JP2004027355A - 疲労き裂進展抵抗特性に優れた鋼材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】最大引張・圧縮歪で±0.012 、繰り返し速度0.5 Hz、最大歪までの波数12の漸増・漸減繰り返し負荷を15回与えたときの、1 回目の最大歪時の応力σ1 と15回目の最大歪時の応力σ15との比σ15/σ1 で示される繰り返し軟化パラメータが0.65以上0.95以下に規定する。具体的にはC:0.02〜0.20%、Si:0.60%以下、Mn:0.50〜2.0 %、Al:0.003 〜0.10%を含み、下記式で表される炭素当量Ceq 値を0.28〜0.65%に規定する。
Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶、海洋構造物、橋梁、建築物、タンク、産業用・建設用機械などに用いる鋼材であって繰り返し荷重下で使用される鋼材とその製造方法に関し、より詳述すれば、疲労き裂進展抵抗特性に優れた構造用鋼材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶、海洋構造物、橋梁、建築物、タンク、産業用・建設用機械などで使用される鋼材には、繰り返し荷重が加わるものが少なくないため、その安全性を確保するには疲労特性に対する注意が必要である。また、鋼材の疲労破壊には環境条件が大きく影響し、海水中など、腐食性のある環境中で繰り返し応力を受けるときに強度低下が特に著しいことも知られている。
【0003】
鋼材の疲労過程は、応力集中部でのき裂の発生とその進展という性格の異なった2つの過程に大別して考えられるが、通常の機械部品では巨視き裂の発生が使用限界と考えられ、き裂の進展を許容する設計はほとんど行われない。しかしながら、冗長度の高い構造物では疲労き裂が発生しても直ちに破壊に至ることはない。したがって、このき裂が最終破断に至る前に定期検査で発見され、き裂の入った部分が修理されるか、あるいは使用期間内にき裂が最終破壊に至る長さまで成長しないならば、き裂があっても構造物は十分使用に耐えることになる。
【0004】
溶接構造物では、応力集中部としての溶接止端部が多数存在しており、疲労き裂の発生を完全に防止することは技術的にも不可能に近く、また経済的にも得策ではない。すなわち、き裂が既に存在している状態からのき裂進展寿命を大幅に延長させる必要があり、そのためにはき裂の進展速度をできるだけ遅くすることが重要になってくる。
【0005】
疲労き裂の進展を停留させ疲労寿命の長期化を図る方法として、特許文献1には疲労き裂先端にマイクロクラックを発生させる方法が開示されている。しかし、この方法は応力拡大係数範囲ΔK(最大応力拡大係数と最小応力拡大係数との差)領域が小さい場合、すなわち、き裂が長くなく応力レベルが低い場合に限られ、溶接部から発生してある程度の長さを有しており、中程度のΔK 領域にあるき裂に関してはその効果は小さいと考えられる。
【0006】
特許文献2には疲労強度と疲労き裂伝播抵抗が優れた高強度熱延鋼板の製造方法として、P およびCuの含有量を管理し、フェライト結晶粒径を5 〜25μm 、第二相の体積分率が10〜30% の二相組織とすることを提示している。ただし、この公報に提示されている疲労き裂伝播抵抗とは、疲労き裂進展における下限界応力拡大係数範囲(ΔKth)のことであり、疲労き裂が進展する下限の応力拡大係数を高める効果はあるが、疲労き裂進展速度を遅くすることについては効果のある方法ではない。
【0007】
特許文献3には、組織が硬質部の素地とこの素地に分散した軟質部からなり、これらの2つの部分の硬度差がビッカース硬さで150 以上であることを特徴とする疲労き裂進展抑制効果を有する鋼板が開示されている。しかし、この鋼板では、鋼の機械的特性について開示されておらず、また硬質部と軟質部の組織が明確に区別できる場合にその適用が限られる。一般に強度、靭性を向上させるためには組織を微細化する必要があり、必ずしも硬質部と軟質部の組織が明確に区別でき、その硬度差を測定できるとは限らない。
【0008】
特許文献4には、組織の20% 以上がベイナイト組織である鋼材に−4〜−0.25 の応力比、両振り波形で歪制御の繰り返し負荷を加えた際の軟化量(繰り返し軟化パラメータ)をもとに疲労き裂進展速度を評価する方法が開示されている。この方法によると予め繰り返し軟化量と疲労き裂進展速度との相関を求めマスターカーブを作成しさえすれば、繰り返し軟化量から疲労き裂進展速度を迅速かつ効率的に評価することができる。
【0009】
しかし、これは単なる評価方法であり、これをもってその評価に値する優れた鋼を提供できるものではない。また、構造用鋼として十分な強度、靭性、溶接性を備えているか否かの開示がない。
【0010】
【特許文献1】特開平5−185441号公報
【特許文献2】特開平4−337026号公報
【特許文献3】特許第2692134 号明細書
【特許文献4】特開2001−41868号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来から、繰り返し歪を受ける条件下では、焼なまし材は硬化するのに対し、硬化組織を含む材料は軟化する(以下、「繰返し軟化」という)ことが知られている。しかし、このような繰返し軟化の見られる材料では耐疲労特性の本質が解明されていなかったため、工業的な設計思想が確立できず、結果として耐疲労特性を生かす用途に使われていなかった。
【0012】
よって、本発明の課題は、特に繰返し軟化の見られる材料において耐疲労特性を定量的に扱った材料設計が可能である構造用鋼材とその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
ここに、本発明では、繰り返し歪を与える条件下での軟化挙動を含めた耐疲労特性改善のための研究開発を進めて、疲労き裂進展抵抗特性に優れた鋼材を見出した。さらに本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、船舶、海洋構造物、橋梁、建築物、タンクなど構造用鋼に最適な強度・靭性および溶接性を兼ね備えた鋼材を得、本発明に至ったものである。
【0014】
本発明の要旨は下記(1) 〜(10)に示す疲労き裂進展抵抗特性に優れた鋼およびその製造方法である。
(1) 最大引張・圧縮歪で±0.012 、繰り返し速度0.5 Hz、最大歪までの波数12の漸増・漸減繰り返し負荷を15回与えたときの、1 回目の最大歪時の応力σ1 と15回目の最大歪時の応力σ15との比σ15/σ1 で示される繰り返し軟化パラメータが0.65以上0.95以下である疲労き裂進展抵抗特性に優れた鋼材。
【0015】
(2) 質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.60%以下、Mn:0.50〜2.0 %、Al:0.003 〜0.10%を含み、下記式で表される炭素当量Ceq 値が0.28〜0.65%である(1) 記載の鋼材。
【0016】
Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(3) さらに、質量%で、Cu:1.5 %以下、Ni:1.5 %以下、Cr:1.20%以下、Mo:1.0 %以下、およびV:0.10%以下の1種または2種以上含有する上記(2) 記載の鋼材。
【0017】
(4) さらに、質量%で、Nb:0.10%以下、およびTi:0.10%以下の1種または2種を含有する上記(2) または(3) 記載の鋼材。
(5) さらに、質量%で、B:0.0003〜0.0020%を含有する上記(2) ないし(4) のいずれかに記載の鋼材。
【0018】
(6) さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.010 %を含有する上記(2) ないし(5) のいずれかに記載の鋼材。
(7) 熱間圧延後、Ac1 点以上に再加熱し、5℃/s以上の冷却速度での550 ℃以下までの冷却を行う熱処理を1回または2回以上行う上記(2) 〜(6) のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
【0019】
(8) 熱間圧延後、(Ar3点−100)℃以上(Ar3点+150)℃以下の温度から5℃/s以上の冷却速度での550 ℃以下までの冷却を行う熱処理を行う上記(2) 〜(6) のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
【0020】
(9) 上記(8) 記載の冷却を行った後、Ac1 点以上に再加熱し、5℃/s以上の冷却速度での550 ℃以下までの冷却を行う処理を1回または2回以上行う上記(2) 〜(6) のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
【0021】
(10)上記(7) または(8) 記載の熱処理を行った後、Ac1 点以下の温度に加熱して焼き戻す上記(2) 〜(6) のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明が対象とする鋼材は、繰返し歪を与える条件下での軟化の程度を評価するものであるから、繰り返し歪を受けた際に軟化する、硬化組織を有する鋼材である。
【0023】
硬化組織を有する鋼材は繰り返し歪により軟化するが、本発明者らは、このときの繰り返し軟化パラメータσ15/σ1 が、通常用いられる、応力拡大係数範囲(ΔK)が20 MPa・m0.5における疲労き裂進展速度(da/dN)と相関を示し、従って、疲労き裂の進展速度の評価に使用できることを見出した。
【0024】
繰返し軟化パラメータが0.65を下回ると、き裂進展速度は遅くなるが鋼材の靭性や溶接性が劣化し、構造用鋼として用途が著しく限定される。他方、繰返し軟化パラメータが0.95を上回ると、き裂進展速度が速くなってしまうばかりでなく、強度の低下を引き起こす。そこで繰返し軟化パラメータを0.65以上0.95以下と限定した。繰返し軟化パラメータは好ましくは0.70以上、0.90以下である。
【0025】
ここで繰返し軟化パラメータσ15/σ1 について説明する。
鋼材に負荷する歪波形は、鋼材の繰返し軟化量を評価するために引張と圧縮が交互に付与される両振り波形とする。このときの波形は漸増・漸減波形を用いて、繰返し速度を0.5 Hz、歪漸増後の歪範囲は0.024(最大引張・圧縮歪=±0.012)とした。この歪値は通常用いられる応力拡大係数範囲(ΔK)が20 MPa・m0.5であることから設定した。
【0026】
漸増過程では12波で最大歪に達し、漸減過程では12波で歪量が零となるようにした。この漸増・漸減過程を一組として、この一組を以下「ブロック」という単位で表すことにする。
【0027】
図1は、横軸に時間(sec) を、縦軸に歪量をとったときの歪波形を示す。図示したのは、第1、第2ブロックだけであるが、これを15回繰り返すのである。15回という回数は、繰返し歪による軟化効果が15回までにはほぼ飽和すると考えられることから設定したものである。
【0028】
第1ブロック目の最大歪に対応する応力をσ1 、第15ブロック目の最大歪に対応する応力をσ15とし、σ15/σ1 の値を繰り返し軟化パラメータとして定義する。
【0029】
図2は、このように定義した軟化パラメータと疲労き裂進展速度との関係を示すグラフであり、前述のように、これらの因子の間には一定の相関が見られた。
このメカニズムは次のように考えられる。
【0030】
鋼材に引張・圧縮の正負交番の繰返し負荷が与えられると、疲労き裂先端では転位の反転運動が生じ、転位の移動や消滅が起こるために軟化する。軟化によって疲労き裂先端の歪が緩和され、疲労き裂進展の駆動力が減少しているためと考えられる。この疲労き裂先端の歪緩和現象を有限要素法によって解析した。繰返し軟化材は疲労き裂の周囲が軟化部に覆われた要素分割とし、き裂先端の応力拡大係数範囲が20 MPa・m0.5となる荷重を負荷したモデルを想定した。
【0031】
図3に疲労き裂先端における歪量を均質材と繰返し軟化材とで比較した結果を示す。繰返し軟化材の疲労き裂先端における歪は、均質材の歪より小さいことが確認された。このように繰返し軟化材においては、き裂先端に付与される歪が緩和されることが疲労き裂進展の抑制に寄与していると考えられる。
【0032】
なお、本発明においては、大気中での試験において、20 MPa・m0.5における疲労き裂進展速度(da/dN) を4×10−5mm/サイクル以下とすることを目標とする。ここで、本発明にかかる鋼材について好適態様においてその化学組成を限定する理由を説明するが、本明細書において、%表示は特に断らない限り質量%を意味する。
【0033】
C:Cは構造部材の強度確保に有効な元素である。しかし、その含有量が0.02%未満では強度向上効果が得がたい。一方、Cの含有量が0.20%を越えると溶接性が低下するので溶接施工が困難となり、構造用鋼としての使用領域が著しく限定されてしまう。したがって、Cの含有量を0.02〜0.20%とした。大きな強度を確保するとともに溶接性をも確保するためには、 C含有量は0.04〜0.15%とすることが望ましい。
【0034】
Si:Siは脱酸作用を有する。しかし、その含有量が0.60%を超えると靭性が劣化する。したがって、 Si の含有量を0.60%以下とした。Siの含有量は0.05〜0.5 %とするのが望ましい。
【0035】
Mn:Mnは強度の確保に有効な元素である。しかし、その含有量が0.50%未満ではその効果が十分ではない。一方、 Mn の含有量が2.0 %を超えると靭性が劣化する。したがって、Mnの含有量を0.50〜2.0 %とした。Mnの含有量は0.70〜1.8 %とすることが望ましい。
【0036】
Al:Alは脱酸作用を有する。しかし、その含有量が0.003 %未満ではその効果が十分ではなく、鋼中の酸化物が増加するため靭性が劣化する。一方、 Al の含有量が0.10%を超えると靭性が低下する。したがって、Alの含有量を0.003 〜0.10%とした。Alの含有量は0.010 〜0.050 %とすることが望ましい。
【0037】
炭素当量Ceq(%) : C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
上記式で表される炭素当量Ceq 値は、鋼材の焼入れ性や溶接性を評価する指標であり、一般に広く使われている。しかしながら、Ceq は所望の機械的特性や溶接性を有した鋼材を得るための指標としてのみ使われており、疲労き裂進展抵抗特性との関係を調査した研究は見当たらない。
【0038】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、次のような知見を得た。すなわち、疲労き裂進展速度を抑制し、かつ構造用鋼として一般的な引張強さTSが500N/mm2以上、0℃におけるシャルピー吸収エネルギー値vE0 が27 J以上を満たすためには、組織が微細である (粗大化していない) 必要がある。本発明者らは、微細組織を持つ鋼では、Ceq値が機械的特性や溶接性のみならず、疲労亀裂進展速度にも関係することを見出した。即ち、Ceq が0.28%未満では、強度が低下するばかりでなく、繰り返し軟化も小さくなるため十分に疲労き裂進展速度が抑制されない。一方、 Ceqが0.65%を超えると、疲労き裂進展速度は抑制されるが、溶接性の劣化を引き起こし、溶接施工が困難になりその用途が著しく制限されてしまう。したがってCeq の範囲を0.28〜0.65%とした。なお、Ceq の範囲は0.30〜0.63%が望ましい。
【0039】
上記の成分元素に加えてさらに、下記の群からの少なくとも1種を含有してもよい。
(i)Cu 、Ni、Cr、Mo、およびVの少なくとも1種、
(ii)Nbおよび/またはTi、
(iii) B
(iv) Ca 。
【0040】
ここに、これらの元素を組成割合を規定する理由についてさらに説明する。
Cu:Cuは強度の確保、耐食性改善に有効な元素である。しかし、Cu含有量が1.5 %を超えると靱性の劣化を引き起こすのでその含有量を1.5 %以下とした。0.1 〜1.0 %とすることが望ましい。
【0041】
Ni:Niは強度の確保、靭性改善に有効な元素である。しかし、Ni含有量が、1.5 %を超えて含有してもその効果が飽和するばかりか、コストの上昇を招くためその含有量を1.5 %以下とした。0.05〜1.3 %とすることが望ましい。
【0042】
Cr:Cuと同様に強度の確保、耐食性改善に有効な元素である。しかし、Cr含有量が1.20%を超えると靱性の劣化を引き起こすのでその含有量を1.20%以下とした。0.1 〜1.0 %とすることが望ましい。
【0043】
Mo:Moは焼入れ性を高め強度を改善するのに有効な元素である。しかし、Mo含有量が1.0 %を超えると靱性の劣化を引き起こすばかりでなく、コストの上昇を招くためその含有量を1.0 %以下とした。0.05〜0.8 %とすることが望ましい。
【0044】
V:Vは強度を高める作用があるので、構造用鋼として大きな強度を確保する目的で含有させるが、0.1 %を超えて含有すると靭性の劣化を引き起こすため、その含有量を0.1 %とした。0.01〜0.08%とすることが望ましい。
【0045】
Nb:Nbは靭性を確保するのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.10%を超えるとかえって靭性が低下してしまう。したがって、Nbの含有量を0.10%以下とした。0.020 〜0.050 %とすることが望ましい。
【0046】
Ti:Tiは靭性を確保するのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.10%を超えるとかえって靭性が低下してしまう。したがって、Tiの含有量を0.10%と以下した。望ましくは、Ti:0.010 〜0.050 %である。
【0047】
B:Bは焼入れ性を高め、フェライト量を制御するのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.0003%未満ではその効果が十分ではない。一方、Bの含有量が0.0020%を超えると靭性の劣化を引き起こす。したがって、B の含有量を0.0003〜0.020 %とした。なお、Bの含有量は0.0008〜0.0015%とすることが望ましい。
【0048】
Ca:Caは非金属介在物を球状化し、靭性改善に有効な元素である。しかし、その含有量が0.0005%未満ではその効果が十分ではない。一方、Caの含有量が0.010 %を越えるとCaO 、CaS などの介在物が多量に生成して靭性を劣化させる。したがって、Caの含有量を0.0005〜0.010 %とした。なお、Caの含有量は0.001 〜0.005 %が望ましい。
【0049】
次に製造方法について説明する。
本発明によれば、上述のような鋼組成を有する鋼片を、例えば、連続鋳造法などで用意し、これに熱間圧延を行い、得られた熱延鋼板に熱処理を行うことで、繰り返しパラメータを0.65以上、0.95以下に調整する。本発明において熱間圧延それ自体は特に制限されない。慣用の条件で行えばよい。また、本発明にかかる鋼材は一般には熱延鋼板であるが、形鋼、棒材、管材等、必要により適宜形態のものであってもよい。
【0050】
熱間圧延後には、以下に述べるAc1 点以上への再加熱、急速冷却熱処理か、熱間圧延後の急速冷却処理、あるいはその双方を行う。また、その後、以下に述べる焼戻しを施してもよい。
【0051】
熱間圧延後、Ac1 点以上に再加熱:
再加熱温度がAc1 点未満では、オーステナイト変態が起こらないため所望の鋼材を得ることができず、疲労き裂進展特性の低下を引き起こす。したがって、熱間圧延後の再加熱温度をAc1 点以上とした。
【0052】
冷却速度5℃/s以上:
冷却速度が5℃/s未満では冷却速度が遅いため、疲労き裂進展速度の増加と強度、靭性の低下を引き起こす。したがって、冷却速度を5 ℃/s以上とした。再加熱後の冷却速度は望ましくは10℃/s以上である。冷却速度の上限は特にないが、鋼材の大きさ (鋼板の場合には厚み) にも依存する。例えば、板厚が10 mm 以下であれば、50℃/s以上の冷却速度とすることも可能である。
【0053】
550 ℃以下まで冷却:冷却停止温度が550 ℃を超えると疲労き裂進展速度の増加、すなわち繰り返し軟化特性の低下を引き起こす。したがって、冷却停止温度を550 ℃以下とした。望ましくは450 ℃以下である。
【0054】
かかる熱処理は必要により2回以上行ってもよい。
熱間圧延後(Ar3点−100)℃以上(Ar3点+150)℃以下の温度から冷却:
冷却開始温度が(Ar3点−100)℃未満では繰り返し軟化特性の低下と強度低下を引き起こす。他方(Ar3点+150)℃を超えると、オーステナイト粒径が粗大化し、靱性の劣化を引き起こす。したがって、熱間圧延後の冷却開始温度を(Ar3点−100)℃以上(Ar3点+150)℃以下とした。
【0055】
このときの冷却速度および冷却停止温度は前述の熱処理の場合と同様でよい。
この熱処理後、Ac1 点以上に再加熱する熱処理を1回または2回以上繰返してもよい。
【0056】
Ac1 点以下への焼戻し:
上記のように熱間圧延後および/または再加熱後に急速冷却した鋼材に、最後に焼戻しを行ってもよい。特に、上記処理での冷却速度が大きい (例、50℃以上) 場合は、焼戻しにより得られる靱性向上が大きいので、焼戻しを行うことが好ましい。焼戻し温度はAc1 点以下とする。焼戻し温度がAc1 点を超えるとオーステナイト変態が生じて、繰返し軟化特性の低下と、強度や靭性の低下を引き起こす。焼戻し温度は、望ましくは550 ℃以下である。
【0057】
本発明によれば繰り返し軟化パラメータを0.65〜0.95に規定するが、これはすでにこれまでの説明からも当業者には理解されるように熱処理条件を変えることで、またCeq.を変えることでも調整することができる。
【0058】
【実施例】
次に、実施例により本発明の作用効果を更に詳しく説明する。
(実施例1)
表1に示す化学組成を有する鋼を通常の方法によって試験炉溶製した。なお、表にはAr3 点、Ac1 点の値も記入した。
【0059】
次いでこれらの鋼を通常の熱間鍛造によって厚さ150mm の鋼片とした後、1150℃に加熱して熱間圧延を行い、板厚8〜50mmとした。
鋼種に応じて次のような処理を行った。
【0060】
鋼1、2および13は、(Ac1点+200)℃に再加熱後、60℃/sの冷却速度で室温まで冷却し、400 ℃で焼戻して製造した。
鋼3〜12および鋼14〜28は、熱間圧延後、(Ar3点+50)℃から板厚15mmの場合は冷却速度30℃/sで、板厚25mmの場合は冷却速度20℃/sで、板厚40mmの場合は冷却速度10℃/sで、板厚50mmの場合は5〜8℃/sの範囲の冷却速度でそれぞれ450 ℃まで冷却した。焼戻しは実施しなかった。
【0061】
これらの鋼材から各種試験片を採取し、板厚中心部を評価できるように繰返し軟化試験、疲労き裂進展試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を実施した。
繰返し軟化試験は、板厚中心部から試験片の長手方向が圧延方向に一致するように、直径6〜8mmで平行部長さが15mmの丸棒試験片を採取し、室温大気中において完全両振り波形で行った。この試験片の平行部にゲージ長さが12.5mmの伸び計を装着し、その伸び計をセンサーとして試験片に歪制御の軸力負荷を行った。
【0062】
試験機は電気油圧式閉ループ型疲労試験機を用い、歪波形は漸増・漸減タイプのインクリメンタル・ステップ波形とした。繰り返し速度は内部発熱の抑制を考慮し、0.5 Hzとした。歪漸増の後の歪範囲は0.024 とした。この歪値は、通常用いられる応力拡大係数範囲(ΔK)が20 MPa・m0.5であることから設定した。
【0063】
漸増過程では12波で最大歪に達し、漸減過程では12波で歪が零となるようにした。
この一組を以下「ブロック」という単位で表すことにする。第1ブロック目の最大歪に対応する応力をσ1 、第15ブロック目の最大歪に対応する応力をσ15とし、σ15/σ1 の値を繰り返し軟化パラメータとして測定した。
【0064】
疲労き裂進展試験は、き裂進展方向が圧延方向に直角となるようにCT試験片を採取し、負荷条件として繰り返し速度25 Hz 、応力比0.1 の条件下、室温大気中でASTM規格(E647)に則って実施した。
【0065】
疲労き裂進展速度は、き裂先端における応力拡大係数範囲ΔKが20 MPa・m0.5における進展速度で代表させて求めた。なお、一般材における疲労き裂進展速度は、5〜6×10−5mm/サイクルであったことから、目標とする疲労き裂進展速度はその上限を 4.0×10−5mm/サイクルとした。
【0066】
引張試験は、板厚中心部から試験片の長手方向が圧延方向に直角となるように採取したJIS Z 2201(1998)に記載の4 号試験片を用いて行った。
シャルピー衝撃試験は、板厚中心部から試験片の長手方向が圧延方向に一致するように採取したJIS Z 2202(1998)に記載のVノッチ衝撃試験片を用いて、各試験温度における試験数を3として、脆性−延性の破面遷移温度(vTrs)を測定した。
【0067】
表2に上記の各試験結果を示す。なお、表2におけるマーク「○」、「△」、「×」はそれぞれ次の区分に基づくものである。
すなわち、引張試験は500 MPa 以上の引張強度が得られた場合を「○」、500 MPa を下回る場合を「△」とした。
【0068】
シャルピー衝撃試験は、脆性−延性の破面遷移温度(vTrs)が−20℃以下の場合を「○」、−20℃を超え、0℃以下の場合を「△」、0℃を超える場合を「×」とした。なお、vTrsが−20℃以下の場合は、0℃における吸収エネルギーは平均値で150 J 以上、−20℃における吸収エネルギーは平均で100 J 以上を有している。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
表2に示すように鋼15、18、25、27は繰り返し軟化パラメータが本発明で規定する範囲を超えており、大気中での疲労亀裂進展速度が大きい。鋼14は繰り返し軟化パラメータが小さすぎるので、衝撃特性がよくない。鋼13、16、17、19〜24、26および28は繰り返し軟化パラメータは良好で疲労亀裂進展速度も良好であったが、鋼の強度または衝撃特性がやや劣っていた。
【0072】
(実施例2)
次いで、繰返し軟化パラメータあるいは疲労き裂進展速度、引張強度、vTrsのいずれもが目標に達した実施例1の鋼4を用いて製造条件の影響を調査した。
【0073】
板厚150mm の鋼塊を1150℃に加熱し、表3に示す製造条件で板厚25mmの鋼板とした。その鋼板から上記試験片を採取し、実施例1の場合と同様の試験を行った。表4に繰返し軟化パラメータ、疲労き裂進展速度、引張強度、vTrsの結果を示す。表4で鋼記号I〜Lの熱間圧延後の冷却条件は表3に示すように3〜20℃/secとした。
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
表4から製造条件が本発明で規定する範囲を外れた条件I〜Pの場合では、繰返し軟化パラメータあるいは疲労き裂進展速度が目標に達していないこと、また引張強度、vTrsのいずれかも必ずしも十分ではない場合があることが明らかである。
【0077】
(実施例3)
表2に示すNo.3、4、5、7、12、15、18、25、27の9つの鋼について、腐食疲労き裂進展試験、および腐食疲労試験を実施した。
【0078】
腐食疲労き裂進展試験は室温の海水中で実施した。
腐食疲労試験の試験環境としては、室温の海水中、60℃の海水中、室温の塩素飽和溶液、室温の1質量%の食塩水、室温の3質量%の食塩水の計5環境を準備した。ここで言う海水はASTM規格に示されている人工海水を意味する。また、室温とは特に温度制御を行うことなく供試したことを意味しており、60℃とはサーモスタットによりこの温度が保持されるよう制御したことを表す。食塩水環境は腐食疲労強度に及ぼす塩化ナトリウム単体の影響を明らかにするため供試したもので、例えば3質量%の食塩水環境は質量%で約3.5 %の塩化ナトリウムを含有している海水環境に対応させている。この中で、室温の海水中を基準条件として、鋼板の影響、負荷モードの影響、試験面加工条件の影響を明らかにしている。
【0079】
腐食疲労き裂進展試験は実施例1に記載したものと同じ形状のCT試験片を用いた。大気中疲労き裂進展試験と異なるのは繰返し速度を海洋環境での周期に合致させて0.17 Hz としている。応力比は大気中疲労き裂進展試験と同様0.1 に設定している。
【0080】
腐食疲労強度特性も腐食疲労き裂進展特性と同様、繰返し速度の依存性が極めて強く、低繰返し速度になるほど腐食疲労強度の低下が著しい。このため、疲労試験の負荷繰り返し速度は海洋環境での波浪荷重に合わせ、すべての試験において一律0.17 Hz とした。また、応力比(最小応力/最大応力)は標準的な値として最も広く疲労試験が行われている0.1 とした。
【0081】
腐食疲労試験での負荷モードは軸力、曲げ、ねじりの3つのモードである。この中で軸力負荷を基準条件として鋼種の影響、試験環境の影響、試験環境温度の影響、試験面加工方法の影響を明らかにした。
【0082】
軸力および曲げ荷重で使用した腐食疲労試験の形状・寸法は、掴み部の幅80mm、試験部の幅25mmの板状試験片で、掴み部から試験部への減幅はRlOOの曲線でなだらかに繋げた。また、掴み部の板厚は12mm、試験部の板厚は6mmとし、掴み部から試験部への減厚はR40 の曲線でなだらかに繋げた。
【0083】
ねじり荷重で使用した腐食疲労試験片形状は、掴み部ψ12mm、試験部ψ6mmの軸対称丸棒形状とした。
試験部の最終仕上げは、機械加工面に疲労き裂を発生させて腐食疲労強度を評価する場合には、試験面を仕上げ記号▽で3つ(▽▽▽)とした。また、プラズマ切断面を起点とする腐食疲労強度を評価する場合には、試験片の平面形状を切出す時にプラズマ切断法を適用した。また、疲労き裂がプラズマ切断面から確実に発生するよう試験部断面のコーナー部はRlの面取りをベビーグラインダーにて施している。ここで用いたプラズマ切断条件を以下に示す。
【0084】
プラズマ切断条件
電流:240A 電圧:110V 切断速度:1000mm/min
電極:タングステン ガス:H2+N2+Ar
レーザ切断部の腐食疲労強度を評価する場合には以下の条件にて切断面を準備した。疲労き裂が切断面から確実に発生するように、プラズマ切断面と同じ方法を採用した。
【0085】
レーザ切断条件
CO2 レーザ 出力:40kW(連続) 姿勢:横向き
切断速度:2.5m/min 焦点距離:381mm(放物面集光)
焦点外し量:+8mm
腐食疲労試験では、一つの試験条件、すなわち、ある鋼板と試験条件の組合せに対し、試験片を6〜8体供試し、SN曲線を作成し、このSN曲線から繰返し数1×106 回における時間強度、△σ(応力範囲:最大応力−最小応力) を腐食疲労強度として求めた。腐食疲労き裂進展試験結果を表5に示す。
【0086】
表5において、繰り返し軟化パラメータと大気中疲労亀裂進展速度は、参考のために表2の値を転記したものである。本試験結果より、腐食疲労き裂進展速度はいずれの材料においても大気中疲労き裂進展速度より速い。しかしながら、腐食疲労き裂進展速度の大気中進展速度に対する加速の程度 (すなわち環境による加速) は鋼種の依存性はほとんど見られず、ほぼ一定であることが示された。従って、大気中疲労き裂進展速度を抑制することにより、腐食疲労亀裂進展速度も抑制することが確認された。
【0087】
表6に腐食疲労試験結果を示す。
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】
表6に示すように、室温海水中の機械加工面を起点とする軸力腐食疲労特性は、本発明範囲にある鋼3、4、5、7 (本発明例) では400 MPa 以上の優れた腐食疲労強度を有するのに対し、繰り返し軟化パラメータが0.95を超える鋼15、18、25、27 (以下、比較例) では、いずれも310 MPa 以下の低い値となっている。また、データの揃っている場合で比べると、いずれの環境、いずれの試験面、いずれの負荷様式においても本発明の条件を満足する鋼の腐食疲労強度は、比較例の腐食疲労強度に比べ明らかに優れている。また、腐食疲労強度も比較例の腐食疲労強度に比べ優れている。
【0091】
腐食疲労試験後の破面等を観察したところ、本発明例と比較例とは腐食ピット形状・寸法には明瞭な相違が認められなかった。ところが、腐食ピット底近傍における微小硬度を測定したところ、本発明例の鋼板では比較例の鋼板に比べ、いずれも硬度が低くなっていた。本発明例においては、繰返し軟化特性により硬度、すなわち強度が減少し、腐食環境中に疲労き裂発生において有利に働いていると考えられる。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、耐疲労特性を定量的に評価できるためこれを利用した材料設計が可能となり、またそれを利用して疲労き裂進展抵抗特性の優れた鋼材が得られる。また、この鋼材は塩素あるいは塩化物を含む水環境下においても優れた性能を示す。したがって、船舶、海洋構造物、橋梁、建築物、タンク、産業用・建設用機械などの各種構造物に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】漸増・漸減歪波形を示すグラフである。
【図2】繰返し軟化パラメータと疲労き裂進展速度の関係を示すグラフである。
【図3】有限要素法解析による疲労き裂先端における歪量を示すグラフである。
Claims (10)
- 最大引張・圧縮歪で±0.012 、繰り返し速度0.5 Hz、最大歪までの波数12の漸増・漸減繰り返し負荷を15回与えたときの、1 回目の最大歪時の応力σ1 と15回目の最大歪時の応力σ15との比σ15/σ1 で示される繰り返し軟化パラメータが0.65以上0.95以下である疲労き裂進展抵抗特性に優れた鋼材。
- 質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.60%以下、Mn:0.50〜2.0 %、Al:0.003 〜0.10%を含み、下記式で表される炭素当量Ceq 値が0.28〜0.65%である請求項1記載の鋼材。
Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 - さらに、質量%で、Cu:1.5 %以下、Ni:1.5 %以下、Cr:1.20%以下、Mo:1.0 %以下、およびV:0.10%以下の1種または2種以上含有する請求項2記載の鋼材。
- さらに、質量%で、Nb:0.10%以下、およびTi:0.10%以下の1種または2種を含有する請求項2または3記載の鋼材。
- さらに、質量%で、B:0.0003〜0.0020%を含有する請求項2ないし4のいずれかに記載の鋼材。
- さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.010 %を含有する請求項2ないし5のいずれかに記載の鋼材。
- 熱間圧延後、Ac1 点以上に再加熱し、5℃/s以上の冷却速度での550 ℃以下までの冷却を行う熱処理を1回または2回以上行う請求項2〜6のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
- 熱間圧延後、(Ar3点−100)℃以上(Ar3点+150)℃以下の温度から5℃/s以上の冷却速度での550 ℃以下までの冷却を行う熱処理を行う請求項2〜6のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
- 請求項8記載の冷却を行った後、Ac1 点以上に再加熱し、5℃/s以上の冷却速度での550 ℃以下までの冷却を行う処理を1回または2回以上行う請求項2〜6のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
- 請求項7または8記載の熱処理を行った後、Ac1 点以下の温度に加熱して焼き戻す請求項2〜6のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
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