JP2004028819A - 微量成分濃縮装置及び濃縮方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の濃縮装置10は、溶媒に微量成分が溶解してなる溶液12を蓄える試料容器50と、試料容器50の内圧を低下させる減圧手段52とを備え、前記内圧を、揮散しようとする溶媒の沸点が前記溶液12の温度と等しくなる気圧よりも高く維持することにより、溶液12の突沸・沸騰を抑えつつ溶媒を効率よく揮散させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒に微量成分が溶解してなる溶液を濃縮する濃縮装置、及び濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、工業用水や工場排水、あるいは焼却場周辺の土壌にppm〜ppbオーダーで含まれるダイオキシン類やコプラナーPCBのガスクロマトグラフ質量分析計(以下、「GC/MS」という。)を用いた同定・定量は、一般的にJISK 0312に記載の方法に基づいて行われている。また、上記工業用水や工場排水以外の他の媒体に微量に含まれるダイオキシン類やコプラナーPCBのGC/MSを用いた同定・定量についても、JISまたは官公庁が作成している測定マニュアルに、JIS K 0312と同様の方法が記載されている。
【0003】
詳細には、かかる同定・定量は、図4のフロー図に従えば、工業用水や工場排水などの媒体から試料を採取する工程と、試料からダイオキシン類やコプラナーPCBなどの測定対象物質を抽出する工程と、この抽出液からカラムクロマトグラフ操作などによって測定妨害物質を取り除いて試料を精製するクリーンアップ工程と、このクリーンアップ後に得られる溶出液を濃縮して、GC/MS測定用試料を調製する濃縮工程と、この測定用試料をGC/MSで測定する工程とから構成される。
【0004】
特に上記濃縮工程は、前記JIS K 0312に記載の方法に基づけば、クリーンアップ後の溶出液をロータリーエバポレーターなどを用いて一定量まで減圧濃縮した後、続いて窒素気流によって溶媒を揮散除去することにより、前記減圧濃縮後の溶液(溶出液)をさらに約1/100〜1/50まで濃縮することによって行われている。
【0005】
ここで、図5に、上記窒素気流による溶媒の揮散除去の態様を示す。図5に従えば、溶媒の揮散除去には、前記減圧濃縮後の溶液100を蓄えて、かつ開口部102には連結管104が接続されてなるクデルナダニッシュ濃縮管(以下、「KD濃縮管」という。)106を用いる。そしてこのKD濃縮管106に、連結管104の開口部108からパスツールピペット110を差し入れた後、パスツールピペット110の基端部112から窒素ガスを流し込み、その先端部114を介して前記溶液100の液面116に窒素ガスを吹付けることにより、溶媒を気化させて行う。なお、気化した溶媒は、連結管104に設けられた空気口118から排出される。
【0006】
しかしながら、上記方法は、JIS K 0312にも記載される通り、溶液100に大きな渦ができるほど窒素ガスを吹付けた場合に、溶液100中にppm〜ppbオーダーという超微量で存在するダイオキシン類やコプラナーPCBの損失を招くことがあり、GC/MSによる定量分析を不正確にした。その一方で、窒素ガスの吹付けが弱すぎると、溶媒の揮散スピードが遅くなり、上記一連の濃縮工程に多くの時間を費やすこととなった。このため、窒素ガスの吹付けは、溶液100の液面116が動いているのがようやく見える程度にして溶液100が飛散しないように注意しつつも、窒素ガスの吹付けが極端に弱くならないようにしなければならなかった。したがって、かかる窒素ガスの吹付けによる濃縮は、この揮散除去操作を時間経過で表す図5(a)〜(c)に示すように、窒素気流を調節しながら液面116とパスツールピペット110の先端部114との間に絶えず一定の空隙Lを設けて行い、溶媒の揮散(液面116の低下)に伴ってパスツールピペット110の位置も徐々に下げる必要があった。
【0007】
このため、前記減圧濃縮後の溶液を上記方法で濃縮する作業は、非常に煩雑で、神経を使うものであった。したがって、GC/MSを用いた定量分析において、短時間でかつ効率よく前記減圧濃縮後の溶液をさらに濃縮するには豊かな経験と熟練した技能を必要とした。また、上記JIS K 0312に記載の方法に基づいて得られる測定値にはばらつきが生じる場合があり、再現性のある測定値を得ることは困難であった。ここで、かかる測定値のばらつきは、上記窒素気流による溶媒の揮散除去操作における測定対象物質の損失が最も影響し、さらに、測定対象物質の損失は、上記揮散除去操作において最も大きいと予想された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、溶媒に微量成分が溶解される溶液の濃縮において、熟練した技能を要せず、操作が容易で短時間で行うことができ、かつ微量成分の損失をJIS K 0312に記載の従来法より低く抑えることができる濃縮装置、および濃縮方法を提供することにある。
【0009】
【発明を解決するための手段】
本発明にかかる微量成分濃縮装置の要旨とするところは、溶媒に微量成分が溶解してなる溶液の、前記溶媒を気化して前記溶液を濃縮する濃縮装置であって、該濃縮装置が、前記溶液を蓄える試料容器と、前記試料容器の内圧を低下させる減圧手段とを備え、前記内圧が、前記気化される溶媒の沸点を前記溶液の温度と等しくする気圧よりも高く維持されることにある。
【0010】
また、本発明にかかる微量成分濃縮装置において、前記内圧を定められた値に制御する内圧制御手段を備えることにある。
【0011】
かかる構成により、試料容器内の溶媒は突沸・沸騰したりすることなく、溶液の液面を穏やかな状態に保ったままで溶媒が速やかに揮散することとなる。なお、本明細書において、「微量」とは、測定単位がppmからppbオーダーの範囲を示すものである。
【0012】
また、本発明にかかる微量成分濃縮装置において、前記内圧が、前記気化される溶媒の沸点を前記溶液の温度と等しくする気圧より1〜10%高く維持されることにある。
【0013】
また、本発明にかかる微量成分濃縮装置において、前記内圧が、前記気化される溶媒の沸点を前記溶液の温度と等しくする気圧より3〜5%高く維持されることにある。
【0014】
かかる構成により、揮散しようとする溶媒の気化が、より速やかに起こることとなる。
【0015】
また、本発明にかかる微量成分濃縮装置において、前記溶液の温度を一定に保つ恒温手段を備えることにある。
【0016】
かかる構成により、溶媒の気化、あるいは外気温の変化に伴う溶液温度の変動が抑制される。
【0017】
また、本発明にかかる微量成分濃縮装置において、前記溶液の温度が25〜45℃であることにある。
【0018】
かかる構成により、揮散しようとする溶媒の気化が、より速やかに起こることとなる。
【0019】
また、本発明にかかる微量成分濃縮装置において、前記微量成分がダイオキシン類及びコプラナーPCBであることにある。
【0020】
かかる構成により、JIS K 0312に記載の、工業用水、工場排水中のダイオキシン類及びコプラナーPCBのGC/MSを用いた測定における、濃縮工程に好適に用いられることとなる。
【0021】
さらに、本発明にかかる微量成分濃縮方法の要旨とするところは、溶媒に微量成分が溶解してなる溶液の、前記溶媒を気化して前記溶液を濃縮する濃縮方法であって、該濃縮方法が、前記溶液を試料容器に蓄える工程と、前記試料容器の内圧を、前記気化される溶媒の沸点が前記溶液の温度と等しくなる気圧より高く維持する工程とを含むことにある。
【0022】
また、本発明にかかる微量成分濃縮方法において、前記内圧を、前記気化される溶媒の沸点が前記溶液の温度と等しくなる気圧より1〜10%高く維持することにある。
【0023】
また、本発明にかかる微量成分濃縮方法において、前記内圧を、前記気化される溶媒の沸点が前記溶液の温度と等しくなる気圧より3〜5%高く維持することにある。
【0024】
また、本発明にかかる微量成分濃縮方法において、前記溶液の温度を一定に維持することにある。
【0025】
また、本発明にかかる微量成分濃縮方法において、前記溶液の温度を25〜45℃とすることにある。
【0026】
また、本発明にかかる微量成分濃縮方法において、前記微量成分をダイオキシン類及びコプラナーPCBとすることにある。
【0027】
なお、かかる微量成分濃縮方法から生じる作用は、前記微量成分濃縮装置についての記載と同様であり、その詳しい説明は省略する。
【0028】
【発明の実施の態様】
本発明にかかる濃縮装置および濃縮方法の態様を図面にしたがって以下に詳しく説明する。
【0029】
図1は、本発明にかかる濃縮装置の第1実施形態を示す。また図2は、本発明にかかる濃縮装置の第2実施形態を示す。また図3は、本発明にかかる濃縮装置の第3実施形態を示す。
【0030】
図1に従えば、本発明の濃縮装置10は、溶媒に微量成分が溶解してなる溶液12を蓄えうるKD濃縮管14と、KD濃縮管14内を減圧するアスピレーター16と、KD濃縮管14の開口部18とアスピレーター16の吸引口17とを接続する接続手段20と、KD濃縮管14の周辺に配設されて、前記溶液12の液温を一定に保つ恒温槽22とを含んで構成される。なお、接続手段20は、KD濃縮管14の開口部18を塞ぐように嵌入される封じ栓24と、封じ栓24の略中央部に挿通されるガラス管26と、一端がガラス管26に、他端がアスピレーター16の吸引口17に装着される接続チューブ28とから構成される。また、接続チューブ28には、KD濃縮管14の内圧を調整するコック30と、KD濃縮管14の内圧をモニターする真空計29が設けられている。
【0031】
溶媒に微量成分が溶解してなる溶液12の濃縮は、KD濃縮管14内をアスピレーター16で減圧することにより行う。ここで、KD濃縮管14内の減圧は、揮散しようとする溶媒の沸点の低下を伴うが、かかる減圧は溶媒の沸点が溶液12の温度よりも高くなる範囲内で行う。これにより、KD濃縮管14内は飽和蒸気圧に達することなく溶媒の揮散が継続的に起こり、溶液12の濃縮を短時間で行うことができる一方、溶媒が突沸・沸騰しないため、溶液12の飛散により微量成分が損失することを防ぐことができる。
【0032】
KD濃縮管14の内圧は、飽和蒸気圧より低く、かつ揮散しようとする溶媒の沸点が溶液12の温度と等しくなる気圧より高い範囲にあればいずれでもよいが、好ましくは揮散しようとする溶媒の沸点を溶液12の温度と等しくする気圧より1〜100%、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは3〜5%高い範囲である。これにより、溶液12の飛散による微量成分の損失を防ぎながら溶媒の揮散をより速やかに行うことができる。なお、かかる内圧が1%以上〜3%未満の範囲で高く維持された場合は、溶液12の温度の微動によって溶媒が沸騰するおそれがある。また、かかる内圧が、5%より高い範囲で維持された場合は、溶媒の気化速度がやや鈍ることとなる。
【0033】
KD濃縮管14内に蓄えられる溶液12は、その液温が恒温槽22によって一定に保たれていることが好ましい。これにより、沸点換算図表(図示しない)を用いたKD濃縮管14の内圧の算出・設定が容易になる。また、外気温の変化や溶媒の気化に伴って溶液12の温度が変動することもないため、KD濃縮管14の内圧を、揮散しようとする溶媒の沸点と溶液12の温度とが等しくなる気圧のより近傍まで下げることが可能となる。
【0034】
溶液12の温度は、揮散しようとする溶媒の沸点より低く維持されるものであればいずれの温度であってもよい。ここで、沸点が常温(25℃)付近である低沸点溶媒を揮散させる場合には、溶液12の温度は常温よりも下げておくことが好ましい。これにより、KD濃縮管14内の減圧による溶媒の突沸・沸騰を防ぐことができる。一方、高沸点溶媒を揮散させる場合には、溶液12の温度は常温、あるいは室温よりも上げておくことが好ましい。これにより、僅かなKD濃縮管14内の減圧で溶媒をより速やかに気化させることができ、コストの削減が図れるだけでなく、濃縮時間の短縮を図ることができる。
【0035】
具体的には、溶液12の温度は0〜60℃の範囲にあることが好ましく、25〜45℃の範囲にあることがより好ましい。ここで、揮散しようとする溶媒が、溶液12の温度を0℃未満としなければならない低沸点溶媒である場合、本発明の濃縮装置10は、恒温槽22が備える温度コントローラー(図示しない)を氷点下にしなければならず、濃縮装置10の氷結防止対策が必要となるため、保守に時間を要することとなる。また、溶液12の温度を25℃未満に設定しようとすると、温度コントローラーが冷却手段を備えなければならない場合もあるためコスト高になる。一方、25℃以上であれば、加温型の温度コントローラーで対応できる場合が多いのでコスト面からも好ましい。また、溶液12の温度を45℃より高くすると、微量成分が飛散するおそれがある。さらに、溶液12の温度を60℃より高くすると、微量成分の飛散に加え、微量成分の分解が起こるおそれがある。
【0036】
以下に、JIS K 0312に記載されるダイオキシン類及びコプラナーPCBのGC/MSを用いた定量・同定(図4)において、第1実施形態の濃縮装置10をダイオキシン類及びコプラナーPCB溶液の濃縮工程で用いた場合の態様について説明する。
【0037】
ここにおいて、濃縮しようとするダイオキシン類及びコプラナーPCBの溶液は、ダイオキシン類及びコプラナーPCBが主にヘキサンとノナンとの混合溶媒に溶解して構成されており、濃縮工程は主にヘキサンを揮散してダイオキシン類及びコプラナーPCBをノナンに溶かし込むことにより行われる。
【0038】
ここで、ヘキサンの沸点は常圧(101325Pa)下では69℃である。このため、例えばダイオキシン類及びコプラナーPCB溶液の温度を30℃に設定した場合、ヘキサンは、沸点換算図表(図示しない)から約23980Paで沸点(30℃)に達することとなる。したがって、第1実施形態における濃縮装置10をJIS K 0312に記載の濃縮工程で用いる場合、KD濃縮管14の内圧は、約24699(23980×1.03)Pa以上25179(23980×1.05)Pa以下とすることが好ましい。
【0039】
なお、図1に記載の第1実施形態における濃縮装置10は、接続チューブ28にトラップ(図示しない)を接続しておくことが好ましい。これにより、アスピレーター16が気化した溶媒を吸うことを防ぐことができる。また、かかるトラップは、アスピレーター16自体に備えられる態様であってもよい。
【0040】
また、図2に従えば、本発明の濃縮装置10は、先の第1実施形態において接続チューブ28にコック30が配設されずに構成されている。かかる構成は、揮散しようとする溶媒の沸点と溶液12の温度との関係で、アスピレーター16によるKD濃縮管14内の到達真空度では溶媒は到底沸点に到達し得ず、KD濃縮管14内の気圧を調整する必要がない場合において有効となる。これにより、本発明の濃縮装置10は、コック30を設ける手間を省くことができ、コストの削減も図ることができる。
【0041】
なお、他の部分の構成などについては、先の第1の実施形態によるものと同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0042】
以上、本発明の濃縮装置、及び濃縮方法の実施態様を詳述したが、本発明は上述の実施態様に限定されるものではなく、その他の態様でも実施しうるものである。
【0043】
本発明の濃縮装置10を構成する試料容器50は、KD濃縮管14に限られるものではない。すなわち、本発明にかかる試料容器としての機能を果たし得るものであればいずれでもよく、好ましくは、微量成分が溶解してなる溶液を蓄えることができて、かつ容器を構成する成分が溶媒によって溶液中に溶け出さず、また容器内を減圧しても破損しないものである。具体的には、ナス型フラスコや試験管などの耐圧性のガラス容器を挙げることができる。なお、試料容器50としてKD濃縮管14を用いる場合には、かかるKD濃縮管14は耐圧性であることが好ましい。
【0044】
本発明の濃縮装置10を構成する減圧手段52は、試料容器50の内圧を下げることができるものであればいずれでもよい。したがって、本発明にかかる減圧手段52はアスピレーター16に限られるものではなく、例えば、バキュームラインやロータリーポンプ、あるいはディフュージョンポンプなど、その他の真空ポンプを用いてもよく、揮散しようとする溶媒の常温・常圧下での沸点に応じて使い分けることが好ましい。
【0045】
本発明の濃縮装置10を構成する内圧制御手段54は、前記コック30に限られるものではなく、試料容器50の内圧を調節し得るものであればいずれの態様であってもよい。なお、本発明の濃縮装置10を構成する減圧手段52が、内圧制御手段54を併せ有するものであることがより好ましい。
【0046】
本発明の濃縮装置10を構成する接続手段20は、封じ栓24や接続チューブ28を用いて、減圧手段52の吸引口17と試料容器50の開口部18とを直接接続する態様に限られるものではなく、減圧手段52によって試料容器50内の減圧を可能にするものであればいずれの態様であってもよい。したがって、図3に示すように、本発明にかかる接続手段20は、溶液12を蓄えて、かつ開口部18が開放されてなる試料容器50を収納しうる収納容器32を含んで構成されてもよい。これにより、複数のサンプルを同一条件下で一度に濃縮することが可能となる。また、本発明の濃縮装置10が恒温槽22を備える場合には、収納容器32の蓋部34に、収納容器32の内圧を維持しつつ恒温槽22のコード36を収納容器32外に引き出す引出口38を設けておくことが好ましい。ここで、収納容器32としては、上記使用態様に耐え得るものであればいずれでもよく、具体的に真空デシケーターを挙げることができる。
【0047】
なお、他の部分の構成などについては、先の第1の実施形態によるものと同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0048】
本発明の濃縮装置10を構成する接続手段20が封じ栓24を含んで構成される場合、かかる封じ栓24は、溶媒またはその蒸気に触れても膨潤したり成分が溶け出したりすることがないもの(耐溶媒性)であればいずれの材料からなってもよく、具体的にはシリコーンゴムやフッ素ゴムなどが挙げられる。
【0049】
また、本発明の濃縮装置10を構成する接続手段20における接続チューブ28は、一般に減圧操作時に用いられる耐圧性チューブであれば、軟質ポリ塩化ビニル管やポリエチレン管やシリコーンゴム管やPTFE管からなってもよい。なお、かかる管は、溶媒の蒸気に触れても管を構成する可塑剤などが溶け出して測定用試料を汚染することがないものであることが好ましい。
【0050】
本発明にかかる溶液を構成する溶媒は、微量成分を溶解しうるものであればいずれでもよく、ヘキサン−ノナンからなる混合系溶媒に限られるものではない。
したがって、かかる溶媒は、例えばアセトニトリル、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジオキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、デカン、2,2,4−トリメチルペンタン、トルエン、ベンゼンなどから選択される1または複数の有機溶媒から構成されてもよい。好ましくは、微量成分をGC/MSやHPLCなどの分析器で同定・定量する場合にキャリアーとして用いることができる溶媒である。これにより、かかる溶媒を含んで構成される微量成分濃縮液をそのまま分析器にインジェクトすることができる。
【0051】
ここで、JIS K 0312に記載されるように、上記濃縮工程において、微量成分を完全に乾固させた場合にあっても、かかる成分の損失が起こり得る。
このため、本発明において用いられる溶媒は、沸点が100℃を超える高沸点溶媒を一定量含んで構成されて、上記濃縮工程は、微量成分をかかる高沸点溶媒に溶かし込むことによって行うことが好ましい。これにより、濃縮工程における操作上のミスにより微量成分が容易に乾固することを防ぐことができる。
【0052】
また、本発明において用いられる溶媒が、沸点の異なる複数の溶媒から構成される混合系溶媒である場合には、沸点の低い溶媒から順に揮散するように試料容器50の内圧を調整することが好ましい。これにより、混合系溶媒を構成する溶媒のいずれもが沸点に達することがないため、溶液が飛散することにより微量成分が損失することを抑えることができる。
【0053】
本発明の濃縮装置10は、成分が溶媒中に微量に溶解してなる溶液の濃縮に好ましく用いることができるのであって、かかる成分は、ダイオキシン類やコプラナーPCBに限られるものではなく、一般的な有機物あるいは無機物であってよい。具体的には、ジエチルスチルペストロール(DES)、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ビスフェノールAなどの、内分泌撹乱物質(いわゆる環境ホルモン)を挙げることができる。
【0054】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施しうるものである。
【0055】
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではなく、その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
【0056】
(実施例1)
本発明の濃縮装置を構成するKD濃縮管に、試料の乾固を防ぐためにノナン60μlを添加し、次いで表1に記載の18種類のクリーンアップスパイク用内標準物質を所定量溶解してなるヘキサン溶液約500μlを加えて、その後さらにヘキサンを加えて、5mlのクリーンアップスパイク用内標準物質溶液を調製した。
【0057】
この溶液を本発明の濃縮装置(KD濃縮管の内圧;24900Pa、恒温槽の温度;30℃)で減圧濃縮し、60μlのクリーンアップスパイク用内標準物質濃縮溶液とした。
【0058】
かかる濃縮溶液に、表1に記載の3種類のシリンジスパイク用内標準物質を所定量添加した後、GC/MS測定用のバイアルに移しかえた。その後、底部に乾燥剤(シリカゲル)が敷設されたデシケーター中で一晩放置(自然濃縮)した。
一晩放置後、さらにノナンを加えて、25μlの測定用試料を調製した。
【0059】
(比較例1)
上記測定用試料の調製において、5mlのクリーンアップスパイク用内標準物質溶液から、JIS K 0312に記載される従来の窒素気流によって溶媒を除去して60μlのクリーンアップスパイク用内標準物質濃縮溶液とした以外は実施例1と同様にして、25μlの測定用試料を調製した。
【0060】
上記実施例1及び比較例1に記載の濃縮操作によって、溶液中に微量に存在する成分(クリーンアップスパイク用内標準物質)がどの程度損失したのかを調べるために、以下の実験を行った。
【0061】
先ず、上記実施例1及び比較例1に記載の操作をそれぞれ9回行い、計18個の測定用試料を調製した。
【0062】
(ダイオキシン類の4−6塩素化物の回収率測定)
かかる測定用試料の1個を、ダイオキシン類測定用カラム(SP−2331(スペルコ社製))が装着されたGC/MSにインジェクトして、クリーンアップスパイク用内標準物質中の4−6塩素化物について同定・定量分析を行った。この同定・定量分析を、残りの17個の各測定用試料についても行い、実施例1及び比較例1における4−6塩素化物の回収率を、JIS K 0312に記載の式;Rc=Acsi/Arsi×Qrsi/RRFrs×100/Qcsi
(ここにおいて、
Rc:クリーンアップスパイク用内標準物質の回収率(%)
Acsi:クリーンアップスパイク用内標準物質のピーク面積
Arsi:対応するシリンジスパイク用内標準物質のピーク面積
Qrsi:対応するシリンジスパイク用内標準物質の添加量(pg)
RRFrs:対応するシリンジスパイク用内標準物質との相対感度
Qcsi:対応するクリーンアップスパイク用内標準物質の添加量(pg)
を示す。)
に基づいて求めた。その結果(平均値)を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
ここで、回収率とは、クリーンアップスパイク用内標準物質について、KD濃縮管に投下したクリーンアップスパイク用内標準物質の量を100としたときの、上記実施例1あるいは比較例1から得られた測定用試料中のクリーンアップスパイク用内標準物質の相対量を意味する。
【0065】
(ダイオキシン類の7−8塩素化物の回収率測定)
ダイオキシン類測定用カラムとして、DB−17(J&W社製)を装着した以外は上記4−6塩素化物についての同定・定量分析と同様にして、クリーンアップスパイク用内標準物質中の7−8塩素化物について定量分析を行い、7−8塩素化物の回収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0066】
(コプラナーPCBの回収率測定)
コプラナーPCB測定用カラムとして、HT−8(SGE社製)を装着した以外は上記ダイオキシン類の4−6塩素化物についての同定・定量分析と同様にして、クリーンアップスパイク用内標準物質中のコプラナーPCBについて定量分析を行い、各塩素化物の回収率を求めた。その結果を表1に示す。なお、表1において、括弧内の数値はIUPAC No.を示す。
【0067】
なお、表1中、ダイオキシン類について、TeCDDはテトラクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、PeCDDはペンタクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、HxCDDはヘキサクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、HpCDDはヘプタクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、OCDDはオクタクロロジベンゾ−パラ−ジオキシンを指す。
【0068】
また、TeCDFはテトラクロロジベンゾフラン、PeCDFはペンタクロロジベンゾフラン、HxCDFはヘキサクロロジベンゾフラン、HpCDFはヘプタクロロジベンゾフラン、OCDFはオクタクロロジベンゾフランを指す。
【0069】
さらに、コプラナーPCBについて、TeCBはテトラクロロビフェニル、PeCBはペンタクロロビフェニル、HxCBはヘキサクロロビフェニル、HpCBはヘプタクロロビフェニルを指す。
【0070】
表1より、ダイオキシン類及びコプラナーPCBなどの成分が微量に溶解してなる溶液の濃縮において、本発明の濃縮装置を用いることにより、かかる微量成分の損失を従来の窒素気流による濃縮方法よりも低く抑えられることがわかった。
【0071】
【発明の効果】
本発明の濃縮装置は、溶媒に微量成分が溶解してなる溶液を濃縮する工程を減圧下で行うため、溶媒の揮散を短時間で、かつ効率よく行うことができる。
【0072】
また、本発明の濃縮装置は、かかる溶媒の揮散を突沸・沸騰させることなく行うため、溶液が飛散することを防ぐことができる。また、かかる濃縮工程における微量成分の損失を、従来の窒素気流による濃縮方法よりも低く抑えることができる。
【0073】
また、本発明の濃縮装置は、微量成分が溶解してなる溶液の温度を一定に維持することにより、試料容器の内圧を沸点換算図表から容易に決定することができる。また、試料容器の内圧を、濃縮操作を行う場所や季節によらずに画一的に設定することもできる。さらに、溶媒の揮散に伴う溶液の温度の変動を考慮する必要もない。
【0074】
また、溶液の温度を場合によっては室温よりも高く設定することにより、溶媒の揮散を促すことができ、濃縮工程に要する時間の短縮を図ることができる。
【0075】
本発明の濃縮装置は、溶媒に微量成分が溶解してなる溶液を濃縮する工程において、かかる溶液を試料容器に移す操作と、この試料容器内を減圧手段で所定の値に減圧する操作のみで行うことができる。したがって、かかる工程を簡易なものとすることができる。また、熟練した技能を必要とすることがないため、微量成分の定量分析において、測定値にばらつきが生じることを抑えることができ、再現性のある測定値を得ることができる。さらに、本発明の濃縮装置により、かかる工程を自動化することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる濃縮装置の第1実施形態を示す。
【図2】本発明にかかる濃縮装置の第2実施形態を示す。
【図3】本発明にかかる濃縮装置の第3実施形態を示す。
【図4】工業用水や工場排水中などに含まれるダイオキシン類やコプラナーPCBのGC/MSによる測定分析のフローを示す。
【図5】窒素気流による溶媒の揮散除去の態様を示す。
【符号の説明】
10:濃縮装置
12、100:溶液
14、106:KD濃縮管
16:アスピレーター
17:吸引口
18、102、108:開口部
20:接続手段
22:恒温槽
24:封じ栓
26:ガラス管
28:接続チューブ
29:真空計
30:コック
32:収納容器
34:蓋部
36:コード
38:引出口
50:試料容器
52:減圧手段
54:内圧制御手段
104:連結管
110:パスツールピペット
112:基端部
114:先端部
116:液面
118:空気口
Claims (13)
- 溶媒に微量成分が溶解してなる溶液の、前記溶媒を気化して前記溶液を濃縮する濃縮装置であって、該濃縮装置が、
前記溶液を蓄える試料容器と、
前記試料容器の内圧を低下させる減圧手段と、
を備え、
前記内圧が、前記気化される溶媒の沸点を前記溶液の温度と等しくする気圧よりも高く維持される微量成分濃縮装置。 - 前記内圧を定められた値に制御する内圧制御手段を備える請求項1に記載の微量成分濃縮装置。
- 前記内圧が、前記気化される溶媒の沸点を前記溶液の温度と等しくする気圧より1〜10%高く維持される請求項1または2に記載の微量成分濃縮装置。
- 前記内圧が、前記気化される溶媒の沸点を前記溶液の温度と等しくする気圧より3〜5%高く維持される請求項1または2に記載の微量成分濃縮装置。
- 前記溶液の温度を一定に保つ恒温手段を備える請求項1から4のいずれかに記載の微量成分濃縮装置。
- 前記溶液の温度が25〜45℃である請求項1から5のいずれかに記載の微量成分濃縮装置
- 前記微量成分がダイオキシン類及びコプラナーPCBである請求項1から6のいずれかに記載の微量成分濃縮装置。
- 溶媒に微量成分が溶解してなる溶液の、前記溶媒を気化して前記溶液を濃縮する濃縮方法であって、該濃縮方法が、
前記溶液を試料容器に蓄える工程と、
前記試料容器の内圧を、前記気化される溶媒の沸点が前記溶液の温度と等しくなる気圧より高く維持する工程と、
を含む微量成分濃縮方法。 - 前記内圧を、前記気化される溶媒の沸点が前記溶液の温度と等しくなる気圧より1〜10%高く維持する請求項8に記載の微量成分濃縮方法。
- 前記内圧を、前記気化される溶媒の沸点が前記溶液の温度と等しくなる気圧より3〜5%高く維持する請求項8に記載の微量成分濃縮方法。
- 前記溶液の温度を一定に維持する請求項8から10のいずれかに記載の微量成分濃縮方法。
- 前記溶液の温度を25〜45℃とする請求項8から11のいずれかに記載の微量成分濃縮方法。
- 前記微量成分をダイオキシン類及びコプラナーPCBとする請求項8から12のいずれかに記載の微量成分濃縮方法。
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