JP2004026268A - 粘稠物用押出し容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘稠物を所定量ずつ安定して押し出すことができるようにする。
【解決手段】粘稠物用押出し容器1は、胴部2と、胴部2の一端を閉塞する底部4と、胴部2の他端に連設された肩部6と、肩部6に連設された口部7とを有している。胴部2と底部4との境界部には胴部2内へ環状に突出する凹状リブ3が介在されているとともに、底部4は凹状リブ3に続いて反胴部側へ膨出する湾曲部4aおよび湾曲部4aに続いて胴部2内へ突出する凹部4bを備えている。そして、粘稠物用押出し容器1は、柔軟性を有するプラスチック製であって、底部4を肩部6に向かって胴部2内へ押し込むことによって反転変形させて、収容された粘稠物を所定量ずつ口部7の開口部7aから安定して押し出すことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】粘稠物用押出し容器1は、胴部2と、胴部2の一端を閉塞する底部4と、胴部2の他端に連設された肩部6と、肩部6に連設された口部7とを有している。胴部2と底部4との境界部には胴部2内へ環状に突出する凹状リブ3が介在されているとともに、底部4は凹状リブ3に続いて反胴部側へ膨出する湾曲部4aおよび湾曲部4aに続いて胴部2内へ突出する凹部4bを備えている。そして、粘稠物用押出し容器1は、柔軟性を有するプラスチック製であって、底部4を肩部6に向かって胴部2内へ押し込むことによって反転変形させて、収容された粘稠物を所定量ずつ口部7の開口部7aから安定して押し出すことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マヨネーズ、ケチャップ、クリーム等の粘稠性を有する食品やコーキング材やグリース等の粘稠物を収容するための柔軟性を有するプラスチック製の容器であって、収容された粘稠物を取り出す際には、容器底部を容器胴部内へ押し込んで反転変形させることにより、収容した粘稠物を所定量ずつ押し出すことができる粘稠物用押出し容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の粘稠物用押出し容器の一例について説明する。図5に示すように粘稠物押出し容器100は、円筒状の胴部101と、胴部101の一端に連設された抽出口部102と、胴部101の他端に連設された半球状膨出部103とを備えている。
【0003】
また、粘稠物押出しガン200は、粘稠物押出し容器100が装着されるシリンダ201と、把持部204の引き金部205を引き付ける毎に寸動されるロッド203と、ロッド203のシリンダ201内に突出する先端部に一体的に設けられた半球状のピストン202とを備えている。
【0004】
粘稠物を取り出す際には、抽出口部102を開口させた粘稠物押出し容器100を粘稠物押出しガン200のシリンダ201内に装填し、引き金部205を引き付けてロッド203とともにピストン202を寸動させて半球状膨出部103を胴部101内に押し込んで折り返し部104の部分で胴部101内へ向けて反転させる。必要に応じて引き金205を引き付ける毎に、ロッドとともにピストン202が注出口側へ向かって寸動し、これに伴なって反転した半球状膨出部103とともに折り返し部104が胴部内壁面に沿って抽出口部側へ移行して収容された粘稠物を抽出口102の開口部より所定量ずつ押し出すことができる(特開昭56−131173号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、反転した半球状膨出部の内壁面と折り返し部との間に空隙部が生じ、この空隙部に粘稠物が入り込んで胴部が座屈してしまい、折り返し部が正常に形成されず、粘稠物を所定量ずつ安定して押し出すことができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、粘稠物を所定量ずつ安定して押し出すことができる粘稠物用押出し容器を実現することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の粘稠物用押出し容器は、胴部と、前記胴部の一端を閉塞する底部と、前記胴部の他端に連設された先細り状の肩部と、前記肩部の反胴部側端に連設された口部とを有し、前記底部を前記肩部に向かって押し込むことによって前記胴部に折り返し胴部を形成させて粘稠物を所定量ずつ押し出すプラスチック製の粘稠物用押出し容器において、前記胴部と前記底部との境界部には前記胴部内へ環状に突出する凹状リブが介在されていること、を特徴とするものである。
【0008】
また、前記底部が、前記凹状リブに続いて反胴部側へ膨出する湾曲部および前記湾曲部に続いて胴部内へ突出する凹部を備えたものとする。
【0009】
さらに、前記凹状リブは、前記胴部の外壁面から前記凹状リブの頂部までの高さが胴部の肉厚の2〜5倍の範囲以内に設定したものとする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態による粘稠物用押出し容器を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1の(a)、(b)に示すように、粘稠物用押出し容器1は、円筒状の胴部2と、胴部2の一端を閉塞する底部4と、胴部2の他端に連設された先細り状の肩部6と、肩部6の反胴部側端に連設された口部7とを有している。胴部2と底部4との境界部には胴部2内へ環状に突出する凹状リブ3が介在されているとともに、底部4は凹状リブ3に続いて反胴部側へ膨出する湾曲部4aおよび湾曲部4aに続いて胴部2内へ突出する凹部4bを備えている。
【0012】
そして、粘稠物用押出し容器1は、柔軟性を有するプラスチック製であって、底部4を肩部6に向かって押し込むことによって胴部2に後述する折り返し胴部2a(図4参照)を所定の長さずつ形成させることにより、収容された粘稠物を所定量ずつ口部7の開口部7aから押し出すことができ、例えば、図2に示すような粘稠物用押出しガン10や図示しない粘稠物押出し装置におけるカートリッジ容器として用いられる。
【0013】
以下に、粘稠物用押出し容器1の作用・効果を図2に示す粘稠物用押出しガン10のカートリッジ容器として用いた場合を例に挙げて説明する。
【0014】
(1)図2に示すように、粘稠物用押出しガン10のヘッド16を取り外したシリンダ15内に粘稠物が収容された粘稠物用押出し容器1を装填し、ヘッド16をシリンダ15に取り付けるとともに底部4の凹部4bに押圧子14の先端面を当接させる。
【0015】
(2)上記(1)ののち、把持部11を把持して引き金12を引くことによって、ロッド13とともに押圧子14を矢印方向(口部側へ向かう方向)へ所定の距離だけ寸動させる。すると、図3に示すように底部4が口部側へ向かって胴部2内へ押し込まれて、湾曲部4aが胴部2内へ向かって膨出する反転湾曲部5aおよび反転凹部5bを有する反転底部5に反転変形するとともに、凹状リブ3と胴部2との境界部が内側へ折れ曲がって折り返し部8が形成されて凹状リブ3の頂部3aが胴部2の内壁面に当接する。
【0016】
この反転変形時において、粘稠物用押出し容器1の容積が減少するが、この容積の減少にともなって収容された粘稠物が口部7の開口部7aより押し出される。
【0017】
なお、引き金12を引くのを止めると、ロッド13が軸方向へ移動しないようにロックされて押圧子14が停止する。
【0018】
(3)上記(2)ののちは、引き金12を引く毎に、ロッド13とともに押圧子14が矢印方向へ所定の距離だけ寸動し、反転底部5が押圧子14を介して胴部2内へさらに押し込まれて口部側へ向かって移行するとともに、折り返し部8から胴部2の内壁面に沿って折れ曲がった折り返し胴部2aが逐次所定の長さに成長して行くので、粘稠物が所定量ずつ逐次口部7の開口部7aより押し出される。
【0019】
本工程において、反転底部5が移行する際に、弾力性を有する凹状リブ3の頂部3aが胴部2の内壁面を摺擦して行くので、粘稠物が折り返し部側へ漏れ出して胴部2の内壁面と折り返し胴部2aとの間に残存してしまうことがない。その結果、折り返し胴部2aは押圧子14の寸動距離に見合う長さずつ確実に成長し、粘稠物を所定量ずつ高精度に押し出すことができる。
【0020】
なお、折り返し胴部2aの長さが成長するにしたがって折り返し部8も矢印方向へ移行して行くが、上述したように粘稠物用押出し容器1は充分な柔軟性を有するプラスチック製であるため、胴部2が座屈することなく折り返し部8が円滑に移行し、反転底部5の内壁面が肩部6の内壁面に当接する限界まで折り返し胴部2aの長さを成長させることができる。
【0021】
(4)上記(3)による粘稠物の押し出しを繰り返し行なって、反転底部5の内壁面が肩部6の内壁面に当接した時点で粘稠物の所定量ずつの押し出しが完了する。
【0022】
本発明において、粘稠物用押出し容器の胴部は、上述した円筒状のものに限らず、楕円筒状や基本的には断面形状が多角形であるが各角部に丸みをもたせた形状のものに変更することができる。
【0023】
本発明において使用するプラスチックとしては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン等の曲げ弾性率が5〜1500(MPa)範囲のものが好ましい。曲げ弾性率が5(MPa)未満のプラスチックでは、底部を胴部内へ押し込んで反転変形させる際に胴部が座屈してしまい折り返し部が正常な形状に形成されない。逆に、弾性率が1500(MPa)を超えるプラスチックでは、底部を胴部内へ押し込んで変形させることが困難となり粘稠物を所定量ずつ正確に押し出すことはできない。
【0024】
また、凹状リブ3における胴部2の外壁面から頂部3aまでの高さHは、胴部2の肉厚Tの2〜5倍の範囲以内とすると、粘稠物の安定した押し出しができる。
【0025】
本発明の効果を確認するための実験を行なったので、その結果について以下に説明する。
【0026】
(実験A)
プラスチックの種類を変えて、下記の形状・寸法の粘稠物用押出し容器をブロー成形によって成形したのち、各粘稠物用押出し容器にマヨネーズを充填し、図2に示したものと同様の粘稠物用押出しガンを用いて粘稠物を所定量ずつ押し出した。その結果を表1に示す。
【0027】
記
(粘稠物用押出し容器)
形状;図1に示したものと同様の胴部が円筒状で広口の口部を有するもの
全長;154.72(mm)
胴部外径;82(mm)
胴部の肉厚;0.35(mm)
口部内径;46(mm)
凹状リブの形状;曲率半径が1(mm)の弧状
底部の湾曲部および凹部の形状;底部を押し込んで反転変形させた反転底部の形状が、肩部および口部の内壁面と略同一になる形状
【0028】
(粘稠物用押出しガン)
シリンダの内径;82.6(mm)
押圧子の外周面の最大径;80.75(mm)
【0029】
【表1】
*PPの硬度はロックウェル硬度による。
○:折り返し部が正常に形成された。
△:折り返し部が正常に形成されなかった。
×:底部が胴部内へ入り込まず、折り返し部が正常に形成されない。
【0030】
上記実験の結果、粘稠物用押出し容器を構成するプラスチックとしては、曲げ弾性率が5〜1500(MPa)、好ましくは、150〜250(MPa)で、ショアD硬度が40〜60、好ましくは、45〜55のものを用いると、折り返し部が正常に形成され、安定した粘稠物の押し出しができるという知見が得られた。
【0031】
(実験B)
凹状リブを有する容器と凹状リブのない容器のそれぞれに同一の粘稠物を充填し、押出しが完了した後の容器内に残る粘稠物の残率を比較した。
【0032】
凹状リブを有する容器を用いた場合、凹状リブのない容器に対して粘稠物の残存量を0.70g低減することができた。充填量に対する残存量の割合として残率を計算すると0.86%の低減が可能となった。
【0033】
【0034】
【0035】
なお、本実験では比較のため、凹状リブなしのものは座屈が生じなかったものの実験結果を示している。当然、座屈が生じれば定量押出し性、残存量は著しく悪い結果となる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
【0037】
底部を胴部内へ押し込んで反転変形させるとともに胴部に折り返し部を形成させて粘稠物を口部より所定量ずつ逐次押し出す際に、弾力性を有する凹状リブの頂部が胴部の内壁面を摺擦しつつ移行していく。その結果、折り返し部側へ粘稠物が漏れ出すことがなく、粘稠物を所定量ずつ安定して押し出すことができるとともに、残存量も著しく低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態による粘稠物用押出し容器を示し、(a)は模式正面図、(b)は主要部の模式部分断面図である。
【図2】図1に示す粘稠物用押出し容器を粘稠物用押出しガンのカートリッジ容器として用いた場合の説明図である。
【図3】図1に示す粘稠物用押出し容器の底部を胴部内へ反転させた状態を示す模式部分断面図である。
【図4】図3に示す状態からさらに底部を胴部内へ押し込んだ状態を示す模式部分断面図である。
【図5】従来の粘稠物押出しガンの一例を示し、(a)は一部破断全体図、(b)は円筒容器の反転作用を示す断面図である。
【符号の説明】
1 粘稠物用押出し容器
2 胴部
2a 折り返し胴部
3 凹状リブ
3a 頂部
4 底部
4a 湾曲部
4b 凹部
5 反転底部
5a 反転湾曲部
5b 反転凹部
6 肩部
7 口部
7a 開口部
10 粘稠物用押出しガン
11 把持部
12 引き金
13 ロッド
14 押圧子
15 シリンダ
16 ヘッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、マヨネーズ、ケチャップ、クリーム等の粘稠性を有する食品やコーキング材やグリース等の粘稠物を収容するための柔軟性を有するプラスチック製の容器であって、収容された粘稠物を取り出す際には、容器底部を容器胴部内へ押し込んで反転変形させることにより、収容した粘稠物を所定量ずつ押し出すことができる粘稠物用押出し容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の粘稠物用押出し容器の一例について説明する。図5に示すように粘稠物押出し容器100は、円筒状の胴部101と、胴部101の一端に連設された抽出口部102と、胴部101の他端に連設された半球状膨出部103とを備えている。
【0003】
また、粘稠物押出しガン200は、粘稠物押出し容器100が装着されるシリンダ201と、把持部204の引き金部205を引き付ける毎に寸動されるロッド203と、ロッド203のシリンダ201内に突出する先端部に一体的に設けられた半球状のピストン202とを備えている。
【0004】
粘稠物を取り出す際には、抽出口部102を開口させた粘稠物押出し容器100を粘稠物押出しガン200のシリンダ201内に装填し、引き金部205を引き付けてロッド203とともにピストン202を寸動させて半球状膨出部103を胴部101内に押し込んで折り返し部104の部分で胴部101内へ向けて反転させる。必要に応じて引き金205を引き付ける毎に、ロッドとともにピストン202が注出口側へ向かって寸動し、これに伴なって反転した半球状膨出部103とともに折り返し部104が胴部内壁面に沿って抽出口部側へ移行して収容された粘稠物を抽出口102の開口部より所定量ずつ押し出すことができる(特開昭56−131173号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、反転した半球状膨出部の内壁面と折り返し部との間に空隙部が生じ、この空隙部に粘稠物が入り込んで胴部が座屈してしまい、折り返し部が正常に形成されず、粘稠物を所定量ずつ安定して押し出すことができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、粘稠物を所定量ずつ安定して押し出すことができる粘稠物用押出し容器を実現することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の粘稠物用押出し容器は、胴部と、前記胴部の一端を閉塞する底部と、前記胴部の他端に連設された先細り状の肩部と、前記肩部の反胴部側端に連設された口部とを有し、前記底部を前記肩部に向かって押し込むことによって前記胴部に折り返し胴部を形成させて粘稠物を所定量ずつ押し出すプラスチック製の粘稠物用押出し容器において、前記胴部と前記底部との境界部には前記胴部内へ環状に突出する凹状リブが介在されていること、を特徴とするものである。
【0008】
また、前記底部が、前記凹状リブに続いて反胴部側へ膨出する湾曲部および前記湾曲部に続いて胴部内へ突出する凹部を備えたものとする。
【0009】
さらに、前記凹状リブは、前記胴部の外壁面から前記凹状リブの頂部までの高さが胴部の肉厚の2〜5倍の範囲以内に設定したものとする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態による粘稠物用押出し容器を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1の(a)、(b)に示すように、粘稠物用押出し容器1は、円筒状の胴部2と、胴部2の一端を閉塞する底部4と、胴部2の他端に連設された先細り状の肩部6と、肩部6の反胴部側端に連設された口部7とを有している。胴部2と底部4との境界部には胴部2内へ環状に突出する凹状リブ3が介在されているとともに、底部4は凹状リブ3に続いて反胴部側へ膨出する湾曲部4aおよび湾曲部4aに続いて胴部2内へ突出する凹部4bを備えている。
【0012】
そして、粘稠物用押出し容器1は、柔軟性を有するプラスチック製であって、底部4を肩部6に向かって押し込むことによって胴部2に後述する折り返し胴部2a(図4参照)を所定の長さずつ形成させることにより、収容された粘稠物を所定量ずつ口部7の開口部7aから押し出すことができ、例えば、図2に示すような粘稠物用押出しガン10や図示しない粘稠物押出し装置におけるカートリッジ容器として用いられる。
【0013】
以下に、粘稠物用押出し容器1の作用・効果を図2に示す粘稠物用押出しガン10のカートリッジ容器として用いた場合を例に挙げて説明する。
【0014】
(1)図2に示すように、粘稠物用押出しガン10のヘッド16を取り外したシリンダ15内に粘稠物が収容された粘稠物用押出し容器1を装填し、ヘッド16をシリンダ15に取り付けるとともに底部4の凹部4bに押圧子14の先端面を当接させる。
【0015】
(2)上記(1)ののち、把持部11を把持して引き金12を引くことによって、ロッド13とともに押圧子14を矢印方向(口部側へ向かう方向)へ所定の距離だけ寸動させる。すると、図3に示すように底部4が口部側へ向かって胴部2内へ押し込まれて、湾曲部4aが胴部2内へ向かって膨出する反転湾曲部5aおよび反転凹部5bを有する反転底部5に反転変形するとともに、凹状リブ3と胴部2との境界部が内側へ折れ曲がって折り返し部8が形成されて凹状リブ3の頂部3aが胴部2の内壁面に当接する。
【0016】
この反転変形時において、粘稠物用押出し容器1の容積が減少するが、この容積の減少にともなって収容された粘稠物が口部7の開口部7aより押し出される。
【0017】
なお、引き金12を引くのを止めると、ロッド13が軸方向へ移動しないようにロックされて押圧子14が停止する。
【0018】
(3)上記(2)ののちは、引き金12を引く毎に、ロッド13とともに押圧子14が矢印方向へ所定の距離だけ寸動し、反転底部5が押圧子14を介して胴部2内へさらに押し込まれて口部側へ向かって移行するとともに、折り返し部8から胴部2の内壁面に沿って折れ曲がった折り返し胴部2aが逐次所定の長さに成長して行くので、粘稠物が所定量ずつ逐次口部7の開口部7aより押し出される。
【0019】
本工程において、反転底部5が移行する際に、弾力性を有する凹状リブ3の頂部3aが胴部2の内壁面を摺擦して行くので、粘稠物が折り返し部側へ漏れ出して胴部2の内壁面と折り返し胴部2aとの間に残存してしまうことがない。その結果、折り返し胴部2aは押圧子14の寸動距離に見合う長さずつ確実に成長し、粘稠物を所定量ずつ高精度に押し出すことができる。
【0020】
なお、折り返し胴部2aの長さが成長するにしたがって折り返し部8も矢印方向へ移行して行くが、上述したように粘稠物用押出し容器1は充分な柔軟性を有するプラスチック製であるため、胴部2が座屈することなく折り返し部8が円滑に移行し、反転底部5の内壁面が肩部6の内壁面に当接する限界まで折り返し胴部2aの長さを成長させることができる。
【0021】
(4)上記(3)による粘稠物の押し出しを繰り返し行なって、反転底部5の内壁面が肩部6の内壁面に当接した時点で粘稠物の所定量ずつの押し出しが完了する。
【0022】
本発明において、粘稠物用押出し容器の胴部は、上述した円筒状のものに限らず、楕円筒状や基本的には断面形状が多角形であるが各角部に丸みをもたせた形状のものに変更することができる。
【0023】
本発明において使用するプラスチックとしては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン等の曲げ弾性率が5〜1500(MPa)範囲のものが好ましい。曲げ弾性率が5(MPa)未満のプラスチックでは、底部を胴部内へ押し込んで反転変形させる際に胴部が座屈してしまい折り返し部が正常な形状に形成されない。逆に、弾性率が1500(MPa)を超えるプラスチックでは、底部を胴部内へ押し込んで変形させることが困難となり粘稠物を所定量ずつ正確に押し出すことはできない。
【0024】
また、凹状リブ3における胴部2の外壁面から頂部3aまでの高さHは、胴部2の肉厚Tの2〜5倍の範囲以内とすると、粘稠物の安定した押し出しができる。
【0025】
本発明の効果を確認するための実験を行なったので、その結果について以下に説明する。
【0026】
(実験A)
プラスチックの種類を変えて、下記の形状・寸法の粘稠物用押出し容器をブロー成形によって成形したのち、各粘稠物用押出し容器にマヨネーズを充填し、図2に示したものと同様の粘稠物用押出しガンを用いて粘稠物を所定量ずつ押し出した。その結果を表1に示す。
【0027】
記
(粘稠物用押出し容器)
形状;図1に示したものと同様の胴部が円筒状で広口の口部を有するもの
全長;154.72(mm)
胴部外径;82(mm)
胴部の肉厚;0.35(mm)
口部内径;46(mm)
凹状リブの形状;曲率半径が1(mm)の弧状
底部の湾曲部および凹部の形状;底部を押し込んで反転変形させた反転底部の形状が、肩部および口部の内壁面と略同一になる形状
【0028】
(粘稠物用押出しガン)
シリンダの内径;82.6(mm)
押圧子の外周面の最大径;80.75(mm)
【0029】
【表1】
*PPの硬度はロックウェル硬度による。
○:折り返し部が正常に形成された。
△:折り返し部が正常に形成されなかった。
×:底部が胴部内へ入り込まず、折り返し部が正常に形成されない。
【0030】
上記実験の結果、粘稠物用押出し容器を構成するプラスチックとしては、曲げ弾性率が5〜1500(MPa)、好ましくは、150〜250(MPa)で、ショアD硬度が40〜60、好ましくは、45〜55のものを用いると、折り返し部が正常に形成され、安定した粘稠物の押し出しができるという知見が得られた。
【0031】
(実験B)
凹状リブを有する容器と凹状リブのない容器のそれぞれに同一の粘稠物を充填し、押出しが完了した後の容器内に残る粘稠物の残率を比較した。
【0032】
凹状リブを有する容器を用いた場合、凹状リブのない容器に対して粘稠物の残存量を0.70g低減することができた。充填量に対する残存量の割合として残率を計算すると0.86%の低減が可能となった。
【0033】
【0034】
【0035】
なお、本実験では比較のため、凹状リブなしのものは座屈が生じなかったものの実験結果を示している。当然、座屈が生じれば定量押出し性、残存量は著しく悪い結果となる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
【0037】
底部を胴部内へ押し込んで反転変形させるとともに胴部に折り返し部を形成させて粘稠物を口部より所定量ずつ逐次押し出す際に、弾力性を有する凹状リブの頂部が胴部の内壁面を摺擦しつつ移行していく。その結果、折り返し部側へ粘稠物が漏れ出すことがなく、粘稠物を所定量ずつ安定して押し出すことができるとともに、残存量も著しく低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態による粘稠物用押出し容器を示し、(a)は模式正面図、(b)は主要部の模式部分断面図である。
【図2】図1に示す粘稠物用押出し容器を粘稠物用押出しガンのカートリッジ容器として用いた場合の説明図である。
【図3】図1に示す粘稠物用押出し容器の底部を胴部内へ反転させた状態を示す模式部分断面図である。
【図4】図3に示す状態からさらに底部を胴部内へ押し込んだ状態を示す模式部分断面図である。
【図5】従来の粘稠物押出しガンの一例を示し、(a)は一部破断全体図、(b)は円筒容器の反転作用を示す断面図である。
【符号の説明】
1 粘稠物用押出し容器
2 胴部
2a 折り返し胴部
3 凹状リブ
3a 頂部
4 底部
4a 湾曲部
4b 凹部
5 反転底部
5a 反転湾曲部
5b 反転凹部
6 肩部
7 口部
7a 開口部
10 粘稠物用押出しガン
11 把持部
12 引き金
13 ロッド
14 押圧子
15 シリンダ
16 ヘッド
Claims (3)
- 胴部と、前記胴部の一端を閉塞する底部と、前記胴部の他端に連設された先細り状の肩部と、前記肩部の反胴部側端に連設された口部とを有し、前記底部を前記肩部に向かって押し込むことによって前記胴部に折り返し胴部を形成させて粘稠物を所定量ずつ押し出すプラスチック製の粘稠物用押出し容器において、
前記胴部と前記底部との境界部には前記胴部内へ環状に突出する凹状リブが介在されていること、を特徴とする粘稠物用押出し容器。 - 前記底部が、前記凹状リブに続いて反胴部側へ膨出する湾曲部および前記湾曲部に続いて胴部内へ突出する凹部を備えたこと、を特徴とする請求項1記載の粘稠物用押出し容器。
- 前記凹状リブは、前記胴部の外壁面から前記凹状リブの頂部までの高さが胴部の肉厚の2〜5倍の範囲以内に設定されていること、を特徴とする請求項1または2記載の粘稠物用押出し容器。
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WO2011040584A1 (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-07 | 小林製薬株式会社 | 押出容器 |
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-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002188944A patent/JP2004026268A/ja active Pending
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