JP2004028320A - ピストンリング - Google Patents

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中村 隆広
Itsuo Nakasaki
中崎 五夫
Ryosuke Taihichi
對比地 亮佑
Masaru Kanai
金井 大
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Abstract

【課題】スターリング冷凍機等において、ピストンリングの摺動面に磨耗が生じてもガスリークを防止できるようにしたピストンリングを提供する。
【解決手段】ピストンリングの一部に凸部と凹部を有する一対のステップカットが設けられ、この一対のステップカットを凹凸嵌合により互いに組み合わせてピストン部の凹溝に装着するピストンリングであって、一対のステップカット2は、ピストンリング1の厚さ方向に沿って且つピストンリングの円周方向に沿って位置をずらして2組(第1ステップカット2Aと第2ステップカット2B)設ける。これら2組のステップカット2A、2Bは、下部垂直面と、これに続く中間水平面と、上部垂直面とをそれぞれ備える。凸部P、Qと凹部R、Sとの凹凸嵌合により相互に入り組んだ構造となり、合口隙間が生じてもガスバリアーとしての機能を発揮する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンリングに係るもので、特にスターリング冷凍機のピストンに装着するのに適したピストンリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガス圧縮機等のピントンにはピストンリングを装着し、ピストンの動きに伴ってピストンとシリンダとの間からガスリークが生じないように気密保持している。例えば、スターリング冷凍機の膨張部ピストンに用いられるピストンリングは、図8に示すようにピストンAの下部に設けられた複数の凹溝B内にピストンリングCをそれぞれ装着している。そして、ピストンリングCは凹溝Bに装着しやすいように、例えば図9に示すように一部に凸部Dと凹部Eを有する一対のステップカットFが設けられている。このピストンリングCを凹溝Bに装着すると、一対のステップカットFが凹凸嵌合により互いに組み合って環状となる。ステップカットFはスターリング冷凍機運転時にピストンリングCの合口G(凸部Dと凹部Eの突合せ接合部)の隙間がゼロになるように設計されている。尚、スターリング冷凍機の一例としては、特開平11−337208号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のスターリング冷凍機において、長期間にわたる運転によりピストンリングCの摺動面即ちシリンダの内壁に接触する外周面が磨耗すると、ピストンリングCは徐々に凹溝Bから外側にせり出してくる。その結果として、図10のようにピストンリングCの内径が拡大してステップカットFの合口Gに隙間Hが発生し、シリンダの下方部で生じる高温ガスが下部の合口隙間からピストンリングCの内側に流入すると共に、上部の合口隙間から外側に排出され、これが複数のピストンリングCで連鎖的に生じ、更にピストンAとシリンダ(図略)とのわずかな隙間を通って冷凍発生部(ピストンAの上方部)にガスリークする。このような冷凍発生部への高温ガスリークは、熱ロスによる冷凍性能の劣化を招く。
【0004】
本発明は、上記のようなガスリークを防止するためになされ、スターリング冷凍機の長期間の運転によりピストンリングの摺動面に磨耗が生じても高温ガスが冷凍発生部へリークしないようにしたピストンリングを提供することを目的とする。
【0005】
この目的を達成すべく本発明者らは鋭意研究した結果、ピストンリングのステップカットの構造に工夫を施すことによりガスリークを防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ピストンリングの一部に凸部と凹部を有する一対のステップカットが設けられ、この一対のステップカットを凹凸嵌合により互いに組み合わせてピストン部の凹溝に装着するピストンリングであって、前記一対のステップカットは、ピストンリングの厚さ方向に沿って且つピストンリングの円周方向に沿って位置をずらして2組設けたことを特徴とする。
【0007】
又、請求項2の発明は、前記2組のステップカットは、ピストンリングの軸線方向に沿う下部垂直面と、この下部垂直面に続いてピストンリングの円周方向に沿う中間水平面と、この中間水平面に続いてピストンリングの軸線方向に沿う上部垂直面とをそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3の発明は、前記2組のステップカットにおいて、上部垂直面の厚さをピストンリングの厚さの1/2未満に設定することにより2組のステップカットの中間水平面を連結させたことを特徴とする。
【0009】
本発明では、ピストンリングのステップカットを2組設けて交互に入り組む構造としたので、ピストンリングの摺動面が磨耗して徐々に合口に隙間が生じても、高温ガスはピストンリングの内側に流入しないので、冷凍発生部へのガスリークを防止して熱ロスによる冷凍性能の劣化を招くことがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るピストンリングの実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るピストンリングの第1実施形態を示すステップカット部分の斜視図である。
【0011】
図1において、1はピストンリングであり、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とグラファイトを主成分として所定の大きさの欠環状に一体成形されたものである。このピストンリング1は、欠環部に一対のステップカット2が設けられている。
【0012】
この場合、ステップカット2はピストンリング1の厚さ方向に沿って且つピストンリングの円周方向に沿って位置をずらして2組設けてある。即ち、2組のうちの第1ステップカット2Aは、ピストンリング1の摺動面1a(外面)寄りに設けられ、欠環部の一方の端部に設けられたピストンリング1の軸線方向に沿う下部垂直面2Aaと、この下部垂直面2Aaに続いてピストンリング1の円周方向に沿う中間水平面2Abと、この中間水平面2Abに続いてピストンリング1の軸線方向に沿う上部垂直面2Ac、及びこれらに対応するように他方の端部に設けられた下部垂直面2Adと、この下部垂直面2Adに続いてピストンリング1の円周方向に沿う中間水平面2Aeと、この中間水平面2Aeに続いてピストンリング1の軸線方向に沿う上部垂直面2Afとから構成されている。
【0013】
又、2組のうちの第2ステップカット2Bは、ピストンリング1の非摺動面1b(内面)寄りに設けられ、欠環部の一方の端部に設けられたピストンリング1の軸線方向に沿う下部垂直面2Baと、この下部垂直面2Baに続いてピストンリング1の円周方向に沿う中間水平面2Bbと、この中間水平面2Bbに続いてピストンリング1の軸線方向に沿う上部垂直面2Bc、及びこれらに対応するように他方の端部に設けられた下部垂直面2Bdと、この下部垂直面2Bdに続いてピストンリング1の円周方向に沿う中間水平面2Beと、この中間水平面2Beに続いてピストンリング1の軸線方向に沿う上部垂直面2Bfとから構成されている。
【0014】
これにより、第1ステップカット2Aと第2ステップカット2Bとは、ピストンリング1の厚みのほぼ1/2であって厚みの中央を境として背中合わせ状態となり、一対のステップカット2は相反方向に突出する凸部P、Qを備えると共に、これらの凸部P、Qが嵌まり込む凹部R、Sを備えた形態となる。
【0015】
凸部P、Qはそれぞれピストンリング1の高さのほぼ1/2の高さを有し、張り出し長さは下記計算式により設定する。
s=π(D−D′)  …(1)
e>s+t=π(D−D′)+h/2  …(2)
ここで、D:初期ピストンリング外径
h:ピストンリング高さ
e:張り出し長さ(ステップカット長さ)
s:合口隙間
t:ステップカット重なり部長さ
′:磨耗後のピストンリング外径
:シリンダの内径
【0016】
図4のようにピストンリング1の摺動面1aが磨耗して合口隙間が広がっても、最低限必要なステップカット重なり部の寸法をh/2とする。そして、例えば次のような寸法の場合を例にとって計算する。
=49.9mm
h=5mm
′=48.9mm
=50.0mm
初期ピストンリングの内径は43.9mmであり、磨耗量は0.5mmである。これらの数値を上記(1)、(2)式に代入すると、
e>s+t=π(D−D′)+h/2=5.96
となり、ステップカットの張り出し長さは6mm程度が望ましい。
ステップカット部をむやみに長くすると、ピストンリングの成形・加工が困難になると共に、シール性が完全ではないステップカット重なり部が増加することから、ピストンリングのとしての性能を損なう。従って、必要最小限のステップカット部長さにすることが望ましい。
【0017】
このように構成されたピストンリング1を、図示しないスターリング冷凍機の膨張部ピストンの凹溝内に装着すると、ステップカット2における2組のステップカット2A、2Bがそれぞれ凹凸嵌合して環状のピストンリングとなる。即ち、第1ステップカット2Aの凸部Pは凹部Rに嵌まり込み、第2ステップカット2Bの凸部Qは凹部Sに嵌まり込む。図2(a)はステップカット2を組み合わせた状態でのピストンリング1の平面図を示し、図2(b)は正面図を示している。尚、ピストンの凹溝は軸線方向に沿って3本並設され、これら3本の凹溝にピストンリング1をそれぞれ装着する。
【0018】
スターリング冷凍機の運転時には、ピストンリング1の熱膨張によりステップカット2における2組のステップカット2A、2Bの合口隙間がいずれもゼロになるように予め設計されている。従って、第1ステップカット2Aでは、下部垂直面2Aaと下部垂直面2Adとが面接触し、上部垂直面2Acと上部垂直面2Afとが面接触している。尚、中間水平面2Abと中間水平面2Aeも面接触する。第2ステップカット2Bも同様に、下部垂直面2Baと下部垂直面2Bdとが面接触し、上部垂直面2Bcと上部垂直面2Bfとが面接触し、中間水平面2Bbと中間水平面2Beも面接触する。
【0019】
スターリング冷凍機の長期間運転によってピストンリング1の摺動面1aが磨耗すると、ピストンリング1が押されて凹溝から徐々に外側にせり出してくる。このピストンリング1の押し出しは、凹溝の底部に存在するガス(凹溝とピストンリングとの僅かな隙間から凹溝内に流入)の膨張圧力が作用することによる。磨耗に伴ってピストンリング1が押し出されると、ピストンリング1の摺動面1aとシリンダ内壁との接触は維持されるが、ピストンリング1の内径が拡大することからステップカット2における2組のステップカット2A、2Bの合口に隙間が生じる。
【0020】
図3はステップカット2A、2Bの合口に隙間が生じた状態を示している。第1ステップカット2Aにおいて、下部垂直面2Aaと下部垂直面2Adとが離れて隙間Tが生じ、上部垂直面2Acと上部垂直面2Afとが離れて隙間Uが生じる。しかしながら、隙間Tに対しては、第2ステップカット2Bの凸部Qが凹部Sに嵌まり込んでおり、しかも凸部Qは前記ガス膨張圧力によって内側から外側に向けて押圧されて第1ステップカット2A側に密着している。これにより、隙間Tは凸部Qにより閉塞されることとなり、高温ガスが隙間Tからピストンリング1の内側に入り込むことはない。又、隙間Uに対しては、凹部Rの垂直面が凸部Pの内側面に密着しており、隙間Uが凹部Rにより閉塞されることから高温ガスの流入を防止することができる。中間水平面2Abと中間水平面2Aeとが密着していることも、高温ガスの流入防止に寄与している。
【0021】
一方、第2ステップカット2Bにおいても同様に、下部垂直面2Baと下部垂直面2Bdとの間に生じる隙間Vは凹部Sによって閉塞され、上部垂直面2Bcと上部垂直面2Bfとの間に生じる隙間Wは第1ステップカット2Aの凸部Pにより閉塞されるため、ピストンリング1の内側から外側にガスが抜け出ることはない。
【0022】
従って、シリンダの下方部で生じる高温ガスが、ピストンリング1の内側に流入し、次いでピストンリング1の外側に排出されて膨張シリンダの冷凍発生部側にガスリークすることはなくなり、冷凍性能の劣化を招くことがない。
【0023】
図5は、本発明に係るピストンリングの第2実施形態を示すステップカット部分の斜視図である。基本的な構成は第1実施形態のものに類似している。
図5において11はピストンリングであり、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とグラファイトを主成分として所定の大きさの欠環状に一体成形されたものである。このピストンリング11は、欠環部に一対のステップカット12が設けられている。
【0024】
ステップカット12はピストンリング11の厚さ方向に沿って且つピストンリングの円周方向に沿って位置をずらして2組設けてある。即ち、2組のうちの第1ステップカット12Aは、ピストンリング11の摺動面11a(外面)寄りに設けられ、欠環部の一方の端部に設けられたピストンリング11の軸線方向に沿う下部垂直面12Aaと、この下部垂直面12Aaに続いてピストンリング11の円周方向に沿う中間水平面12Abと、この中間水平面12Abに続いてピストンリング11の軸線方向に沿う上部垂直面12Ac、及びこれらに対応するように他方の端部に設けられた下部垂直面12Adと、この下部垂直面12Adに続いてピストンリング1の円周方向に沿う中間水平面12Aeと、この中間水平面12Aeに続いてピストンリング11の軸線方向に沿う上部垂直面12Afとから構成されている。
【0025】
2組のうちの第2ステップカット12Bは、ピストンリング11の非摺動面11b(内面)寄りに設けられ、欠環部の一方の端部に設けられたピストンリング11の軸線方向に沿う下部垂直面12Baと、この下部垂直面12Baに続いてピストンリング11の円周方向に沿う中間水平面12Bbと、この中間水平面12Bbに続いてピストンリング11の軸線方向に沿う上部垂直面12Bc、及びこれらに対応するように他方の端部に設けられた下部垂直面12Bdと、この下部垂直面12Bdに続いてピストンリング11の円周方向に沿う中間水平面12Beと、この中間水平面12Beに続いてピストンリング1の軸線方向に沿う上部垂直面12Bfとから構成されている。
【0026】
この第2実施形態においては、第1ステップカット12Aの下部垂直面12Adの厚さ(横幅)、及び第2ステップカット12Bの上部垂直面12Bcの厚さ(横幅)をそれぞれピストンリング11の厚さの1/2未満、この場合はほぼ1/3(厚さが薄くなるほど欠け易くなるため、1/3以上で1/2未満の範囲内であることが好ましい)に設定することで、第1ステップカット12Aの中間水平面12Abと第2ステップカット12Bの中間水平面12Bb、及び第1ステップカット12Aの中間水平面12Aeと第2ステップカット12Beをそれぞれ連結した構成に特徴を有する。
【0027】
このように構成されたピストンリング11を、図示しないスターリング冷凍機の膨張部ピストンの凹溝内に装着すると、ステップカット12における2組のステップカット12A、12Bがそれぞれ凹凸嵌合して環状のピストンリングとなる。即ち、第1ステップカット12Aの凸部1Pは凹部1Rに嵌まり込み、第2ステップカット12Bの凸部1Qは凹部1Sに嵌まり込む。図6(a)はステップカット12を組み合わせた状態でのピストンリング11の平面図を示し、図6(b)は正面図を示している。尚、ピストンの凹溝は軸線方向に沿って3本並設され、これら3本の凹溝にピストンリング11をそれぞれ装着する。
【0028】
本実施形態においても、スターリング冷凍機の運転時には、ピストンリング11の熱膨張によりステップカット12における2組のステップカット12A、12Bの合口隙間がいずれもゼロになるように予め設計されている。従って、第1ステップカット12Aでは、下部垂直面12Aaと下部垂直面12Adとが面接触し、上部垂直面12Acと上部垂直面12Afとが面接触している。第2ステップカット2Bも同様に、下部垂直面12Baと下部垂直面12Bdとが面接触し、上部垂直面12Bcと上部垂直面12Bfとが面接触する。尚、連結した一方の中間水平面12Abと中間水平面12Bbは、連結した他方の中間水平面12Aeと中間水平面12Beに面接触する。
【0029】
スターリング冷凍機の長期間運転によってピストンリング11の摺動面11aが磨耗すると、ピストンリング11が押されて凹溝から徐々に外側にせり出してくる。このピストンリング11の押し出しは、凹溝の底部に存在するガス(凹溝とピストンリングとの僅かな隙間から凹溝内に侵入)の膨張圧力が作用することによる。磨耗に伴ってピストンリング11が押し出されると、ピストンリング11の摺動面11aとシリンダ内壁との接触は維持されるが、ピストンリング11の内径が拡大することからステップカット12における2組のステップカット12A、12Bの合口に隙間が生じる。
【0030】
図7はステップカット12A、12Bの合口に隙間が生じた状態を示している。第1ステップカット12Aにおいて、下部垂直面12Aaと下部垂直面12Adとが離れて隙間1Tが生じ、上部垂直面12Acと上部垂直面12Afとが離れて隙間1Uが生じる。しかしながら、隙間1Tに対しては、第2ステップカット12Bの凸部1Qが凹部1Sに嵌まり込んでおり、しかも凸部1Qは前記ガス膨張圧力によって内側から外側に向けて押圧されて第1ステップカット12A側に密着している。これにより、隙間1Tは凸部1Qにより閉塞されることとなり、高温ガスが隙間1Tからピストンリング11の内側に入り込むことはない。又、隙間1Uに対しては、凹部1Rの垂直面が凸部1Pの内側面に密着しており、隙間1Uが凹部1Rにより閉塞されることから高温ガスの流入を防止することができる。
【0031】
第2ステップカット12Bにおいても同様に、下部垂直面12Baと下部垂直面12Bdとの間に生じる隙間1Vは凹部1Sによって閉塞され、上部垂直面12Bcと上部垂直面12Bfとの間に生じる隙間1Wは第1ステップカット12Aの凸部1Pにより閉塞されるため、ピストンリング11の内側から外側にガスが抜け出ることはない。
【0032】
本実施形態では、前記のように連結した一方の中間水平面12Abと中間水平面12Bbは、連結した他方の中間水平面12Aeと中間水平面12Beに面接触する。上記第1実施形態では、中間水平面2Abと中間水平面2Bbとは分断され、中間水平面2Aeと中間水平面2Beも分断されているため、凸部Pと凸部Qとは線接触であったが、本実施形態では、凸部1Pと凸部1Qとは一部面接触となる。即ち、凸部1Pの下面と凸部1Qの下面とが一部面接触で接合することになる。これにより、本実施形態の場合は、第1実施形態に比して高温ガスのリーク作用が向上する。
【0033】
従って、シリンダの下方部で生じる高温ガスが、ピストンリング11の内側に流入し、次いでピストンリング11の外側に排出されて膨張シリンダの冷凍発生部側にガスリークすることはなくなり、冷凍性能の劣化を招くことがない。
【0034】
尚、上記実施形態はいずれもスターリング冷凍機の膨張部ピストンに装着する例で説明したが、本発明のピストンリングはスターリング冷凍機の圧縮部ピストンに装着することもでき、更にスターリング冷凍機以外の機器や装置のピストンに装着することも可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る請求項1によれば、ピストンリングの一部に凸部と凹部を有する一対のステップカットが設けられ、この一対のステップカットを凹凸嵌合により互いに組み合わせてピストン部の凹溝に装着するピストンリングであって、前記一対のステップカットは、ピストンリングの厚さ方向に沿って且つピストンリングの円周方向に沿って位置をずらして2組設けたので、ピストンリングの摺動面が磨耗してステップカットに隙間が生じても、互いに入り組んだステップカット構造により隙間を閉塞することができる。これにより、スターリング冷凍機の膨張部ピストンに装着すると、高温ガスが冷凍発生部にリークするのを防止して冷凍性能の劣化を防ぐ効果を奏する。
【0036】
又、本発明に係る請求項2によれば、前記2組のステップカットは、ピストンリングの軸線方向に沿う下部垂直面と、この下部垂直面に続いてピストンリングの円周方向に沿う中間水平面と、この中間水平面に続いてピストンリングの軸線方向に沿う上部垂直面とをそれぞれ備えており、比較的簡単な構造であるためステップカットを低コストで一体成形することができる。
【0037】
更に、本発明に係る請求項3によれば、前記2組のステップカットにおいて、上部垂直面の厚さをピストンリングの厚さの1/2未満に設定することにより2組のステップカットの中間水平面を連結させたので、面接触によるステップカット相互の接合面積を増大させることができ、これによりガスバリアー効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピストンリングの第1実施形態を示すステップカット部分の斜視図である。
【図2】第1実施形態におけるステップカットを組み合わせた状態を示すもので、(a)はピストンリングの平面図、(b)はピストンリングの正面図である。
【図3】第1実施形態におけるステップカットの合口に隙間が生じた状態を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態におけるステップカット長さを計算する場合の参考図である。
【図5】本発明に係るピストンリングの第2実施形態を示すステップカット部分の斜視図である。
【図6】第2実施形態におけるステップカットを組み合わせた状態を示すもので、(a)はピストンリングの平面図、(b)はピストンリングの正面図である。
【図7】第2実施形態におけるステップカットの合口に隙間が生じた状態を示す斜視図である。
【図8】従来例におけるスターリング冷凍機の膨張部ピストンにピストンリングを装着した状態を示す斜視図である。
【図9】従来例におけるピストンリングを示す斜視図である。
【図10】従来例におけるピストンリングに合口隙間が生じた状態を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1…ピストンリング
2…ステップカット
2A…第1ステップカット
2Aa、2Ad…下部垂直面
2Ab、2Ae…中間水平面
2Ac、2Af…上部垂直面
2B…第2ステップカット
2Ba、2Bd…下部垂直面
2Bb、2Be…中間水平面
2Bc、2Bf…上部垂直面

Claims (3)

  1. ピストンリングの一部に凸部と凹部を有する一対のステップカットが設けられ、この一対のステップカットを凹凸嵌合により互いに組み合わせてピストン部の凹溝に装着するピストンリングであって、前記一対のステップカットは、ピストンリングの厚さ方向に沿って且つピストンリングの円周方向に沿って位置をずらして2組設けたことを特徴とするピストンリング。
  2. 前記2組のステップカットは、ピストンリングの軸線方向に沿う下部垂直面と、この下部垂直面に続いてピストンリングの円周方向に沿う中間水平面と、この中間水平面に続いてピストンリングの軸線方向に沿う上部垂直面とをそれぞれ備えていることを特徴とする請求項1記載のピストンリング。
  3. 前記2組のステップカットにおいて、上部垂直面の厚さをピストンリングの厚さの1/2未満に設定することにより2組のステップカットの中間水平面を連結させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のピストンリング。
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