JP2004026739A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚を健やかに保つことのできる化粧料に関する。詳しく言うと、くすみ、くまに対して改善効果に優れ、更に優れた肌あれ防止効果、角質改善効果、老化防止効果及び美肌効果を有する化粧料に関する。
【解決手段】クエルセチンまたはクエルセチンの誘導体を配合する。
【選択図面】【図1】
【解決手段】クエルセチンまたはクエルセチンの誘導体を配合する。
【選択図面】【図1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚を健やかに保つことのできる化粧料に関する。詳しく言うと、くすみ、くまに対して改善効果に優れ、更に優れた肌あれ防止効果、角質改善効果、老化防止効果及び美肌効果を有する化粧料に関する。この発明の利用分野は前記化粧料の化粧品分野にとどまるものではなく、医薬品および食品等々の各種技術分野に広く応用できるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】くすみとは、一般に肌が暗く見える現象であり、くまとは、特に眼瞼部の周辺部に発生する一時的に肌が暗く見える現象をさす。両者は、女性の肌悩みの中でも上位に挙げられるものである。これまで、その発生要因として一般的に疲れや血行不良が言われているが、その他にも表皮メラニン量、皮膚表面の凹凸による影等の複雑な要因が絡み合っていると考えられている。これまでくすみやくまに対する対処法としては、ファンデーションやコンシーラーなどのメイクアップ化粧料によって目立たなくする手段しかなく、根本的なくすみ・くま改善剤はほとんど存在しないのが現状であった。
【0003】本発明の目的は、皮膚を健やかに保つことの出来る化粧料を提供することにある。さらに詳しく言うと、くま・くすみに対して改善効果に優れ、さらに優れた肌荒れ防止効果、角質改善効果及び美肌効果を発現する化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような実状に鑑み鋭意研究した結果、クエルセチン及びクエルセチン誘導体がくま・くすみに対する改善効果に著しく優れていることを発見し本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細に述べる。本発明に用いるクエルセチンの誘導体は、上記一般式(1)中、Rが、糖である配糖体が挙げられ、具体的にはその糖の種類によってクエルシトリン、イソクエルシトリン、クエルシメリトリン、アビクラリン、ヒペリン、レイノウトリン、クエルシツロン、ルチン等がある。また、上記一般式(1)中、Rが脂肪酸エステルである誘導体が挙げられ、その脂肪酸としては酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等がある。その他にもクエルセチンの誘導体とは、皮膚中の酵素によってRの部分が加水分解されてクエルセチンになるような物質全てを意味する。
【0006】
本発明で用いられるクエルセチン又はクエルセチン誘導体は、天然物由来のものであっても、また合成によって得られたものでも、試薬でもよく、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。試薬であれば、クエルセチン二水和物(和光純薬(株)社製)が好適に用いられる。
【0007】合成方法としては、特開平1−213293、特開平3−255013記載の方法を用いることができる。天然物を利用する方法としては、エンジュ、タバコの葉、トマト、三色スミレ、ヘンルーダなどの植物を第七改正 日本局方解説書の製法に従い高純度のルチンを入手することによりクエルセチン誘導体を精製することが可能である。
【0008】本発明で用いられるクエルセチンまたはクエルセチン誘導体の配合量としては、処方成分全量に対し、純分換算で0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量%である。特に用事調整のするような製品で有れば、100重量%を含めた高配合率で利用することも出来る。
【0009】本発明には、上記必須成分の他に、油剤、色素、香料、防腐剤、界面活性剤、顔料、抗酸化剤、保湿剤、紫外線吸収剤などを、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0010】本発明の剤型としては、クリーム、乳液、化粧水、ファンデーション、口紅、パック、浴剤などが挙げられる。この化粧料は、たとえば乳液等の場合、油相および水相をそれぞれ加熱溶解したものを乳化分散して冷却する通常の方法により製造することができる。
【0011】
以下、実施例1および比較例1の化粧用クリームを用いたヒト効果試験に基づいて本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例に記載の血流量測定法、血液量測定法、血流速度測定法、皮膚明度測定法、角質層のターンオーバー速度測定法、官能試験法は下記の通りである。
【0012】(1)血流量、血液量、血流速度測定法
レーザードップラー血流計(オメガフロー社製)を用いて測定を行った。測定には接触タイプのプローブを用い、内眼角下部について測定を行った。各測定は約60秒ずつ行い、値の安定したおよそ30秒の平均値を測定値とし、血流量、血液量、血流速度を測定した。
【0013】(2)皮膚明度測定法
分光測色計(横河製)を用いて、各波長における分光反射率の測定を行った。測定は内眼角下部、頬のくまのない部位(コントロール部位)について5回行い、最大、最小値を除いた3点の平均反射率を求め、以下の計算式から値を求め、反射率の変化をグラフ化し皮膚明度を測定した。
【0014】滝脇らによると、くすみが目立つ肌と目立たない肌の分光反射率を比較すると、くすみが目立たない肌では400〜700nm全般に及ぶ反射率が高く、特に酸化型ヘモグロビンの吸収波長域(415nm、542nm、576nm)の反射率の高さに違いが見られることが報告されている(滝脇弘嗣:皮膚の色を測る。西日本皮膚科、55、415(1993))。このため、測定した各波長における反射率の変化をグラフ化した後、便宜上560nmでの反射率を皮膚明度とした。なお、皮膚明度は下記の式により求めた。
【0015】
【数1】
【0016】(3)角質層のターンオーバー速度測定法
蛍光色素のダンシルクロライドを白色ワセリン中に5重量%配合した軟膏を作り、被験者の前腕部の皮膚に24時間閉塞貼布し、角質層にダンシルクロライドを浸透結合する。その後同じ部位に1日2回(朝、夕)被験試料を塗布し、毎日ダンシルクロライドの蛍光を調べ、その蛍光が消滅するまでの日数を皮膚角質のターンオーバー速度とした。
【0017】(4)官能試験法
くま、くすみに悩んでいる被験者12名が試料を21日間連用した後の試料の特性を評価した。評価は、眼の下のくまの見え方、肌の明るさ(くすみ改善)のアンケート項目に対し、「くまが薄くなった」、「肌が明るくなった(くすみが改善した)」と回答した人数で示した。
【0018】実施例1、比較例1下記処方において、下記の調製方法に従ってクリームを調製し、12名の被験者に前記の諸試験を実施した。ただし、左顔全体特に左目内眼角下部のくま部位またはくすみ部位に実施例1を21日間連用した。右顔全体特に右目内眼角下部のくま部位またはくすみ部位に比較例1を21日間連用し、試料の特性を評価した。
【0019】
【実施例1】化粧用クリーム 〈組成〉 (重量%)
油性成分: ミツロウ 2.0
ステアリルアルコール 5.0 ステアリン酸 8.0
スクワラン10.0
乳化剤: 自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0
防腐剤:メチルパラベン0.1
水相:
クエルセチン 0.05 エタノール5.0 プロピレングリコール 5.0 精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて予備乳化を行ない、ホモミキサーで均一に乳化し、30゜Cまで冷却しクリームを得る。
【0020】
【比較例1】化粧用クリーム 〈組成〉 (重量%)
油性成分: ミツロウ 2.0
ステアリルアルコール 5.0 ステアリン酸 8.0
スクワラン10.0
乳化剤: 自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0
水相: エタノール5.0 プロピレングリコール 5.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70℃に保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70℃として油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて予備乳化を行ない、ホモミキサーで均一に乳化し、30℃まで冷却しクリームを得る。
【0021】得られたクリームについて諸試験を実施した結果を以下に示す。
血流量(n=12人の平均を示した)
【0022】
【表1】
【0023】
【図1】
【0024】
【図2】
【0025】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位の血流量を測定した結果、表1に示すとおり、血流量は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、150%も増加しており、内眼角下部の滞った血液の流れが改善された。すなわち、血流改善効果が認めらた。
【0026】血液量(n=12人の平均を示した)
*は、統計処理においてt検定を行い、5%(*P<0.05)で有意差があることを示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【図3】
【0029】
【図4】
【0030】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位の血液量を測定した結果、表2に示すとおり、血液量は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、86%まで減少しており、内眼角下部の滞った血液が減少した。すなわち、血流改善効果が認めらた。
【0031】血流速度(n=12人の平均を示した)
*は、統計処理においてt検定を行い、5%(*P<0.05)で有意差があることを示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【図5】
【0034】
【図6】
【0035】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位の血流速度を測定した結果、表3に示すとおり、血流速度は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、約2倍に増加しており、内眼角下部の滞った血液の流れが、速くなり改善された。すなわち、血流改善効果が認められた。
【0036】皮膚明度差(n=12人の平均を示した)
【0037】
【表4】
【0038】
【図7】
【0039】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位(くすみ部位)の反射率を測定した結果、表4に示すとおり、各波長における反射率は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、400〜700nm全般に及ぶ反射率が高く、特に酸化型ヘモグロビンの吸収波長域(542nm、576nm)付近の反射率が著しく増加しており、左内眼角下部のくま(くすみ)の部分に透明感出て、肌の明るさが上がった。すなわち、くま(くすみ)の茶黒い、くすんだ色が薄くなり皮膚が明るくなったことが示唆された。
【0040】角質層のターンオーバー速度(n=12人の平均を示した)
【0041】
【表5】
【0042】
蛍光色素のダンシルクロライドを白色ワセリン中に5重量%配合した軟膏を作り、12名の被験者の左右前腕部の皮膚に24時間閉塞貼布し、角質層にダンシルクロライドを浸透結合する。その後同じ部位に1日2回(朝、夕)右手に比較例1を、左手に実施例1の被験試料を塗布し、毎日ダンシルクロライドの蛍光を調べ、その蛍光が消滅するまでの日数を皮膚角質のターンオーバー速度を測定した結果、表5に示す通り、比較例1に比べて実施例1を塗布した方が、角層のターンオーバー速度が早かった。すなわち、角化がうまく機能し、角化不善による肌のくすみを改善できることが示唆された。
【0043】官能評価(n=12人のそれぞれの評価を示した)
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
表6、表7に示すとおり、科学的な計測だけでなく、本人の実感においても明らかに実験例1の方が、比較例1に比べてくま、くすみ改善効果が高かった。
【0047】以上の結果から明らかなように、クエルセチンを配合したクリームは血流量、血液量、血流速度、皮膚明度、ターンオーバー速度、官能特性から判断しても、くすみ・くまに対して改善効果に優れ、更に優れた肌あれ防止効果、角質改善効果、老化防止効果及び美肌効果を有することが分かる。また実施例のクリームはヒト皮膚を用いた諸試験においても全く皮膚刺激は生じなかった。
【0048】以下、更に形態別にそれぞれ下記の処方で下記の調製法により調製し、前記の諸試験を被験者12名で21日間の連用塗布又は服用により実施した。
【0049】
【実施例2】化粧水 〈組成〉 (重量%)
ルチン 0.2 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O) 1.5 エタノール 10.0 メチルパラベン0.1 精製水 残部
〔製法〕前記原料を精製水に加え均一に混合する。
【0050】
【比較例2】化粧水 〈組成〉 (重量%)
グリセリン 5.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O) 1.5 エタノール 10.0 メチルパラベン0.1 精製水 残部
〔製法〕前記原料を精製水に加え均一に混合する。
【0051】
【実施例3】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: クエルセチン0.005 カルボキシビニルポリマー 0.2
プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0052】
【比較例3】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0053】
【実施例4】パック剤 〈組成〉 (重量%)
粉末: 酸化チタン 8.0 カオリン 7.0 油分: オリーブ油 3.0 香料 適量 防腐剤 適量 水相: クエルセチン0.5 酢酸ビニル樹脂エマルジョン
15.0 ポリビニルアルコール 10.0 グリセリン 5.0 エタノール 5.0 精製水 残部〔製法〕水相の原料を混合し、均一にする。さらに他成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
【0054】
【比較例4】パック剤 〈組成〉 (重量%)
粉末: 酸化チタン 8.0 カオリン 7.0 油分: オリーブ油 3.0 香料 適量 防腐剤 適量 水相: 酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0 ポリビニルアルコール 10.0 グリセリン 5.0 エタノール 5.0 精製水 残部
〔製法〕水相の原料を混合し、均一にする。さらに他成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
【0055】
【実施例5】クリーム状ファンデーション 〈組成〉 (重量%)
油相: ステアリン酸 0.2 モノステアリン酸グリセリン
5.0 セタノール 1.0 モノラウリン酸プロピレングリコール 3.0 スクワラン 7.0オクタン酸セチル 8.0 顔料: 酸化チタン 8.0 カオリン 5.0 タルク 2.0 着色顔料 適量 防腐剤 適量 香料 適量
水相:ルチン 5.0 トリエタノールアミン 1.2 ソルビット 3.0 精製水
残部〔製法〕顔料を混合し粉砕する。水相を調整し、これに混合した顔料を加え分散させた後、75゜Cに加熱する。油相を調整し80゜Cに加熱する。油相を水相に攪拌しながら加え乳化した後冷却し、50゜Cで香料を加えさらに30゜Cまで冷却しクリーム状ファンデーションを得る。
【0056】
【比較例5】クリーム状ファンデーション 〈組成〉 (重量%)
油相: ステアリン酸 0.2 モノステアリン酸グリセリン
5.0 セタノール 1.0 モノラウリン酸プロピレングリコール 3.0 スクワラン 7.0オクタン酸セチル 8.0 顔料: 酸化チタン 8.0 カオリン 5.0 タルク 2.0 着色顔料 適量 防腐剤 適量 香料 適量
水相:トリエタノールアミン 1.2 ソルビット 3.0 精製水残部
〔製法〕顔料を混合し粉砕する。水相を調整し、これに混合した顔料を加え分散させた後、75゜Cに加熱する。油相を調整し80゜Cに加熱する。油相を水相に攪拌しながら加え乳化した後冷却し、50゜Cで香料を加えさらに30゜Cまで冷却しクリーム状ファンデーションを得る。
【0057】
【実施例6】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: クエルセチン0.05 ルチン0.15
カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1
エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水
残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0058】
【比較例6】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0059】
【実施例7】錠剤(食品)〈組成〉 (重量%)
クエルセチン0.1 結晶セルロース20.0 乳糖76.9 ショ糖脂肪酸エステル3.0
〔製法〕前記原料を混合して打錠する。
【0060】
【比較例7】錠剤(食品)〈組成〉 (重量%)
結晶セルロース20.0 乳糖77.0 ショ糖脂肪酸エステル3.0
〔製法〕前記原料を混合して打錠する。
【0061】
【表8】
【0062】この表から明らかなように、クエルセチンまたはクエルセチンの誘導体を配合した場合、比較例に比べて血液量は減少し、血流速度は増加していた。また、皮膚明度においては、実施例は、比較例に比べて400〜700nmの各波長の反射率が高くなり、皮膚の明度が上がったことが認められた。さらにターンオーバー速度についても実施例は、比較例に比べて、ターンオーバーが早くなり、角化が良好に機能していた。また、実施例の試料はヒト皮膚を用いた試験においても全く皮膚刺激は生じなかった。
【0063】専門パネラー20名を用いて、実施例8と比較例8の官能特性を二週間の連用試験で評価した。評価項目としては、「唇の荒れやくすみが改善されたか」で行った。「唇の荒れやくすみが改善された」を+5点、「唇の荒れやくすみが改善されない」を0点とし、その間を計4段階で評価し、全員の点数の合計を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど、評価が高いことを示す。
【0064】実施例8、比較例8下記の組成および製造方法により、本発明の口紅を作製した。
【0065】
【実施例8】口紅 〈組成〉 (重量%)
クエルセチン0.1
油性成分:キャンデリラロウ 9.0 固形パラフィン 8.0 ミツロウ 5.0 カルナバロウ 5.0 ラニリン 11.0 ヒマシ油 25.1 2−エチルヘキサン酸セチル 20.0 イソプロピルミリスチン酸エステル 10.0
酸化防止剤:適量
香料:適量
色成分:二酸化チタン 5.0 赤色201号 0.6 赤色202号 1.0
赤色223号 0.2
〔製法〕二酸化チタン、赤色201号、赤色202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。赤色223号をヒマシ油の一部に溶解する(染料部)。他の成分を混合し加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0066】
【比較例8】口紅 〈組成〉 (重量%)
油性成分:キャンデリラロウ 9.0 固形パラフィン 8.0 ミツロウ 5.0 カルナバロウ 5.0 ラニリン 11.0 ヒマシ油 25.2 2−エチルヘキサン酸セチル 20.0 イソプロピルミリスチン酸エステル 10.0
酸化防止剤:適量
香料:適量
色成分:二酸化チタン 5.0 赤色201号 0.6 赤色202号 1.0
赤色223号 0.2
〔製法〕二酸化チタン、赤色201号、赤色202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。赤色223号をヒマシ油の一部に溶解する(染料部)。他の成分を混合し加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0067】表9に実施例および比較例の評価結果を示す。
【0068】
【表9】
【0069】表9より、本発明の実施例は唇の荒れ、くすみ改善に優れた結果となっていることが判った。
【0070】
【発明の効果】クエルセチン及び/またはクエルセチンの誘導体が有する血行促進、血流の滞留改善効果、角層ターンオーバー促進効果、皮膚の明度増加作用の特性に基づき、優れたくま改善効果、くすみ改善効果、角質改善効果、肌荒れ改善効果を有し、総じて美肌効果、老化予防効果有することは明らかである。しかも、前記クエルセチン、クエルセチン誘導体は、副作用も少なく、化粧料はもとより医薬・食品の技術分野等にも広く途を拓くなど、発明の目的を達成する顕著な効果を奏でる。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】クエルセチンを配合した場合のくま部位血流量変化
【図2】クエルセチン無配合の場合のくま部位血流量変化
【図3】クエルセチンを配合した場合のくま部位血液量変化
【図4】クエルセチン無配合の場合のくま部位血液量変化
【図5】クエルセチンを配合した場合のくま部位の血流速度変化
【図6】クエルセチン無配合の場合のくま部位の血流速度変化
【図7】全体波長における反射率(皮膚明度差)
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚を健やかに保つことのできる化粧料に関する。詳しく言うと、くすみ、くまに対して改善効果に優れ、更に優れた肌あれ防止効果、角質改善効果、老化防止効果及び美肌効果を有する化粧料に関する。この発明の利用分野は前記化粧料の化粧品分野にとどまるものではなく、医薬品および食品等々の各種技術分野に広く応用できるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】くすみとは、一般に肌が暗く見える現象であり、くまとは、特に眼瞼部の周辺部に発生する一時的に肌が暗く見える現象をさす。両者は、女性の肌悩みの中でも上位に挙げられるものである。これまで、その発生要因として一般的に疲れや血行不良が言われているが、その他にも表皮メラニン量、皮膚表面の凹凸による影等の複雑な要因が絡み合っていると考えられている。これまでくすみやくまに対する対処法としては、ファンデーションやコンシーラーなどのメイクアップ化粧料によって目立たなくする手段しかなく、根本的なくすみ・くま改善剤はほとんど存在しないのが現状であった。
【0003】本発明の目的は、皮膚を健やかに保つことの出来る化粧料を提供することにある。さらに詳しく言うと、くま・くすみに対して改善効果に優れ、さらに優れた肌荒れ防止効果、角質改善効果及び美肌効果を発現する化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような実状に鑑み鋭意研究した結果、クエルセチン及びクエルセチン誘導体がくま・くすみに対する改善効果に著しく優れていることを発見し本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細に述べる。本発明に用いるクエルセチンの誘導体は、上記一般式(1)中、Rが、糖である配糖体が挙げられ、具体的にはその糖の種類によってクエルシトリン、イソクエルシトリン、クエルシメリトリン、アビクラリン、ヒペリン、レイノウトリン、クエルシツロン、ルチン等がある。また、上記一般式(1)中、Rが脂肪酸エステルである誘導体が挙げられ、その脂肪酸としては酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等がある。その他にもクエルセチンの誘導体とは、皮膚中の酵素によってRの部分が加水分解されてクエルセチンになるような物質全てを意味する。
【0006】
本発明で用いられるクエルセチン又はクエルセチン誘導体は、天然物由来のものであっても、また合成によって得られたものでも、試薬でもよく、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。試薬であれば、クエルセチン二水和物(和光純薬(株)社製)が好適に用いられる。
【0007】合成方法としては、特開平1−213293、特開平3−255013記載の方法を用いることができる。天然物を利用する方法としては、エンジュ、タバコの葉、トマト、三色スミレ、ヘンルーダなどの植物を第七改正 日本局方解説書の製法に従い高純度のルチンを入手することによりクエルセチン誘導体を精製することが可能である。
【0008】本発明で用いられるクエルセチンまたはクエルセチン誘導体の配合量としては、処方成分全量に対し、純分換算で0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量%である。特に用事調整のするような製品で有れば、100重量%を含めた高配合率で利用することも出来る。
【0009】本発明には、上記必須成分の他に、油剤、色素、香料、防腐剤、界面活性剤、顔料、抗酸化剤、保湿剤、紫外線吸収剤などを、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0010】本発明の剤型としては、クリーム、乳液、化粧水、ファンデーション、口紅、パック、浴剤などが挙げられる。この化粧料は、たとえば乳液等の場合、油相および水相をそれぞれ加熱溶解したものを乳化分散して冷却する通常の方法により製造することができる。
【0011】
以下、実施例1および比較例1の化粧用クリームを用いたヒト効果試験に基づいて本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例に記載の血流量測定法、血液量測定法、血流速度測定法、皮膚明度測定法、角質層のターンオーバー速度測定法、官能試験法は下記の通りである。
【0012】(1)血流量、血液量、血流速度測定法
レーザードップラー血流計(オメガフロー社製)を用いて測定を行った。測定には接触タイプのプローブを用い、内眼角下部について測定を行った。各測定は約60秒ずつ行い、値の安定したおよそ30秒の平均値を測定値とし、血流量、血液量、血流速度を測定した。
【0013】(2)皮膚明度測定法
分光測色計(横河製)を用いて、各波長における分光反射率の測定を行った。測定は内眼角下部、頬のくまのない部位(コントロール部位)について5回行い、最大、最小値を除いた3点の平均反射率を求め、以下の計算式から値を求め、反射率の変化をグラフ化し皮膚明度を測定した。
【0014】滝脇らによると、くすみが目立つ肌と目立たない肌の分光反射率を比較すると、くすみが目立たない肌では400〜700nm全般に及ぶ反射率が高く、特に酸化型ヘモグロビンの吸収波長域(415nm、542nm、576nm)の反射率の高さに違いが見られることが報告されている(滝脇弘嗣:皮膚の色を測る。西日本皮膚科、55、415(1993))。このため、測定した各波長における反射率の変化をグラフ化した後、便宜上560nmでの反射率を皮膚明度とした。なお、皮膚明度は下記の式により求めた。
【0015】
【数1】
【0016】(3)角質層のターンオーバー速度測定法
蛍光色素のダンシルクロライドを白色ワセリン中に5重量%配合した軟膏を作り、被験者の前腕部の皮膚に24時間閉塞貼布し、角質層にダンシルクロライドを浸透結合する。その後同じ部位に1日2回(朝、夕)被験試料を塗布し、毎日ダンシルクロライドの蛍光を調べ、その蛍光が消滅するまでの日数を皮膚角質のターンオーバー速度とした。
【0017】(4)官能試験法
くま、くすみに悩んでいる被験者12名が試料を21日間連用した後の試料の特性を評価した。評価は、眼の下のくまの見え方、肌の明るさ(くすみ改善)のアンケート項目に対し、「くまが薄くなった」、「肌が明るくなった(くすみが改善した)」と回答した人数で示した。
【0018】実施例1、比較例1下記処方において、下記の調製方法に従ってクリームを調製し、12名の被験者に前記の諸試験を実施した。ただし、左顔全体特に左目内眼角下部のくま部位またはくすみ部位に実施例1を21日間連用した。右顔全体特に右目内眼角下部のくま部位またはくすみ部位に比較例1を21日間連用し、試料の特性を評価した。
【0019】
【実施例1】化粧用クリーム 〈組成〉 (重量%)
油性成分: ミツロウ 2.0
ステアリルアルコール 5.0 ステアリン酸 8.0
スクワラン10.0
乳化剤: 自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0
防腐剤:メチルパラベン0.1
水相:
クエルセチン 0.05 エタノール5.0 プロピレングリコール 5.0 精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて予備乳化を行ない、ホモミキサーで均一に乳化し、30゜Cまで冷却しクリームを得る。
【0020】
【比較例1】化粧用クリーム 〈組成〉 (重量%)
油性成分: ミツロウ 2.0
ステアリルアルコール 5.0 ステアリン酸 8.0
スクワラン10.0
乳化剤: 自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0
水相: エタノール5.0 プロピレングリコール 5.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70℃に保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70℃として油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて予備乳化を行ない、ホモミキサーで均一に乳化し、30℃まで冷却しクリームを得る。
【0021】得られたクリームについて諸試験を実施した結果を以下に示す。
血流量(n=12人の平均を示した)
【0022】
【表1】
【0023】
【図1】
【0024】
【図2】
【0025】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位の血流量を測定した結果、表1に示すとおり、血流量は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、150%も増加しており、内眼角下部の滞った血液の流れが改善された。すなわち、血流改善効果が認めらた。
【0026】血液量(n=12人の平均を示した)
*は、統計処理においてt検定を行い、5%(*P<0.05)で有意差があることを示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【図3】
【0029】
【図4】
【0030】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位の血液量を測定した結果、表2に示すとおり、血液量は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、86%まで減少しており、内眼角下部の滞った血液が減少した。すなわち、血流改善効果が認めらた。
【0031】血流速度(n=12人の平均を示した)
*は、統計処理においてt検定を行い、5%(*P<0.05)で有意差があることを示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【図5】
【0034】
【図6】
【0035】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位の血流速度を測定した結果、表3に示すとおり、血流速度は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、約2倍に増加しており、内眼角下部の滞った血液の流れが、速くなり改善された。すなわち、血流改善効果が認められた。
【0036】皮膚明度差(n=12人の平均を示した)
【0037】
【表4】
【0038】
【図7】
【0039】
試料連用前と21日連用後の左右くま部位(くすみ部位)の反射率を測定した結果、表4に示すとおり、各波長における反射率は比較例1(プラセボクリームを右目くま部位に塗布)を塗布した右内眼角下部に比べて実施例1(0.05%クエルセチン配合クリームを左目くま部位に塗布)を塗布した左内眼角下部の方が、400〜700nm全般に及ぶ反射率が高く、特に酸化型ヘモグロビンの吸収波長域(542nm、576nm)付近の反射率が著しく増加しており、左内眼角下部のくま(くすみ)の部分に透明感出て、肌の明るさが上がった。すなわち、くま(くすみ)の茶黒い、くすんだ色が薄くなり皮膚が明るくなったことが示唆された。
【0040】角質層のターンオーバー速度(n=12人の平均を示した)
【0041】
【表5】
【0042】
蛍光色素のダンシルクロライドを白色ワセリン中に5重量%配合した軟膏を作り、12名の被験者の左右前腕部の皮膚に24時間閉塞貼布し、角質層にダンシルクロライドを浸透結合する。その後同じ部位に1日2回(朝、夕)右手に比較例1を、左手に実施例1の被験試料を塗布し、毎日ダンシルクロライドの蛍光を調べ、その蛍光が消滅するまでの日数を皮膚角質のターンオーバー速度を測定した結果、表5に示す通り、比較例1に比べて実施例1を塗布した方が、角層のターンオーバー速度が早かった。すなわち、角化がうまく機能し、角化不善による肌のくすみを改善できることが示唆された。
【0043】官能評価(n=12人のそれぞれの評価を示した)
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
表6、表7に示すとおり、科学的な計測だけでなく、本人の実感においても明らかに実験例1の方が、比較例1に比べてくま、くすみ改善効果が高かった。
【0047】以上の結果から明らかなように、クエルセチンを配合したクリームは血流量、血液量、血流速度、皮膚明度、ターンオーバー速度、官能特性から判断しても、くすみ・くまに対して改善効果に優れ、更に優れた肌あれ防止効果、角質改善効果、老化防止効果及び美肌効果を有することが分かる。また実施例のクリームはヒト皮膚を用いた諸試験においても全く皮膚刺激は生じなかった。
【0048】以下、更に形態別にそれぞれ下記の処方で下記の調製法により調製し、前記の諸試験を被験者12名で21日間の連用塗布又は服用により実施した。
【0049】
【実施例2】化粧水 〈組成〉 (重量%)
ルチン 0.2 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O) 1.5 エタノール 10.0 メチルパラベン0.1 精製水 残部
〔製法〕前記原料を精製水に加え均一に混合する。
【0050】
【比較例2】化粧水 〈組成〉 (重量%)
グリセリン 5.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O) 1.5 エタノール 10.0 メチルパラベン0.1 精製水 残部
〔製法〕前記原料を精製水に加え均一に混合する。
【0051】
【実施例3】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: クエルセチン0.005 カルボキシビニルポリマー 0.2
プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0052】
【比較例3】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0053】
【実施例4】パック剤 〈組成〉 (重量%)
粉末: 酸化チタン 8.0 カオリン 7.0 油分: オリーブ油 3.0 香料 適量 防腐剤 適量 水相: クエルセチン0.5 酢酸ビニル樹脂エマルジョン
15.0 ポリビニルアルコール 10.0 グリセリン 5.0 エタノール 5.0 精製水 残部〔製法〕水相の原料を混合し、均一にする。さらに他成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
【0054】
【比較例4】パック剤 〈組成〉 (重量%)
粉末: 酸化チタン 8.0 カオリン 7.0 油分: オリーブ油 3.0 香料 適量 防腐剤 適量 水相: 酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0 ポリビニルアルコール 10.0 グリセリン 5.0 エタノール 5.0 精製水 残部
〔製法〕水相の原料を混合し、均一にする。さらに他成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
【0055】
【実施例5】クリーム状ファンデーション 〈組成〉 (重量%)
油相: ステアリン酸 0.2 モノステアリン酸グリセリン
5.0 セタノール 1.0 モノラウリン酸プロピレングリコール 3.0 スクワラン 7.0オクタン酸セチル 8.0 顔料: 酸化チタン 8.0 カオリン 5.0 タルク 2.0 着色顔料 適量 防腐剤 適量 香料 適量
水相:ルチン 5.0 トリエタノールアミン 1.2 ソルビット 3.0 精製水
残部〔製法〕顔料を混合し粉砕する。水相を調整し、これに混合した顔料を加え分散させた後、75゜Cに加熱する。油相を調整し80゜Cに加熱する。油相を水相に攪拌しながら加え乳化した後冷却し、50゜Cで香料を加えさらに30゜Cまで冷却しクリーム状ファンデーションを得る。
【0056】
【比較例5】クリーム状ファンデーション 〈組成〉 (重量%)
油相: ステアリン酸 0.2 モノステアリン酸グリセリン
5.0 セタノール 1.0 モノラウリン酸プロピレングリコール 3.0 スクワラン 7.0オクタン酸セチル 8.0 顔料: 酸化チタン 8.0 カオリン 5.0 タルク 2.0 着色顔料 適量 防腐剤 適量 香料 適量
水相:トリエタノールアミン 1.2 ソルビット 3.0 精製水残部
〔製法〕顔料を混合し粉砕する。水相を調整し、これに混合した顔料を加え分散させた後、75゜Cに加熱する。油相を調整し80゜Cに加熱する。油相を水相に攪拌しながら加え乳化した後冷却し、50゜Cで香料を加えさらに30゜Cまで冷却しクリーム状ファンデーションを得る。
【0057】
【実施例6】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: クエルセチン0.05 ルチン0.15
カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1
エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水
残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0058】
【比較例6】乳液 〈組成〉 (重量%)
油相: スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5
乳化剤: ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O) 1.2
水相: カルボキシビニルポリマー 0.2 プロピレングリコール 0.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0メチルパラベン0.1精製水 残部
〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70゜Cに保ち水層部とする。一方、他の成分を混合し、加熱溶解して70゜Cとして油相部とする。この油相部を前述の水層部に加えて乳化し、30゜Cまで冷却し乳液を得る。
【0059】
【実施例7】錠剤(食品)〈組成〉 (重量%)
クエルセチン0.1 結晶セルロース20.0 乳糖76.9 ショ糖脂肪酸エステル3.0
〔製法〕前記原料を混合して打錠する。
【0060】
【比較例7】錠剤(食品)〈組成〉 (重量%)
結晶セルロース20.0 乳糖77.0 ショ糖脂肪酸エステル3.0
〔製法〕前記原料を混合して打錠する。
【0061】
【表8】
【0062】この表から明らかなように、クエルセチンまたはクエルセチンの誘導体を配合した場合、比較例に比べて血液量は減少し、血流速度は増加していた。また、皮膚明度においては、実施例は、比較例に比べて400〜700nmの各波長の反射率が高くなり、皮膚の明度が上がったことが認められた。さらにターンオーバー速度についても実施例は、比較例に比べて、ターンオーバーが早くなり、角化が良好に機能していた。また、実施例の試料はヒト皮膚を用いた試験においても全く皮膚刺激は生じなかった。
【0063】専門パネラー20名を用いて、実施例8と比較例8の官能特性を二週間の連用試験で評価した。評価項目としては、「唇の荒れやくすみが改善されたか」で行った。「唇の荒れやくすみが改善された」を+5点、「唇の荒れやくすみが改善されない」を0点とし、その間を計4段階で評価し、全員の点数の合計を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど、評価が高いことを示す。
【0064】実施例8、比較例8下記の組成および製造方法により、本発明の口紅を作製した。
【0065】
【実施例8】口紅 〈組成〉 (重量%)
クエルセチン0.1
油性成分:キャンデリラロウ 9.0 固形パラフィン 8.0 ミツロウ 5.0 カルナバロウ 5.0 ラニリン 11.0 ヒマシ油 25.1 2−エチルヘキサン酸セチル 20.0 イソプロピルミリスチン酸エステル 10.0
酸化防止剤:適量
香料:適量
色成分:二酸化チタン 5.0 赤色201号 0.6 赤色202号 1.0
赤色223号 0.2
〔製法〕二酸化チタン、赤色201号、赤色202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。赤色223号をヒマシ油の一部に溶解する(染料部)。他の成分を混合し加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0066】
【比較例8】口紅 〈組成〉 (重量%)
油性成分:キャンデリラロウ 9.0 固形パラフィン 8.0 ミツロウ 5.0 カルナバロウ 5.0 ラニリン 11.0 ヒマシ油 25.2 2−エチルヘキサン酸セチル 20.0 イソプロピルミリスチン酸エステル 10.0
酸化防止剤:適量
香料:適量
色成分:二酸化チタン 5.0 赤色201号 0.6 赤色202号 1.0
赤色223号 0.2
〔製法〕二酸化チタン、赤色201号、赤色202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。赤色223号をヒマシ油の一部に溶解する(染料部)。他の成分を混合し加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0067】表9に実施例および比較例の評価結果を示す。
【0068】
【表9】
【0069】表9より、本発明の実施例は唇の荒れ、くすみ改善に優れた結果となっていることが判った。
【0070】
【発明の効果】クエルセチン及び/またはクエルセチンの誘導体が有する血行促進、血流の滞留改善効果、角層ターンオーバー促進効果、皮膚の明度増加作用の特性に基づき、優れたくま改善効果、くすみ改善効果、角質改善効果、肌荒れ改善効果を有し、総じて美肌効果、老化予防効果有することは明らかである。しかも、前記クエルセチン、クエルセチン誘導体は、副作用も少なく、化粧料はもとより医薬・食品の技術分野等にも広く途を拓くなど、発明の目的を達成する顕著な効果を奏でる。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】クエルセチンを配合した場合のくま部位血流量変化
【図2】クエルセチン無配合の場合のくま部位血流量変化
【図3】クエルセチンを配合した場合のくま部位血液量変化
【図4】クエルセチン無配合の場合のくま部位血液量変化
【図5】クエルセチンを配合した場合のくま部位の血流速度変化
【図6】クエルセチン無配合の場合のくま部位の血流速度変化
【図7】全体波長における反射率(皮膚明度差)
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