JP2004029045A - 対物レンズ、対物レンズ駆動装置、および光学ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対物面11sに、光軸が通る対物面の頂点を中心とする円に沿って、断面が三角状の突起でリング状突起12を形成させた対物レンズ11を対物レンズ駆動装置23に保持させ、対物レンズ11の干渉像または干渉リング12’を観察しながら、x方向、y方向、z方向の位置、および光軸の傾きを調整した後、水平にチャックした光学ピックアップ装置20のスライド・ベース21に取付け固定する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光記録媒体に情報を記録するための、または記録された情報を再生するための対物レンズ、対物レンズ駆動装置、およびその対物レンズ駆動装置を備えた光学ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体である光ディスクに情報を記録する場合、および記録された情報を光ディスクから再生する場合、光学ピックアップ装置においては、レーザ光源から出射されたレーザ光を対物レンズで集光して光ディスクに照射し、光ディスクで反射されて戻る反射光を受光する光学系が使用されている。図9は光ディスクに記録されている情報を再生するための一例の光ディスク装置40の構成を示す斜視図である。光ディスク装置40における光学ピックアップ装置20は、スピンドルモータ42により所定の回転数で回転する一点鎖線で示した光ディスク50の記録面に対して、光源である半導体レーザから出射され対物レンズ31で集光されたレーザ光を照射し、記録面で反射された反射光を受光して光電変換する受光素子からの出力信号(RF信号やサーボ信号)に基づいて光ディスク50から少なくとも情報を再生する。そして、光学ピックアップ装置20は、図示されない送りモータを駆動することにより、後述のスライド・ベース21に設けられた軸受、軸溝(それぞれ図10における22a、22b)を介してメカニカルデッキ44の2本の走行軸45に跨り、光ディスク50の径方向に走行(スライド)する。
【0003】
図10はカバーを取り除いた上記光学ピックアップ装置20の斜視図であり、両端側にスライド用の軸受22aと軸溝22bを備えたスライド・ベース21と、スライド・ベース21に取り付けられた対物レンズ駆動装置23とからなる。そして、スライド・ベース21には光源である半導体レーザ、ビームスプリッタ、光検出器等を備えたレーザ・カプラが内蔵されている。他方、対物レンズ駆動装置23は先端側に対物レンズ31を保持する枠形状の可動部27と、可動部27を上下方向(フォーカシング方向)と光ディスク50の径方向(トラッキング方向)との二方向へ移動可能にバネ材29によって片持ちで支持する固定部24とからなり、固定部24はスライド・ベース21上に取り付けられている。
【0004】
そして、可動部27の上記フォーカシング方向とトラッキング方向への移動は、対物レンズ駆動装置23の平面図である図11のA、および図11のAにおける[B]−[B]線方向の断面図である図11のBを参照して、可動部27に取り付けられたフォーカシング・コイル28aとトラッキング・コイル28bに流される電流と、固定部24に設けられたマグネット25およびヨーク26からなる磁気回路との電磁気的相互作用による。
【0005】
このような光ディスク装置40は、近年小型化、特に薄型化の傾向にあることや、光ディスク50において記録の高密度化が図られていることから、読み取り精度の向上のために、光ディスク50に対する対物レンズ31の位置決めを高精度で行うことが要請されている。すなわち、スライド・ベース21上に対物レンズ駆動装置23を組込むに際しては、対物レンズ31の水平面内でのx方向とy方向の位置、対物レンズ31の頂点と光ディスク50の情報記録面との距離を基準に設定されるスライド・ベース21からの高さであるz方向の位置、および光ディスク50の面に対する対物レンズ31の光軸の傾き(スキュー)である。
【0006】
従来、光ディスクに対する対物レンズの位置及び傾き調整には主として次のような方法が採用されている。
▲1▼ 実際に即して、光ディスクを回転させ、半導体レーザによる光ビームを光ディスクに照射して、得られる情報再生信号のジッター値等を参考にして対物レンズの位置及び傾きを調整する。
▲2▼ 対物レンズの位置を機械的に測定して対物レンズの位置及び傾きを調整する。
▲3▼ 光ビームの焦点付近のスポット形状が楕円形の場合、これが円形になるように対物レンズの位置及び傾きを調整する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の三方法のうち、▲1▼の方法は光ディスクを回転させ、半導体レーザによる光ビームの照射を要し、▲3▼の方法もほぼ同様であることから調整装置が高価にならざるを得ない。これに対して▲2▼の方法は対物レンズの位置を単に機械的に測定して位置決めする方法であるから調整装置は低コストであるが、特にZ方向の位置は対物レンズ本来の形状以外の部分、例えばレンズホルダとの固定面を基準に決めることになるので間接的な方法であり、厳密に正確な位置決めは期待できない。例えば、次に示す先行技術は対物レンズの位置調整に▲2▼の方法が適用されるものである。
【0008】
例えば、特開平9−16999号公報に開示されている対物レンズ駆動装置では、図12に示すように、光ディスクCと対向する対物レンズ61の対物面側に、対物レンズ61の光軸中心と同心の円筒状側面62を設け、レンズホルダ71に設けられた光ビームの通路である開口穴72に円筒状側面62を挿入することにより、種々のトラブルを生じ易い紫外線硬化性接着剤を使用することなく対物レンズ61とレンズホルダ71とを簡易に固着することができ、かつ対物レンズ61の光軸中心とレンズホルダ71の開口穴72の中心とを自ずから一致させることができるとされている。
【0009】
また、特開2001−6203号公報においては、一つの光学ピックアップ装置でCD系光ディスクとDVD系光ディスクの両方の記録、再生を行わせるものとして、図13に示すように、位相制御素子81と対物レンズ91とに、それぞれ中心軸を合わせるための位置決めマーク82、92を設けておき、この位置決めマーク82、92によって中心軸を一致させて位置決めした後にホルダ83に固定したものが採用されている。そして、このような構成とすることによって、位相制御素子81と対物レンズ91とが偏心することなく一体化され、DVD系光ディスクDの再生性能を維持しながら、図示を省略したCD系光ディスクの再生性能も設計通りに安定して得られるとしている。すなわち、対物レンズ91の光ビーム入射面側の光軸上に中心軸の位置決めマーク92が形成されているものである。
【0010】
上記の特開平9−16999号公報による対物レンズ駆動装置の対物レンズ61は、そのレンズホルダ71への固着方法により、レンズホルダ71の位置が正確であれば、光ディスクCに対する対物レンズ61の水平面内におけるx方向とy方向の位置は正確に決定されるが、対物レンズ61のz方向の位置は例えばレンズホルダ71と対物レンズ61との接触面Qを基準に設定することになり間接的な設定となるほか、レンズホルダ71自体の寸法精度も絡むので、Z方向の位置を厳密な精度で設定することはできない。勿論、対物レンズ61の傾きの補正は別な手段で行うことになる。そして、このことは特開2001−6203号公報による光ピックアップ装置においても同様である。
【0011】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、対物レンズの頂点と光ディスクの情報記録面との位置関係を基準に設定される、光学ピックアップ装置のスライド・ベース上における対物レンズの水平面内でのx方向とy方向の位置とスライド・ベースからの高さであるz方向の位置、および光ディスクの面に対する対物レンズの光軸の傾きの調整を、簡易な方法によって高精度で行うことのできる対物レンズ、より高密度化の傾向にある光記録媒体に対応する対物レンズ駆動装置、および対物レンズ駆動装置を備え、より高密度化の傾向にある光記録再生媒体の記録または再生に対応し得る光学ピックアップ装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題の解決手段を説明すれば、次の如くである。
【0013】
本発明の対物レンズは、情報記録媒体の記録面に光ビームを集光するための対物レンズであって、対物レンズの対物面頂点部に、この対物レンズの光軸を中心とする円に沿って、連続的なまたは少なくとも3個が等間隔で不連続なリング状突起またはリング状溝が形成されていることを特徴とする。
このような対物レンズは、その対物面を干渉顕微鏡によって観察した時に、対物面頂点部に形成されたリング状突起またはリング状溝で生ずる干渉像または干渉リングによって、光学ピックアップ装置のスライド・ベース上における対物レンズの水平面内のx方向とy方向の位置とスライド・ベースからの高さであるz方向の位置の調整、および光ディスクの面に対する対物レンズの光軸の傾きの調整を行うことができる。
【0014】
また本発明の対物レンズは、上記したリング状突状またはリング状溝の断面形状が三角状、四角状、半円状、半楕円状の何れかであることを特徴とする
このような対物レンズは、対物レンズの成形用金型作製の対物面加工時に、これらのリング状突起またはリング状溝を同時に加工することができるので、対物レンズの光軸中心に対してリング状突起またはリング状溝を高精度に加工することができる。
このように作製された対物レンズのコスト上昇は小さく、また、リング状突起またはリング状溝の中心位置が対物レンズの光軸と高精度で一致することから、対物レンズの干渉像または干渉リングを観察することによる対物レンズのx方向、y方向、z方向の位置、および光ディスクの面に対する対物レンズの光軸の傾きを簡易に高精度で調整することを可能にする。
【0015】
さらに本発明の対物レンズは、上記したリング状突起またはリング状溝のリング径が0.01mm以上1mm以下であることを特徴とする。なお、本明細書で記述するリング径とはリングの外径を指す。
0.01mm以上1mm以下は、リング状突起またはリング状溝を干渉顕微鏡観察して対物レンズを水平面内で位置調整する時の調整精度に相当する値までの範囲の値であり、リング状突起の高さと幅またはリング状溝の深さと幅は干渉像または干渉リングが認められる寸法に形成されているものである。
このような対物レンズは、リング状突起またはリング状溝のリング径が小さいので光学特性に影響を受けることなく記録用または再生用の光ビームを集光するほか、対物レンズ位置や傾きの調整を行うための干渉像または干渉リングを明瞭に発生させる。
【0016】
本発明の対物レンズ駆動装置は、上記本発明の対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向とにそれぞれ移動させ得るように構成されているものである。
このような対物レンズ駆動装置は、スライド・ベースに対する対物レンズの位置、光軸の傾きを調整してスライド・ベースに固定することにより、高密度化傾向にある光記録媒体に対応することができる。
【0017】
本発明の光学ピックアップ装置は、上記本発明の対物レンズ駆動装置を備え、光源である半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズで集光して情報を記録または再生するように構成されているものである。
このような光学ピックアップ装置は、より高密度化傾向にある光記録媒体に対応する記録または再生を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の対物レンズ、対物レンズ駆動装置、および光学ピックアップ装置は、光記録媒体の記録面に光ビームを集光するための対物レンズであって、対物レンズの対物面頂点部に、その頂点を中心とする円に沿って、連続的なまたは少なくとも3個が等間隔で不連続なリング状突起またはリング状溝が形成され対物レンズ、この対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向とに移動させる対物レンズ駆動装置、及びこの対物レンズ駆動装置を備え、光源である半導体レーザから出射された光ビームにより光記録媒体への情報の記録または再生を行う光学ピックアップ装置である。
【0019】
対物レンズの対物面頂点部に形成されるリング状突起またはリング状溝は、対物面の頂点を中心とする円に沿って形成されたものであり、これらは対物レンズ成形用金型作製の対物面加工時に同時加工ができ、対物面の頂点中心に対して高精度で加工される。そして、干渉像がリング状に明確に認められ対物レンズの位置調整も容易であると言う点で、リング状のものとすることが好ましい。なお、干渉像を発生させるという点でリング状突起とするかリング状溝とするかに差異はなく、任意に選択できる。そして、リング状突起またはリング状溝の断面形状は三角状、四角状、半円状、半楕円状が望ましい。
【0020】
対物レンズの対物面頂点部に形成するリング状突起またはリング状溝のリング径の設定は干渉像を観察する干渉顕微鏡の倍率によっても支配される。例えば、倍率が20倍程度の干渉顕微鏡を使用すると、通常は0.3mm四方程度の領域が観察できるので、リング状突起またはリング状溝のリング径を0.3mm以下とすることにより、干渉像である干渉リングを観察することができる。他方、一般的には、レンズ面に0.1mm四方以下の大きさのゴミ、キズがあってもレンズの光学的特性に影響を与えないことが知られているので、その点からは、リング状突起またはリング状溝のリング径は0.1mm以下とすることが望ましい。そして、リング状突起またはリング状溝のリング径の下限は、リング状突起またはリング状溝を干渉顕微鏡で観察して対物レンズを水平面内で位置調整する時の調整精度に相当する値とすることができる。すなわち、対物レンズの位置の調整精度が50μmである場合には、リング状突起またはリング状溝のリング径を50μmとすることができる。実際に求められる対物レンズの位置精度は10μm程度であるので、リング状突起またはリング状溝のリング径は10μmよりも大であることが望ましい。
【0021】
また、リング状突起の高さと幅、またはリング状溝の深さと幅は、対物レンズの対物面を干渉顕微鏡で観察した時に干渉リングが認められる寸法、例えば5〜6μm以下とされる。下限は成形用金型の加工上の限界、または干渉顕微鏡による観察上の限界によって支配されるが、通常は1〜2μm程度であり、それ以下とすることも可能である。なお、これらの機械的な寸法に関しては、リング状突起またはリング状溝を連続的に形成する場合、および少なくとも3個を等間隔で不連続に形成する場合の何れに係わらず同様で良い。
【0022】
対物レンズの対物面頂点部に形成されるリング状突起またはリング状溝は、対物レンズ成形用金型作製の際の、例えば旋盤による対物面の加工時に突起または溝に対応する部分を同時加工して得られた成形用金型を使用して成形されたものであることが望ましい。すなわち、同時加工することによって、対物レンズの対物面の頂点とリング状突起またはリング状溝の円の中心との高精度で一致したものが容易に得られ、対物レンズの光軸が傾いている場合を除いて、干渉顕微鏡で観察される干渉リングの中心は対物レンズの頂点と高精度で一致するので、干渉リングの観察結果に基いての対物レンズの位置の調整を容易且つ高精度で行う事ができる。
【0023】
対物レンズ駆動装置は、上記のようなリング状突起またはリング状溝を対物面に有する対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向の二方向に移動させる装置である。そして、スライド・ベースを基準に対物レンズ駆動装置の対物レンズの位置および光軸の傾きを調整した後に、対物レンズ駆動装置をスライド・ベースに取付けることにより光学ピックアップ装置が作製される。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の対物レンズを実施例により図面を参照して具体的に説明する。なお、以下ではリング状突起に係る実施例について説明し、リング状溝に係る説明は凸と凹との差であるため省略する。
【0025】
(実施例) 図1は本発明の対物レンズ11の模式的断面図であり、図10を援用して対物レンズ駆動装置23の可動部27の一部と共に示されている。この対物レンズ11の対物面11sには断面が三角状のリング状突起12が形成されている。図1では外径5mm前後の対物レンズ11に対してリング状突起12の形状(リング径および高さ)は誇張して示されているが、後述するように、そのリング径は60μm程度、高さHは1.5μm程度である。また、図2は図1に示したリング状突起12を有する対物レンズ11の対物面11sを干渉顕微鏡6で観察している状態を示す斜視図である。なお、この対物レンズ11はプラスチックスを金型で成形したものである。
【0026】
また図3は対物レンズ11のみを示す図であり、図3のAは平面図、図3のBは図3のAにおける[B]−[B]線方向の断面図である。そして、図4は対物レンズ11の対物面11sの頂点部を示す図であり、図4のAは平面図、図4のBは図4のAにおける[B]−[B]線方向の断面図である。すなわち、図4のBは図3のBに示した対物レンズ11の○印で示す部分に相当する。図4のAに示すように、リング状突起12のリングの内径IDは50μm、リングの幅Wは5μmとされている。従ってリング状突起12のリング径、すなわちリングの外径ODは60μmとなっている。また、図4のBに示すように、リング状突起12の高さHは1.5μmとされている。
【0027】
図10を援用して、上記のような本発明の対物レンズ11を保持する可動部27と、可動部27をバネ材29によって片持ちで支持する固定部24とからなる対物レンズ駆動装置23をスライド・ベース21に取付けて光学ピックアップ装置20が組立てられるが、図5は上記のスライド・ベース21に対し、対物レンズ11が所定の位置となるように固定部24の位置を調整して、固定部24すなわち対物レンズ駆動装置23をスライド・ベース21に取付けるための一例の取付装置1を示す斜視図である。すなわち、取付装置1は共通ベース板2上に、対物レンズ駆動装置23をセットする受台4を上端部に備えた五軸ステージ5と、干渉顕微鏡6を水平方向へ摺動可能取り付けた顕微鏡台9とからなっている。そして、スライド・ベース21は後述の受台中央部4mの直下となる位置に五軸ステージ5とは独立した状態で水平にチャッキングされる。
【0028】
五軸ステージ5は、受台中央部4mを受台4内でx方向に移動させるXステージ51 、y方向に移動させるYステージ52 、z方向に移動させるZステージ53 、および受台中央部4mと共に受台4を傾斜の方向が(y−z)面内にあるように傾斜させるYZゴニオステージ54 、同じく受台4を傾斜の方向が(x−z)面内にあるように傾斜させるXZゴニオステージ55 とから構成されており、光学ピックアップ装置20のスライド・ベース21に対する対物レンズ駆動装置23、すなわち、対物レンズ駆動装置23に保持された対物レンズ11の位置および姿勢(光軸の傾き)を調整することができようになっている。そして、所定の位置、姿勢が得られた時点で、対物レンズ駆動装置23の固定部24が光学ピックアップ装置20のスライド・ベース21に接着剤や半田によって固定される。
【0029】
また、干渉顕微鏡6はその取付けブロック7によってガイドレール8上を矢印tで示すようにx方向へ摺動可能に取り付けられており、五軸ステージ5の受台中央部4mにセットされる対物レンズ駆動装置23に保持された対物レンズ11の直上へ移動され、その視野に現れる対物レンズ11上に干渉像または干渉リングが観察される。
【0030】
すなわち、光学ピックアップ装置20のスライド・ベース21上における対物レンズ11のx方向、y方向、z方向の所定の位置は、干渉顕微鏡6の下端を規準とする対物レンズ11の位置に置き換えて知ることができる。そして、所定位置における対物レンズ11の光軸の傾きも干渉像を観察して知ることができることになる。図6は上記の取付装置1において干渉顕微鏡6で対物レンズ11を観察した時の、干渉顕微鏡6と対物レンズ11との位置関係と、それに基づいて現れる干渉像を示す図である。すなわち、図6のA、B、Cはそれぞれ、下側に干渉顕微鏡6の下端と対物レンズ11との位置関係を模式的に示し、上側には干渉顕微鏡6に繋いだCRT等のモニター画面で見られる干渉顕微鏡6の視野内のリング状突起12と干渉像12’を示す。
【0031】
図6のAは、干渉顕微鏡6の下端と対物レンズ11の頂点pとの距離が所定の距離kとなっており、かつ対物レンズ11の光軸の傾きもない場合の干渉像12’1 を示す図である。この場合には中心部が濃く周辺ほど薄れる干渉像12’1となる。なお、対物レンズ11のx方向とy方向の位置の調整は、モニター画面にリング状突起12が丁度囲われる井桁Lを書き込み、リング状突起12が井桁Lの囲いの中へ入るようにXステージ51とYステージ52 を操作して行われる。図6のAはその操作が完了した状態で示されており、この状態で対物レンズ駆動装置23がスライド・ベース21に取り付けられて光学ピックアップ装置20が作製される。なを、井桁Lによるx方向とy方向の位置決めは後述の図6のBおよび図6のCについても同様である。
【0032】
図6のBは、対物レンズ11のx方向とy方向の位置は所定通りであるが、干渉顕微鏡6の下端と対物レンズ11の頂点pとの距離が所定の距離kより小さい場合、すなわち、スライド・ベース21からのz方向の高さ位置が大である場合には干渉リング12’2 が現れる。このような場合には、Zステージ53 を操作して対物レンズ11の位置を図6のAのように調整し、その状態でスライド・ベース21への対物レンズ駆動装置23の取付けが行われることにより対物レンズ11が所定の位置、姿勢で正確に固定される。なお、図6のBとは逆に干渉顕微鏡6の下端と対物レンズ11の頂点pとが所定の距離kより大きい場合には、干渉像または干渉リングは現れない。
【0033】
図6のCは、対物レンズ11のx方向とy方向の位置は所定通りであるが、対物レンズ11の光軸が傾いている場合の干渉リング12’3を示す。すなわち、光軸が傾いた対物レンズ11の場合には、その対物面11sの最も高い点p’を中心として干渉リング12’3 が現れる。このような場合にはYZステージ54を操作して対物レンズ11の光軸を垂直にした後、スライド・ベース21への対物レンズ駆動装置23の取付けが行われることにより、対物レンズ11が所定の位置、姿勢で正確に固定される。
【0034】
以上、要するにリング状突起あるいはリング状溝を形成させた対物レンズ11の干渉像または干渉リングを観察して、光学ピックアップ装置のスライド・ベース上における対物レンズの▲1▼x方向とy方向の位置の調整、▲2▼z方向の位置の調整、および▲3▼光ディスクに対する光軸の傾きの調整、が行われるが、基本的には、これらをどのような順序で行ってもよい。しかし、実施に際して最も行い易いのは、最初に▲3▼の光軸の傾きの修正を行い、次いで▲1▼のx方向とy方向の位置決めを行い、最後に▲2▼のz方向の位置決めを行う手順である。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0036】
例えば本実施例においては、対物レンズ11の対物面11sに断面が三角状のリング状突起12を設けたものを例示したが、対物面の頂点を中心とする円に沿って形成されるものであれば、例えば図7のA、B、Cに示すように、部分的に欠落部を有するリング状の13、破線状の14、複数の点状の15としてもよい。
【0037】
また本実施例においては、断面形状が三角状の突起であるリング状突起12を例示したが、突起として形成させる場合の断面形状としては、図1の対物レンズ11と比較し得るように誇張して描いた図8のA、B、Cの左側に示すように、四角状の16ないしは半円状の17や半楕円状の18としてもよい。また断面形状は突起とは逆の溝としてもよく、図8のA、B、Cの右側に示した16r、17r、18rとしてもよい。
【0038】
また本実施例においては、対物レンズを金型によって成形されたプラスチック製である場合を例示したが、ガラス製の対物レンズとしてもよい。ガラス製対物レンズにおいて成形型を使用しない場合には、製造された対物レンズの対物面に溝を後加工することになる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の対物レンズ、対物レンズ駆動装置、および光学ピックアップ装置は、以上に説明したような形態で実施され、次に記載するような効果を奏する。
【0040】
本発明の対物レンズによれば、情報記録媒体に光ビームを集光する対物レンズの対物面頂点部に、この対物レンズの光軸を中心とする円に沿って、連続的なまたは少なくとも3個が等間隔で不連続なリング状突起またはリング状溝が形成されているので、その対物面を干渉顕微鏡によって観察しながら対物レンズの位置と姿勢を調整するという簡易な操作によって、光学ピックアップ装置のスライド・ベース上における対物レンズのx方向、y方向、z方向の位置、および光ディスクの面に対する対物レンズの光軸の傾きを高精度で調整することができる対物レンズの提供が可能となる。
【0041】
本発明の対物レンズ駆動装置によれば、本発明の対物レンズを備えているので、スライド・ベースに対する対物レンズの位置と光軸の傾きを高精度に調整してスライド・ベースに高精度で固定されるため、更に高密度化傾向にある情報記録媒体に対応する対物レンズ駆動装置の提供が可能となる。
【0042】
本発明の光学ピックアップ装置によれば、本発明の対物レンズ駆動装置を備え、光ビームを対物レンズで集光して情報を記録または再生するので、更に高密度化傾向にある情報記録媒体に対応する光学ピックアップ装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対物レンズの模式的断面図である。
【図2】同対物レンズを干渉顕微鏡で観察している状態を示す斜視図である。
【図3】同対物レンズのみを示す図であり、Aは平面図、BはAにおける[B]−[B]線方向の断面図である。
【図4】同対物レンズの対物面の頂点付近を示す拡大図であり、Aは平面図、BはAにおける[B]−[B]線方向の断面図である。
【図5】干渉像を観察して対物レンズを所定の位置、姿勢とした後、スライド・ベースに取付けるための取付装置の斜視図である。
【図6】取付装置の干渉顕微鏡で対物レンズの観察した時の、干渉顕微鏡の下端と対物レンズとの位置関係と、その時に認められる干渉像または干渉リングを示す図であり、Aは対物レンズの位置および光軸の向きが正常な場合の干渉像、Bは干渉顕微鏡の下端と対物レンズとの距離が所定の値より小さい場合に現れる干渉リング、Cは対物レンズが傾いている場合に現れる干渉リングを示す図である。
【図7】変形例の各種リング状突起あるいはリング状溝の平面図である。
【図8】変形例の各種リング状突起あるいはリング状溝の断面図である。
【図9】光ディスク装置における光学ピックアップ装置、対物レンズ駆動装置と光ディスクとの関係を示す斜視図である。
【図10】スライド・ベースに対物レンズ駆動装置が取り付けられた光学ピックアップ装置の斜視図である。
【図11】対物レンズ駆動装置を示す図であり、Aは平面図、BはAにおける[B]−[B]線方向の断面図である。
【図12】従来例の対物レンズの断面図である。
【図13】他の従来例の対物レンズの断面図である。
【符号の説明】
1……取付装置、5……五軸ステージ、6……干渉顕微鏡、11……対物レンズ、12……リング状突起、20……光学ピックアップ装置、21……スライド・ベース、23……対物レンズ駆動装置、24……固定部、27……可動部、31……対物レンズ
Claims (10)
- 光記録媒体の記録面に光ビームを集光するための対物レンズであって、
前記対物レンズの対物面頂点部に、該対物レンズの光軸を中心とする円に沿って、連続的なまたは少なくとも3個が等間隔で不連続なリング状突起またはリング状溝が形成されている
ことを特徴とする対物レンズ。 - 前記リング状突状または前記リング状溝の断面形状が三角状、四角状、半円状、半楕円状の何れかである
ことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。 - 前記リング状突起またはリング状溝のリング径が0.01mm以上1mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。 - 前記対物レンズが、対物レンズ成形用金型を作製するときの対物面加工時に前記リング状突起または前記リング状溝を同時に加工した成形用金型によって成形されたものである
ことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。 - 光源からの出射光を光記録媒体に集光する対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向とに駆動する対物レンズ駆動装置において、
前記対物レンズの対物面頂点部に、該対物レンズの光軸を中心とする円に沿って連続的または少なくとも3個が等間隔で不連続なリング状突起またはリング状溝が形成されている
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。 - 前記リング状突状または前記リング状溝の断面形状が三角状、四角状、半円状、半楕円状の何れかである
ことを特徴とする請求項5に記載の対物レンズ駆動装置。 - 前記リング状突起またはリング状溝のリング径が0.01mm以上1mm以下である
ことを特徴とする請求項5に記載の対物レンズ駆動装置。 - 少なくとも光源からの出射光を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向とに駆動する対物レンズ駆動装置と、前記光記録媒体からの反射光を受光して光電変換する受光素子とを有する光学ピックアップ装置において、前記対物レンズの対物面頂点部に、該対物レンズの光軸を中心とする円に沿って連続的または少なくとも3個が等間隔で不連続なリング状突起またはリング状溝が形成されている
ことを特徴とする光学ピックアップ装置。 - 前記リング状突状または前記リング状溝の断面形状が三角状、四角状、半円状、半楕円状の何れかである
ことを特徴とする請求項8に記載の光学ピックアップ装置。 - 前記リング状突起またはリング状溝のリング径が0.01mm以上1mm以下である
ことを特徴とする請求項8に記載の光学ピックアップ装置。
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