに、主蛍光二色性色素の吸収波長の光を発光する増感剤となる副蛍光二色性色素を添加する。つまり、副蛍光二色性色素の最大吸収波長は、主蛍光二色性色素の最大吸収波長より短波長であり、副蛍光二色性色素の発光波長領域は、主蛍光二色性色素の吸収波長領域を含むことを特徴としている。このような構成をとることによって、液晶層に主蛍光二色性色素のみを含む場合より、主蛍光二色性色素における最大発光強度が大きくなる。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に関し、特に、液晶層にホストである液晶とゲストである蛍光二色性色素を採用し、液晶層の電気光学変化により蛍光二色性色素の発光強度、あるいは色彩を制御することにより、従来の非発光型液晶表示装置とは異なる表示を可能とする液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、小型情報機器に用いられる液晶表示装置としては、液晶層自体には発光機能を持たず、液晶表示装置に光源を内蔵させた透過型液晶表示装置あるいは半透過型液晶表示装置、または液晶表示装置の使用環境からの光に電気的な変調を行うことによって表示を可能とする反射型液晶表示装置等が主流である。
【0003】
一方、このような液晶表示装置とは異なるものとして、液晶表示パネルの一部に発光性を有する材料を使用し、液晶の電気光学変化を利用して表示を可能とする液晶表示装置が、例えば、特開昭60−50578号公報や特開昭60−129780号公報に提案されている。
【0004】
また、液晶表示パネルの視認者と反対側(裏側)に紫外線を発光する光源を配置し、さらに液晶表示パネルと光源との間に紫外線に対して偏光性を有する偏光板を配置し、ゲストである蛍光二色性色素の二色性比を改善し、視認性を改善する提案が、社団法人「映像情報メディア学会」主催の”Proceedings of The Fifth International Display Workshops”(1998年度)において行われた(予稿集IDW’98の第25頁〜第28頁参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開昭60−50578号公報や特開昭60−129780号公報に提案されている液晶表示装置は、液晶層自体に発光性を設けていないため、液晶表示パネルの製造工程を従来と同様とすることができないという問題点があった。
【0006】
また、IDW’98の第25頁〜第28頁に記載の提案では、紫外線に対する偏光板の偏光性の不十分さにより、偏光板に光源からの紫外線が吸収されてしまい、十分な紫外線を液晶表示パネルに照射することができず、視認側から見て表示が暗いという問題点があった。これに加えて、ゲストである蛍光二色性色素には、一般的には、発光する光の波長領域より短波長側に光の吸収波長領域があるため、使用する光源の発光波長によっては、光源の発光波長と蛍光二色性色素の吸収波長に差が生じると、蛍光二色性色素からの発光強度が低下してしまうという問題があった。
【0007】
さらに、従来のこの表示方法では、ホストである液晶に電圧を印加し、蛍光二色性色素の発光の強弱を電気的に制御することにより、表示を行う。すなわち、蛍光二色性色素の発光の強い場合には、蛍光二色性色素の発光色を呈示し、蛍光二色性色素の発光の弱い場合には、光源色を呈示される。この場合に、蛍光二色性色素は、光源からの光を吸収し、発光を行うため、蛍光二色性色素が吸収する光を光源に用いる必要がある。さもないと、蛍光二色性色素からの強い発光は期待できない。
【0008】
以上のように、蛍光二色性色素を用いた液晶表示装置では、蛍光二色性色素が強い発光を発生する波長の光を含む光源を使用する必要があり、光源の波長は、蛍光二色性色素の吸収波長を含む限られたものになり、カラフルな表示には限界があった。また、光源は、蛍光二色性色素の吸収波長を発光する必要があるため、蛍光二色性色素の発光波長により、使用できる光源も限定される。あるいは、光源の発光効率が悪い状況で使用する必要があった。
【0009】
そこで本発明の目的は、蛍光二色性色素を液晶層に添加する蛍光液晶表示装置の発光効率を改善し、鮮やかで、鮮明な表示を可能とする液晶表示装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願発明は、ホストである液晶に目的の発光波長の主蛍光二色性色素と、この主蛍光二色性色素の最大吸収波長より短波長側に最大吸収波長を示す副蛍光二色性色素を添加し、主蛍光二色性色素の吸収波長領域に発光波長領域を示す副蛍光二色性色素を添加することにより、主蛍光二色性色素の強い発光を可能とする。つまり、主蛍光二色性色素のみを含む場合の最大発光強度より、副蛍光二色性色素と主蛍光二色性色素との、複数の蛍光二色性色素を含むことによって、主蛍光二色性色素の最大発光強度が大きくなることを特徴とする。
【0011】
主蛍光二色性色素と副蛍光二色性色素とを含む液晶層からの発光は、副蛍光二色性色素における最大発光波長の発光をほとんど含まず、主に主蛍光二色性色素の発光波長領域の発光であることを特徴とする。
【0012】
また、副蛍光二色性色素としては、青色発光の蛍光二色性色素を採用した場合には、主蛍光二色性色素は、緑色発光の蛍光二色性色素か、あるいは赤色発光の蛍光二色性色素を採用することができる。また、副蛍光二色性色素に緑色発光の蛍光二色性色素を採用した場合には、主蛍光二色性色素には、赤色発光の蛍光二色性色素を採用することができる。
【0013】
さらに、視認側とは反対側に配置した第2基板に対して、液晶層と反対側には、補助光源を備えてもよく、この補助光源には、副蛍光二色性色素の最大吸収波長を含む波長の光を出射するもの、あるいは副蛍光二色性色素と主蛍光二色性色素のそれぞれの最大吸収波長を含む波長の光を出射すること、あるいは副蛍光二色性色素の最大吸収波長を含む光と、主蛍光二色性色素の最大発光波長以外の波長領域の光とを出射することが好ましい。
【0014】
また、第2基板に対して液晶層と反対側あるいは、第1基板の液晶層と反対側の少なく一方には、偏光板を有していても良い。例えば、第2基板と補助光源との間に、一方の偏光軸が透過偏光軸であり、透過偏光軸にほぼ直交する偏光軸が反射偏光軸である反射型偏光板を備えていてもよい。この反射型偏光板は可視光より短波長の光を吸収し、可視光の光を発光する特性を有し、さらに、この可視光の発光は偏光性を有していないことを特徴とする。また、第1の基板の視認側面には、吸収型偏光板を備えることが好ましい。
【0015】
また、第2基板と補助光源との間には、一方の偏光軸が透過偏光軸であり、透過偏光軸にほぼ直交する偏光軸が吸収軸である吸収型偏光板を備えていてもよい。これらの反射型偏光板、あるいは吸収型偏光板を設置する場合には、反射型偏光板あるいは吸収型偏光板の透過偏光軸を、液晶層に対して電圧無印加時の際に、蛍光二色性色素の吸収が大きくなる配向方向に対して平行に設置することが好ましい。
【0016】
さらに、蛍光二色性色素を含む液晶表示パネルを複数積層する構成とし、これら複数の液晶表示パネルのうち、いずれか一つの液晶表示パネルに、主蛍光二色性色素と副蛍光二色性色素の少なくとも2種類の蛍光二色性色素を含有させてもよい。
【0017】
本発明により、液晶に主蛍光二色性色素を単独で添加した場合において、副蛍光二色性色素を添加することにより、同一量の主蛍光二色性色素であっても、主蛍光二色性色素の強い発光が可能となる。さらに、副蛍光二色性色素の添加量を増加することにより、主蛍光二色性色素の発光を強くする、いわゆる副蛍光二色性色素による主蛍光二色性色素の増感効果を達成する。
【0018】
つまり、前記液晶層に主蛍光二色性色素のみを含む場合の最大発光強度より、複数の蛍光二色性色素を含む場合における主蛍光二色性色素の最大発光強度が大きくなることを特徴とする。この場合、副蛍光二色性色素の発光をほとんど発生することなく、主蛍光二色性色素の目的の発光強度を数倍に大きくすることができる。
【0019】
また、主蛍光二色性色素の吸収波長領域を含まない、補助光源を使用することも、増感剤である副蛍光二色性色素の吸収波長領域を利用し、主蛍光二色性色素の吸収と発光を行うことにより可能となる。さらに、補助光源の光源色と蛍光二色性色素の発光色との彩度差、あるいは明度差が小さい場合には、補助光源の発光波長をずらし、副蛍光二色性色素の吸収を発生し、主蛍光二色性色素の発光を発生させることにより、補助光源の発光波長領域を主蛍光二色性色素の発光波長領域に比較して短波長側にシフトできるため、色相の違いを大きくすることが可能となる。
【0020】
視認者側から見て液晶表示パネルの下側に偏光板を配置しても、光源と液晶表示パネルの間に、可視光領域の波長を吸収あるいは反射し、特定の波長の光を発光する反射型偏光板のような光学変換素子を配置することにより、液晶表示パネルの発光色と光学変換素子の発光色を利用して複数の発光色を得ることが可能となる。
【0021】
また、蛍光二色性色素を含有する液晶表示パネルを積層する場合には、補助光源側に配置する液晶層の蛍光二色性色素の吸収波長領域を、前面側に配置する蛍光液晶表示パネルの液晶層の蛍光二色性色素の吸収波長領域より短波長とすることにより、補助光源側の蛍光液晶表示パネルの液晶層に電圧を印加することなく、複数の蛍光を表示することができる。そのため、補助光源側の蛍光液晶表示パネルには、電極を設ける必要がないため蛍光二色性色素の液晶表示パネルの構成が簡単になる。
【0022】
さらに、補助光源と蛍光液晶表示パネルとの間に偏光板を設ける場合には、偏光板の透過偏光軸を蛍光二色性色素の吸光度の大きい吸収軸と合わせることにより、補助光源により、偏光板の透過偏光軸の偏光を利用し、蛍光二色性色素の発光を行うことができる。複数の蛍光液晶表示パネルを積層する場合にも、最背面(補助光源側)に配置する蛍光液晶表示パネルの液晶層に添加する蛍光二色性色素の吸収軸を偏光板の透過偏光軸に合わせることにより、多色表示が可能となる。
【0023】
液晶表示パネルの前面、つまり視認側に偏光板を設けることにより、蛍光二色性色素の透過軸に入射する偏光、あるいは、透過軸とオフセットとし、吸収軸に平行な偏光以外の光に対する発光、すなわち目的の発光以外の発光に対して、遮光作用として機能することができる。コントラストの改善ができ、蛍光二色性色素の鮮やかな表示が可能となる。
【0024】
さらに、蛍光液晶表示パネルと補助光源との間に反射型偏光板を採用することにより、外部光源を用いた反射表示の場合には、反射型偏光板の反射偏光軸を利用し、反射機能素子として機能させ、蛍光二色性色素を透過する光を反射型偏光板から再度反射して蛍光二色性色素に戻すことにより、再発光を行うことができる。補助光源を利用する透過表示の場合には、遮光機能素子として機能させ、透過偏光軸のみの光を蛍光液晶表示パネルに照射することができる。
【0025】
さらに、反射型偏光板に蛍光、あるいは燐光機能を付与することにより、補助光源の光により、反射型偏光板の発光を行い、反射表示とは異なる色調の表示が可能とする。補助光源に可視光線以外の光を採用することにより、特に、有効な手法となる。
【0026】
さらに、本発明は、補助光源の発光効率の良い波長領域を利用し、副蛍光二色性色素に光の吸収と発光をさせ、副蛍光二色性色素の発光により主蛍光二色性色素の吸収と発光を行うことにより、補助光源の発光効率の悪い波長領域を利用して、直接主蛍光二色性色素を発光する場合に比較して、副蛍光二色性色素を利用し、主蛍光二色性色素の発光を行うことにより、強い発光を可能とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下に本発明を実施するための最良の形態における液晶表示装置について、図面を参照しながら具体的な実施形態を説明する。図2は、本発明の液晶表示装置が使用される電子機器、例えば、携帯情報機器50を示すものである。携帯情報機器50のケース41には、表示画像57を表示するための表示領域56があり、この表示領域56の脇には、表示内容を変更するための第1のボタン45、第2のボタン46、第3のボタン47、および通信センサ48がある。49は携帯情報機器50のオン・オフスイッチである。
【0028】
図3は図2の携帯情報機器50をA−A線における断面図である。携帯情報機器50のケース41の表示領域56には、内部を見通すことができる風防ガラス42が設けられている。ケース41の裏側には回路基板63が設けられており、この回路基板63の上に液晶表示装置が実装されている。第1の実施形態における液晶表示装置には、風防ガラス42側(視認側)より、第1の電極が設けられた第1の基板1、液晶層9、第2の電極が設けられた第2の基板6からなる液晶表示パネルが設けられている。液晶表示パネルP1の第1の基板1と第2の基板6は所定の間隙を隔てて対向しており、第1の基板1と第2の基板6の間のスペースが液晶層9になっている。液晶層9の中には液晶がシール部材14と図示しない封孔部でシールされて封入されている。
【0029】
また、第1の基板1の図示しない電極は、導電部材61によって回路基板63上の信号端子に接続されている。ケース41上に配置されている通信センサ48は、通信用基板51上に実装されている。この通信用基板51は柔軟な印刷回路基板(FPC)からなる通信用接続端子52により回路基板63と接続している。通信センサ48は送受信あるいは受信用であり、位置情報用のGPSセンサ、あるいはブルートゥース送受信センサ、あるいは赤外線送受信センサである。また、回路基板63にはエネルギー源として電池用端子53に取り付けられた電池54が設けられている。
【0030】
ここで、図4により液晶層に添加される蛍光二色性色素分子10の配向方向に対する偏光成分の透過、吸収について説明する。図4に示すように、蛍光二色性色素分子10に対して、その配向方向に垂直な偏光成分LVは、蛍光二色性色素分子10を透過して、そのまま出力される。すなわち、蛍光二色性色素の透過軸に相当する偏光であり、蛍光二色性色素の吸収がほとんど発生することなく透過する。
【0031】
一方、蛍光二色性色素分子10に対して、その配向方向に平行な偏光成分LPは、液晶のダイレクタに追従する蛍光二色性色素分子10に吸収されてしまう。すなわち、偏光成分LPは蛍光二色性色素の吸収軸に相当する偏光であり、蛍光二色性色素の吸収が発生し、発光が発生する。
【0032】
次に、図5と図6とに本発明の実施形態に使用する蛍光二色性色素を利用して、蛍光二色性色素の吸収波長波長領域と、蛍光二色性色素の発光波長領域に関して説明する。図5は、蛍光二色性色素の吸収軸に平行な偏光(図4の偏光成分LP)を入射するときの吸収と発光の分光スペクトル特性を示している。図6は、蛍光二色性色素の吸収軸に直交する偏光(図4の偏光成分LV)を入射するときの吸収と発光の分光スペクトル特性を示している。横軸は、波長をナノメートル(nm)で示す。縦軸は、吸光度と発光強度を相対値で示している。
【0033】
まず、図5を用いて蛍光二色性色素の吸収と発光強度を説明する。ホストである液晶に青色蛍光二色性色素として、2,5−ビス−(5−t−ブチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン(以下BBOTと称する:東京化成工業製)を0.5質量パーセント(wt%)添加した場合の吸収波長特性136は、350nmに最大吸収波長を有し、吸収波長領域は、300nmから450nmである。300nmより短波長でも吸収はあるが、一般のガラス基板では吸収が発生するため、実際には、使用が難しい。BBOTの発光波長特性137に示すように、最大発光波長は、435nmであり、発光波長領域は、395nmから600nmである。
【0034】
緑色蛍光二色性色素に関して説明する。ホストである液晶に緑色蛍光二色性色素として、クマリン6(化合物名)を0.5質量パーセント(wt%)添加した場合の吸収波長特性138は、425nmに最大吸収波長を有し、吸収波長領域は、390nmから510nmである。発光波長特性139は、最大発光波長は、500nmであり、発光波長領域は、480nmから610nmである。
【0035】
赤色蛍光二色性色素に関して説明する。ホストである液晶に赤色蛍光二色性色素として、NKX−2197を0.5質量パーセント(wt%)添加した場合の吸収波長特性140は、520nmに最大吸収波長を有し、吸収波長領域は、400nmから620nmである。発光波長特性141から、最大発光波長は、610nmであり、発光波長領域は、550nmから760nmであることが分かる。
【0036】
次に、蛍光二色性色素の吸収軸に直交な偏光を入射する場合の吸収と発光特性に関して、図6を用いて説明する。吸収軸に直交な偏光とは、蛍光二色性色素の透過軸に平行な偏光を入射することを意味している。ホストである液晶にゲストとして添加する蛍光二色性色素は、図5と同様である。青色蛍光二色性色素のBBOTを、0.5質量パーセント(wt%)添加した場合の吸収波長特性143と、発光波長特性144を示す。最大吸収波長、吸収波長領域、最大発光波長と発光波長領域は、図4の傾向と同等であり、吸光度、発光強度が弱くなっている。
【0037】
緑色蛍光二色性色素として、クマリン6を0.5質量パーセント(wt%)添加した場合の吸収波長特性145と、発光波長特性146も、図5の緑色蛍光二色性色素の傾向と似ている。吸光度、発光強度は、弱くなっている。
【0038】
赤色蛍光二色性色素として、NKX−2197を0.5質量パーセント(wt%)添加した場合の吸収波長特性147と、発光波長特性148も図5の赤色蛍光二色性色素の傾向と類似している。吸光度、発光強度は、弱くなっている。
【0039】
よって、本発明では主蛍光二色性色素に、赤色蛍光二色性色素を用いたときには、赤色の最大吸収波長より短波長側に最大吸収波長を有し、発光波長領域が赤色蛍光二色性色素の吸収波長領域を含む、緑色蛍光二色性色素や青色蛍光二色性色素を用いることができる。また、緑色蛍光二色性色素を主蛍光二色性色素に用いたときには、青色蛍光二色性色素を副蛍光二色性色素として用いることができる。
【0040】
次に、図1を用いて液晶表示装置の表示の原理を説明する。図1は、図3におけるP部の拡大断面図である。図1には第1の基板1と第2の基板6との間に第1の画素部71と第2の画素部73、及び、画素部71,73の周囲である第1の画素間72と第2の画素間74とが示されている。第1の画素部71には、液晶ダイレクタに大きな変化が発生する大きな電圧(オン電圧)が印加されている。第2の画素部73には、液晶ダイレクタに変化が殆ど発生しない小さな電圧(オフ電圧)が印加されている。第1の画素間72と第2の画素間74の液晶ダイレクタと、オフ電圧が印加されている第2の画素部73の液晶ダイレクタは同一である。
【0041】
液晶表示パネルP1に対して視認者側と反対側の面(図の下側:背面)には冷陰極管25と、冷陰極管25の背面に設ける反射板26と、冷陰極管25の前面に設ける拡散板27とからなる補助光源29が配置されている。補助光源29からは色々な角度の偏光が液晶表示パネルに入射される。図1には紙面に対して手前と奥の偏光(以後、前後偏光とし、図1には「×」の記号が付されている)と、紙面に対して左右の偏光(以後、左右偏光とし、図1には両矢印が付されている)が代表して示されている。
【0042】
第1の画素部71における第1の光線a81の前後偏光は液晶ダイレクタが第1の基板1に垂直の方向であるため、第1の光線a81は蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の偏光であり、蛍光二色性色素の吸収、および発光は殆ど発生しない。さらに液晶の旋光性がないため、前後偏光のまま偏光板21に至る。偏光板21の透過軸は紙面の手前と奥の方向に配置されており、吸収軸が紙面の左右方向に配置されている。このため、第1の光線a81は偏光方向を維持したまま第1の光線i90として視認者側へ出射する。
【0043】
同じく、第1の画素部71における第1の光線b82の左右偏光は、蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の偏光であるため、蛍光二色性色素の吸収、および発光は殆ど発生しない。さらに液晶の旋光性がないため、左右偏光として偏光板21に至る。第1の光線b82は偏光板21の吸収軸に入射するため、第1の光線j91として偏光板21により吸収され、視認者側へは出射しない。
【0044】
ここで、液晶ダイレクタの変化していない第1の画素間72、第2の画素部73および第2の画素間74における光線について説明する。第1の画素間72における第1の光線c83の前後偏光は液晶ダイレクタが第1の基板1と平行方向であり、ツイストしており、蛍光二色性色素の小さな吸収、および小さな発光が発生し、液晶が90度ほど、旋光することにより、左右偏光となり偏光板21に至る。このため、第1の光線c83は偏光板21の吸収軸に入射するので、第1の光線k92として偏光板21により吸収され、視認者には殆ど認識できない。
【0045】
また、第2の画素部73における第1の光線d84の左右偏光は液晶ダイレクタに対して平行な偏光であり、蛍光二色性色素の大きな吸収、および大きな発光が発生する。さらに液晶が90度ほど、旋光するため、第1の光線d84の左右偏光は前後偏光となり、液晶層9内で色々な方向に発光して前後偏光として偏光板21に至る。前後偏光となった第1の光線d84は偏光板21の透過軸に入射するため、第1の光線l93として視認者側へ出射される。
【0046】
同様に第2の画素間74においても第1の光線e85の左右偏光は液晶ダイレクタに平行な偏光であるため、蛍光二色性色素の大きな吸収、および大きな発光が生じる。さらに液晶が90度ほど、旋光するために、第1の光線e85の左右偏光は前後偏光となり、液晶層9内で色々な方向に発光して前後偏光として偏光板21に至る。前後偏光となった第1の光線e85は、偏光板21の透過軸に入射するため、第1の光線m94として視認者側へ出射され、発光を呈示できる。
【0047】
実際には補助光源29からは前後偏光から左右偏光までの色々な偏光が出射しているため、蛍光二色性色素の分子は色々な方向の偏光に対して吸収と発光が発生する。そのため、液晶層に大きなオン電圧が印加されている場合には本来、発光が発生しないことが理想であるが、一部発光してしまう。そのため、第1の実施形態では、液晶パネルの視認者側に偏光板21を配置することにより、オン電圧が印加される第1の画素部71の発光を吸収し、オフ電圧が印加されている第2の画素部73の発光とのコントラスト比を大きくしている。すなわち、第1の実施形態では、偏光板21が蛍光二色性色素の二色性比の不足を補う作用をしている。
【0048】
この構成では、画素間と、液晶層9に小さい電圧(オフ電圧)を印加する画素部では、主蛍光二色性色素の発光を呈示し、大きい電圧(オン電圧)を印加する画素部では、補助光源の発光色を呈示することになる。例えば補助光源にブラックライトを利用し、主蛍光二色性色素に緑色蛍光二色性色素、増感剤となる副蛍光二色性色素に青色蛍光二色性色素を利用する場合には、緑蛍光色を背景とし、紫外線発光のため、黒文字あるいは、暗い青文字の表示となる。ブラックライトからの僅かな青色光を防止し、黒表示を行うためには、UVカットフィルムあるいはUVカットフィルタを第2の基板6と補助光源29との間に設けると良い。
【0049】
次に、図7を用いて、緑色蛍光二色性色素の発光強度を増加する増感効果特性を説明する。液晶層には、青色蛍光二色性色素を副蛍光二色性色素とし、さらに、緑色蛍光二色性色素を主蛍光二色性色素として2種類の蛍光二色性色素をゲストとして添加する。
【0050】
まず、液晶層9にはネマティック液晶として紫外線領域(340nmより長波長)で透明なZLI−5092、またはZLI−1083(製造業者名:メルクジャパン)を使用する。このネマティック液晶はホストとして使用されている。一方、ホストの中に溶解させるゲストとしては、緑色蛍光二色性色素であるクマリン6を使用することができる。ゲストである蛍光二色性色素の添加割合は、ホスト液晶に対して0.5質量パーセント(wt%)とし、液晶層9の厚さは10μmである。
【0051】
さらに、ゲストとしては青色蛍光二色性色素を使用する。この青色蛍光二色性色素としては、BBOTを0.0質量パーセント(wt%)、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%と0.5wt%とそれぞれ添加したものを用意する。本実施形態では、最終的に目的の発光を呈示する蛍光二色性色素を主蛍光二色性色素と称し、主蛍光二色性色素の発光を増感するために使用する蛍光二色性色素を副蛍光二色性色素と称する。本実施形態の場合には、主蛍光二色性色素がクマリン6であり、副蛍光二色性色素がBBOTである。
【0052】
補助光源には、紫外線領域の発光を有するブラックライトを使用する。図7は、横軸に波長をナノメートル(nm)で示し、縦軸に発光強度を示している。図7には、ゲストとしてBBOTのみを0.5wt%添加した発光スペクトルを曲線1−1特性110で示す。ブラックライトの発光波長領域とBBOTの吸収波長領域が一致しているため、強い発光を示している。
【0053】
クマリン6のみを0.5wt%添加した発光スペクトルを曲線1−2特性111で示す。500nm付近に最大発光強度を有するが、非常に弱い発光である。これは、ブラックライトの光源波長では、クマリン6はほとんど励起できていないためである。
【0054】
主蛍光二色性色素であるクマリン6の添加量は、0.5wt%のまま、副蛍光二色性色素であるBBOTを0.1wt%添加した場合の特性は、曲線1−3特性112で示す。図7に示すように、BBOT無添加の曲線1−2特性111に比較して、2倍程度の発光強度になっていることが分かる。
【0055】
BBOTを0.2wt%添加した場合の特性を、曲線1−4特性113、0.3wt%添加した場合の特性を、曲線1−5特性114、0.5wt%添加した場合の特性を、曲線1−6特性115で示している。BBOTを添加しない場合の曲線1−2特性111に比較し、0.5wt%添加した場合には、8倍程度に最大発光強度が増加(増感)していることが分かる。
【0056】
さらに、BBOTのみを0.5wt%添加した時の発光は、曲線1−1特性110であり、440nm付近に最大発光強度を有する青色発光を示すが、クマリン6にBBOTを添加した場合には、青色の蛍光はまったく認められず、緑の蛍光が増感していることが分かる。
【0057】
すなわち、BBOTは、紫外線を吸収し、クマリン6の吸収波長領域に相当する青色の発光波長領域の光を発光する。ブラックライトの紫外光では、従来発光強度が非常に弱かったクマリン6の緑色の蛍光は、BBOTを増感剤として用いることにより、緑色の蛍光を増強することが可能となる。さらに、青色の蛍光を呈示することがないため、液晶表示装置としては、暗表示と緑の鮮やかな表示が可能となる。つまり、青色蛍光二色性色素の発光をほとんど伴うことなく、目的の緑色発光を増強することが可能となる。そして良好なコントラストを得ることができる。
【0058】
図8は、BBOTの代わりに、増感剤として、青の蛍光を発する液晶T15(トリフェニルシアノ系:メルクジャパン社製)を用いた場合の発光スペクトルを示すグラフである。図8の横軸に波長をナノメートル(nm)で示し、縦軸に発光強度を示している。クマリン6のみの特性を曲線1−2特性111で示す。この特性は、図7の曲線1−2特性111と同じである。
【0059】
主蛍光二色性色素であるクマリン6の添加量は、0.5wt%のまま、副蛍光二色性色素であるT15を1wt%添加した場合の特性は、曲線2−3特性117で示す。T15無添加に比較し、3倍程度の発光強度になっていることが分かる。T15を5wt%添加した場合の特性を、曲線2−4特性118、15wt%添加した場合の特性を曲線2−5特性119で示している。T15を添加しない場合に比較し、15wt%添加した場合には、10倍程度に最大発光強度が増加(増感)していることが分かる。
【0060】
さらに、T15のみを液晶に15wt%添加した時の発光は、曲線2−1特性116であり、440nm付近に最大発光強度を有する青色発光を示す。クマリン6にT15を添加した場合には、青の蛍光はまったく認められず、緑の蛍光が増感していることが分かる。
【0061】
T15は、青色の蛍光を発する液晶であるが、ホスト液晶に添加し、液晶に対して所定の配向を示し、ホスト液晶の配向方向により、蛍光の強弱が可変するため、本実施形態では、蛍光二色性色素と称することにしている。
【0062】
以上の説明から明らかなように、主蛍光二色性色素に副蛍光二色性色素を添加することにより、副蛍光二色性色素の吸収特性を利用し、副蛍光二色性色素の発光をほとんど伴うことなく、主蛍光二色性色素の発光強度を増感することが可能となり、光源色と主蛍光二色性色素の発光とのコントラストを向上するとともに、主蛍光二色性色素の発光を鮮やかにすることが可能となる。
【0063】
さらに、補助光源の発光効率が良い波長領域に副蛍光二色性色素の吸収特性を合わせ、さらに、副蛍光二色性色素の発光波長領域を、目的の主蛍光二色性色素の吸収波長領域に合わせることにより、補助光源の発光効率の良い波長を利用し、目的の発光を達成できるため、とても効率良く主蛍光二色性色素の発光を行うことができる。
【0064】
[第2の実施形態]
以下に本発明の第2の実施形態における液晶表示装置について説明する。第2の実施形態の特徴は、第2の基板と補助光源との間に、つまり背面側に偏光板を設ける点である。さらに、この偏光板と補助光源との間に、半透過反射板を配置する点である。また、図9、図10は、第1の実施形態の図1に相当する別の実施形態を示す断面図である。図9は、透過表示の表示原理を示す断面図であり、図10は、反射表示の表示原理を示す断面図である。図9と図10とに示される第2の実施形態の液晶表示装置の構成については、第1の実施形態と同じく、主蛍光二色性色素には緑色の蛍光二色性色素を、副二色性色素には青色の二色性色素を液晶層に添加している。また他の構成部材についても第1の実施形態と同一のものは同一の符号または番号を付して、その説明を省略し、その表示原理のみを説明する。
【0065】
液晶層9は、第1の実施形態と同様に、90度ツイストネマティック(TN)液晶を採用している。まず、図9を用いて透過表示を説明する。紫外線ライトエミッテドダイオード(LED)素子からなる導光板33を補助光源として採用する。導光板33の前面には、半透過反射板28を設ける。半透過反射板28と第2の基板6との間には、一方の偏光軸は透過偏光軸であり、透過偏光軸と直交する偏光軸は吸収偏光軸である吸収型偏光板からなる第2の偏光板22を設ける。
【0066】
第2の偏光板22の透過偏光軸は、紙面左右であり、吸収偏光軸は紙面上下方向である。また、第1の基板1の前面に設ける偏光板21は、便宜上第1の偏光板と称し、透過偏光軸は、紙面上下、吸収偏光軸は紙面左右である。第1の偏光板21と第2の偏光板22とは、吸収偏光軸が直交するクロスニコルの配置である。
【0067】
第1の画素部71、第1の画素間72、第2の画素部73と第2の画素間74の液晶ダイレクタ(分子配向)および、蛍光二色性色素の吸収軸の方向は、図1と同様である。第1の画素部71における第1の光線a81の前後偏光は、第2の偏光板22の吸収偏光軸のため、第2の偏光板22で吸収される。第1の画素間72の第1の光線c83も同様に第2の偏光板22で吸収される。
【0068】
第1の画素部71の第1の光線b82は、左右偏光として、半透過反射板28を透過し、液晶層9に入射する。第1の光線b82は、蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、ほとんど発光することなく、左右偏光のまま、第1の光線i91となり、第1の偏光板21に達する。第1の偏光板21の吸収偏光軸方向の偏光のため、第1の偏光板21で吸収され視認側には出射しない。
【0069】
第2の画素部73の第1の光線d84は、左右偏光として、半透過反射板28を透過し、液晶層9に入射する。第1の光線d84は、蛍光二色性色素の吸収軸方向の偏光のため、副蛍光二色性色素の増感効果により、主蛍光二色性色素の強い緑蛍光を発光し、液晶が90度ほど、旋光することにより、前後偏光となり、第1の光線l93となり、第1の偏光板21に達する。第1の偏光板21の透過軸方向の偏光のため、第1の偏光板21を透過し、観察者側に緑色の発光を出射する。第2の画素間74の第1の光線e85も、第1の光線d84と同様に、前後偏光の第1の光線m94となり、第1の偏光板21に達する。第1の偏光板21の透過軸方向の偏光のため、第1の偏光板21を透過し、観察者側側に緑蛍光を出射する。
【0070】
以上の説明から明らかなように、図9では、液晶層9にオフ電圧を印加し、液晶層9のダイレクタ変化をほとんど発生させない状態では、蛍光二色性色素の緑発光を呈示し、液晶層9にオン電圧を印加し、液晶層9の分子のダイレクタ変化を発生させ、蛍光二色性色素の発光を行わない場合には、第1の偏光板21の吸収色すなわち暗(黒)表示となる。
【0071】
また、第2の偏光板22を設けることにより、補助光源の色々な偏光軸を有する光は、左右偏光と前後偏光の2種類の直線偏光になるため、蛍光二色性色素の入射する偏光をこの2種類に限定できる、蛍光二色性色素の液晶分子に対する秩序度(オーダーパラメーター)が多少悪くとも、オン電圧印加時とオフ電圧印加時のコントラストを大きくすることができる。
【0072】
次に、図10を用いて反射表示に関して説明する。反射表示は外部光源(図示せず)を利用するため、第1の基板1の上面方向、つまり視認側から光は入射することになる。第1の画素部71における第2の光線a98の左右偏光は、第1の偏光板21の吸収偏光軸のため、第1の偏光板21で吸収される。第1の画素間72の第1の光線c100も同様に第1の偏光板21で吸収される。
【0073】
第1の画素部71の第2の光線b99は、前後偏光として、第1の偏光板21を透過し、液晶層9に入射する。第2の光線b99は、蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、ほとんど蛍光を発することなく、第2の偏光板22の吸収軸に入射する。第2の偏光板22で吸収され、観察者側には暗状態(黒表示)として認識される。
【0074】
第2の画素部73の第2の光線d101は、前後偏光として、第1の偏光板21を透過し、液晶層9に入射する。第2の光線d101は、蛍光二色性色素の吸収軸方向の偏光のため、副蛍光二色性色素の増感効果により、主蛍光二色性色素の強い緑蛍光を発光し、第1の偏光板21の透過偏光軸を透過して第2の光線j108として、観察者側に出射する。第2の光線d101の一部は、液晶層9を透過し、第2の偏光板22の透過軸に入射し、半透過反射板28に至る。そして、半透過反射板28にて反射し、再度液晶層9で発光と旋光が起こり、前後偏光となり、第1の偏光板21の透過偏光軸に入射し、第2の光線j108として観察者側側に出射する。第2の画素間74に入射する第2の光線e102も第2の光線d101と同様であり、第2の光線k109として緑蛍光を観察者側に出射する。
【0075】
半透過反射板による反射を利用することにより、液晶層9での発光を2度発生することができる。まず1度目は、第1の偏光板21側からの入射時の発光である。2度目は、半透過反射板28からの反射光による発光である。2度発光することにより、強い発光を呈示することが可能となる。
【0076】
第2の実施形態では、主蛍光二色性色素に緑色蛍光二色性色素を利用する場合には、緑蛍光の背景に黒表示を行うことができたが、主蛍光二色性色素に赤色蛍光二色性色素を利用する場合には、赤蛍光の背景に黒表示を行うことが可能となる。
【0077】
[第3の実施形態]
以下に本発明の第3の実施形態における液晶表示装置について説明する。第3の実施形態の特徴は、第2の基板と補助光源との間に、偏光板として反射型偏光板を設ける点である。また、図11と図12は、それぞれ第2の実施形態の図9と図10に相当する別の実施形態を示す断面図である。図11は、透過表示の表示原理を示す断面図であり、図12は、反射表示の表示原理を示す断面図である。また本実施形態においても、主蛍光二色性色素には緑色の蛍光二色性色素を、副二色性色素には青色の二色性色素を液晶層に添加している。図11と図12に示される第3の実施形態の液晶表示装置の構成については、第1の実施形態および第2の実施形態と同じ構成部材には同一の符号または番号を付してその説明を省略し、その表示原理のみを説明する。
【0078】
液晶層9は、第2の実施形態と同様に、90度ツイストネマティック(TN)液晶を採用している。まず、図11を用いて透過表示を説明する。LED素子と導光板33とを有する補助光源を採用する。導光板33の前面には、一方の偏光軸は光を透過する透過偏光軸であり、透過偏光軸と直交する偏光軸は光が反射する反射偏光軸である反射型偏光板24を設ける。反射型偏光板24は、住友3M社製のDBEF(商品名)を使用する。
【0079】
反射型偏光板24の透過偏光軸は、紙面左右方向であり、反射偏光軸は紙面前後方向である。また、第1の基板1の前面に設ける第1の偏光板21は、透過偏光軸が紙面前後方向、吸収偏光軸が紙面左右方向である。第1の偏光板21と反射型偏光板24とは、透過偏光軸が直交するクロスニコルの配置である。
【0080】
第1の画素部71における第1の光線a81の前後偏光は、反射型偏光板24の反射偏光軸に入射するため、補助光源33側に偏光方向を維持した状態で反射される。補助光源を構成する拡散板(図示せず)と導光板33の背面に配置する反射板(図示せず)により、偏光解消と反射が発生し、再び第2の偏光板22側に出射する。そのため、第1の光線a81は、発光当初は、前後偏光のみであるが、再度補助光源29から偏光解消を伴った反射光として出射する場合には、左右偏光も含む光線となり、反射型偏光板24を透過する。そのため光の有効利用が可能となる。第1の画素間72の第1の光線c83も同様に反射型偏光板24で反射されるが、その後偏光解消を伴い、反射型偏光板24を透過する。
【0081】
第1の画素部71の第1の光線b82は、左右偏光として、液晶層9に入射する。第1の光線b82は、蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、ほとんど蛍光を発光することなく、左右偏光のまま、第1の光線j91となり、第1の偏光板21に達する。第1の偏光板21の吸収偏光軸方向の偏光のため、第1の偏光板21で吸収され観察者側には出射しない。
【0082】
第2の画素部73の第1の光線d84は、左右偏光として、液晶層9に入射する。第1の光線d84は、蛍光二色性色素の吸収軸方向の偏光のため、副蛍光二色性色素の増感効果により、主蛍光二色性色素の強い緑蛍光を発光し、液晶が90度ほど旋光することにより、前後偏光となり、第1の光線l93となり、第1の偏光板21に達する。第1の偏光板21の透過軸方向の偏光のため、第1の偏光板21を透過し、視認側に緑色の発光を出射する。第2の画素間74の第1の光線e85も、第1の光線d84と同様に、前後偏光となり、第1の光線m94となり、視認側に緑蛍光を出射する。
【0083】
以上の説明から明らかなように、図11では、液晶層9にオフ電圧を印加し、液晶層9の分子のダイレクタ変化をほとんど発生させない状態では、蛍光二色性色素の緑発光を呈示し、液晶層9にオン電圧を印加し、液晶層9の分子方向を変化させるので、蛍光二色性色素の発光は行わず、第1の偏光板21の吸収色、すなわち暗(黒)表示となる。
【0084】
また、反射型偏光板24には、紫外線を吸収して可視光領域の光を発光する部材を利用するのが好ましい。特に、青色波長領域の光を発光する部材を利用することにより、主蛍光二色性色素の発光効率を改善できる。さらに、副蛍光二色性色素の吸収波長領域と第2の偏光板の吸収波長領域をずらすことにより、副蛍光二色性色素の増感効果を妨害することがなく、好ましい表示となる。
【0085】
次に、図12を用いて反射表示に関して説明する。第1の画素部71における第2の光線a98の左右偏光は、第1の偏光板21の吸収偏光軸に入射するため、第1の偏光板21で吸収される。第1の画素間72の第1の光線c100も同様に第1の偏光板21で吸収される。
【0086】
第1の画素部71の第2の光線b99は、前後偏光として、第1の偏光板21を透過し、液晶層9に入射する。第2の光線b99は、蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、ほとんど発光することなく、反射型偏光板24の反射偏光軸に入射し、反射する。前後偏光のまま第1の偏光板21を透過し、観察者側に出射するため、観察者は、明状態(ミラー表示)として認識される。もし、ミラー(鏡面)表示より、白表示を好む場合には、第1の偏光板21と反射型偏光板24との間に拡散部材を配置すれば良い。特に、第2の基板6と反射型偏光板24との間に拡散剤を混入する粘着剤を利用すると、反射部材と拡散部材が近接するため、表示像のボケの発生を小さくできるため良い。
【0087】
第2の画素部73の第2の光線d101は、前後偏光として、第1の偏光板21を透過し、液晶層9に入射する。第2の光線d101は、蛍光二色性色素の吸収軸方向の偏光のため、副蛍光二色性色素の増感効果により、主蛍光二色性色素の強い緑蛍光を発光し、第1の偏光板21の透過偏光軸を透過して第2の光線jとして、観察者側に出射する。第2の光線d101の一部は、液晶層9を透過し、反射型偏光板24の透過軸に入射し、導光板33の背面に設ける反射板(図示せず)に至る。この反射板にて反射し、再度液晶層9で発光と旋光が起こり、前後偏光となり、第1の偏光板21の透過偏光軸に入射し、第2の光線j108として観察者側側に出射する。第2の画素間74に入射する第2の光線e102も第2の光線d101と同様であり、第2の光線k109として緑蛍光を観察者側に出射する。
【0088】
補助光源に設ける反射板による反射を利用することにより、液晶層9での発光を2度発生することができる。まず1度目は、第1の偏光板21側からの入射時の発光である。2度目は、反射型偏光板24からの反射光による発光である。2度発光することにより、強い発光を呈示することが可能となる。
【0089】
本実施形態の反射表示では、主蛍光二色性色素に緑色蛍光二色性色素を利用し、緑蛍光の背景に、鏡面あるいは白表示を行うことが可能となったが、主蛍光二色性色素に赤色蛍光二色性色素を利用する場合には、赤蛍光の背景に鏡面あるいは白表示を行うことが可能となる。
【0090】
以上の説明から明らかなように、第2の偏光板として反射型偏光板を設けることにより、透過表示の光の有効利用が可能となり、明るい蛍光表示が可能となる。さらに、透過表示と反射表示で、表示部の明暗反転表示が可能となる。
【0091】
[第4の実施形態]
以下に本発明の第4の実施形態における液晶表示装置について説明する。第4の実施形態の特徴は、液晶がオフ電圧で第1の基板あるいは第2の基板に対してほぼ垂直な配向をしている点である。他の構成は、第3の実施形態とほぼ同等である。図13は、透過表示の表示原理を示す断面図であり、図14は、反射表示の表示原理を示す断面図である。本実施形態においても、主蛍光二色性色素には緑色の蛍光二色性色素を、副二色性色素には青色の二色性色素を液晶層に添加している。図13と図14とに示される第4の実施形態の液晶表示装置の構成については、第3の実施形態と同じ構成部材には同一の符号または番号を付してその説明を省略し、その表示原理のみを説明する。
【0092】
液晶層9は、液晶のダイレクタ変化を発生しない小さい電圧(オフ電圧)印加時に、第1の基板1と第2の基板6に対して、ほぼ垂直に配向している配向状態を利用する。導光板33の前面には、偏光板として、一方の偏光軸は透過偏光軸であり、透過偏光軸と直交する偏光軸は反射偏光軸である反射型偏光板24を設ける。反射型偏光板は、住友3M社製のDBEF(商品名)を使用する。
【0093】
反射型偏光板24の透過偏光軸は、紙面左右方向であり、反射偏光軸は紙面前後方向である。また、第1の基板1の前面に設ける第1の偏光板21の透過偏光軸は、紙面前後方向、吸収偏光軸は紙面左右である。第1の偏光板21と反射型偏光板24とは、透過偏光軸が直交するクロスニコルの配置である。また、導光板33の背面には、反射板34を設けている。
【0094】
第1の画素部71における第1の光線a81の前後偏光は、反射型偏光板24の反射偏光軸のため、補助光源33側に偏光方向を維持した状態で反射される。補助光源33を構成する拡散板(図示せず)と導光板33の背面に配置する反射板34により、偏光解消を行い反射型偏光板24に入射する。そのため、第1の光線a81は、初期は、前後偏光のみであるが、再度、補助光源33により偏光解消を伴った反射光として出射する場合には、左右偏光も含む光線となり、反射型偏光板24を透過して、光の有効利用が可能となる。第1の画素間72の第1の光線c83も同様に、一旦は反射型偏光板24で反射されるが、その後偏光解消を伴い、反射型偏光板24を透過する。
【0095】
第1の画素部71の第1の光線b82は、左右偏光として、液晶層9に入射する。第1の画素部71には、液晶層9にオン電圧を印加するため、液晶分子は第1の基板1、第2の基板6と平行に近い状態となる。そのため、第1の光線b82は、蛍光二色性色素の吸収軸方向の偏光のため、副蛍光二色性色素の増感効果により、主蛍光二色性色素の強い緑蛍光を発光し、液晶が90度ほど旋光することにより、前後偏光となり、第1の光線k91となり、第1の偏光板21に達する。第1の偏光板21の透過軸方向の偏光のため、第1の偏光板21を透過し、視認側に緑蛍光を出射する。
【0096】
第2の画素部73の第1の光線d84は、左右偏光として、液晶層9に入射する。第1の光線d84は、蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、蛍光二色性色素の吸収と発光をほとんど発生することなく、左右偏光のまま第1の偏光板21の吸収偏光軸に入射する。第1の光線d84は、第1の偏光板21で吸収され、観察者側に出射されず、暗表示(黒表示)となる。第2の画素間74の第1の光線e85についても、第1の光線d84と同様に、左右偏光のため、第1の偏光板21で吸収され、観察者側に出射されず、暗表示(黒表示)となる。以上の説明に示すように、黒表示のバック(背景表示)に、主蛍光二色性色素の緑色の蛍光色の表示が可能となる。
【0097】
次に、図14を用いて反射表示に関して説明する。第1の画素部71における第2の光線a98の左右偏光は、第1の偏光板21の吸収偏光軸に入射するため、第1の偏光板21で吸収される。第1の画素間72の第1の光線c100も同様に第1の偏光板21で吸収される。
【0098】
第1の画素部71の第2の光線b99は、前後偏光として、第1の偏光板21を透過し、液晶層9に入射する。第2の光線b99は、蛍光二色性色素の吸収軸方向の偏光のため、副蛍光二色性色素の増感効果により、主蛍光二色性色素の強い緑蛍光を発光し、第1の偏光板21の透過偏光軸を透過して第2の光線h106として、観察者側に出射する。第2の光線b99の一部は、液晶層9を透過し、反射型偏光板24の透過軸に入射し、導光板33の背面に設ける反射板34に至る。この反射板34にて反射し、再度液晶層9で発光と旋光が起こり、前後偏光となり、第1の偏光板21の透過偏光軸に入射し、第2の光線j108として、視認側に緑蛍光を出射する。
【0099】
第2の画素部73の第2の光線d101は、前後偏光として、第1の偏光板21を透過し、液晶層9に入射する。第2の光線d101は、蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、ほとんど発光することなく、反射型偏光板24の反射偏光軸に入射し、反射する。前後偏光のまま第1の偏光板21を透過し、観察者側に出射するため、視認側は明状態(ミラー表示)として認識される。第2の画素間74に入射する第2の光線e102も第2の光線d101と同様であり、第2の光線k109として出射する。
【0100】
以上の垂直配向液晶、および、増感効果を有する蛍光二色性色素を採用することにより、オン電圧印加画素部のみを蛍光表示とすることが可能となり、背景に色々な表示色を選択できる。また、蛍光のため、小さい文字でも視認性が良いため、オン電圧印加画素部のみを蛍光表示することで、視認性の良好な、鮮やかな表示が可能となる。
【0101】
[第5の実施形態]
以下に本発明の第5の実施形態における液晶表示装置について説明する。第5の実施形態は、図3で説明した液晶表示パネルの一部を示す拡大部Pの別の形態を示すものである。即ち、第5の実施形態は、液晶層9がツイストネマティック液晶である第1の液晶表示パネルP1と、液晶層19がホモジニアス液晶である第2の液晶表示パネルP2を積層して設けているものである。従って、第5の実施形態の液晶表示装置は、第2の液晶表示パネルP2の第3の基板11と第4の基板16と両基板11,16との間に第2の液晶層19が更に設けられている。ここで第1の液晶表示パネルP1の液晶層9には、主蛍光二色性色素として緑色の蛍光二色性色素を、副二色性色素として青色の二色性色素が添加されており、第2の液晶表示パネルP2の第2の液晶層19には、青色の蛍光二色性色素が添加されている。また、第1の実施形態と同じ構成部材には同一の符号または番号を付してその説明を省略し、その表示原理のみを説明する。
【0102】
ここで、第1の液晶パネルP1に2組の第1の電極2と第2の電極7を設けているが、第2の液晶パネルP2は常に非駆動でよいため、それぞれの基板には電極が設けていない。図15では、第2の液晶パネルP2には第1の液晶パネルP1の電極2,7に重なる位置の蛍光二色性色素の様子が示されている。そして図15では、第1の画素部71では、第1の液晶層9にオフ電圧が印加されており、第2の画素部73では第1の液晶層9にオン電圧が印加されているものとする。
【0103】
第1の基板1の前面に設ける偏光板21は吸収偏光軸であり、透過偏光軸は紙面の左右方向であり、吸収偏光軸は、紙面の前後方向とする。すなわち第1の液晶表示パネルP1のオフ電圧時の液晶層9に含む主蛍光二色性色素の吸収軸と平行な方向である。
【0104】
第1の画素部71における第1の光線a81(左右偏光)は、青色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光であるため、第2の液晶層19で強い青色の発光が発生し、左右偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1の液晶ダイレクタはオフ電圧が印加されていため、第1の緑色蛍光二色性色素の透過軸に相当し、ほとんど発光を発生することなく、光の旋光性により第1の光線i90は前後偏光として偏光板21に入射される。第1の光線i90は偏光板21の吸収軸の偏光のため、視認者には暗状態として認識される。
【0105】
第1の画素部71における第1の光線b82(前後偏光)は、青色蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光であるため、第2の液晶層19ではほとんど発光が発生せず、前後偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1の液晶ダイレクタはオフ電圧が印加されおり、緑色蛍光二色性色素の吸収軸に相当する偏光のため、強い緑色の発光が発生し、光の旋光性により第1の光線j91の左右偏光として偏光板21に入射される。第1の光線j91は偏光板21の透過軸の偏光のため、鮮やかな緑色の蛍光が視認者に認識される。
【0106】
第2の画素部73における第1の光線d84の左右偏光は、青色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光であるため、第2の液晶層19で強い青色の発光が発生し、左右偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1のオン電圧画素部に入射されるため、緑色蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、緑蛍光は殆ど発生せず、さらに光の旋光性が、ほとんどないため、第1の光線l93として、左右偏光のまま偏光板21に入射される。第1の光線l93は偏光板21の透過軸の偏光のため、鮮やかな青色の蛍光が視認者に認識される。
【0107】
第2の画素部73における第1の光線f86の前後偏光は、青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の偏光であるため、第2の液晶層19でほとんど発光が発生しない。また、前後偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1のオン電圧画素部に入射され、緑色蛍光二色性色素の透過軸方向のため、緑発光は殆ど発生しない。また、光の旋光性がほとんどないため、第1の光線n95は前後偏光のまま偏光板21に入射される。第1の光線n95は偏光板21の吸収軸の偏光のため、吸収され視認者には暗状態として認識される。
【0108】
以上の説明に示す第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネルP2を利用することにより、第1の液晶表示パネルP1のオフ電圧を印加する画素部および画素間では、第1の液晶層9に添加する主蛍光二色性色素である緑色蛍光二色性色素により、緑蛍光が発生し、オン電圧を印加する画素部では、第2の液晶層19に添加する青色蛍光二色性色素により、青蛍光が発生する。すなわち、緑蛍光を背景(バック)とし、青蛍光表示が可能となる。
【0109】
次に、図16と図17と図18と図19とを用いて、本実施形態における液晶表示パネルを利用し、増感効果のない従来の液晶表示パネルの表示特性と、増感効果を有する本願発明の液晶表示パネルの表示特性比較を行う。
【0110】
図16に示す発光スペクトル特性は、主蛍光二色性色素と副蛍光二色性色素の2種類を液晶層に添加しない液晶表示パネルの表示特性である。off−stateは、第1の液晶層9に液晶のダイレクタの変化を発生しない小さい電圧であるオフ電圧を印加した状態であり、on−stateは、第1の液晶層9に大きなダイレクタ変化を発生する大きいであるオン電圧を印加した状態である。
【0111】
第2の液晶表示パネルP2の液晶層19は、青色蛍光二色性色素としてBBOTを0.5wt%添加するホモジニアス配向液晶表示パネルである。第1の液晶表示パネルP1の液晶層9は、緑色蛍光二色性色素としてクマリン6を0.5wt%添加する90度ツイストネマティック(TN)液晶表示パネルである。図16は、横軸に波長、縦軸に発光強度を示している。
【0112】
第1の液晶表示パネルP1の液晶層9にオフ電圧を印加し、クマリン6の緑色発光の際の発光スペクトル特性を3−1特性121に示す。第2の液晶表示パネルP2における青色発光の際の発光スペクトル特性を3−2特性122に示す。図16に示すように、緑色発光に比較し、青色発光が非常に強く、さらに、目的の緑色発光以上にBBOTの500nm近傍の発光が強いため、第1の液晶表示パネルP1にオフ電圧とオン電圧を印加する部分を設けても、オフ電圧を印加する部分は暗い、メリハリのない、くすんだ表示となってしまう。
【0113】
図17に示す発光スペクトル特性は、増感効果を有する液晶表示パネルの表示特性である。第2の液晶表示パネルP2の液晶層19は、図16と同様に、青色蛍光二色性色素としてBBOTを0.5wt%添加するホモジニアス液晶表示パネルである。第1の液晶表示パネルP1の液晶層9は、主蛍光二色性色素として緑色の蛍光二色性色素であるクマリン6を0.5wt%に、副蛍光二色性色素として、増感剤となるBBOTを0.5wt%添加した90度ツイストネマティック(TN)液晶表示パネルである。図17は、横軸に波長、縦軸に発光強度を示している。
【0114】
第1の液晶表示パネルP1の液晶層9にオフ電圧を印加し、増感剤BBOTによる増感効果を利用するクマリン6の緑色発光の発光スペクトル特性を3−3特性123に示す。第2の液晶表示パネルP2における、BBOTの青色発光の発光スペクトル特性を3−4特性124に示す。図17に示すように、510nmの緑色発光が極めて大きくなっている。また、青色発光は強いが、目的の緑色発光が増強されているため、BBOTの510nm発光に比較し2倍以上の発光強度となっている。そのため、第1の液晶表示パネルP1にオフ電圧を印加する画素部では、鮮明な緑色発光を呈示することができ、さらに、オン電圧印加画素部との良好なコントラストを達成できる。
【0115】
また、図18に示す発光スペクトル特性は、別の増感効果を有する液晶表示パネルの表示特性である。第2の液晶表示パネルP2の液晶層19は、図17と同様に、青色蛍光二色性色素としてBBOTを0.5wt%添加するホモジニアス液晶表示パネルである。第1の液晶表示パネルP1の液晶層9は、緑色蛍光二色性色素としてクマリン6を0.5wt%に、増感剤としてT−15を0.5wt%添加する90度ツイストネマティック(TN)液晶表示パネルである。図18は、横軸に波長、縦軸に発光強度を示している。
【0116】
第1の液晶表示パネルP1の液晶層9にオフ電圧を印加し、増感剤T−15による増感効果を利用するクマリン6の緑色発光の発光スペクトル特性を3−5特性125に示す。第2の液晶表示パネルP2における、BBOTの青色発光の発光スペクトル特性を3−6特性126に示す。図18に示すように、510nmの緑色発光が極めて大きくなっており、青色発光は強いが、目的の緑色発光が増強されているため、BBOTの510nm発光に比較し2倍以上の発光強度となっている。そのため、第1の液晶表示パネルP1にオフ電圧を印加する画素部では、鮮明な緑色発光を呈示することができ、さらに、オン電圧印加画素部との良好なコントラストを達成できる。
【0117】
図19は、第1の液晶層9に印加する電圧による色度(蛍光色度)変化を示す色度座標図である。3−1増感ありオフ電圧時の色度座標131は、3−1増感効果なしオフ電圧時の色度座標133に比較し、Y座標が大きくなり、緑色が鮮明に表示できることが分かる。また、3−1増感ありオン電圧時の色度座標132は、3−1増感効果なしオン電圧時の色度座標134とx,y座標ともほとんど変化していないため、鮮明な青色表示が可能なことが分かる。色度図には、外周を示すスペクトル軌跡130を示している。スペクトル軌跡130に近づくほど彩度が高くなり、スペクトル軌跡130上が最高の彩度となる。
【0118】
以上の説明から明らかなように、増感効果を有する2種類の蛍光二色性色素を添加した液晶表示パネルに、蛍光二色性色素を添加した液晶表示パネルを積層することにより、従来に比較し、多色蛍光表示が可能となり、鮮明な発光表示が達成できる。
【0119】
[第6の実施形態]
以下に本発明の第6の実施形態における液晶表示装置について説明する。第6の実施形態の特徴は、第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネルP2の2層積層型であり、さらに、第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネルP2とも液晶層9,19に任意に印加可能とする点である。そして第1の液晶表示パネルP1の液晶層9には、主蛍光二色性色素として緑色の蛍光二色性色素を、副二色性色素として青色の二色性色素が添加されており、第2の液晶表示パネルP2の第2の液晶層19には、青色の蛍光二色性色素が添加されている。図20においては、第5の実施形態と同じ構成部材には同一の符号または番号を付してその説明を省略し、その表示原理のみを説明する。
【0120】
第1の液晶表示パネルP1における第1の基板1上には、第1の電極2を透明導電膜にて形成し、第2の基板6上には第2の電極7を形成し、第1の電極2と第2の電極7との交差部が画素部となる。第2の液晶表示パネルP2における第3の基板11上には、第3の電極12を透明導電膜にて形成し、第4の基板16上には、第4の電極17を形成し、第3の電極12と第4の電極17との交差部が画素部となる。また、第1の液晶表示パネルP1の画素部と第2の液晶表示パネルP2の画素部とは、お互いに重なり合う位置とする。
【0121】
第1の液晶表示パネルP1は、第1の液晶層9に、90度ツイストネマティック(TN)液晶を採用し、第1の基板1側では、液晶分子は、紙面の左右方向に配向し、第2の基板6側では、液晶分子は、紙面の前後方向に配向している。第2の液晶表示パネルP2は、第2の液晶層19に平行配向を採用し、第3の基板11側と第4の基板16側とも、液晶分子は、紙面左右方向に配向している。
【0122】
図20では、第1の画素部71と第2の画素部73と第3の画素部75の3箇所の画素部を示している。画素部と画素部の間には、画素間を設けている。光源29からは色々な角度の偏光が第2の液晶表示パネルP2に入射するが、ここでは、前後偏光(×印)と左右偏光(両矢印)が代表して示されている。そして本実施形態では、第1の画素部71には、第1の液晶層9にオフ電圧、第2の液晶層19にもオフ電圧が印加されている。第2の画素部73では、第1の液晶層9にオン電圧、第2の液晶層19にオフ電圧が印加されている。第3の画素部75では、第1の液晶層9と第2の液晶層19ともにオン電圧を印加している。
【0123】
第1の基板1の前面に設ける第1の偏光板21は、吸収型偏光板であり、透過偏光軸は、紙面の左右方向であり、吸収偏光軸は、紙面の前後方向とする。すなわち第1の液晶表示パネルP1のオフ電圧時の液晶層9に含む主蛍光二色性色素の吸収軸と平行は方向である。
【0124】
第1の画素部71における第1の光線a81(左右偏光)は、青色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光であるため、第2の液晶層19で強い青色の発光が発生し、左右偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1の液晶ダイレクタはオフ電圧が印加されていため、蛍光二色性色素の透過軸に相当するため、ほとんど発光を発生することなく、光の旋光性により第1の光線i90は前後偏光として偏光板21に入射される。第1の光線i90は偏光板21の吸収軸の偏光のため、視認者には暗状態として認識される。
【0125】
第1の画素部71における第1の光線b82(前後偏光)は、青色蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光であるため、第2の液晶層19ではほとんど発光が発生せず、前後偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1の液晶ダイレクタはオフ電圧が印加されおり、緑色蛍光二色性色素の吸収軸に相当する偏光のため、強い緑色の発光が発生し、光の旋光性により第1の光線j91の左右偏光として偏光板21に入射される。第1の光線j91は偏光板21の透過軸の偏光のため、鮮やかな緑色の蛍光が視認者に認識される。
【0126】
第2の画素部73における第1の光線d84の左右偏光は、青色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光であるため、第2の液晶層19で強い青色の発光が発生し、左右偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1のオン電圧画素部に入射されるため、緑色蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、緑蛍光は殆ど発生しない。また、光の旋光性は、ほとんどないため、第1の光線l93として、左右偏光のまま偏光板21に入射される。第1の光線l93は偏光板21の透過軸の偏光のため、鮮やかな青色の蛍光が視認者に認識される。
【0127】
第2の画素部73における第1の光線f86の前後偏光は、青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の偏光であるため、第2の液晶層19でほとんど発光が発生しない。また、前後偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1のオン電圧画素部に入射され、緑色蛍光二色性色素の透過軸方向のため、緑発光は殆ど発生しない。また、光の旋光性は、ほとんどないため、第1の光線n95は前後偏光のまま偏光板21に入射される。第1の光線n95は偏光板21の吸収軸の偏光のため、吸収され視認者には暗状態として認識される。
【0128】
第3の画素部75における第1の光線g87の左右偏光は、オン電圧で青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の偏光となるため、第2の液晶層19ではほとんど発光を発生しない。さらに、左右偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1のオン電圧画素部に入射されるため、緑色蛍光二色性色素の透過軸方向の偏光のため、緑蛍光は殆ど発生しない。また、光の旋光性は、ほとんどないため、第1の光線o96として、左右偏光のまま偏光板21に入射される。第1の光線o96は偏光板21の透過軸の偏光のため、光源色を呈示することができる。
【0129】
第3の画素部75における第1の光線h88の前後偏光は、青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の偏光であるため、第2の液晶層19でほとんど蛍光を発光しない。また、前後偏光を維持したまま第1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示パネルP1のオン電圧画素部に入射され、蛍光二色性色素の透過軸方向のため、緑発光は殆ど発生しない。また、光の旋光性は、ほとんどないため、第1の光線p97は前後偏光のまま偏光板21に入射される。第1の光線p97は偏光板21の吸収軸の偏光のため、吸収され視認者には暗状態として認識される。
【0130】
第1の液晶層9にオフ電圧を印加し、第2の液晶層19にオン電圧を印加する場合は、左右偏光に関しては、第1の液晶層9と第2の液晶層19でほとんど蛍光を発生することなく、偏光板の吸収偏光軸に入射するため、視認者には、暗状態として認識される。前後偏光は、第1の液晶層9で発光し、左右偏光として、偏光板21の透過偏光軸に入射するため、緑蛍光を発生する。
【0131】
以上の説明に示すように、第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネルP2を利用することにより、第1の液晶層9の主蛍光二色性色素による発光と、第2の液晶層19の蛍光二色性色素の発光と、光源色と、偏光板21の吸収色との4種類を呈示することが可能となり、カラフルで、鮮やかな表示が可能となる。
【0132】
[第7の実施形態]
次に、図21と図22図と23とを用いて、クマリン6を増感剤として赤色蛍光強度の改善を行った実施形態を説明する。図21は、液晶層に緑色蛍光二色性色素のクマリン6を0.5wt%添加したホモジニアスセルの吸収スペクトル特性と発光スペクトル特性を示している。off−stateは、クマリン6の吸収断面積の大きい方向の偏光を入射した時の特性を示し、on−stateは、クマリン6の吸収断面積の小さい方向の偏光を入射した時の特性を示している。
【0133】
4−1特性151は、クマリン6の吸収断面積の大きい方向の偏光を入射した時の吸収スペクトル特性を示している。このときの緑色発光スペクトル特性は、4−2特性152となる。4−3特性153は、マリン6の吸収断面積の小さい方向の偏光を入射した時の吸収スペクトル特性を示している。このときの緑色発光スペクトル特性は、4−4特性154となる。すなわち、クマリン6は、可視光の青色の波長領域の光を吸収し、緑波長領域の光を発光することが分かる。
【0134】
図22は、液晶層に赤色蛍光二色性色素として、(株)林原生物化学研究所製の色素、NKX−2197を0.5wt%添加したホモジニアスセルの吸収スペクトル特性と発光スペクトル特性を示している。off−stateは、NKX−2197の吸収断面積の大きい方向の偏光を入射した時の特性を示し、on−stateは、NKX−2197の吸収断面積の小さい方向の偏光を入射した時の特性を示している。
【0135】
4−5特性156は、NKX−2197の吸収断面積の大きい方向の偏光を入射した時の吸収スペクトル特性を示している。このときの赤色発光スペクトル特性は、4−6特性157となる。4−7特性158は、NKX−2197の吸収断面積の小さい方向の偏光を入射した時の吸収スペクトル特性を示している。このときの赤色発光スペクトル特性は、4−8特性159となる。すなわち、NKX−2197は、可視光の緑波長領域の光を吸収し、赤波長領域の光を発光することが分かる。以上の説明から、NKX−2197の赤色発光を得るためには、緑色波長領域の光を発光する補助光源が必要であることが分かる。
【0136】
次に、クマリン6を増感剤として赤色蛍光強度の改善を行う例を図23を用いて説明する。図23は、液晶層に主蛍光二色性色素として赤色の蛍光二色性色素であるNKX−2197を0.5wt%添加し、さらに増感剤となる副蛍光二色性色素としてクマリン6を0.5wt%添加し、ホモジニアス配向した液晶表示パネルの吸収スペクトル特性と発光スペクトル特性を示している。off−stateは、NKX−2197の吸収断面積の大きい方向の偏光を入射した時の特性を示し、on−stateは、NKX−2197の吸収断面積の小さい方向の偏光を入射した時の特性を示している。
【0137】
4−9特性161は、NKX−2197の吸収断面積の大きい方向の偏光を入射した時の吸収スペクトル特性を示している。吸収スペクトル特性の特徴は、470nmと530nmの2箇所に吸収のピークを有することである。すなわち、NKX−2197の吸収特性は、増感剤のクマリン6により、青色波長領域にも吸収特性をもつことができている。このときの赤色発光スペクトル特性は、4−10特性162となる。
【0138】
また、4−11特性163は、NKX−2197の吸収断面積の小さい方向の偏光を入射した時の吸収スペクトル特性を示している。この吸収スペクトル特性も、470nmと530nmの2箇所に吸収のピークを有する。このときの赤色発光スペクトル特性は、4−12特性164となる。すなわち、NKX−2197に増感剤としてクマリン6を添加することにより、可視光の青色と緑色波長領域の光を吸収し、赤波長領域の光を発光することが可能となる。
【0139】
次に、青色LEDを補助光源とした時の、赤と青との色彩スイッチング特性を図24と図25と図26とを用いて説明する。増感効果なしの場合における発光スペクトル特性を図24に示す。off−stateは、画素部にオフ電圧を印加し、蛍光二色性色素を基板と平行かつツイスト配向し、蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向に光が入射する場合の状態である。液晶層9には、蛍光二色性色素として赤色の蛍光二色性色素であるNKX−2197のみを0.5wt%添加している。
【0140】
on−stateは、画素部にオン電圧を印加し、蛍光二色性色素を基板と垂直方向に配向し、かつ旋光性をほとんど無くした状態であり、蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向に光が入射する場合の状態を意味する。off−stateでは、赤色の蛍光二色性色素が、補助光源の青色波長領域の光を多少吸収し、わずかに赤色波長領域の光を発光する。この発光スペクトル特性を5−1特性165に示す。on−stateでは、赤色蛍光二色性色素は補助光源の青色波長領域の光をほとんど吸収することなく、また、赤色波長領域の光をほとんど発光しない。この発光スペクトル特性を5−2特性166に示す。すなわち、on−stateでもoff−stateでも青色が強く、赤色が弱いため、onとoff−stateで識別性(コントラスト)が悪い状態となる。
【0141】
これに対し、増感効果ありの場合の赤と青の色彩スイッチング特性を示す発光スペクトル特性を図25に示す。液晶層に主蛍光二色性色素として赤色の蛍光二色性色素であるNKX−2197を0.5wt%添加し、さらに増感剤となる副蛍光二色性色素としてクマリン6を0.5wt%添加している。off−stateでは、赤色蛍光二色性色素は補助光源の青色波長領域の光を非常に大きく吸収し、赤色波長領域の光を発光する。そのため、補助光源の青色はほとんど認識することができなくなる。この発光スペクトル特性を5−3特性167に示す。
【0142】
on−stateでは、赤色蛍光二色性色素は補助光源の青色波長領域の光をほとんど吸収することなく、また、赤色波長領域の光をほとんど発光しない。この発光スペクトル特性を5−4特性168に示す。すなわち、off−stateでは、赤色発光が発生し、補助光源の青色はほとんど視認できない。on−stateでは、赤の発光が弱く、補助光源の青色を呈示する。
【0143】
以上の説明から明らかなように、増感剤を添加しない例では、赤と青の貧弱な色彩スイッチング特性を呈示することしかできなかった。これに対し、赤色蛍光二色性色素に増感剤として、青色蛍光二色性色素を添加することにより、赤と青の良好な色彩スイッチング特性を達成することが可能となった。
【0144】
図26は、液晶層に印加する電圧による色度(蛍光色度)変化を示す色度座標図である。5−1増感ありオフ電圧時の色度座標171は、5−1増感効果なしオフ電圧時の色度座標173に比較し、x,y座標とも大きくなり、赤色が鮮明に表示できることが分かる。また、5−1増感ありオン電圧時の色度座標172は、5−1増感効果なしオン電圧時の色度座標174とx,y座標ともほとんど変化していないため、鮮明な青色表示が可能なことが分かる。
【0145】
[第8の実施形態]
以下に本発明の第8の実施形態における液晶表示装置について説明する。第8の実施形態の特徴は、第3の実施形態の液晶表示装置における発光強度と波長の関係を示すものである。ただし、本実施形態では、主蛍光二色性色素に赤色の蛍光二色性色素を、副蛍光二色性色素に、緑色の蛍光二色性色素を用いており、補助光源には青色のLED素子を採用している。
【0146】
図27は、第3の実施形態において、副蛍光二色性色素である増感剤を添加していない場合の発光スペクトル特性を示すグラフである。図28は、副蛍光二色性色素である増感剤を添加している場合の発光スペクトル特性を示すグラフである。off−stateは、画素部にオフ電圧を印加し、赤色蛍光二色性色素を基板と平行、かつツイスト配向し、赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向に光が入射する場合の状態である。
【0147】
図27において、on−stateでは、画素部にon電圧を印加し、赤色蛍光二色性色素を基板と垂直方向に配向し、かつ旋光性をほとんど無くした状態であり、赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向に光が入射する場合の状態を意味する。off−stateでは、赤色蛍光二色性色素は補助光源の青色波長領域の光を多少吸収し、わずかに赤色波長領域の光を発光する。この発光スペクトル特性を6−1特性181に示す。on−stateでは、赤色蛍光二色性色素は補助光源の青色波長領域の光をほとんど吸収することなく、また、赤色波長領域の光をほとんど発光しない。この発光スペクトル特性を6−2特性182に示す。すなわち、onでもoff−stateでも青色が強く、赤色が弱いため、on−stateとoff−stateとで、識別性(コントラスト)が悪い状態となる。
【0148】
これに対し、増感剤添加の場合の発光スペクトル特性を図28に示す。off−stateでは、赤色蛍光二色性色素は補助光源の青色波長領域の光を非常に大きく吸収し、赤色波長領域の光を発光する。そのため、補助光源の青色はほとんど認識することができなくなる。この発光スペクトル特性を6−3特性183に示す。
【0149】
on−stateでは、赤色蛍光二色性色素は補助光源の青色波長領域の光をほとんど吸収することなく、また、赤色波長領域の光をほとんど発光しない。この発光スペクトル特性を6−4特性184に示す。すなわち、off−stateでは、赤色発光が発生し、補助光源の青色はほとんど視認できないが、on−stateでは、赤の発光が弱く補助光源の青色を呈示する。
【0150】
以上の説明から明らかなように、増感剤を添加しないと、赤と青の貧弱な色彩スイッチング特性を呈示することしかできなかったが、これに対し、赤色蛍光二色性色素に増感剤を添加することにより、赤と青の良好な色彩スイッチング特性を達成することが可能となった。
【0151】
[第9の実施形態]
以下に本発明の第9の実施形態における液晶表示装置について説明する。第9の実施形態の特徴は、第5の実施形態で示した液晶表示装置を時計に利用する点である。また、第1の液晶表示パネルP1にツイストネマティック(TN)液晶表示パネルを利用し、第2の液晶表示パネルP2にホモジニアス液晶表示パネルを使用する点である。先の実施形態と同じ構成部材には、同一の符号または番号を付してその説明を省略し、その表示原理のみを説明する。
【0152】
図29は、液晶表示装置を備えた時計190を示すものである。時計190のケース191の一方の側には、時刻合わせ、表示内容の切り替え、ブザーの停止用の調整ノブ195がある。また、時計ケース191の正面側には風防ガラス42があって、ケース191の内部が見通せるようになっている。風防ガラス42の内側には見切り板194があり、この見切り板194の裏側に位置する液晶表示パネルは、視認者により表示を視認することができる。液晶パネルには、午前と午後の表示部196、と時表示部197、及び分表示部198がある。
【0153】
図30は図29のB−B線における断面を示すものである。なお、図29においては第1の実施形態と同様な内容には同一の符号および番号を使用している。時計190の風防ガラス42の内側にある第1の液晶表示パネルP1は、風防ガラス42側にある第1の基板1と、第1の基板1に所定の間隙を設けて対向する第2の基板6、及び、第1の基板1と第2の基板6に挟まれた第1の液晶層9とを備えている。第1の基板1と第2の基板6の対向する部位には、それぞれ第1の電極2と第2の電極7が設けられている。そして、第1の電極2と第2の電極7とが重なり合う部分が画素部となる。
【0154】
第1の液晶層9は第1のシール部37と封孔部により封止されている。また、第1の基板1と第2の基板6の上には、第1の液晶層9を所定の方向に揃えるために、配向膜(図示せず)が設けられている。第1の液晶層9としては、ホストであるツイストネマティック液晶には、副蛍光二色性色素である増感剤を添加した主蛍光二色性色素の赤色蛍光二色性色素が、ゲストとして添加されている。第1の液晶層9のツイスト角は90度である。また、ホスト液晶および蛍光二色性色素には先の実施形態と同一の材料が使用されている。
【0155】
以上の構成を有する液晶表示パネルの視認者側には、偏光板21として一方の偏光軸が透過軸であり、ほぼ直交する偏光軸が吸収軸からなる吸収型偏光板である偏光板21が配置されている。吸収型偏光板にはヨウ素を一軸に延伸して配向したものを透明フィルムで積層したものを使用することができる。更に、偏光板21と風防ガラス42の間には、見切り板194が設けられている。
【0156】
この構成に加えて、第1の液晶表示パネルP1の視認側と反対の面(背面)には、第2の液晶表示パネルP2を設けている。第2の液晶表示パネルの第3の基板は、第1の液晶表示パネルの第2の基板6を共用している。第2の基板6には所定の間隙を設けて第4の基板16が対向して設けられている。即ち、本実施形態では、2層の液晶表示パネルを積層する際に第3の基板を第2の基板と一体化して共用した構造を採用している。この構造は、特に時計のように薄型化を図らなければならない場合に非常に有効な技術である。また、本実施形態では第2の液晶表示パネルP2に電極を用いないため、非常に簡便な構造とすることができる。
【0157】
第2の基板6と第4の基板16との間には、第2の液晶層19が第2のシール部38と封孔部により封止されて充填されている。また、第2の基板6の裏面上と第4の基板16の上には、第2の液晶層19を所定の方向に揃えるために、配向膜(図示せず)が設けられている。第2の液晶層19としてホストであるネマティック液晶に緑色蛍光二色性色素がゲストとして添加されたものが使用されている。第2の液晶層19の配向は、ホモジニアスとしている。
【0158】
本実施形態は、第1の液晶表示パネルと第2の液晶表示パネルを積層する2層セルの時計に関して説明しているが、当然ながら、本発明の増感効果を有する液晶表示パネルを1枚(1層セル)利用してもよい。さらに、複数の液晶表示パネルを積層する多層セル構成としても良いが、時計の場合には、厚さ、重さが重要なため、1層または2層が最適である。以上の構成により、目的とする蛍光二色性色素の発光強度を改善し、鮮やかな蛍光表示を可能となり時計表示の視認性を改善できると同時にデザイン性の改善も可能となる。
【0159】
さらに、反射型表示も可能となり、補助光源の点灯なしに時刻表示が可能なため、液晶表示装置が消費する電力を低減することができる。時計の場合には、大きさ、厚さ、重さ、防水性が重要であるため、反射型液晶表示装置として使用可能である点も重要なメリットである。
【0160】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1から第3の実施形態の液晶表示装置では、分子の方向により異なる蛍光特性を有する蛍光二色性色素を液晶と混合する液晶層を採用することにより、従来の非発光型液晶表示装置を発光型とすることが可能となる。発光型とすることにより視野角依存性のない、鮮明な表示を達成できる。また従来の陰極管に代表される発光型ディスプレイに比較して低消費電力、薄型、小型化が可能となる。
【0161】
また、目的の発光色の主蛍光二色性色素に補助光源の発光波長に吸収波長を有する副蛍光二色性色素を添加し、副蛍光二色性色素の発光を利用し、目的に蛍光二色性色素の発光を直接あるいは間接的に発生することにより、発光強度を改善することが可能となる。
【0162】
本実施形態では、液晶層は90度ツイストを用いて説明しているが、90度以上のツイスト角、あるいは、平行配向、ベンド配向の液晶層を用いても当然本発明は有効である。さらに、本実施形態では、オン電圧印加時とオフ電圧印加時のみの発光に関して説明しているが、中間の電圧を印加することにより、複数の発光色を視認者側に出射することが可能となる。
【0163】
視認者側から見て液晶表示パネルの下側に偏光板を配置する実施形態においても、光源と液晶表示パネルの間に、可視光領域の波長を吸収あるいは反射し、特定の波長の光を発光する光学変換素子を配置することにより、液晶表示パネルの発光色と光学変換素子の発光色を利用して複数の発光色を得ることが可能となる。
【0164】
また、第2の液晶表示パネルを設置し、電極を設けなくとも、カラフルな表示を可能とするが、電極を設ける構成とし、さらに第2の液晶層に大小の電圧を印加することによって、蛍光二色性色素の発光強度の制御、旋光性の制御を行っても本願発明の増感効果を得ることが出来る。さらに、第2の液晶層の配向も、ツイスト配向、ホモジニアス配向(パラ配向、アンチパラ配向)、スプレイ配向、ベント配向が有効も有効である。特に、配向の安定しているツイスト配向、ホモジニアス配向が有効である。
【0165】
また第2の液晶層の代わりに発光性と二色性を有する色素を延伸して作成するフィルム状の異方性フィルムを異方性蛍光素子として使用することにより、第2の液晶層を使用するのと同様の効果と第2の液晶層を使用する場合に比較して薄型化が可能となる。
【0166】
また、第1の液晶層、あるいは第2の液晶層に含む蛍光二色性色素が紫外線波長領域の光を吸収して発光する蛍光二色性色素を利用する場合には、補助光源としては、発光に紫外線を含む光源を利用することもできる。この場合、紫外線発光型の発光ダイオード、水銀ランプ、あるいはキセノンランプ、あるいは蛍光灯であるブラックライト、ケミカルライトが有効である。光源が紫外線の発光以外に可視光線を含む場合には、光源と液晶層の間に紫外線透過可視光吸収フィルターからなる光学素子を設けることにより液晶層の発光がない場合に黒の表示を達成することができる。
【0167】
また第1の液晶層、あるいは第2の液晶層に含む蛍光二色性色素が可視光線および可視光領域に近い波長の光を吸収して発光する蛍光二色性色素を利用し、さらに、EL素子を光源として利用することにより、液晶表示装置の薄型化と光源の発光色を表示色として利用することが可能となる。EL素子上に蛍光印刷層を設け、蛍光印刷層の色と液晶層内の蛍光二色性色素の色を変えることにより多色表示が可能となる。また、液晶表示パネルの背面に導光板を配置し、LED素子を導光板の側壁部(外周部)に配置する方式も有効であり、さらに、複数色のLED素子を採用することにより、蛍光二色性色素と補助光源との色々なカラー表示を楽しむことが可能となる。
【0168】
本発明の液晶表示装置としては、液晶層の発光による鮮やかな表示、斬新な表示が可能となるため、デザイン性が要求される携帯情報機器、時計に利用することにより従来にない液晶表示パネルの表示が可能となる。また、蛍光二色性色素を含む液晶層の発光と透過の変化量を大きく制御するために各第1の電極は、1本の第2の電極との交点を画素部とするスタティック型の電極構成が良好な表示を達成する場合に有効である。
【0169】
また、各画素部にスイッチング素子を設けるアクティブマトリクス型方式を採用することも当然可能であり、良好な表示を達成することができる。スイッチング素子としては、三端子型として、アモルファスシリコンあるいはポリシリコン膜からなる薄膜トランジスター(TFT)、二端子型としては、薄膜ダイオードが有効である。
【0170】
実施形態においては、液晶層に青、緑、赤色の蛍光二色性色素等の、波長範囲の狭い蛍光二色性色素を利用する例を記載したが、シアン蛍光二色性色素、マゼンダ蛍光二色性色素、あるいはイエロー蛍光二色性色素等を利用する場合においても当然本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置が使用される電子機器である携帯型情報機器の外観を示す斜視図である。
【図3】図2の携帯型情報機器のA−A線における断面図である。
【図4】液晶分子の配向方向に対して垂直な偏光成分と平行な偏光成分が入射された場合の蛍光二色性色素の透過、吸収の状態を説明する説明図である。
【図5】本発明の蛍光二色性色素の吸収軸に平行な偏光入射時の吸光度と発光強度の波長依存性を示すグラフである。
【図6】本発明の蛍光二色性色素の吸収軸に垂直な偏光入射時の吸光度と発光強度の波長依存性を示すグラフである。
【図7】本発明の増感効果剤としてBBOTを利用するクマリン6蛍光二色性色素の波長に対する発光強度特性を示すグラフである。
【図8】本発明の増感効果剤としてT−15を利用するクマリン6蛍光二色性色素の波長に対する発光強度特性を示すグラフである。
【図9】本発明の液晶表示装置の透過表示の原理を示す部分断面図である。
【図10】本発明の液晶表示装置の反射表示の原理を示す部分断面図である。
【図11】本発明の液晶表示装置の透過表示の原理を示す部分断面図である。
【図12】本発明の液晶表示装置の反射表示の原理を示す部分断面図である。
【図13】本発明の液晶表示装置の透過表示の原理を示す部分断面図である。
【図14】本発明の液晶表示装置の反射表示の原理を示す部分断面図である。
【図15】本発明の液晶表示装置の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図16】従来の蛍光二色性色素を有する液晶層を利用する液晶表示パネルの波長に対する発光強度特性を示すグラフである。
【図17】本発明の液晶表示パネルのBBOT増感剤の増感効果を表すグラフである。
【図18】本発明の液晶表示パネルのT−15増感剤の増感効果を表すグラフである。
【図19】本発明の液晶表示パネルの増感効果あり、なしの色度変化を示す色度図である。
【図20】本発明の液晶表示装置の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図21】従来の増感剤を添加しないクマリン6の発光と吸収の波長依存性を示すグラフである。
【図22】従来の増感剤を添加しないNKX−2197の発光と吸収の波長依存性を示すグラフである。
【図23】本発明のクマリン6を増感剤としてNKX−2197を含む液晶に添加した液晶層を使用する液晶表示装置の発光と吸収の波長依存性を示すグラフである。
【図24】従来の増感剤を添加しない場合の、赤と青の色彩スイッチング特性を示すグラフである。
【図25】本発明の増感剤を添加した場合の、赤と青の色彩スイッチング特性を示すグラフである。
【図26】本発明の液晶表示パネルの増感効果あり、なしの色度変化を示す色度図である。
【図27】従来の増感剤を添加しない場合の発光スペクトル特性を示すグラフである。
【図28】本発明の液晶表示パネルの増感剤を添加した場合の発光スペクトル特性を示すグラフである。
【図29】本発明の液晶表示装置として、時計を用いた場合の平面模式図である。
【図30】図29のB−B線における断面を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 第1の基板
2 第1の電極
6 第2の基板
7 第2の電極
9 第1の液晶層
11 第3の基板
12 第3の電極
14 シール部
16 第4の基板
17 第4の電極
19 第2の液晶層
21 偏光板
23 異方性蛍光素子
25 蛍光管
26 反射板
27 拡散板
29 補助光源
35 光学素子
190 時計
191 時計ケース

Claims (17)

  1. 第1電極を有する第1基板と、第2電極を有する第2基板との間に所定の間隙を有し、該間隙に液晶層を有する液晶表示パネルにおいて、前記第1基板を視認側に配置し、前記液晶層は少なくとも主蛍光二色性色素と副蛍光二色性色素との2種類の蛍光二色性色素を含み、副蛍光二色性色素の最大吸収波長は、主蛍光二色性色素の最大吸収波長より短波長であり、副蛍光二色性色素の発光波長領域は、主蛍光二色性色素の吸収波長領域を含むことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶層に前記主蛍光二色性色素のみを含む場合の最大発光強度より、前記2種類の蛍光二色性色素を含む場合の前記主蛍光二色性色素における最大発光強度が、大きくなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記主蛍光二色性色素と前記副蛍光二色性色素とを含む液晶層からの発光は、前記副蛍光二色性色素における最大発光波長の発光をほとんど含むことなく、前記主蛍光二色性色素の発光波長領域の光を発光することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記副蛍光二色性色素は、青色発光の蛍光二色性色素であり、前記主蛍光二色性色素は、緑色発光の蛍光二色性色素であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載する液晶表示装置。
  5. 前記副蛍光二色性色素は、青色発光の蛍光二色性色素であり、主蛍光二色性色素は、赤色発光の蛍光二色性色素であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載する液晶表示装置。
  6. 前記副蛍光二色性色素は、緑色発光の蛍光二色性色素であり、主蛍光二色性色素は、赤色発光の蛍光二色性色素であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載する液晶表示装置。
  7. 前記第2基板に対して液晶層と反対側には、補助光源を有し、該補助光源は、副蛍光二色性色素の最大吸収波長を含む波長の光を出射することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載する液晶表示装置。
  8. 前記第2基板に対して液晶層と反対側には、補助光源を有し、該補助光源は、副蛍光二色性色素と主蛍光二色性色素のそれぞれの最大吸収波長を含む波長の光を出射することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載する液晶表示装置。
  9. 前記第2基板に対して液晶層と反対側には、補助光源を有し、該補助光源は、副蛍光二色性色素の最大吸収波長を含む光と、主蛍光二色性色素の最大発光波長以外の波長領域の光とを出射することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載する液晶表示装置。
  10. 前記第2基板に対して液晶層と反対側あるいは、第1基板の液晶層と反対側の少なく一方には、偏光板を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載する液晶表示装置。
  11. 前記第2基板と補助光源との間に前記偏光板を設け、該偏光板は一方の偏光軸が透過偏光軸であり、該透過偏光軸にほぼ直交する偏光軸が反射偏光軸である反射型偏光板であることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
  12. 前記反射型偏光板は可視光より短波長の光を吸収し、可視光の光を発光することを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
  13. 前記反射型偏光板における可視光の発光は、偏光性を有することなく出射することを特徴とする請求項12に記載する液晶表示装置。
  14. 前記第2基板と補助光源との間には、一方の偏光軸が透過偏光軸であり、該透過偏光軸にほぼ直交する偏光軸が吸収軸である吸収型偏光板を有することを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
  15. 前記偏光板は、一方の偏光軸が透過偏光軸であり、該透過偏光軸にほぼ直交する偏光軸が反射偏光軸である反射型偏光板、あるいは一方の偏光軸が透過偏光軸であり、該透過偏光軸にほぼ直交する偏光軸が吸収軸である吸収型偏光板であり、前記反射型偏光板あるいは吸収型偏光板の透過偏光軸を、液晶層に対して電圧無印加時における蛍光二色性色素の吸収が大きくなる配向方向に対して平行に設置することを特徴とする請求項10に記載する液晶表示装置。
  16. 前記第1の基板の視認側面には、一方の偏光軸が透過偏光軸であり、該透過偏光軸にほぼ直交する偏光軸が吸収偏光軸である吸収型偏光板を備えることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載する液晶表示装置。
  17. 蛍光二色性色素を含む液晶層を備えた液晶表示パネルを複数積層する構成を有し、前記複数の液晶表示パネルのうち、少なくとも一つの液晶表示パネルは、前記主蛍光二色性色素と前記副蛍光二色性色素の少なくとも2種類の蛍光二色性色素を有する液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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