JP2004025536A - 籤 - Google Patents

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Takayuki Hirayama
平山 孝之
Yoshiaki Iino
飯野 善明
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Abstract

【課題】従来の籤は、籤としての情報が単純なため、籤を引く者に期待感を与えるデザイン的な要素がなく、また多目的使用を可能とするような形態でなかった。
また、開封のために幾つもに切り裂かれた接着代は、塵として周囲に捨てられ環境面で問題があった。
【解決手段】前記課題を解決するために、中央部に非接着部を有する2乃至3枚のシートの積層体において、1層目のシートには、折り曲げ部を有し扉状に開封されるための切り込みが前記非接着部に形成され、2層目の表面の非接着部には、籤情報が目視可能に印刷されていることを特徴とする籤を提供する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の固有情報の内包を可能とし、容易な開封部を有する籤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に使用される籤は、2つ折り、または2枚重ねの三角形を成す形態のものであって、何れも2乃至3辺が接着され、接着代の内側に切り取り用のラインが、点、または線で印刷されている。希には、前記切り取り用のラインに沿ってミシンが施されていて切り取り易くなっているものもある。
切り取り用のラインに沿って接着代を切り取ると、内側に籤情報が印刷、またはスタンプされており、当り籤の場合はその籤情報に基いて係の者から商品をもらうようになっている。
切り取られた接着代や、はずれ籤の多くは周辺に捨てられ塵となり、当り籤は係の者が一時保管のため所定の箱に収納する。
当り籤は、当り番号、または当り情報がスタンプで形成されており、はずれ籤は、“はずれ”と印刷されている。
通常、当り籤が圧倒的に少ないために、はずれ籤を印刷した後で、はずれの印刷部分を版から消去してブランクの籤を印刷し、当り情報をスタンプなどで形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の籤は、籤としての情報が単純なため、籤を引く者に期待感を与えるデザイン的な要素がなく、また多目的使用を可能とするような形態でなかった。
また、開封のために幾つもに切り裂かれた接着代は、塵として周囲に捨てられ環境面で問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために提供する本発明の籤の請求項1に記載の発明は、中央部に非接着部を有する2乃至3枚のシートの積層体において、1層目のシートには、折り曲げ部を有し扉状に開封されるための切り込みが前記非接着部に形成され、2層目の表面の非接着部には、籤情報が目視可能に印刷されていることを特徴とするものである。
【0005】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、切り込みは、曲線部と、直線部で構成され、開封の始点部を有することを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、1層目の表側の開封部周辺には、開封の始点を示すマーク、または文言が印刷されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3いずれか1項に記載の発明において、籤情報は、レーザプリンタ、インクジェットプリンタのいずれかのプリンタによって印字されることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、プリンタによる印刷情報の一部は1層目の裏側に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5いずれか1項に記載の発明において、プリンタによる印刷情報の一部は3層目の裏側に形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の例示的一対応としての籤について説明する。図1は、本発明の籤の開封前の外観図及び開封後の外観平面図、図2は、本発明の籤の、図1以外の実施形態の一例について説明するための外観平面図、図3は、本発明の籤の図1、2以外の実施形態の一例について説明するための外観平面図、図4は、開封部を示すマーク及び文言の一例について説明するための図、図5は、図1の籤が2層の場合のA−A線断面図、図6は、図1の籤が3層の場合のA−A線断面図、図7は、図5の変形、図8は、図6の変形、図9は、2層構成の籤の接着前のシートの平面図、図10は、当り籤の接着前のシートの印字面の平面図、図11は、3層構成の籤の接着前のシートの平面図、図12は、切込みの形状の一例である。
【0011】
図1を参照して本発明の籤の概要について説明する。
図1のa図は、本発明の籤の開封前の表側平面図である。図aでは、籤の形状が横長の長方形を成しているが、縦長でも、正方形でも良い。
また、発行する籤の内容によって、動物の形をした籤でも、魚や、果物の形をした籤でも良い。このように、本発明の引っ張って開封する開封形態をとる場合は、外観の形状にはほとんど影響されない。
【0012】
b図を参照すると解るように、籤1の周辺部は接着部17で接着されて、籤の当り情報が覗けないようになっている。接着された糊代の内側には切込み14が形成されている。
a図に示すように籤の右中央部、矢印(開封部表示11)の前方に鉢を伏せたような形状の切込み部が形成されている。この切込み部を始点として爪などでめくり、a図の左側方向に引っ張ると、右側の縦方向に形成された曲線を含んだ切込みが順次破壊され、右側上下に形成されている角の切込みパターンに到達する。そこから左側に破壊が進み、切込みの最終パターンに到達し、b図のような開口部が出現する。
切込み14によって左側に扉状に開けられた第1層目のシートは、第2層目または、第2層と第3層の積層されたシートとa図の左端の1点破線で示す折り曲げ部141で折り曲げられる。
開封された扉13は、第2層と第3層の積層されたシートと折り曲げ部で接続されているために、扉の部分だけが切り離されて捨てられ、塵になることはない。
開封後の扉部13(第1層目の内側)には、プリンタで印字された籤情報152、または印刷された籤情報が形成されている。
【0013】
図1のb図のように当り籤の場合は、プリンタにより印字される当り籤情報15が第2層目の表側、非接着部に印字され、それに関連した籤情報152が第1層目の内側(裏側)、非接着部に印字されている。
図示していないが、はずれ籤の場合は、前記それぞれの層の非接着部にはずれ情報が印刷されている。
【0014】
図2のc図に示す籤1は、図1のa図と同形態の籤である。図2のd図は、開封部11が平面図左側に形成されている。c図に示す籤1と、d図に示す籤1の違いは、印刷された文言を読める位置に置いた時に右から開封するか左から開封するかの違いである。どちらかが開け難い場合は、印刷の向きをさかさまにすれば同じになるため、デザイン的にどちらが良いかの問題だけである。開封部の表示は、大きな矢印が開封用の切込みの部分に印刷されている。矢印の傍に文言で“ここから開封してください”などと記載しても良い。
【0015】
図3のe図に示す籤1は、開封部11が平面図右上に、f図に示す籤1は、開封部11が平面図右下に形成されている。開封部の表示は、大きな矢印が開封用の切込みの部分に印刷されている。矢印の傍に文言で“ここから開封してください”などと併記しても良い。
【0016】
前述のように開封部分の表示は、図4のg図に示すように、矢印11だけで表示する場合と、h図に示すように文言12で表示する場合と、矢印11に文言12を併記する場合がある。籤の大きさが小さい場合は、スペースの関連で矢印だけ印刷することが多い。
【0017】
図5は、図1のa図のA−A線断面図で、籤が2層構成の場合である。同じ2層の場合でも図7のような構成にする場合もある。図5と、図7の違いは、1層目のシートと2層目のシートを連接させるか別々にするかの違いで作製し易い方法を選択すれば良い。
図5に示す断面構成の籤は、図9、図10に示すように1層目と2層目が中央で繋がっている。
上記シートの片側に接着剤を塗布し、接着剤を塗布した面を内側にして中央で2つ折りにし、接着することによって閉じた2層の積層体とする。
図5の非接着部には、プリンター、例えばインクジェットプリンタ等により籤情報15が印字され、切込み14が形成されて接着剤17によって袋状の積層体とする。
当り籤の場合は、籤情報15は、プリンタなどで印字されるが、印刷によって籤情報を形成しても良い。
籤のほとんどを占めるはずれ籤は、大量に作製するために籤情報15は、印刷によって形成される。
1層目に形成される籤情報152は、図10でわかるように2層目の当りの籤情報15を印字する際に一緒に印字する。
【0018】
籤情報をプリントするプリンタの種類は、籤の製造方法によって選択される。籤を連続紙で印刷し、連続紙の状態で当り情報などの籤情報を印字する場合は、レーザープリンタ、静電転写方式のプリンタが多く使用される。
当り籤の数が少ないために、シート状にして印字する場合は、インクジェット方式のプリンタが使用される。
当り情報は、ゴム版などで押印される場合もあるが、その場合、籤情報に関連させた情報を印字することが出来ないために籤が実施される状況によってプリンタによるか、それ以外の方法によるか選択される。
【0019】
図6に示す断面図は、図1に示す籤が3層構成となっている場合の断面である。
籤の状態に積層される前は、例えば、図11のようになっていて、図11のi図のように、当り情報が印字されている中央の紙片(2層目)の左の紙片が1層目、右の紙片が3層目になっている。
図11のi図の左紙片には、籤関連情報152が印字され、切込み14が形成されている。また、左紙片の1層目と、中央紙片の2層目は印字面の周辺に沿って接着剤170が塗布されている。
また右の紙片にも籤関連情報151が印字されており、j図に示すように中央の紙片と、右側紙片の裏側即ち、非印字面の切断部周辺に沿って接着剤170が塗布されており、j図のように“Z状”に折り曲げられて接着され、図6に示すような3層構成の籤1になる。
【0020】
本発明の2層、3層構成の籤は、籤に関連する多くの固有情報を搭載させる必要がある場合に使用される。
例えば、電化製品を販売する量販店のキャンペーン期間中に販売されるオーデオ製品に対して籤が添付され、ヘッドホーン、AD変換装置、電池等をサービスする場合に使用される。
関連印字情報として、例えば、上記オプション製品の使用方法や、提供してくれる系列の販売店の住所などが印字されている。
【0021】
図7、図8は、図5、図6の変形である。
図7は、図5において接着剤のパターンを変更し中央の折り曲げ部にも接着剤を配し、2層に積層した後、左端を裁断することによって得られるものである。
【0022】
図8は、図6の変形であるが、図6において折り曲げ部分にも接着剤を配し、3層に積層した後、左端を裁断することによって得られるものである。
【0023】
また、図7、図8に示す積層構成は、2層目、または3層目のシートを1層目の下に単純に重ねて積層することによっても得られる。この場合2層目には印字による籤情報を形成するが、1層目、3層目には関連情報を印字しない場合に適用される。また、固有情報は印字しないはずれ籤等に適用できる。
【0024】
(実施例1)
77.5g/mの上質紙をA1版(594mm×841mm)に切断し、仕上がり寸法、60mm×49mmの籤を短辺方向に4面、長辺方向に16面、合計64面付けで印刷した。印刷方式は、オフセット方式を使用し、紫外線硬化タイプのインキを使用し、表、裏各2色印刷とした。
印刷後A1版をA3版の大きさに裁断し、保管した。
次に、切込み加工に使用する抜き型を下記仕様で作製した。
切込み部のそれぞれの寸法は、図12の切り込み142、143の長辺方向×短辺方向の寸法を6mm×3mm,切込み142、143のピッチを8mm,切込み144の長辺方向×短辺方向の寸法を15mm×3mm,切込み145は鍵状の1辺の長さを8mmとした。
A3版に裁断した16面付けの印刷物の1層目相当部分に上記抜き型で切り込み加工を行った。
次に、16面付けを8面付けのサイズに裁断し、中央で折りながら接着剤をパターンコートし、積層した。
接着剤は、酢酸ビニル系のエマルジョンを使用した。
当り籤をプリントするためにA3版がプリントできるインクジェットプリンタで籤情報をプリントした。1等から5等までの当り籤を、A3版で2セット分、10枚にプリントし前記折り兼接着装置で2層に積層した。
プリント品質、接着品質を検査し良品のセットを5枚残し、残りの5枚は破棄した。
接着剤が乾くのを待って、当り籤、はずれ籤別々に仕上がりサイズ、60mm×49mmに裁断した。
【0025】
(実施例2)
60.2g/mのコート紙を使用し、A2版(594mm×420mm)に切断し、仕上がり寸法、60mm×49mmの籤を長辺方向に8面、短辺方向に8面、合計64面付けで印刷した。
印刷において1層目と2層目を別々のシートに分けてオフセット方式で紫外線硬化タイプのインキを使用し、表、裏各2色刷とした。
印刷後A2版をA3版の大きさに裁断して保管した。
次に、1層目のシートに切込みを入れるために抜き型を下記仕様で作製した。切込み部のそれぞれの寸法は、図12の切り込み142、143の長辺方向×短辺方向の寸法を6mm×3mm,切込み142、143のピッチを8mm,切込み144の長辺方向×短辺方向の寸法を15mm×3mm,切込み145は鍵状の1辺の長さを8mmとした。
A3版の印刷物の1層目シートに、上記抜き型で切り込み加工を行った。
次に、2層目のシートに接着剤をパターンコートし、その上に1層目のシートを載せて2層に積層した。接着剤は、酢酸ビニル系のエマルジョンを使用した。当り籤をプリントするためにA3版がプリントできるインクジェットプリンタで籤情報をプリントした。1等から5等までの当り籤を、2層目のシート6枚にプリントし、前記接着剤のパターンコート装置で接着剤を塗布し、1層目のシートを重ねて2層に積層した。
プリント品質と、接着品質を検査し良品のセットとして3枚を残し、残りの3枚は破棄した。
接着剤が乾くのを待って、当り籤、はずれ籤を仕上がりサイズ、60mm×49mmに裁断した。
【0026】
【発明の効果】
本発明の籤により以下に記載の効果が期待できる。
1)請求項1に記載の発明のごとく、中央部に非接着部を有し、同質のシートで構成された2乃至3層の積層体において、1層目のシートには非接着部の境界に沿って開封のための切り込みが形成され、2層目の表面の非接着部には、籤情報が目視可能に印刷されていることにより、開封が容易で明確に当り、はずれが視認できる。
更に、切り取られた部分は籤本体に繋がった状態になっているために、塵を発生させることが無く周囲の環境を汚さない。
2)請求項2に記載の発明のごとく、切り込みを曲線部と、直線部で構成し、開封の始点部を配することによって容易に開封でき、籤情報を破損することが無く、また切り取った後の塵を発生することが無い。
3)請求項3に記載の発明のごとく、1層目の表側の開封部周辺に開封の始点を示すマーク、または文言が印刷されていることによって開封の始点を識別することが出来る。
4)請求項4に記載の発明のごとく、籤情報は、インクジェットプリンタによって印字されるため籤情報の表現を自由に行うことが可能になる。
5)請求項5、請求項6に記載の発明のごとく、インクジェットプリンタによる印字情報の一部は1層目、3層目の裏側に形成されることにより、多くの籤関連情報を印字することが出来る。
6)従来の籤は、籤としての情報が単純なため多目的使用を可能とするような形態ではなかった。本発明の2層、3層構成を成す籤は、籤に関連する多くの固有情報を搭載させることができるため籤のアプリケーションを広げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の籤の開封前の外観図、及び開封後の外観平面図
【図2】本発明の籤の図1以外の実施形態の一例について説明するための外観平面図
【図3】本発明の籤の図1、2以外の実施形態の一例について説明するための外観平面図
【図4】開封部を示すマーク及び文言の一例について説明するための図
【図5】図1の籤が2層の場合のA−A線断面図
【図6】図1の籤が3層の場合のA−A線断面図
【図7】図5の変形例
【図8】図6の変形例
【図9】2層構成の籤の接着前のシートの平面図
【図10】当選籤の接着前のシートの印字面の平面図
【図11】3層構成の籤の接着前のシートの平面図
【図12】切込みの形状の一例
【符号の説明】
1   籤
10  籤製造時の中間製品
11  開封部表示マーク
12  開封部表示文言
13  開封後の扉
14  切込み
15  印字材料による籤情報
16  印刷情報
17  接着部
18、19、20、21、22、170 接着剤
141 折り曲げ部
142、143、144、145 切込みの形状
151、152 印刷情報を含む籤情報

Claims (6)

  1. 中央部に非接着部を有する2乃至3枚のシートの積層体において、
    1層目のシートには、折り曲げ部を有し扉状に開封されるための切り込みが前記非接着部に形成され、
    2層目の表面の非接着部には、籤情報が目視可能に印刷されていることを特徴とする籤。
  2. 前記切り込みは、曲線部と、直線部で構成され、開封の始点部を有することを特徴とする請求項1に記載の籤。
  3. 前記1層目の表側の開封部周辺には、開封の始点を示すマーク、または文言が印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の籤。
  4. 前記籤情報は、レーザプリンタ、インクジェットプリンタのいずれかのプリンタによって印字されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の籤。
  5. 前記プリンタによる印字情報の一部は1層目の裏側に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の籤。
  6. 前記プリンタによる印字情報の一部は3層目の裏側に形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の籤。
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