JP2004026756A - 炭酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を、パラジウム触媒と、更に必要に応じてレドックス触媒、オニウム化合物等の助触媒や脱水剤の存在下、反応溶媒としてカーボネート結合を有する化合物を使用して、一酸化炭素及び酸素と酸化的カルボニル化反応させる。脱水剤としては、粒径が300μm以下のゼオライトが好ましい。
【選択図】 無
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物からの炭酸エステルの製造方法に関し、詳しくは、パラジウム系の触媒を用いて芳香族モノヒドロキシ化合物または脂肪族モノヒドロキシ化合物と一酸化炭素および酸素から、特定の反応溶媒を使用して酸化的カルボニル化反応により炭酸エステルを効率よく製造する方法に関するものである。
芳香族炭酸エステルは、エステル交換法によるポリカーボネート合成等、種々の有機化合物合成の中間体として、また、ポリカーボネート樹脂原料等として有用であり、また、脂肪族炭酸エステルは、樹脂や塗料等の溶媒,アルキル化剤,カルボニル化剤あるいはポリカーボネート樹脂原料等として有用である。
ポリカーボネートは電気・電子分野、自動車分野、光学部品分野、構造材料分野等における樹脂材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
芳香族炭酸エステルの製造方法としては、一般に、フェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとをアルカリの存在下で反応させる方法が知られている。この方法では猛毒なホスゲンを用いる上に、量論量のアルカリ塩が副生することなどの問題がある。
また、脂肪族炭酸エステルと芳香族モノヒドロキシ化合物のエステル交換反応により芳香族炭酸エステルを得る方法が知られているが、エステル交換反応を進行させるため副生する脂肪族アルコールまたは芳香族アルコールを連続的に留去する必要があり、多大な熱エネルギーを損失する。また、複雑な工程を得る必要があり、原料製造工程や副生物のリサイクル工程等を含めた製造工程全体としては、経済的とはいえない等の問題があった。
【0003】
このような背景からより簡便な製造法の開発が求められている。すなわち、芳香族炭酸エステルの製造法としては、炭酸エステル化しようとする芳香族モノヒドロキシ化合物を、触媒の存在下で一酸化炭素及び酸素と反応させる酸化的カルボニル化反応を用いる方法が提案されている。この方法においては、使用される触媒の代表的なものとして、パラジウム化合物と銅化合物及び塩基を組み合わせた触媒(特公昭61−8816号公報、特公昭61−43338号公報)、パラジウム化合物、助触媒の他に、キノン類及びアンモニウム塩又はアルカリ(土類)金属ハラロゲン化物を用いる系(特開昭54−135743号公報、特開昭54−135744号公報、特開平2−104564号公報、特開平2−142754号公報、特開平6−9505号公報、特開平6−172268号公報、特開平6−172269号公報、特開平6−271506号公報、特開平6−271509号公報、特公平6−57678号公報、特開平8−89810号公報、特開平8−193056号公報)、パラジウム化合物、アルカリ(土類)金属ハロゲン化物、ヨウ化物またはヨウ化オニウム化合物及びゼオライト類からなる触媒系(特開平1−165551号公報)、パラジウム化合物、アルカリ(土類)金属ハロゲン化物、活性炭からなる触媒系(特開平8−92168号公報)等が提案されているが、いずれの場合も酸化的カルボニル化反応の反応速度が経済的な面で十分ではない。また、パラジウム化合物、銅化合物またはランタノイド化合物、2−ヒドロキシピリジン、非プロトン性極性溶媒を用いる方法(特開平9−110804号公報)がある。これらの反応は主に溶媒を用いずに行なうため、収率が低くなる。
また、ハロゲン化有機溶媒、例えばジクロロメタン等を用いても反応は進行するが、ハロゲン化有機溶媒は環境に悪影響を与えると考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の炭酸エステルの製造法が有する上記の問題点を解消し、ホスゲン或いは塩素ガスを使用せず、また反応溶媒としてハロゲン化有機溶媒を使用することなく、芳香族モノヒドロキシ化合物または脂肪族モノヒドロキシ化合物から炭酸エステルを、高収率で効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の反応溶媒を使用して、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を、パラジウム触媒の存在下、一酸化炭素及び酸素と反応させること、また特に脱水剤として粒径が300μm以下のゼオライトを用いることにより、上記の課題を極めて好適に達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
即ち本発明は、以下の炭酸エステルの製造方法を提供するものである。
1.芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を、パラジウム触媒の存在下、反応溶媒としてカーボネート結合を有する化合物を使用して、一酸化炭素及び酸素と酸化的カルボニル化反応させることを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
2.芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を、パラジウム触媒と共に助触媒の存在下、反応溶媒としてカーボネート結合を有する化合物を使用して、一酸化炭素及び酸素と酸化的カルボニル化反応させる上記1の炭酸エステルの製造方法。
3.助触媒が、レドックス触媒である上記2の炭酸エステルの製造方法。
4.助触媒が、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を活性化させる有機塩である上記2又は3の炭酸エステルの製造方法。
5.更に脱水剤の存在下に酸化的カルボニル化反応させる上記1乃至4の炭酸エステルの製造方法。
6.反応溶媒のカーボネート結合を有する化合物が、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジアリルカーボネート、アリルメチルカーボネート、ビス(2−メトキシフェニル)カーボネート、ビニレンカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジ(o−メトキシフェニル)カーボネート、メチルエチエルカーボネートからなる群から選ばれる化合物である上記1乃至5の炭酸エステルの製造方法。
7.反応溶媒のカーボネート結合を有する化合物がプロピレンカーボネートである上記1乃至6の炭酸エステルの製造方法。
8.(a) パラジウム化合物、(b) レドックス触媒能を有する化合物(c) 臭化オニウム塩及び塩化オニウム塩から選ばれた少なくとも1種のオニウム塩及び(d) 粒径が300μm以下のゼオライトの存在下に、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素を反応させることを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の炭酸エステルの製造方法において使用する原料の芳香族モノヒドロキシ化合物および脂肪族モノヒドロキシ化合物としては、以下に示すような従来公知の種々のものを使用することができ、所望の炭酸エステルの種類により適宜選定することができる。
なお、芳香族モノヒドロキシ化合物および脂肪族モノヒドロキシ化合物は、単独で用いても、2種以上併用しても良い。また、ビスフェノールAやエチレングリコールのようなジヒドロキシ化合物と併用しても良い。
【0008】
先ず、芳香族モノヒドロキシ化合物としては、一般式(I)
【0009】
【化1】
【0010】
〔式中、nは0〜5の整数を示し、Xは,ハロゲン原子(例えば塩素,臭素,フッ素,ヨウ素),炭素数1〜10のアルキル基,アルコキシル基,炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、シアノ基またはエステル基を示し、o−、m−、p−位のいずれの位置に存在してもよい。〕で表される炭素数6〜26の芳香族モノヒドロキシ化合物(一価フェノール)が挙げられる。具体的には、フェノール、o−、m−、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−α−クミルフェノール、メトキシフェノール、クロロフェノール、トリクロロフェノール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、フルオロフェノール、シアノフェノール等のフェノール類が例示される。
【0011】
また、脂肪族モノヒドロキシ化合物としては、一般式(II)
R’OH (II)
(但しR’は炭素数1〜20の脂肪族アルキル基を示す。R’の構造としては一級,二級,三級のいずれでもよく、分岐構造,環状構造,ハロゲン原子等を適宜含んでいてもよい。)で表される脂肪族モノヒドロキシ化合物が挙げられる。
具体的には、メタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノール,2−クロロ−1−プロパノール,1−クロロ−2−プロパノール,1−ブタノール,2−ブタノール,イソブタノール,tert−ブタノール,1−ペンタノール,2−メチル−1−ブタノール,3−メチル−1−ブタノール,2,2−ジメチル−1−プロパノール,シクロペンタノール,1−ヘキサノール,2−メチル−1−ペンタノール,3−メチル−1−ペンタノール,4−メチル−1−ペンタノール,2,2−ジメチル−1−ブタノール;2,3−ジメチル−1−ブタノール;3,3−ジメチル−1−ブタノール;2−エチル−1−ブタノール,3−エチル−1−ブタノール,シクロヘキサノール,1−オクタノール,2−オクタノール,2−エチル−1−ヘキサノール,1−デカノール,2−デカノール,1−ドデカノール,2−ドデカノール,1−テトラデカノール,2−テトラデカノール,1−ヘキサデカノール,2−ヘキサデカノール,1−オクタデカノール,2−オクタデカノール,ベンジルアルコール等が例示される。
【0012】
本発明の炭酸エステルの製造方法においては、反応溶媒としてカーボネート結合を有する化合物を使用して、芳香族モノヒドロキシ化合物および脂肪族モノヒドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素との反応を行うことが重要である。反応溶媒としてはカーボネート結合を有する化合物であればよいが、但し反応温度において液体状態のものでなければならない。このような反応溶媒としては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジアリルカーボネート、アリルメチルカーボネート、ビス(2−メトキシフェニル)カーボネート、ビニレンカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジ(o−メトキシフェニル)カーボネート、メチルエチエルカーボネート等が挙げられる。これらの中でもプロピレンカーボネートがより好ましい。これらのカーボネート系溶媒は単独で用いても、2種以上を併用して使用しても差し支えない。
【0013】
本発明においては反応溶媒として上記のようなカーボネート結合を有する化合物を使用して酸化的カルボニル化反応を行うため、一般的な炭化水素系溶媒やエーテル系溶媒を使用した場合に比べて、重合反応が非常に円滑に進行して重合度の大きいポリカーボネートが得られる。また、これらの反応溶媒はハロゲン元素を含まないので、従来から使用されているハロゲン系の有機溶媒のような環境に対する悪影響が生ずる恐れがない。
【0014】
本発明に使用するパラジウム触媒は、特に制限されることなく種々のパラジウム化合物が使用することができ、一般的な塩化パラジウム(II) 、臭化パラジウム(II) 、塩化カルボニルパラジウム、酢酸パラジウム(II) 等を使用することができる。
その他の本発明のパラジウム触媒として使用できるパラジウム化合物としては、更に以下のようなものが挙げられる。
【0015】
イ)ルイス酸を発現する原子の少なくとも一種とパラジウム原子を金属中心として有する多核金属錯体化合物。
この多核金属錯体化合物としては、一つの多核金属錯体化合物中に、ルイス酸性を発現する原子の少なくとも一種と、パラジウム原子を有するものであれば、いかなる化合物であってよい。具体的には、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)ジパラジウムクロリド,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)ビス(トリクロロチン)ジパラジウム,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチタニウム)ジパラジウムクロリド,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)ビス(トリクロロチタニウム)ジパラジウム,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(ジクロロアイアン)ジパラジウムクロリド,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)ビス(ジクロロアイアン)ジパラジウム,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)(トリクロロチタニウム)ジパラジウム,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)(ジクロロアイアン)ジパラジウム,ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチタニウム)(ジクロロアイアン)ジパラジウム,π−アリル(トリフェニルホスフィン)(トリクロロチン)パラジウム,π−アリル(トリフェニルホスフィン)(トリクロロチタニウム)パラジウム,π−アリル(トリフェニルホスフィン)(ジクロロアイアン)パラジウム,ビス(トリクロロチン)パラジウム,ビス(トリクロロチタニウム)パラジウム,ビス(ジクロロアイアン)パラジウム等が挙げられる。また、これらの多核金属錯体化合物の合成前駆体となるルイス酸性を発現する原子の少なくとも一種とパラジウム原子を有する化合物をそれぞれ単独に用い、物理的に混合した形のものであってもよい。また、これらの多核金属錯体化合物には、反応に支障のない限り、適宜、アルキルホスフィン及び芳香族ホスフィン,亜リン酸エステル,リン酸エステル等の配位子やアセトニトリル等のニトリル配位子を組み合わせてもよい。
この多核金属錯体化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
ロ)少なくとも窒素原子を二つ以上有する有機化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物。
このようなパラジウム錯体化合物としては、例えば、ビピリジル系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物、ジイミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物及びジアミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物などのパラジウム錯体化合物が挙げられる。
ビピリジル系化合物を配位子として含有するパラジウム錯体化合物として、次の一般式(III)
【0017】
【化2】
【0018】
〔式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基又は水素原子を示し、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 のように互いに隣接した置換基はそれぞれ結合して芳香族環、あるいは窒素原子,酸素原子,リン原子等のヘテロ原子を含む芳香族環又は不飽和脂肪族環を形成していてもよい。A及びBは、それぞれ独立に、シアン酸イオン、イソシアン酸イオン、アジドイオン、亜硝酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン又は酢酸イオンを示す。A、Bは互いに同一であっても、異なっていても良い。〕
で表される錯体化合物を挙げることができる。
【0019】
上記一般式(III)において、R1 〜R8 のうちの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基等が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていてもよい。また、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族基や、フェニル基やナフチル基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が1個以上導入された基などが挙げられる。
【0020】
ジイミン系化合物を配位子として含有するパラジウム化合物錯体は、次の一般式(IV)
【0021】
【化3】
【0022】
〔式中、C、Dはそれぞれ独立に、シアン酸イオン、イソシアン酸イオン、アジドイオン、亜硝酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン又は酢酸イオンであり、C、Dは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。R9 、R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、全炭素数7〜20の炭化水素基を環上に有する芳香族基である。R9 およびR12は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基であり、R10とR11は互いに同一であっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成することもできる。〕で表される錯体化合物である。
【0023】
一般式(IV) において、R9 、R12は炭化水素基を有する芳香族基が好ましく、特に2,6−ジイソプロピルフェニル基が好適である。炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基等である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等である。シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていてもよい。
【0024】
全炭素数7〜20の炭化水素基を環上に有する芳香族基としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族基や、フェニル基やナフチル基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が1個以上導入された基である。
R10、R11の炭素数1〜20の炭化水素基は、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等である。炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基は、前記R9 およびR12における炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基の説明において例示したものと同じである。炭素数6〜20のアリール基は、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等である。炭素数7〜20のアラルキル基は、例えばベンジル基、フェネチル基等である。
【0025】
ハ)次の一般式(V−a)又は一般式(V−b)で表されるカルベン型パラジウム錯体化合物。
【0026】
【化4】
【0027】
(R13、R14、R16およびR17は、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基で−O−,−S−,−NH−を含みハロゲン置換されたものも含み、同一であっても異なるものであっても良い。nは0〜2の整数であり、R15は炭素数1〜20のアルキレン基、アルキリデン基で芳香族、−O−,−S−,−NH−を含み、ハロゲン置換されていても良い。Xはアニオンであり、同一Pdに結合する二つのXは同一であっても異なるものであっても良い。)
【0028】
上記の式(V−a)(V−b)のR13、R14、R16およびR17の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、メシチル基、tert−オクチル基、α−クミル基等が挙げられ、特に制限はない。中でもメチル基、tert−ブチル基が好ましい。また、R15の炭素数1〜20のアルキレン基、アルキリデン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、アミレン基、ヘキシレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、ベンジリデン基、
【0029】
【化5】
【0030】
および
【0031】
【化6】
【0032】
の構造を有するものが挙げられる。
以上に記載したパラジウム触媒は単独で用いても、二種以上を併用しても差し支えない。また、これらのパラジウム触媒の使用量は、原料のジヒドロキシ化合物に対し、100万分の1モル程度以上あればよい。
【0033】
本発明においては、上記のパラジウム触媒と共に、必要に応じて助触媒として無機レドックス触媒及び/又は有機レドックス触媒を使用することができる。
無機レドックス触媒としては、ランタノイド化合物、周期律表第5族遷移金属化合物、第6族遷移金属化合物、第7族遷移金属化合物、鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、銅化合物等が例示される。これらは、有機錯体、有機塩及び無機塩のいずれの形でもあってもよい。これらの中でも、セリウム化合物又はマンガン化合物が好ましい。例えば、セリウム化合物としては、酢酸セリウム(III)、トリス(アセチルアセトナト)セリウム(III)、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)セリウム(IV)、テトラ(トロポロナト)セリウム(IV)等が適している。マンガン化合物としては、酢酸マンガン(II)、トリス(アセチルアセトナト)マンガン(III)、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)マンガン(IV)等が適している。
【0034】
また、有機レドックス触媒としては、レドックス触媒としての機能を持つ、キノン類、ハイドロキノン類がある。具体例としては、1,4−ベンゾキノン、1,2−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン、1,4−フェナントレンキノン、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、9.10−ジヒドロキシアントラセン、1,4−ジヒドロキシフェナントレン等が例示される。
これらのレドックス触媒は単独で用いても、2種以上を併用しても差し支えない。レドックス触媒の使用量は主触媒のパラジウム触媒に対して0.1〜100モル程度で使用する。
【0035】
本発明の炭酸エステルの製造方法においては、必要に応じて原料のモノヒドロキシ化合物を活性化させる作用のある有機塩としてオニウム塩を使用することができる。このようなオニウム塩としては、アンモニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレノニウム塩等が挙げられる。中でもアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、ホスホニウム塩がより好ましい。
アンモニウム塩としては、テトラ(n−ブチル)アンモニウムブロマイド、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムブロマイド、テトラ(n−ブチル)アンモニウムヨージド等が用いられる。また、ホスホニウム塩としては、テトラ(n−ブチル)ホスホニウムブロマイド、テトラ(n−ブチル)ホスホニウムヨージド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムヨージド等が用いられる。
オニウム塩の使用量は、ヒドロキシ化合物に対し、0.1モル%程度以上あればよい。
【0036】
更に、助触媒として、ヘテロポリ酸やヘテロポリ酸のオニウム塩等が好適に用いられる。
ヘテロポリ酸としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、ケイタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等が挙げられる。また、これらのオニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩等も用いることが可能である。これらは単独でも、二種以上併用しても差し支えない。
【0037】
本発明の炭酸エステルの製造方法においては、その反応に際しては水が副生するが、その副生量が反応を阻害するのに充分な量となる場合には、この副生水を反応系から連続的に除去するのが好ましい。反応系からの副生水を除去する方法としては、従来公知の各種の方法が使用できるが、上記のパラジウム触媒とその他の助触媒とともに脱水剤を添加することが好ましい。特に好ましい脱水剤の例としては、モレキュラーシーブ類(ゼオライト)、塩化カルシウム、酸化カルシウム、五酸化二リン、水素化ナトリウム、無水水酸化ナトリウム等の無機脱水剤、アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアルデヒドジフエニルアセタール、アセトンジメチルアセタール、アセトンジフエニルアセタール等の有機脱水剤などが挙げられる。なお、これらの脱水剤はチップ状のものでもパウダー状のものでも使用することができる。
脱水剤としてのゼオライトは、粒径が300μm以下のものが用いられ、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。例えば、天然ゼオライトとしては、ホウフッ石、ホージャサイト、ソーダフッ石、モルデナイト、クリノブチライト、エリオナイト等があり、合成ゼオライトとしては、A型、N−A型、X型、Y型、ZK型、S型、T型、L型、ZSM型、AZ型、NU型、P−A型、P−C型、P−G型、ゼオロン等が挙げられる。中でも好ましいのは合成ゼオライトのモレキュラーシーブスである。A−3,A−4が好ましく、より好ましくはA−3である。
【0038】
次に、本発明の炭酸エステルの製造方法は、カーボネート結合を有する化合物という特定の反応溶媒を使用して、上記のパラジウム触媒と必要に応じてその他の助触媒と脱水剤の存在下、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を一酸化炭素及び酸素と反応させるものである。
本発明の方法における反応温度は30〜180℃、好ましくは50〜150℃、より好ましくは80〜120℃である。30℃未満だと反応が進行しない可能性がある。180℃を越えると副反応が生じたり、生成物の着色する可能性があり好ましくない。また、反応圧力は、一酸化炭素や酸素等のガス状の原料を用いるため、加圧状態に設定することが一般的であり、一酸化炭素分圧は1×10−2〜20MPa、好ましくは1×10−2〜10MPaの範囲内で、酸素分圧は1×10−2〜10MPa、好ましくは1×10−2〜5MPaの範囲内であればよい。特に、酸素分圧は、反応系内のガス組成が爆発範囲を外れるように調節することが望ましく、上記反応圧力があまり低圧では反応速度が低下し、また高圧過ぎると反応装置が大型となり、設備費用が高く、経済的に不利である。不活性ガスや水素等を用いる際には、その分圧は特に規定されないが、適宜実用的な圧力範囲で用いればよい。反応時間は、たとえば回分式の場合1〜48時間、好ましくは2〜36時間、より好ましくは3〜24時間である。1時間未満だと収率が低く、48時間を越えても収率の伸びが見られない。
【0039】
反応方式は、回分式、原料と触媒等を連続的に反応器に投入する半連続式、原料と触媒等を連続的に反応器に投入し、反応性生物を連続的に抜き出す連続式のいずれでも可能である。触媒組成物の反応系における状態は、均一系であっても不均一であってもよく、触媒組成物を適宜選択することにより選ぶことができる。また、触媒組成物を不均一の状態で用いる場合は、触媒組成物が反応系中に懸濁した状態で用い、反応後にろ過等の操作によって分離しても、反応器又は容器等に充填もしくは結合した状態にし、これに反応液を通過させる状態で用いてもよい。
【0040】
本発明の製造方法は、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物と、一酸化炭素及び酸素を原料として、カーボネート結合を有する化合物という特定の溶媒を使用して、これらを上記の触媒組成物の存在下で反応させて、炭酸エステルを製造するものである。この反応で得られる目的物である炭酸エステルとしては次の様なものがある。
芳香族モノヒドロキシ化合物を原料として用いた場合、次の一般式(VI)
【0041】
【化7】
【0042】
〔式中、nおよびXは、前記一般式(I)の場合と同じである。〕で表される芳香族炭酸エステルが挙げられる。
また、脂肪族ジヒドロキシ化合物を原料として用いた場合、一般式(VII)
【0043】
【化8】
【0044】
(式中、R’は炭素数1から20の脂肪族アルキル基を示す。R’の構造としては一級,二級,三級のいずれでもよく、分岐構造,環状構造,ハロゲン原子等を適宜含んでいても良い。)で表される脂肪族炭酸エステルが挙げられる。
【0045】
【実施例】
以下に、本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、以下の例で使用した触媒成分および試薬は、市販の製品、または文献記載の方法に従い調製したものである。
また、高収率が得られるが環境に悪影響を与えると考えられるジクロロオメタンを溶媒に用いた場合および、請求項7におけるゼオライトの粒径(300μm以下)を外れる場合を参考例として示す。
炭酸エステル(ジフェニルカーボネート)の収率は、原料(フェノール)基準とし、内部標準法を用いたガスクロマトグラフにより測定した。
【0046】
実施例1
容量30ミリリットルのステンレス製オートクレーブに、フェノール8.32ミリモル、酢酸パラジウム(II)(5.6mg、0.025ミリモル)、酢酸セリウム(III)一水和物(42mg、0.125ミリモル)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(202mg、0.625ミリモル)、ベンゾキノン(68mg、0.625ミリモル)、モレキュラーシーブ3A1/16(和光純薬(株)製、Lot:WTQ3229 、1.0g)、プロピレンカーボネート(10ml)を封入した。このオートクレーブ内を窒素ガスにより反応容器内を置換した後、一酸化炭素で加圧及び脱圧することにより一酸化炭素置換した。その後、25℃換算で6.0MPaとなるように一酸化炭素を加圧し、さらに、全体の圧力が6.3MPaとなるように酸素を加圧した。この反応容器を磁気攪拌機付き油浴中において、100℃に加熱撹拌することにより3時間反応させた。反応終了後、モレキュラーシーブを除き、溶媒を留去して粗生成物を得た。ジフェニールカーボネートの収率は45%であった。
【0047】
比較例1
実施例1において、反応溶媒のプロピレンカーボネートを原料のフェノール及び生成物のジフェニルカーボネートが溶解するアセトフェノンとした以外は、実施例1と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は3%であった。
【0048】
参考例1
実施例1において、反応溶媒のプロピレンカーボネートをハロゲン系の溶媒であるジクロロメタンとした以外は、実施例1と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は44%であった。
【0049】
実施例2
実施例1において、酢酸パラジウム(II)の代わりに塩化パラジウム(6,6’−ジメチル−2,2’−ビピリジル)錯体を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は49%であった。
【0050】
比較例2
実施例2において、反応溶媒のプロピレンカーボネートを、アセトフェノンとした以外は、実施例2と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は4%であった。
【0051】
実施例3
実施例1において、酢酸パラジウム(II)の代わりに塩化パラジウム2,2’ビキノリン錯体を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は47%であった。
【0052】
比較例3
実施例3において、反応溶媒のプロピレンカーボネートを、アセトフェノンとした以外は、実施例3と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は3%であった。
【0053】
実施例4
実施例1において、酢酸パラジウム(II)の代わりに塩化パラジウム2,9’−ジメチル1,10−フェナトロリン錯体を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は50%であった。
【0054】
比較例4
実施例4において、反応溶媒のプロピレンカーボネートを、アセトフェノンとした以外は、実施例4と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は5%であった。
【0055】
実施例5
実施例1において、テトラブチルアンモニウムブロマイドの代わりにテトラブチルホスホニウムブロマイドを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は48%であった。
【0056】
比較例5
実施例5において、反応溶媒のプロピレンカーボネートを、アセトフェノンとした以外は、実施例5と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は3%であった。
【0057】
実施例6
実施例5において、モレキュラーシーブ3A1/16の代わりに合成ゼオライトA−3粉末(和光純薬(株)製、粒径75μm未満、lot:LDJ2509)とした以外は、実施例5と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は70%であった。
【0058】
参考例2
実施例5において、モレキュラーシーブ3A1/16の代わりに合成ゼオライトA−3粒状(和光純薬(株)製、粒径500μm〜1.18mm、lot:LDJ2509)とした以外は、実施例5と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は18%であった。
【0059】
実施例7
実施例5において、モレキュラーシーブ3A1/16の代わりに合成ゼオライトA−3粉末(和光純薬(株)製、粒径75μm未満、lot:LDJ2509)とした以外は、実施例5と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は80%であった。
【0060】
参考例3
実施例5において、モレキュラーシーブ3A1/16の代わりに合成ゼオライトA−3粒状(和光純薬(株)製、粒径500μm〜1.18mm、lot:LDJ2509)とした以外は、実施例5と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は18%であった。
【0061】
実施例8
実施例5において、モレキュラーシーブ3A1/16の代わりに合成ゼオライトA−3粉末(和光純薬(株)製、粒径75μm未満、lot:SEF2688)とした以外は、実施例5と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は55%であった。
【0062】
参考例4
実施例1において、モレキュラーシーブ3A1/16の代わりに合成ゼオライトA−4粒状(和光純薬(株)製、粒径500μm〜1.18mm、lot:CKP3827)とした以外は、実施例5と同様に実施した。ジフェニールカーボネートの収率は10%であった。
【0063】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、有毒なホスゲンや塩素ガスを使用することなく、また環境に対して悪影響を与えるおそれのあるジクロロメタンやクロロホルムのようなハロゲン系の有機溶媒を用いずに、炭酸エステルをより高い収率で、かつより高い反応速度で製造することができる。
Claims (8)
- 芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を、パラジウム触媒の存在下、反応溶媒としてカーボネート結合を有する化合物を使用して、一酸化炭素及び酸素と酸化的カルボニル化反応させることを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
- 芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を、パラジウム触媒と共に助触媒の存在下に、反応溶媒としてカーボネート結合を有する化合物を使用して、一酸化炭素及び酸素と酸化的カルボニル化反応させることを特徴とする請求項1に記載の炭酸エステルの製造方法。
- 助触媒が、レドックス触媒である請求項2に記載の炭酸エステルの製造方法。
- 助触媒が、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物を活性化させる有機塩である請求項2又は請求項3に記載の炭酸エステルの製造方法。
- 更に脱水剤の存在下に酸化的カルボニル化反応させる請求項1乃至4のいずれかに記載の炭酸エステルの製造方法。
- 反応溶媒のカーボネート結合を有する化合物が、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジアリルカーボネート、アリルメチルカーボネート、ビス(2−メトキシフェニル)カーボネート、ビニレンカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジ(o−メトキシフェニル)カーボネート、メチルエチエルカーボネートからなる群から選ばれる化合物である請求項1乃至5いずれかに記載の炭酸エステルの製造方法。
- カーボネート結合を有する化合物が、プロピレンカーボネートである請求項6に記載の炭酸エステルの製造方法。
- (a) パラジウム化合物、(b) レドックス触媒能を有する化合物(c) 臭化オニウム塩及び塩化オニウム塩から選ばれた少なくとも1種のオニウム塩及び(d) 粒径が300μm以下のゼオライトの存在下に、芳香族モノヒドロキシ化合物又は脂肪族モノヒドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素を反応させることを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
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