JP2004025492A - 綴じ具及び綴じ具の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1又は複数の閉じたリングに紙葉類を係合させて綴じる綴じ具のデザイン上の自由度を高めるとともに、低いコストで種々のサイズに対応させる。
【解決手段】1又は複数の閉じたリング3を具備し、前記リング3に紙葉類を係合させて綴じる綴じ具1に、前記リング3を保持するとともに、前記リング3と別体に形成されたベース4を具備させ、さらに、このベース4を、前記リング3の紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域3aを嵌め込んで保持するリング保持部4aと、前記非綴じ込み領域を被覆するリング被覆部4bとを有するものとした。
【選択図】図2
【解決手段】1又は複数の閉じたリング3を具備し、前記リング3に紙葉類を係合させて綴じる綴じ具1に、前記リング3を保持するとともに、前記リング3と別体に形成されたベース4を具備させ、さらに、このベース4を、前記リング3の紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域3aを嵌め込んで保持するリング保持部4aと、前記非綴じ込み領域を被覆するリング被覆部4bとを有するものとした。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類に閉じたリングを係合させて紙葉類を綴じるファイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リングを開閉可能に構成する代わりに、紙葉類の端縁を閉じたリングに係合させて紙葉類を綴じるように構成した綴じ具を有するファイルが存在している。
【0003】
このようなファイルのリングは、背表紙に紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域を保持させているか、又はこのリングを保持するベースとを一体に成形している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のような構造の場合、前記非綴じ込み領域は必ず背表紙の外側に露出するようになり、デザイン上の自由度が低下する上に、背表紙にファイルの内容を示すラベルを設ける際にもリングが邪魔になり不具合が発生する。
【0005】
また、後者のような構造においては、リングとベースとを1つの金型を用いて一体成形を行うが、この場合サイズの異なるファイルに対して別々の金型を用意する必要があり、さまざまなサイズのファイルを製造するにはコストがかかるという不具合が発生する。
【0006】
本発明は以上に述べた課題を解決し、デザイン上の自由度を向上するとともに、低コストでさまざまなサイズのファイルに対応するものを製造できるような綴じ具を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明に係る綴じ具は、1又は複数の閉じたリングを具備し、前記リングに紙葉類を係合させて綴じるものであって、紙葉類の端縁に沿って延びる形状をなし、前記リングを保持するとともに、前記リングと別体に形成されたベースを具備し、このベースが、前記リングの紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域を嵌め込んで保持するリング保持部と、前記非綴じ込み領域を被覆するリング被覆部とを有することを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、リング被覆部によりリングの非綴じ込み領域を少なくともこの非綴じ込み領域の端縁からリングの中心に向かう方向から被覆しているので、この部分にファイルの内容を示すラベルを設けてこの綴じ具を単独で使用する等、デザイン上の自由度を向上できるようになる。また、リングとベースとが別体であるので、サイズの異なるファイルを製造する際には、ベースの長さ寸法だけを替えればよくなり、リングは単一の金型で製造できるので、より低コストでさまざまなサイズに対応できるようになる。なお、本発明で「非綴じ込み領域を被覆する」とは、少なくともこの綴じ具を用いて綴じた紙葉類を書棚等に保存する際に紙葉類の厚み方向及びこの綴じ具の長手方向に直交し、かつ紙葉類に向かう方向から前記非綴じ込み領域を視認不可能にすること全般を含む概念である。また、リングは、中心部以外に孔を設けたもの、及び孔を設けないものを含む。
【0009】
このような綴じ具を簡単な構成で実現できるようにするには、所定の形状をなすシート状部材を折り曲げることにより前記ベースの一部又は全部を形成するのが望ましい。
【0010】
このような綴じ具を無理なく実現するには、前記シート状部材が、一端縁部に設けた係合部と、他端縁部に設けられた被係合部と、これら係合部と被係合部との中間に位置し、前記リングの前記非綴じ込み領域を嵌め込む前記リング保持部たるリング保持孔とを有するようにすればよい。予め前記リング保持孔に前記リングを係合させることにより前記リングを無理なく取り付けるようにできるとともに、係合部と被係合部とを係合させてシート状部材を柱状に組み上げるようにできるからである。
【0011】
このような綴じ具は、前記リングを予め前記シート状部材のリング保持孔に嵌め込み、前記シート状部材を所定の折り目で折り曲げて係合部と前記被係合部とを係合させて所定の形状に組み立てるようにすると、無理なく所定の形状に組み立てることができる。
【0012】
特に、前記リング保持孔が前記ベースの長手方向に直交する方向に延びる形状に設けてあるとともに、前記シート状部材を、前記ベースの長手方向に延び、前記リング保持孔を通過する所定の折り目で折り曲げるようにすれば、前記リングを折り曲げられた前記リング保持孔の部分で面的に挟み込むように保持できるので、前記リングをより安定して取り付けるようにできる。
【0013】
このような綴じ具のベースに強度を与えるとともに、ラベルを設けやすくするには、前記ベースが三角柱状をなすようにすればよい。三角柱状とすることにより、三角柱を折り曲げる方向の力に対して剛性を与えることができるとともに、三角柱の側面にラベルを設けやすくできるからである。
【0014】
さらに、前記ベースを、このベースと別体をなすファイル本体に取付可能に構成しているものであれば、ファイルのデザインの自由度をさらに向上できるとともに、前記ファイル本体が背表紙、表表紙、及び裏表紙を一体に設けたものであれば、一般的なファイルと同様の構成にすることができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について述べる。
【0016】
本実施形態に係る綴じ具1は、斜視図を図1、正面図を図2、平面図を図3、側面図を図4に示すような紙葉類Pを綴じるファイルFに用いられる。このファイルFは、前記綴じ具1の他に、ファイル本体2を具備する。なお、図2〜図4では、前記ファイル本体2及び紙葉類Pは想像線で示す。
【0017】
前記ファイル本体2は、図1に示すように、1枚のシート状の部材を折り曲げて構成している。より具体的には、幅方向中央部を背表紙2aとし、この背表紙2aを挟んで表表紙2b及び裏表紙2cを、これら表表紙2bと裏表紙2cとが対向するように折り曲げて形成している。そして、背表紙2aには、前記綴じ具1を取り付けるためのリベットRを挿し通すための図示しないリベット挿通孔を設けている。
【0018】
しかして、前記綴じ具1は、複数の閉じた円形をなすリング3と、前記リング3を保持するとともに前記リング3と別体に形成されたベース4とを具備し、前記リング3に紙葉類を係合させて綴じるものである。
【0019】
前記リング3は、平面視中央部に円形の孔を有するとともに、外縁部の厚さ寸法を他の部分の厚さ寸法と比べて大きくしてあり、従来のこの種の綴じ具に用いられるリングとして周知のものと同様に構成されている。そして、その一部を紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域3aとして設定してベース4に保持させているとともに、残りの領域を綴じ込み領域3bとして、この綴じ込み領域3bに紙葉類を綴じ込むようにしている。なお、このリング3への紙葉類Pの綴じこみは、従来のこの種の綴じ具と同様に、紙葉類Pに、その端縁から所定距離離れた箇所に設けた図示しない係合孔を設けておくとともに、紙葉類の端縁からこの係合孔に向けて図示しない切れ込みを設け、この切れ込みに案内させて前記係合孔を前記リング3の端縁に係合させて行うようにしている。
【0020】
前記ベース4は、三角柱状をなし、前記リング3の非綴じ込み領域3aを嵌め込んで保持するリング保持部4aと、前記非綴じ込み領域3aをこの非綴じ込み領域3aの端縁からリング3の中心に向かう方向から被覆するリング被覆部4bとを有する。そして、前記ファイル本体2に設けたリベット挿通孔に対応させて、このベース4にもリベット挿通孔4cを設け、このベース4を前記ファイル本体2に取付可能に構成している。
【0021】
また、このベース4は、本実施形態ではポリプロピレン樹脂により構成された図5に示すようなシート状部材4xを折り曲げることにより形成している。このシート状部材4xは、細長い所定の形状をなしており、一端縁部には挿込孔4x1を複数設けている。一方、他端縁部には、挿込孔に幅方向中心線を挟んで前記挿込孔4x1と対向する位置に挿込突起4x2を設けている。この挿込突起4x2の幅寸法は、前記挿込孔4x1よりも大きくしてある。さらに、これら挿込孔4x1と挿込突起4x2との中間、すなわち幅方向中心部にはリング保持孔4x3を複数設けている。このリング保持孔4x3は、ベース4の長手方向となる方向に直交する方向に延び、前記リング3を略密着して嵌め込むことのできる形状をなしている。そして、このシート状部材4xには、予め前記リベット挿通孔4cとなる孔4x4を設けてある。加えて、このシート状部材4xには、折り目4x5がベース4の長手方向となる方向に沿って設定してあり、この折り目4x5に従って折り曲げていくと三角柱状をなすベース4が形成されるようにしてある。前記折り目4x5のうちの1本は、前記リング保持孔4x3を通過している。
【0022】
この綴じ具1を用いたファイルFは、以下のようにして組み立てる。
【0023】
まず、前記リング3を予め前記シート状部材4xのリング保持孔4x3に嵌め込んでおく。次に、前記シート状部材4xを折り目4x5で折り曲げていく。それから前記挿込突起4x2を前記挿込孔4x1に係合させていき、前記前記シート状部材4xを三角柱状をなすベース4に組み上げて綴じ具1を完成させる。さらに、この綴じ具1の前記リベット挿通孔4cとファイル本体2のリベット挿通孔とを重合させ、リベットRを挿通させて前記綴じ具1を前記ファイル本体2に取り付ける。
【0024】
このように、前記リング3と前記ベース4とを別体に形成しているので、共通のリング3を異なるサイズのファイルに対応させたベース4に保持させるようにすることにより種々のサイズに対応でき、リングとベースとを一体に形成した従来の綴じ具のようにサイズごとに異なる金型を用意する必要がなくなるので、種々のサイズに対応するコストを低下させることができる。また、前記ベース4が、前記非綴じ込み領域3aをこの非綴じ込み領域3aの端縁からリング3の中心に向かう方向から被覆するリング被覆部4bを有するので、このリング被覆部にファイルの内容を示すラベルを設けることや、ファイル本体を別に用意することなくこの綴じ具単独で紙葉類を綴じるようにすることができる等、デザイン上の自由度を高めることができる。
【0025】
また、一端縁部に挿込孔4x1を複数設けているとともに、他端縁部に挿込突起4x2を設け、さらにこれら挿込孔4x1と挿込突起4x2との中間、すなわち幅方向中心部にはリング保持孔4x3を複数設けている所定の形状をなすシート状部材4xを折り曲げてベース4を形成しているので、このような綴じ具1を簡単な構成で無理なく実現できる。
【0026】
特に、前記リング3を前記リング保持孔4x3に予め嵌め込み、前記シート状部材4xを所定の折り目4x5で折り曲げ、さらに前記挿込孔4x1と前記挿込突起4x2とを係合させて三角柱状に組み立てるようにしているので、前記リング3を無理なく取り付けることができるとともに、前記挿込孔4x1と前記挿込突起4x2との係合により安定して前記シート状部材4xを組み上げることができる。
【0027】
さらに、前記ベース4が三角柱状をなしているので、この三角柱を折り曲げる方向に対して剛性が与えられているとともに、三角柱の一面を前記リンク被覆部4bとし、ラベルを設けやすくなる。
【0028】
そして、前記ベース4を、このベース4と別体をなすファイル本体2に取り付けてファイルFを形成しているので、ファイルFに表表紙2bや裏表紙2cをさらに設けてデザイン上の自由度をより高めることができる。
【0029】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0030】
例えば、被係合部を切れ込みにより構成する態様や、係合部と被係合部とを相互に噛み合わせるようにする態様等、係合部及び被係合部の形状はさまざまに変形してもよい。
【0031】
また、図6〜図8に示すように、ベース4をリング保持部4aを有するリング保持部材41とリング被覆部4bを有する係止部材42とにより構成してもよい。なお、図6〜図8では、紙葉類は省略して示している。この場合、図6に示すように、リング保持部材41を側面視W字状に折り曲げるとともに、ファイル本体2を係止部材42とし、前記リング保持部材41の端部41xを前記ファイル本体2に重合させて係止する態様も考えられる。この場合、リング保持部材41と係止部材42たるファイル本体2とをともにポリプロピレン等の合成樹脂により形成し、リング保持部材41の端部41xを係止部材42(ファイル本体2)に溶着してもよい。また、図7に示すように、前記係止部材42をチャネル状に形成するとともに、前記リング保持部材41を折り曲げてその端部41xを前記係止部材42と係合させるようにしてもよい。さらに、図8に示すように、前記リング保持部材41の両端縁部を重合させて三角柱状に形成し、リング3を設けていない側端部41xを係止部材42に係合させるとともに、前記リング保持部材41の両端縁部をリベットR等の係止手段を介して係止する態様も考えられる。
【0032】
加えて、ベースはシート状部材を折り曲げて形成する代わりに、例えば射出成形により形成するようにしてもよい。この場合、リング係合部たるリング係合穴を有するベースを合成樹脂を用いて形成するとともに、前記リング係合穴にリングを弾性係合させてもよい。
【0033】
また、ベースの形状は三角柱状に限られず、例えば図9に示すように、T字状のベース5を用いる等、他の形状のベースを用いてもよい。ここで、T字状のベース5は、同図に示すように、縦棒の部分にリング保持部5a、横棒の部分にリング被覆部5bをそれぞれ形成するとよい。
【0034】
さらに、ベースはファイル本体に取付可能に構成しなくてもよい。この場合は綴じ具を単独で用いて紙葉類を綴じる構成に限定される。
【0035】
そして、リングをD字形等、円形でない閉じた形状にしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、1又は複数の閉じたリングを具備する綴じ具に、前記リングを保持するとともに、前記リングと別体に形成されたベースを具備させているので、ベースの寸法のみを変更することにより異なるサイズの用紙に対応することができ、さまざまなサイズに対応させるためのコストを低下させることができる。また、このベースが、前記リングの紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域を被覆するリング被覆部とを有するので、このリング被覆部にファイルの内容を示すラベルを設けることや、ファイル本体を別に用意することなくこの綴じ具単独で紙葉類を綴じるようにすることができる等、デザイン上の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの斜視図。
【図2】同実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【図3】同実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの平面図。
【図4】同実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの側面図。
【図5】同実施形態に係る綴じ具を構成するベースを構成するシート状部材の展開図。
【図6】本発明の他の実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る綴じ具の正面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【符号の説明】
1…綴じ具
2…ファイル本体
3…リング
3a…非綴じ込み領域
4、5…ベース
4a、5a…リング保持部
4b、5b…リング被覆部
4x…シート状部材
4x1…挿込孔(被係合部)
4x2…挿込突起(係合部)
4x5…折り目
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類に閉じたリングを係合させて紙葉類を綴じるファイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リングを開閉可能に構成する代わりに、紙葉類の端縁を閉じたリングに係合させて紙葉類を綴じるように構成した綴じ具を有するファイルが存在している。
【0003】
このようなファイルのリングは、背表紙に紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域を保持させているか、又はこのリングを保持するベースとを一体に成形している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のような構造の場合、前記非綴じ込み領域は必ず背表紙の外側に露出するようになり、デザイン上の自由度が低下する上に、背表紙にファイルの内容を示すラベルを設ける際にもリングが邪魔になり不具合が発生する。
【0005】
また、後者のような構造においては、リングとベースとを1つの金型を用いて一体成形を行うが、この場合サイズの異なるファイルに対して別々の金型を用意する必要があり、さまざまなサイズのファイルを製造するにはコストがかかるという不具合が発生する。
【0006】
本発明は以上に述べた課題を解決し、デザイン上の自由度を向上するとともに、低コストでさまざまなサイズのファイルに対応するものを製造できるような綴じ具を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明に係る綴じ具は、1又は複数の閉じたリングを具備し、前記リングに紙葉類を係合させて綴じるものであって、紙葉類の端縁に沿って延びる形状をなし、前記リングを保持するとともに、前記リングと別体に形成されたベースを具備し、このベースが、前記リングの紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域を嵌め込んで保持するリング保持部と、前記非綴じ込み領域を被覆するリング被覆部とを有することを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、リング被覆部によりリングの非綴じ込み領域を少なくともこの非綴じ込み領域の端縁からリングの中心に向かう方向から被覆しているので、この部分にファイルの内容を示すラベルを設けてこの綴じ具を単独で使用する等、デザイン上の自由度を向上できるようになる。また、リングとベースとが別体であるので、サイズの異なるファイルを製造する際には、ベースの長さ寸法だけを替えればよくなり、リングは単一の金型で製造できるので、より低コストでさまざまなサイズに対応できるようになる。なお、本発明で「非綴じ込み領域を被覆する」とは、少なくともこの綴じ具を用いて綴じた紙葉類を書棚等に保存する際に紙葉類の厚み方向及びこの綴じ具の長手方向に直交し、かつ紙葉類に向かう方向から前記非綴じ込み領域を視認不可能にすること全般を含む概念である。また、リングは、中心部以外に孔を設けたもの、及び孔を設けないものを含む。
【0009】
このような綴じ具を簡単な構成で実現できるようにするには、所定の形状をなすシート状部材を折り曲げることにより前記ベースの一部又は全部を形成するのが望ましい。
【0010】
このような綴じ具を無理なく実現するには、前記シート状部材が、一端縁部に設けた係合部と、他端縁部に設けられた被係合部と、これら係合部と被係合部との中間に位置し、前記リングの前記非綴じ込み領域を嵌め込む前記リング保持部たるリング保持孔とを有するようにすればよい。予め前記リング保持孔に前記リングを係合させることにより前記リングを無理なく取り付けるようにできるとともに、係合部と被係合部とを係合させてシート状部材を柱状に組み上げるようにできるからである。
【0011】
このような綴じ具は、前記リングを予め前記シート状部材のリング保持孔に嵌め込み、前記シート状部材を所定の折り目で折り曲げて係合部と前記被係合部とを係合させて所定の形状に組み立てるようにすると、無理なく所定の形状に組み立てることができる。
【0012】
特に、前記リング保持孔が前記ベースの長手方向に直交する方向に延びる形状に設けてあるとともに、前記シート状部材を、前記ベースの長手方向に延び、前記リング保持孔を通過する所定の折り目で折り曲げるようにすれば、前記リングを折り曲げられた前記リング保持孔の部分で面的に挟み込むように保持できるので、前記リングをより安定して取り付けるようにできる。
【0013】
このような綴じ具のベースに強度を与えるとともに、ラベルを設けやすくするには、前記ベースが三角柱状をなすようにすればよい。三角柱状とすることにより、三角柱を折り曲げる方向の力に対して剛性を与えることができるとともに、三角柱の側面にラベルを設けやすくできるからである。
【0014】
さらに、前記ベースを、このベースと別体をなすファイル本体に取付可能に構成しているものであれば、ファイルのデザインの自由度をさらに向上できるとともに、前記ファイル本体が背表紙、表表紙、及び裏表紙を一体に設けたものであれば、一般的なファイルと同様の構成にすることができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について述べる。
【0016】
本実施形態に係る綴じ具1は、斜視図を図1、正面図を図2、平面図を図3、側面図を図4に示すような紙葉類Pを綴じるファイルFに用いられる。このファイルFは、前記綴じ具1の他に、ファイル本体2を具備する。なお、図2〜図4では、前記ファイル本体2及び紙葉類Pは想像線で示す。
【0017】
前記ファイル本体2は、図1に示すように、1枚のシート状の部材を折り曲げて構成している。より具体的には、幅方向中央部を背表紙2aとし、この背表紙2aを挟んで表表紙2b及び裏表紙2cを、これら表表紙2bと裏表紙2cとが対向するように折り曲げて形成している。そして、背表紙2aには、前記綴じ具1を取り付けるためのリベットRを挿し通すための図示しないリベット挿通孔を設けている。
【0018】
しかして、前記綴じ具1は、複数の閉じた円形をなすリング3と、前記リング3を保持するとともに前記リング3と別体に形成されたベース4とを具備し、前記リング3に紙葉類を係合させて綴じるものである。
【0019】
前記リング3は、平面視中央部に円形の孔を有するとともに、外縁部の厚さ寸法を他の部分の厚さ寸法と比べて大きくしてあり、従来のこの種の綴じ具に用いられるリングとして周知のものと同様に構成されている。そして、その一部を紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域3aとして設定してベース4に保持させているとともに、残りの領域を綴じ込み領域3bとして、この綴じ込み領域3bに紙葉類を綴じ込むようにしている。なお、このリング3への紙葉類Pの綴じこみは、従来のこの種の綴じ具と同様に、紙葉類Pに、その端縁から所定距離離れた箇所に設けた図示しない係合孔を設けておくとともに、紙葉類の端縁からこの係合孔に向けて図示しない切れ込みを設け、この切れ込みに案内させて前記係合孔を前記リング3の端縁に係合させて行うようにしている。
【0020】
前記ベース4は、三角柱状をなし、前記リング3の非綴じ込み領域3aを嵌め込んで保持するリング保持部4aと、前記非綴じ込み領域3aをこの非綴じ込み領域3aの端縁からリング3の中心に向かう方向から被覆するリング被覆部4bとを有する。そして、前記ファイル本体2に設けたリベット挿通孔に対応させて、このベース4にもリベット挿通孔4cを設け、このベース4を前記ファイル本体2に取付可能に構成している。
【0021】
また、このベース4は、本実施形態ではポリプロピレン樹脂により構成された図5に示すようなシート状部材4xを折り曲げることにより形成している。このシート状部材4xは、細長い所定の形状をなしており、一端縁部には挿込孔4x1を複数設けている。一方、他端縁部には、挿込孔に幅方向中心線を挟んで前記挿込孔4x1と対向する位置に挿込突起4x2を設けている。この挿込突起4x2の幅寸法は、前記挿込孔4x1よりも大きくしてある。さらに、これら挿込孔4x1と挿込突起4x2との中間、すなわち幅方向中心部にはリング保持孔4x3を複数設けている。このリング保持孔4x3は、ベース4の長手方向となる方向に直交する方向に延び、前記リング3を略密着して嵌め込むことのできる形状をなしている。そして、このシート状部材4xには、予め前記リベット挿通孔4cとなる孔4x4を設けてある。加えて、このシート状部材4xには、折り目4x5がベース4の長手方向となる方向に沿って設定してあり、この折り目4x5に従って折り曲げていくと三角柱状をなすベース4が形成されるようにしてある。前記折り目4x5のうちの1本は、前記リング保持孔4x3を通過している。
【0022】
この綴じ具1を用いたファイルFは、以下のようにして組み立てる。
【0023】
まず、前記リング3を予め前記シート状部材4xのリング保持孔4x3に嵌め込んでおく。次に、前記シート状部材4xを折り目4x5で折り曲げていく。それから前記挿込突起4x2を前記挿込孔4x1に係合させていき、前記前記シート状部材4xを三角柱状をなすベース4に組み上げて綴じ具1を完成させる。さらに、この綴じ具1の前記リベット挿通孔4cとファイル本体2のリベット挿通孔とを重合させ、リベットRを挿通させて前記綴じ具1を前記ファイル本体2に取り付ける。
【0024】
このように、前記リング3と前記ベース4とを別体に形成しているので、共通のリング3を異なるサイズのファイルに対応させたベース4に保持させるようにすることにより種々のサイズに対応でき、リングとベースとを一体に形成した従来の綴じ具のようにサイズごとに異なる金型を用意する必要がなくなるので、種々のサイズに対応するコストを低下させることができる。また、前記ベース4が、前記非綴じ込み領域3aをこの非綴じ込み領域3aの端縁からリング3の中心に向かう方向から被覆するリング被覆部4bを有するので、このリング被覆部にファイルの内容を示すラベルを設けることや、ファイル本体を別に用意することなくこの綴じ具単独で紙葉類を綴じるようにすることができる等、デザイン上の自由度を高めることができる。
【0025】
また、一端縁部に挿込孔4x1を複数設けているとともに、他端縁部に挿込突起4x2を設け、さらにこれら挿込孔4x1と挿込突起4x2との中間、すなわち幅方向中心部にはリング保持孔4x3を複数設けている所定の形状をなすシート状部材4xを折り曲げてベース4を形成しているので、このような綴じ具1を簡単な構成で無理なく実現できる。
【0026】
特に、前記リング3を前記リング保持孔4x3に予め嵌め込み、前記シート状部材4xを所定の折り目4x5で折り曲げ、さらに前記挿込孔4x1と前記挿込突起4x2とを係合させて三角柱状に組み立てるようにしているので、前記リング3を無理なく取り付けることができるとともに、前記挿込孔4x1と前記挿込突起4x2との係合により安定して前記シート状部材4xを組み上げることができる。
【0027】
さらに、前記ベース4が三角柱状をなしているので、この三角柱を折り曲げる方向に対して剛性が与えられているとともに、三角柱の一面を前記リンク被覆部4bとし、ラベルを設けやすくなる。
【0028】
そして、前記ベース4を、このベース4と別体をなすファイル本体2に取り付けてファイルFを形成しているので、ファイルFに表表紙2bや裏表紙2cをさらに設けてデザイン上の自由度をより高めることができる。
【0029】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0030】
例えば、被係合部を切れ込みにより構成する態様や、係合部と被係合部とを相互に噛み合わせるようにする態様等、係合部及び被係合部の形状はさまざまに変形してもよい。
【0031】
また、図6〜図8に示すように、ベース4をリング保持部4aを有するリング保持部材41とリング被覆部4bを有する係止部材42とにより構成してもよい。なお、図6〜図8では、紙葉類は省略して示している。この場合、図6に示すように、リング保持部材41を側面視W字状に折り曲げるとともに、ファイル本体2を係止部材42とし、前記リング保持部材41の端部41xを前記ファイル本体2に重合させて係止する態様も考えられる。この場合、リング保持部材41と係止部材42たるファイル本体2とをともにポリプロピレン等の合成樹脂により形成し、リング保持部材41の端部41xを係止部材42(ファイル本体2)に溶着してもよい。また、図7に示すように、前記係止部材42をチャネル状に形成するとともに、前記リング保持部材41を折り曲げてその端部41xを前記係止部材42と係合させるようにしてもよい。さらに、図8に示すように、前記リング保持部材41の両端縁部を重合させて三角柱状に形成し、リング3を設けていない側端部41xを係止部材42に係合させるとともに、前記リング保持部材41の両端縁部をリベットR等の係止手段を介して係止する態様も考えられる。
【0032】
加えて、ベースはシート状部材を折り曲げて形成する代わりに、例えば射出成形により形成するようにしてもよい。この場合、リング係合部たるリング係合穴を有するベースを合成樹脂を用いて形成するとともに、前記リング係合穴にリングを弾性係合させてもよい。
【0033】
また、ベースの形状は三角柱状に限られず、例えば図9に示すように、T字状のベース5を用いる等、他の形状のベースを用いてもよい。ここで、T字状のベース5は、同図に示すように、縦棒の部分にリング保持部5a、横棒の部分にリング被覆部5bをそれぞれ形成するとよい。
【0034】
さらに、ベースはファイル本体に取付可能に構成しなくてもよい。この場合は綴じ具を単独で用いて紙葉類を綴じる構成に限定される。
【0035】
そして、リングをD字形等、円形でない閉じた形状にしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、1又は複数の閉じたリングを具備する綴じ具に、前記リングを保持するとともに、前記リングと別体に形成されたベースを具備させているので、ベースの寸法のみを変更することにより異なるサイズの用紙に対応することができ、さまざまなサイズに対応させるためのコストを低下させることができる。また、このベースが、前記リングの紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域を被覆するリング被覆部とを有するので、このリング被覆部にファイルの内容を示すラベルを設けることや、ファイル本体を別に用意することなくこの綴じ具単独で紙葉類を綴じるようにすることができる等、デザイン上の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの斜視図。
【図2】同実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【図3】同実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの平面図。
【図4】同実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの側面図。
【図5】同実施形態に係る綴じ具を構成するベースを構成するシート状部材の展開図。
【図6】本発明の他の実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る綴じ具の正面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る綴じ具を用いたファイルの正面図。
【符号の説明】
1…綴じ具
2…ファイル本体
3…リング
3a…非綴じ込み領域
4、5…ベース
4a、5a…リング保持部
4b、5b…リング被覆部
4x…シート状部材
4x1…挿込孔(被係合部)
4x2…挿込突起(係合部)
4x5…折り目
Claims (7)
- 1又は複数の閉じたリングを具備し、前記リングに紙葉類を係合させて綴じるものであって、紙葉類の端縁に沿って延びる形状をなし、前記リングを保持するとともに、前記リングと別体に形成されたベースを具備し、このベースが、前記リングの紙葉類を綴じ込まない側の領域である非綴じ込み領域を嵌め込んで保持するリング保持部と、前記非綴じ込み領域を被覆するリング被覆部とを有することを特徴とする綴じ具。
- 所定の形状をなすシート状部材を折り曲げることにより前記ベースの一部又は全部を形成していることを特徴とする請求項1記載の綴じ具。
- 前記シート状部材が、一端縁部に設けた係合部と、他端縁部に設けられた被係合部と、これら係合部と被係合部との中間に位置し、前記リングの前記非綴じ込み領域を嵌め込む前記リング保持部たるリング保持孔とを有することを特徴とする請求項2記載の綴じ具。
- 前記ベースが三角柱状をなすことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の綴じ具。
- 前記ベースを、このベースと別体をなすファイル本体に取付可能に構成していることを特徴とする請求項1、2、3、又は4記載の綴じ具。
- 請求項3記載の綴じ具を製造する方法であって、前記リングを予め前記シート状部材のリング保持孔に嵌め込み、前記シート状部材を所定の折り目で折り曲げて係合部と前記被係合部とを係合させて所定の形状に組み立てるようにしていることを特徴とする綴じ具の製造方法。
- 前記リング保持孔が前記ベースの長手方向に直交する方向に延びる形状に設けてあるとともに、前記シート状部材を、前記ベースの長手方向に延び、前記リング保持孔を通過する所定の折り目で折り曲げるようにしていることを特徴とする請求項6記載の綴じ具の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002181763A JP2004025492A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 綴じ具及び綴じ具の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=31178521
Family Applications (1)
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JP2002181763A Pending JP2004025492A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 綴じ具及び綴じ具の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004025492A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007060185A1 (en) * | 2005-11-22 | 2007-05-31 | Cadara N.V. | Process for the assembly of a set of sheet-shaped elements |
-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002181763A patent/JP2004025492A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007060185A1 (en) * | 2005-11-22 | 2007-05-31 | Cadara N.V. | Process for the assembly of a set of sheet-shaped elements |
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