JP2001343671A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001343671A
JP2001343671A JP2000163389A JP2000163389A JP2001343671A JP 2001343671 A JP2001343671 A JP 2001343671A JP 2000163389 A JP2000163389 A JP 2000163389A JP 2000163389 A JP2000163389 A JP 2000163389A JP 2001343671 A JP2001343671 A JP 2001343671A
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JP2000163389A
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Susumu Sato
佐藤  進
Rumiko Yamaguchi
山口  留美子
Kanetaka Sekiguchi
関口  金孝
Yasushi Kaneko
金子  靖
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホスト液晶にゲストとして蛍光二色性色素を
溶解させた蛍光液晶表示装置において表示の明るさを向
上させて視認性を向上させる。 【解決手段】 視認側に偏光分離器21を設け、その下
側に第1の基板1と第2の基板6との間に封入する第1
の液晶層9からなる第1の液晶表示パネルP1と、第3
の基板11と第4の基板16との間に封入する第2の液
晶層19からなる第2の液晶表示パネルP2とを積層
し、その下に光源29を設け、第1の液晶層9と第2の
液晶層19には液晶と少なくとも1種類の蛍光二色性色
素を含ませるて液晶表示装置を構成する。蛍光二色性色
素により液晶層内で発光するため、視野角が広く、構造
が簡便であり、液晶表示パネルの下側に偏光分離器がな
いため明るい表示が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関
し、特に、液晶層にホストである液晶とゲストである蛍
光二色性色素を採用し、液晶層の電気光学変化により蛍
光二色性色素の発光量、あるいは色彩を制御することに
より、従来の非発光型液晶表示装置とは異なる表示を可
能とする液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、小型情報機器に用いられる液晶表
示装置としては、液晶層自体には発光機能を持たず、液
晶表示装置に光源を内蔵させた透過型液晶表示装置ある
いは半透過型液晶表示装置、または液晶表示装置の使用
環境からの光に電気的な変調を行うことによって表示を
可能とする反射型液晶表示装置等が主流である。
【0003】一方、このような液晶表示装置とは異なる
ものとして、液晶表示パネルの一部に発光性を有する材
料を使用し、液晶の電気光学変化を利用して表示を可能
とする液晶表示装置が、例えば、特開昭60−5057
8号公報や特開昭60−129780号公報に提案され
ている。また、液晶表示パネルの視認者と反対側(裏
側)に紫外線を発光する光源を配置し、さらに液晶表示
パネルと光源との間に紫外線に対して偏光性を有する偏
光分離器を配置し、ゲストである蛍光二色性色素の二色
性比を改善し、視認性を改善する提案が、社団法人「映
像情報メディア学会」主催の“Proceedings of TheFift
h International Display Workshops”(1998年度)に
おいて行われた(予稿集IDW’98の第25頁〜第28
頁参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭60
−50578号公報や特開昭60−129780号公報
に提案されている液晶表示装置は、液晶層自体に発光性
を設けていないため、液晶表示パネルの製造工程を従来
と同様とすることができないという問題点があった。
【0005】また、IDW’98の第25頁〜第28頁に
記載の提案では、紫外線に対する偏光分離器の偏光性の
不十分さにより、偏光分離器に光源からの紫外線が吸収
されてしまい、十分な紫外線を液晶表示パネルに照射す
るこができず、視認側から見て表示が暗いという問題点
があった。更に、偏光分離器自体から発光することがな
いため、偏光分離器と液晶表示パネルのみでは多色表示
はできなかった。
【0006】これに加えて、光源として、紫外線の発光
強度が弱い光源、あるいは可視光領域に近い波長の発光
のみを有する光源を使用すると、視認側から見た液晶パ
ネルの表示が非常に暗くなるので、使用できる光源が非
常に限定されてしまうという問題点もあった。このよう
に、ホストである液晶にゲストである蛍光二色性色素を
含む液晶層を有する液晶表示パネルと、紫外線を発光す
る光源、及び、光源との間に偏光分離器を配置する構造
では、視認側からみた液晶表示パネルの表示が暗くなっ
てしまい、光の有効利用、あるいは多色表示への改善が
必要であった。
【0007】また、光源に紫外線を使用した場合には、
液晶表示パネルと光源との間に紫外線領域に偏光性を有
する偏光板は、偏光度が悪く、紫外線を十分に偏光する
ことができず、暗い表示となっていた。更に、光源に紫
外線を使用した場合には、光源の発光色を表示に利用す
ることができなかった。
【0008】一方、紫外線を発光する光源に対して、可
視光に最大発光波長を有する光源、特に、可視光のみを
発光する光源を使用した場合には、発光効率が良好であ
り、液晶表示装置の小型、長寿命、薄型化が可能であ
り、携帯情報機器、特に時計に利用する場合には、非常
に有効であることが分かった。
【0009】そこで本発明の目的は、ホストである液晶
にゲストである蛍光二色性色素を含む液晶層を有する液
晶表示パネルを使用した液晶表示装置において、液晶パ
ネルの背面側に偏光分離器を配置した構造のものに比較
して、視認側から見た液晶表示パネルの表示の明るさを
向上させることにより、視認性を向上させることにあ
る。
【0010】また、本発明の他の目的は、液晶表示装置
の小型、長寿命、薄型化を可能にするために、可視光に
最大発光波長を有する光源、特に、発光効率が良好な可
視光のみを発光する光源を使用する液晶表示装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の液晶表示装置の原理的な構成は、視認側に設けられ
た偏光分離器と、この偏光分離器の後ろ側に、液晶層と
この液晶層を挟む2枚の基板とから構成された液晶表示
パネルを少なくとも1つ備えた液晶表示装置において、
液晶層には、液晶と少なくとも1種類の蛍光二色性色素
が含まれていることを特徴とするものである。
【0012】また、前記目的を達成する本発明の第1の
形態の液晶表示装置は、第1の電極を有する第1の基
板、第2の電極を有する第2の基板、及び、前記第1と
第2の基板の間に封入する液晶層とを備えた液晶表示パ
ネルと、液晶表示パネルの視認側に設けられた偏光分離
器とを備え、液晶層には、液晶と少なくとも1種類の蛍
光二色性色素を含むことを特徴としている。
【0013】この場合、液晶表示パネルの視認側の反対
側に、一方の偏光軸の光はほぼ透過させ、他方の偏光軸
の光は吸収して波長変換して発光を行う異方性蛍光素子
を更に設けることができる。更に、前記目的を達成する
本発明の第2の形態の液晶表示装置は、第1の電極を有
する第1の基板、第2の電極を有する第2の基板、及
び、第1と第2の基板の間に封入する第1の液晶層とを
備えた第1の液晶表示パネルと、第3の基板、第4の基
板、及び、第3と第4の基板の間に封入する第2の液晶
層とを備えた第2の液晶表示パネルと、第1の液晶表示
パネルの視認側に設けられた偏光分離器とを備え、第1
と第2の液晶層にはそれぞれ、液晶と少なくとも1種類
の蛍光二色性色素を含むことを特徴としている。
【0014】この場合、第3の基板に第3の電極を設
け、第4の基板に第4の電極を設けることができる。ま
た、第1の液晶層をツイストネマティック液晶とし、第
2の液晶層をホモジニアス配向液晶とすること、あるい
は、第1の液晶層と第2の液晶層を共にツイストネマテ
ィック液晶とすることができる。第2の形態では、第1
の液晶層と第2の液晶層に含まれる蛍光二色性色素の発
光波長を異ならせることができる。また、第1、第2の
形態においては、異方性蛍光素子あるいは第2の液晶層
として、第1の液晶層の発光強度が大きい偏光軸を波長
変換することなく透過させ、偏光軸とほぼ直交する偏光
軸では発光させるものを採用することができる。
【0015】前記目的を達成する本発明の第3の形態の
液晶表示装置は、第1の基板、第2の基板、及び、第1
と第2の基板の間に封入する第1の液晶層とを備えた第
1の液晶表示パネルと、第3の基板、第4の基板、及
び、第3と第4の基板の間に封入する第2の液晶層とを
備えた第2の液晶表示パネルと、第5の基板、第6の基
板、及び、第5と第6の基板の間に封入する第3の液晶
層とを備えた第3の液晶表示パネルと、第1の液晶表示
パネルの視認側に設けられた偏光分離器とを備え、第1
から第3の液晶表示パネルの少なくとも1つの液晶表示
パネルを構成する2枚の基板のそれぞれに、液晶層に電
圧を印加するための電極が設けられており、第1、第
2、及び第3の液晶層にはそれぞれ、液晶と少なくとも
1種類の蛍光二色性色素を含むことを特徴としている。
【0016】この第3の形態では、以下の3つの応用形
態が可能である。(1) 第1の基板に第1の電極を設け、
第2の基板に第2の電極を設ける形態。(2) 第1の基板
に第1の電極を設け、第2の基板に第2の電極を設け、
第3の基板に第3の電極を設け、第4の基板に第4の電
極を設ける形態。(3) 第1の基板に第1の電極を設け、
第2の基板に第2の電極を設け、第3の基板に第3の電
極を設け、第4の基板に第4の電極を設け、第5の基板
に第5の電極を設け、第6の基板に第6の電極を設ける
形態。
【0017】以上において、偏光分離器の透過軸を第1
の液晶層の発光の偏光軸とほぼ平行に配置すること、第
1の液晶表示パネルの視認側から最も遠い液晶パネルの
裏面側に光源を設けることが可能である。また、光源は
平面発光源とすることができる。更に、光源は紫外線を
発光する光源とすることができ、この場合は、光源をL
ED素子、水銀ランプ、キセノンランプ、あるいは蛍光
灯のいずれかにすることができる。一方、光源を紫外線
および可視光を発光する光源とすることもでき、この場
合は光源をEL素子とすることができる。また、EL素
子を採用した場合は、EL素子の発光強度が可視光領域
の短波長側に最大発光領域を有するものを採用する。更
に、液晶パネルの背面側に光源があるものにおいて、第
1の液晶表示パネルの視認側から最も遠い液晶表示パネ
ルと光源との間に、可視光領域の波長を吸収あるいは反
射し、紫外線領域の波長を透過する光学素子を設けるこ
とができる。
【0018】これに加えて、隣接する液晶表示パネルが
あった場合に、隣接する2枚の基板は共通化して1枚に
することができる。本発明の液晶表示装置によれば、分
子の方向により異なる蛍光特性を有する蛍光二色性色素
を液晶と混合する液晶層を採用することにより、従来の
非発光型液晶表示装置を発光型とすることが可能とな
る。発光型とすることにより視野角依存性のない、鮮明
な表示を達成できる。また従来の陰極管(CRT:Catho
de RayTube )に代表される発光型ディスプレイに比較
して低消費電力、薄型、小型化が可能となる。
【0019】本発明の液晶表示装置によれば、蛍光二色
性色素を混合する液晶層より視認者側に偏光分離器が配
置されているので、次のような効果がある。即ち、液晶
層に小さい電圧(オフ電圧)を印加した時(オフ状態)
と、液晶層に大きい電圧(オン電圧)を印加した時(オ
ン状態)において、蛍光二色性色素の二色性比の不足に
より、発光色と非発光色が、例えば発光を目的とする印
加電圧の際に混合するため、非発光色の表示領域と発光
色の表示領域とのコントラスト比の低下が発生する。し
かしながら、偏光分離器を設けることにより、蛍光二色
性色素からの発光の直線偏光成分のみを選択することが
可能となり、そのため、コントラスト比を向上すること
が可能となり、表示の視認性が向上できる。
【0020】また、本発明の液晶表示装置では、蛍光二
色性色素を含む第2の液晶層の透過軸を蛍光二色性色素
を含む第1の液晶層の発光軸に配置している。この結
果、第1の液晶層はツイストネマティック液晶であり、
オフ電圧の際には蛍光二色性色素は吸収断面積が大きい
ため、光を吸収し、発光すると同時に第2の液晶層側の
光の入射を光旋光性によりツイストネマティック液晶の
ツイスト角分旋光して出射する。一方、偏光分離器の透
過軸は第1の液晶層からの出射光の偏光軸に配置してい
る。以上によりオフ状態では第1の液晶層の発光が偏光
分離器から出射する。この結果、オン状態の時には、蛍
光二色性色素の吸収断面積が小さいため、蛍光二色性色
素の発光は殆ど発生しない。また、ツイストネマティッ
ク液晶の旋光性が殆どないため、第2の液晶層の発光が
第1の液晶層を透過して偏光分離器の透過軸に入射し、
視認者側に出射できる。そのため、オフ状態では第1の
液晶層の発光色表示、オン状態では第2の液晶層の発光
色表示が可能となる。
【0021】また、本発明では、第2の液晶層は第2の
液晶層の発光に偏光性を持たせることと、第2の液晶層
を透過する光に偏光性を有することが重要である。即
ち、第2の液晶層はゲストである液晶とホストである蛍
光二色性色素とを含む液晶層であり、配向性を有し、ツ
イスト配向、ホモジニアス配向(パラ配向、アンチパラ
配向)、スプレイ配向、ベンド配向が有効である。特に
配向の安定しているツイスト配向、ホモジニアス配向が
有効である。
【0022】また、第2の液晶層の代わりに発光性と二
色性を有する色素を延伸して作成するフィルム状の異方
性フィルムを異方性蛍光素子として使用することにより
第2の液晶層を使用するのと同様の効果と第2の液晶層
を使用する場合に比較して薄型化と軽量化が可能とな
る。更に、フィルムに色素、例えば顔料を混ぜることに
よりフィルムでも波長選択が可能であり。液晶表示パネ
ルに照射する波長選択が容易に可能となる。
【0023】また、第1の液晶層の視認者と反対側に光
源を配置することにより、第1の液晶層に目的とする波
長の光を効率良く照射することが可能となる。さらに、
外部環境が蛍光二色性色素の発光に寄与しない光の場合
においても光源を設けることにより視認性の良好な表示
が可能となる。特に、第1の液晶層、あるいは第2の液
晶層に含む蛍光二色性色素が可視光線より波長の短い波
長で発光する場合には発光に紫外線を含む光源を利用す
ることが有効である。紫外線発光型の発光ダイオード
(LED)素子、水銀ランプ、あるいはキセノンラン
プ、あるいは蛍光灯であるブラックライト、ケミカルラ
イトが有効である。光源が紫外線の発光以外に可視光線
を含む場合には光源と液晶層の間に紫外線透過可視光吸
収フィルターからなる光学素子を設けることにより液晶
層の発光がない場合に黒の表示を達成することができ
る。
【0024】また、第1の液晶層、あるいは第2の液晶
層に含む蛍光二色性色素が可視光線および可視光領域に
近い波長の光を吸収して発光する蛍光二色性色素を利用
し、さらに、エレクトロルミネッセント(EL)素子を
光源として利用することにより、液晶表示装置の薄型化
と光源の発光色を表示色として利用することが可能とな
る。EL素子上に蛍光印刷層を設け、蛍光印刷層の色と
液晶層内の蛍光二色性色素の色を変えることにより多色
表示が可能となる。
【0025】本発明の液晶表示装置としては、液晶層の
発光による鮮やかな表示、斬新な表示が可能となるた
め、デザイン性が要求される携帯情報機器、時計に利用
することにより従来にない液晶表示が可能となる。ま
た、蛍光二色性色素を含む液晶層の発光と透過の変化量
を大きく制御するために各第1の電極は、1本の第2の
電極との交点を画素部とするスタティック型の電極構成
とすることにより良好な表示を達成する場合に有効であ
る。
【0026】次に、本発明の他の目的を達成する本発明
の第4から第9の形態の液晶表示装置の構成について説
明する。本発明の第4の形態の液晶表示装置は、視認側
と反対側にのみ設ける偏光分離器と、偏光分離器と視認
側との間には少なくとも1個の液晶表示パネルを備え、
液晶表示パネルを構成する液晶層は液晶と少なくとも1
種類以上の蛍光二色性色素を含み、液晶表示パネルの視
認側と反対の面から光を照射する光源を有し、光源は可
視光に発光の最大強度を有することを特徴としている。
【0027】本発明の第5の形態の液晶表示装置は、第
1の電極を有する第1の基板と第2の電極を有する第2
の基板と第1の基板と第2の基板との間に封入する第1
の液晶層とからなる第1の液晶表示パネルと、第3の基
板と第4の基板と第3の基板と第4の基板との間に封入
する第2の液晶層とからなる第2の液晶表示パネルと、
第1の液晶表示パネルの視認側と反対の面にのみ偏光分
離器を備え、第1の液晶層と第2の液晶層は少なくとも
1種類以上の蛍光二色性色素を含み、液晶表示パネルの
視認側と反対の面から光を照射する光源を有し、光源は
可視光に発光の最大強度を有することを特徴としてい
る。
【0028】本発明の第6の形態の液晶表示装置は、複
数の液晶表示パネルを視認側を上側として積層し、液晶
表示パネルを構成する液晶層には、少なくとも1種類以
上の蛍光二色性色素を含み、最下層の液晶表示パネルの
下側のみに偏光分離器を備え、液晶表示パネルの下側か
ら液晶表示パネルに光を照射する光源を有し、光源は可
視光に発光の最大強度を有することを特徴としている。
【0029】本発明の第7の形態の液晶表示装置は、少
なくとも1個の液晶表示パネルを有し、液晶表示パネル
を構成する液晶層には、少なくとも1種類以上の蛍光二
色性色素を含み、最下層の液晶表示パネルの下側のみに
偏光分離器を備え、液晶表示パネルの下側から液晶表示
パネルに光を照射する光源を有し、光源は可視光に発光
の最大強度を有し、さらに、偏光分離器の透過軸を最下
層の液晶表示パネルの液晶層に含む蛍光二色性色素の吸
収断面積が最大となる方向と平行に配置することを特徴
としている。
【0030】第4から第7の形態の液晶表示装置におい
て、液晶表示パネルの最下層の下側にのみ偏光分離器を
設け、偏光分離器と液晶表示パネルとの間には、可視光
領域の波長を吸収あるいは反射し、特定の波長の光を発
光する光学変換素子を設けるようにすることができる。
【0031】本発明の第8の形態の液晶表示装置は、第
1の電極を有する第1の基板と第2の電極を有する第2
の基板と第1の基板と第2の基板との間に封入する第1
の液晶層とからなる第1の液晶表示パネルと、第3の基
板と第4の基板と第3の基板と第4の基板との間に封入
する第2の液晶層とからなる第2の液晶表示パネルと、
第1の液晶表示パネルと第2の液晶表示パネルの間にの
み設ける偏光分離器とを備え、第1の液晶層と第2の液
晶層は少なくとも1種類以上の蛍光二色性色素を含み、
液晶表示パネルの視認側と反対の面から光を照射する光
源を有し、光源は可視光に発光の最大強度を有すること
を特徴としている。
【0032】本発明の第9の形態の液晶表示装置は、複
数の液晶表示パネルを視認側を上側として積層し、液晶
表示パネルを構成する液晶層には、少なくとも1種類以
上の蛍光二色性色素を含み、積層する液晶表示パネルの
間の少なくとも1箇所に偏光分離器を備え、液晶表示パ
ネルの下側から液晶表示パネルに光を照射する光源を有
し、光源は可視光に発光の最大強度を有することを特徴
としている。
【0033】本発明の第4から第9の形態の液晶表示装
置に使用する光源は、可視光領域のみの発光特性を有す
るようにすることができる。この場合の光源は、可視光
領域のみの発光特性を有するEL素子、同じく可視光領
域のみの発光特性を有するLEDと導光板、あるいは、
可視光の異なる波長を発光するLEDの複数個と導光板
から構成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施するための最
良の形態における液晶表示装置について、図面を参照し
ながら具体的な実施形態を説明する。図1は、本発明の
液晶表示装置が使用される電子機器、例えば、携帯情報
機器50を示すものである。携帯情報機器50のケース
41には、表示画像57を表示するための表示領域56
があり、この表示領域56の脇には、表示内容を変更す
るための第1のボタン45、第2のボタン46、第3の
ボタン47、および通信センサ48がある。49は携帯
情報機器50のオン・オフスイッチである。 〔第1の実施形態〕図2は図1の携帯情報機器50をA
−A線において切断した時の、液晶表示装置Pの第1の
実施形態の構成を示すものである。携帯情報機器50の
ケース41の表示領域56には、内部を見通すことがで
きる風防ガラス42が設けられている。ケース41の裏
蓋43の上には回路基板63が設けられており、この回
路基板63の上に液晶表示装置Pが実装されている。第
1の実施形態における液晶表示装置Pには、風防ガラス
42側(視認側)より、偏光分離器21、第1の電極が
設けられた第1の基板1、液晶層9、第2の電極が設け
られた第2の基板6からなる液晶表示パネルP1、およ
び光源29が設けられている。液晶表示パネルP1の第
1の基板1と第2の基板6は所定の間隙を隔てて対向し
ており、第1の基板1と第2の基板6の間のスペースが
液晶層9になっている。液晶層9の中には液晶がシール
部材14と図示しない封孔部でシールされて封入されて
いる。
【0035】また、光源29は、光源用端子62によっ
て回路基板63上の電源回路に接続されており、回路基
板63側から電源の供給を受ける。更に、第1の基板1
の図示しない電極は、導電部材61によって回路基板6
3上の信号端子に接続されている。ケース41上に配置
されている通信センサ48は、通信用基板51上に実装
されている。この通信用基板51は柔軟な印刷回路基板
(FPC)からなる通信用接続端子52により回路基板
63と接続している。通信センサ48は送受信あるいは
受信用であり、位置情報用のGPSセンサ、あるいはブ
ルートゥース送受信センサ、あるいは赤外線送受信セン
サである。また、回路基板63にはエネルギー源として
電池用端子53に取り付けられた電池54が設けられて
いる。
【0036】図3は図2の液晶表示装置Pの一部を拡大
して示すものである。図2で説明したように、液晶表示
パネルP1には第1の基板1と第2の基板6との間には
液晶層9がある。また、第1の基板1と第2の基板6の
上には、液晶層9を所定の方向に揃えるために、配向膜
(図示せず)が設けられてる。液晶層9としてツイスト
ネマティック液晶を使用する場合には、第1の基板1側
の配向膜のラビング方向と、第2の基板6側の配向膜の
ラビング方向は直交させてあり、この結果、液晶層9の
ツイスト角は90度となっている。
【0037】更に、第1の基板1と第2の基板6の対向
する面には、第1の電極2と第2の電極7がそれぞれ設
けられている。第1の電極2と第2の電極7に挟まれた
二点鎖線で示す領域が液晶層9の中の1つの画素とな
る。第1の基板1と第2の基板6、及び液晶層9で1つ
の液晶表示パネルP1が構成される。液晶層9にはネマ
ティック液晶として紫外線領域(340nmより長波
長)で透明なZLI−5092、またはZLI−108
3(製造業者名:メルクジャパン)を使用することがで
きる。このネマティック液晶はホストとして使用されて
いる。一方、ホストの中に溶解させるゲストとしては青
色蛍光二色性色素が使用されている。この青色蛍光二色
性色素としては、2,5−ビス−(5−t−ブチル−2
−ベンゾオキサゾリル)チオフェン(BBOT:東京化
成工業製)を使用することができる。ゲストである蛍光
二色性色素の添加割合は、ホスト液晶に対して0.5質
量パーセント(wt%)とし、液晶層9の厚さは11μ
mとすることができる。
【0038】液晶表示パネルP1の視認者側(図の上
側)には偏光分離器21が配置されている。この実施形
態の偏光分離器21は、一方の偏光軸が透過軸であり、
ほぼ直交する偏光軸が吸収軸からなる吸収型偏光板であ
る。吸収型偏光板にはヨウ素を一軸に延伸して配向した
ものを透明フィルムで積層したものを使用することがで
きる。
【0039】また液晶表示パネルP1の偏光分離器21
と反対側(図の下側)側には光源29が設けられてい
る。光源29は、拡散板27、蛍光管25、および反射
板26から構成されている。蛍光管25には紫外線を発
光するブラックライト蛍光ランプあるいはケミカルラン
プが使用されている。反射板26にはアルミニウム箔を
利用し、拡散板27には紫外線を透過するアクリル板の
表面を粗面にしたものが使用されている。340nmよ
り短波長の光を液晶層9に照射しないために、アクリル
板には340nm以下の波長を吸収する材質が使用され
ている。340nm以下の波長を液晶層9に照射しない
方法として、第2の基板6の材質を選択することでも可
能であり、本実施形態ではソーダライムガラス(青板ガ
ラス)が使用されている。
【0040】液晶表示パネルP1は風防ガラス42の奥
側に配置されている。これは、液晶層9に含まれる蛍光
二色性色素により発光が行われるため、風防ガラス42
から奥の位置にある方が、図示しない外部光源からの入
射光を防止でき、視認性が改善できるからである。ここ
で、図4(b) と図5を用いて青色蛍光二色性色素をゲス
トとして使用する場合の液晶表示パネルの光学特性を説
明するが、その前に、図4(a) により液晶層に添加され
る二色性色素分子90の配向方向に対する偏光成分の透
過、吸収について説明する。図4(a) に示すように、二
色性色素分子90に対して、その配向方向に垂直な偏光
成分LVが入射された場合は、二色性色素分子90の配
向方向に垂直な偏光成分LVは、二色性色素分子90を
透過してそのまま出力される。一方、二色性色素分子9
0に対して、その配向方向に平行な偏光成分LPが入射
された場合は、二色性色素分子90の配向方向に平行な
偏光成分LPは、液晶分子のダイレクタに追従する二色
性色素分子90に吸収されてしまう。
【0041】図4(b) は、青色蛍光二色性色素をゲスト
として使用する場合の液晶表示パネルの液晶ダイレクタ
(分子配向方向)に垂直および平行の偏光成分による吸
収スペクトルを示すグラフである。横軸に波長をnm単
位で示し、縦軸に吸収率を相対的に示してある。曲線L
は液晶層のダイレクタに平行な偏光に対する吸収スペク
トルであり、曲線Mは液晶層のダイレクタに垂直な偏光
に対する吸収スペクトルである。曲線Mと曲線Lの吸収
強度の比が、吸収に対する液晶表示パネルP1の二色性
比である。
【0042】図5は、青色蛍光二色性色素をゲストとし
て使用する場合の液晶表示装置の液晶ダイレクタ(分子
配向方向)に垂直および平行の偏光成分による発光スペ
クトルを示すグラフである。横軸に波長をnm単位で示
し、縦軸に発光強度を相対的に示している。曲線Pは液
晶ダイレクタに平行な偏光に対する発光スペクトルであ
り、曲線Qは液晶ダイレクタに垂直な偏光に対する発光
スペクトルである。曲線Pと曲線Qの差が液晶表示装置
のコントラスト比となり、視認性となる。
【0043】図4と図5に示すグラフから明らかなよう
に、青色蛍光二色性色素をゲストとして使用する場合の
液晶表示パネルの液晶ダイレクタに平行な偏光紫外線の
照射により大きな吸収が発生し、400nmから500
nmの青色の発光が起こる。逆に、液晶ダイレクタに垂
直な偏光紫外線の照射では僅かな吸収しか発生せずに殆
どの紫外線が透過し、可視光の発光は殆ど発生しない。
【0044】次に、図3に戻って液晶表示装置の表示の
原理を説明する。図3には第1の電極2と第2の電極7
との間に、第1の画素部71、第2の画素部73、及
び、画素部71,73の周囲である第1の画素間72と
第2の画素間74とが示されている。第1の画素部71
には、液晶ダイレクタに大きな変化が発生する大きな電
圧(オン電圧)が印加されている。第2の画素部73に
は、液晶ダイレクタに変化が殆ど発生しない小さな電圧
(オフ電圧)が印加されている。第1の画素間72と第
2の画素間74の液晶ダイレクタと、オフ電圧が印加さ
れている第2の画素部73の液晶ダイレクタは同一であ
る。
【0045】光源29からは色々な角度の偏光が液晶表
示パネルに入射される。図3には紙面に対して手前と奥
の偏光(以後、前後偏光とし、図3には「×」の記号が
付されている)と、紙面に対して左右の偏光(以後、左
右偏光とし、図3には両矢印が付されている)が代表し
て示されている。第1の画素部71における光線81の
前後偏光は液晶ダイレクタが第1の基板1に垂直の方向
である。このため、光線81は蛍光二色性色素の吸収断
面積の小さい方向の偏光であり、蛍光二色性色素の吸
収、および発光は殆ど発生しない。さらに液晶の旋光性
がないため、前後偏光のまま偏光分離器21に至る。偏
光分離器21の透過軸は紙面の手前と奥の方向に配置さ
れており、吸収軸が紙面の左右方向に配置されている。
このため、光線81は偏光方向を維持したまま視認者側
へ出射する。ところが、偏光分離器21はヨウ素の偏光
層を挟む透明フィルム内に紫外線(380nmより波長
の短い領域)を吸収する紫外線吸収材を含むため、視認
者側へは結果的には出射しないことになる。
【0046】同じく第1の画素部71における光線82
の左右偏光は、蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方
向の偏光であるため、蛍光二色性色素の吸収、および発
光は殆ど発生しない。さらに液晶の旋光性がないため、
左右偏光として偏光分離器21に至る。光線82は偏光
分離器21の吸収軸に入射するため、視認者側へは出射
しない。
【0047】ここで液晶ダイレクタの変化していない第
1の画素間72、第2の画素部73および第2の画素間
74における光線について説明する。第1の画素間72
における光線83の前後偏光は液晶ダイレクタが第1の
基板1と平行方向であり、ツイストしており、入射光の
偏光方向が図4に示す曲線Mに相当するため、蛍光二色
性色素の小さな吸収、および小さな発光が発生し、液晶
の90度旋光性により、左右偏光となり偏光分離器21
に至る。このため、光線83は偏光分離器21の吸収軸
に入射するので、視認者には殆ど認識できない。
【0048】また、第2の画素部73における光線84
の左右偏光は液晶ダイレクタに対して平行な偏光であ
り、図4に示す曲線Lに相当する蛍光二色性色素の大き
な吸収、および大きな発光が発生する。さらに液晶の9
0度旋光性によって光線84の左右偏光は前後偏光とな
り、液晶層9内で色々な方向に発光して前後偏光として
偏光分離器21に至る。前後偏光となった光線84は偏
光分離器21の透過軸に入射するため、光線86として
視認者側へ出射され、青色発光を呈示できる。
【0049】同様に第2の画素間74においても光線8
5の左右偏光は液晶ダイレクタに平行な偏光であるた
め、図4に示す曲線Lに相当するため蛍光二色性色素の
大きな吸収、および大きな発光が生じる。さらに液晶の
90度旋光性によって光線85の左右偏光は前後偏光と
なり、液晶層9内で色々な方向に発光して前後偏光とし
て偏光分離器21に至る。前後偏光となった光線85は
偏光分離器21の透過軸に入射するため、光線87とし
て視認者側へ出射され、発光を呈示できる。
【0050】実際には光源29からは前後偏光から左右
偏光までの色々な偏光が出射しているため、蛍光二色性
色素の分子は色々な方向の偏光に対して吸収と発光が発
生する。そのため、液晶層に大きなオン電圧が印加され
ている場合には本来、発光が発生しないことが理想であ
るが、一部発光してしまう。そのため、第1の実施形態
では、液晶パネルの視認者側に偏光分離器21を配置す
ることにより、オン電圧が印加される第1の画素部71
の発光を吸収し、オフ電圧が印加されている第2の画素
部73の発光とのコントラスト比を大きくしている。す
なわち、第1の実施形態では、偏光分離器21が蛍光二
色性色素の二色性比の不足を補う作用をしている。
【0051】また、以上のように構成された第1の形態
の構造を、従来の光源29と液晶パネルとの間に偏光分
離器を配置する構造と比較すると、一般の液晶表示装置
に使用している偏光分離器では紫外線を殆ど透過しない
こと、及び、紫外線を透過する偏光分離器でも紫外線の
偏光透過率が悪いことが分かる。このため、従来の構造
では本発明の第1の実施形態の1/2から1/3程度の
輝度しか得られないため、この第1の実施形態が有効で
あることが分かる。
【0052】また、第1の実施形態では青色蛍光二色性
色素をゲストとする例を示したが、赤色蛍光二色性色素
としては、NK−4256(日本感光色素製)にナイル
レッドを加えることにより色純度と蛍光強度の二色性比
が良好となる。緑色蛍光二色性色素としては、トリフェ
ニルアミン誘導体(NSD:リコー製)とクマリン6を
重量比1:1で混合したものが採用できる。この場合、
各蛍光二色性色素はホスト液晶に対して0.5質量%添
加すれば良い。
【0053】緑色蛍光二色性色素をゲストとする液晶表
示パネルの吸収スペクトル特性は、450nm近傍に最
大吸収をもち、300nmから500nmの吸収領域が
ある。発光スペクトル特性は490nm近傍に最大発光
をもち、470nmから620nmの発光特性を達成で
きる。赤色蛍光二色性色素をゲストとする液晶表示パネ
ルの吸収スペクトル特性は、490nmから520nm
に最大吸収をもち、300nmから600nmの吸収領
域がある。発光スペクトル特性は600nm近傍に最大
発光をもち、560nmから700nmより長波長まで
の発光特性を達成できる。
【0054】以上の青色、緑色および赤色蛍光二色性色
素をゲストとする液晶表示パネルを採用することにより
色々な発光色の液晶表示装置が可能となる。 〔第2の実施形態〕以下に本発明の第2の実施形態にお
ける液晶表示装置について説明する。第2の実施形態が
第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態では1層
構造であった蛍光二色性色素を含む液晶層が2層構造に
なっている点である。
【0055】図6は、第2の実施形態における液晶表示
装置Pの一部を拡大して示す断面図であり、図3と同じ
部位を示すものである。図6においては、第1の実施形
態の液晶表示装置Pと同じ構成部材には同一の符号また
は番号を付してある。第2の実施形態では、液晶表示装
置Pが液晶表示パネルP1(以後第1の液晶表示パネル
P1と言う)と、第2の液晶表示パネルP2から構成さ
れている。さらに第2の実施形態では、視認者側の第1
の液晶表示パネルP1の液晶層9はツイストネマティッ
ク(TN)液晶であり、下側の第2の液晶表示パネルP
2の液晶層19はホモジニアス液晶となっている。
【0056】第1の液晶表示パネルP1の構成は第1の
実施形態と同じであり、第1の液晶層9が第1の電極2
が設けられた第1の基板1と第2の電極7が設けられた
第2の基板6で挟まれた構成である。第1の電極2と第
2の電極7とはお互いに対向し、重なり合う部分が画素
部となることも同じである。この図では、71が第1の
画素部、73が第2の画素部、72が第1の画素間、7
4が第2の画素間を示している。
【0057】また、第1の基板1と第2の基板6上に
は、第1の液晶層9を所定の方向に揃えるために、配向
膜(図示せず)が設けられている。第1の液晶層9とし
て、ホストであるツイストネマティック液晶に、緑色蛍
光二色性色素をゲストとして添加したものが使用されて
いる。第1の液晶層9のツイスト角は90度である。ま
た、ホスト液晶および緑色蛍光二色性色素は第1の実施
形態と同一の材料を採用している。
【0058】以上の構成を有する第1の液晶表示パネル
P1の視認者側には、偏光分離器21がある。この偏光
分離器21としては、一方の偏光軸が透過軸であり、ほ
ぼ直交する偏光軸が吸収軸からなる吸収型偏光板を配置
することができる。吸収型偏光板にはヨウ素を一軸に延
伸して配向したものを透明フィルムで積層したものを使
用することができる。偏光分離器21の視認者側の表面
には外部光源(図示せず)の表面反射を防止するために
低反射層が形成されている。
【0059】さらに、第1の液晶表示パネルP1の視認
者と反対側(紙面の下側)には、第2の液晶表示パネル
P2が設けられている。第2の液晶表示パネルP2は、
第3の基板11と第4の基板16との間に、第2の液晶
層19が図示しないシール部と封孔部で封止されて保持
された構造をしている。また、第3の基板11と第4の
基板16の上には、第2の液晶層19を所定の方向に揃
えるために、図示しない配向膜が設けられている。第3
の基板11と第4の基板16の対向する面の上には電極
は設けられていないので、第2の液晶表示パネルP2の
構成は簡素である。
【0060】第2の液晶層19としては、ホストである
ネマティック液晶に青色蛍光二色性色素をゲストとして
添加することができる。第2の液晶層19における液晶
分子の配向は、第3の基板11と第4の基板16とで平
行配向であるホモジニアス配向である。ホスト液晶およ
び青色蛍光二色性色素には、第1の実施形態と同一の材
料を採用することができる。ホスト液晶の液晶ダイレク
タは基板11、16に平行である。青色蛍光二色性色素
の吸収が大きい軸もホスト液晶の液晶ダイレクタと同一
な方向である。また、第2の液晶表示パネルP2はホス
ト液晶に蛍光二色性色素を添加しているため、蛍光性と
偏光性が兼ね備わっている。
【0061】第2の実施形態では、第2の液晶層19の
青色蛍光二色性色素の吸収が大きい軸と、電圧無印加時
における第1の液晶層9の第2の基板6側の緑色蛍光二
色性色素の吸収の大きい軸とがお互いに直交する方向
に、第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネル
P2が配置されている。また第2の液晶表示パネルP2
の下側には光源29が設けられている。光源29は紫外
線励起光源であり、キセノン(Xe)ランプ、ブラック
ライト蛍光ランプあるいはケミカルランプが使用されて
いる。
【0062】図7は、第1の液晶層9に印加する電圧毎
の発光スペクトル特性を示すグラフである。横軸には波
長がnm単位で示され、縦軸には発光強度が相対的に示
されている。また、図7には、第1の液晶表示パネルP
1の画素部に印加する電圧が0Vの時の発光スペクトル
曲線R、印加する電圧が2.6Vの時の発光スペクトル
曲線S、印加する電圧が10Vの時の発光スペクトル曲
線Tが示されている。図8は、第1の液晶層9に印加す
る電圧による色度変化(蛍光色度)を示す色度座標図で
ある。
【0063】次に、図6を用いて第2の実施形態におけ
る表示の原理を説明する。ここでは第1の電極2と第2
の電極7の間の第1の画素部71に、液晶ダイレクタの
大きな変化が発生するオン電圧が印加されており、第2
の画素部73には液晶ダイレクタの変化が殆ど発生しな
いオフ電圧が印加されているものとする。したがって、
画素部71,73の周囲である第1の画素間72と第2
の画素間74と、第2の画素部73の液晶ダイレクタは
同一である。
【0064】光源29からは色々な角度の偏光が液晶表
示パネルに入射する。ここには前後偏光(×で示す)と
左右偏光(両矢印で示す)が代表して示されている。第
1の画素部71における光線91の前後偏光は青色蛍光
二色性色素の吸収の大きな軸と平行な偏光であるため、
第2の液晶層19で青色の発光が発生し、前後偏光のま
ま第1の液晶表示パネルP1に入射する。第1の液晶表
示パネルP1の液晶ダイレクタはオン電圧が印加されて
第2の基板6に垂直な方向であり、光の旋光性も殆どな
い。即ち、緑色蛍光二色性色素の吸収断面積が小さいた
め、光線91は緑色の発光を伴わず青色で前後偏光のま
ま偏光分離器21に入射する。偏光分離器21の透過軸
は紙面の手前と奥の方向に配置され、吸収軸が紙面の左
右に配置されているため、光線91は青色光線として偏
光方向を維持したまま視認者側へ光線96として出射す
る。視認者はこの光線96の青色を認識する。
【0065】すなわち、光線96は、図7に示すグラフ
の曲線Tに相当し、第1の液晶層9に10V印加した状
態である。図8の色度図上では10Vの点に相当し、Y
値が小さい値を示している。同じく第1の画素部71に
おける光線92の左右偏光は青色蛍光二色性色素の吸収
の小さい軸と平行な偏光であるため、第2の液晶層19
で青色の発光は殆ど発生せず、左右偏光のまま第1の液
晶表示パネルP1に入射する。第1の液晶表示パネルP
1の液晶ダイレクタはオン電圧が印加されており、光の
旋光性は殆どなく、緑蛍光二色性色素の吸収断面積が小
さいため、緑色の発光を伴わず左右偏光のまま偏光分離
器21に入射する。偏光分離器21の吸収軸に入射する
ため、大きな吸収が発生し視認者側へは出射しない。即
ち、暗い表示となる。そのため、第1の液晶層9にオン
電圧を印加することにより、青色の発光が視認者に視認
されることになる。
【0066】第1の画素間72における光線93の前後
偏光は青色蛍光二色性色素の吸収の大きな軸と平行な偏
光であるため、第2の液晶層19で青色の発光が発生
し、前後偏光のまま第1の液晶表示パネルP1に入射す
る。この入射光は第1の液晶表示パネルP1の緑色蛍光
二色性色素の吸収断面積の小さい軸に入射するため、緑
発光は殆ど発生しない。また、第1の液晶層9の90度
の旋光性により、光線93は左右偏光として偏光分離器
21に入射する。光線93は偏光分離器21の吸収軸に
入射するため、視認者には青色発光は認識されない。
【0067】次に、第2の画素部73における光線94
の左右偏光は青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい
軸の偏光であるため、青色の発光は殆ど発生しない。左
右偏光の光線94は第1の液晶表示パネルP1の緑色蛍
光二色性色素の吸収断面積の大きい軸に入射するため、
強い緑色の発光が生じる。また、第1の液晶層9の90
度の旋光性により、光線94は前後偏光として偏光分離
器21に入射する。光線94は偏光分離器21の透過軸
に入射するため、視認者には光線97として緑色の発光
が認識される。即ち、光線94は図7に示すグラフの曲
線Rに相当し、第1の液晶層9に0V印加した状態であ
る。これは図8の色度図上では0Vの点に相当し、Y値
が大きい値を示している。
【0068】第2の画素間74では第2の画素部73と
ほぼ同一の液晶ダイレクタであるため、光線95の左右
偏光は青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい軸の偏
光であり、青色の発光は殆ど発生しない。左右偏光の光
線95は第1の液晶表示パネルP1の緑色蛍光二色性色
素の吸収断面積の大きい軸に入射するため、強い緑色の
発光が生じる。また、光線95は第1の液晶層9の90
度の旋光性により前後偏光として偏光分離器21に入射
する。光線95は偏光分離器21の透過軸に入射するた
め、視認者には光線98として緑色の発光が認識され
る。すなわち、光線95は図7に示すグラフの曲線Rに
相当し、第1の液晶層9に0V印加した状態である。図
8の色度図上では0Vの点に相当し、Y値が大きい値を
示している。
【0069】第2の画素部73に第1の液晶層9の液晶
ダイレクタが多少変化する電圧として2.6Vが印加さ
れると、光源29からの前後偏光は第2の液晶層19で
青色発光し、第1の液晶層9の旋光性が90度まで達し
ないため、偏光分離器21の透過軸に一部入射する。ま
た、光源29からの左右偏光は第1の液晶層9で緑色発
光し、第1の液晶層の旋光性が90度まで達しないた
め、偏光分離器21の透過軸に一部しか入射しない。そ
のため、光線95は図7に示すグラフの曲線Sに相当す
る特性となり、これは図8の色度図上では0Vと10V
の中間の点に相当する。第1の液晶層9に印加する電圧
により図8の0Vから10Vの変化軌跡66を可変する
ことができる。
【0070】以上の構成を採用することにより、第1の
液晶表示パネルP1の画素部にオン電圧あるいはオフ電
圧、または中間電圧を印加することにより、第2の液晶
層19の発光と第1の発光と両方の比率を変えた発光の
表示が可能となる。また第1の液晶表示パネルP1と第
2の液晶表示パネルP2とを重ねることにより同一の画
素部で色々な発光色を表示することが可能となるため、
カラーフィルターを配置する場合に比較して明るい表
示、きめ細かい表示が可能となる。
【0071】〔第3の実施形態〕以下に本発明の第3の
実施形態における液晶表示装置について説明する。第3
の実施形態は、図9に示すように第2の実施形態と同じ
く、蛍光二色性色素を含む液晶層が2層構造になってい
る。即ち、第3の実施形態においても、液晶表示装置P
が第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネルP
2から構成されている。そして、図9においても、第1
と第2の実施形態と同じ構成部材には同一の符号または
番号が付されている。第3の実施形態が第2の実施形態
と異なる点は、視認者側の第1の液晶パネルP1の液晶
層9がツイストネマティック液晶であるのに加えて、下
側の第2の液晶パネルP2の液晶層19もツイストネマ
ティック液晶である点である。
【0072】第1の液晶表示パネルの構成は、第1、第
2の実施形態と同じであり、第1の電極2を有する第1
の基板1と、第2の電極7を有する第2の基板7で第1
の液晶層9が挟まれた構成をしている。第1の電極2と
第2の電極7とはお互いに対向しており、電極の重なり
合う部分が画素部となることも同様である。この図で
は、71が第1の画素部、73が第2の画素部、72が
第1の画素間、74が第2の画素間を示している。
【0073】第1の基板1と第2の基板6の間の第1の
液晶層9は、シール部(図示せず)と封孔部(図示せ
ず)により封止されている。また、第1の基板1と第2
の基板6の上には、第1の液晶層9を所定の方向に揃え
るために、配向膜(図示せず)が設けられている。第1
の液晶層9として、ホストであるツイストネマティック
液晶に赤色蛍光二色性色素がゲストとして添加されてい
る。第1の液晶層9のツイスト角は90度である。ホス
ト液晶および赤色蛍光二色性色素は第1の実施形態と同
一の材料を採用している。
【0074】以上の構成を有する液晶表示パネルの視認
者側には、偏光分離器21として一方の偏光軸が透過軸
であり、ほぼ直交する偏光軸が吸収軸からなる吸収型偏
光板が配置されている。さらに、第1の液晶表示パネル
P1の視認者と反対の面には第2の液晶表示パネルP2
が設けられている。第2の液晶表示パネルP2は、第3
の基板11と第4の基板16の間に、第2の液晶層19
が図示しないシール部と封孔部により封止された構造を
している。第3の基板11と第4の基板16の上には、
第2の液晶層19を所定の方向に揃えるために、配向膜
(図示せず)が設けられている。第3の基板11と第4
の基板16上には電極は設けていないため、第2の液晶
表示パネルP2は簡素な構造である。
【0075】第2の液晶層19としてホストであるツイ
ストネマティック(TN)液晶には、緑色蛍光二色性色
素がゲストとして添加されている。第2の液晶層19の
配向は第3の基板11と第4の基板16とで90度ツイ
ストする配向である。緑色蛍光二色性色素の吸収が大き
い軸もホスト液晶の液晶ダイレクタと同一な方向であ
る。また、第2の液晶表示パネルP2はホスト液晶に蛍
光二色性色素が添加されているため、蛍光性と偏光性を
兼ね備わっている。
【0076】第3の実施形態では、第2の液晶層19の
緑色蛍光二色性色素の吸収が大きい軸の第3の基板11
に面する配向方向と、電圧無印加時における第1の液晶
層9の第2の基板6側の赤色蛍光二色性色素の吸収の大
きい軸とはお互いに直交する方向に第1の液晶表示パネ
ルP1と第2の液晶表示パネルP2が配置されている。
即ち、第1の液晶層9の中央分子の配向方向と第2の液
晶層19の中央分子の配向方向とは90度異なる方向に
配向されている。第1の液晶層9と第2の液晶層19を
共にツイストネマティック液晶とすることにより、配向
膜の種類、液晶を同一にできるため、製造工程を簡単に
できる。
【0077】また第2の液晶表示パネルの下側には光源
29が設けられている。光源29には平面発光源である
エレクトロルミネッセント素子(EL素子)が採用され
ている。EL素子には紫外線と可視光が含まれる。平面
発光源は薄型化が可能であるため、携帯情報機器、時計
には特に有効な光源である。また、EL素子としては無
機型、有機型のどちらでも可能である。
【0078】次に、図9を用いて第3の実施形態におけ
る表示の原理を説明する。ここでは第1の電極2と第2
の電極7の間の第1の画素部71に、液晶ダイレクタの
大きな変化が発生するオン電圧が印加されており、第2
の画素部73には液晶ダイレクタに変化が殆ど発生しな
いオフ電圧が印加されているものとする。この時、画素
部71,73の周囲である第1の画素間72と第2の画
素間74、及び第2の画素部73の液晶ダイレクタは同
一である。また、光源29からは色々な角度の偏光が液
晶表示パネルP2に入射している。ここには前後偏光
(×で示す)と左右偏光(両矢印で示す)が代表して示
されている。
【0079】第1の画素部71における光線91の前後
偏光は緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の
偏光であるため、第2の液晶層19では殆ど緑色の発光
が発生しない。また第2の液晶層の旋光性により光線9
1は左右偏光として第1の液晶表示パネルP1に入射す
る。第1の液晶表示パネルP1の液晶ダイレクタは、オ
ン電圧が印加されて第2の基板6と垂直な方向にであっ
て光の旋光性は殆どない。従って、赤色蛍光二色性色素
の吸収断面積が小さいため、光線91は、赤色の発光を
伴わず左右偏光のまま偏光分離器21に入射する。偏光
分離器21の透過軸は紙面の手前と奥の方向に配置さ
れ、吸収軸は紙面の左右に配置されているため、光線9
1は偏光分離器21により吸収され視認者側へは出射し
ない。
【0080】同じく第1の画素部71における光線92
の左右偏光は緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい
方向の偏光であるため、第2の液晶表示パネルP2の第
2の液晶層19で強い緑色の発光が発生し、第2の液晶
層19の旋光性により光線92は前後偏光となり第1の
液晶表示パネルP1に入射する。第1の液晶表示パネル
P1の液晶ダイレクタは、オン電圧が印加された部分に
おいて第2の基板6に垂直な方向であり、光の旋光性は
殆どない。そのため、赤色蛍光二色性色素の吸収断面積
は小さく、光線92は赤色の発光を伴わずに前後偏光の
まま偏光分離器21に入射する。光線92は偏光分離器
21の透過軸に入射するため、緑色発光として視認者側
へ光線96として出射する。即ち、第1の液晶層9にオ
ン電圧を印加することにより緑色の発光を表示すること
ができる。
【0081】次に、第1の画素間72における光線93
の左右偏光は緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい
方向の偏光であるため、第2の液晶層19で強い緑色の
発光が発生する。そして、第2の液晶層19の旋光性に
より光線93は前後偏光となり、第1の液晶表示パネル
P1に入射する。この入射光は第1の液晶表示パネルP
1の赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい軸に入射
するため、赤発光は殆ど発生しない。また、第1の液晶
層9の90度の旋光性により、光線93は左右偏光とし
て偏光分離器21に入射する。光線93は左右偏光とし
て偏光分離器21の吸収軸に入射するため、視認者には
緑色発光は認識されない。
【0082】第2の画素部73における光線94の前後
偏光は、緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい軸を
透過することにより発生する偏光であり、緑色の発光は
殆ど発生しない。第2の液晶表示パネルP2から出射さ
れる左右偏光は、第1の液晶表示パネルP1の赤色蛍光
二色性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光として入射
するため、強い赤色の発光が発生する。また、第1の液
晶層9の90度の旋光性により、光線94は前後偏光と
して偏光分離器21に入射する。光線94は偏光分離器
21の透過軸に入射するため、視認者には光線97とし
て赤色の発光が認識される。
【0083】第2の画素間74は、第2の画素部73と
ほぼ同一の液晶ダイレクタであるため、第2の画素間7
4に入射される光線95の前後偏光は緑色蛍光二色性色
素の吸収断面積の小さい軸を透過することにより発生す
る偏光であり、緑色の発光は殆ど発生しない。第2の液
晶表示パネルP2から出射される左右偏光の光線95は
第1の液晶表示パネルP1の赤色蛍光二色性色素の吸収
断面積の大きい軸に入射されるため、強い赤色の発光が
発生する。また、第1の液晶層9の90度の旋光性によ
り光線95は前後偏光として偏光分離器21に入射す
る。光線95は偏光分離器21の透過軸に入射するた
め、視認者には光線98として赤色の発光が認識され
る。
【0084】第3の実施形態においても、オン電圧とオ
フ電圧の中間の電圧を電極2,7の間に印加することに
より、第2の液晶層19における発光と第1の液晶層9
における発光の両方の比率を変えた発光の表示が可能で
ある。また平面発光源としてEL素子を採用し、さらに
EL素子に可視光領域の波長を含めることにより、光源
29の色も含めて表示することが可能となり、さらに可
視光線と紫外線により蛍光二色性色素の発光も可能とな
る。
【0085】〔第4の実施形態〕以下に本発明の第4の
実施形態における液晶表示装置について説明する。第4
の実施形態は、図10に示すように、蛍光二色性色素を
含む第1の液晶表示パネルP1の下側に異方性蛍光素子
23が設けられた構造である。そして、図10において
もこれまでの実施形態と同じ構成部材には同一の符号ま
たは番号が付されている。
【0086】第1の液晶表示パネルP1の構成はこれま
での実施形態と同じであり、第1の電極2を有する第1
の基板1と、第2の電極7を有する第2の基板6で液晶
層9が挟まれた構成である。第1の基板1と第2の基板
6は互いに対向しており、第1の電極2と第2の電極7
との重なり合う部分が画素部となることも同様である。
この図では、71が第1の画素部、73が第2の画素
部、72が第1の画素間、74が第2の画素間を示して
いる。第1の基板1と第2の基板6の間の液晶層9は、
図示しないシール部と封孔部とにより封止されている。
また、第1の基板1と第2の基板6の上には、液晶層9
を所定の方向に揃えるために、図示しない配向膜が設け
られている。この実施形態の液晶層9は、ホストである
ツイストネマティック液晶に緑蛍光二色性色素がゲスト
として添加されて構成されている。液晶層9のツイスト
角は90度である。ホスト液晶および緑蛍光二色性色素
には第1の実施形態と同一の材料が使用されている。
【0087】以上の構成を有する液晶表示パネルP1の
視認者側には、偏光分離器21として、一方の偏光軸が
透過軸であり、ほぼ直交する偏光軸が吸収軸からなる吸
収型偏光板が配置されている。吸収型偏光板としては、
ヨウ素を一軸に延伸して配向したものに透明フィルムが
積層されたものが使用されている。更に、第1の液晶表
示パネルP1の視認者と反対の面には異方性蛍光素子2
3が配置されている。異方性蛍光素子23としては、蛍
光二色性色素をポリマー樹脂に吸着させ、透明フィルム
で挟んで一方向に延伸して一方向に配向させたフィルム
を使用することができる。あるいは、異方性蛍光素子2
3は、サーモトロピック液晶に蛍光二色性色素を添加し
て、加熱雰囲気にて配向処理を施したフィルム上に塗布
して透明フィルムで挟んで一方向に延伸し、室温に冷却
して作成することも出来る。異方性蛍光素子23の特徴
は、偏光性を有し、一方の偏光軸が透過軸となってお
り、ほぼ直交する偏光軸が発光軸となっていることであ
る。また、蛍光二色性色素の分量、あるいは色は変える
ことが可能である。
【0088】異方性蛍光素子23の発光の発生する偏光
軸と、電圧無印加時における液晶層9の第2の基板6側
の緑蛍光二色性色素の吸収の大きい軸とは互いに直交す
る方向に配置されてる。また、異方性蛍光素子23の透
過軸と電圧無印加時における液晶層9の第2の基板6側
の緑蛍光二色性色素の吸収の大きい軸とは、互いに平行
方向に配置されている。異方性蛍光素子23の使用によ
り、液晶表示装置Pの薄型化を達成することができる。
【0089】また、異方性蛍光素子23の下側には光源
29が設けられている。光源29は、この実施形態で
は、紫外線を発光する発光ダイオード31とレンズ状に
表面を加工してなる導光板33から構成されている。発
光ダイオード31を採用することにより光源29の小型
化が可能となり、また、ランプと異なり、インバーター
等の回路が不必要となり、点灯、消灯の遅延が発生しな
いという利点がある。また、発光ダイオード31と導光
板33の組み合わせにより平面発光源とすることができ
るので、携帯機器、時計等の重さと容積の限定が厳しい
用途には特に有利である。
【0090】次に、図10を用いて第4の実施形態にお
ける表示の原理を説明する。ここでは第1の電極2と第
2の電極7を通じて、第1の画素部71に液晶ダイレク
タの大きな変化が発生するオン電圧が印加されており、
第2の画素部73に液晶ダイレクタの変化が殆ど発生し
ないオフ電圧が印加されているものとする。この時、画
素部71,73の周囲である第1の画素間72と第2の
画素間74、及び第2画素部73の液晶ダイレクタは同
一である。
【0091】発光ダイオード31として共振鏡を有する
レーザーダイオードを使用することも可能であるが、こ
の実施形態ではコストが安い通常の発光ダイオード(L
ED)31が使用されている。LED31からの光線3
2は、導光板33に入射した後、色々な角度の偏光とし
て異方性蛍光素子23を透過し、液晶表示パネルP1に
入射する。ここでは前後偏光(×印)と左右偏光(両矢
印)が代表して示されている。
【0092】第1の画素部71における光線101の前
後偏光は異方性蛍光素子23の吸収断面積の大きい方向
の偏光であるため、強い青色の発光が発生する。また、
第1の液晶表示パネルP1の液晶ダイレクタはオン電圧
が印加して第2の基板6に垂直方向であり、光の旋光性
は殆どなく、緑色蛍光二色性色素の吸収断面積が小さい
ため、光線101は緑色の発光を伴わず前後偏光のまま
偏光分離器21に入射する。偏光分離器21の透過軸は
紙面の手前と奥の方向に配置されており、吸収軸が紙面
の左右に配置されているため、光線101は偏光分離器
21により透過されて光線106として視認者側へ出射
する。
【0093】同じく第1の画素部71における光線10
2の左右偏光は異方性蛍光素子23の透過軸方向の偏光
であるため、殆ど発光が発生しない。第1の液晶表示パ
ネルP1の液晶ダイレクタはオン電圧が印加されている
ので第2の基板6に垂直方向であり、光の旋光性は殆ど
ない。そのため、緑色蛍光二色性色素の吸収断面積は小
さく、光線102は緑色の発光を伴わず左右偏光のまま
偏光分離器21に入射する。ところが、光線102は偏
光分離器21の吸収軸に入射するため、視認者側へは殆
ど出射しない。即ち、液晶層9にオン電圧が印加される
ことにより異方性蛍光素子23の発光色を視認者に呈示
することができる。
【0094】第1の画素間72における光線103の前
後偏光は異方性蛍光素子23の発光による偏光である
が、液晶表示パネルP1の緑色蛍光二色性色素の吸収断
面積の小さい軸に入射するため、緑色の発光は殆ど発生
しない。また、光線103は第1の液晶層9の90度の
旋光性により左右偏光として偏光分離器21に入射する
が、偏光分離器21の吸収軸に入射するため、視認者に
は青色発光は認識されない。
【0095】第2の画素部73における光線104の左
右偏光は異方性蛍光素子23の透過軸の偏光であり、異
方性蛍光素子23の発光は殆どない。異方性蛍光素子2
3から出射する光線104の左右偏光は液晶表示パネル
P1の緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向の
偏光として入射されるため、強い緑色の発光を発生す
る。また、第1の液晶層9の90度の旋光性により光線
104は前後偏光として偏光分離器21に入射する。光
線104は偏光分離器21の透過軸に入射するため、視
認者には光線107として強い緑色の発光が認識され
る。
【0096】一方、第2の画素間74では第2の画素部
73とほぼ同一の液晶ダイレクタであるため、光線10
5は光線104と同様に視認者に認識される。即ち、光
線105は液晶表示パネルP1で強い緑色の発光を発生
し、第1の液晶層9で前後偏光になって偏光分離器21
に入射し、視認者には光線108として緑色の発光が認
識される。
【0097】第4の実施形態においても、オン電圧とオ
フ電圧の中間の電圧を印加することにより、異方性蛍光
素子23の発光と第1の液晶層9の発光と両方の比率を
変えた発光の表示が可能である。 〔第5の実施形態〕以下に本発明の第5の実施形態にお
ける液晶表示装置について説明する。図11に示す第5
の実施形態は、図6で説明した第2の実施形態の液晶表
示装置P、或いは、図9で説明した第3の実施形態の液
晶表示装置Pの変形形態を示すものである。即ち、第5
の実施形態は、液晶層9がツイストネマティック液晶で
ある第1の液晶表示パネルP1と、液晶層19がホモジ
ニアス液晶である第2の液晶表示パネルP2を備えた第
2の実施形態の液晶表示装置P、或いは、液晶層9と液
晶層19が共にツイストネマティック液晶である第1の
液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネルP2を備え
た第3の実施形態の液晶表示装置Pにおいて、第2の液
晶表示パネルP2の下側に、紫外線を透過し、可視光を
吸収あるいは反射する光学素子35が更に設けられてい
るものである。光学素子35としては、紫外線透過可視
光吸収フィルターとしてU−340(HOYA製)、或
いはU−360(HOYA製)を使用することができ
る。
【0098】従って、第5の実施形態の液晶表示装置P
は、第2の液晶表示パネルP2と光源29の間に光学素
子35が設けられている点のみが、第2の実施形態、或
いは第3の実施形態の液晶表示装置Pと異なる。よっ
て、図11に示される第5の実施形態の液晶表示装置P
の構成については、第2の実施形態と第3の実施形態と
同じ構成部材には同一の符号または番号を付してその説
明を省略し、その表示原理のみを説明する。
【0099】ただし、第5の実施形態の液晶表示装置P
の表示原理の説明は、液晶層9がツイストネマティック
液晶であり、液晶層19がホモジニアス液晶である場合
についてのみ行う。また、光源29からは色々な角度の
偏光が光学素子35を通して第2の液晶表示パネルP2
に入射するが、ここでは、前後偏光(×印)と左右偏光
(両矢印)が代表して示されている。
【0100】光線111は前後偏光であり、可視光(4
00nmから800nm領域)であるため、光学素子3
5により吸収される。また、光線112は左右偏光であ
り、可視光であるため、光学素子35により吸収され
る。このように、光源29から可視光が発光していて
も、光学素子35により可視光は吸収されて視認者側に
は認識されない。従って、光源29からの可視光の発光
は、光学素子35の設置によって、液晶表示パネルP
1,P2からの可視光の発光に影響を及ぼさないように
することができる。
【0101】光線113の前後偏光は青色蛍光二色性色
素の吸収の大きな軸と平行な偏光であるため、光学素子
35を透過した後に第2の液晶表示パネルP2に入射し
て第2の液晶層19で青色の発光が発生し、光線113
は前後偏光のまま第1の液晶表示パネルP1に入射す
る。第1の液晶表示パネルP1の第1の画素部71の液
晶ダイレクタは、電極2,7間にオン電圧が印加されて
いるので第2の基板6と垂直方向であり、光の旋光性は
殆どない。そのため、緑色蛍光二色性色素の吸収断面積
が小さく、光線113は緑色の発光を伴わず青色で前後
偏光のまま偏光分離器21に入射する。偏光分離器21
の透過軸は紙面の手前と奥の方向に配置されており、吸
収軸は紙面の左右に配置されているため、光線113は
青色光線として偏光方向を維持したまま光線118とし
て視認者側へ出射し、視認者により青色が認識される。
【0102】第1の画素部71における光線114の左
右偏光は青色蛍光二色性色素の吸収の小さい軸と平行な
偏光であるため、光学素子35を透過した後に入射され
た第2の液晶表示パネルP2の第2の液晶層19で青色
の発光は殆ど発生せず、光線114は左右偏光のまま第
1の液晶表示パネルP1に入射する。第1の液晶表示パ
ネルP1の第1の画素部71の液晶ダイレクタは、電極
2,7間にオン電圧が印加されているので第2の基板6
に垂直方向であり、光の旋光性は殆どない。このため、
緑色蛍光二色性色素の吸収断面積が小さく、光線114
は緑色の発光を伴わず左右偏光のまま偏光分離器21に
入射する。光線114は偏光分離器21の吸収軸に入射
するため、大きな吸収が発生して視認者側へは出射しな
い。すなわち暗い表示となる。そのため、第1の液晶層
9にオン電圧を印加することにより、視認者は青色の発
光を視認することになる。また、光源29に、例えば緑
の発光が含まれていても、光学素子35により除去され
るので、色純度のよい青色の発光が呈示できる。
【0103】第1の画素間72における光線115の前
後偏光は青色蛍光二色性色素の吸収の大きな軸と平行な
偏光であるため、光学素子35を透過した後に入射した
第2の液晶表示パネルP2の第2の液晶層19で青色の
発光が発生し、光線115は前後偏光のまま第1の液晶
表示パネルP1に入射する。この入射光は第1の液晶表
示パネルP1の緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さ
い軸に入射するため、緑発光は殆ど発生しない。また、
第1の液晶層9の90度の旋光性により、光線115は
左右偏光として偏光分離器21に入射する。光線115
は偏光分離器21の吸収軸に入射するため、視認者には
青色発光は認識されない。
【0104】第2の画素部73における光線116の左
右偏光は青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい軸を
透過することにより発生する偏光であり、青色の発光は
殆ど発生しない。左右偏光の光線116は第1の液晶表
示パネルP1の緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の大き
い軸に入射するため、強い緑色の発光が発生する。ま
た、光線116は第1の液晶層9の90度の旋光性によ
り前後偏光として偏光分離器21に入射する。光線11
6は偏光分離器21の透過軸に入射するため、視認者に
は光線119として緑色の発光が認識される。
【0105】第2の画素間74では第2の画素部73と
ほぼ同一の液晶ダイレクタであるため、光線117の左
右偏光は青色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい軸を
透過することにより発生する偏光であり、青色の発光は
殆ど発生しない。左右偏光の光線117は第1の液晶表
示パネルP1の緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の大き
い軸に入射するため、強い緑色の発光を発生する。ま
た、光線117は第1の液晶層9の90度の旋光性によ
り前後偏光として偏光分離器21に入射する。光線11
7は偏光分離器21の透過軸に入射するため、視認者に
は緑色の発光が認識される。
【0106】以上説明したように、第5の実施形態で
は、2層構造の蛍光二色性色素を含む液晶層9、19と
光学素子35と光源29とにより色純度の良好な発光表
示が可能となる。また、色純度の良好な発光表示と光学
素子35の可視光の遮断により良好な黒表示が可能とな
る。 〔第6の実施形態〕以下に本発明の第6の実施形態にお
ける液晶表示装置について説明する。第6の実施形態
は、図6で説明した第2の実施形態の液晶表示装置P、
或いは、図9で説明した第3の実施形態の液晶表示装置
Pの変形形態を示すものである。即ち、第6の実施形態
は、液晶層9がツイストネマティック液晶である第1の
液晶表示パネルP1と、液晶層19がホモジニアス液晶
である第2の液晶表示パネルP2を備えた第2の実施形
態の液晶表示装置P、或いは、液晶層9と液晶層19が
共にツイストネマティック液晶である第1の液晶表示パ
ネルP1と第2の液晶表示パネルP2を備えた第3の実
施形態の液晶表示装置Pにおいて、第2の液晶表示パネ
ルP2の第3の基板11と第4の基板16にそれぞれ第
3の電極12と第4の電極17が更に設けられているも
のである。
【0107】従って、第6の実施形態の液晶表示装置P
は、第2の液晶表示パネルP2の第3の基板11と第4
の基板16にそれぞれ第3の電極12と第4の電極17
が更に設けられている点のみが、第2の実施形態、或い
は第3の実施形態の液晶表示装置Pと異なる。よって、
図12に示される第6の実施形態の液晶表示装置Pの構
成については、第2の実施形態と第3の実施形態と同じ
構成部材には同一の符号または番号を付してその説明を
省略し、その表示原理のみを説明する。
【0108】ただし、第6の実施形態の液晶表示装置P
の表示原理の説明は、第1の液晶層9と第2の液晶層1
9が共にツイストネマティック液晶である場合について
のみ行う。また、光源29からは色々な角度の偏光が第
2の液晶表示パネルP2に入射するが、ここでは、前後
偏光(×印)と左右偏光(両矢印)が代表して示されて
いる。
【0109】また、図12に示す第6の実施形態には、
第1の液晶パネルP1に3組の第1の電極2と第2の電
極7が示されており、第2の液晶パネルP2には第1の
液晶パネルP1の電極2,7に重なる位置に設けられ
た、3組の第3の電極12と第4の電極17が示されて
いる。そして第6の実施形態では、第1の画素部71で
は第1の液晶層9と第2の液晶層19に共にオン電圧が
印加されており、第2の画素部73では第1の液晶層9
にはオン電圧が、第2の液晶層19にオフ電圧が印加さ
れており、第3の画素部75では第1の液晶層9にはオ
フ電圧が、第2の液晶層19にオン電圧が印加されてい
るものとする。
【0110】第1の画素部71における光線121(左
右偏光)と光線122(前後偏光)は、第2の液晶層1
9と第1の液晶層9の液晶ダイレクタが基板に対して垂
直方向のために、吸収断面積が小さく赤色および緑色の
発光は殆ど発生しない。そのため、偏光分離器21の透
過軸に入射される光線122は透過するが、偏光分離器
21により紫外線は吸収されるため視認者側には出射し
ない。
【0111】第1の画素間72の光線123の左右偏光
は赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光
であるため、第2の液晶層19で強い赤色の発光が発生
し、第2の液晶層19の旋光性により前後偏光となり第
1の液晶表示パネルP1に入射される。第1の液晶表示
パネルP1の液晶ダイレクタはオフ電圧が印加されてい
る電極間と同じであり、透過軸に相当するため、弱い緑
色の発光を発生し、光の旋光性により光線123は左右
偏光として偏光分離器21に入射される。光線123は
偏光分離器21の吸収軸のため、視認者には認識されな
い。
【0112】第2の画素部73における光線124の左
右偏光は赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方向
の偏光であるため、第2の液晶層19で強い赤色の発光
が発生し、旋光性により光線124は前後偏光となり第
1の液晶表示パネルP1に入射される。光線124は第
1の液晶表示パネルP1のオン電圧画素部に入射される
ため、緑発光は殆ど発生しない。また、第1の液晶層9
の旋光性が殆どないため、光線124は前後偏光として
偏光分離器21に入射される。光線124は偏光分離器
21の透過軸に入射されるため、視認者には光線128
として認識される。
【0113】同じく第2の画素部73における光線12
5の前後偏光は、赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の小
さい軸を透過することにより発生する偏光であり、赤色
の発光は殆ど発生しない。第2の液晶表示パネルP2か
ら出射される左右偏光の光線125は第1の液晶表示パ
ネルP1のオン電圧画素部に入射されるため、殆ど発光
せず、光線125は旋光性を変えずに左右偏光として偏
光分離器21に入射される。光線125は偏光分離器2
1の吸収軸に入射するため、視認者には認識されない。
【0114】第3の画素部75における左右偏光の光線
126は、入射後の第2の液晶層19がオン電圧画素部
であるため、殆ど赤色の発光が発生せず、旋光性も変わ
らず第1の液晶表示パネルP1に入射する。光線126
は第1の液晶表示パネルP1のオフ電圧画素部に入射す
るため、強い緑発光が発生する。また、光線126は第
1の液晶層9の旋光性により前後偏光として偏光分離器
21に入射する。光線126は偏光分離器21の透過軸
に入射するため、視認者には光線129として認識され
る。
【0115】第3の画素間76における光線127の前
後偏光は第2の液晶層19の透過軸に相当する偏光であ
るため、殆ど赤色の発光が発生せず、旋光性により左右
偏光の光線127として第1の液晶表示パネルP1に入
射する。第1の液晶表示パネルP1のオフ電圧画素部に
入射した光線127は強い緑発光を発生する。また、第
1の液晶層9の旋光性により光線127は前後偏光とし
て偏光分離器21に入射する。光線127は偏光分離器
21の透過軸に入射するため、視認者には光線130と
して認識される。
【0116】即ち、第1の液晶層9と第2の液晶層19
との液晶ダイレクタを電圧により制御することにより、
図13に示すように第1の液晶層9がオフ状態で第2の
液晶層19がオン状態の場合には、曲線Vに示すように
強い緑色の発光がある。また、第1の液晶層9がオフ状
態で第2の液晶層19がいオフ状態の場合には、曲線W
に示すように緑色と赤色の混色の発光がある。更に、第
1の液晶層9がオン状態で第2の液晶層19がオン状態
の場合には、曲線Hに示すように弱い発光の黒色表示と
なる。第1の液晶層9がオン状態で第2の液晶層19が
オフ状態の場合には、曲線Gに示すように強い赤色の発
光がある。以上の説明から明らかなように、黒表示と
赤、緑、および中間色の表示が可能となる。このため、
第6の実施形態では多色化が容易に達成できる。
【0117】〔第7の実施形態〕以下に本発明の第7の
実施形態における液晶表示装置について説明する。第7
の実施形態は、図12で説明した第6の実施形態の液晶
表示装置Pの第2の液晶表示パネルP1と光源29との
間に第3の液晶表示パネルP3と光学素子35を設けた
3層構造の液晶表示装置である。従って、第1の液晶表
示パネルP1の第1の液晶層9はツイストネマティック
液晶であるが、第2の液晶表示パネルP2の第2の液晶
層19はホモジニアス液晶かツイストネマティック液晶
の何れかである。更に、第3の液晶表示パネルP3の第
3の液晶層169もホモジニアス液晶かツイストネマテ
ィック液晶の何れかである。また、第3の液晶表示パネ
ルP3の第5の基板161と第6の基板166にはそれ
ぞれ第5の電極162と第6の電極167が更に設けら
れている。光学素子35には第5の実施形態で使用した
ものと同じものを使用することができる。
【0118】第7の実施形態の液晶表示装置Pは、第3
の液晶表示パネルP3と光学素子35が更に設けられて
いる点以外は、第6の実施形態と同じである。従って、
図14に示される第7の実施形態の液晶表示装置Pの構
成については、第6の実施形態と同じ構成部材には同一
の符号または番号を付してその説明を省略し、その表示
原理のみを説明する。
【0119】ただし、第7の実施形態の液晶表示装置P
の表示原理の説明は、第1の液晶層9と第2の液晶層1
9、及び第3の液晶層169が全てツイストネマティッ
ク液晶である場合についてのみ行う。また、光源29か
らは色々な角度の偏光が光学素子35を通して第2の液
晶表示パネルP2に入射するが、ここでは、前後偏光
(×印)と左右偏光(両矢印)が代表して示されてい
る。
【0120】また、図14に示す第7の実施形態には、
第1の液晶パネルP1に4組の第1の電極2と第2の電
極7が示されており、第2の液晶パネルP2には第1の
液晶パネルP1の電極2,7に重なる位置に設けられ
た、4組の第3の電極12と第4の電極17が示されて
おり、第3の液晶パネルP3にも第1の液晶パネルP1
の電極2,7に重なる位置に設けられた、4組の第5の
電極162と第6の電極167が示されている。そして
第6の実施形態の3層の液晶層には以下の5通りの状態
が示されている。
【0121】(1) 第1の液晶層9、第2の液晶層19及
び第3の液晶層169の全てにオン電圧が印加されてい
る状態(第1の画素部71の状態)。 (2) 第1の液晶層9と第2の液晶層19にはオン電圧
が、第3の液晶層169にオフ電圧が印加されている状
態(第2の画素部73の状態)。 (3) 第1の液晶層9と第3の液晶層169にはオン電圧
が、第2の液晶層19にオフ電圧が印加されている状態
(第3の画素部75の状態)。
【0122】(4) 第1の液晶層9にオフ電圧が、第2の
液晶層19と第3の液晶層169にはオン電圧が印加さ
れている状態(第4の画素部77の状態)。 (5) 第1の液晶層9、第2の液晶層19及び第3の液晶
層169の全てにオフ電圧が印加されている状態(第4
の画素間80の状態)。 第3の液晶表示パネルP3と光源29の間に設けられた
光学素子35は、紫外線を透過し、可視光線を吸収す
る。従って、光源29からの可視光は光学素子35で吸
収され、視認者側には出射されないが、紫外線は光学素
子35を透過するので、液晶表示パネルに照射すること
ができる。
【0123】前後偏光の光線171と左右偏光の光線1
72は可視光線(400nm〜800nm)であるた
め、光学素子35に吸収されて液晶表示パネルP3には
入射しない。よって、光源29から出射した可視光は視
認者によって視認されることがなく、液晶表示パネルか
らの可視光の発光に影響を及ぼさない。第1の画素部7
1における光線173の左右偏光は、光学素子35によ
り紫外線のみの偏光として第3の液晶表示パネルP3に
左右偏光として入射する。第3の液晶層169と第2の
液晶層19及び第1の液晶層9は全てオン状態のため、
光線173は殆ど蛍光二色性色素に吸収されず、発光が
ない。更に、各液晶層による旋光性がないため、光線1
73の偏光状態は左右偏光のまま紫外線として偏光分離
器21に入射する。光線173の左右偏光は偏光分離器
21の吸収軸方向の偏光であり、更に、偏光分離器21
は紫外線を吸収する機能を持つため、光線173は視認
者側には出射しない。
【0124】第1の画素部71における光線174の前
後偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に前後偏光として入射する。
第3の液晶層169と第2の液晶層19及び第1の液晶
層9は全てオン状態のため、光線174は殆ど蛍光二色
性色素に吸収されず、発光がない。更に、各液晶層によ
る旋光性がないため、光線174の偏光状態は前後偏光
のままであり、紫外線として偏光分離器21に入射す
る。光線174の左右偏光は偏光分離器21の透過偏光
軸方向の偏光であるが、偏光分離器21が紫外線を吸収
する機能を持つため、光線174は視認者側には出射し
ない。
【0125】第2の画素部73における光線175の左
右偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に左右偏光として入射する。
第3の液晶層169はオフ状態であり、赤蛍光二色性色
素の吸収断面積の大きい偏光軸のため、入射光により強
い赤の発光が発生する。更に、光線175は液晶層16
9により90度旋光し、前後偏光として第2の液晶パネ
ルP2に入射する。第2の液晶層19と第1の液晶層9
はオン状態のため、光線175は殆ど蛍光二色性色素に
吸収されず、発光もない。更に、各液晶層による旋光性
がないため、光線175の偏光状態は前後偏光のまま赤
色光として偏光分離器21に入射する。光線175は偏
光分離器21の透過偏光軸方向の偏光であるため、光線
175は赤色光191として視認者に認識される。この
赤色光191は、図15の色度図グラフの第3の液晶表
示パネルのみオフ(赤色)に相当する色度図座標とな
る。
【0126】第2の画素部73における光線176の前
後偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に前後偏光として入射する。
第3の液晶層169はオフ状態であるが、赤蛍光二色性
色素の吸収断面積の小さい偏光軸のため、入射光により
殆ど発光は生じない。一方、光線176は液晶層169
により90度旋光し、左右偏光として第2の液晶パネル
P2に入射する。第2の液晶層19と第1の液晶層9は
オン状態のため、光線176は殆ど蛍光二色性色素に吸
収されず、発光もない。更に、各液晶層による旋光性が
ないため、光線176の偏光状態は左右偏光のまま紫外
線として偏光分離器21に入射する。光線176は偏光
分離器21の吸収軸方向の偏光であり、更に、偏光分離
器21は紫外線吸収の機能を持つため、光線176は視
認者側には出射しない。
【0127】第3の画素部75における光線177の左
右偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に左右偏光として入射する。
第3の液晶層169はオン状態であり、赤蛍光二色性色
素の発光は殆どなく、旋光性もないため、光線177は
左右偏光の紫外線として第2の液晶パネルP2に入射す
る。第2の液晶層19はオフ状態であり、緑蛍光二色性
色素の吸収断面積の大きい偏光軸のため、入射光により
強い緑の発光が発生する。更に、光線177は液晶層1
9により90度旋光し、前後偏光として第1の液晶パネ
ルP1に入射する。第1の液晶層9はオン状態のため、
光線177は殆ど青蛍光二色性色素に吸収されず、発光
もない。更に、液晶層9による旋光性がないため、光線
177の偏光状態は前後偏光のまま緑色光として偏光分
離器21に入射する。光線177は偏光分離器21の透
過偏光軸方向の偏光であるため、光線175は緑色光1
92として視認者に認識される。この緑色光192は、
図15の色度図グラフの第2の液晶表示パネルのみオフ
(緑色)に相当する色度図座標となる。
【0128】第3の画素部75における光線178の前
後偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に前後偏光として入射する。
第3の液晶層169はオン状態のため、赤蛍光二色性色
素の発光は殆どなく、旋光性もないため、光線178は
前後偏光の紫外線として第2の液晶パネルP2に入射す
る。第2の液晶層19はオフ状態であるが、緑蛍光二色
性色素の吸収断面積の小さい偏光軸のため、入射光によ
り殆ど発光は生じない。また、光線178は液晶層19
により90度旋光し、左右偏光の紫外線として第1の液
晶パネルP1に入射する。第1の液晶層9はオン状態の
ため、光線178は殆ど青蛍光二色性色素に吸収され
ず、発光もない。更に、液晶層9による旋光性がないた
め、光線178の偏光状態は左右偏光のまま紫外線とし
て偏光分離器21に入射する。光線178は偏光分離器
21の吸収軸方向の偏光であり、更に、偏光分離器21
は紫外線吸収の機能を持つため、光線178は視認者側
には出射しない。
【0129】第4の画素部77における光線179の左
右偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に左右偏光として入射する。
第3の液晶層169と第2の液晶層19はオン状態のた
め、光線179は赤、緑蛍光二色性色素の発光は殆どな
く、旋光性もないので、左右偏光の紫外線として第1の
液晶表示パネルP1に入射する。第1の液晶表示パネル
P1はオフ状態であり、青蛍光二色性色素の吸収断面積
の大きい偏光軸のため、入射光により強い青の発光が発
生する。更に、光線179は液晶層9により90度旋光
し、前後偏光のまま青色光として偏光分離器21に入射
する。光線179は偏光分離器21の透過偏光軸方向の
偏光であるため、光線179は青色光193として視認
者に認識される。この青色光193は、図15の色度図
グラフの第1の液晶表示パネルのみオフ(青色)に相当
する色度図座標となる。
【0130】第4の画素部77における光線180の前
後偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に前後偏光として入射する。
第3の液晶層169と第2の液晶層19はオン状態のた
め、光線180は赤、緑蛍光二色性色素の発光は殆どな
く、旋光性もないので、前後偏光の紫外線として第1の
液晶表示パネルP1に入射する。第1の液晶表示パネル
P1はオフ状態であるが、青蛍光二色性色素の吸収断面
積の小さい偏光軸のため、入射光により殆ど発光は生じ
ない。また、光線180は液晶層9により90度旋光
し、左右偏光のまま紫外線として偏光分離器21に入射
する。光線180は偏光分離器21の吸収軸方向の偏光
であり、更に、偏光分離器21は紫外線吸収の機能を持
つため、光線180は視認者側には出射しない。
【0131】第4の画素間80における光線181の左
右偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に左右偏光として入射する。
第3の液晶層169はオフ状態と同じであり、赤蛍光二
色性色素の吸収断面積の大きい偏光軸のため、強い赤の
発光が発生する。更に、光線181は液晶層169によ
り90度旋光し、前後偏光として第2の液晶パネルP2
に入射する。第2の液晶層19はオフ状態と同じである
が、緑蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい偏光軸のた
め、入射光により殆ど発光は生じない。また、光線18
1は液晶層19により90度旋光し、左右偏光の赤色光
として第1の液晶パネルP1に入射する。第1の液晶表
示パネルP1はオフ状態と同じであり、光線181は青
蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい偏光軸に入射する
が、青蛍光二色性色素の吸収が小さい波長のため、僅か
に発光が発生し、赤色に僅かに青が混色する。更に、光
線181は液晶層9により90度旋光し、赤色に青色が
混色する前後偏光として偏光分離器21に入射する。光
線181は偏光分離器21の透過偏光軸方向の偏光であ
るため、赤紫色光193として視認者に認識される。
【0132】第4の画素間80における光線182の前
後偏光は、光学素子35により紫外線のみの偏光として
第3の液晶表示パネルP3に前後偏光として入射する。
第3の液晶層169はオフ状態と同じであるが、赤蛍光
二色性色素の吸収断面積の小さい偏光軸のため、殆ど発
光は生じない。更に、光線182は液晶層169により
90度旋光し、左右偏光として第2の液晶パネルP2に
入射する。第2の液晶層19はオフ状態と同じである
が、緑蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい偏光軸のた
め、入射光により強い緑色光が生じる。また、光線18
2は液晶層19により90度旋光し、前後偏光の緑色光
として第1の液晶パネルP1に入射する。第1の液晶表
示パネルP1はオフ状態と同じであるが、光線182は
青蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい偏光軸に入射た
め、殆ど発光は生じない。更に、光線182は液晶層9
により90度旋光し、左右偏光の緑色光として偏光分離
器21に入射する。ところが、光線182は偏光分離器
21の吸収軸方向の偏光であるため、視認者に認識され
ない。
【0133】第7の実施形態の液晶表示装置では、赤、
緑、青の3原色と黒を表示することが可能である。更
に、液晶層に印加する電圧をオフ状態とオン状態の中間
の電圧とすることにより、各色の混色表示が可能とな
る。また、3つの液晶表示パネルにより3層の液晶層を
積層する場合には、各蛍光二色性色素の二色性比が良好
な場合、或いは、色純度をそれほど重要視しない表示の
場合には、2層の液晶層の積層順はそれほど重要ではは
い。一方、色純度を良くする場合には、光源29側から
長波長の光を発光する蛍光二色性色素を含む液晶層を配
置することが好ましい。
【0134】〔第8の実施形態〕次に、本発明の第8の
実施形態の液晶表示装置の構成を図16に示す。第8の
実施形態は、図14で説明した第7の実施形態の液晶表
示装置Pの変形実施形態であり、第3の液晶表示パネル
P3から第5の電極162と第6の電極167を削除し
ただけのものである。従って、図16に示される第8の
実施形態の液晶表示装置Pの構成については、第7の実
施形態と同じ構成部材には同一の符号または番号を付し
てその説明を省略する。また、その表示原理について
も、これまでに説明してきた実施形態における表示動作
の説明の繰り返しになるので、その説明を省略し、図1
6中の各光線に前後偏光(×印)と左右偏光(両矢印)
の記号を付すに留める。
【0135】〔第9の実施形態〕更に、本発明の第9の
実施形態の液晶表示装置の構成を図17に示す。第9の
実施形態は、図14で説明した第7の実施形態の液晶表
示装置Pの変形実施形態であり、第3の液晶表示パネル
P3から第5の電極162と第6の電極169を削除
し、第2の液晶表示パネルP2から第3の電極12と第
4の電極17を削除しただけのものである。従って、図
17に示される第9の実施形態の液晶表示装置Pの構成
については、第7の実施形態と同じ構成部材には同一の
符号または番号を付してその説明を省略する。また、そ
の表示原理についても、これまでに説明してきた実施形
態における表示動作の説明の繰り返しになるので、その
説明を省略し、図17中の各光線に前後偏光(×印)と
左右偏光(両矢印)の記号を付すに留める。
【0136】〔第10の実施形態〕本発明の第10の実
施形態における液晶表示装置について説明する。第10
の実施形態は蛍光二色性色素を含む液晶層が2層構造で
あり、第1の液晶表示パネルの第2の基板と第2の液晶
表示パネルの第3の基板を兼用している点に特徴があ
る。また、液晶表示装置が時計である点が前述の実施形
態と異なっている点である。
【0137】図18は液晶表示装置である時計100を
示すものである。時計100のケース141の一方の側
には、時刻合わせ、表示内容の切り替え、ブザーの停止
用の調整ボタン150がある。また、時計ケース141
の正面側には風防ガラス143があって、ケース141
に内部が見通せるようになっている。風防ガラス143
の内側には見切り板147があり、この見切り板147
の裏側に位置する液晶表示パネルは、視認者により表示
を視認することができる。液晶パネルには、午前と午後
の表示部153、と時表示部154、及び分表示部15
5がある。
【0138】図19は図18のC−C線における断面を
示すものである。なお、図19においては第1の実施形
態と同様な内容には同一の符号および番号を使用してい
る。時計100の風防ガラス143の内側にある第1の
液晶表示パネルは、風防ガラス143側にある第1の基
板1と、第1の基板1に所定の間隙を設けて対向する第
2の基板6、及び、第1の基板1と第2の基板6に挟ま
れた第1の液晶層9とを備えている。第1の基板1と第
2の基板6の対向する部位にはそれぞれ第1の電極2と
第2の電極7が設けられている。そして、第1の電極2
と第2の電極7とが重なり合う部分が画素部となる。
【0139】第1の液晶層9は第1のシール部37と封
孔部により封止されている。また、第1の基板1と第2
の基板6の上には、第1の液晶層9を所定の方向に揃え
るために、配向膜(図示せず)が設けられている。第1
の液晶層9としては、ホストであるツイストネマティッ
ク液晶に緑色蛍光二色性色素がゲストとして添加された
ものが使用されている。第1の液晶層9のツイスト角は
90度である。また、ホスト液晶および緑色蛍光二色性
色素には第1の実施形態と同一の材料が使用されてい
る。
【0140】以上の構成を有する液晶表示パネルの視認
者側には、偏光分離器21として一方の偏光軸が透過軸
であり、ほぼ直交する偏光軸が吸収軸からなる吸収型偏
光板である偏光分離器21が配置されている。吸収型偏
光板にはヨウ素を一軸に延伸して配向したものを透明フ
ィルムで積層したものを使用することができる。更に、
偏光分離器21と風防ガラス143の間には、見切り板
147が設けられている。
【0141】この構成に加えて、第1の液晶表示パネル
の視認側と反対の面には第2の液晶表示パネルを設けて
いる。第2の液晶表示パネルの第3の基板は、第1の液
晶表示パネルの第2の基板を共用している。従って、第
2の液晶表示パネルの第3の電極12は、第2の基板6
の風防ガラス143と反対の面に設けられている。第2
の基板6には所定の間隙を設けて第4の基板16が対向
して設けられている。第4の電極17は第4の基板16
の上に設けられている。
【0142】即ち、第10の実施形態では、2層の液晶
表示パネルを積層する際に第3の基板を第2の基板と一
体化して共用した構造を採用している。この構造は、特
に時計のように薄型化を図らなければならない場合に非
常に有効な技術である。また、第10の実施形態では第
2の基板6の裏面側に第3の電極12が形成されてお
り、第4の基板16の上に第4の電極17が形成されて
いるが、第2の液晶表示パネルに電極を用いない場合に
は非常に簡便な構造とすることができる。
【0143】第2の基板6と第4の基板16との間に
は、第2の液晶層19が第2のシール部38と封孔部に
より封止されて充填されている。また、第2の基板6の
裏面上と第4の基板16の上には、第2の液晶層19を
所定の方向に揃えるために、配向膜(図示せず)が設け
られている。第2の液晶層19としてホストであるネマ
ティック液晶に赤色蛍光二色性色素がゲストとして添加
されたものが使用されている。第2の液晶層19の配向
は、第2の基板6と第4の基板16とでツイストしてい
る。ホスト液晶および赤色蛍光二色性色素には第1の実
施形態と同一の材料が使用されており、蛍光性と偏光性
が兼ね備えられている。
【0144】第2の液晶層19の赤色蛍光二色性色素の
吸収が大きい軸の第2の基板6の裏面の配向方向と、電
圧無印加時における第1の液晶層9の第2の基板6側の
緑色蛍光二色性色素の吸収の大きい軸とはお互いに直交
する方向に第1の液晶表示パネルと第2の液晶表示パネ
ルが配置されている。すなわち第1の液晶層9の中央分
子の配向方向と第2の液晶層19の中央分子の配向方向
とは90度異なる方向に配向されている。第1の液晶層
9と第2の液晶層19をツイストネマティック液晶とす
ることにより配向膜の種類、液晶を同一にできるため、
製造工程が簡単である。
【0145】また第2の液晶表示パネルの下側には光源
29が設けられている。光源29は、時計のデザイン性
を考慮して平面発光源であるEL素子を採用する。EL
素子の発光波長は紫外線を含むことが良いが、可視光の
短波長側に最大発光領域があることが蛍光二色性色素の
大きな吸収が発生し、強い発光を達成できるため有効で
ある。EL素子の発光面上に蛍光印刷層を設け、波長限
定を行うことも有効である。第10の実施形態では46
0nmより短波長の発光スペクトルのEL素子が使用さ
れている。
【0146】第1の液晶表示パネルと第2の液晶表示パ
ネルと光源29により、緑色、赤色及びEL素子の青
色、さらにはこれらの色相互を混合した色の発光表示が
可能となる。第1の液晶表示パネルと第2の液晶表示パ
ネルは、時計ケース141と裏蓋142と風防ガラス1
43からなる空間内に配置されている。光源29の下側
には回路基板149と電池151が配置されている。ま
た、第1の液晶パネルへ所定の電圧を印加するための接
続は、導電性材料と絶縁性材料を積層する導電性ゴムに
より行われている。第1の導電性ゴム157は、第1の
基板1上の第1の接続電極162とセグメント用端子と
に接続されている。第2の基板6上の第2の電極7は、
第1のシール部37に含まれる導電性ビーズにより、電
気的に第1の基板1上の第1の接続電極162に接続さ
れている。
【0147】同様に、第2の液晶パネルへ所定の電圧を
印加するための接続は、第2の導電性ゴム158により
行われている。第2の導電性ゴム158は、第2の基板
6上の第2の接続電極164とセグメント用端子に接続
している。第4の基板16上の第4の電極17は、第2
のシール部38に含まれる導電性ビーズにより、電気的
に第2の基板6上の第2の接続電極164に接続されて
いる。
【0148】さらに、第1の基板1上には、第1と第2
のシール部37、38を遮蔽するための見切り板147
が設けられている。また、ケース141の中には液晶表
示パネルと導電性ゴム157、158の保持にパネル保
持枠144が設けられており、光源29と回路基板14
9と電池151を保持するために、基板保持枠145が
設けられている。
【0149】〔第11の実施形態〕以下に本発明の第1
1の実施形態における液晶表示装置について図20を参
照しながら説明する。図20は第11の実施形態におけ
る液晶表示装置の構造を示す断面図であり、図3と同じ
部位を示すものである。図20においては第1の実施形
態と同じ構成部材には同一の符号および番号を使用して
いる。第11の実施形態の特徴は、蛍光二色性色素を含
む液晶層9の視認側と反対側(図の下側)に偏光分離器
21が設けられ、さらに偏光分離器21の下側にブルー
グリーンの発光特性を有する光源29が設けられている
点である。
【0150】液晶表示パネルP1の構成は第1の実施形
態の液晶表示パネルP1と同じであり、1が視認側の第
1の基板、2が第1の電極、6が第2の基板、7が第2
の電極7であって、第1の基板1と第2の基板6との間
には第1の液晶層9があり、対向する第1の電極2と第
2の電極7の重なり合う部分が画素部である。第1の液
晶層9が図示しないシール部と封孔部により封止されて
いる点、及び、第1の基板1と第2の基板6上に第1の
液晶層9を所定の方向に揃えるための配向膜がある点も
同様である。
【0151】第1の液晶層9には、ホストであるツイス
トネマティック液晶に赤色蛍光二色性色素がゲストとし
て添加されている。第1の液晶層9のツイスト角は90
度である。ホスト液晶および赤色蛍光二色性色素には第
1の実施形態と同一の材料が採用されている。一方、こ
の実施形態では、紫外線を吸収する液晶をホスト液晶と
して使用することができるため、ホスト液晶の選択範囲
が拡大され、ホスト液晶に溶解できる赤色蛍光二色性色
素の量を大きくすることが可能である。
【0152】以上の構成を有する液晶表示パネルP1
の、視認側と反対側に設けられた偏光分離器21は、一
方の偏光軸が透過軸であり、ほぼ直交する偏光軸が吸収
軸からなる吸収型偏光板である。吸収型偏光板はヨウ素
を一軸に延伸して配向したものを透明フィルムで積層し
たものを使用することができる。ここで使用される偏光
分離器21は、紫外線に対する偏光度は問題とならない
ため、可視光領域で偏光度が高く、透過率の大きい偏光
分離器を使用することが可能である。偏光分離器21の
透過軸は、液晶表示パネルの第2の基板6の赤色蛍光二
色性色素の分子の吸収軸の配向方向すなわち、発光軸に
平行に配置されている。
【0153】偏光分離器21の下側には光源29が設け
られている。光源29は、可視光のブルーグリーン(青
緑)の波長領域に最大発光強度を有するEL(エレクト
ロルミネッセント)素子が使用されている。図21は、
第11の実施形態における各発光強度の波長依存性を示
すグラフである。光源29の発光強度の波長依存性は、
EL発光として図21に符号212で示される。なお、
以後の説明では、第1から第4の画素部71,73,7
5,77は単に画素部71,73,75,77と表記
し、第1から第3の画素間72,84,80についても
単に画素間72,84,80と表記する。
【0154】ここで図20を用いて表示の原理を説明す
る。光源29からは色々な角度の偏光が液晶表示パネル
に入射される。ここでも「×」で示す前後偏光と、両矢
印で示す左右偏光が代表して説明される。画素部71の
光線201は左右偏光であり、光線201の左右偏光は
偏光分離器21の透過軸に入射するため左右偏光として
液晶層9に入射する。液晶層9にはオン電圧が印加され
ており、液晶ダイレクタは第2の基板6と垂直方向であ
るため、光の旋光性は殆どない。そのため、光線20は
赤色蛍光二色性色素の吸収断面積が小さく、赤色の発光
を伴わずに液晶層9を通過して第1の基板1から出射す
る。この結果、光源29の色、すなわちブルーグリーン
の光線206が視認者に視認される。
【0155】図21は発光強度の波長依存性を示すもの
である。図21の赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の大
きい分子軸に垂直配置に偏光分離器21の透過軸を配置
した状態の液晶表示パネルの発光強度の波長依存性が垂
直配置211として示されている。この状態は、液晶層
9にオン電圧が印加され、赤色蛍光二色性色素の吸収断
面積が小さい状態に相当する。図22に示すX−Y色度
図では、光源29のブルーグリーンの発光が僅かに赤色
側にシフトしたオン電圧印加時の色度座標216とな
る。
【0156】同じく画素部71の光線202は前後偏光
である。偏光分離器21は、可視光領域において99.
9%程度の偏光度は簡単に達成できるため、前後偏光の
光線202は、偏光分離器21で吸収され液晶表示パネ
ルP1側には到達しない。
【0157】また、画素部71と画素部73の間の画素
間72にある液晶層9は、液晶層9にオフ電圧が印加さ
れた状態と同等である。よって、画素間72の前後偏光
の光線203は、光線202と同様に偏光分離器21で
吸収され、液晶表示パネルP1側には到達しない。すな
わち、偏光分離器21の透過軸以外の偏光は液晶表示パ
ネルP1に到達しない。
【0158】つぎに、画素部73に入射する左右偏光の
光線204は、偏光分離器21の透過軸に入射するため
そのまま左右偏光として液晶層9に入射する。画素部7
3の液晶層9にはオフ電圧が印加されているため、液晶
ダイレクタは第2の基板6とほぼ平行方向であり、さら
にツイストしている。赤色蛍光二色性色素は、液晶ダイ
レクタに追従しているため、赤色蛍光二色性色素の吸収
断面積が大きい方向の偏光が入射すると、液晶層9で赤
色の強い発光が発生し、これが第1の基板1を透過して
出射する。液晶表示パネルP1からの出射光は、液晶層
9のツイスト角が90度のため、前後偏光の光線207
として出射し、視認側で赤色を視認できる。
【0159】また、画素間74に入射する光線205も
左右偏光であり、画素間74の液晶層9は、液晶層9に
オフ電圧が印加されている状態と同等のため、光線20
5は光線204と同様に液晶層9で赤色の強い発光を発
生する。液晶表示パネルP1から出射される光線208
は前後偏光であり、視認側で赤色が視認できる。
【0160】ここで重要な点は、偏光分離器21の透過
軸が赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい分子方向
になるように、偏光分離器21を配置することである。
すなわち、この第11の実施形態では、偏光分離器21
の透過軸を第2の基板6側の液晶ダイレクタと同一方向
とすることが重要である。電圧の無印加状態で、第2の
基板6に蛍光2色性色素の吸収断面積が大きい分子方向
が平行する配向状態の液晶層9は、前述の配置とほぼ同
じ配置である。すなわち、液晶層9にオフ電圧を印加し
た状態の赤色蛍光2色性色素の吸収断面積の大きい分子
方向と偏光分離器の透過軸方向を平行に配置したもので
ある。また、前述の配向としては、ツイスト配向、パラ
配向、アンチパラ配向等がある。
【0161】オフ電圧印加時に液晶ダイレクタが第2の
基板6と第1の基板1側に垂直で、オン電圧印加時に液
晶ダイレクタが第2の基板6とほぼ平行となり、赤色蛍
光二色性色素の吸収断面積の大きい軸が第2の基板6と
平行となる場合、あるいは、液晶ダイレクタの方向と赤
色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きな軸が垂直となり
追従する場合においても、液晶層9に印加する電圧の大
小により赤色蛍光二色性色素の吸収断面積が最大となる
方向に偏光分離器21の透過軸を合わせることにより、
本発明の効果を達成することができる。
【0162】また発光強度の波長依存性は、図21の赤
色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい分子軸に平行配
置に偏光分離器21の透過軸を配置した状態の液晶表示
パネルの発光強度の波長依存性を平行配置210として
示している。この状態は、液晶層9にオフ電圧を印加
し、赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい状態に相
当する。図22は、液晶表示パネルのオフ状態とオフ状
態の各色度座標を示すグラフである。図22に示すX−
Y色度図では、赤色の発光がオフ電圧印加時の色度座標
215となる。
【0163】以上の説明から明らかなように、第11の
実施形態では、偏光分離器21が光源29と液晶表示パ
ネルP1の間に設けられている。そして、光源29が可
視光の波長領域に最大発光波長を有し、液晶層9の蛍光
二色性色素が可視光の波長を吸収して発光するため、偏
光分離器21の透過軸以外の偏光は殆ど液晶表示パネル
P1には到達しない。このように、偏光分離器21が光
源29と液晶表示パネルとの間に設けられることによ
り、液晶表示装置Pの発光色を簡単に設計することがで
きる。
【0164】〔第12の実施形態〕次に、本発明の第1
2の実施形態における液晶表示装置について図23を参
照しながら説明する。図23は第12の実施形態におけ
る液晶表示装置の一部を拡大して示す断面図であり、第
6の実施形態の図12と同じ部位を示すものである。第
12の実施形態の特徴は、液晶表示パネルPとして第1
の液晶表示パネルP1と第2の液晶パネルP2の2枚が
設けられており、視認側から遠い第2の液晶表示パネル
P2の裏側(図の下側)に偏光分離器21が設けられ、
さらに偏光分離器21の下側にブルーの発光特性を有す
る光源29が設けられている点である。
【0165】第1の液晶表示パネルP1の構成は第6の
実施形態の第1の液晶表示パネルP1と同じであり、第
2の液晶表示パネルP2の構成は第6の実施形態の第2
の液晶表示パネルP1と同じである。よって、図23に
おける第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネ
ルP2には、第6の実施形態における第1の液晶表示パ
ネルP1と第2の液晶表示パネルP2と同じ構成部材に
は同一の符号および番号を付してその説明を省略する。
【0166】なお、第1の液晶表示パネルP1における
第1の液晶層9には、ホストであるツイストネマティッ
ク液晶に緑色蛍光二色性色素がゲストとして添加されて
おり、第1の液晶層9のツイスト角は90度である。ホ
スト液晶および緑色蛍光二色性色素は第1の実施形態と
同一の材料が採用されている。一方、この実施形態で
は、紫外線の吸収を有する液晶をホスト液晶として使用
することができるため、ホスト液晶の選択範囲が拡大
し、ホスト液晶に溶解できる緑色蛍光二色性色素の量を
大きくすることも可能である。さらに、紫外線の吸収の
少ない液晶には殆ど溶解しない緑色蛍光二色性色素も使
用することが可能である。
【0167】また、第2の液晶表示パネルP2における
第2の液晶層19には、ホストであるツイストネマティ
ック液晶に赤色蛍光二色性色素がゲストとして添加され
ており、第2の液晶層19のツイスト角は90度であ
る。ホスト液晶および赤色蛍光二色性色素は第1の実施
形態と同一の材料が採用されている。そして、この実施
形態では、紫外線の吸収を有する液晶をホスト液晶とし
て使用することができるため、ホスト液晶の選択範囲が
拡大し、ホスト液晶に溶解できる赤色蛍光二色性色素の
量を大きくすることが可能である。さらに、紫外線の吸
収の少ない液晶には殆ど溶解しない赤色蛍光二色性色素
も使用することが可能である。
【0168】第1の液晶表示パネルP1の第2の基板6
側の蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい分子方向と、
第2の液晶表示パネルP2の第3の基板11側の蛍光二
色性色素の吸収断面積の大きい分子方向は互いに直交さ
せており、第1の液晶表示パネルP1の第2の基板6側
の蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい分子方向と、第
2の液晶表示パネルP2の第4の基板16側の蛍光二色
性色素の吸収断面積の大きい分子方向は互いに平行する
配置としてある。
【0169】第2の液晶表示パネルP2の下側には、偏
光分離器21として一方の偏光軸が透過軸であり、ほぼ
直交する偏光軸が吸収軸からなる吸収型偏光板が配置さ
れる。吸収型偏光板はヨウ素を一軸に延伸して配向した
ものを透明フィルムで積層したものが使用される。ここ
で使用する偏光分離器は、紫外線に対する偏光度は問題
とならないため、可視光領域で偏光度が高く、透過率の
大きい偏光分離器を使用することが可能である。偏光分
離器21の透過軸は、第2の液晶表示パネルの第4の基
板16の赤色蛍光二色性色素の分子の吸収断面積の大き
い方向すなわち、発光軸に平行に配置されている。
【0170】ここで重要な点は、第2の液晶表示パネル
P2の赤色蛍光二色性色素、および第1の液晶表示パネ
ルP1の緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい軸方
向が、電圧の無印加状態からオン電圧印加状態の少なく
とも一状態で、偏光分離器21の透過軸からの直線偏光
に平行する状態が存在することである。
【0171】偏光分離器21の下側には光源29が設け
られている。光源29としては、可視光のブルー(青)
の波長領域に最大発光強度を有するEL素子を使用する
ことができる。
【0172】光源29からは色々な角度の偏光が液晶表
示パネルに入射されるが、ここでも「×」で示される前
後偏光と両矢印で示される左右偏光が代表例として説明
される。画素部71の左右偏光の光線221は偏光分離
器21の透過軸に入射するため左右偏光のまま第2の液
晶層19に入射する。第2の液晶層19にはオン電圧が
印加されており、液晶ダイレクタは第4の基板16に垂
直方向であり、光の旋光性は殆どなく、赤色蛍光二色性
色素の吸収断面積が小さい分子方向に偏光が入射するた
め、赤色の発光を伴わず第1の液晶層9に入射する。第
1の液晶層9にもオン電圧が印加されているので、光線
221は光源29の色、すなわちブルーの光線228と
なって第1の液晶表示パネルP1から出射し、これが視
認者に視認される。
【0173】次に、画素部71の光線222は前後偏光
であり、偏光分離器21は可視光領域では99.9%程
度の偏光度は簡単に達成できるため、光線222は偏光
分離器21で吸収され、液晶表示パネル側には到達しな
い。
【0174】また、画素間72の第1の液晶層9と第2
の液晶層19は、共にオフ電圧が印加された画素部の状
態とほぼ同等である。そして、画素間72の光線223
は前後偏光であるので偏光分離器21で吸収され、第2
の液晶表示パネルP2側には到達しない。すなわち、偏
光分離器21の透過軸以外の偏光は、第2の液晶表示パ
ネルP2に到達しない。
【0175】画素部73に入射する左右偏光の光線22
4は、偏光分離器21の透過軸に入射するため左右偏光
のまま第2の液晶層19に入射する。第2の液晶層19
には、オフ電圧が印加されている。前述の左右偏光は、
赤色蛍光2色性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光で
あるため、赤色を強く発光する。第2の液晶層19は、
90度ツイストしているため、前後偏光となり、第1の
液晶層9に出射する。第1の液晶層9には、オン電圧が
印加されている。前述の前後偏光は緑色蛍光2色性色素
の吸収断面積の小さい分子方向であり、ほとんど緑色は
発光しない。その結果、赤色発光の光線229として第
1の液晶表示パネルP1から視認者側に出射する。
【0176】また、画素部73に入射する前後偏光の光
線225は、偏光分離器21の吸収軸に入射するため偏
光分離器21で大きな吸収が発生し、第2の液晶表示パ
ネルP2側には出射しない。
【0177】画素部75に入射する左右偏光の光線22
6は、偏光分離器21の透過軸に入射するため左右偏光
のまま第2の液晶層19に入射する。第2の液晶層19
にはオン電圧が印加されている。液晶ダイレクタは第4
の基板16とほぼ垂直方向であり、赤色蛍光二色性色素
の吸収断面積の小さい方向の偏光が入射しているため、
第2の液晶層19で発光は殆ど発生しない。また旋光性
がないため、光線226は左右偏光のまま、第1の液晶
層9側に出射する。第1の液晶層9には、オフ電圧が印
加されている。前述の左右偏光は、緑色蛍光二色性色素
の吸収断面積の大きい分子方向の偏光のため、強い緑色
を発光する。第1の液晶層9の、90度ツイストにより
前後偏光として第1の液晶表示パネルP1から視認者側
に緑色の前後偏光の光線230として出射する。
【0178】画素間74に入射する左右偏光の光線22
7は、偏光分離器21の透過軸に入射するため左右偏光
のまま第2の液晶層19に入射する。画素間のため第2
の液晶層19の蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい方
向の偏光のため、まず、光線227は第2の液晶層19
で赤色の発光を発生し、ツイストにより前後偏光とな
り、第1の液晶層9に入射する。光線227は第1の液
晶層9の緑色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい偏光
として入射するため、殆ど緑色の発光は伴わず、旋光性
により左右偏光として第1の液晶表示パネルP1から視
認者側に、赤色の左右偏光の光線231として出射す
る。
【0179】〔第13の実施形態〕次に、本発明の第1
3の実施形態における液晶表示装置について図24を参
照しながら説明する。第13の実施形態は、図23で説
明した第12の実施形態の変形実施形態であり、第12
の実施形態と異なる点は、偏光分離器21の位置のみで
ある。すなわち、第12の実施形態では、偏光分離器2
1は第2の液晶表示パネルP2と光源29の間に設けら
れていたが、第13の実施形態では、偏光分離器21が
第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表示パネルP2
の間に設けられている点のみが異なる。よって、第13
の実施形態では、第12の実施形態と同じ構成部材につ
いては同じ符号を付してその説明を省略し、動作原理の
みを、光源29から液晶表示パネルに入射する前後偏光
と左右偏光を代表例として用いて説明する。
【0180】画素部71に入射する光線241は、左右
偏光として第2の液晶層19に入射する。第2の液晶層
19にはオン電圧が印加されているため、液晶ダイレク
タは第4の基板16に垂直方向であり、光の旋光性は殆
どなく、赤色蛍光二色性色素の吸収断面積が小さい分子
方向に偏光が入射するため、光線241は赤色の発光を
伴わず左右偏光のまま偏光分離器21に入射する。偏光
分離器21の透過軸は、左右方向であるため、光線24
1は偏光分離器21を左右偏光のまま通過して第1の液
晶層9に入射する。第1の液晶層9にもオン電圧が印加
されており、液晶ダイレクタは第2の基板6に垂直方向
であり、光の旋光性は殆どなく、緑色蛍光二色性色素の
吸収断面積が小さい分子方向に偏光が入射するため、光
線241は緑色の発光を伴わず、光源29の色、すなわ
ちブルーの光線248となって視認者に視認される。
【0181】画素部71に入射する光線242は前後偏
光であり、第2の液晶層19にオン電圧が印加されてい
るため、赤色の発光と旋光性を伴うことなく、偏光分離
器21に入射する。光線242は偏光分離器21の吸収
軸に入射するため吸収され、第1の液晶表示パネルP1
側には到達しない。
【0182】画素間72は第1の液晶層9と第2の液晶
層19に共にオフ電圧が印加されている状態と同じであ
る。画素間72の光線243は左右偏光であり、第2の
液晶層19の吸収断面積の小さい分子方向の偏光である
ため、殆ど赤色の発光はなく旋光性により前後偏光とし
て偏光分離器21に入射する。光線243は偏光分離器
21の吸収軸に入射するため吸収され、第1の液晶表示
パネルP1側には到達しない。
【0183】画素部73に入射する前後偏光の光線24
4は、第2の液晶層19にオフ電圧が印加されているた
め、第2の液晶層19で赤色の強い発光を発生し、左右
偏光として偏光分離器21側に出射する。光線244は
偏光分離器21の透過軸方向のため、左右偏光として第
1の液晶層9に入射する。第1の液晶層9にはオン電圧
が印加されているため、光線244は殆ど緑色の発光を
伴わず、赤色発光として第1の液晶表示パネルP1から
視認者側に、赤色の左右偏光の光線249として出射す
る。このため、視認者は赤色を視認できる。
【0184】画素部73に入射する光線245の左右偏
光は、第2の液晶層19の赤色蛍光二色性色素の吸収断
面積の小さい方向の偏光のため殆ど赤色の発光を伴わ
ず、前後偏光として偏光分離器21の吸収軸に入射す
る。このため、光線245には偏光分離器21で大きな
吸収が発生するので、第2の液晶表示パネルP1側には
出射しない。
【0185】画素部75に入射する光線246の左右偏
光は、第2の液晶層19にオン電圧が印加されているた
め、赤色蛍光二色性色素の吸収断面積の小さい方向の偏
光であり、殆ど赤色発光を伴うことなく、左右偏光とし
て偏光分離器21に入射する。光線246は偏光分離器
21の透過軸に入射するため,左右偏光のまま第1の液
晶層9側に出射する。第1の液晶層9には、オフ電圧が
印加されており、また、第1の液晶層9の緑色蛍光二色
性色素の吸収断面積の大きい方向の偏光のため、光線2
46は強い緑色発光の前後偏光の光線250として視認
者側に出射される。
【0186】画素間74に入射する光線247の前後偏
光は、第2の液晶層19の蛍光二色性色素の吸収断面積
の大きい方向の偏光のため、まず、第2の液晶層19で
赤色の発光を発生し、ツイストにより左右偏光となり、
偏光分離器21に入射する。光線247は偏光分離器2
1の透過軸に入射するため、左右偏光のまま第1の液晶
層9に入射する。光線247は第1の液晶層9の緑色蛍
光二色性色素の吸収断面積の大きい偏光として入射する
ため、再度緑色の発光が付加され、旋光性により前後偏
光として第1の液晶表示パネルP1から緑色を帯びた赤
色の光線251として出射され、視認者側に出射され
る。
【0187】図25は、本発明の第13の実施形態にお
ける各表示状態の色度座標を示す図である。第13の実
施形態の発光色を色度図を用いて説明すると、図25に
示すように、第1の液晶層9と第2の液晶層19に共に
オン電圧が印加された色度座標255は、蛍光二色性色
素の発光を殆ど伴わず、光源29のブルーの色度座標と
なる。
【0188】第1の液晶層9のみにオン電圧が印加され
た時の色度座標257は強い赤色の発光となる。第2の
液晶層19のみにオン電圧が印加された時の色度座標2
56は、強い緑色の発光の色度座標となる。
【0189】第1の液晶層9と第2の液晶層19に、共
にオフ電圧が印加された時の色度座標258は、第2の
液晶層の発光と第1の液晶層の発光の両方を伴うため、
赤緑の発光を示す色度座標となる。以上の説明で明らか
なように、2層構造の液晶表示パネルとその間に、偏光
分離器21を設けることにより、光源29の発光色と、
第1の液晶層9の蛍光二色性色素の発光色と第2の液晶
層19の蛍光二色性色素の発光色とを表示する液晶表示
装置が可能となる。
【0190】以上の説明から明らかなように、可視光領
域において、偏光度が良好な偏光分離器21を複数の液
晶表示パネルの間に配置することにより、偏光分離器2
1の下側に設ける液晶表示パネルの発光、あるいは光源
色の光を選択することが可能となる。さらに、視認者側
からの光(外部光)の入射に対して偏光分離器21の下
側に設ける液晶表示パネルを遮蔽することが可能とな
り、偏光分離器21の下側に設ける液晶表示パネルの外
部光に対する発光の防止が可能となり、コントラスト比
の向上が可能となる。
【0191】〔第14の実施形態〕以下に本発明の第1
4の実施形態における液晶表示装置について図26を参
照しながら説明する。図26は第14の実施形態におけ
る液晶表示装置の構造を示すものであり、第7の実施形
態の図14と同じ部位を示すものである。第14の実施
形態の特徴は、液晶表示パネルが視認側から第1の液晶
表示パネルP1、第2の液晶表示パネルP2、および第
3の液晶表示パネルP3の3枚設けられており、第3の
液晶表示パネル3の下側にのみ偏光分離器21が設けら
れ、さらに偏光分離器21の下側に青と緑の2色LED
と導光板からなる光源29が設けられている点である。
【0192】第1の液晶表示パネルP1の構成、第2の
液晶表示パネルP2の構成、および第3の液晶表示パネ
ルP3の構成は、第7の実施例における第1の液晶表示
パネルP1の構成、第2の液晶表示パネルP2の構成、
および第3の液晶表示パネルP3の構成と同じであるの
で、ここでは同じ構成部材には同じ符号を付してその説
明を省略する。
【0193】なお、第14の実施形態では、第3の液晶
層169としてホストであるツイストネマティック液晶
に赤色蛍光二色性色素がゲストとして添加されている。
第3の液晶層169のツイスト角は90度である。ホス
ト液晶および赤色蛍光二色性色素は第1の実施形態と同
一の材料が採用されている。一方、第14の実施形態で
は、紫外線の吸収を有する液晶をホスト液晶として使用
することができるため、ホスト液晶の選択範囲が拡大
し、ホスト液晶に溶解できる赤色蛍光二色性色素の量を
大きくすることが可能である。さらに、紫外線の吸収の
少ない液晶には殆ど溶解しない赤色蛍光二色性色素を使
用することが可能である。
【0194】第1の液晶表示パネルP1と第2の液晶表
示パネルP2と第3の液晶表示パネルP3の各液晶層
9、19、169の蛍光二色性色素の吸収断面積の大き
い分子軸は、各下側に設ける基板6、16、166側で
同一方向であり、この第14の実施形態では左右方向で
ある。
【0195】第3の液晶表示パネル下側に配置される偏
光分離器21は、一方の偏光軸が透過軸であり、ほぼ直
交する偏光軸が吸収軸からなる吸収型偏光板である。吸
収型偏光板はヨウ素を一軸に延伸して配向したものを透
明フィルムで積層したものを使用することができる。こ
こで使用する偏光分離器21は、紫外線に対する偏光度
は問題とならないため、可視光領域で偏光度が高く、透
過率の大きい偏光分離器21である。偏光分離器21の
透過軸は左右方向に配置されている。
【0196】ここで重要な点は、第3の液晶表示パネル
P3の赤色蛍光二色性色素、および第2の液晶表示パネ
ルの緑色蛍光二色性色素、および第1の液晶表示パネル
の青色蛍光二色性色素の吸収断面積の大きい軸方向が、
電圧の無印加状態からオン電圧印加状態の少なくとも一
状態で、偏光分離器21の透過軸からの直線偏光に平行
する状態が存在することである。この状態が、各液晶表
示パネルの下側に設ける基板6、16、166側で同一
方向であり、この第14の実施形態では左右方向であ
る。
【0197】偏光分離器21の下側に配置される光源2
9は、第14の実施形態ではブルー(青)の波長領域に
最大発光強度を有するLEDと緑色の波長領域に最大発
光強度を有するLED、および導光板から構成されてい
る。
【0198】第14の実施形態においても液晶表示装置
Pの表示原理を、光源29から液晶表示パネルに入射さ
れる色々な角度の偏光のうち、前後偏光と左右偏光につ
いて説明する。画素部71に入射する光線261は、偏
光分離器21の透過軸に平行する偏光のため、左右偏光
のまま第3の液晶層169に入射する。第3の液晶層1
69にはオン電圧が印加されているため、光線261は
赤色の発光を伴わず、左右偏光のまま第2の液晶層19
に入射する。第2の液晶層19にもオン電圧が印加され
ているため、光線261は緑色の発光を伴わず、左右偏
光のまま第1の液晶層9に入射する。第1の液晶層9に
もオン電圧が印加されているため、光線261は青色の
発光を伴わず、光源29の色、すなわちブルーグリーン
の光線271となって視認者に視認される。
【0199】画素部71に入射する光線262は前後偏
光であり、偏光分離器21の吸収軸に入射するため、第
3の液晶表示パネル側には出射しない。すなわち、各画
素間80、あるいは、画素部71、73、75、77に
入射する前後偏光の光線264、266、268、およ
び270は偏光分離器21の吸収軸に入射するため、第
3の液晶表示パネルP3側には出射しない。このよう
に、視認側から見て最下層の液晶表示パネルP3と光源
29との間に偏光分離器21を設けることにより、偏光
分離器21の透過軸方向の偏光のみが液晶表示パネルP
3側に出射することになる。
【0200】一方、画素部73に入射する左右偏光の光
線263は、第3の液晶層169にオフ電圧が印加され
ているため、第3の液晶層169で赤色の強い発光を発
生し、前後偏光として第2の液晶表示パネルP2に入射
する。第2の液晶層19には、オン電圧が印加されてい
るため、光線263は殆ど緑色の発光を伴わず、前後偏
光のまま第1の液晶表示パネルP1側に出射する。第1
の液晶層9にもオン電圧が印加されているため、光線2
63は殆ど青色の発光を伴わず、前後偏光のまま赤色発
光として第1の液晶表示パネルP1から視認者側に出射
するため、視認者はこれを赤色の光線272として視認
できる。
【0201】画素部75に入射する左右偏光の光線26
5は、第3の液晶層169にオン電圧が印加されている
ため、殆ど赤色の発光を伴わず、左右偏光のまま第2の
液晶表示パネルP2側に出射する。第2の液晶層19に
は、オフ電圧が印加されているため、光線265は第2
の液晶層19で緑色の強い発光を発生し、前後偏光とし
て第1の液晶表示パネルP1に入射する。第1の液晶層
9にはオン電圧が印加されているため、光線265は殆
ど青色の発光を伴わず、前後偏光のまま緑色発光して第
1の液晶表示パネルP1から視認者側に出射するため、
視認者はこれを緑色の光線273として視認することが
できる。
【0202】画素部77に入射する左右偏光の光線26
7は、第3の液晶層169にオン電圧が印加されている
ため、殆ど赤色の発光を伴わず、左右偏光のまま第2の
液晶表示パネルP2側に出射する。第2の液晶層19に
オン電圧が印加されているため、光線267は殆ど緑色
の発光を伴わず、左右偏光のまま第1の液晶表示パネル
P1側に出射する。第1の液晶層9にはオフ電圧が印加
されているため、光線267は第1の液晶層9で青色の
強い発光を発生し、前後偏光として青色発光して第1の
液晶表示パネルP1から視認者側に出射する。このた
め、視認者はこれを青色の光線274として視認するこ
とができる。
【0203】また、画素間80のように、各画素間は各
液晶層9、19、169にオフ電圧が印加されている状
態と同等であるため、各液晶層9.19、169の全て
にオフ電圧が印加された状態と同等の作用をする。例え
ば、画素間80に入射する左右偏光の光線269は、第
3の液晶層169で赤色の強い発光を発生し、前後偏光
として第2の液晶表示パネルP2に入射する。第2の液
晶層19に入射した光線269は殆ど緑色の発光を伴わ
ず、赤色光で90度旋光して左右偏光として第1の液晶
表示パネルP1側に出射する。第1の液晶層9に入射す
る光線269は第1の液晶層9で僅かに青色の光を発生
し、前後偏光として赤紫色の光として第1の液晶表示パ
ネルP1から視認者側に出射するため、視認者はこれを
赤紫色の光線275として認識することができる。
【0204】図27は第14の実施形態における各表示
状態の色度座標を示す図である。以上説明した視認者側
への出射光271〜275の色度座標は、図27にそれ
ぞれ符号281〜285として示される。光線271に
相当する3層全ての液晶層にオン電圧印加時の色度座標
281は、青色と緑色のLED素子の発光色に近いた
め、青色ががかった青緑色である。
【0205】光線272に相当する第3の液晶層169
のみにオフ電圧が印加された時の色度座標282は、赤
色の発光色である。光線273に相当する第2の液晶層
19のみにオフ電圧が印加された時の色度座標283
は、緑色の発光色である。光線274に相当する第1の
液晶層9のみにオフ電圧が印加された時の色度座標28
4は、光源の発光色の緑がさらに弱く青色が強い発光で
ある。光線275に相当する全ての液晶層にオフ電圧が
印加された時の色度座標285は、赤紫の発光である。
【0206】以上の説明から明らかなように、3層の異
なる蛍光二色性色素を含む液晶層を積層し、偏光分離器
21を最下層の液晶表示パネルP3の下側に配置するこ
とにより、光源29からの光を直線偏光とし、液晶表示
パネルPに照射することが可能となり、さらに、蛍光二
色性色素を含む液晶層の二色性比の不足を補い、強く、
鮮明な発光が可能となる。さらに、複数の発光色を視認
者側に出射することが可能となる。
【0207】以上の説明で明らかなように、本発明の第
1から第10の実施形態の液晶表示装置では、分子の方
向により異なる蛍光特性を有する蛍光二色性色素を液晶
と混合する液晶層を採用することにより、従来の非発光
型液晶表示装置を発光型とすることが可能となる。発光
型とすることにより視野角依存性のない、鮮明な表示を
達成できる。また従来の陰極管に代表される発光型ディ
スプレイに比較して低消費電力、薄型、小型化が可能と
なる。
【0208】ところで、液晶層にオフ電圧を印加したオ
フ状態と液晶層に大きいオン電圧を印加したオン状態に
おいて、蛍光二色性色素の二色性比の不足により、発光
色と非発光色が、例えば発光を目的とする印加電圧の際
に混合するため、非発光色の表示領域と発光色の表示領
域とのコントラスト比の低下が発生する。これに対し
て、第1から第10の実施形態の液晶表示装置では、蛍
光二色性色素を混合する液晶層より視認者側に偏光分離
器が配置されている。このように偏光分離器を設けるこ
とにより、蛍光二色性色素からの発光の直線偏光成分の
みを選択することが可能となり、コントラスト比を向上
することが可能となり、表示の視認性が向上できる。
【0209】第11〜第14の実施形態では、液晶層は
90度ツイストを用いて説明しているが、90度以上の
ツイスト角、あるいは、平行配向、ベンド配向の液晶層
を用いても当然本発明は有効である。
【0210】さらに、第11〜第14の実施形態では、
オン電圧印加時とオフ電圧印加時のみの発光に関して説
明しているが、中間の電圧を印加することにより、複数
の発光色を視認者側に出射することが可能となる。
【0211】視認者側から見て液晶表示パネルの下側に
偏光分離器を配置する第11〜第14の実施形態におい
ても、光源と液晶表示パネルの間に、可視光領域の波長
を吸収あるいは反射し、特定の波長の光を発光する光学
変換素子を配置することにより、液晶表示パネルの発光
色と光学変換素子の発光色を利用して複数の発光色を得
ることが可能となる。
【0212】第11〜第14の実施形態では、青色発光
LEDと緑色発光LEDの2色のLEDを用い、同時に
発光させる光源について説明したが、2色のLEDを独
立して発光させることにより、液晶表示パネルの発光色
を増加させる、あるいは彩度を向上させることができ
る。さらに、他の発光色を含む複数の色のLEDを用い
ることにより、液晶表示パネルの発光色の増加が可能と
なる。
【0213】また、本発明の液晶表示装置では、蛍光二
色性色素を含む第2の液晶層の透過軸が蛍光二色性色素
を含む第1の液晶層の発光軸に配置されている。そし
て、第1の液晶層がツイストネマティック液晶であり、
オフ電圧の際には蛍光二色性色素は吸収断面積が大きい
ため、光を吸収し、発光すると同時に第2の液晶層側の
光の入射を光旋光性によりツイストネマティック液晶の
ツイスト角分旋光して出射する。偏光分離器の透過軸は
第1の液晶層からの出射光の偏光軸に配置されている。
以上によりオフ状態では第1の液晶層の発光が偏光分離
器から出射する。オン状態の時には、蛍光二色性色素の
吸収断面積が小さいため、蛍光二色性色素の発光は殆ど
発生しない。また、ツイストネマティック液晶の旋光性
が殆どないため、第2の液晶層の発光が第1の液晶層を
透過して偏光分離器の透過軸に入射し、視認者側に出射
できる。そのためオフ状態では第1の液晶層の発光色表
示、オン状態では第2の液晶層の発光色表示が可能とな
る。
【0214】第2の液晶層は第2の液晶層の発光に偏光
性を持たせることと、第2の液晶層を透過する光に偏光
性を有することが重要である。すなわち、第2の液晶層
は液晶と蛍光二色性色素とを含む液晶層であり、配向性
を有し、ツイスト配向、ホモジニアス配向(パラ配向、
アンチパラ配向)、スプレイ配向、ベント配向が有効で
ある。特に、配向の安定しているツイスト配向、ホモジ
ニアス配向が有効である。
【0215】また第2の液晶層の代わりに発光性と二色
性を有する色素を延伸して作成するフィルム状の異方性
フィルムを異方性蛍光素子として使用することにより、
第2の液晶層を使用するのと同様の効果と第2の液晶層
を使用する場合に比較して薄型化が可能となる。また第
1の液晶層の視認者と反対側に光源を配置することによ
り、第1の液晶層に目的とする波長の光を効率良く照射
することが可能となる。さらに、外部環境が蛍光二色性
色素の発光に寄与しない光の場合においても光源を設け
ることにより視認性の良好な表示が可能となる。
【0216】特に第1の液晶層、あるいは第2の液晶層
に含む蛍光二色性色素が可視光線より波長の短い波長で
発光する場合には、発光に紫外線を含む光源を利用する
ことができる。この場合、紫外線発光型の発光ダイオー
ド、水銀ランプ、あるいはキセノンランプ、あるいは蛍
光灯であるブラックライト、ケミカルライトが有効であ
る。光源が紫外線の発光以外に可視光線を含む場合に
は、光源と液晶層の間に紫外線透過可視光吸収フィルタ
ーからなる光学素子を設けることにより液晶層の発光が
ない場合に黒の表示を達成することができる。
【0217】また第1の液晶層、あるいは第2の液晶層
に含む蛍光二色性色素が可視光線および可視光領域に近
い波長の光を吸収して発光する蛍光二色性色素を利用
し、さらに、EL素子を光源として利用することによ
り、液晶表示装置の薄型化と光源の発光色を表示色とし
て利用することが可能となる。EL素子上に蛍光印刷層
を設け、蛍光印刷層の色と液晶層内の蛍光二色性色素の
色を変えることにより多色表示が可能となる。
【0218】本発明の液晶表示装置としては、液晶層の
発光による鮮やかな表示、斬新な表示が可能となるた
め、デザイン性が要求される携帯情報機器、時計に利用
することにより従来にない液晶表示パネルの表示が可能
となる。また、蛍光二色性色素を含む液晶層の発光と透
過の変化量を大きく制御するために各第1の電極は、1
本の第2の電極との交点を画素部とするスタティック型
の電極構成が良好な表示を達成する場合に有効である。
【0219】前述の実施形態においては、第1の液晶層
に青色蛍光二色性色素、第2の液晶層に緑色蛍光二色性
色素を利用する実施形態、あるいは第1の液晶層に赤色
蛍光二色性色素、第2の液晶層に緑色蛍光二色性色素を
利用する実施形態が主として説明されているが、第1の
液晶層に青色蛍光二色性色素、第2の液晶層に赤色蛍光
二色性色素を利用すること、或いは、逆の蛍光二色性色
素の組み合わせである第1の液晶層に緑色蛍光二色性色
素、第2の液晶層に赤色蛍光二色性色素を利用すること
も可能である。更に、第1の液晶層に赤色蛍光二色性色
素、第2の液晶層に青色蛍光二色性色素を利用しても本
発明の効果が得られることはもちろんである。その中
で、特に第1の液晶層に青色蛍光二色性色素、第2の液
晶層に緑色蛍光二色性色素を利用する、第1の液晶層に
赤色蛍光二色性色素、第2の液晶層に緑色蛍光二色性色
素を利用する、あるいは第1の液晶層に青色蛍光二色性
色素、第2の液晶層に赤色蛍光二色性色素を利用するこ
とが鮮明な色表示を行う場合には有効である。
【0220】前述の実施形態においては、第1の液晶層
に青色蛍光二色性色素、第2の液晶層に緑色蛍光二色性
色素を利用する実施形態等の波長範囲の狭い蛍光二色性
色素を利用する例が説明されているが、シアン蛍光二色
性色素、マゼンダ蛍光二色性色素、あるいはイエロー蛍
光二色性色素等を利用する場合においても当然本発明は
有効である。
【0221】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明の液晶表
示装置によれば、ホストである液晶にゲストである蛍光
二色性色素を含む液晶表示パネルを使用した液晶表示装
置において、液晶パネルの背面側に偏光分離器を配置し
たものに比較して、視認側からみた液晶表示パネルの表
示の明るさを向上させることにより、コントラスト比を
向上することが可能となり、液晶表示器の視認性を向上
させることができるという効果がある。
【0222】また、多層の液晶層の何れかに含まれる蛍
光二色性色素として、可視光線および可視光領域に近い
波長の光を吸収して発光する蛍光二色性色素を使用し、
光源にEL素子を使用することにより、液晶表示装置の
薄型化と光源の発光色を表示色として利用することが可
能となり、多色表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置が使用される電子機器で
ある携帯型情報機器の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の携帯型情報機器のA−A線における断面
の第1の実施形態を示す断面図である。
【図3】図2の第1の実施形態における液晶表示装置の
断面の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図4】(a) は液晶分子の配向方向に対して垂直な偏光
成分と平行な偏光成分が入射された場合の透過、吸収の
状態を説明する説明図、(b) は本発明に使用する青色の
蛍光二色性色素の波長に対する吸収強度特性を示すグラ
フである。
【図5】本発明に使用する青色の蛍光二色性色素の波長
に対する発光強度特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施形態における液晶表示装置
の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における第1の液晶層
に印加する電圧毎の発光スペクトル特性を示すグラフで
ある。
【図8】本発明の第2の実施形態における第1の液晶層
に印加する電圧のよる色度変化を示す色度図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における液晶表示装置
の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態における液晶表示装
置の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態における液晶表示装
置の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態における液晶表示装
置の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図13】本発明の第6の実施形態における液晶層にオ
ン電圧とオフ電圧を印加した時の発光スペクトルを示す
グラフである。
【図14】本発明の第7の実施形態における液晶表示装
置の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図15】本発明の第7の実施形態における電極が設け
られた3層の液晶層に印加する電圧を何れか1層だけオ
フした時の色度変化を示す色度図である。
【図16】本発明の第8の実施形態における液晶表示装
置の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図17】本発明の第9の実施形態における液晶表示装
置の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図18】本発明の第10の実施形態における液晶表示
装置が使用される電子機器である電子時計の外観を示す
正面図である。
【図19】図18のC−C線における時計の断面図であ
る。
【図20】本発明の第11の実施形態における液晶表示
装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図21】本発明の第11の実施形態における発光色の
発光波長特性を示すグラフである。
【図22】本発明の第11の実施形態における液晶層に
印加する電圧のよる色度変化を示す色度図である。
【図23】本発明の第12の実施形態における液晶表示
装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図24】本発明の第13の実施形態における液晶表示
装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図25】本発明の第13の実施形態における液晶層に
印加する電圧のよる色度変化を示す色度図である。
【図26】本発明の第14の実施形態における液晶表示
装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図27】本発明の第14の実施形態における液晶層に
印加する電圧のよる色度変化を示す色度図である。
【符号の説明】
1…第1の基板 2…第1の電極 6…第2の基板 7…第2の電極 9…第1の液晶層 11…第3の基板 12…第3の電極 14…シール部 16…第4の基板 17…第4の電極 19…第2の液晶層 21…偏光分離器 23…異方性蛍光素子 25…蛍光管 26…反射板 27…拡散板 29…光源 31…発光ダイオード 35…光学素子 41…携帯情報機器ケース 50…携帯情報機器 61…導電性ゴム 71…第1の画素部 72…第1の画素間 73…第2の画素部 74…第2の画素間 75…第3の画素部 76…第2の画素間 90…液晶分子 100…時計 141…時計ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 336 G09F 9/00 336F 9/46 9/46 A (72)発明者 関口 金孝 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 金子 靖 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2H088 EA02 FA30 GA02 GA13 GA14 HA05 HA11 HA18 HA28 JA06 JA11 MA02 2H089 HA23 HA40 JA10 KA15 QA16 RA06 TA15 TA18 2H091 FA08X FA41Z FA44Z FA45Z FD08 HA08 LA17 5C094 AA06 AA08 AA10 AA15 AA56 BA12 BA47 CA14 CA24 DA01 DA03 DA12 EA04 EA05 ED02 ED14 ED20 FA02 FB01 FB20 HA03 5G435 AA03 AA04 AA18 BB12 BB15 CC05 CC12 EE12 EE25 FF05 FF06 FF08 FF11 FF15 GG11 GG22 GG25 GG27 LL10

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 視認側に設けられた偏光分離器と、この
    偏光分離器の後ろ側に、液晶層とこの液晶層を挟む2枚
    の基板とから構成された液晶表示パネルを少なくとも1
    つ備えた液晶表示装置であって、 前記液晶層には、液晶と少なくとも1種類の蛍光二色性
    色素が含まれていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 第1の電極を有する第1の基板、第2の
    電極を有する第2の基板、及び、前記第1と第2の基板
    の間に封入する液晶層とを備えた液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルの視認側に設けられた偏光分離器と
    を備え、 前記液晶層には、液晶と少なくとも1種類の蛍光二色性
    色素が含まれていることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の液晶表示装置であっ
    て、前記液晶表示パネルの視認側の反対側に、一方の偏
    光軸の光はほぼ透過させ、他方の偏光軸の光は吸収して
    波長変換して発光を行う異方性蛍光素子が更に設けられ
    ていることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 第1の電極を有する第1の基板、第2の
    電極を有する第2の基板、及び、前記第1と第2の基板
    の間に封入する第1の液晶層とを備えた第1の液晶表示
    パネルと、 第3の基板、第4の基板、及び、第3と第4の基板の間
    に封入する第2の液晶層とを備えた第2の液晶表示パネ
    ルと、 前記第1の液晶表示パネルの視認側に設けられた偏光分
    離器とを備え、 前記第1と第2の液晶層にはそれぞれ、液晶と少なくと
    も1種類の蛍光二色性色素が含まれていることを特徴と
    する液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の液晶表示装置であっ
    て、前記第3の基板に第3の電極が設けられ、前記第4
    の基板に第4の電極が設けられていることを特徴とする
    液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液晶表示装置であっ
    て、前記第1の液晶層がツイストネマティック液晶であ
    り、第2の液晶層がホモジニアス配向液晶であることを
    特徴とする液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の液晶表示装置であっ
    て、前記第1の液晶層と前記第2の液晶層が共にツイス
    トネマティック液晶であることを特徴とする液晶表示装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4から7のいずれか1項に記載の
    液晶表示装置であって、前記第1の液晶層と第2の液晶
    層に含まれる蛍光二色性色素の発光波長が異なることを
    特徴とする液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項2から8のいずれか1項に記載の
    液晶表示装置であって、前記異方性蛍光素子、あるいは
    前記第2の液晶層が、第1の液晶層の発光強度が大きい
    偏光軸を波長変換することなく透過させ、前記偏光軸と
    ほぼ直交する偏光軸では発光させることを特徴とする液
    晶表示装置。
  10. 【請求項10】 第1の基板、第2の基板、及び、前記
    第1と第2の基板の間に封入する第1の液晶層とを備え
    た第1の液晶表示パネルと、 第3の基板、第4の基板、及び、第3と第4の基板の間
    に封入する第2の液晶層とを備えた第2の液晶表示パネ
    ルと、 第5の基板、第6の基板、及び、第5と第6の基板の間
    に封入する第3の液晶層とを備えた第3の液晶表示パネ
    ルと、 前記第1の液晶表示パネルの視認側に設けられた偏光分
    離器とを備え、 前記第1から第3の液晶表示パネルの少なくとも1つの
    液晶表示パネルを構成する2枚の基板のそれぞれに、前
    記液晶層に電圧を印加するための電極が設けられてお
    り、 前記第1、第2、及び第3の液晶層にはそれぞれ、液晶
    と少なくとも1種類の蛍光二色性色素が含まれているこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 第1の電極を有する第1の基板、第2
    の電極を有する第2の基板、及び、前記第1と第2の基
    板の間に封入する第1の液晶層とを備えた第1の液晶表
    示パネルと、 第3の基板、第4の基板、及び、第3と第4の基板の間
    に封入する第2の液晶層とを備えた第2の液晶表示パネ
    ルと、 第5の基板、第6の基板、及び、第5と第6の基板の間
    に封入する第2の液晶層とを備えた第3の液晶表示パネ
    ルと、 前記第1の液晶表示パネルの視認側に設けられた偏光分
    離器とを備え、 前記第1、第2、及び第3の液晶層にはそれぞれ、液晶
    と少なくとも1種類の蛍光二色性色素が含まれているこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の液晶表示装置であ
    って、前記第3の基板に第3の電極が設けられ、前記第
    4の基板に第4の電極が設けられていることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の液晶表示装置であ
    って、前記第5の基板に第5の電極が設けられ、前記第
    6の基板に第6の電極が設けられていることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から13のいずれか1項に記
    載の液晶表示装置であって、前記偏光分離器の透過軸が
    前記第1の液晶層の発光の偏光軸とほぼ平行に配置され
    ていることを特徴とする液晶表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から14のいずれか1項に記
    載の液晶表示装置であって、前記第1の液晶表示パネル
    の視認側から最も遠い液晶パネルの裏面側に光源が設け
    られていることを特徴とする液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の液晶表示装置であ
    って、前記光源が平面発光源であることを特徴とする液
    晶表示装置。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載の液晶表
    示装置であって、前記光源が紫外線を発光する光源であ
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の液晶表示装置であ
    って、前記光源がLED素子、水銀ランプ、キセノンラ
    ンプ、あるいは蛍光灯のいずれかであることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 請求項15または16に記載の液晶表
    示装置であって、前記光源が紫外線および可視光を発光
    する光源であることを特徴とする液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の液晶表示装置であ
    って、前記光源がEL素子であることを特徴とする液晶
    表示装置。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の液晶表示装置であ
    って、前記EL素子の発光強度が可視光領域の短波長側
    に最大発光領域を有することを特徴とする液晶表示装
    置。
  22. 【請求項22】 請求項15から21のいずれか1項に
    記載の液晶表示装置であって、前記第1の液晶表示パネ
    ルの視認側から最も遠い液晶表示パネルと光源との間に
    は可視光領域の波長を吸収あるいは反射し、紫外線領域
    の波長を透過する光学素子が設けられていることを特徴
    とする液晶表示装置。
  23. 【請求項23】 請求項4,5,10から13のいずれ
    か1項に記載の液晶表示装置であって、隣接する液晶表
    示パネルの隣接する2枚の基板が共通化されて1枚にさ
    れていることを特徴とする液晶表示装置。
  24. 【請求項24】 視認側と反対側にのみ設ける偏光分離
    器と、前記偏光分離器と視認側との間には少なくとも1
    個の液晶表示パネルを備え、前記液晶表示パネルを構成
    する液晶層は液晶と少なくとも1種類以上の蛍光二色性
    色素を含み、前記液晶表示パネルの視認側と反対の面か
    ら光を照射する光源を有し、前記光源は可視光に発光の
    最大強度を有することを特徴とする液晶表示装置。
  25. 【請求項25】 第1の電極を有する第1の基板と第2
    の電極を有する第2の基板と第1の基板と第2の基板と
    の間に封入する第1の液晶層とからなる第1の液晶表示
    パネルと、第3の基板と第4の基板と第3の基板と第4
    の基板との間に封入する第2の液晶層とからなる第2の
    液晶表示パネルと、第1の液晶表示パネルの視認側と反
    対の面にのみ偏光分離器を備え、前記第1の液晶層と前
    記第2の液晶層は少なくとも1種類以上の蛍光二色性色
    素を含み、前記液晶表示パネルの視認側と反対の面から
    光を照射する光源を有し、前記光源は可視光に発光の最
    大強度を有することを特徴とする液晶表示装置。
  26. 【請求項26】 複数の液晶表示パネルを視認側を上側
    として積層し、前記液晶表示パネルを構成する液晶層に
    は、少なくとも1種類以上の蛍光二色性色素を含み、前
    記最下層の液晶表示パネルの下側のみに偏光分離器を備
    え、前記液晶表示パネルの下側から液晶表示パネルに光
    を照射する光源を有し、前記光源は可視光に発光の最大
    強度を有することを特徴とする液晶表示装置。
  27. 【請求項27】 少なくとも1個の液晶表示パネルを有
    し、前記液晶表示パネルを構成する液晶層には、少なく
    とも1種類以上の蛍光二色性色素を含み、前記最下層の
    液晶表示パネルの下側のみに偏光分離器を備え、前記液
    晶表示パネルの下側から液晶表示パネルに光を照射する
    光源を有し、前記光源は可視光に発光の最大強度を有
    し、さらに、偏光分離器の透過軸を最下層の液晶表示パ
    ネルの液晶層に含む蛍光二色性色素の吸収断面積が最大
    となる方向と平行に配置することを特徴とする液晶表示
    装置。
  28. 【請求項28】 前記液晶表示パネルの最下層の下側に
    のみ偏光分離器を備え、前記偏光分離器と液晶表示パネ
    ルとの間には、可視光領域の波長を吸収あるいは反射
    し、特定の波長の光を発光する光学変換素子を有するこ
    とを特徴とする請求項24から27のいずれかに記載す
    る液晶表示装置。
  29. 【請求項29】 第1の電極を有する第1の基板と第2
    の電極を有する第2の基板と第1の基板と第2の基板と
    の間に封入する第1の液晶層とからなる第1の液晶表示
    パネルと、第3の基板と第4の基板と第3の基板と第4
    の基板との間に封入する第2の液晶層とからなる第2の
    液晶表示パネルと、第1の液晶表示パネルと第2の液晶
    表示パネルの間にのみ設ける偏光分離器とを備え、前記
    第1の液晶層と前記第2の液晶層は少なくとも1種類以
    上の蛍光二色性色素を含み、前記液晶表示パネルの視認
    側と反対の面から光を照射する光源を有し、前記光源は
    可視光に発光の最大強度を有することを特徴とする液晶
    表示装置。
  30. 【請求項30】 複数の液晶表示パネルを視認側を上側
    として積層し、前記液晶表示パネルを構成する液晶層に
    は、少なくとも1種類以上の蛍光二色性色素を含み、前
    記積層する液晶表示パネルの間の少なくとも1箇所に偏
    光分離器を備え、前記液晶表示パネルの下側から液晶表
    示パネルに光を照射する光源を有し、前記光源は可視光
    に発光の最大強度を有することを特徴とする液晶表示装
    置。
  31. 【請求項31】 前記光源は、可視光領域のみの発光特
    性を有することを特徴とする請求項24から30のいず
    れかに記載する液晶表示装置。
  32. 【請求項32】 前記光源がEL素子であることを特徴
    とする請求項31に記載する液晶表示装置。
  33. 【請求項33】 前記光源がLEDと導光板からなるこ
    とを特徴とする請求項31に記載する液晶表示装置。
  34. 【請求項34】 前記光源が、可視光の異なる波長を発
    光するLEDの複数個と導光板からなることを特徴とす
    る請求項31に記載する液晶表示装置。
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