JP2004028847A - 極超低周波数電波を利用した測位システム、測位方法及び移動局 - Google Patents
極超低周波数電波を利用した測位システム、測位方法及び移動局 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる測位システムを提供する。
【解決手段】本発明は、三つの基地局1a〜1cと、移動局2とにより構成された測位システムであって、基地局の各々は、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波として、当該基地局の位置情報、及び、各基地局間で同期した時刻情報を含む信号を発信し、移動局2は、基地局1a〜1cからそれぞれ発信された電波を受信し、各受信電波にそれぞれ含まれる位置情報及び時刻情報に基づいて、当該移動局2の位置を求める。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、三つの基地局1a〜1cと、移動局2とにより構成された測位システムであって、基地局の各々は、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波として、当該基地局の位置情報、及び、各基地局間で同期した時刻情報を含む信号を発信し、移動局2は、基地局1a〜1cからそれぞれ発信された電波を受信し、各受信電波にそれぞれ含まれる位置情報及び時刻情報に基づいて、当該移動局2の位置を求める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線測位技術に関し、特に、極超低周波数電波を利用した測位システム、測位方法、及び、その測位方法を利用する移動局に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カーナビゲーションシステムや測量において、汎地球測位システム(GPS:global positioning system)が広く利用されている。GPSにおいては、複数の人工衛星に、それぞれ人工衛星の位置情報、及び、高精度同時刻同期技術による時刻情報を含む、マイクロ波帯域の電波を送信させている。そして、地上等の移動局において複数の人工衛星から電波を受信することにより、その移動局の位置を測定している。
【0003】
移動局の測位方法には、大きく分けて二つの方法がある。
第一の方法は、人工衛星からの電波に含まれている、位置情報及び時刻情報を地上局で復調し、複数の人工衛星から移動局へそれぞれ電波が到達するのに要した時間から、移動局と各人工衛星との距離をそれぞれ求め、三角測量と同様にして測位を行う方法である。この方法は、カーナビゲーションシステムにおいて一般に採用されている方法であり、次に説明する第二の方法よりも位置精度は劣るものの、リアルタイムで移動局の測位を行うことができる。
【0004】
第二の方法は、複数の複数の人工衛星からの電波に含まれる波数を計数することにより、その電波の波長と波数との積として、移動局と各人工衛星との距離をそれぞれ求めて測位を行う方法である。この方法は、GPS測量において一般に採用されている方法であり、上述の第一の方法よりも測定時間を要するものの、より正確な測位を行うことができる。
【0005】
さらに、移動局の測位にあたり、DGPS(differential GPS)も利用されている。DGPSでは、受信電波に含まれる精度劣化モード(SA:selective availability)を除去して誤差補正を行う。これにより、測位の高精度化を図ることができる。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、人工衛星からの電波の届きにくい場所では、GPSを利用して測位を行うことが困難である。例えば、水中では、人工衛星からのマイクロ波の電波が吸収されるため、GPSを利用することが困難である。また、例えば、工場や建設現場等においては、鉄骨や鉄塊等によってマイクロ波が反射されたり遮蔽されたりするため、GPSを利用することが困難である。
【0007】
なお、従来から使用されているロラン(LORAN:long range navigation)等の無線航法技術は、使用されている長波等の電波が水中に届きにくいため、水中における測位に適用することは困難である。
また、水中探査等に広く利用されている音波も、伝搬経路が水温や水流による影響を大きく受けるため、水中における測位に利用することは不適切である。
また、可視光線も、水中における減衰が大きく、特に、透明度の低い海中では視程が短過ぎるため、水中における測位に利用することが困難である。
【0008】
そこで、本発明は、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる側位システム及び測位方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明者は、極超低周波数電波ならば、水温や水流等の影響をほとんど受けずに水中を伝搬することができ、また、鉄塊等の金属中における減衰もわずかであることに着目した。そして、本発明者は、無線測位システムにおいて、搬送波として極超低周波数電波を利用すれば、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができることに想到した。
【0010】
そこで、本発明の極超低周波数電波を利用した測位システムによれば、複数の基地局と、移動局とにより構成された測位システムであって、基地局の各々は、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とする電波を発信し、移動局は、少なくとも二つ以上の基地局から発信された電波を受信して、当該移動局の位置を求めることを特徴とする。
【0011】
このように、本発明の測位システムによれば、地上の基地局から極超低周波数の搬送波が発信される。このため、GPSで使用されているマイクロ波が届きにく、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる。
なお、極超低周波数には、ELF(extremely low frequency)及びULF(ultra low frequency)が含まれる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、基地局は、時刻信号を含む電波を発信し、移動局は、時刻信号に基づいて、基地局から電波が当該移動局に到達するまでの所要時間を求め、所要時間に基づいて、基地局と当該移動局との距離を求め、基地局それぞれからの距離を共に満たす位置として、当該移動局の測位を行う。
【0013】
また、本発明において好ましくは、基地局は、各基地局間で同期した時刻信号を含む電波を発信し、移動局は、二つ一組の基地局から受信した電波どうしの位相差を、少なくとも二組以上について求め、これら位相差が共に生じる位置として、当該移動局の測位を行う。
なお、一つの基地局は、複数の組に含まれてもよい。
【0014】
また、本発明において好ましくは、搬送波は、各基地局間で同期して、パルス符号変調されている。
これにより、信号波形の歪みによって復調時にエラーが発生することを抑制することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、極超低周波数電波の周波数を0.1Hz〜3kHz範囲内とする。
【0016】
また、本発明において好ましくは、極超低周波数電波の周波数を0.1Hz〜300Hz範囲内とする。
【0017】
また、本発明において好ましくは、極超低周波数電波の周波数を0.1Hz〜30Hz範囲内とする。
【0018】
また、本発明の極超低周波数電波を利用した測位方法によれば、複数の基地局の各々から、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とした電波を発信し、移動局において、少なくとも二つ以上の基地局からそれぞれ発信された電波を受信して、当該移動局の位置を求めることを特徴とする。
【0019】
このように、本発明の測位方法によれば、地上の基地局から極超低周波数の搬送波が発信されるので、GPSにおいて使用されるマイクロ波が届きにくいためにGPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる。
【0020】
また、本発明の移動局によれば、複数の基地局から発信された、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とする電波を受信して、受信位置を求める、ことを特徴とする。
このように、本発明の移動局によれば、極超低周波数の搬送波の電波を受信するので、GPSにおいて使用されるマイクロ波が届きにくいためにGPSを利用することが困難な位置でも測位を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態の測位システムを説明するための模式図である。図1に示すように、本実施形態の測位システムは、四つの基地局1a〜1dと、一つの移動局2とから構成されている。基地局1a〜1dは、例えば、陸上に電波塔として設置されている。
【0022】
そして、各基地局1a〜1dは、それぞれ極超低周波数電波を搬送波とした電波を発信している。本実施形態では、搬送波の周波数を10Hz程度としている。そして、各基地局1a〜1dから発信される電波には、当該基地局の識別情報に加えて、当該基地局の位置情報を含めることが望ましい。ただし、移動局2において基地局の位置が既知である場合、電波に位置情報を含めなくともよい。
【0023】
また、移動局2は、基地局1a〜1dのうちの少なくとも二つ以上の基地局から発信された電波を受信して、当該移動局2の位置を求める。移動局2は、基地局から発信された電波を受信する受信機(図示せず)を有している。したがって、位置標定しようとする位置に移動局2を置くことにより、その位置を測位することができる。また、この移動局2をトラック等の車両に搭載すれば、カーナビゲーションシステムとして利用することができる。また、この移動局2を船舶に搭載すれば、電波航法に利用することができる。
【0024】
極超低周波数電波は、マイクロ波が伝搬できない水中や金属中もわずかな減衰で伝搬する。このため、極超低周波数電波を利用すれば、GPSの利用が困難な場所においても測位を行うことができる。
【0025】
このため、本発明は、例えば造船工場を初めとする、船体等の鉄塊存在する金属加工、製造現場における測位に利用して好適であり、特に、船体等の金属製の構造体の内部おける側位や、鉄骨ビルディング等や橋梁等の建造物の建設現場や、完成後の建造物内部における測位に利用して好適である。
【0026】
また、例えば、深海艇等の水中航走体の測位や、海底ケーブルの施設現場や海底資源の開発現場における測位に利用して好適である。
なお、極超低周波数電波を利用した測位方法は、水温や水流の影響が小さい点で、音波を用いた測位方法よりも優れている。
【0027】
以下、極超低周波数電波を受信した移動局2における測位方法について説明する。
先ず、測位方法の一例として、基地局との距離を求めることにより測位する方法について説明する。
この例では、各基地局1a〜1dは、時刻信号を含む電波を発信する。時刻信号は、搬送波に種々の変調を行って乗せるとよい。一方、移動局2は、全基地局1a〜1dのうち適当な三つの基地局から電波を受信する。ここでは、基地局1a〜1cから受信するものとする。
【0028】
そして、移動局2において、受信した電波に含まれる時刻信号に基づいて、基地局1a〜1cから電波が当該移動局2に到達するまでの所要時間をそれぞれ求める。すなわち、時刻信号から得られる発信時刻と受信時刻との時間差を求める。
【0029】
次に、受信した各基地局1a〜1cそれぞれからの所要時間Ta、Tb及びTcに基づいて、基地局と当該移動局との距離La、Lb及びLcを求める。すなわち、所要時間と電波の伝搬速度との積として距離が求められる。
【0030】
そして、基地局1a〜1c各々からの距離La、Lb及びLcを共に満たす位置として、当該移動局2の測位を行う。図2に示すように、基地局1aを中心とした半径Laの円A、基地局1bを中心とした半径Lbの円B、及び、基地局1cを中心とした半径Lcの円Cの交点として、移動局2の位置Pが求められる。
【0031】
なお、移動局2において電波の受信方角を検出すれば、最低二つの基地局からの電波を受信することにより、測位を行うこともできる。受信方角の検出には、従来公知の任意好適な技術を利用することができる。例えば、移動局2に複数のアンテナを設け、各アンテナにおける電波の到達時間差や位相差を求めることにより、受信方角を検出するとよい。
【0032】
次に、測位方法の他の例として、基地局からそれぞれ受信した電波の位相差により測位する方法について説明する。
この例では、各基地局1a〜1dは、各基地局間で同期した時刻信号を含む電波を発信する。一方、移動局2は、全基地局1a〜1dのうち、例えば三つの基地局から電波を受信する。ここでは、基地局1a〜1cから受信するものとする。
【0033】
そして、移動局2は、二つ一組の基地局から受信した電波どうしの位相差を、少なくとも二組以上について求める。ここでは、基地局1a及び1bからそれぞれ受信した電波どうしの位相差Φ1を求めるとともに、基地局1b及び1cからそれぞれ受信した電波どうしの位相差Φ2を求める。
【0034】
図3に示すように、二つの基地局からの受信電波どうしの位相差が等しい地点を結ぶと、双曲線が描ける。なお、等位相の地点は、両基地局間の垂直二等分線上に乗る。
【0035】
つぎに、これら位相差が共に生じる位置として、当該移動局の測位を行う。すなわち、図3に示すように、位相差Φ1の双曲線Iと、位相差Φ2の双曲線IIとの交点として、移動局2の位置が求められる。
【0036】
ところで、極超低周波数電波は、その波長が極めて長い。このため、搬送波の僅かな位相の差が、極めて長い距離の差に対応する。このため、測位の精度を上げるため、搬送波を各基地局間で同期してパルス符号変調(PCM)し、このパルス符号変調成分の位相差を求めて測位を行うことが好ましい。
【0037】
すなわち、各基地局において、情報信号をパルス列で作り、搬送波をパルス符号変調して情報信号を乗せて発信する。そして、移動局において、受信信号を復調して情報信号を取得するとよい。
【0038】
上述した実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。
【0039】
例えば、上述の実施形態においては、三つの基地局を設けた例について説明したが、本発明では、基地局の数は三つに限定されず、例えば四つ以上の基地局を設けてもよい。四つ以上の基地局からの受信電波を利用して測位を行えば、より正確な測位を行うことが可能となる。
【0040】
また、上述の実施形態においては、一つの移動局を設けた例について説明したが、本発明では、移動局の数は一つに限定されず、例えば二つ以上の移動局の測位をそれぞれ並行して行ってもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、基地局を陸上に設けた例について説明したが、本発明では、基地局の設置場所はこれに限定されず、例えば基地局を水上や水中に設けてもよい。
【0042】
また、上述の実施形態では、本発明による方法のみを使用して測位をする例について説明したが、例えばGPSが利用できる場合には、本発明とGPSとを組み合わせて測位を行ってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る極超低周波数電波を利用した測位システム及び測位方法の実施形態を示す模式図である。
【図2】測位方法の一例の説明図である。
【図3】測位方法の他の例の説明図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線測位技術に関し、特に、極超低周波数電波を利用した測位システム、測位方法、及び、その測位方法を利用する移動局に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カーナビゲーションシステムや測量において、汎地球測位システム(GPS:global positioning system)が広く利用されている。GPSにおいては、複数の人工衛星に、それぞれ人工衛星の位置情報、及び、高精度同時刻同期技術による時刻情報を含む、マイクロ波帯域の電波を送信させている。そして、地上等の移動局において複数の人工衛星から電波を受信することにより、その移動局の位置を測定している。
【0003】
移動局の測位方法には、大きく分けて二つの方法がある。
第一の方法は、人工衛星からの電波に含まれている、位置情報及び時刻情報を地上局で復調し、複数の人工衛星から移動局へそれぞれ電波が到達するのに要した時間から、移動局と各人工衛星との距離をそれぞれ求め、三角測量と同様にして測位を行う方法である。この方法は、カーナビゲーションシステムにおいて一般に採用されている方法であり、次に説明する第二の方法よりも位置精度は劣るものの、リアルタイムで移動局の測位を行うことができる。
【0004】
第二の方法は、複数の複数の人工衛星からの電波に含まれる波数を計数することにより、その電波の波長と波数との積として、移動局と各人工衛星との距離をそれぞれ求めて測位を行う方法である。この方法は、GPS測量において一般に採用されている方法であり、上述の第一の方法よりも測定時間を要するものの、より正確な測位を行うことができる。
【0005】
さらに、移動局の測位にあたり、DGPS(differential GPS)も利用されている。DGPSでは、受信電波に含まれる精度劣化モード(SA:selective availability)を除去して誤差補正を行う。これにより、測位の高精度化を図ることができる。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、人工衛星からの電波の届きにくい場所では、GPSを利用して測位を行うことが困難である。例えば、水中では、人工衛星からのマイクロ波の電波が吸収されるため、GPSを利用することが困難である。また、例えば、工場や建設現場等においては、鉄骨や鉄塊等によってマイクロ波が反射されたり遮蔽されたりするため、GPSを利用することが困難である。
【0007】
なお、従来から使用されているロラン(LORAN:long range navigation)等の無線航法技術は、使用されている長波等の電波が水中に届きにくいため、水中における測位に適用することは困難である。
また、水中探査等に広く利用されている音波も、伝搬経路が水温や水流による影響を大きく受けるため、水中における測位に利用することは不適切である。
また、可視光線も、水中における減衰が大きく、特に、透明度の低い海中では視程が短過ぎるため、水中における測位に利用することが困難である。
【0008】
そこで、本発明は、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる側位システム及び測位方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明者は、極超低周波数電波ならば、水温や水流等の影響をほとんど受けずに水中を伝搬することができ、また、鉄塊等の金属中における減衰もわずかであることに着目した。そして、本発明者は、無線測位システムにおいて、搬送波として極超低周波数電波を利用すれば、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができることに想到した。
【0010】
そこで、本発明の極超低周波数電波を利用した測位システムによれば、複数の基地局と、移動局とにより構成された測位システムであって、基地局の各々は、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とする電波を発信し、移動局は、少なくとも二つ以上の基地局から発信された電波を受信して、当該移動局の位置を求めることを特徴とする。
【0011】
このように、本発明の測位システムによれば、地上の基地局から極超低周波数の搬送波が発信される。このため、GPSで使用されているマイクロ波が届きにく、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる。
なお、極超低周波数には、ELF(extremely low frequency)及びULF(ultra low frequency)が含まれる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、基地局は、時刻信号を含む電波を発信し、移動局は、時刻信号に基づいて、基地局から電波が当該移動局に到達するまでの所要時間を求め、所要時間に基づいて、基地局と当該移動局との距離を求め、基地局それぞれからの距離を共に満たす位置として、当該移動局の測位を行う。
【0013】
また、本発明において好ましくは、基地局は、各基地局間で同期した時刻信号を含む電波を発信し、移動局は、二つ一組の基地局から受信した電波どうしの位相差を、少なくとも二組以上について求め、これら位相差が共に生じる位置として、当該移動局の測位を行う。
なお、一つの基地局は、複数の組に含まれてもよい。
【0014】
また、本発明において好ましくは、搬送波は、各基地局間で同期して、パルス符号変調されている。
これにより、信号波形の歪みによって復調時にエラーが発生することを抑制することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、極超低周波数電波の周波数を0.1Hz〜3kHz範囲内とする。
【0016】
また、本発明において好ましくは、極超低周波数電波の周波数を0.1Hz〜300Hz範囲内とする。
【0017】
また、本発明において好ましくは、極超低周波数電波の周波数を0.1Hz〜30Hz範囲内とする。
【0018】
また、本発明の極超低周波数電波を利用した測位方法によれば、複数の基地局の各々から、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とした電波を発信し、移動局において、少なくとも二つ以上の基地局からそれぞれ発信された電波を受信して、当該移動局の位置を求めることを特徴とする。
【0019】
このように、本発明の測位方法によれば、地上の基地局から極超低周波数の搬送波が発信されるので、GPSにおいて使用されるマイクロ波が届きにくいためにGPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる。
【0020】
また、本発明の移動局によれば、複数の基地局から発信された、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とする電波を受信して、受信位置を求める、ことを特徴とする。
このように、本発明の移動局によれば、極超低周波数の搬送波の電波を受信するので、GPSにおいて使用されるマイクロ波が届きにくいためにGPSを利用することが困難な位置でも測位を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態の測位システムを説明するための模式図である。図1に示すように、本実施形態の測位システムは、四つの基地局1a〜1dと、一つの移動局2とから構成されている。基地局1a〜1dは、例えば、陸上に電波塔として設置されている。
【0022】
そして、各基地局1a〜1dは、それぞれ極超低周波数電波を搬送波とした電波を発信している。本実施形態では、搬送波の周波数を10Hz程度としている。そして、各基地局1a〜1dから発信される電波には、当該基地局の識別情報に加えて、当該基地局の位置情報を含めることが望ましい。ただし、移動局2において基地局の位置が既知である場合、電波に位置情報を含めなくともよい。
【0023】
また、移動局2は、基地局1a〜1dのうちの少なくとも二つ以上の基地局から発信された電波を受信して、当該移動局2の位置を求める。移動局2は、基地局から発信された電波を受信する受信機(図示せず)を有している。したがって、位置標定しようとする位置に移動局2を置くことにより、その位置を測位することができる。また、この移動局2をトラック等の車両に搭載すれば、カーナビゲーションシステムとして利用することができる。また、この移動局2を船舶に搭載すれば、電波航法に利用することができる。
【0024】
極超低周波数電波は、マイクロ波が伝搬できない水中や金属中もわずかな減衰で伝搬する。このため、極超低周波数電波を利用すれば、GPSの利用が困難な場所においても測位を行うことができる。
【0025】
このため、本発明は、例えば造船工場を初めとする、船体等の鉄塊存在する金属加工、製造現場における測位に利用して好適であり、特に、船体等の金属製の構造体の内部おける側位や、鉄骨ビルディング等や橋梁等の建造物の建設現場や、完成後の建造物内部における測位に利用して好適である。
【0026】
また、例えば、深海艇等の水中航走体の測位や、海底ケーブルの施設現場や海底資源の開発現場における測位に利用して好適である。
なお、極超低周波数電波を利用した測位方法は、水温や水流の影響が小さい点で、音波を用いた測位方法よりも優れている。
【0027】
以下、極超低周波数電波を受信した移動局2における測位方法について説明する。
先ず、測位方法の一例として、基地局との距離を求めることにより測位する方法について説明する。
この例では、各基地局1a〜1dは、時刻信号を含む電波を発信する。時刻信号は、搬送波に種々の変調を行って乗せるとよい。一方、移動局2は、全基地局1a〜1dのうち適当な三つの基地局から電波を受信する。ここでは、基地局1a〜1cから受信するものとする。
【0028】
そして、移動局2において、受信した電波に含まれる時刻信号に基づいて、基地局1a〜1cから電波が当該移動局2に到達するまでの所要時間をそれぞれ求める。すなわち、時刻信号から得られる発信時刻と受信時刻との時間差を求める。
【0029】
次に、受信した各基地局1a〜1cそれぞれからの所要時間Ta、Tb及びTcに基づいて、基地局と当該移動局との距離La、Lb及びLcを求める。すなわち、所要時間と電波の伝搬速度との積として距離が求められる。
【0030】
そして、基地局1a〜1c各々からの距離La、Lb及びLcを共に満たす位置として、当該移動局2の測位を行う。図2に示すように、基地局1aを中心とした半径Laの円A、基地局1bを中心とした半径Lbの円B、及び、基地局1cを中心とした半径Lcの円Cの交点として、移動局2の位置Pが求められる。
【0031】
なお、移動局2において電波の受信方角を検出すれば、最低二つの基地局からの電波を受信することにより、測位を行うこともできる。受信方角の検出には、従来公知の任意好適な技術を利用することができる。例えば、移動局2に複数のアンテナを設け、各アンテナにおける電波の到達時間差や位相差を求めることにより、受信方角を検出するとよい。
【0032】
次に、測位方法の他の例として、基地局からそれぞれ受信した電波の位相差により測位する方法について説明する。
この例では、各基地局1a〜1dは、各基地局間で同期した時刻信号を含む電波を発信する。一方、移動局2は、全基地局1a〜1dのうち、例えば三つの基地局から電波を受信する。ここでは、基地局1a〜1cから受信するものとする。
【0033】
そして、移動局2は、二つ一組の基地局から受信した電波どうしの位相差を、少なくとも二組以上について求める。ここでは、基地局1a及び1bからそれぞれ受信した電波どうしの位相差Φ1を求めるとともに、基地局1b及び1cからそれぞれ受信した電波どうしの位相差Φ2を求める。
【0034】
図3に示すように、二つの基地局からの受信電波どうしの位相差が等しい地点を結ぶと、双曲線が描ける。なお、等位相の地点は、両基地局間の垂直二等分線上に乗る。
【0035】
つぎに、これら位相差が共に生じる位置として、当該移動局の測位を行う。すなわち、図3に示すように、位相差Φ1の双曲線Iと、位相差Φ2の双曲線IIとの交点として、移動局2の位置が求められる。
【0036】
ところで、極超低周波数電波は、その波長が極めて長い。このため、搬送波の僅かな位相の差が、極めて長い距離の差に対応する。このため、測位の精度を上げるため、搬送波を各基地局間で同期してパルス符号変調(PCM)し、このパルス符号変調成分の位相差を求めて測位を行うことが好ましい。
【0037】
すなわち、各基地局において、情報信号をパルス列で作り、搬送波をパルス符号変調して情報信号を乗せて発信する。そして、移動局において、受信信号を復調して情報信号を取得するとよい。
【0038】
上述した実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。
【0039】
例えば、上述の実施形態においては、三つの基地局を設けた例について説明したが、本発明では、基地局の数は三つに限定されず、例えば四つ以上の基地局を設けてもよい。四つ以上の基地局からの受信電波を利用して測位を行えば、より正確な測位を行うことが可能となる。
【0040】
また、上述の実施形態においては、一つの移動局を設けた例について説明したが、本発明では、移動局の数は一つに限定されず、例えば二つ以上の移動局の測位をそれぞれ並行して行ってもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、基地局を陸上に設けた例について説明したが、本発明では、基地局の設置場所はこれに限定されず、例えば基地局を水上や水中に設けてもよい。
【0042】
また、上述の実施形態では、本発明による方法のみを使用して測位をする例について説明したが、例えばGPSが利用できる場合には、本発明とGPSとを組み合わせて測位を行ってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、GPSを利用することが困難な場合においても測位を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る極超低周波数電波を利用した測位システム及び測位方法の実施形態を示す模式図である。
【図2】測位方法の一例の説明図である。
【図3】測位方法の他の例の説明図である。
Claims (9)
- 複数の基地局と、移動局とにより構成された測位システムであって、
上記基地局の各々は、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とする電波を発信し、
上記移動局は、少なくとも二つ以上の上記基地局から発信された電波を受信して、当該移動局の位置を求める、
ことを特徴とする極超低周波数電波を利用した測位システム。 - 上記基地局は、時刻信号を含む電波を発信し、
上記移動局は、上記時刻信号に基づいて、基地局から電波が当該移動局に到達するまでの所要時間を求め、
上記所要時間に基づいて、基地局と当該移動局との距離を求め、
基地局それぞれからの距離を共に満たす位置として、当該移動局の測位を行う、
請求項1記載の極超低周波数電波を利用した測位システム。 - 上記基地局は、各基地局間で同期した時刻信号を含む電波を発信し、
上記移動局は、二つ一組の基地局から受信した電波どうしの位相差を、少なくとも二組以上について求め、
これら位相差が共に生じる位置として、当該移動局の測位を行う、
請求項1記載の極超低周波数電波を利用した測位システム。 - 上記搬送波は、各基地局間で同期して、パルス符号変調されている、請求項1、2又は3記載の極超低周波数電波を利用した測位システム。
- 上記搬送波の周波数を0.1Hz〜3kHzの範囲内とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の極超低周波数電波を利用した測位システム。
- 上記搬送波の周波数を0.1Hz〜300Hzの範囲内とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の極超低周波数電波を利用した測位システム。
- 上記搬送波の周波数を0.1Hz〜30Hzの範囲内とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の極超低周波数電波を利用した測位システム。
- 複数の基地局の各々から、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とした電波を発信し、
移動局において、少なくとも二つ以上の上記基地局からそれぞれ発信された電波を受信して、当該移動局の位置を求める、
ことを特徴とする極超低周波数電波を利用した測位方法。 - 複数の基地局から発信された、3kHz以下の極超低周波数電波を搬送波とする電波を受信して、受信位置を求める、
ことを特徴とする移動局。
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2004028847A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010535335A (ja) * | 2007-08-01 | 2010-11-18 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 構造内の対象物の位置を決定する方法 |
GB2491332A (en) * | 2010-07-15 | 2012-12-05 | Peepo Gps Ltd | An ultra low frequency navigation system |
JP2019035389A (ja) * | 2017-08-18 | 2019-03-07 | 株式会社酉島製作所 | 立軸ポンプ |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187242A patent/JP2004028847A/ja active Pending
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