JP2004027953A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】「かぶり」や「くすぶり」を抑止して始動性を向上させることのできる内燃機関の制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明の内燃機関の制御装置は、吸気通路上や燃焼室10内に燃料を供給する燃料供給手段18と、内燃機関1の燃焼運転によらずにモータリングを行わせる外的駆動手段32,42と、内燃機関1の始動時に燃料供給手段18及び外的駆動手段32,42を用いて始動処理を行う始動処理手段40,18,42と、完爆したか否かを判定する完爆判定手段32,42,50とを備えており、始動処理手段40,18,42は、始動処理中に始動処理停止要求が生成された場合であっても、完爆判定手段32,42,50によって完爆していないと判定された場合には完爆したと判定されるまで始動処理を継続することを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の内燃機関の制御装置は、吸気通路上や燃焼室10内に燃料を供給する燃料供給手段18と、内燃機関1の燃焼運転によらずにモータリングを行わせる外的駆動手段32,42と、内燃機関1の始動時に燃料供給手段18及び外的駆動手段32,42を用いて始動処理を行う始動処理手段40,18,42と、完爆したか否かを判定する完爆判定手段32,42,50とを備えており、始動処理手段40,18,42は、始動処理中に始動処理停止要求が生成された場合であっても、完爆判定手段32,42,50によって完爆していないと判定された場合には完爆したと判定されるまで始動処理を継続することを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関(エンジン)の始動時には、吸気ポートなどの吸気通路上(燃焼室内の場合もある)に燃料を供給し、かつ、点火プラグを点火しつつ、スタータモータなどで吸排気バルブの開閉動作とクランクシャフトの回転動作とを行わせる。ハイブリッド車などの場合は、スタータモータの代わりに車両駆動用のモータが用いられることもある。また、ハイブリッド車の場合は、エンジン・モータ併用モードとモータ単独モードとの切替時には、運転者の操作によらずに、自動でエンジンの始動や停止が行われる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エンジンを始動させようとして一旦燃料供給や点火を行ったが完爆しないうちに始動をやめてしまったような場合には、未燃焼の燃料が点火プラグの電極に付着し、次回の始動が行われにくくなる、いわゆる「かぶり」が発生しやすい。また、燃焼しても不完全燃焼であった場合は、不完全燃焼の結果として発生するカーボンなどが電極付近に付着して絶縁性が低下する、いわゆる「くすぶり」も発生しやすい。これらの現象は同時にも発生し得るもので、特に、低温環境下での冷間始動時などでは顕著である。このような「かぶり」や「くすぶり」による始動性悪化を回避する制御方法(装置)としては、特開平9−170543号公報に記載のものなどが知られている。
【0004】
上記公報に記載の方法(装置)では、始動時にエンジンの回転数が所定回転数に達するまでは、燃料供給と点火を禁止する。しかし、所定回転数に達した後に燃料供給と点火を行うようにしても、完爆前に始動をやめてしまえば、やはり「かぶり」や「くすぶり」が発生しやすいことに変わりはなく、更なる改善が要望されていた。上述したように、ハイブリッド車などでは、その形式にもよるが、通常のガソリン車よりもエンジンの始動停止が頻繁に行われる場合もあるし、そのような場合は冷間始動やこれに近い始動状況となることが多くなることも考えられる。また、いわゆるアイドリングストップ車などでも、エンジンの始動停止が頻繁に行われる。
【0005】
従って、本発明の目的は、「かぶり」や「くすぶり」を抑止して始動性を向上させることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置は、吸気通路上又は燃焼室内に燃料を供給する燃料供給手段と、内燃機関の燃焼運転によらずに吸排気バルブの開閉動作とクランクシャフトの回転動作とを行わせる外的駆動手段と、内燃機関の始動時に燃料供給手段及び外的駆動手段を用いて始動処理を行う始動処理手段と、内燃機関が完爆したか否かを判定する完爆判定手段とを備えており、始動処理手段は、始動処理中に始動処理停止要求が生成された場合であっても、完爆判定手段によって完爆していないと判定された場合には、完爆判定手段によって完爆したと判定されるまで始動処理を継続することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、点火プラグを点火する点火手段をさらに備えており、始動処理手段が、内燃機関の始動時に点火手段、燃料供給手段及び外的駆動手段を用いて始動処理を行うことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、イグニッションスイッチがオフにされたときに、始動処理停止要求が生成されることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置において、始動処理手段は、完爆判定手段によって完爆したと判定された場合には、燃料供給手段による燃料供給を停止させた後、外的駆動手段を用いて掃気を行うことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の制御装置の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。本実施形態の制御装置は、ハイブリッド車に適用したものであり、その構成を図1に示す。エンジン1は、モータジェネレータ(主として電動機として機能)32と共に車両に搭載される。この車両は、エンジン1の出力を受けて発電を行うモータジェネレータ(主として発電機として機能)33も有している。以下、モータジェネレータ32,33を単にMG32,33と言うこととする。
【0011】
これらのエンジン1、MG32及びMG33は、動力分割機構34によって接続されている。動力分割機構34は、エンジン1の出力をMG33と駆動輪35とに振り分けている。また、動力分割機構34は、MG32からの出力を駆動輪35に伝達させる役割や、減速機37及び駆動軸36を介して駆動輪35に伝達される駆動力に関する変速機としての役割も備えている。本実施形態の動力分割機構34は、プラネタリギアによって上述した機構を実現している。
【0012】
MG32は、交流同期電動機であり、交流電力によって駆動される。インバータ39は、バッテリ38に蓄えられた電力を直流から交流に変換して、MG32に供給すると共に、MG33によって発電される電力を交流から直流に変換して、バッテリ38に蓄えるためのものである。MG33も、基本的には上述したMG32とほぼ等しい構成を有しており、交流同期電動機としての構成を有している。MG32が主として駆動力を出力するのに対して、MG33は、主としてエンジン1の出力を受けて発電する。
【0013】
なお、エンジン1には各シリンダ10毎にインジェクタ11が配設されており、各シリンダ10の吸気ポートに燃料を噴射するようになっている。また、各シリンダ10毎に点火プラグ12も配設されており、点火プラグ12はインジェクタ11から噴射された燃料によって生成される混合気に対して点火を行う。インジェクタ11による燃料噴射はエンジンECU(Electrical Control Unit:電子制御ユニット)18によって制御され、インジェクタ11やエンジンECU18が燃料供給手段として機能する。また、点火プラグ12の点火はエンジンECU18によって制御され、点火プラグ12やエンジンECU18が点火手段として機能する。
【0014】
MG32の出力は、動力分割機構34を介して駆動輪35に伝達され、車両を走行させる駆動力となる。また、MG32は、主として駆動力を発生させるが、駆動輪35の回転を利用して発電(回生発電)することもでき、発電機としても機能し得る。このとき、駆動輪35にはブレーキ(回生ブレーキ)がかかるので、これをフットブレーキ(オイルブレーキ)やエンジンブレーキと併用することにより、車両を制動させることができる。
【0015】
一方、MG33は、主としてエンジン1の出力を受けて発電をするが、インバータ39を介してバッテリ38の電力を受けて駆動する電動機としても機能し得る。即ち、MG33は、いわゆるスタータモータとしても機能し得る。スタータモータとしてのMG33は、エンジン1のクランクシャフトを回転させてシリンダ内でピストンを往復運動させると共に、タイミングベルト(チェーン)を介してクランクシャフトと連動するカムシャフトを回転させて吸排気バルブの開閉動作を行わせることが出来る。即ち、MG33は、外的駆動手段として機能する。
【0016】
MG32及びMG33の各駆動軸には、それぞれの回転位置及び回転数を検出する回転センサ(レゾルバ)50,51が取り付けられている。回転センサ50,51は、それぞれモータECU42に接続されている。回転センサ51、インバータ39及びモータECU42などによってMG33の状況を検出することで、エンジン1の状態(出力トルク)を検出することができる。即ち、エンジン1が完爆しているか否かを検出することができ、これらの機構が完爆判定手段として機能している。完爆しているとは、エンジン1のシリンダ内で生成された混合気が完全に燃焼することを言う。完爆していると、エンジン1が自立運転可能な状態になったとみなすことができる。
【0017】
ハイブリッド車として特徴的な、エンジン1による駆動とMG32及びMG33による駆動とは、メインECU40によって総合的に制御される。メインECU40によって、エンジン1の出力とMG32(MG33)による出力の配分が決定され、エンジン1、MG32及びMG33を制御すべく各制御指令がエンジンECU18及びモータECU42に出力される。
【0018】
また、エンジンECU18及びモータECU42は、エンジン1、MG32及びMG33の情報をメインECU40に伝えてもいる。メインECU40には、バッテリ38を制御するバッテリECU43や、ブレーキを制御するブレーキECU44も接続されている。バッテリECU43は、バッテリ38の充電状態を監視し、充電量が不足した場合は、メインECU40に対して、充電要求指令を出力する。充電要求を受けたメインECU40は、バッテリ38に対して充電をすべく、MG33を発電させる制御を行う。ブレーキECU44は、車両の制動を司っており、メインECU40と共にMG32による回生ブレーキを制御する。
【0019】
エンジン1の始動時には、メインECU40、エンジンECU18及びモータECU42が協調して、インジェクタ11による燃料噴射と点火プラグ12による点火を行いつつMG32の出力でクランキングを行う。即ち、メインECU40、エンジンECU18及びモータECU42などが、始動処理手段として機能している。
【0020】
ここで、上述したように、始動処理が行われ、燃料噴射及び点火とクランキングが行われている間に、始動処理停止要求が生成される場合がある。例えば、始動処理の開始条件がいくつか設定されており、これらの条件が一瞬だけ全て成立したような場合は、始動処理が開始された直後に始動処理停止要求が生成されることとなる。これはあくまで一例であり、始動処理開始後、短期間で始動処理停止要求が生成される場合があり得る。本実施形態では、このようなときにエンジン1がまだ完爆していない(と判定される)場合は、始動処理停止要求が生成されていても始動処理(燃料噴射及び点火)を継続させる。始動処理は完爆するまで(完爆したと判定されるまで)継続される。また、完爆した(と判定された)場合は、燃料噴射と点火とを停止させるが、吸排気バルブの開閉動作及びクランクシャフトの回転動作(いわゆるモータリング)はさらに所定時間後まで継続させ、シリンダ10(及び吸排気通路)内の掃気を行う。
【0021】
このように、始動処理開始後で完爆前の状況では、始動処理停止要求が生成されても始動処理(燃料噴射及び点火)を停止させずに完爆するまで継続させることで、点火プラグ12の電極付近などへの未燃燃料やカーボンの付着を抑止できる。この結果、いわゆる「かぶり」や「くすぶり」を回避することができ、エンジン1の始動性を向上させることができる。
【0022】
さらに、この始動処理の継続中に完爆した場合は、燃料供給と点火のみを停止させ、モータリングによる掃気を行うことで、排気ガス(完爆した場合でも僅かな未燃燃料や燃え滓などを含む場合がある)を排気側に完全に排出させると共に、吸気通路−シリンダ−排気通路の内壁に未燃燃料などが付着している場合はこれの蒸発を促進して排気側に排出させることができる。この結果、エンジン1の始動性をより一層向上させることができる。
【0023】
なお、上述した実施形態における始動処理は、メインECU40によってエンジン1を始動させる状況であると判定された場合に実行される。具体的には、MG32の出力のみで走行しており、更なる出力が要求された場合や、バッテリ残量が少なくなってMG32の駆動が不可能となった場合、あるいは、バッテリ残量が少なくなってMG33によって発電をさせたい場合などが考えられる。また、始動処理停止要求はメインECU40によってエンジン1の駆動が必要なくなったと判定された場合に生成される。また、始動処理中にイグニッションスイッチがオフにされた場合にも、始動処理停止要求が生成される。例えば、メインECU40が、MG33に発電をさせるためにエンジン1の始動処理を開始させた直後に、運転者がイグニッションスイッチをオフにすることも考えられる。
【0024】
本発明の空燃比制御装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は本発明をハイブリッド車の内燃機関に適用したものであったが、エンジンのみを駆動源とする通常の車両の内燃機関(エンジン)に対して適用することも可能である。あるいは、エンジンのみを駆動源とする車両で、交差点などでの信号待ちのような短時間の停車時にもエンジンを停止させる、いわゆるアイドルストップシステムを採用した車両の内燃機関に適用することも可能である。
【0025】
このような場合は、外的駆動手段としては、スタータモータなどを利用することができる(必要に応じて大容量化しても良い)。また、このような場合の完爆判定は、エンジン回転数の変動から判定することなどが可能であり、エンジン回転数センサやこれと接続されたエンジンECUなどが完爆判定手段として機能する。さらに、上述した実施形態における内燃機関はガソリンエンジンであり、始動処理には点火プラグの点火も含まれていた。しかし、本発明の制御装置はディーゼルエンジンにも適用することができ、この場合には始動処理に点火プラグへの点火が含まれない。
【0026】
【発明の効果】
本発明の内燃機関の制御装置によれば、始動処理手段による始動処理中に始動処理停止要求が生成されたときに完爆判定手段によって完爆していないと判定された場合は、完爆したと判定されるまで始動処理を継続させることで「かぶり」や「くすぶり」を抑止させ、始動性を向上させることができる。特にここで、完爆したと判定された後は、燃料供給手段による燃料供給を停止させ、外的駆動手段によるモータリングのみを行うことでシリンダ内や吸排気通路の掃気を行い、より一層の始動性向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置の一実施形態を有する車両の駆動系構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、10…シリンダ、11…インジェクタ(燃料供給手段)、12…点火プラグ(点火手段)、18…エンジンECU(燃料供給手段:点火手段:始動処理手段)、32…モータジェネレータ(外的駆動手段)、33…モータジェネレータ(完爆判定手段)、34…動力分割機構、35…駆動輪、36…駆動軸、37…減速機、38…バッテリ、39…インバータ、50,51…回転センサ(完爆判定手段)、40…メインECU、42…モータECU(外的駆動手段:完爆判定手段)、43…バッテリECU、44…ブレーキECU。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関(エンジン)の始動時には、吸気ポートなどの吸気通路上(燃焼室内の場合もある)に燃料を供給し、かつ、点火プラグを点火しつつ、スタータモータなどで吸排気バルブの開閉動作とクランクシャフトの回転動作とを行わせる。ハイブリッド車などの場合は、スタータモータの代わりに車両駆動用のモータが用いられることもある。また、ハイブリッド車の場合は、エンジン・モータ併用モードとモータ単独モードとの切替時には、運転者の操作によらずに、自動でエンジンの始動や停止が行われる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エンジンを始動させようとして一旦燃料供給や点火を行ったが完爆しないうちに始動をやめてしまったような場合には、未燃焼の燃料が点火プラグの電極に付着し、次回の始動が行われにくくなる、いわゆる「かぶり」が発生しやすい。また、燃焼しても不完全燃焼であった場合は、不完全燃焼の結果として発生するカーボンなどが電極付近に付着して絶縁性が低下する、いわゆる「くすぶり」も発生しやすい。これらの現象は同時にも発生し得るもので、特に、低温環境下での冷間始動時などでは顕著である。このような「かぶり」や「くすぶり」による始動性悪化を回避する制御方法(装置)としては、特開平9−170543号公報に記載のものなどが知られている。
【0004】
上記公報に記載の方法(装置)では、始動時にエンジンの回転数が所定回転数に達するまでは、燃料供給と点火を禁止する。しかし、所定回転数に達した後に燃料供給と点火を行うようにしても、完爆前に始動をやめてしまえば、やはり「かぶり」や「くすぶり」が発生しやすいことに変わりはなく、更なる改善が要望されていた。上述したように、ハイブリッド車などでは、その形式にもよるが、通常のガソリン車よりもエンジンの始動停止が頻繁に行われる場合もあるし、そのような場合は冷間始動やこれに近い始動状況となることが多くなることも考えられる。また、いわゆるアイドリングストップ車などでも、エンジンの始動停止が頻繁に行われる。
【0005】
従って、本発明の目的は、「かぶり」や「くすぶり」を抑止して始動性を向上させることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置は、吸気通路上又は燃焼室内に燃料を供給する燃料供給手段と、内燃機関の燃焼運転によらずに吸排気バルブの開閉動作とクランクシャフトの回転動作とを行わせる外的駆動手段と、内燃機関の始動時に燃料供給手段及び外的駆動手段を用いて始動処理を行う始動処理手段と、内燃機関が完爆したか否かを判定する完爆判定手段とを備えており、始動処理手段は、始動処理中に始動処理停止要求が生成された場合であっても、完爆判定手段によって完爆していないと判定された場合には、完爆判定手段によって完爆したと判定されるまで始動処理を継続することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、点火プラグを点火する点火手段をさらに備えており、始動処理手段が、内燃機関の始動時に点火手段、燃料供給手段及び外的駆動手段を用いて始動処理を行うことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、イグニッションスイッチがオフにされたときに、始動処理停止要求が生成されることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置において、始動処理手段は、完爆判定手段によって完爆したと判定された場合には、燃料供給手段による燃料供給を停止させた後、外的駆動手段を用いて掃気を行うことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の制御装置の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。本実施形態の制御装置は、ハイブリッド車に適用したものであり、その構成を図1に示す。エンジン1は、モータジェネレータ(主として電動機として機能)32と共に車両に搭載される。この車両は、エンジン1の出力を受けて発電を行うモータジェネレータ(主として発電機として機能)33も有している。以下、モータジェネレータ32,33を単にMG32,33と言うこととする。
【0011】
これらのエンジン1、MG32及びMG33は、動力分割機構34によって接続されている。動力分割機構34は、エンジン1の出力をMG33と駆動輪35とに振り分けている。また、動力分割機構34は、MG32からの出力を駆動輪35に伝達させる役割や、減速機37及び駆動軸36を介して駆動輪35に伝達される駆動力に関する変速機としての役割も備えている。本実施形態の動力分割機構34は、プラネタリギアによって上述した機構を実現している。
【0012】
MG32は、交流同期電動機であり、交流電力によって駆動される。インバータ39は、バッテリ38に蓄えられた電力を直流から交流に変換して、MG32に供給すると共に、MG33によって発電される電力を交流から直流に変換して、バッテリ38に蓄えるためのものである。MG33も、基本的には上述したMG32とほぼ等しい構成を有しており、交流同期電動機としての構成を有している。MG32が主として駆動力を出力するのに対して、MG33は、主としてエンジン1の出力を受けて発電する。
【0013】
なお、エンジン1には各シリンダ10毎にインジェクタ11が配設されており、各シリンダ10の吸気ポートに燃料を噴射するようになっている。また、各シリンダ10毎に点火プラグ12も配設されており、点火プラグ12はインジェクタ11から噴射された燃料によって生成される混合気に対して点火を行う。インジェクタ11による燃料噴射はエンジンECU(Electrical Control Unit:電子制御ユニット)18によって制御され、インジェクタ11やエンジンECU18が燃料供給手段として機能する。また、点火プラグ12の点火はエンジンECU18によって制御され、点火プラグ12やエンジンECU18が点火手段として機能する。
【0014】
MG32の出力は、動力分割機構34を介して駆動輪35に伝達され、車両を走行させる駆動力となる。また、MG32は、主として駆動力を発生させるが、駆動輪35の回転を利用して発電(回生発電)することもでき、発電機としても機能し得る。このとき、駆動輪35にはブレーキ(回生ブレーキ)がかかるので、これをフットブレーキ(オイルブレーキ)やエンジンブレーキと併用することにより、車両を制動させることができる。
【0015】
一方、MG33は、主としてエンジン1の出力を受けて発電をするが、インバータ39を介してバッテリ38の電力を受けて駆動する電動機としても機能し得る。即ち、MG33は、いわゆるスタータモータとしても機能し得る。スタータモータとしてのMG33は、エンジン1のクランクシャフトを回転させてシリンダ内でピストンを往復運動させると共に、タイミングベルト(チェーン)を介してクランクシャフトと連動するカムシャフトを回転させて吸排気バルブの開閉動作を行わせることが出来る。即ち、MG33は、外的駆動手段として機能する。
【0016】
MG32及びMG33の各駆動軸には、それぞれの回転位置及び回転数を検出する回転センサ(レゾルバ)50,51が取り付けられている。回転センサ50,51は、それぞれモータECU42に接続されている。回転センサ51、インバータ39及びモータECU42などによってMG33の状況を検出することで、エンジン1の状態(出力トルク)を検出することができる。即ち、エンジン1が完爆しているか否かを検出することができ、これらの機構が完爆判定手段として機能している。完爆しているとは、エンジン1のシリンダ内で生成された混合気が完全に燃焼することを言う。完爆していると、エンジン1が自立運転可能な状態になったとみなすことができる。
【0017】
ハイブリッド車として特徴的な、エンジン1による駆動とMG32及びMG33による駆動とは、メインECU40によって総合的に制御される。メインECU40によって、エンジン1の出力とMG32(MG33)による出力の配分が決定され、エンジン1、MG32及びMG33を制御すべく各制御指令がエンジンECU18及びモータECU42に出力される。
【0018】
また、エンジンECU18及びモータECU42は、エンジン1、MG32及びMG33の情報をメインECU40に伝えてもいる。メインECU40には、バッテリ38を制御するバッテリECU43や、ブレーキを制御するブレーキECU44も接続されている。バッテリECU43は、バッテリ38の充電状態を監視し、充電量が不足した場合は、メインECU40に対して、充電要求指令を出力する。充電要求を受けたメインECU40は、バッテリ38に対して充電をすべく、MG33を発電させる制御を行う。ブレーキECU44は、車両の制動を司っており、メインECU40と共にMG32による回生ブレーキを制御する。
【0019】
エンジン1の始動時には、メインECU40、エンジンECU18及びモータECU42が協調して、インジェクタ11による燃料噴射と点火プラグ12による点火を行いつつMG32の出力でクランキングを行う。即ち、メインECU40、エンジンECU18及びモータECU42などが、始動処理手段として機能している。
【0020】
ここで、上述したように、始動処理が行われ、燃料噴射及び点火とクランキングが行われている間に、始動処理停止要求が生成される場合がある。例えば、始動処理の開始条件がいくつか設定されており、これらの条件が一瞬だけ全て成立したような場合は、始動処理が開始された直後に始動処理停止要求が生成されることとなる。これはあくまで一例であり、始動処理開始後、短期間で始動処理停止要求が生成される場合があり得る。本実施形態では、このようなときにエンジン1がまだ完爆していない(と判定される)場合は、始動処理停止要求が生成されていても始動処理(燃料噴射及び点火)を継続させる。始動処理は完爆するまで(完爆したと判定されるまで)継続される。また、完爆した(と判定された)場合は、燃料噴射と点火とを停止させるが、吸排気バルブの開閉動作及びクランクシャフトの回転動作(いわゆるモータリング)はさらに所定時間後まで継続させ、シリンダ10(及び吸排気通路)内の掃気を行う。
【0021】
このように、始動処理開始後で完爆前の状況では、始動処理停止要求が生成されても始動処理(燃料噴射及び点火)を停止させずに完爆するまで継続させることで、点火プラグ12の電極付近などへの未燃燃料やカーボンの付着を抑止できる。この結果、いわゆる「かぶり」や「くすぶり」を回避することができ、エンジン1の始動性を向上させることができる。
【0022】
さらに、この始動処理の継続中に完爆した場合は、燃料供給と点火のみを停止させ、モータリングによる掃気を行うことで、排気ガス(完爆した場合でも僅かな未燃燃料や燃え滓などを含む場合がある)を排気側に完全に排出させると共に、吸気通路−シリンダ−排気通路の内壁に未燃燃料などが付着している場合はこれの蒸発を促進して排気側に排出させることができる。この結果、エンジン1の始動性をより一層向上させることができる。
【0023】
なお、上述した実施形態における始動処理は、メインECU40によってエンジン1を始動させる状況であると判定された場合に実行される。具体的には、MG32の出力のみで走行しており、更なる出力が要求された場合や、バッテリ残量が少なくなってMG32の駆動が不可能となった場合、あるいは、バッテリ残量が少なくなってMG33によって発電をさせたい場合などが考えられる。また、始動処理停止要求はメインECU40によってエンジン1の駆動が必要なくなったと判定された場合に生成される。また、始動処理中にイグニッションスイッチがオフにされた場合にも、始動処理停止要求が生成される。例えば、メインECU40が、MG33に発電をさせるためにエンジン1の始動処理を開始させた直後に、運転者がイグニッションスイッチをオフにすることも考えられる。
【0024】
本発明の空燃比制御装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は本発明をハイブリッド車の内燃機関に適用したものであったが、エンジンのみを駆動源とする通常の車両の内燃機関(エンジン)に対して適用することも可能である。あるいは、エンジンのみを駆動源とする車両で、交差点などでの信号待ちのような短時間の停車時にもエンジンを停止させる、いわゆるアイドルストップシステムを採用した車両の内燃機関に適用することも可能である。
【0025】
このような場合は、外的駆動手段としては、スタータモータなどを利用することができる(必要に応じて大容量化しても良い)。また、このような場合の完爆判定は、エンジン回転数の変動から判定することなどが可能であり、エンジン回転数センサやこれと接続されたエンジンECUなどが完爆判定手段として機能する。さらに、上述した実施形態における内燃機関はガソリンエンジンであり、始動処理には点火プラグの点火も含まれていた。しかし、本発明の制御装置はディーゼルエンジンにも適用することができ、この場合には始動処理に点火プラグへの点火が含まれない。
【0026】
【発明の効果】
本発明の内燃機関の制御装置によれば、始動処理手段による始動処理中に始動処理停止要求が生成されたときに完爆判定手段によって完爆していないと判定された場合は、完爆したと判定されるまで始動処理を継続させることで「かぶり」や「くすぶり」を抑止させ、始動性を向上させることができる。特にここで、完爆したと判定された後は、燃料供給手段による燃料供給を停止させ、外的駆動手段によるモータリングのみを行うことでシリンダ内や吸排気通路の掃気を行い、より一層の始動性向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置の一実施形態を有する車両の駆動系構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、10…シリンダ、11…インジェクタ(燃料供給手段)、12…点火プラグ(点火手段)、18…エンジンECU(燃料供給手段:点火手段:始動処理手段)、32…モータジェネレータ(外的駆動手段)、33…モータジェネレータ(完爆判定手段)、34…動力分割機構、35…駆動輪、36…駆動軸、37…減速機、38…バッテリ、39…インバータ、50,51…回転センサ(完爆判定手段)、40…メインECU、42…モータECU(外的駆動手段:完爆判定手段)、43…バッテリECU、44…ブレーキECU。
Claims (4)
- 吸気通路上又は燃焼室内に燃料を供給する燃料供給手段と、前記内燃機関の燃焼運転によらずに吸排気バルブの開閉動作とクランクシャフトの回転動作とを行わせる外的駆動手段と、
前記内燃機関の始動時に前記燃料供給手段及び前記外的駆動手段を用いて始動処理を行う始動処理手段と、
前記内燃機関が完爆したか否かを判定する完爆判定手段とを備えており、
前記始動処理手段は、始動処理中に始動処理停止要求が生成された場合であっても、前記完爆判定手段によって完爆していないと判定された場合には、前記完爆判定手段によって完爆したと判定されるまで始動処理を継続することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 点火プラグを点火する点火手段をさらに備えており、
前記始動処理手段が、前記内燃機関の始動時に前記点火手段、前記燃料供給手段及び前記外的駆動手段を用いて始動処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - イグニッションスイッチがオフにされたときに、始動処理停止要求が生成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記始動処理手段は、前記完爆判定手段によって完爆したと判定された場合には、前記燃料供給手段による燃料供給を停止させた後、前記外的駆動手段を用いて掃気を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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