JP2004028948A - 駆動伝達系の動的伝達特性決定方法及び記録媒体 - Google Patents

駆動伝達系の動的伝達特性決定方法及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係を計測し、従動軸の回転量の計測値とその計算値とを比較しながら、両者が一致するように、該計算値をシミュレートして駆動伝達部の動的荷重(応力)―ひずみ特性を算出する。
【解決手段】実験装置の駆動軸と従動軸とに設けられた計測装置を用いて、駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係を計測し(S4)、該計測した駆動軸の回転量と時間の関係データを、予め構築された前記実験装置の機構解析モデルに入力する。次に、ベルト荷重(応力)−ひずみ特性の初期値に基づき(S6)、前記機構解析モデルを用いて解析を行い(S7)、前記従動軸の回転量と時間の関係を算出する。次に、前記算出された従動軸の回転量と時間の関係と、前記計測された従動軸の回転量と時間の関係とを比較し(S11〜S13)、両者のデータの差分の合計値が最小になるように、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性を決定する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動伝達系の動的伝達特性決定方法及び記録媒体、より詳細には、非線型特性を有する動的駆動伝達系の荷重(応力)―ひずみ特性を高精度に求めるための動的伝達特性決定方法及び記録媒体に関し、本発明における最適化手法を用いた駆動伝達系の動的伝達特性決定方法で求めた駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性解析結果は、例えば駆動伝達部により駆動伝達を行う場合、または複写機など駆動系の設計に好適に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
材料の機械的性質を計測するには、引張り試験が標準的な方法として一般的に用いられている。例えば、JIS−Z2241に標準的な試験法が記載されている。これはいわゆる準静的な状態での引張り試験特性を計測するものであって、試験時の負荷速度は動的な効果が問題とならない程度の速度で試験を行うものである。試験した材料を用いて構造物を設計する際、静的な状態での強度を基準として設計を行うことがほとんどであるため、この試験データは十分であった。
【0003】
しかしながら、例えば、ベルトのような時間の進行とともに材料のヤング率の変化を生じる粘弾性材料を用いた駆動系において、駆動機構の急速な立上げ、あるいは立下げの際、駆動系全体の挙動を正確に評価するために、立上げ(立下げ)速度の変化に伴うベルト特性を正確に評価する必要がある。この速度の変化、すなわち加速度での材料特性の計測は動的な状態計測であるため、通常の引張り試験では不可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、駆動伝達部を含む、駆動軸と従動軸から構成された実験装置から、駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係を計測し、これに基づいて、実験装置の機構解析モデルにより、最適化手法を用いて、従動軸の回転量の実験データとその解析データとを比較しながら、大域最適解の探索と局部最適解の探索とに分け、各設計変数を反復して、両者が一致するように、短時間で効率よく駆動伝達部の速度の変化に伴う動的荷重(応力)―ひずみ特性を算出することができる駆動伝達系の動的伝達特性決定方法及び記録媒体を提供すること、を目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、駆動部と駆動伝達部と従動部とからなる駆動伝達系の伝達特性を決定するための駆動伝達系の動的伝達特性決定方法において、前記駆動部の回転量と時間の関係を計測するとともに、前記従動部の回転量と時間の関係を計測し、該従動部の回転量と時間の関係の計測値に近づくように該従動部の回転量と時間の関係式をシミュレーションし、該シミュレーションによる計算値と、前記計測値との差が予め定められた範囲以下になるように、前記駆動伝達部の荷重―ひずみ、または応力―ひずみ特性を決定することを特徴としたものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記駆動伝達部の荷重―ひずみ、または応力―ひずみ特性の初期値を設定し、最適手法を用いて、前記従動部の回転量と時間の関係の計測値と、前記シミュレーションによる計算値とを比較しながら、前記駆動伝達部の荷重―ひずみ、または応力―ひずみ特性を算出することを特徴としたものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記駆動伝達部の荷重―ひずみ特性は、荷重付加の加速度と荷重―ひずみ特性の関係によって、動的特性を表現することを特徴としたものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1の発明において、駆動源とするモータと、該モータによって回転する駆動軸とを備え、該駆動軸にプーリを取り付けた上、該プーリにベルトを回し、該ベルトによって従動軸側プーリを駆動させて、該従動軸を回すための実験装置と、該実験装置の駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係を計測する計測装置とを用いて、前記駆動軸の回転量と時間の関係と、前記従動軸の回転量と時間の関係とを計測することを特徴としたものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記ベルトに任意の負荷(テンション)を付加することを特徴としたものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項4または5の発明において、前記駆動軸及び/又は従動軸に負荷を加えることを特徴としたものである。
【0011】
請求項7の発明は、請求項4ないし6のいずれか1の発明において、前記モータをモータ制御プログラムにより制御することにより、前記駆動軸に任意の加速度を与えることを特徴としたものである。
【0012】
請求項8の発明は、請求項4ないし7のいずれか1の発明において、前記駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係をリアルタイムで計測することを特徴としたものである。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれか1の発明において、前記実験装置の機構解析モデルを構築し、該構築した機構解析モデルは、前記計測して得られた駆動軸の回転量と時間の関係を用いて、予め定義した荷重(応力)―ひずみ特性から、前記従動軸の回転量と時間の関係を算出することを特徴としたものである。
【0014】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記機構解析モデルは、任意の準静的引張予備試験から得られた前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を計算の初期値として予め定義することを特徴としたものである。
【0015】
請求項11の発明は、請求項9または10の発明において、前記機構解析モデルは、前記駆動伝達部の接触角、接触プーリの半径および接触プーリ角速度から求められる瞬間ひずみに、前記実験装置のテンション付加機構による駆動伝達部の初期ひずみを加えることを特徴としたものである。
【0016】
請求項12の発明は、請求項9ないし11のいずれか1の発明において、前記機構解析モデルは、前記計測して得られた駆動軸の回転量と時間の関係から、前記従動軸の回転量と時間の関係を所定の微小時間間隔ごとに算出する際に、その計算途中における前記駆動伝達部の瞬間張力を、予め定義した駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性に対応付けて決定することを特徴としたものである。
【0017】
請求項13の発明は、請求項1ないし12のいずれか1の発明において、前記従動軸の回転量と時間との関係を計測して得られたデータに対して、前記機構解析モデルにおける所定の微少時間間隔と一致するように、間引き処理を施すことを特徴としたものである。
【0018】
請求項14の発明は、請求項1ないし13のいずれか1の発明において、前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性の初期値から、最適手法を用いて、前記従動軸の回転量と時間の関係の計測値と、前記シミュレーションによる計算値とを比較しながら、前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を算出することを特徴としたものである。
【0019】
請求項15の発明は、請求項14の発明において、前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性の初期値にシフト量係数を乗じ、該シフト量係数を設計変数として順次変化させて計算し、該計算した従動軸の回転量と時間の関係の計算値と、該従動軸の回転量と時間の関係の計測値とを比較し、各回転量データ差分の合計値を最小にすることによって、前記シフト量係数を決定する第一最適化ステップを有することを特徴としたものである。
【0020】
請求項16の発明は、請求項14または15の発明において、前記機構解析モデルを用いて、前記シフト量係数を乗じた駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データを設計変数として反復して変化させて計算し、該計算した従動軸の回転量と時間の関係の計算値と、該従動軸の回転量と時間の関係の計測値とを比較し、各回転量データ差分の合計値を最小にすることによって、前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定する第二最適化ステップを有することを特徴としたものである。
【0021】
請求項17の発明は、請求項14ないし16のいずれか1の発明において、前記シフト量係数を乗じた駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データを設計変数として反復して変化させる際、前記荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データに対し、ひずみ量の増加に伴い、所定の制約条件を設けることを特徴としたものである。
【0022】
請求項18の発明は、請求項1ないし17のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係わる駆動伝達系の動的伝達特性解析方法の一例を説明するためのフロー図である。本発明の駆動伝達系の動的伝達特性解析方法は、図1に示すような手順に従って解析を行う。ここでは、駆動伝達部に加えた負荷により発生する荷重(応力)―ひずみ特性の解析方法について説明する。まず、ベルトなどの駆動伝達部を介して、駆動軸の挙動を従動軸に伝達する実験装置(詳細については後述する)を用いて、モータ制御プログラムにより制御されたモータにより駆動軸を駆動させ(ステップS1,S2)、実験装置の駆動軸と従動軸とに設けられた計測装置を用いて、駆動軸の回転量と時間との関係と、従動軸の回転量と時間との関係とをリアルタイム計測プログラムにより計測する(ステップS3,S4)。次に、ステップS3,S4で計測して得られた駆動軸の回転量と時間との関係曲線を、予め構築された実験装置の機構解析モデルに入力し(ステップS5)、予め定義されたベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値から(ステップS6)、上記機構解析モデルを用いて(ステップS7)、所定の微少時間間隔ごとに、解析を行い、従動軸の回転量と時間との関係を算出する(ステップS8)。
【0024】
また、上記ステップS4で計測された従動軸の回転量と時間との関係を示す計測データに対して、上記実験装置の機構解析モデルにおける所定の微少時間間隔に応じて、間引きプログラムを用いて間引き処理を行う(ステップS9,S10)。次に、上記ステップS5〜S8において、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値に基づいて算出された従動軸の回転量と時間との関係と、上記ステップS9,S10において計測された従動軸の回転量と時間との関係とを比較解析し(ステップS11〜S13)、両者のデータの差分の合計値が最小になったかどうかを判断し(ステップS14)、両者データの差分の合計値が最小になった場合(YESの場合)、この際のベルト荷重(応力)―ひずみ特性を決定する(ステップS15)。また、ステップS14で両者データの差分の合計値が最小ではない場合(NOの場合)、所定の制約条件に基づいて、ステップS6に戻り、駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定するための計算を繰り返し行う(ステップS16,S6)。ここで、上記ステップS11〜S13において実行される第一最適化ステップから第二最適化ステップに至る各ステップの詳細については、後述するものとする。
【0025】
以下、本発明の駆動伝達部における動的伝達特性計測方法について、具体的な解析例を用いて詳細に説明する。図2は、駆動軸の回転量と時間との関係と、従動軸の回転量と時間との関係とを計測した計測結果の一例を示す図で、図中、1は駆動軸の回転量と時間との関係の計測値を示す関係曲線で、2は従動軸の回転量と時間との関係の計測値を示す関係曲線である。尚、本例において、横軸は時間(単位:sec),縦軸は回転量(単位:rad/sec)を示すものとする。関係曲線1は、実験装置を用いて、実験装置の駆動軸と従動軸にそれぞれ設けられた計測装置により、駆動軸の回転量と時間との関係を計測したものであり、同様に関係曲線2は従動軸の回転量と時間との関係を計測したものである。
【0026】
図3は、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性曲線の初期値の一例を示す図である。図4は、従動軸の回転量と時間との関係の算出値と、その計測値との関係の一例を示す図で、3は従動軸の回転量と時間との関係の計測値を示す関係曲線で、4は従動軸の回転量と時間との関係の算出値を示す関係曲線である。ここで、実験装置の機構解析モデルを構築し、図3に示したベルト荷重(応力)―ひずみ特性曲線の初期値を、構築した機構解析モデルに入力する。この機構解析モデルは、入力された初期値に基づいて従動軸の回転量と時間との関係を算出し、その算出値を図4の関係曲線4に示す。次に、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値に基づいて算出された関係曲線4と、計測された回転量と時間との関係を示す関係曲線3とを比較し、両者データの差分の合計値を最小にするように、所定の制約条件下において各設計変数を反復して変化させ、駆動伝達部の動的荷重(応力)―ひずみ特性を算出する。
【0027】
図5は、計算が収束する際の従動軸の回転量と時間との関係曲線の算出値と、その計測値とを比較した一例を示した図で、図中、5は従動軸の回転量と時間との関係の計測値を示す関係曲線で、6は従動軸の回転量と時間との関係の算出値を示す関係曲線である。図6は、最後に決定された駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性曲線と、荷重(応力)―ひずみ特性曲線初期値とを比較した一例を示す図で、図中、7は最後に決定された駆動伝達部(例えば、ベルトなど)の荷重(応力)―ひずみ特性曲線、8は駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性曲線の初期値を示す特性曲線である。
【0028】
本発明における駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、駆動伝達部の動的荷重(応力)―ひずみ特性を精度良く解析することができる。
【0029】
ここで、本発明の駆動伝達部における動的伝達特性計測方法において、上述したような動的荷重―ひずみ特性は、荷重付加の加速度と荷重―ひずみ特性の関係によって、動的特性を表現するものである。
【0030】
本発明における駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、荷重付加の加速度と荷重―ひずみ特性の関係を計測することによって、動的荷重(応力)―ひずみ特性を表現することができる。
【0031】
図7は、本発明の一実施形態に係わる駆動伝達部の動的伝達特性計測方法を実行するための実験装置の基本構成の一例を示す図で、図中、10は実験装置で、該実験装置10は、駆動軸の回転量と時間関係の計測装置11、プーリ12,16、モータ13、駆動軸負荷14、従動軸の回転量と時間関係の計測装置15、従動軸負荷17、ベルト18を有する。本実施形態においては、駆動伝達部としてベルトを代表例に用いて説明するものとする。この実験装置10は、モータ13と、モータ13によって回転する駆動軸とを備え、この駆動軸にプーリ12を取り付けた上、プーリ12にベルト18を回し、このベルト18によって従動軸を駆動させて、従動軸を回すものである。さらに、本実験装置10は、駆動軸と従動軸それぞれにおける回転量と時間との関係を計測できる計測装置11,15を設け、駆動軸の回転量と時間との関係と、従動軸の回転量と時間との関係を計測するものである。この計測装置の具体例として、例えば、回転量と時間との関係を計測することができるエンコーダなどを好適に用いることができる。
【0032】
本発明における駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、解析対象となる駆動伝達部を含む実験装置を構築し、解析のベースとする駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間との関係を計測装置により、計測することができる。
【0033】
また、本発明の駆動伝達部における動的伝達特性計測方法を実行するための実験装置10は、駆動伝達部(ベルト)に任意の負荷を加えるため、負荷(テンション)を付加する機構を有するものである。例えば、図7に示した従動側の全体を可動ステージに載せ、可動ステージにテンション計測装置を備え、所定テンションに達するまで、可動ステージの位置を調整し、最後に可動ステージを固定する。
【0034】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、解析対象となる駆動伝達部に任意の負荷(テンション)を加えることにより、該負荷下の荷重(応力)―ひずみ特性を解析することができる。
【0035】
また、本発明の実験装置10は、軸の負荷変動によるベルト荷重(応力)―ひずみ特性を解析するため、駆動軸及び従動軸に負荷を加える機構を有するものである。このような負荷を加える機構の具体例として、例えば、図7に示したように、駆動軸と従動軸に任意のフライホイールを付加し、軸の負荷を変化させるようにするとよい。
【0036】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、実験装置の駆動軸、従動軸それぞれに任意の負荷を加えることにより、該負荷下の荷重(応力)―ひずみ特性を解析することができる。
【0037】
また、本発明の実験装置10は、駆動軸の加速度によるベルト18の荷重(応力)―ひずみ特性を解析するため、駆動源とするモータ13をモータ制御プログラムにより、駆動軸に任意の加速度を与えるものである。この駆動源の具体例としては、例えば、5相ステッピングモータを用いて、モータ制御プログラムにより、モータの加速度を10ms/kppsに設定した際、駆動軸の回転速度の特性は前述の図2に示した関係曲線1のようになる。
【0038】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、実験装置の駆動軸に対してモータ制御プログラムにより任意の加速度を与えることにより、該加速度下の荷重(応力)―ひずみ特性を解析することができる。
【0039】
また、本発明に係わる計測装置11,15は、駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間との関係を計測中に、計測用に設けたPC(パーソナルコンピュータ)のCPU追従速度に応じて発生するデータ落ち現象を回避するため、駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間との関係をリアルタイムで計測するものである。例えば、リアルタイム計測を実現可能なDSPボードを上記計測用PCに設けるものである。
【0040】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、計測中に計測用PCのCPU追従速度に応じて発生するデータ落ち現象を回避し、駆動軸と従動軸の回転量と時間との関係を精度良く、リアルタイムで計測することができる。
【0041】
ここで、駆動伝達部の動的伝達特性計測方法における機構解析モデルにより、上述の計測装置11で計測して得られた駆動軸の回転量と時間との関係を用いて、仮のベルト荷重(応力)―ひずみ特性から、従動軸の回転量と時間との関係を算出する方法について説明する。まず、実験装置10と対照付けて、下記に示す式(1)の運動方程式に基づいて、実験装置10の機構解析モデルを構築する。
[J][dθ/dt]+[C][dθ/dt]+[k][θ]=[T]・・・式(1)
ただし、[J]:各慣性モーメントを含む慣性モーメントマトリックス
[k]:ベルト剛性係数を含むバネ剛性マトリックス
[C]:ベルト粘性係数を含むバネ粘性マトリックス
[θ]:駆動軸、従動軸の回転角を含む回転角ベクトル
[T]:トルクベクトル
【0042】
図8は、実験装置10の機構解析モデルの一例を示す概略図で、図中、20は機構解析モデルで、該機構解析モデル20は、駆動軸の回転量と時間関係の計測装置21、プーリ22,27、粘弾性モデル23、モータ24、駆動軸負荷25、従動軸の回転量と時間関係の計測装置26、従動軸負荷28,29を有する。ここでは、実験装置10で計測して得られた駆動軸の回転量と時間との関係を示す計測値を機構解析モデル20に入力し、機構解析モデル20により、予め定義されたベルト荷重(応力)―ひずみ特性に基づいて、従動軸の回転量と時間との関係を算出する。
【0043】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、実験装置で計測して得られた駆動軸の回転量と時間との関係データに基づき、機構解析モデルを用いて、従動軸の回転量と時間との関係を効率的に計算することができる。
【0044】
図9は、ばねとダッシュポットからなる粘弾性モデル23の一例を示す図である。上記の機構解析モデル20は、任意の引張り試験から得られた駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を計算の初期値として予め定義するものである。機構解析モデル20において、例えばベルトのような粘弾性材料の弾性体および粘性体としての挙動を表現するため、図9に示すようなばねとダッシュポットによる粘弾性モデル23で表現する。前記式(1)におけるベルトの剛性係数マトリックス[k]の初期値は、前述の図3に示した任意の引張り試験から得られたベルト荷重―ひずみ特性曲線を用いて定義する。
【0045】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、解析の初期状態を容易に設定することができる。
【0046】
ここで、機構解析モデル20は、下記の式(2)に示した計算方法により、ベルト18の接触プーリの半径および接触プーリ角速度から求められるベルト瞬間ひずみに、実験装置10のベルトテンション付加機構によるベルトの初期ひずみに加えて、ベルトの瞬間ひずみを算出するものである。
Ε=ε + (∫ω dt −∫ω dt) / l・・・式(2)
ただし、Ε:ベルト瞬間ひずみ
ε:ベルト初期ひずみ
ω:駆動軸の回転角速度
:駆動軸プーリピッチ円半径
ω:従動軸の回転角速度
:従動軸プーリピッチ円半径
l:ベルトと駆動軸プーリ、従動軸プーリ接点間のベルト長さ
【0047】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、機構解析モデルにおいて、駆動伝達部の瞬間ひずみを計算することができる。
【0048】
機構解析モデル20は、実験装置10で計測して得られた駆動軸の回転量と時間との関係から、従動軸の回転量と時間との関係を所定の解析微小時間の間隔ごとに算出する際に、その計算途中で上記式(2)により算出された瞬間ひずみを用いて、駆動伝達部の瞬間張力を、その計算の瞬間に決定された駆動伝達部の荷重―ひずみ特性と対応付けて決定するものである。この際、ベルトが弛むときに、ベルト張力が0になるように設定しておく。
【0049】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、機構解析モデルにおいて、駆動伝達部の瞬間張力を計算することができる。
【0050】
本発明の駆動伝達部における動的伝達特性計測方法は、従動軸の回転量と時間との関係曲線に応じた計測値と、その算出値において、両者における同時刻の回転量の差分を取るため、従動軸の回転量と時間との関係を測定して得られるデータに対して、機構解析モデル20により解析された所定の解析微少時間の間隔と一致するように、間引き処理を施すようにしたものである。まず、従動軸の回転量と時間との関係を測定して得られるデータに対して、補間処理を行い、従動軸の回転量と時間との関係曲線を構成し、次に補間された関係曲線から、機構解析モデル20により解析された所定の解析微少時間の間隔と一致するように、等時間間隔にデータを抜き出し、差分計算用のデータを構成する。
【0051】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、従動軸の回転量と時間との関係曲線からの計測値と、その算出値において、両者における同時刻の回転量の差分を取るために、計測して得られた従動軸の回転量と時間との関係データを間引き処理することができる。
【0052】
また、本発明の駆動伝達部における動的伝達特性計測方法は、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値に基づいて、従動軸の回転量と時間との関係の計測値と、その計算値とを、後述するような最適手法を用いて、比較しながら、駆動伝達部における荷重(応力)―ひずみ特性を算出する。
【0053】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、最適手法を用いて、駆動伝達部の動的荷重(応力)―ひずみ特性を精度良く算出することができる。
【0054】
図10は、駆動伝達部の動的伝達特性計測方法における最適化手法の一例を説明するための図である。まず、図10に示す第一最適化ステップに示すような手順で解析を行う。本実施形態においては、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値にシフト量係数を乗じ、そのシフト量係数を設計変数として順次変化させ、機構解析モデル20で算出された従動軸の回転量と時間との関係と、計測された従動軸の回転量と時間との関係とを比較し、各回転量データ差分の合計値を最小にすることによって、シフト量係数を決定する第一最適化ステップについて以下に説明する。
上記第一最適化ステップにおいて、まず、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値にシフト量係数を乗じ、そのシフト量係数を単因子実験変数として、例えば、1から30(ベルトの物理特性の可能範囲)まで0.1間隔で順次変化させ、算出された従動軸の回転量と時間との関係(図4に示した関係曲線4)と、計測された従動軸の回転量と時間との関係(図4に示した関係曲線3)とを比較し、回転量データ差分の合計値が最小になるように、シフト量係数を決定する。次に、この決定されたシフト量係数を、後述する第二最適化ステップの計算に持ち込む。
【0055】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、シフト量係数を決定することにより、大域最適解を探索することができる。
【0056】
さらに、図10の第二最適化ステップに示すような手順で解析を行う。機構解析モデル20を用いて、上記シフト量係数を乗じたベルト荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データを設計変数として反復して変化させ、算出された従動軸の回転量と時間との関係と、その計測された回転量と時間との関係とを比較し、各回転量データ差分の合計値が最小になるように、駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定する第二最適化ステップについて以下に説明する。
上記第二最適化ステップにおいて、まず、上記シフト量係数を乗じたベルト荷重(応力)―ひずみ特性における荷重値(x)、および機構解析モデル20から算出された従動軸の回転量と時間との関係と、その計測された回転量と時間との関係における各回転量データ差分の合計値(y)の勾配を下記の式(3)で計算し、これによって適切な探索方向を決定する。
【0057】
【式3】
Figure 2004028948
【0058】
次に決定された探索方向に沿って、新しい設計変数が設定され、算出された従動軸の回転量と時間との関係と、その計測された回転量と時間との関係における各回転量データ差分の合計値が最小になるまで上記計算を繰り返す。
【0059】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、局部最適解を探索することができる。
【0060】
また、本発明の駆動伝達部における動的伝達特性計測方法に基づいて、荷重(応力)―ひずみ特性を決定する決定方法について説明する。これは、シフト量係数を乗じたベルト荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データを設計変数として反復して変化させる際、荷重(応力)―ひずみ特性において、各荷重がひずみ量の増加に伴い、単調増加するという制約条件を設け、駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定するための計算を行う途中、上記制約条件を満足しているかどうかを常にチェックし、制約条件を満足するように駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定する計算を繰り返し行うものである。
【0061】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測方法によれば、駆動伝達部における荷重(応力)―ひずみ特性を解析する際、荷重(応力)―ひずみ曲線の形を維持しながら解析を進めることができる。
【0062】
次に、駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を求める駆動伝達部の動的伝達特性計測システムについて以下に説明する。図11は、本発明が適用される駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムの一実施形態を示すブロック図で、図中、30は駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムで、該荷重(応力)―ひずみ特性計測システム30は、実験装置31,計測装置32,入力装置33,演算装置34,データ処理装置35,および表示装置36とで構成されている。ここで、実験装置31は実験装置駆動手段31aを有し、計測装置32は駆動軸、従動軸における回転量と時間との関係計測手段32aを有し、演算装置34は機構解析手段34a,第一最適化手段34b,第二最適化手段34c及びベルト荷重(応力)―ひずみ特性決定手段(図示せず)を有し、データ処理装置35は従動軸の回転量と時間との関係曲線における間引き処理手段35aを有している。これらの各手段は予め各装置に組み込まれている。実験装置31はモータと、該モータによって回転する駆動軸と、該駆動軸に取り付けたプーリと、該プーリに回したベルトと、そのベルトによって駆動する従動軸とで構成されている。この実験装置31の基本的な構成は、図7に示した実験装置10と同じである。計測装置32は各軸回転量と時間との関係を計測する、例えば、エンコーダで構成されている。演算装置34は、例えば普通のPCなどで構成される。
【0063】
本発明に係わる荷重(応力)―ひずみ特性計測システム30において、まず、実験装置駆動手段31aは、所定の実験条件で実験装置31を駆動し、次に、関係計測手段32aは、実験装置31の駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間との関係を計測し、次に、入力装置33は、計測装置32により計測して得られた駆動軸の回転量と時間との関係を演算装置34に入力し、機構解析手段34aは、予め定義したベルト荷重(応力)―ひずみ特性に基づいて、従動軸の回転量と時間との関係を算出し、次に、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性決定手段(図示せず)は、機構解析モデル20を用いて、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値にシフト量係数をかけ、そのシフト量係数を単因子実験変数として順次に変化させ、算出された従動軸の回転量と時間との関係と、その計測された回転量と時間との関係とを比較し、各回転量データ差分の合計値が最小になるように、シフト量係数を求め、求めたシフト量係数を第二最適化手段34cの計算に持ち込む。
【0064】
次に、第二最適化手段34cは、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値に上記シフト量係数をかけ、このベルト荷重(応力)―ひずみ特性の関係曲線における各荷重データを設計変数として反復して変化させ、算出された従動軸の回転量と時間との関係と、その計測された回転量と時間との関係とを比較し、各データ差分の合計値を最小にすることによって、駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定し、最後に、表示装置36により決定されたベルトの荷重(応力)―ひずみ特性を表示する。
【0065】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムによれば、駆動伝達部の動的荷重(応力)―ひずみ特性を精度良く解析することができる。
【0066】
また、駆動伝達部の動的伝達特性計測システムにおいて、実験装置31は、モータと、該モータによって回転する駆動軸とを備え、該駆動軸にプーリを取り付けた上、該プーリに、駆動伝達部としてベルトを回し、このベルトによって従動軸を駆動させる。この際、実験装置駆動手段31aは、実験装置31を駆動させるためのものである。
【0067】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムによれば、実験装置駆動手段を用いて、実験装置を駆動させることができる。
【0068】
また、駆動伝達部の動的伝達特性計測システムにおいて、実験装置31は、モータと、該モータによって回転する駆動軸とを備え、該駆動軸にプーリを取り付けた上、該プーリに、駆動伝達部としてベルトを回し、このベルトによって従動軸を駆動させる。この際、関係計測手段32aは、実験装置31における駆動軸の回転量と時間との関係と、従動軸の回転量と時間との関係とを計測するものである。
【0069】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムによれば、実験装置駆動手段を用いて、実験装置を駆動させるとともに、関係計測手段を用いて、駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間との関係を計測することができる。
【0070】
また、駆動伝達部の動的伝達特性計測システムにおいて、実験装置31の機構解析モデル20は、関係計測手段32aにより計測して得られた駆動軸の回転量と時間との関係を用いて、予め定義したベルト荷重(応力)―ひずみ特性から、機構解析手段34aにより、従動軸の回転量と時間との関係を算出するものである。
【0071】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムによれば、機構解析手段を用いて、所定の解析微少時間間隔で、従動軸の回転量と時間との関係を計算することができる。
【0072】
また、駆動伝達部の動的伝達特性計測システムは、関係計測手段32aにより計測して得られた従動軸の回転量と時間との関係を示すデータに対し、実験装置31の機構解析モデル20における所定の微少時間間隔と一致するように、間引き処理手段35aにより、間引き処理を行うものである。
【0073】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムによれば、間引き処理手段により、同時刻の従動軸の回転量と時間との関係曲線における計測値とその算出値との差分を取ることができる。
【0074】
また、駆動伝達部の動的伝達特性計測システムは、機構解析モデル20を用いて、ベルト荷重(応力)―ひずみ特性の初期値にシフト量係数を乗じ、そのシフト量係数を設計変数として順次変化させ、算出された従動軸の回転量と時間との関係と、その計測された回転量と時間との関係とを比較し、各回転量データ差分の合計値を最小にすることによって、上記シフト量係数を決定する演算装置34の第一最適化手段34bと、第一最適化手段34bにより算出されたベルト荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データを設計変数として反復して変化させ、算出された従動軸の回転量と時間との関係と、その計測された回転量と時間との関係とを比較し、各回転量データ差分の合計値を最小にすることによって、駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定する第二最適化手段34cとにより、駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定するものである。
【0075】
本発明に係わる駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムによれば、第一最適化手段と第二最適化手段とにより、負荷による駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を最適化することができる。
【0076】
以上、本発明における駆動伝達系の動的伝達特性決定方法に係わる各実施形態の各ステップを中心に説明してきたが、本発明は、システムとしても説明したように動的伝達特性決定システムとしての形態をとることも可能である。また、この各ステップを有する動的伝達特性決定方法と同様に、コンピュータに動的伝達特性決定方法を実行させるための、あるいは、コンピュータに動的伝達特性決定システムとして機能させるためのプログラムとしての形態も、あるいは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も可能である。
【0077】
本発明による動的伝達特性決定の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、メモリカードや、メモリスティック及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明における各実施形態の方法のステップ、あるいは、各実施形態のシステムの機能をコンピュータに実行させ、動的伝達特性決定の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当該機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上記のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記憶媒体に当該プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に関わる動的伝達特性決定の機能を実行することができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によると、駆動伝達部を含む、駆動軸と従動軸から構成された実験装置から、駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係を計測し、これに基づいて、実験装置の機構解析モデルにより、最適化手法を用いて、従動軸の回転量の実験データとその解析データとを比較しながら、大域最適解の探索と局部最適解の探索とに分け、各設計変数を反復して、両者が一致するように、短時間で効率よく駆動伝達部の速度の変化に伴う動的荷重(応力)―ひずみ特性を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる駆動伝達系の動的伝達特性解析方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図2】駆動軸の回転量と時間との関係と、従動軸の回転量と時間との関係とを計測した計測結果の一例を示す図である。
【図3】ベルト荷重(応力)―ひずみ特性曲線の初期値の一例を示す図である。
【図4】従動軸の回転量と時間との関係の算出値と、その計測値との関係の一例を示す図である。
【図5】計算が収束する際の従動軸の回転量と時間との関係曲線の算出値と、その計測値とを比較した一例を示した図である。
【図6】最後に決定された駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性曲線と、荷重(応力)―ひずみ特性曲線初期値とを比較した一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わる駆動伝達部の動的伝達特性計測方法を実行するための実験装置の基本構成の一例を示す図である。
【図8】実験装置の機構解析モデルの概略図である。
【図9】ばねとダッシュポットからなる粘弾性モデルの一例を示す図である。
【図10】駆動伝達部の動的伝達特性計測方法における最適化手法の一例を説明するための図である。
【図11】本発明が適用される駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性計測システムの一実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6…関係曲線、7…荷重(応力)―ひずみ特性曲線、8…荷重(応力)―ひずみ特性曲線の初期値を示す特性曲線、10,31…実験装置、11,15,21,26,32…計測装置、12,16,22,27…プーリ、13,24…モータ、14,25…駆動軸負荷、17,28,29…従動軸負荷、18…ベルト、20…機構解析モデル、23…粘弾性モデル、30…荷重(応力)―ひずみ特性計測システム、31…実験装置、32…計測装置、31a…実験装置駆動手段、32a…関係計測手段、33…入力装置、34…演算装置、34a…機構解析手段、34b…第一最適化手段、34c…第二最適化手段、35…データ処理装置、35a…間引き処理手段、36…表示装置。

Claims (18)

  1. 駆動部と駆動伝達部と従動部とからなる駆動伝達系の伝達特性を決定するための駆動伝達系の動的伝達特性決定方法において、前記駆動部の回転量と時間の関係を計測するとともに、前記従動部の回転量と時間の関係を計測し、該従動部の回転量と時間の関係の計測値に近づくように該従動部の回転量と時間の関係式をシミュレーションし、該シミュレーションによる計算値と、前記計測値との差が予め定められた範囲以下になるように、前記駆動伝達部の荷重―ひずみ、または応力―ひずみ特性を決定することを特徴とする駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  2. 前記駆動伝達部の荷重―ひずみ、または応力―ひずみ特性の初期値を設定し、最適手法を用いて、前記従動部の回転量と時間の関係の計測値と、前記シミュレーションによる計算値とを比較しながら、前記駆動伝達部の荷重―ひずみ、または応力―ひずみ特性を算出することを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  3. 前記駆動伝達部の荷重―ひずみ特性は、荷重付加の加速度と荷重―ひずみ特性の関係によって、動的特性を表現することを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  4. 駆動源とするモータと、該モータによって回転する駆動軸とを備え、該駆動軸にプーリを取り付けた上、該プーリにベルトを回し、該ベルトによって従動軸側プーリを駆動させて、該従動軸を回すための実験装置と、該実験装置の駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係を計測する計測装置とを用いて、前記駆動軸の回転量と時間の関係と、前記従動軸の回転量と時間の関係とを計測することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  5. 前記ベルトに任意の負荷(テンション)を付加することを特徴とする請求項4に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  6. 前記駆動軸及び/又は従動軸に負荷を加えることを特徴とする請求項4または5に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  7. 前記モータをモータ制御プログラムにより制御することにより、前記駆動軸に任意の加速度を与えることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  8. 前記駆動軸と従動軸それぞれの回転量と時間の関係をリアルタイムで計測することを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  9. 前記実験装置の機構解析モデルを構築し、該構築した機構解析モデルは、前記計測して得られた駆動軸の回転量と時間の関係を用いて、予め定義した荷重(応力)―ひずみ特性から、前記従動軸の回転量と時間の関係を算出することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  10. 前記機構解析モデルは、任意の準静的引張予備試験から得られた前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を計算の初期値として予め定義することを特徴とする請求項9に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  11. 前記機構解析モデルは、前記駆動伝達部の接触角、接触プーリの半径および接触プーリ角速度から求められる瞬間ひずみに、前記実験装置のテンション付加機構による駆動伝達部の初期ひずみを加えることを特徴とする請求項9または10に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  12. 前記機構解析モデルは、前記計測して得られた駆動軸の回転量と時間の関係から、前記従動軸の回転量と時間の関係を所定の微小時間間隔ごとに算出する際に、その計算途中における前記駆動伝達部の瞬間張力を、予め定義した駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性に対応付けて決定することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  13. 前記従動軸の回転量と時間との関係を計測して得られたデータに対して、前記機構解析モデルにおける所定の微少時間間隔と一致するように、間引き処理を施すことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  14. 前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性の初期値から、最適手法を用いて、前記従動軸の回転量と時間の関係の計測値と、前記シミュレーションによる計算値とを比較しながら、前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を算出することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  15. 前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性の初期値にシフト量係数を乗じ、該シフト量係数を設計変数として順次変化させて計算し、該計算した従動軸の回転量と時間の関係の計算値と、該従動軸の回転量と時間の関係の計測値とを比較し、各回転量データ差分の合計値を最小にすることによって、前記シフト量係数を決定する第一最適化ステップを有することを特徴とする請求項14に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  16. 前記機構解析モデルを用いて、前記シフト量係数を乗じた駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データを設計変数として反復して変化させて計算し、該計算した従動軸の回転量と時間の関係の計算値と、該従動軸の回転量と時間の関係の計測値とを比較し、各回転量データ差分の合計値を最小にすることによって、前記駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性を決定する第二最適化ステップを有することを特徴とする請求項14または15に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  17. 前記シフト量係数を乗じた駆動伝達部の荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データを設計変数として反復して変化させる際、前記荷重(応力)―ひずみ特性における各荷重データに対し、ひずみ量の増加に伴い、所定の制約条件を設けることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法。
  18. 請求項1ないし17のいずれか1に記載の駆動伝達系の動的伝達特性決定方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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