JP2004026708A - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)特定のエーテル型陽イオン性界面活性剤、及び(B)増粘性高分子を含有する毛髪化粧料。
【効果】毛髪に対し湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与し、特に乾燥後の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れる。
【選択図】 なし
【効果】毛髪に対し湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与し、特に乾燥後の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪に対し、湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与することができ、特に乾燥後の髪の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性が良好な毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
毛髪化粧料には、湿潤時から乾燥時まで毛髪に対する柔軟性、すべり性、更に乾燥後のつややまとまり性を良くするなどの性能が要求されている。このような要求から、陽イオン性界面活性剤として、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が用いられているが、必ずしもこれらの要求を満足する毛髪化粧料は得られていない。
【0003】
特に、湿潤時の柔軟性を向上させる目的では、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドのようなジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が用いられるが、乾燥後の髪のすべり性に劣り、感触が重くなるという問題がある。
一方、乾燥後の毛髪のつや、まとまり性を向上させるため、カチオンポリマー(特開平8−20516)や、水不溶性ポリマー(特開平10−72324)を用いた方法が開示されているが、湿潤時から乾燥後まで毛髪に対する柔軟性、すべり性と、乾燥後のつや、まとまり性を同時に満足できるものはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、毛髪に対し湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与し、特に乾燥後の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れた毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のエーテル型陽イオン性界面活性剤と増粘性高分子を使用すれば、上記の要求を満たす毛髪化粧料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B)
(A)一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】
〔式中、R1は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
R2及びR4は、炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)nH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、平均付加モル数nは1〜6の数を示し、n個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、
R3は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基又は−(A’O)mH(A’は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、平均付加モル数mは1〜6の数を示し、m個のA’は同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、
X−は、陰イオンを示す。〕
で表されるエーテル型陽イオン性界面活性剤、及び
(B)増粘性高分子
を含有する毛髪化粧料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
成分(A)の上記一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は以下に示すものが、湿潤時から乾燥後までの毛髪に対する柔軟性及びすべり性の観点から好ましい。
上記一般式(1)において、R1としては、炭素数12〜22、特に16〜18のものが好ましく、また直鎖のアルキル基が好ましい。
R2及びR4としては、炭素数1〜6のアルキル基及び−(CH2CH2O)nHが好ましく、nは1〜3、特に1が好ましく、更にはメチル基及びエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R3としては、メチル基、エチル基及びベンジル基が好ましく、更にはメチル基及びエチル基、特にメチル基が好ましい。
X−としては、ハロゲンイオン、又は有機アニオン、例えば、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフォネート、スルフェート、及びエチルスルフェート等のアルキルスルフェート等が挙げられ、アルキルスルフェート及び塩素イオンが好ましく、特に塩素イオンが好ましい。
【0009】
成分(B)の増粘性高分子としては、有機物及び無機物の水溶性高分子が使用できる。有機物は、(1)天然高分子、(2)半合成高分子、及び(3)合成高分子に分類できる。(1)天然高分子としては、植物系(多糖類系)、例えばグアーガム、ローカストビンガム、クインシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、;微生物系(多糖類系)、例えばキサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸;及び動物系(タンパク質系)、例えばゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、シェラックが挙げられる。(2)半合成高分子としては、セルロース系、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体;デンプン系、例えば可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カチオン化デンプン;アルギン酸系、例えばアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩;及びその他の多糖類系誘導体、例えばカチオン化グアーガム、カチオン化グアーガム誘導体が挙げられる。(3)合成高分子としては、ビニル系、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメタアクリレート、4級化ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン誘導体;及びその他の合成高分子、例えばポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、カチオン性基含有共重合体(例えばジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体等)、ポリグリコール−ポリアミン縮合物、カチオン処理ポリメチルメタクリレート微粒子、が挙げられる。無機物としては、ベントナイト、ラポナイト、微粉酸化ケイ素、コロイダルアルミナ、及びビーガムが挙げられる。
好ましい増粘性高分子は、グアーガム、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、ゼラチンのような天然高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、可溶性デンプン、カチオン化デンプン、アルギン酸塩、カチオン化グアーガムのような半合成高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、4級化ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、カチオン性基含有共重合体(例えばジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体等)、ポリグリコール−ポリアミン縮合物、カチオン処理ポリメチルメタクリレート微粒子のような合成高分子、及びベントナイトのような無機物である。特に好ましい増粘性高分子は、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム誘導体、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、カチオン性基含有共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体及びポリグリコール−ポリアミン縮合物である。具体的には、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマーとしては、次の一般式(6)又は(7)
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R14及びR15は水素原子又はメチル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、aは150〜6200の数を示す)で表わされるポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー;カチオン性基含有共重合体としては、次の一般式(8)又は(9)
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R16及びR17は水素原子又はメチル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、b+cは150〜9000の数を示す)で表わされるジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドの共重合体型カチオン性ポリマー及びカチオン性基含有ビニル単量体(以下、単量体(a1))の少なくとも1種と、一般式(11)又は(12)
【0014】
【化5】
【0015】
〔式中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22及びR23は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。〕
【0016】
【化6】
【0017】
〔式中、R21は前記と同じ意味を示し、A1及びA2は同一又は異なって、式−(CH2)n−(nは2〜6の整数を示す)で表される基を示し、Bは−O−又は−CH2−基を示す。〕で表される親水性ノニオン性基含有ビニル単量体(以下、単量体(a2))の少なくとも1種と、2個以上のビニル基を分子中に有する架橋性ビニル単量体(以下、単量体(a3))の少なくとも1種とを必須構成単量体とし、ラジカル重合することにより得られるカチオン性基含有共重合体(以下、共重合体(A1))が挙げられる。
【0018】
共重合体(A1)を構成する単量体のうち、単量体(a1)としては、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクロイルアルキルトリアルキル4級アンモニウム塩類、ジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ビニルピリジン類、N−ビニル複素環化合物類、アミノ基を有する単量体の酸中和物あるいは4級アンモニウム塩、ジアリル型4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0019】
これらの単量体(a1)のうち、一般式(13)又は(14)で表わされる化合物が好ましい。
【0020】
【化7】
【0021】
〔式中、R21は前記と同じ意味を示し、R24及びR25は同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を示し、R26は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは−O−、−NH−、−CH2− 又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Z1は炭素数1〜4(ただしYが−CH2− のときは炭素数0〜3)の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、X1は酸の共役塩基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキルサルフェート基を示す。〕
【0022】
【化8】
【0023】
〔式中、R27及びR28は同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、R29及びR30は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、X1は前記と同じ意味を示す。〕
【0024】
化合物(13)又は(14)の塩を得るために用いる好ましい酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、スルファミン酸などが挙げられ、4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等が挙げられる。
【0025】
単量体(a1)の好ましい具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドを前記の4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩、あるいはジメチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0026】
単量体(a2)としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−(メタ)アクロイルモルホリン等が挙げられる。これらのうち、N,N−ジ置換アクリルアミドを用いた場合に使用感が好ましく、更にはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等が、特に好ましい。
【0027】
単量体(a3)としては、多価アルコール又は不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、ジビニル化合物、ポリアリル化合物等が挙げられる。これらのうち、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が、特に好ましい。
【0028】
単量体(a1)と単量体(a2)との好ましい配合比率は、(a1)/(a2)のモル比で、2/98〜98/2であり、更に好ましくは3/97〜60/40である。上記モル比が小さい場合はチキソトロピー性の発現が、モル比が大きい場合は低シェアレート時の粘度保持が夫々容易となるが、両特性発現には上記範囲内である方が好ましい。
【0029】
単量体(a3)の割合は、単量体全量に対して0.002〜5重量%が好ましく、0.002重量%以上0.1重量%未満が特に好ましい。単量体(a3)の割合が0.002重量%以上であれば、共重合体(A1)から形成されるハイドロゲルの粘度が十分であり、また5重量%以下であれば、ハイドロゲルの感触は柔らかく、すべりの良いものとなる。
【0030】
共重合体(A1)は、必須構成単位である前記の3種類のビニル単量体のそれぞれ1種以上の他、これらと共重合可能な他のビニル単量体を構成成分とすることができる。他のビニル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体;アクリル酸、メタアクリル酸等のアニオン性基含有単量体;N−(3−スルホプロピル)−N−アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等のベタイン類などが挙げられる。
【0031】
本発明の毛髪化粧料中の成分(A)は毛髪の柔軟性及びすべり性向上に寄与するものである。成分(A)の含有量は、毛髪に十分に柔軟性及びすべり性を付与でき、かつ保存時における沈殿、固化、分層等が生じない製品の安定性の観点から、0.1〜20重量%が好ましく、ヘアリンス、ヘアコンディショナー等の洗い流すタイプのものでは、特に1〜10重量%が好ましく、また、ヘアトリートメント、ヘアリキッド等の洗い流さないタイプのものでは、特に0.2〜5重量%が好ましい。
【0032】
成分(B)は毛髪のつや及びまとまり性向上に寄与するものである。成分(B)の含有量は、毛髪へのつや、まとまり性の付与と、安定配合の観点から、0.005〜10重量%、更に0.01〜5重量%、特に0.05〜2重量%が好ましい。
また、成分(B)の含有量は、ヘアトリートメント、ヘアワックス、ヘアクリーム等の高粘度の製剤を配合する場合は、製剤に好ましい粘度を与える観点から、0.1〜5重量%、更に0.2〜3重量%、特に0.5〜2重量%が好ましい。
また、成分(A)と成分(B)によって、毛髪のつや及びまとまり性が相乗的に向上する。
成分(A)と(B)の重量比は、(A)/(B)が200/1〜1/50、更に50/1〜1/20、特に20/1〜1/5が好ましい。
【0033】
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)以外の界面活性剤を含有してもよい。これら他の界面活性剤としては、成分(A)以外の陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の1種以上が挙げられる。これらの中で陽イオン性界面活性剤が好ましい。
成分(A)以外の陽イオン性界面活性剤の特に好ましいものとして、特開2000−178146号公報に記載の、下記一般式(2)
【0034】
【化9】
【0035】
〔式中、R6、R7、R8及びR9のうち、少なくとも1個は総炭素数12〜28、好ましくは16〜28の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルカノイルアミノ基、アルケノイルアミノ基、アルカノイル基又はアルカノイルオキシ基が置換していてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残余はベンジル基、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、Z−はハロゲンイオン又は有機アニオン、例えば、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフォネート、スルフェート及びアルキルスルフェート基から選択されたものを示す。〕で表わされる第4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0036】
上記化合物(2)の好ましい例として、R6、R7、R8及びR9のうち、少なくとも1個が総炭素数12〜22のアルコキシ基で置換していてもよいアルキル基で、残余はメチル基、エチル基、ベンジル基を示すものが挙げられる。更に好ましい具体例としては、塩化モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0037】
上記陰イオン性界面活性剤としては、硫酸系、スルホン酸系、カルボン酸系、リン酸系及びアミノ酸系のものが好ましく、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アルキルアラニン誘導体が好ましく、特に一般式(3)又は(4)で表されるものが好ましい。
R9O(CH2CH2O)pSO3M (3)
R10OSO3M (4)
[式中、R9は例えば炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R10は炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸を示し、pはエチレンオキサイド平均付加モル数で1〜5の数を示す。]
【0038】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレンC8−C20脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。アルキルグリコシド類としては、アルキル基の炭素数8〜14で、糖(グルコース)の縮合度1〜2のものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては、炭素数8〜18、特に10〜16のアシル基を有するものが好ましく、またモノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよいが炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸メチルエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド等が挙げられる。
【0039】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。このうち、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のベタイン系界面活性剤がより好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベイタン及びアルキルヒドロキシスルホベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が好ましい。
【0040】
成分(A)と他の陽イオン性界面活性剤との使用比率は、乾燥後のすべり性の観点から、「成分(A)/他の陽イオン性界面活性剤」(重量比)が1/4以上であるのが好ましく、更には1/2〜10/1、特に1/1〜4/1であるのが好ましい。
【0041】
特に、本発明の毛髪化粧料がシャンプー等の毛髪洗浄剤組成物の場合、成分(A)の含有量は、泡質及び安定性の向上の観点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜10重量%、特に0.5〜5重量%が好ましい。陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の含有量は、起泡性及び使用感の向上の観点から、0.1〜50重量%、更に0.5〜30重量%、特に5〜20重量が好ましい。
【0042】
成分(A)と陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤との使用比率は、泡質及び安定性の向上の観点から、「成分(A)/陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤」(重量比)が1/1〜1/200であるのが好ましく、更には1/5〜1/100であるのが好ましい。
【0043】
本発明の毛髪化粧料には、更に油性成分を含有することができる。油性成分としては、高級アルコール、エステル油、シリコーン、炭化水素類、グリセリド類等が挙げられ、高級アルコール、エステル油及び/又はシリコーンが好ましく、高級アルコール及び/又はシリコーンが特に好ましい。
【0044】
高級アルコールとしては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類、好ましくは炭素数12〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール、更に好ましくはセタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベへニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコールが挙げられ、特にセタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベへニルアルコールが好ましい。ここで、セタノールとは、セチルアルコールを主成分とし、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを含有するものをいう。
【0045】
エステル油としては、総炭素数8〜40のエステル油、好ましくは総炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル等が挙げられ、特にパルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルが好ましい。
【0046】
シリコーンとしては、(a)ジメチルポリシロキサン、(b)メチルフェニルポリシロキサン、(c)アミノ変性シリコーン〔好ましくは、平均分子量が約3000〜100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国、Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載のもの、水性乳濁液としては、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、DC939(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる〕、(d)脂肪酸変性ポリシロキサン、(e)アルコール変性シリコーン、(f)脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、(g)ポリエーテル変性シリコーン、(h)エポキシ変性シリコーン、(i)フッ素変性シリコーン、(j)環状シリコーン、(k)アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0047】
これらのシリコーンのうち、本発明の毛髪化粧料がヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー等の洗い流すタイプのものである場合には、上記(a)、(c)、(f)、(g)及び(j)が好ましい。また、へアクリーム、リーブオントリートメント等の洗い流さないタイプの毛髪化粧料の場合には、上記(a)、(b)、(c)、(g)及び(j)が好ましい。
【0048】
本発明の毛髪化粧料中における油性成分の含有量は、十分に油剤特有の柔軟性、しっとり感を付与することができ、かつ製品の安定性上の観点から、0.01〜30重量%、更に0.2〜20重量%、特に1〜20重量%が好ましい。中でもシリコーンの含有量は、十分にシリコーン特有の感触を付与することができ、かつ製品の安定性上の観点から、0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%が好ましい。
【0049】
本発明の毛髪化粧料中の成分(A)と油性成分との重量比は、油性成分の乳化安定性の観点から、成分(A)/油性成分が20/1〜1/30、更に10/1〜1/10、特に1/1〜1/10が好ましい。また、成分(A)とシリコーン以外の油性成分との和と、シリコーンとの重量比は、製品安定性の観点から、[成分(A)+シリコーン以外の油性成分]/シリコーンが20/1〜1/20、更に10/1〜1/10、特に10/1〜1/1が好ましい。
【0050】
本発明の毛髪化粧料のpHは特に限定されないが、水で20重量倍に希釈した時の水溶液のpH(25℃)が2〜8が好ましい。特に毛髪用リンス、コンディショナー等に使用する場合はpH(25℃)3〜6が好ましく、毛髪用シャンプーに使用する場合はpH(25℃)5〜8が好ましい。pHは、酸又はアルカリを加えて調整すればよい。
【0051】
本発明の毛髪化粧料には、更に上記油性成分以外の、植物油、動物油、ラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸類、グリセリン、保湿剤、成分(B)以外のカチオン性ポリマー、成分(B)以外の多糖類、成分(B)以外のポリペプタイド、パール化剤、溶剤、液晶形成基剤、芳香族スルホン酸類、色素、香料、噴射剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を、適宜配合することができる。抗フケ剤としては、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミンなどが挙げられる。
【0052】
本発明の毛髪化粧料は、常法に従って、水溶液、エタノール溶液、エマルション、サスペンション、ゲル、液晶、固形、エアゾールフォーム、スプレー等の所望の剤型にすることができ、毛髪洗浄剤組成物としては、ヘアシャンプー等の製品とすることができ、毛髪洗浄剤組成物以外の毛髪化粧料としては、へアリンス、へアコンディショナー、へアトリートメント、へアパック、へアクリーム、ヘアカラー、コンディショニングムース、へアムース、へアスプレー、リーブオントリートメント、ワックス、トニック、染毛剤等の製品とすることができる。
【0053】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳しく記載する。
【0054】
実施例1
表1に示すエーテル型陽イオン性界面活性剤1〜4及び他の型陽イオン性界面活性剤を用い、表2に示す組成のヘアコンディショナー(本発明品1〜5及び比較品1〜3)を常法により製造した。これらのヘアコンディショナーについて、下記の方法により柔軟性、すべり性、つや、及びまとまり性について官能評価した。なお、表2中の数値は「重量%」である。
【0055】
【表1】
【0056】
<評価方法>
専門パネラー10名により、常法により調製した表3に示すヘアシャンプーを用いて洗浄後、上記ヘアコンディショナーにて処理を行なった。このときのすすぎ時の毛髪の柔軟性とすべり性及び、タオルドライ後、ドライヤーで十分に乾燥した後の毛髪の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性について、下記の基準に従って評価した。
4:非常に良好、3:良好、2:どちらともいえない、1:悪い
10名の評価の平均点を求め、3.6以上を◎、2.6〜3.5を○、1.6〜2.5を△、1.5以下を×とし、表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
実施例2
下記組成のヘアトリートメント剤を製造した。
*:セチルアルコール/ステアリルアルコールの重量比7/3の混合物。
**:ポイズC−60H、花王製
***:SM8704C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
【0060】
このヘアトリートメント剤は、クリーム状の高粘度の製剤とすることができ、湿潤時から乾燥後まで柔軟性及びすべり性が良好で、特に乾燥後において、柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れていた。
【0061】
実施例3
下記組成のヘアリンス剤を製造した。
*:HECダイセルSE−850K、ダイセル化学工業製
**:(a1)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩、
(a2)N,N−ジメチルアクリルアミド及び
(a3)ポリオキシエチレン(9)グリコールジメタクリレートを構成成分とし、モル比で(a1)/(a2)/(a3)=10/90/0.01である。
このリンス剤は、湿潤時から乾燥後まで柔軟性及びすべり性が良好で、特に乾燥後において、柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れていた。
【0062】
実施例4
下記組成の毛髪洗浄剤を製造した。
*:ポイズC−80M(花王製)0.2重量%+ポイズC−150L(花王製)0.3重量%
この毛髪洗浄剤は、泡質、並びに洗浄時及び乾燥後の感触に優れていた。特に、乾燥後の毛髪の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性が良好であった。
【0063】
【発明の効果】
毛髪に対し湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与し、特に乾燥後の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪に対し、湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与することができ、特に乾燥後の髪の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性が良好な毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
毛髪化粧料には、湿潤時から乾燥時まで毛髪に対する柔軟性、すべり性、更に乾燥後のつややまとまり性を良くするなどの性能が要求されている。このような要求から、陽イオン性界面活性剤として、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が用いられているが、必ずしもこれらの要求を満足する毛髪化粧料は得られていない。
【0003】
特に、湿潤時の柔軟性を向上させる目的では、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドのようなジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が用いられるが、乾燥後の髪のすべり性に劣り、感触が重くなるという問題がある。
一方、乾燥後の毛髪のつや、まとまり性を向上させるため、カチオンポリマー(特開平8−20516)や、水不溶性ポリマー(特開平10−72324)を用いた方法が開示されているが、湿潤時から乾燥後まで毛髪に対する柔軟性、すべり性と、乾燥後のつや、まとまり性を同時に満足できるものはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、毛髪に対し湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与し、特に乾燥後の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れた毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のエーテル型陽イオン性界面活性剤と増粘性高分子を使用すれば、上記の要求を満たす毛髪化粧料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B)
(A)一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】
〔式中、R1は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
R2及びR4は、炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)nH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、平均付加モル数nは1〜6の数を示し、n個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、
R3は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基又は−(A’O)mH(A’は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、平均付加モル数mは1〜6の数を示し、m個のA’は同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、
X−は、陰イオンを示す。〕
で表されるエーテル型陽イオン性界面活性剤、及び
(B)増粘性高分子
を含有する毛髪化粧料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
成分(A)の上記一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は以下に示すものが、湿潤時から乾燥後までの毛髪に対する柔軟性及びすべり性の観点から好ましい。
上記一般式(1)において、R1としては、炭素数12〜22、特に16〜18のものが好ましく、また直鎖のアルキル基が好ましい。
R2及びR4としては、炭素数1〜6のアルキル基及び−(CH2CH2O)nHが好ましく、nは1〜3、特に1が好ましく、更にはメチル基及びエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R3としては、メチル基、エチル基及びベンジル基が好ましく、更にはメチル基及びエチル基、特にメチル基が好ましい。
X−としては、ハロゲンイオン、又は有機アニオン、例えば、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフォネート、スルフェート、及びエチルスルフェート等のアルキルスルフェート等が挙げられ、アルキルスルフェート及び塩素イオンが好ましく、特に塩素イオンが好ましい。
【0009】
成分(B)の増粘性高分子としては、有機物及び無機物の水溶性高分子が使用できる。有機物は、(1)天然高分子、(2)半合成高分子、及び(3)合成高分子に分類できる。(1)天然高分子としては、植物系(多糖類系)、例えばグアーガム、ローカストビンガム、クインシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、;微生物系(多糖類系)、例えばキサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸;及び動物系(タンパク質系)、例えばゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、シェラックが挙げられる。(2)半合成高分子としては、セルロース系、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体;デンプン系、例えば可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カチオン化デンプン;アルギン酸系、例えばアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩;及びその他の多糖類系誘導体、例えばカチオン化グアーガム、カチオン化グアーガム誘導体が挙げられる。(3)合成高分子としては、ビニル系、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメタアクリレート、4級化ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン誘導体;及びその他の合成高分子、例えばポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、カチオン性基含有共重合体(例えばジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体等)、ポリグリコール−ポリアミン縮合物、カチオン処理ポリメチルメタクリレート微粒子、が挙げられる。無機物としては、ベントナイト、ラポナイト、微粉酸化ケイ素、コロイダルアルミナ、及びビーガムが挙げられる。
好ましい増粘性高分子は、グアーガム、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、ゼラチンのような天然高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、可溶性デンプン、カチオン化デンプン、アルギン酸塩、カチオン化グアーガムのような半合成高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、4級化ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、カチオン性基含有共重合体(例えばジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体等)、ポリグリコール−ポリアミン縮合物、カチオン処理ポリメチルメタクリレート微粒子のような合成高分子、及びベントナイトのような無機物である。特に好ましい増粘性高分子は、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム誘導体、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、カチオン性基含有共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体及びポリグリコール−ポリアミン縮合物である。具体的には、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマーとしては、次の一般式(6)又は(7)
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R14及びR15は水素原子又はメチル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、aは150〜6200の数を示す)で表わされるポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー;カチオン性基含有共重合体としては、次の一般式(8)又は(9)
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R16及びR17は水素原子又はメチル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、b+cは150〜9000の数を示す)で表わされるジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドの共重合体型カチオン性ポリマー及びカチオン性基含有ビニル単量体(以下、単量体(a1))の少なくとも1種と、一般式(11)又は(12)
【0014】
【化5】
【0015】
〔式中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22及びR23は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。〕
【0016】
【化6】
【0017】
〔式中、R21は前記と同じ意味を示し、A1及びA2は同一又は異なって、式−(CH2)n−(nは2〜6の整数を示す)で表される基を示し、Bは−O−又は−CH2−基を示す。〕で表される親水性ノニオン性基含有ビニル単量体(以下、単量体(a2))の少なくとも1種と、2個以上のビニル基を分子中に有する架橋性ビニル単量体(以下、単量体(a3))の少なくとも1種とを必須構成単量体とし、ラジカル重合することにより得られるカチオン性基含有共重合体(以下、共重合体(A1))が挙げられる。
【0018】
共重合体(A1)を構成する単量体のうち、単量体(a1)としては、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクロイルアルキルトリアルキル4級アンモニウム塩類、ジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ビニルピリジン類、N−ビニル複素環化合物類、アミノ基を有する単量体の酸中和物あるいは4級アンモニウム塩、ジアリル型4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0019】
これらの単量体(a1)のうち、一般式(13)又は(14)で表わされる化合物が好ましい。
【0020】
【化7】
【0021】
〔式中、R21は前記と同じ意味を示し、R24及びR25は同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を示し、R26は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは−O−、−NH−、−CH2− 又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Z1は炭素数1〜4(ただしYが−CH2− のときは炭素数0〜3)の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、X1は酸の共役塩基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキルサルフェート基を示す。〕
【0022】
【化8】
【0023】
〔式中、R27及びR28は同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、R29及びR30は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、X1は前記と同じ意味を示す。〕
【0024】
化合物(13)又は(14)の塩を得るために用いる好ましい酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、スルファミン酸などが挙げられ、4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等が挙げられる。
【0025】
単量体(a1)の好ましい具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドを前記の4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩、あるいはジメチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0026】
単量体(a2)としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−(メタ)アクロイルモルホリン等が挙げられる。これらのうち、N,N−ジ置換アクリルアミドを用いた場合に使用感が好ましく、更にはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等が、特に好ましい。
【0027】
単量体(a3)としては、多価アルコール又は不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、ジビニル化合物、ポリアリル化合物等が挙げられる。これらのうち、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が、特に好ましい。
【0028】
単量体(a1)と単量体(a2)との好ましい配合比率は、(a1)/(a2)のモル比で、2/98〜98/2であり、更に好ましくは3/97〜60/40である。上記モル比が小さい場合はチキソトロピー性の発現が、モル比が大きい場合は低シェアレート時の粘度保持が夫々容易となるが、両特性発現には上記範囲内である方が好ましい。
【0029】
単量体(a3)の割合は、単量体全量に対して0.002〜5重量%が好ましく、0.002重量%以上0.1重量%未満が特に好ましい。単量体(a3)の割合が0.002重量%以上であれば、共重合体(A1)から形成されるハイドロゲルの粘度が十分であり、また5重量%以下であれば、ハイドロゲルの感触は柔らかく、すべりの良いものとなる。
【0030】
共重合体(A1)は、必須構成単位である前記の3種類のビニル単量体のそれぞれ1種以上の他、これらと共重合可能な他のビニル単量体を構成成分とすることができる。他のビニル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体;アクリル酸、メタアクリル酸等のアニオン性基含有単量体;N−(3−スルホプロピル)−N−アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等のベタイン類などが挙げられる。
【0031】
本発明の毛髪化粧料中の成分(A)は毛髪の柔軟性及びすべり性向上に寄与するものである。成分(A)の含有量は、毛髪に十分に柔軟性及びすべり性を付与でき、かつ保存時における沈殿、固化、分層等が生じない製品の安定性の観点から、0.1〜20重量%が好ましく、ヘアリンス、ヘアコンディショナー等の洗い流すタイプのものでは、特に1〜10重量%が好ましく、また、ヘアトリートメント、ヘアリキッド等の洗い流さないタイプのものでは、特に0.2〜5重量%が好ましい。
【0032】
成分(B)は毛髪のつや及びまとまり性向上に寄与するものである。成分(B)の含有量は、毛髪へのつや、まとまり性の付与と、安定配合の観点から、0.005〜10重量%、更に0.01〜5重量%、特に0.05〜2重量%が好ましい。
また、成分(B)の含有量は、ヘアトリートメント、ヘアワックス、ヘアクリーム等の高粘度の製剤を配合する場合は、製剤に好ましい粘度を与える観点から、0.1〜5重量%、更に0.2〜3重量%、特に0.5〜2重量%が好ましい。
また、成分(A)と成分(B)によって、毛髪のつや及びまとまり性が相乗的に向上する。
成分(A)と(B)の重量比は、(A)/(B)が200/1〜1/50、更に50/1〜1/20、特に20/1〜1/5が好ましい。
【0033】
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)以外の界面活性剤を含有してもよい。これら他の界面活性剤としては、成分(A)以外の陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の1種以上が挙げられる。これらの中で陽イオン性界面活性剤が好ましい。
成分(A)以外の陽イオン性界面活性剤の特に好ましいものとして、特開2000−178146号公報に記載の、下記一般式(2)
【0034】
【化9】
【0035】
〔式中、R6、R7、R8及びR9のうち、少なくとも1個は総炭素数12〜28、好ましくは16〜28の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルカノイルアミノ基、アルケノイルアミノ基、アルカノイル基又はアルカノイルオキシ基が置換していてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残余はベンジル基、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、Z−はハロゲンイオン又は有機アニオン、例えば、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフォネート、スルフェート及びアルキルスルフェート基から選択されたものを示す。〕で表わされる第4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0036】
上記化合物(2)の好ましい例として、R6、R7、R8及びR9のうち、少なくとも1個が総炭素数12〜22のアルコキシ基で置換していてもよいアルキル基で、残余はメチル基、エチル基、ベンジル基を示すものが挙げられる。更に好ましい具体例としては、塩化モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0037】
上記陰イオン性界面活性剤としては、硫酸系、スルホン酸系、カルボン酸系、リン酸系及びアミノ酸系のものが好ましく、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アルキルアラニン誘導体が好ましく、特に一般式(3)又は(4)で表されるものが好ましい。
R9O(CH2CH2O)pSO3M (3)
R10OSO3M (4)
[式中、R9は例えば炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R10は炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸を示し、pはエチレンオキサイド平均付加モル数で1〜5の数を示す。]
【0038】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレンC8−C20脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。アルキルグリコシド類としては、アルキル基の炭素数8〜14で、糖(グルコース)の縮合度1〜2のものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては、炭素数8〜18、特に10〜16のアシル基を有するものが好ましく、またモノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよいが炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸メチルエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド等が挙げられる。
【0039】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。このうち、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のベタイン系界面活性剤がより好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベイタン及びアルキルヒドロキシスルホベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が好ましい。
【0040】
成分(A)と他の陽イオン性界面活性剤との使用比率は、乾燥後のすべり性の観点から、「成分(A)/他の陽イオン性界面活性剤」(重量比)が1/4以上であるのが好ましく、更には1/2〜10/1、特に1/1〜4/1であるのが好ましい。
【0041】
特に、本発明の毛髪化粧料がシャンプー等の毛髪洗浄剤組成物の場合、成分(A)の含有量は、泡質及び安定性の向上の観点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜10重量%、特に0.5〜5重量%が好ましい。陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の含有量は、起泡性及び使用感の向上の観点から、0.1〜50重量%、更に0.5〜30重量%、特に5〜20重量が好ましい。
【0042】
成分(A)と陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤との使用比率は、泡質及び安定性の向上の観点から、「成分(A)/陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤」(重量比)が1/1〜1/200であるのが好ましく、更には1/5〜1/100であるのが好ましい。
【0043】
本発明の毛髪化粧料には、更に油性成分を含有することができる。油性成分としては、高級アルコール、エステル油、シリコーン、炭化水素類、グリセリド類等が挙げられ、高級アルコール、エステル油及び/又はシリコーンが好ましく、高級アルコール及び/又はシリコーンが特に好ましい。
【0044】
高級アルコールとしては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類、好ましくは炭素数12〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール、更に好ましくはセタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベへニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコールが挙げられ、特にセタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベへニルアルコールが好ましい。ここで、セタノールとは、セチルアルコールを主成分とし、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを含有するものをいう。
【0045】
エステル油としては、総炭素数8〜40のエステル油、好ましくは総炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル等が挙げられ、特にパルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルが好ましい。
【0046】
シリコーンとしては、(a)ジメチルポリシロキサン、(b)メチルフェニルポリシロキサン、(c)アミノ変性シリコーン〔好ましくは、平均分子量が約3000〜100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国、Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載のもの、水性乳濁液としては、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、DC939(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる〕、(d)脂肪酸変性ポリシロキサン、(e)アルコール変性シリコーン、(f)脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、(g)ポリエーテル変性シリコーン、(h)エポキシ変性シリコーン、(i)フッ素変性シリコーン、(j)環状シリコーン、(k)アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0047】
これらのシリコーンのうち、本発明の毛髪化粧料がヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー等の洗い流すタイプのものである場合には、上記(a)、(c)、(f)、(g)及び(j)が好ましい。また、へアクリーム、リーブオントリートメント等の洗い流さないタイプの毛髪化粧料の場合には、上記(a)、(b)、(c)、(g)及び(j)が好ましい。
【0048】
本発明の毛髪化粧料中における油性成分の含有量は、十分に油剤特有の柔軟性、しっとり感を付与することができ、かつ製品の安定性上の観点から、0.01〜30重量%、更に0.2〜20重量%、特に1〜20重量%が好ましい。中でもシリコーンの含有量は、十分にシリコーン特有の感触を付与することができ、かつ製品の安定性上の観点から、0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%が好ましい。
【0049】
本発明の毛髪化粧料中の成分(A)と油性成分との重量比は、油性成分の乳化安定性の観点から、成分(A)/油性成分が20/1〜1/30、更に10/1〜1/10、特に1/1〜1/10が好ましい。また、成分(A)とシリコーン以外の油性成分との和と、シリコーンとの重量比は、製品安定性の観点から、[成分(A)+シリコーン以外の油性成分]/シリコーンが20/1〜1/20、更に10/1〜1/10、特に10/1〜1/1が好ましい。
【0050】
本発明の毛髪化粧料のpHは特に限定されないが、水で20重量倍に希釈した時の水溶液のpH(25℃)が2〜8が好ましい。特に毛髪用リンス、コンディショナー等に使用する場合はpH(25℃)3〜6が好ましく、毛髪用シャンプーに使用する場合はpH(25℃)5〜8が好ましい。pHは、酸又はアルカリを加えて調整すればよい。
【0051】
本発明の毛髪化粧料には、更に上記油性成分以外の、植物油、動物油、ラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸類、グリセリン、保湿剤、成分(B)以外のカチオン性ポリマー、成分(B)以外の多糖類、成分(B)以外のポリペプタイド、パール化剤、溶剤、液晶形成基剤、芳香族スルホン酸類、色素、香料、噴射剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を、適宜配合することができる。抗フケ剤としては、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミンなどが挙げられる。
【0052】
本発明の毛髪化粧料は、常法に従って、水溶液、エタノール溶液、エマルション、サスペンション、ゲル、液晶、固形、エアゾールフォーム、スプレー等の所望の剤型にすることができ、毛髪洗浄剤組成物としては、ヘアシャンプー等の製品とすることができ、毛髪洗浄剤組成物以外の毛髪化粧料としては、へアリンス、へアコンディショナー、へアトリートメント、へアパック、へアクリーム、ヘアカラー、コンディショニングムース、へアムース、へアスプレー、リーブオントリートメント、ワックス、トニック、染毛剤等の製品とすることができる。
【0053】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳しく記載する。
【0054】
実施例1
表1に示すエーテル型陽イオン性界面活性剤1〜4及び他の型陽イオン性界面活性剤を用い、表2に示す組成のヘアコンディショナー(本発明品1〜5及び比較品1〜3)を常法により製造した。これらのヘアコンディショナーについて、下記の方法により柔軟性、すべり性、つや、及びまとまり性について官能評価した。なお、表2中の数値は「重量%」である。
【0055】
【表1】
【0056】
<評価方法>
専門パネラー10名により、常法により調製した表3に示すヘアシャンプーを用いて洗浄後、上記ヘアコンディショナーにて処理を行なった。このときのすすぎ時の毛髪の柔軟性とすべり性及び、タオルドライ後、ドライヤーで十分に乾燥した後の毛髪の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性について、下記の基準に従って評価した。
4:非常に良好、3:良好、2:どちらともいえない、1:悪い
10名の評価の平均点を求め、3.6以上を◎、2.6〜3.5を○、1.6〜2.5を△、1.5以下を×とし、表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
実施例2
下記組成のヘアトリートメント剤を製造した。
*:セチルアルコール/ステアリルアルコールの重量比7/3の混合物。
**:ポイズC−60H、花王製
***:SM8704C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
【0060】
このヘアトリートメント剤は、クリーム状の高粘度の製剤とすることができ、湿潤時から乾燥後まで柔軟性及びすべり性が良好で、特に乾燥後において、柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れていた。
【0061】
実施例3
下記組成のヘアリンス剤を製造した。
*:HECダイセルSE−850K、ダイセル化学工業製
**:(a1)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩、
(a2)N,N−ジメチルアクリルアミド及び
(a3)ポリオキシエチレン(9)グリコールジメタクリレートを構成成分とし、モル比で(a1)/(a2)/(a3)=10/90/0.01である。
このリンス剤は、湿潤時から乾燥後まで柔軟性及びすべり性が良好で、特に乾燥後において、柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れていた。
【0062】
実施例4
下記組成の毛髪洗浄剤を製造した。
*:ポイズC−80M(花王製)0.2重量%+ポイズC−150L(花王製)0.3重量%
この毛髪洗浄剤は、泡質、並びに洗浄時及び乾燥後の感触に優れていた。特に、乾燥後の毛髪の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性が良好であった。
【0063】
【発明の効果】
毛髪に対し湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与し、特に乾燥後の柔軟性、すべり性、つや及びまとまり性に優れる。
Claims (5)
- 次の成分(A)及び(B)
(A)一般式(1)
R2及びR4は、炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)nH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、平均付加モル数nは1〜6の数を示し、n個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、
R3は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基又は−(A’O)mH(A’は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、平均付加モル数mは1〜6の数を示し、m個のA’は同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、
X−は、陰イオンを示す。〕
で表されるエーテル型陽イオン性界面活性剤、
(B)増粘性高分子
を含有する毛髪化粧料。 - 成分(B)の増粘性高分子が、グアーガム、ローカストビンガム、クインシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、シェラック、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カチオン化デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩、カチオン化グアーガム、カチオン化グアーガム誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメタアクリレート、4級化ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、カチオン性基含有共重合体、ポリグリコール−ポリアミン縮合物、カチオン処理ポリメチルメタクリレート微粒子、ベントナイト、ラポナイト、微粉酸化ケイ素、コロイダルアルミナ、及びビーガムから選ばれる1種又は2種以上のものである請求項1記載の毛髪化粧料。
- 成分(A)を0.1〜20重量%含有する請求項1又は2記載の毛髪化粧料。
- 更に、成分(A)以外の界面活性剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の毛髪化粧料。
- 成分(A)以外の界面活性剤が、陽イオン性界面活性剤である請求項4記載の毛髪化粧料。
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JP2002184574A JP2004026708A (ja) | 2002-06-25 | 2002-06-25 | 毛髪化粧料 |
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---|---|---|---|---|
JP2008266277A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Sanei Kagaku Kk | セラック含有o/w型毛髪化粧料 |
CN103222940A (zh) * | 2013-05-14 | 2013-07-31 | 马志刚 | 纯天然护发剂 |
CN113412151A (zh) * | 2019-02-13 | 2021-09-17 | 花王株式会社 | 表面活性剂组合物 |
-
2002
- 2002-06-25 JP JP2002184574A patent/JP2004026708A/ja active Pending
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