JP2004028111A - 分析装置用軸受機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制でき、また回転が重くない分析装置用軸受機構を提供する。
【解決手段】分析装置の筐体5に対して2重軸7,8を回転自在に支持する分析装置用軸受機構において、外輪1、中央輪2および内輪3の転送面1a,2a,2b,3aがV形状の溝の表面であり、玉の各転動体4が内外両側の転送面1a,2aまたは2b,3aにそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、外輪1に筐体5への取付部材6が、中央輪2に2重軸の外軸7が、内輪3に2重軸の内軸8がそれぞれ直接取り付けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】分析装置の筐体5に対して2重軸7,8を回転自在に支持する分析装置用軸受機構において、外輪1、中央輪2および内輪3の転送面1a,2a,2b,3aがV形状の溝の表面であり、玉の各転動体4が内外両側の転送面1a,2aまたは2b,3aにそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、外輪1に筐体5への取付部材6が、中央輪2に2重軸の外軸7が、内輪3に2重軸の内軸8がそれぞれ直接取り付けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分析装置の筐体に対して軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、波長分散型で走査型の蛍光X線分析装置においては、図5に示すように、試料41にX線管等のX線源44から1次X線43を照射し、試料41から発生した蛍光X線(2次X線)45を、発散ソーラスリット53を通過させた後、分光素子46で分光し、分光された蛍光X線47の強度を検出器48で測定する。ここで、検出器48に入射する蛍光X線47の波長が変化するように、ゴニオメータと呼ばれる連動手段で分光素子46と検出器48とを連動させることにより、試料41に含まれる各元素から発生した蛍光X線45をそれぞれの波長に分光し、その強度を測定している。
【0003】
すなわち、蛍光X線45がある入射角θで分光素子46へ入射すると、その蛍光X線45の延長線49と分光素子46で分光(回折)された蛍光X線47は入射角θの2倍の分光角2θをなすが、連動手段は、分光角2θを変化させて分光される蛍光X線47の波長を変化させつつ、その分光された蛍光X線47が検出器48に入射するように、分光素子46を、その受光面の中心を通る紙面に垂直な軸心Oを中心に回転させ、その回転角の2倍だけ、検出器48を、軸心Oを中心に円52に沿って回転させる。さらに具体的には、軸心Oが分光素子46の受光面を通るように分光素子46が取り付けられるθ軸を回転させ、θ軸と軸心Oが共通で検出器48が取り付けられる2θ軸を、θ軸の回転角の2倍だけ回転させる。
【0004】
図4の縦断面図に示すように、このθ軸37と2θ軸38は2重軸を構成し、分析装置の筐体35に対して回転自在に支持される。軸37,38の振れは分析装置の精度に大きく影響するので極力抑制すべきであり、そのためには1つの軸について軸方向(図4の上下方向)に距離を置いて2つの軸受で、すなわち両持ちで支持するのが望ましいが、そうすると部品点数が多くなって軸受機構が複雑になり、組み立ても煩雑になってコストアップになるので、1つの軸について1つのクロスローラ軸受31,33で支持している。
【0005】
クロスローラ軸受31,33は、例えば90°V形状の溝をもつ外輪と内輪の間に円筒ころを軸が交互に直交するように収容したもので、軸方向に薄い構造ながら高い剛性をもたせることができる。ここでは、高精度の分析装置用として、剛性を高め、支持する軸37,38の振れを抑制するために、軸方向に外部予圧をかけている。外部予圧は、外側のクロスローラ軸受31では、外輪を押圧部材32Aを介して筐体35への取付部材36にボルトで締め付けることと、内輪を押圧部材32Bを介してθ軸37にボルトで適切に締め付けることにより、内側のクロスローラ軸受33では、外輪を押圧部材34を介してθ軸37にボルトで適切に締め付けることにより、与えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、1つの軸について1つの軸受で足りるものの、外部予圧をかけるために、押圧部材32A,32B,34が必要であり、また、厳密な締め付けトルクの管理が要求される。したがって、軸受機構の簡単化、コストダウンが十分とはいえない。さらに、転送面(90°V形状の溝の表面)に側面2箇所で線接触する円筒ころに予圧がかかるので、摩擦が増大して軸受31,33の回転が重く(固く)なり、連動手段のモータも大型でトルクの大きいものが要求される。このような問題は、蛍光X線分析装置の連動手段における2重軸の軸受機構に限らず、簡単な構成でかつ高剛性であることが要求される分析装置用軸受機構全般について生じる。
【0007】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制でき、また回転が重くない分析装置用軸受機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願第1の発明の分析装置用軸受機構は、まず、内周に転走面を有する外輪と、その転走面に対向する転走面を外周に有する内輪と、前記転走面間に収容される複数の転動体とを備え、分析装置の筐体に対して軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構である。そして、前記転送面がV形状の溝の表面であり、前記転動体が玉であって、各転動体が内外両側の転送面にそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、前記外輪に前記筐体への取付部材が、前記内輪に前記軸がそれぞれ直接取り付けられている。
【0009】
この軸受機構においては、内部予圧が与えられる、つまり内外輪と転動体との寸法関係によって軸受の内部に力を発生させるので、外部予圧の場合と異なり、予圧を与えるための押圧部材や締め付けトルクの管理が不要で、外輪に筐体への取付部材を、内輪に軸をそれぞれボルト止めなどにより直接取り付けることができる。したがって、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制できる。また、転送面(V形状の溝の表面)に4点で点接触する玉(鋼球)に予圧がかかるので、円筒ころの場合と異なり、摩擦増大のために軸受の回転が重くなることも少ない。なお、外輪と筐体への取付部材を一体に形成したり、内輪と軸を一体に形成したりすることにより、いっそう部品点数の少ない簡単な構成にすることもできる。
【0010】
本願第2の発明の分析装置用軸受機構は、まず、内周に転走面を有する外輪と、その転走面に対向する転走面を外周に有する中央輪と、その中央輪の内周に設けられた転走面に対向する転走面を外周に有する内輪と、前記対向する転走面間にそれぞれ収容される複数の転動体とを備え、分析装置の筐体に対して2重軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構である。そして、前記転送面がV形状の溝の表面であり、前記転動体が玉であって、各転動体が内外両側の転送面にそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、前記外輪に前記筐体への取付部材が、前記中央輪に前記2重軸の外軸が、前記内輪に前記2重軸の内軸がそれぞれ直接取り付けられている。
【0011】
この2重軸の軸受機構においても、内部予圧が与えられる、つまり内輪、中央輪、外輪と転動体との寸法関係によって軸受の内部に力を発生させるので、外部予圧の場合と異なり、予圧を与えるための押圧部材や締め付けトルクの管理が不要で、外輪に筐体への取付部材を、中央輪に2重軸の外軸を、内輪に2重軸の内軸をそれぞれボルト止めなどにより直接取り付けることができる。したがって、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制できる。そしてやはり、転送面(V形状の溝の表面)に4点で点接触する玉(鋼球)に予圧がかかるので、円筒ころの場合と異なり、摩擦増大のために軸受の回転が重くなることも少ない。なお、外輪と筐体への取付部材を一体に形成したり、中央輪、内輪と、2重軸の外軸、内軸をそれぞれ一体に形成したりすることにより、いっそう部品点数の少ない簡単な構成にすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態の軸受機構について説明する。図1の縦断面図に示すように、この軸受機構は、まず、内周に転走面1aを有する外輪1と、その転走面1aに対向する転走面2aを外周に有する中央輪2と、その中央輪2の内周に設けられた転走面2bに対向する転走面3aを外周に有する内輪3と、前記対向する転走面1a,2a間、2b,3a間にそれぞれ収容される複数の転動体4とを備え、分析装置の筐体5に対して2重軸7,8を回転自在に支持する分析装置用軸受機構である。そして、転送面1a,2a,2b,3aがV形状(ここでは90°V形状)の溝の表面であり、転動体4が玉(鋼球)であって、各転動体4が内外両側の転送面1a,2aまたは2b,3aにそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、つまり内輪3、中央輪2、外輪1と転動体4との寸法関係によって軸受の内部に力が発生しており、外輪1に筐体5への取付部材6が、中央輪2に2重軸の外軸7が、内輪3に2重軸の内軸8がそれぞれ直接取り付けられている。
【0013】
より具体的には、まず、円柱状の内軸8の中間部に段部(つば)8aが形成され、その段部8aに軸方向(図1の上下方向)に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、内輪3に設けられたねじ孔にねじ込まれている。そして、円筒状の外軸7の下端部に段部(つば)7aが形成され、その段部7aに軸方向に設けられた孔をボルトが上方から貫通して、中央輪2に設けられたねじ孔にねじ込まれている。また、外輪1に軸方向に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、分析装置の筐体5への取付部材(フランジ)6の下部内周側に設けられたねじ孔にねじ込まれている。さらに、取付部材6の下部外周側に軸方向に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、筐体5に設けられたねじ孔にねじ込まれることにより、軸受機構全体が筐体5に取り付けられ、筐体5に対して2重軸7,8を回転自在に支持している。
【0014】
この軸受機構は、蛍光X線分析装置の連動手段における2重軸の軸受機構であり、外軸7が前述したθ軸、内軸8が前述した2θ軸に相当する。外軸(θ軸)7には、ボルト、中央輪2および図示しない適切な取付部材を介して、分光素子が取り付けられる。内軸(2θ軸)8には、図示しない適切な取付部材を介して、検出器が取り付けられる。内軸8と外軸7との間、外軸7と取付部材6との間、取付部材6と筐体5との間は、いずれもOリングにより適切にシールされる。
【0015】
この2重軸の軸受機構においては、内部予圧が与えられるので、外部予圧の場合と異なり、予圧を与えるための押圧部材や締め付けトルクの管理が不要で、外輪1に筐体5への取付部材6を、中央輪2に2重軸の外軸7を、内輪3に2重軸の内軸8をそれぞれボルト止めにより直接取り付けることができる。したがって、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸7,8の振れを抑制できる。また、転送面(90°V形状の溝の表面)に4点で点接触する玉(鋼球)に予圧がかかるので、円筒ころの場合と異なり、摩擦増大のために軸受の回転が重くなることもない。
【0016】
次に、本発明の第2実施形態の軸受機構について説明する。図2の縦断面図に示すように、この軸受機構は、外輪11と筐体15への取付部材を一体に形成した点で第1実施形態の軸受機構と異なる。つまり、外輪11に軸方向(図2の上下方向)に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、筐体15に設けられたねじ孔にねじ込まれることにより、軸受機構全体が筐体15に取り付けられ、筐体15に対して2重軸17,18を回転自在に支持している。なお、筐体15への取付部材を兼ねる外輪11は、第1実施形態での取付部材6(図1)と形状が異なることから、軸受機構のシール箇所も一部異なっている。その他の点については第1実施形態の軸受機構と同様であるので説明を省略する。第2実施形態の軸受機構によれば、外輪11と筐体15への取付部材が一体に形成されるので、いっそう部品点数の少ない簡単な構成になる。
【0017】
次に、本発明の第3実施形態の軸受機構について説明する。図3の縦断面図に示すように、この軸受機構は、中央輪22、内輪23と、2重軸の外軸、内軸をそれぞれ一体に形成した点で第2実施形態の軸受機構と異なる。なお、中央輪22と外軸を一体に形成したことにより、シール箇所が1つ減少している。その他の点については第2実施形態の軸受機構と同様であるので説明を省略する。第3実施形態の軸受機構によれば、外輪21と筐体25への取付部材が一体に形成された上に、中央輪22、内輪23と、2重軸の外軸、内軸がそれぞれ一体に形成されるので、よりいっそう部品点数の少ない簡単な構成になる。
【0018】
以上においては、2重軸の軸受機構を想定したが、本発明の分析装置用軸受機構はこれに限定されない。例えば、図1の第1実施形態の軸受機構から、外軸7、中央輪2およびその外側の転動体4を取り除いた単一軸8の軸受機構(外輪1の転送面1aと内輪3の転送面3aとの間に転動体4が収容される)や、図2の第2実施形態の軸受機構から、外軸17、中央輪12およびその外側の転動体4を取り除いた単一軸18の軸受機構(外輪11の転送面11aと内輪13の転送面13aとの間に転動体4が収容される)や、図3の第3実施形態の軸受機構から、外軸を兼ねた中央輪22およびその外側の転動体4を取り除いた単一軸(23)の軸受機構(外輪21の転送面21aと内輪23の転送面23aとの間に転動体4が収容される)も、内部予圧が適切に与えられている限り、本発明に属する。
【0019】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の分析装置用軸受機構によれば、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制でき、また回転が重くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態である、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態である、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図4】従来の、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図5】波長分散型で走査型の蛍光X線分析装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1,11,21…外輪、1a,11a,21a…外輪の転送面、2,12,22…中央輪、2a,12a,22a…中央輪の外周の転送面、2b,12b,22b…中央輪の内周の転送面、3,13,23…内輪、3a,13a,23a…内輪の転送面、4…転動体、5,15,25…分析装置の筐体、6…筐体への取付部材、7,17…2重軸の外軸、8,18…2重軸の内軸。
【発明の属する技術分野】
本発明は、分析装置の筐体に対して軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、波長分散型で走査型の蛍光X線分析装置においては、図5に示すように、試料41にX線管等のX線源44から1次X線43を照射し、試料41から発生した蛍光X線(2次X線)45を、発散ソーラスリット53を通過させた後、分光素子46で分光し、分光された蛍光X線47の強度を検出器48で測定する。ここで、検出器48に入射する蛍光X線47の波長が変化するように、ゴニオメータと呼ばれる連動手段で分光素子46と検出器48とを連動させることにより、試料41に含まれる各元素から発生した蛍光X線45をそれぞれの波長に分光し、その強度を測定している。
【0003】
すなわち、蛍光X線45がある入射角θで分光素子46へ入射すると、その蛍光X線45の延長線49と分光素子46で分光(回折)された蛍光X線47は入射角θの2倍の分光角2θをなすが、連動手段は、分光角2θを変化させて分光される蛍光X線47の波長を変化させつつ、その分光された蛍光X線47が検出器48に入射するように、分光素子46を、その受光面の中心を通る紙面に垂直な軸心Oを中心に回転させ、その回転角の2倍だけ、検出器48を、軸心Oを中心に円52に沿って回転させる。さらに具体的には、軸心Oが分光素子46の受光面を通るように分光素子46が取り付けられるθ軸を回転させ、θ軸と軸心Oが共通で検出器48が取り付けられる2θ軸を、θ軸の回転角の2倍だけ回転させる。
【0004】
図4の縦断面図に示すように、このθ軸37と2θ軸38は2重軸を構成し、分析装置の筐体35に対して回転自在に支持される。軸37,38の振れは分析装置の精度に大きく影響するので極力抑制すべきであり、そのためには1つの軸について軸方向(図4の上下方向)に距離を置いて2つの軸受で、すなわち両持ちで支持するのが望ましいが、そうすると部品点数が多くなって軸受機構が複雑になり、組み立ても煩雑になってコストアップになるので、1つの軸について1つのクロスローラ軸受31,33で支持している。
【0005】
クロスローラ軸受31,33は、例えば90°V形状の溝をもつ外輪と内輪の間に円筒ころを軸が交互に直交するように収容したもので、軸方向に薄い構造ながら高い剛性をもたせることができる。ここでは、高精度の分析装置用として、剛性を高め、支持する軸37,38の振れを抑制するために、軸方向に外部予圧をかけている。外部予圧は、外側のクロスローラ軸受31では、外輪を押圧部材32Aを介して筐体35への取付部材36にボルトで締め付けることと、内輪を押圧部材32Bを介してθ軸37にボルトで適切に締め付けることにより、内側のクロスローラ軸受33では、外輪を押圧部材34を介してθ軸37にボルトで適切に締め付けることにより、与えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、1つの軸について1つの軸受で足りるものの、外部予圧をかけるために、押圧部材32A,32B,34が必要であり、また、厳密な締め付けトルクの管理が要求される。したがって、軸受機構の簡単化、コストダウンが十分とはいえない。さらに、転送面(90°V形状の溝の表面)に側面2箇所で線接触する円筒ころに予圧がかかるので、摩擦が増大して軸受31,33の回転が重く(固く)なり、連動手段のモータも大型でトルクの大きいものが要求される。このような問題は、蛍光X線分析装置の連動手段における2重軸の軸受機構に限らず、簡単な構成でかつ高剛性であることが要求される分析装置用軸受機構全般について生じる。
【0007】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制でき、また回転が重くない分析装置用軸受機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願第1の発明の分析装置用軸受機構は、まず、内周に転走面を有する外輪と、その転走面に対向する転走面を外周に有する内輪と、前記転走面間に収容される複数の転動体とを備え、分析装置の筐体に対して軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構である。そして、前記転送面がV形状の溝の表面であり、前記転動体が玉であって、各転動体が内外両側の転送面にそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、前記外輪に前記筐体への取付部材が、前記内輪に前記軸がそれぞれ直接取り付けられている。
【0009】
この軸受機構においては、内部予圧が与えられる、つまり内外輪と転動体との寸法関係によって軸受の内部に力を発生させるので、外部予圧の場合と異なり、予圧を与えるための押圧部材や締め付けトルクの管理が不要で、外輪に筐体への取付部材を、内輪に軸をそれぞれボルト止めなどにより直接取り付けることができる。したがって、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制できる。また、転送面(V形状の溝の表面)に4点で点接触する玉(鋼球)に予圧がかかるので、円筒ころの場合と異なり、摩擦増大のために軸受の回転が重くなることも少ない。なお、外輪と筐体への取付部材を一体に形成したり、内輪と軸を一体に形成したりすることにより、いっそう部品点数の少ない簡単な構成にすることもできる。
【0010】
本願第2の発明の分析装置用軸受機構は、まず、内周に転走面を有する外輪と、その転走面に対向する転走面を外周に有する中央輪と、その中央輪の内周に設けられた転走面に対向する転走面を外周に有する内輪と、前記対向する転走面間にそれぞれ収容される複数の転動体とを備え、分析装置の筐体に対して2重軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構である。そして、前記転送面がV形状の溝の表面であり、前記転動体が玉であって、各転動体が内外両側の転送面にそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、前記外輪に前記筐体への取付部材が、前記中央輪に前記2重軸の外軸が、前記内輪に前記2重軸の内軸がそれぞれ直接取り付けられている。
【0011】
この2重軸の軸受機構においても、内部予圧が与えられる、つまり内輪、中央輪、外輪と転動体との寸法関係によって軸受の内部に力を発生させるので、外部予圧の場合と異なり、予圧を与えるための押圧部材や締め付けトルクの管理が不要で、外輪に筐体への取付部材を、中央輪に2重軸の外軸を、内輪に2重軸の内軸をそれぞれボルト止めなどにより直接取り付けることができる。したがって、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制できる。そしてやはり、転送面(V形状の溝の表面)に4点で点接触する玉(鋼球)に予圧がかかるので、円筒ころの場合と異なり、摩擦増大のために軸受の回転が重くなることも少ない。なお、外輪と筐体への取付部材を一体に形成したり、中央輪、内輪と、2重軸の外軸、内軸をそれぞれ一体に形成したりすることにより、いっそう部品点数の少ない簡単な構成にすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態の軸受機構について説明する。図1の縦断面図に示すように、この軸受機構は、まず、内周に転走面1aを有する外輪1と、その転走面1aに対向する転走面2aを外周に有する中央輪2と、その中央輪2の内周に設けられた転走面2bに対向する転走面3aを外周に有する内輪3と、前記対向する転走面1a,2a間、2b,3a間にそれぞれ収容される複数の転動体4とを備え、分析装置の筐体5に対して2重軸7,8を回転自在に支持する分析装置用軸受機構である。そして、転送面1a,2a,2b,3aがV形状(ここでは90°V形状)の溝の表面であり、転動体4が玉(鋼球)であって、各転動体4が内外両側の転送面1a,2aまたは2b,3aにそれぞれ2点ずつで接触する。さらに、内部予圧が与えられて、つまり内輪3、中央輪2、外輪1と転動体4との寸法関係によって軸受の内部に力が発生しており、外輪1に筐体5への取付部材6が、中央輪2に2重軸の外軸7が、内輪3に2重軸の内軸8がそれぞれ直接取り付けられている。
【0013】
より具体的には、まず、円柱状の内軸8の中間部に段部(つば)8aが形成され、その段部8aに軸方向(図1の上下方向)に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、内輪3に設けられたねじ孔にねじ込まれている。そして、円筒状の外軸7の下端部に段部(つば)7aが形成され、その段部7aに軸方向に設けられた孔をボルトが上方から貫通して、中央輪2に設けられたねじ孔にねじ込まれている。また、外輪1に軸方向に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、分析装置の筐体5への取付部材(フランジ)6の下部内周側に設けられたねじ孔にねじ込まれている。さらに、取付部材6の下部外周側に軸方向に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、筐体5に設けられたねじ孔にねじ込まれることにより、軸受機構全体が筐体5に取り付けられ、筐体5に対して2重軸7,8を回転自在に支持している。
【0014】
この軸受機構は、蛍光X線分析装置の連動手段における2重軸の軸受機構であり、外軸7が前述したθ軸、内軸8が前述した2θ軸に相当する。外軸(θ軸)7には、ボルト、中央輪2および図示しない適切な取付部材を介して、分光素子が取り付けられる。内軸(2θ軸)8には、図示しない適切な取付部材を介して、検出器が取り付けられる。内軸8と外軸7との間、外軸7と取付部材6との間、取付部材6と筐体5との間は、いずれもOリングにより適切にシールされる。
【0015】
この2重軸の軸受機構においては、内部予圧が与えられるので、外部予圧の場合と異なり、予圧を与えるための押圧部材や締め付けトルクの管理が不要で、外輪1に筐体5への取付部材6を、中央輪2に2重軸の外軸7を、内輪3に2重軸の内軸8をそれぞれボルト止めにより直接取り付けることができる。したがって、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸7,8の振れを抑制できる。また、転送面(90°V形状の溝の表面)に4点で点接触する玉(鋼球)に予圧がかかるので、円筒ころの場合と異なり、摩擦増大のために軸受の回転が重くなることもない。
【0016】
次に、本発明の第2実施形態の軸受機構について説明する。図2の縦断面図に示すように、この軸受機構は、外輪11と筐体15への取付部材を一体に形成した点で第1実施形態の軸受機構と異なる。つまり、外輪11に軸方向(図2の上下方向)に設けられた孔をボルトが下方から貫通して、筐体15に設けられたねじ孔にねじ込まれることにより、軸受機構全体が筐体15に取り付けられ、筐体15に対して2重軸17,18を回転自在に支持している。なお、筐体15への取付部材を兼ねる外輪11は、第1実施形態での取付部材6(図1)と形状が異なることから、軸受機構のシール箇所も一部異なっている。その他の点については第1実施形態の軸受機構と同様であるので説明を省略する。第2実施形態の軸受機構によれば、外輪11と筐体15への取付部材が一体に形成されるので、いっそう部品点数の少ない簡単な構成になる。
【0017】
次に、本発明の第3実施形態の軸受機構について説明する。図3の縦断面図に示すように、この軸受機構は、中央輪22、内輪23と、2重軸の外軸、内軸をそれぞれ一体に形成した点で第2実施形態の軸受機構と異なる。なお、中央輪22と外軸を一体に形成したことにより、シール箇所が1つ減少している。その他の点については第2実施形態の軸受機構と同様であるので説明を省略する。第3実施形態の軸受機構によれば、外輪21と筐体25への取付部材が一体に形成された上に、中央輪22、内輪23と、2重軸の外軸、内軸がそれぞれ一体に形成されるので、よりいっそう部品点数の少ない簡単な構成になる。
【0018】
以上においては、2重軸の軸受機構を想定したが、本発明の分析装置用軸受機構はこれに限定されない。例えば、図1の第1実施形態の軸受機構から、外軸7、中央輪2およびその外側の転動体4を取り除いた単一軸8の軸受機構(外輪1の転送面1aと内輪3の転送面3aとの間に転動体4が収容される)や、図2の第2実施形態の軸受機構から、外軸17、中央輪12およびその外側の転動体4を取り除いた単一軸18の軸受機構(外輪11の転送面11aと内輪13の転送面13aとの間に転動体4が収容される)や、図3の第3実施形態の軸受機構から、外軸を兼ねた中央輪22およびその外側の転動体4を取り除いた単一軸(23)の軸受機構(外輪21の転送面21aと内輪23の転送面23aとの間に転動体4が収容される)も、内部予圧が適切に与えられている限り、本発明に属する。
【0019】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の分析装置用軸受機構によれば、部品点数の少ない簡単な構成で、高い剛性を有して軸の振れを抑制でき、また回転が重くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態である、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態である、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図4】従来の、蛍光X線分析装置の連動手段用軸受機構を示す縦断面図である。
【図5】波長分散型で走査型の蛍光X線分析装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1,11,21…外輪、1a,11a,21a…外輪の転送面、2,12,22…中央輪、2a,12a,22a…中央輪の外周の転送面、2b,12b,22b…中央輪の内周の転送面、3,13,23…内輪、3a,13a,23a…内輪の転送面、4…転動体、5,15,25…分析装置の筐体、6…筐体への取付部材、7,17…2重軸の外軸、8,18…2重軸の内軸。
Claims (5)
- 内周に転走面を有する外輪と、
その転走面に対向する転走面を外周に有する内輪と、
前記転走面間に収容される複数の転動体とを備え、
分析装置の筐体に対して軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構であって、
前記転送面がV形状の溝の表面であり、前記転動体が玉であって、各転動体が内外両側の転送面にそれぞれ2点ずつで接触し、
内部予圧が与えられて、前記外輪に前記筐体への取付部材が、前記内輪に前記軸がそれぞれ直接取り付けられている分析装置用軸受機構。 - 内周に転走面を有する外輪と、
その転走面に対向する転走面を外周に有する中央輪と、
その中央輪の内周に設けられた転走面に対向する転走面を外周に有する内輪と、
前記対向する転走面間にそれぞれ収容される複数の転動体とを備え、
分析装置の筐体に対して2重軸を回転自在に支持する分析装置用軸受機構であって、
前記転送面がV形状の溝の表面であり、前記転動体が玉であって、各転動体が内外両側の転送面にそれぞれ2点ずつで接触し、
内部予圧が与えられて、前記外輪に前記筐体への取付部材が、前記中央輪に前記2重軸の外軸が、前記内輪に前記2重軸の内軸がそれぞれ直接取り付けられている分析装置用軸受機構。 - 請求項1または2において、
前記外輪と前記筐体への取付部材が一体に形成されている分析装置用軸受機構。 - 請求項1において、
前記内輪と前記軸が一体に形成されている分析装置用軸受機構。 - 請求項2において、
前記中央輪と前記2重軸の外軸が、前記内輪と前記2重軸の内軸がそれぞれ一体に形成されている分析装置用軸受機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002168938A JP2004028111A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 分析装置用軸受機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002168938A JP2004028111A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 分析装置用軸受機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004028111A true JP2004028111A (ja) | 2004-01-29 |
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ID=31170885
Family Applications (1)
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JP2002168938A Pending JP2004028111A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 分析装置用軸受機構 |
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JP (1) | JP2004028111A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004035587A1 (de) * | 2004-07-22 | 2006-02-09 | Ina-Schaeffler Kg | Mehrringlager |
CN103802130A (zh) * | 2014-01-27 | 2014-05-21 | 中国船舶重工集团公司第七一〇研究所 | 一种具有两自由度的三层摇架装置 |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168938A patent/JP2004028111A/ja active Pending
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CN103802130A (zh) * | 2014-01-27 | 2014-05-21 | 中国船舶重工集团公司第七一〇研究所 | 一种具有两自由度的三层摇架装置 |
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