JP2004025872A - オフセット印刷装置 - Google Patents

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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17593Supplying ink in a solid state

Abstract

【課題】相変化インキを用いることのできる、熱的に安定でニップ負荷の小さい画像形成部材を提供する。
【解決手段】相変化インキを用いるための、被覆された画像形成部材と、必要に応じてオフセット印刷装置に付随する加熱部材とを備えたオフセット印刷装置である。被覆画像形成部材は、基板と、必要に応じて中間層と、その上の外側被覆とを備え、外側被覆は、ハロゲン化モノマー類と、ポリオルガノシロキサンモノマー類と、それらの混合物とから成る群より選ばれるモノマー類を含むエラストマーを含有する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、画像形成装置と、その構成要素であって、オフセット印刷又はインキジェット印刷装置に使用される層に関する。本願の層は、転写定着又は転写融合部などの転写部、画像形成部、同様の構成部品に用いられる層など、多くの用途に有用である。より詳細には、本発明は、エラストマーと必要に応じて充填剤とを含む層に関する。詳細な実施の形態では、エラストマーは、ハロゲン化モノマー類と、ポリオルガノシロキサンモノマー類と、それらの混合物とから成る群より選ばれるモノマー類を含む。本発明の層は、インキ又は染料材料と組み合わせて使用する構成部品において有用である。実施の形態において、この層は固体インキなどの相変化インキと組み合わせて用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
画像形成部材にコーティングされたものの例が特許文献1から特許文献24 に示されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5,092,235号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,195,430号明細書
【特許文献3】
米国特許5,389,958号明細書
【特許文献4】
米国特許5,455,604号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,502,476号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,614,933号明細書
【特許文献7】
米国特許第5,790,160号明細書
【特許文献8】
米国特許第5,805,191号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,808,645号明細書
【特許文献10】
米国特許第6,196,675号明細書
【特許文献11】
米国特許第5,777,650号明細書
【特許文献12】
米国特許第5,361,126号明細書
【特許文献13】
米国特許第5,337,129号明細書
【特許文献14】
米国特許第5,340,679号明細書
【特許文献15】
米国特許第5,480,938号明細書
【特許文献16】
米国特許第5,366,772号明細書
【特許文献17】
米国特許第5,456,987号明細書
【特許文献18】
米国特許第5,848,327号明細書
【特許文献19】
米国特許第5,576,818号明細書
【特許文献20】
米国特許第6,035,780号明細書
【特許文献21】
米国特許第5,537,194号明細書
【特許文献22】
米国特許第5,753,307号明細書
【特許文献23】
米国特許第5,840,796号明細書
【特許文献24】
米国特許第5,846,643号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
画像を受け取り、その画像を印刷媒体へ転写又は転写融合することのできる、相変化インキ印刷装置に使用するための多機能画像形成部材の提供が望まれている。画像形成部材が加熱を伴う場合には、融合又は定着を行うため熱的に安定であることが望ましい。更に、印刷装置の重量とコストを下げ、最初のコピーアウト時間を良好なものとするため、なるべくニップ負荷の小さい画像形成部材が望ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は実施の形態において、a)相変化インキを塗布して相変化インキ画像とするための相変化インキ部と、b)相変化インキ画像を相変化インキ部から受け取り、相変化インキ画像を印刷媒体へ転写するための画像形成部材と、を含む相変化インキを印刷媒体へ転写するためのオフセット印刷装置であって、画像形成部材は、i)画像形成基板と、その上の、ii)外側被覆と、を含み、外側被覆は、ハロゲン化モノマー類と、ポリオルガノシロキサンモノマー類と、それらの混合物とから成る群より選ばれるモノマー類を含むエラストマーを含有するものである装置を提供する。
【0006】
本発明は実施の形態において更に、a)相変化インキを塗布して相変化インキ画像とするための相変化インキ部と、b)相変化インキ画像を相変化インキ部から受け取り、相変化インキ画像を印刷媒体へ転写し、相変化インキ画像を印刷媒体に定着するための画像形成部材と、c)オフセット印刷装置に付随する加熱部材と、を含む、相変化インキを印刷媒体へ印刷するためのオフセット印刷装置であって、画像形成部材は、i)画像形成基板と、その上の、ii)外側被覆と、を含み、外側被覆は、ハロゲン化モノマー類と、ポリオルガノシロキサンモノマー類と、それらの混合物とから成る群より選ばれるモノマー類を含むエラストマーを含有するものである装置を提供する。
【0007】
更に、本発明は実施の形態において、相変化インキを含む相変化インキ部と、基板とその上の外側被覆とを含む画像形成部材と、オフセット印刷装置に付随する加熱部材と、を含むオフセット印刷装置であって、外側被覆は、ハロゲン化モノマー類と、ポリオルガノシロキサンモノマー類と、それらの混合物とから成る群より選ばれるモノマー類を含むエラストマーを含有し、相変化インキ部は相変化インキを画像形成部材上に供給し、相変化インキは室温で固体である装置を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、固体インキなどの相変化インキが使用でき、また、インキ画像を受け取り、転写し、場合により印刷媒体に定着できる被覆画像形成部材を含む、オフセット印刷装置に関する。画像形成部材はドラムなどのローラー、又はフィルム、シート、ベルト等のフィルム要素であっても良い。実施の形態において、画像形成部材は、基板と、エラストマーを含む外側層とから成る。別の実施の形態では、画像形成部材は、基板と、必要に応じて中間層と、エラストマーを含む外側層とから成る。基板、中間層、及び/又は外側層の中には更に充填剤を分散又は含有しても良い。
【0009】
図1に、オフセット印刷装置1が画像形成部材から最終印刷媒体又は印刷を受ける被印刷体へインキ画像を転写する様子を示す。画像形成部材3が矢印5の方向へ回転するにつれ、液体表面2が画像形成部材3に塗布される。この実施の形態では画像形成部材3はドラム部材として示されているが、ベルト部材、フィルム部材、シート部材など、他の実施の形態も使用できることは理解されよう。液体層2はアプリケータ4によって塗布される。アプリケータ4は、画像形成部材3に接し、液体表面2を塗布できるならばどの位置にあっても良い。
【0010】
この印刷法では、例えば固体インキなどの相変化インキを用いることが可能である。相変化インキとは、固体インキが液状インキになる、あるいは固体からより展性を持った状態に変化するなど、相変化可能なインキを意味する。詳細には、実施の形態において、インキは初め固体であるが、熱エネルギーを加えることにより溶融状態に変えることができる。固体インキは室温又は約25℃では固体であるが、約85〜約150℃以上の比較的高い温度で溶融する性質を持つ。インキを高温で溶融し、次に溶融インキ6をプリントヘッド7から画像形成部材3の液体層2の上に射出する。このインキを次に約20〜約80℃、又は約72℃の中間温度に冷やし、最終的に画像を受け取る被印刷体8又は印刷媒体8に転写できる程度の展性を持った状態まで固化する。
【0011】
インキは、約140℃で約5〜約30センチポアズ(cp)、又は約8〜約20cp、あるいは約10〜約15cpの粘度を持つ。適当なインキの表面張力は約23〜約50ダイン/cmである。本願での使用に適したインキの例としては、米国特許第4,889,560号、米国特許第5,919,839号、米国特許第6,174,937号、米国特許第6,309,453号に述べられたものなどが挙げられる。
【0012】
液体層2の一部はインキと共に印刷媒体8に転写される。転写される液体の厚さは通常、約100オングストローム〜約100nm、又は約0.1〜約200mg/印刷媒体、あるいは約0.5〜約50mg/印刷媒体、若しくは約1〜約10mg/印刷媒体である。
【0013】
転写定着印刷液体表面2としての使用に適した液体は、水、フッ素化油、グリコール、界面活性剤、鉱油、シリコーン油、機能性油、等、及びそれらの混合物が挙げられる。機能性液体としては、メルカプト、フルオロ、水素化物、ヒドロキシ、等の官能基を持つシリコーン油又はポリジメチルシロキサン油が挙げられる。
【0014】
供給ガイド10及び13は、紙、透明紙等の印刷媒体8を、加圧部材11(ローラとして図示)と画像形成部材3との間にできたニップ9の中へ送り込む。加圧部材は、ベルト、フィルム、シート、その他の形であっても良いことは理解されよう。実施の形態において、熱くした供給ガイド13により印刷媒体8をニップ9に入る前に加熱する。印刷媒体8が転写定着画像形成部材3と加圧部材11との間を通る間に、展性を持った状態となった溶融インキ6は、画像形成部材3から印刷媒体8上へ画像の形のまま転写される。最終インキ画像12は印刷媒体がニップ9の間を移動するにつれて広がり、平らになり、接着し、最終印刷媒体8に融合又は定着する。あるいはオフセット印刷装置1に付随する、追加又は代わりの単数又は複数のヒータ(図示せず)を設けても良い。他の実施の形態では、供給ガイドの上流又は下流に、必要に応じて独立した定着部を設けることもできる。
【0015】
ニップ9にかかる圧力は、約10〜約1,000psi(約69〜約6,900kPa)、又は約500psi(約3,450kPa)、あるいは約200〜約500psi(約1,380〜約3,450kPa)である。これはインキが変形する力(50℃において約250psi(約1,730kPa))のおよそ2倍である。実施の形態において、約72〜約75℃と更に高い温度とすることが可能で、温度が高ければインキはより柔らかくなる。最終印刷媒体8に転写されたインキは、約20〜約25℃の周囲温度まで放冷される。インキ画像12を載せた印刷媒体8は、ストリッパフィンガ(図示せず)を用いて最終排出トレイ(これも図示せず)に排出しても良い。
【0016】
図2に、転写定着部材3が、基板15とその周囲の外側被覆16とを含む、本発明の実施の形態を示す。
【0017】
図3に、本発明の別の実施の形態を示す。図3は、基板15と、基板15の上に設けた中間層17と、中間層17の上に設けた外側層16と、を含む3層構造を示している。実施の形態において、外側層16上には先に述べたように外側液体層2がある。
【0018】
画像形成部材は、エラストマーを含む外側層16を有する。エラストマー類の例としては、ハロゲン化モノマー類を含むエラストマー、ポリオルガノシロキサン類を含むエラストマー、ハロゲン化モノマー類とポリオルガノシロキサンモノマー類とを含むエラストマーが挙げられる。ある実施の形態では、エラストマーはハロゲン化モノマー類のみから成るものである。
【0019】
ハロゲン化モノマー類から成るエラストマーの例としては、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体及びターポリマーを含むフルオロエラストマー類が挙げられ、これらは、バイトン(VITON)A(登録商標)、バイトンE(登録商標)、バイトンE60C(登録商標)、バイトンE45(登録商標)、バイトンE430(登録商標)、バイトンB910(登録商標)、バイトンGH(登録商標)、バイトンB50(登録商標)、バイトンGF(登録商標)など様々な商品名で知られる。バイトン(登録商標)の名称は、E.I.デュポン・ド・ヌムール社(E.I. DuPont de Nemours, Inc.)の商標である。3種類の公知のフルオロエラストマー類は、(1)バイトンA(登録商標)の商品名で知られる、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体の類、(2)バイトンB(登録商標)の商品名で知られる、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのターポリマーの類、(3)例えばバイトンGF(登録商標)である、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとキュアサイトモノマーとのテトラポリマーの類である。バイトンA(登録商標)、バイトンB(登録商標)、その他のバイトン(登録商標)の名称は、E.I.デュポン・ド・ヌムール社の商標である。
【0020】
他の実施の形態では、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンの量が比較的少ないテトラポリマーである。その例は、E.I.デュポン・ド・ヌムール社製のバイトンGF(登録商標)である。バイトンGF(登録商標)は、35重量%のフッ化ビニリデンと、34重量%のヘキサフルオロプロピレンと、29重量%のテトラフルオロエチレンと、2重量%のキュアサイトモノマーとから成る。キュアサイトモノマーは、4−ブロモパーフルオロブテン−1、1,1−ジヒドロ−4−ブロモパーフルオロブテン−1、3−ブロモパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロ−3−ブロモパーフルオロプロペン−1、などのデュポン社より入手可能なもの、その他適当な公知の市販のキュアサイトモノマーが使用できる。
【0021】
使用されるその他のフルオロエラストマー類としては、アフラス(AFLAS)(登録商標)、フルオレル(FLUOREL)(登録商標)I、フルオレル(登録商標)II、テクノフロン(TECHNOFLON)(登録商標)、等の市販のエラストマー類が挙げられる。
【0022】
エラストマー類の他の例としては、ポリオルガノシロキサンモノマー類を含むエラストマー類、ハロゲン化モノマー類とポリオルガノシロキサンモノマー類とを含むエラストマー類が挙げられる。これらは例えば、ボリュームグラフトエラストマー、チタマー、グラフトチタマー、セラマー、グラフトセラマーなどのポリマー複合物である。
【0023】
本発明のある実施の形態では、エラストマーはボリュームグラフトエラストマーである。ボリュームグラフトエラストマー類は特殊な形のヒドロフルオロエラストマーであり、フルオロエラストマーとポリオルガノシロキサンとの混成組成の、実質的に均一な完全相互嵌入網目である。ボリュームグラフトは、求核脱フッ化水素化剤でフルオロエラストマーを脱フッ化水素化し、次にアルケン又はアルキン官能末端を持つポリオルガノシロキサンと重合開始剤とを加えて付加重合させて生成する。
【0024】
実施の形態において、ボリュームグラフトとは、フルオロエラストマーとポリオルガノシロキサンの構造と組成がいずれも層のどこで切っても実質的に均一である、混成組成の実質的に均一な完全相互嵌入網目を指す。ボリュームグラフトエラストマーは、求核脱フッ化水素化剤でフルオロエラストマーを脱フッ化水素化し、次にアルケン又はアルキン官能末端を持つポリオルガノシロキサンを加えて付加重合させて生成した、フルオロエラストマーとポリオルガノシロキサンとの混成組成物である。ボリュームグラフトエラストマー類の具体例は、米国特許第5,166,031号、米国特許第5,281,506号、米国特許第5,366,772号、米国特許第5,370,931号に開示されている。
【0025】
実施の形態において、ポリオルガノシロキサンは次の化1の構造式を持つものである。
【0026】
【化1】
Figure 2004025872
式中、Rは、炭素数約1〜約24のアルキル、又は炭素数約2〜約24のアルケニル、あるいは炭素数約4〜約24の置換又は非置換アリール又は複素環であり、Aは、炭素数約6〜約24のアリール又は複素環、炭素数約2〜約8の置換又は非置換アルケン(例えば、ビニル基)、炭素数約2〜約8の置換又は非置換アルキン、あるいは炭素数約2〜約8の置換又は非置換アルコキシ基であり、nは約2〜約400、又は実施の形態において約10〜約200である。
【0027】
実施の形態において、Rは、アルキル、アルケニル、アリール又は複素環であり、アルキルの炭素数は約1〜約24、又は約1〜約12であり、アルケニルの炭素数は約2〜約24、又は約2〜約12であり、アリール又は複素環の炭素数は約4〜約24、又は約6〜約18である。Rは置換アリール又は複素環基であっても良く、アリール又は複素環は、アミノ、ヒドロキシ、メルカプトで置換され、又は、例えば炭素数約1〜約24、又は1〜約12のアルキルで置換され、あるいは、例えば炭素数約2〜約24、又は約2〜約12のアルケニルで置換されている。実施の形態において、Rはそれぞれ独立して、メチル、エチル、フェニルより選ばれる。官能基Aは、炭素数約2〜約8、又は約2〜約4のアルケン又はアルキン基であり、必要に応じて、例えば炭素数約1〜約24、又は約1〜約12のアルキル、あるいは、例えば炭素数約6〜約24、又は約6〜約18のアリール又は複素環基で置換されていても良い。官能基Aはまた、各アルコキシ基の炭素数が約1〜約10、又は約1〜約6である、モノ、ジ、又はトリアルコキシシラン、ヒドロキシ、又はハロゲンであっても良い。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、等が挙げられる。ハロゲンの例としては、塩素、臭素、フッ素が挙げられる。Aはまた、炭素数約2〜約8のアルキンであり、必要に応じて炭素数約1〜約24のアルキル、又は、炭素数約6〜約24のアリール又は複素環で置換されていても良い。nは約2〜約400であり、実施の形態においては約2〜約350、又は約5〜約100である。更に実施の形態において、nが約60〜約80ならば、グラフトするために十分な数の反応基をフルオロエラストマー上に備えることができる。前記の構造式において典型的なR基としては、メチル、エチル、プロピル、オクチル、ビニル、アリル性クロトニル、フェニル、ナフチル、フェナントリルが挙げられ、典型的な置換アリール基は、約1〜約15の炭素原子を含む炭素数の少ないアルキル基が、オルト、メタ、パラ位に置換したものである。典型的なアルケン及びアルケニル官能基としては、ビニル、アクリル、クロトニル、アセテニルが挙げられ、これらは典型的に、メチル、プロピル、ブチル、ベンジル、トリル基等で置換されていても良い。
【0028】
実施の形態において、Aは炭素数約2〜約8のビニル基であって、例えば、CH=CH−SiR(OSiR− (式中、nは約1〜約100、又は約1〜約50、あるいは約2〜約25の数)である。実施の形態において、Aは炭素数約2〜約8のアルコキシ基であって、例えば、CO−SiR(OSiR− (式中、nは約1〜約100、又は約1〜約50、あるいは約2〜約25の数)である。このように、ポリジメチルシロキサンは、末端にビニル又はアルコキシ基を持つことができる。
【0029】
実施の形態において、ポリオルガノシロキサンは、官能ポリ(ジメチルシロキサン)及び、補助的なものの付いたシリコーン樹脂(例えば、ワッカー(Wacker)製、RT601Aエラストジル(Elastosil))、又は水素官能ジメチルシロキサン(例えば、ワッカー製、RT601Bエラストジル)であっても良い。
【0030】
セラマー類もまた本願の被覆として有用なポリマー複合物の例である。セラマーは、典型的にセラミックス様の性質を持った有機の複合組成物である混成材料の総称である。本願で用いるセラマーとは、実施の形態において、エラストマーと酸化ケイ素との実質的に均一な完全相互嵌入網目から成る複合ポリマーを指す。グラフトセラマーとは、実施の形態において、ポリオルガノシロキサングラフトハロエラストマーと酸化ケイ素網目との実質的に均一な完全相互嵌入網目から成る複合ポリマーを指す。グラフトセラマー中において、ハロエラストマーは第1のモノマーセグメントであり、ポリオルガノシロキサンは第3のモノマーセグメントであり、第2のモノマーセグメントは酸化ケイ素網目の中間体であるテトラエトキシオルトケイ酸である。ポリオルガノシロキサングラフトハロエラストマーと酸化ケイ素網目の構造と組成はいずれも、層のどこで切っても実質的に均一である。相互嵌入網目とは、セラマーではハロエラストマーと酸化ケイ素網目ポリマーストランド(strand)とが絡み合ったもの、グラフトセラマーではポリオルガノシロキサングラフトハロエラストマーと酸化ケイ素ポリマー網目ストランドとが絡み合ったものを指す。ハロエラストマーは、クロロエラストマー、ブロモエラストマー、等、それらの混合物などの適当なハロゲン含有エラストマーであり、フルオロエラストマーであっても良い。適当なフルオロエラストマー類の例は先に述べたとおりである。適当なポリオルガノシロキサン類の例は先に挙げたとおりである。“酸化ケイ素”、“酸化ケイ素網目”、“酸化ケイ素の網目”などの語は、金属と酸素の原子が交互に共有結合したものを指し、ケイ素と酸素の原子は交互に、直鎖、分枝、及び/又は格子パターンに並んでいる。ケイ素と酸素の原子は網目になっており、ばらばらの粒子ではない。セラマー類とグラフトセラマー類の例は、米国特許第5,337,129号に述べられている。
【0031】
本発明の実施の形態において、セラマーは次の化2の構造式を持つ。
【化2】
Figure 2004025872
【0032】
前記式中、記号“〜”はポリマー網目の連続を示す。
【0033】
実施の形態において、グラフトセラマーは次の化3の構造式を持つ。
【化3】
Figure 2004025872
【0034】
前記式中、Rは前述のポリオルガノシロキサンのR基であり、ポリオルガノシロキサンのR基で定義した置換基であっても良い。nは前述のポリオルガノシロキサンのnで定義したものと同様の数であり、記号“〜”はポリマー網目の連続を示す。
【0035】
チタマー類も、本願の被覆に適したポリマー複合物の例である。チタマー類は、米国特許第5,500,298号、米国特許第5,500,299号、米国特許第5,456,987号に述べられている。本願では、チタマーとは、ハロエラストマーと酸化チタン網目との実質的に均一な完全相互嵌入網目から成る複合材料を指し、ハロエラストマーと酸化チタン網目の構造と組成はいずれも、被覆層のどこで切っても実質的に均一である。グラフトチタマーとは、ポリオルガノシロキサングラフトハロエラストマーと酸化チタン網目との実質的に均一な完全相互嵌入網目を指し、ハロエラストマーは第1のモノマーセグメントであり、ポリオルガノシロキサンは、第3のグラフトしたモノマーセグメントであり、酸化チタン網目の中間体であるチタニウムイソブトキシドは第2のモノマーセグメントである。ポリオルガノシロキサングラフトハロエラストマーと酸化チタン網目の構造と組成はいずれも、被覆層のどこで切っても実質的に均一である。相互嵌入網目とは、チタマーではハロエラストマーと酸化チタン網目ポリマーストランドとが絡み合ったもの、グラフトチタマーではポリオルガノシロキサングラフトハロエラストマーと酸化チタン網目ポリマーストランドとが絡み合ったものを指す。ハロエラストマーは、クロロエラストマー、ブロモエラストマー、等、それらの混合物などの、適当なハロゲン含有エラストマーであり、前述のようにフルオロエラストマーであっても良い。“酸化チタン”、“酸化チタンの網目”、“酸化チタン網目”などの語は、チタンと酸素の原子が交互に共有結合したものを指し、チタンと酸素の原子は交互に、直鎖、分枝、及び/又は格子パターンに並んでいる。チタンと酸素原子は網目になっており、ばらばらの粒子ではない。
【0036】
チタマー類の例としては、次の化4の構造式を持つものが挙げられる。
【化4】
Figure 2004025872
【0037】
前記式中、記号“〜”はポリマー網目の連続を示す。
【0038】
グラフトチタマー類の例としては、次の化5の構造式を持つものが挙げられる。
【化5】
Figure 2004025872
【0039】
前記式中、Rは前述のポリオルガノシロキサンのR基であり、ポリオルガノシロキサンのR基で定義した置換基であっても良い。nは前述のポリオルガノシロキサンのnで定義したものと同様の数であり、記号“〜”はポリマー網目の連続を示す。
【0040】
他の適当なエラストマー類の例としては、フルオロウレタン類、フルオロアクリル酸エステル(例えば、デラウェア州ウィルミントン、ICIアメリカズ社(ICI Americas, Inc.)製、ルミフロン(LUMIFLON)(登録商標))、その他、ポリフッ化ビニル(テドラー(TEDLAR)(登録商標)など)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー(KYNAR)(登録商標)など)、等のフルオロエラストマー類が挙げられる。
【0041】
適当なエラストマー類の例としては更に、ポリアミド−ポリオルガノシロキサン共重合体、ポリイミド−ポリオルガノシロキサン共重合体、ポリエステル−ポリオルガノシロキサン共重合体、ポリスルホン−ポリオルガノシロキサン共重合体、ポリスチレン−ポリオルガノシロキサン共重合体、ポリプロピレン−ポリオルガノシロキサン共重合体などの、ポリオルガノシロキサンを含む共重合体類が挙げられる。
【0042】
画像形成外側層中のエラストマーの含有量は、総固体の約95〜約35重量%、又は約90〜約50重量%、あるいは約80〜約70重量%である。本願で用いる総固体とは、エラストマー、充填剤、その他加える添加剤、充填剤、類似の固体材料の総重量を指す。
【0043】
実施の形態において、外側画像形成層の厚さは、約0.5〜約20ミル(約12.7〜約508μm)、又は約1〜約6ミル(約25.4〜約152μm)である。
【0044】
基板、必要に応じて設ける中間層、及び/又は外側層は、実施の形態において、その中に分散した充填剤を含んでいても良い。これらの充填剤は、材料の硬さ又はモジュラスを所望の範囲に上げる性能を持つ。
【0045】
充填剤の例としては、金属、金属酸化物、ドープした金属酸化物、カーボンブラック、セラミックス、ポリマー類、等、及びそれらの混合物が挙げられる。適当な金属酸化物充填剤の例としては、二酸化チタン、酸化スズ(II)、酸化アルミニウム、酸化インジウムスズ、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化鉄、シリカ又は酸化ケイ素、等、及びそれらの混合物が挙げられる。炭素充填剤の例としては、カーボンブラック(例えば、N−990サーマルブラック、N330及びN110カーボンブラック、等)、グラファイト、フッ素化炭素(例えば、アキュフロア(ACCUFLUOR)(登録商標)又はカーボフロア(CARBOFLUOR)(登録商標))、等、及びそれらの混合物が挙げられる。セラミック材料の例としては、硝酸アルミニウム、窒化ホウ素、ケイ酸ジルコニウムなどのケイ酸塩、等、及びそれらの混合物が挙げられる。ポリマー充填剤の例としては、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリピロール、ポリアクリロニトリル(例えば、熱分解したポリアクリロニトリル)、ポリアニリン、ポリチオフェン、等、及びそれらの混合物が挙げられる。必要に応じた充填剤は、基板、必要に応じた中間層、及び/又は外側層中に存在し、その量は層中の総固体の約0〜約30重量%、又は約1〜約20重量%である。
【0046】
画像形成基板は、画像形成部材基板としての使用に適した強度を持つ材料であればどのようなものであっても良い。基板に適した材料の例としては、金属、ゴム、グラスファイバー複合物、織物が挙げられる。金属の例としては、スチール、アルミニウム、ニッケル、それらの合金、類似の金属とその合金が挙げられる。基板は、使用する画像形成部材の種類に応じて適当な厚さとすることができる。基板がベルト、フィルム、シート等である実施の形態においては、その厚さは約0.5〜約500ミル(約12.7μm〜約12.7mm)、又は約1〜約250ミル(約25.4μm〜約6.35mm)である。基板がドラム形の実施の形態では、その厚さは約1/32〜約1インチ(約0.794〜約25.4mm)、又は約1/16〜約5/8インチ(約1.59〜約15.9mm)とすることができる。
【0047】
適当な画像形成基板の例としては、シート、フィルム、ウェブ、ホイル、ストリップ、コイル、シリンダ、ドラム、エンドレスストリップ、円形ディスク、ベルトが挙げられる。ベルトには、エンドレスベルト、可撓性のエンドレスシームドベルト、可撓性のエンドレスシームレスベルト、パズルカットの継ぎ目や溶接可能な継ぎ目を持つエンドレスベルト、などがある。
【0048】
実施の形態において、必要に応じて画像形成基板と外側層との間に中間層を設けても良い。中間層での使用に適した材料としては、シリコーン材料、フルオロエラストマー類、フルオロシリコーン類、エチレンプロピレンジエンゴム、等、及びそれらの混合物が挙げられる。実施の形態において、中間層は適合性を持つものであり、その厚さは約2〜約60ミル(約50.8μm〜約1.52mm)、又は約4〜約25ミル(約102〜約635μm)である。
【0049】
【実施例】
実施例1.
フルオロエラストマー外側層を次のように調製した。オーバーコートは、フッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、テトラフルオロエチレンと、キュアサイトモノマーとのテトラポリマーから成るフルオロポリマーと考えられる、バイトン(登録商標)GF(E.I.デュポン製)を含むものである。約500gのバイトン(登録商標)GFを約5リットルのメチルエチルケトン(MEK)に室温で撹拌して溶解させ、バイトン(登録商標)GFの溶液を調製した。約5リットルのこの溶液に、反応容器中で4.4gの酸化マグネシウムと、2.2gの水酸化カルシウムと、11gのE.I.デュポンキュラティブ(Curative)VC50と、10gのカーボンブラック(バンダービルト・コーポレーション(Vanderbilt Corporation)製、N991)とを加えた。容器の内容物を、媒体と共に17時間ボールミルにかけた。
【0050】
得られたバイトン(登録商標)GFを含む黒色分散液を、アルミニウム製の画像形成基板上に、乾燥厚さで約6ミル(約152μm)となるようスプレー塗布又は流し塗りした。
【0051】
実施例2.
ボリュームグラフトフルオロエラストマーを次のように調製した。4リットルのプラスチック瓶と可動ベースシェイカを用いて室温で約1〜2時間撹拌し、約250gのバイトン(登録商標)GFを約2.5リットルのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。溶解に要する時間は、シェイカの速度に応じて変わる。この溶液を5リットルの三角フラスコに移し、約25mlのアミン脱フッ化水素化剤、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(ニュージャージー州ピスカタウェイ、ハルス・アメリカ社(Huls America Inc.)製、S−1590)を加えた。温度を約55〜60℃に保ちながら、撹拌機を用いてフラスコの内容物を撹拌した。約30分撹拌後、100センチストークスの、ビニル末端を持つポリシロキサン(ハルス・アメリカ社製、PS−441)を約50ml加え、更に約10分間撹拌を続けた。次に、10gの過酸化ベンゾイルを100mlのトルエンとMEKの混合物(80:20)に溶解したものを加えた。フラスコの内容物を約55℃に加熱しながら更に2時間撹拌を続けた。
【0052】
この間、溶液の色は明るい黄色に変わった。この溶液をオープントレイに注ぎ、フード中で一晩(約16時間)置いた。溶媒蒸発後に残った黄色いゴム様の固まりをはさみで小さく切った。この物質を1,500ml(500ml×3)のn−ヘキサンを用いて繰り返し徹底的に抽出して未反応のシロキサンを除いた。その後、約54.5gの調製したシリコーングラフトフルオロエラストマーと、約495gのメチルイソブチルケトンと、1.1gの酸化マグネシウムと、0.55gの水酸化カルシウム(Ca(OH))とを共にセラミック球を入れた広口瓶に入れ、分散液中の充填剤の粒径が3〜5μmに細かくなるまで17〜24時間ロールミルにかけた。続いて、22.5部のメチルエチルケトンに溶解した約2.5gのデュポンキュラティブVC50触媒架橋剤を前記の分散液に加えて約15分間振とうし、メチルイソブチルケトンを加えて固体含量を5〜7%程度まで下げた。
【0053】
続いて手で混ぜ、この混合物を画像形成基板上に乾燥厚さで約4.5ミル(約114μm)となるようエアスプレーし、周囲の乾燥空気中で約24時間硬化させた。次に、93℃で2時間加熱し、149℃で2時間加熱し、177℃で2時間加熱し、その後208℃で16時間加熱を行う段階的後硬化を行った後、放冷した。
【0054】
実施例3.
アミノシランで結合したポリオルガノシロキサンフルオロエラストマー組成物を次のように調製した。4リットルのプラスチック瓶と可動ベースシェイカを用いて室温で1〜2時間撹拌し、250gのバイトン(登録商標)GF(デュポン製)を2.5リットルのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、バイトン(登録商標)GFの原液を調製した。この溶液を4リットルの三角フラスコに移し、約25mlのアミン脱フッ化水素剤、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AO700)を加えた。温度を55〜60℃に保ちながら、撹拌機を用いてフラスコの内容物を撹拌した。約30分間撹拌後、12.5gのエトキシ末端を持つポリシロキサン(ハルス・アメリカ社製、PS−393)を加え、更に5分間撹拌を続けた。次に約25gの濃酢酸水溶液触媒を加えた。フラスコの内容物を約65℃に加熱し、更に約4時間撹拌を続けた。この間、溶液の色は明るい黄色に変わった。
【0055】
前記の黄色溶液を室温まで放冷した。この溶液に、5gの酸化マグネシウムと、2.5gの水酸化カルシウムと、12.5gのVC−50試剤(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.)製)とを加えた。この内容物を、粉砕媒体としてのセラミック球(セラミック媒体)と共に約17時間ボールミルにかけた。MEKを用いて、約5リットルになるまで分散液を希釈した。
【0056】
この分散液を画像形成基板上にスプレー塗布した。次に基板を、93℃で2時間、149℃で2時間、177℃で2時間、その後208℃で16時間加熱を行う方法で熱硬化させた。パーマスコープで求めた硬化塗膜の厚さは約4ミル(約102μm)であった。
【0057】
実施例4.
外側層は次のように調製した。前述と同様に、約500gのバイトン(登録商標)GFを5リットルのメチルエチルケトン(MEK)に室温で撹拌して溶解させた。この溶液を10リットルの三角フラスコに移し、50mlのアミン脱フッ化水素化剤、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(ニュージャージー州ピスカタウェイ、ハルス・アメリカ社製)を加えた。温度を55〜60℃に保ちながら、撹拌機を用いてフラスコの内容物を撹拌した。約30分間撹拌後、100センチストークスの、水素化物官能末端ポリシロキサン(PS−545。水素化物末端を持つポリジメチルシロキサンと、ヘキサクロロ白金(IV)酸触媒とを加えたもの。いずれもハルス・アメリカ社製)を100ml加え、フラスコの内容物を約75℃に加熱しながら更に6時間撹拌を続けた。この間、溶液の色は明るい黄色に変わった。次にこれを室温まで放冷した。この溶液に10gの酸化マグネシウムと、5gの水酸化カルシウムと、25gのVC−50試剤(ダウ・ケミカル社製)とを加えた。この混合物を、媒体のセラミック球と共に17時間ボールミルにかけた。メチルエチルケトンを用いて、12リットルになるまで混合物を希釈した。
【0058】
この分散液の一部(5リットル以下)を画像形成部材上にスプレー塗布した。被覆を空気乾燥し、次に実施例3の段階的加熱法を用いて硬化させた。パーマスコープで求めた硬化塗膜の厚さは、約8ミル(約203μm)であった。
【0059】
実施例5.
チタマーを次のように調製した。前述の実施例と同様に、約250gのバイトン(登録商標)GFを約2.5リットルのメチルエチルケトン(MEK)に室温で撹拌して溶解させ、バイトン(登録商標)GFの原液を調製した。この溶液を4リットルの三角フラスコに移し、25mlのアミン脱フッ化水素化剤、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(ハルス・アメリカ社製、AO700)を加えた。温度を前述の実施例と同様に保ちながら、撹拌機を用いてフラスコの内容物を撹拌した。約30分間撹拌後、約62.5g(バイトン(登録商標)GFの重さの約25重量%)のチタンイソブトキシド(ハルス・アメリカ社製)を加え、更に5分間撹拌を続けた。次に約25gの酢酸を加えた。フラスコの内容物を約65℃に加熱し、更に4時間撹拌を続けた。この間、溶液の色は明るい黄色に変わった。
【0060】
前述の黄色の溶液を室温まで放冷した。この溶液に5gの酸化マグネシウムと、2.5gの水酸化カルシウムと、12.5gのE.I.デュポンキュラティブVC50とを加えた。この内容物を、媒体のセラミック球と共に約17時間ボールミルにかけた。MEKを用いて、約5リットルになるまで分散液を希釈した。
【0061】
この分散液を、画像形成部材上に乾燥厚さで約6ミル(約152μm)となるようスプレー塗布した。乾燥したチタマー塗膜を、93℃で2時間、149℃で2時間、177℃で2時間、その後208℃で16時間加熱を行う方法で硬化させた。パーマスコープで求めた硬化チタマー塗膜の厚さは約4ミル(約102μm)であった。
【0062】
実施例6.
グラフトチタマー組成物を次のように調製した。実施例5と同様に、約250gのバイトン(登録商標)GFを2.5リットルのメチルエチルケトン(MEK)に室温で撹拌して溶解させた。この溶液を4リットルの三角フラスコに移し、25mlのアミン脱フッ化水素化剤、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(ハルス・アメリカ社製、S−1590)を加えた。温度を55〜60℃に保ちながら、撹拌機を用いてフラスコの内容物を撹拌した。約30分間撹拌後、50gのエトキシ末端を持つポリシロキサン(PS−393)と、50gのチタンイソブトキシド(いずれもハルス・アメリカ社製)とを加え、更に10分間撹拌を続けた。次に約25gの酢酸を加えた。フラスコの内容物を約55℃に加熱し、更に4時間撹拌を続けた。この間、溶液の色は明るい茶色に変わった。これを室温まで放冷した。
【0063】
この溶液に、5gの酸化マグネシウムと、2.5gの水酸化カルシウムと、12.5gのE.I.デュポンキュラティブVC50とを加えた。この混合物を、媒体のセラミック球と共に約17時間ボールミルにかけた。メチルエチルケトンを用いて、5リットルになるまで混合物を希釈した。
【0064】
次に、この分散液の一部を画像形成部材上に、乾燥厚さで6.5ミル(165μm)となるようスプレーした。得られた部材を、実施例5に述べた硬化法で硬化し、室温まで放冷した。パーマスコープで求めた硬化グラフトチタマー塗膜の厚さは4.2ミル(107μm)であった。
【0065】
実施例7.
セラマー外側被覆を次のように調製した。4リットルのプラスチック瓶と可動シェイカを用いて室温で約1〜2時間撹拌し、約250gのバイトン(登録商標)GFを2.65リットルのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させて、バイトン(登録商標)GFの原液を調製した。この溶液を4リットルの三角フラスコに移し、約25mlのアミン脱フッ化水素化剤、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(ハルス・アメリカ社製、S−1590)を加えた。温度を55〜60℃に保ちながら、撹拌機を用いてフラスコの内容物を撹拌した。約30分間撹拌後、約12.5gのテトラエトキシオルトケイ酸塩(ハルス・アメリカ社製、TEOS)を加え、更に5分間撹拌を続けた。次に約25gの酢酸を加えた。フラスコの内容物を約65℃に加熱し、更に4時間撹拌を続けた。この間、溶液の色は明るい黄色に変わった。
【0066】
前述の黄色溶液を室温まで放冷し、約5gの酸化マグネシウムと、2.5gの水酸化カルシウムと、12.5gE.I.デュポンキュラティブVC50とを加えた。この内容物を、媒体のセラミック球と共に17時間ボールミルにかけた。MEKを用いて、約5リットルになるまで分散液を希釈した。
【0067】
この分散液を画像形成部材上に、乾燥厚さで4.5ミル(114μm)となるようスプレー塗布した。次にオーバーコートを、93℃で2時間、149℃で2時間、177℃で2時間、その後208℃で16時間加熱を行う方法で硬化させた。パーマスコープで求めた硬化塗膜の厚さは約3ミル(約76.2μm)であった。
【0068】
実施例8.
グラフトセラマー組成物を次のように調製した。実施例7と同様に、4リットルのプラスチック瓶と可動ベースシェイカを用いて室温で撹拌し、250gのバイトン(登録商標)GFを2.5リットルのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。この溶液を4リットルの三角フラスコに移し、約25mlのアミン脱フッ化水素化剤、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(ハルス・アメリカ社製、S−1590)を加えた。温度を55〜60℃に保ちながら、撹拌機を用いてフラスコの内容物を撹拌した。約30分間撹拌後、50gのエトキシ末端を持つポリシロキサン(PS−393)と、50gのテトラエトキシオルトケイ酸塩(いずれもハルス・アメリカ社製)とを加え、更に10分間撹拌を続けた。次に約25gの酢酸を加えた。フラスコの内容物を約55℃に加熱し、更に4時間撹拌を続けた。この間、溶液の色は明るい茶色に変わった。これを室温まで放冷した。次にこの溶液に、5gの酸化マグネシウムと、2.5gの水酸化カルシウムと、12.5gのE.I.デュポンキュラティブVC50とを加えた。この混合物を、媒体のセラミック球と共に17時間ボールミルにかけた。メチルエチルケトンを用いて、5リットルになるまでこの混合物を希釈した。
【0069】
この分散液の一部(2リットル以下)を画像形成部材上に、乾燥厚さで4.5ミル(114μm)となるようスプレー塗布した。このオーバーコートを、実施例7に述べた加熱法で硬化させた。パーマスコープで求めた硬化塗膜の厚さは約3ミル(約76.2μm)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラム形の画像形成部材を用いた転写印刷装置を含む、本発明の実施の形態の略図である。
【図2】基板とその上の外側エラストマー層とを備えた転写定着印刷ドラムの実施の形態の拡大図である。
【図3】基板と、必要に応じて中間層と、その上の外側エラストマー層とを備えた、転写定着印刷ドラムの実施の形態の拡大図である。
【符号の説明】
1 オフセット印刷装置、2 液体層、3 画像形成部材、4 アプリケータ、6 インキ、7 プリントヘッド、8 印刷媒体、9 ニップ、10 供給ガイド、11 加圧部材、12 インキ画像、13 供給ガイド、15 基板、16 外側被覆、17 中間層。

Claims (4)

  1. 相変化インキを印刷媒体上へ転写するためのオフセット印刷装置であって、
    a)相変化インキを塗布して相変化インキ画像とするための相変化インキ部と、b)前記相変化インキ画像を前記相変化インキ部から受け取り、前記相変化インキ画像を前記印刷媒体へ転写するための画像形成部材と、を有し、
    前記画像形成部材は、
    i)画像形成基板と、
    ii)前記画像形成基板上に形成された外側被覆と、を含み、
    前記外側被覆は、ハロゲン化モノマー類と、ポリオルガノシロキサンモノマー類と、それらの混合物とから成る群より選ばれるモノマー類を含む、エラストマーを含有することを特徴とするオフセット印刷装置。
  2. 請求項1に記載の装置であって、前記エラストマーは本質的にハロゲン化モノマー類から成ることを特徴とするオフセット印刷装置。
  3. 請求項1に記載の装置であって、前記エラストマーは本質的にポリオルガノシロキサンモノマー類とハロゲン化モノマー類とから成ることを特徴とするオフセット印刷装置。
  4. 請求項1に記載の装置であって、前記エラストマーはポリオルガノシロキサンモノマー類を含むことを特徴とするオフセット印刷装置。
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