JP2004025313A - 鋼管内面スケールの除去方法及び除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、従来より一層効率良く、且つ完全に内面スケールが除去可能な鋼管内面スケールの除去方法及び除去装置を提供することを目的としている。
【解決手段】鋼管1の内部に、研磨材を経時的に負圧吸引及び加圧吹き込みして、該鋼管の内面スケールを研削、除去するに際して、前記負圧吸引を行った後の鋼管内面の画像15を検出し、スケール除去の良否を判定し、不良位置のスケールだけを加圧吹き込み12で集中的に研削、除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】鋼管1の内部に、研磨材を経時的に負圧吸引及び加圧吹き込みして、該鋼管の内面スケールを研削、除去するに際して、前記負圧吸引を行った後の鋼管内面の画像15を検出し、スケール除去の良否を判定し、不良位置のスケールだけを加圧吹き込み12で集中的に研削、除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管内面スケールの除去方法及び除去装置に係わり、詳しくは、鋼管の製造に際して内面に発生したスケールを効率良く、完全に除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油、ガス及び水等を搬送する所謂「油井管」及び「ラインパイプ」に用いられる鋼管は、その種類が継目無鋼管、電縫鋼管、圧接鋼管等のいずれであっても、製造工程、特に製管後の熱処理において内面に酸化鉄からなるスケールが発生する。また、図3に示すように、鋼管1の端に近い側が中央部より酸化雰囲気に曝され易いので、内面スケール2の付着量が端近傍で多くなる傾向がある。前記鋼管1が、この内面スケ−ル2(以下、単にスケールという)を残した状態で、「油井管」及び「ラインパイプ」に使用されると、石油等の搬送物質にスケールが混入し、それらの品質を低下させるという問題が起きる。そのため、「油井管」及び「ラインパイプ」の施工に用いられる鋼管に対しては、従来より、管内にSiO2,Al2O3等の粒子からなる研磨剤を圧縮空気で吹き込み、又は吸引して(ブラスティングともいう)、内面を研磨し、清浄にしてから製品として出荷している。従って、内面の清浄度については、例えばISO 8501のような標準が規定されている。
【0003】
それは、素地の表面を目視又は写真撮影で観察し、その状態を予め定められた標準写真(例えば、A Sa 2.5,B Sa 1等の等級で区分してある)と対比して、表面清浄度の等級を求め、合格又は不合格を判断するものである。
【0004】
また、スケール2の除去方法としては、従来より、図5(a)及び(b)に示すように、研磨材(研掃材ともいう)3を真空ポンプ4等で負圧吸引する方式及び圧縮空気5で加圧して吹き付ける方式の2種類ある。これらは、いずれも研磨材3を鋼管1の一端から他端に向けて、所定時間にわたり負圧吸引又は吹き込むことで、スケール2を研削し、落下した研削屑6を研磨材3と共に他端に設けた回収装置7で回収、除去するものである。
【0005】
ところが、粒子の衝突エネルギーでスケ−ルを研削するには、理論的には前者の負圧吸引方式が有利と言われていた。確かに、研磨された後の表面は粗さが小さく、良好な表面状態になる。また、コスト面でも加圧空気吹き付け式より有効である。しかしながら、実際には、管内で研磨材を旋回流として流すため、管内の凹み等に存在するスケールを比較的除去し難いという傾向があった。また、鋼管の吸引端側に近いほど衝突エネルギーが低下し、スケールの除去が悪くなるという欠点もある。そのため、理論値よりも処理時間、コストが増加している。
【0006】
これに対して、後者の加圧吹き付け方式の方法は、内面に垂直に吹きつけが起きるので、凹み等にあるようなスケールの除去は比較的容易である。しかしながら、高圧の圧縮空気を用いるので、長時間の使用で研削面が荒れ、粗さが大きくなるという欠点があった。また、コストも負圧吸引式に比較して割高なものである。
【0007】
そこで、特開平11−320413号公報は、これらの両方式の長所を有効に活用するため、鋼管全体を負圧吸引方式で研磨してから、両端部を加圧吹き付け方式で研磨するという技術を提案し、従来より高効率、且つ均一にスケールを除去すると共に、ブラスト後の内表面粗さを小さくすることに成功している。
【0008】
ところが、この特開平11−320413号公報記載の技術を用いたとしても、研磨時間は、それまでの経験から定められ、研磨作業が適切であったかどうかは最終的な内面検査を行わないとわからないという問題が残されていた。つまり、研磨が不十分でまだスケールが完全に除去されている場合とか、研磨し過ぎで無駄な作業を行い、作業時間が必要以上に長くなる場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、従来より一層効率良く、且つ完全に内面スケールが除去可能な鋼管内面スケールの除去方法及び除去装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0011】
すなわち、本発明は、鋼管の内部に、研磨材を経時的に負圧吸引及び加圧吹き込みして、該鋼管の内面スケールを研削、除去するに際して、前記負圧吸引を行った後の鋼管内面の画像を検出し、スケール除去の良否を判定し、不良位置のスケールだけを加圧吹き込みで集中的に研削、除去することを特徴とする鋼管内面スケールの除去方法である。
【0012】
また、本発明は、鋼管を水平状態で順次横移動させる搬送手段と、該搬送手段上を横移動する該鋼管の一端側には、鋼管内に研磨材を負圧で供給する研磨材導入口と、管内の任意位置まで挿入され、その位置での内表面状態を画像として検出する内視鏡と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する演算器と、不良位置に先端を向け、研磨材を吹き付ける研磨材吹き付けノズルとを、前記搬送手段の上流から下流に互いに一定距離だけ離隔して配設すると共に、他端側には、前記負圧で供給する研磨材導入口の使用時に対応させて設ける負圧吸引手段と、研削材及び研削屑を回収する回収箱とを配設したことを特徴とする鋼管内面スケールの除去装置である。この場合、さらに、前記研磨材吹き付けノズルの前記搬送手段における配設位置の下流には、もう1組の前記内表面状態を画像として検出する内視鏡と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する演算器とを設けると共に、不良と判定された鋼管を前記研磨材吹き付けノズルの配設位置に戻す鋼管の逆流手段を設けると一層良い。
【0013】
本発明では、負圧吸引方式で研磨後の鋼管内面状態の画像でスケールの除去状態を迅速に判断し、不良位置だけに研磨材の加圧吹き付けを行うようにしたので、従来より一層効率良く、且つ完全に内面スケールが除去できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
まず、本発明に係る鋼管内面スケールの除去装置を平面的に図1に示す。それは、鋼管1を水平状態で順次横移動させる搬送手段8が設けられている。例えば、ゆるく傾斜した複数本のレールからなり、鋼管1が自然に自転して上流から下流に向けて移動するようになっている。そして、その移動する途中の適当な位置にストッパ(図示せず)で鋼管1を止め、そこに必要な作業を行う種々の手段が配設されるようにしてある。その手段を順次説明すると、前記搬送手段上を横移動する該鋼管1の一端側には、鋼管1内に研磨材3を負圧で供給する研磨材導入口9が設けてある。これは、先に図5(a)で示したものがそのまま利用でき、研磨材3は旋回流となって管内を流れる。その過程で該研磨材3は内壁と衝突し、そこに付着しているスケール2を削り落とす。落下した研削屑6は、鋼管1の他端側に設けた回収箱7へ吸引、回収される。つまり、この回収箱7は真空ポンプ4等の負圧吸引手段に接続されており、それにより前記研磨材3の吸引、回収も行っている。
【0016】
引き続いて、負圧吸引式でスケールが除去された鋼管の搬送手段に沿った下流には、負圧吸引で研磨された鋼管1の内面状態を確認するため、管内の任意位置まで挿入され、その位置での内表面状態を画像として検出する内視鏡10が設けられている。また、内視鏡10で検出した画像は、画像解析され、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する必要があるので、内視鏡10の駆動装置(図示せず)近傍に、それらの役割を果す演算器11も設けてある。
【0017】
そして、この内視鏡10の前記搬送手段における設置位置のさらに下流には、上記内面状態の確認で不良位置の判明した鋼管1に研磨材3を高圧空気で吹き付ける研磨材吹き付けノズル12が設けてある。つまり、映像解析の結果で不良となった位置にノズルの先端を移動させるようになっている。これにより、不良位置に先端を向け、そこに集中的に研磨材3を吹き付け、残留しているスケール2を除去するようになっている。この研磨材吹き付けノズル12及び高圧空気源(図示していないが、コンプレッサ等)は、前記図5(b)に示したものがそのまま利用できる。なお、研削屑6は、管内を吹き飛ばされて、該鋼管1の他端から排出されるが、それらの研削屑も図示していない回収箱に収容されるようになっている。
【0018】
さらに、本発明では、前記研磨材吹き付けノズル12の前記搬送手段における配設位置の下流に、もう1組の前記内表面状態を画像として検出する別の内視鏡13と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する別の演算器14とを設けている。これは、高圧空気による研磨材の吹き込みで研磨した鋼管の内部状態を再確認するためである。そして、不良と判定された鋼管1は、前工程の前記研磨材吹き付けノズル12の配設位置に戻され、再度研磨材3の集中的な吹き付けが行えるようになっている。そのため、本発明では、この搬送手段上の位置に鋼管1を前記研磨材吹き付けノズル12の配設位置に戻す逆流手段(図示せず)を設けている。この逆流手段は、具体的には、搬送ローラ又はベルト/チェーン・コンベアの機構を適宜組み合わせたものを利用すれば良い。
【0019】
従って、かかる鋼管内面スケールの除去装置によれば、負圧吸引方式で短時間の研磨を行った後、鋼管内面状態の画像でスケールの除去状態を迅速に判断し、不良位置だけに研磨材の加圧吹き付けを行うことができるようになり、従来より効率良く、且つ完全に内面スケールが除去できるようになる。この装置を利用しての具体的なスケール除去方法は、図2に示す作業手順により行えば良い。
【0020】
【実施例】
本発明に係る鋼管内面スケール除去装置(図1参照)を用いて、外径355.6mm×肉厚17.0mm×長さ12,200mmの炭素鋼からなる継目無鋼管の内面スケールを除去し、その実施結果を従来の方法(負圧吸引のみ)での結果と比較した。使用した研磨材は、粒度0.05〜2.00mmのAl2O3で、それを30kPaで負圧吸引したり、あるいは500kPaで空気を加圧吹き付けした。また、内視鏡としては、防塵機能w備えたデジタル・ビデオ・カメラを用い、演算器には、画像のディスプレー15,16を付帯したプロセス・コンピュータを利用した。なお、実施本数は、それぞれ約100本とし、その実施結果は、研削屑の回収量及び所要時間の平均値で評価した。表1に実施結果を一括して示す。また、図4には、所要時間を本発明と従来との場合を比較して示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1及び図4より、本発明が非常に優れていることが明らかである。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、負圧吸引方式で研磨した後の鋼管内面状態の画像でスケールの除去状態を迅速に判断し、不良位置だけに研磨材の加圧吹き付けができるようになる。その結果、従来より一層効率良く、且つ完全に内面スケールが除去できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼管内面スケールの除去装置を示す平面図である。
【図2】図1の装置を運転する作業手順を示すフロー図である。
【図3】鋼管内面のスケ−ルの付着状況を示す斜視図である。
【図4】本発明法と従来法とによる鋼管内面スケールの除去に要したトータル時間の比較図である。
【図5】従来の鋼管内面スケールの除去技術を説明する図であり、(a)は、研磨材の負圧吸引方式を、(b)は加圧吹き付け方式である。
【符号の説明】
1 鋼管
2 内面スケール
3 研磨材
4 真空ポンプ
5 圧縮空気
6 研削屑
7 回収箱
8 搬送手段
9 研磨材導入口
10 内視鏡
11 演算器
12 研磨材吹き付けノズル
13 別の内視鏡
14 別の演算器
15 ディスプレー
16 別のディスプレー
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管内面スケールの除去方法及び除去装置に係わり、詳しくは、鋼管の製造に際して内面に発生したスケールを効率良く、完全に除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油、ガス及び水等を搬送する所謂「油井管」及び「ラインパイプ」に用いられる鋼管は、その種類が継目無鋼管、電縫鋼管、圧接鋼管等のいずれであっても、製造工程、特に製管後の熱処理において内面に酸化鉄からなるスケールが発生する。また、図3に示すように、鋼管1の端に近い側が中央部より酸化雰囲気に曝され易いので、内面スケール2の付着量が端近傍で多くなる傾向がある。前記鋼管1が、この内面スケ−ル2(以下、単にスケールという)を残した状態で、「油井管」及び「ラインパイプ」に使用されると、石油等の搬送物質にスケールが混入し、それらの品質を低下させるという問題が起きる。そのため、「油井管」及び「ラインパイプ」の施工に用いられる鋼管に対しては、従来より、管内にSiO2,Al2O3等の粒子からなる研磨剤を圧縮空気で吹き込み、又は吸引して(ブラスティングともいう)、内面を研磨し、清浄にしてから製品として出荷している。従って、内面の清浄度については、例えばISO 8501のような標準が規定されている。
【0003】
それは、素地の表面を目視又は写真撮影で観察し、その状態を予め定められた標準写真(例えば、A Sa 2.5,B Sa 1等の等級で区分してある)と対比して、表面清浄度の等級を求め、合格又は不合格を判断するものである。
【0004】
また、スケール2の除去方法としては、従来より、図5(a)及び(b)に示すように、研磨材(研掃材ともいう)3を真空ポンプ4等で負圧吸引する方式及び圧縮空気5で加圧して吹き付ける方式の2種類ある。これらは、いずれも研磨材3を鋼管1の一端から他端に向けて、所定時間にわたり負圧吸引又は吹き込むことで、スケール2を研削し、落下した研削屑6を研磨材3と共に他端に設けた回収装置7で回収、除去するものである。
【0005】
ところが、粒子の衝突エネルギーでスケ−ルを研削するには、理論的には前者の負圧吸引方式が有利と言われていた。確かに、研磨された後の表面は粗さが小さく、良好な表面状態になる。また、コスト面でも加圧空気吹き付け式より有効である。しかしながら、実際には、管内で研磨材を旋回流として流すため、管内の凹み等に存在するスケールを比較的除去し難いという傾向があった。また、鋼管の吸引端側に近いほど衝突エネルギーが低下し、スケールの除去が悪くなるという欠点もある。そのため、理論値よりも処理時間、コストが増加している。
【0006】
これに対して、後者の加圧吹き付け方式の方法は、内面に垂直に吹きつけが起きるので、凹み等にあるようなスケールの除去は比較的容易である。しかしながら、高圧の圧縮空気を用いるので、長時間の使用で研削面が荒れ、粗さが大きくなるという欠点があった。また、コストも負圧吸引式に比較して割高なものである。
【0007】
そこで、特開平11−320413号公報は、これらの両方式の長所を有効に活用するため、鋼管全体を負圧吸引方式で研磨してから、両端部を加圧吹き付け方式で研磨するという技術を提案し、従来より高効率、且つ均一にスケールを除去すると共に、ブラスト後の内表面粗さを小さくすることに成功している。
【0008】
ところが、この特開平11−320413号公報記載の技術を用いたとしても、研磨時間は、それまでの経験から定められ、研磨作業が適切であったかどうかは最終的な内面検査を行わないとわからないという問題が残されていた。つまり、研磨が不十分でまだスケールが完全に除去されている場合とか、研磨し過ぎで無駄な作業を行い、作業時間が必要以上に長くなる場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、従来より一層効率良く、且つ完全に内面スケールが除去可能な鋼管内面スケールの除去方法及び除去装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0011】
すなわち、本発明は、鋼管の内部に、研磨材を経時的に負圧吸引及び加圧吹き込みして、該鋼管の内面スケールを研削、除去するに際して、前記負圧吸引を行った後の鋼管内面の画像を検出し、スケール除去の良否を判定し、不良位置のスケールだけを加圧吹き込みで集中的に研削、除去することを特徴とする鋼管内面スケールの除去方法である。
【0012】
また、本発明は、鋼管を水平状態で順次横移動させる搬送手段と、該搬送手段上を横移動する該鋼管の一端側には、鋼管内に研磨材を負圧で供給する研磨材導入口と、管内の任意位置まで挿入され、その位置での内表面状態を画像として検出する内視鏡と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する演算器と、不良位置に先端を向け、研磨材を吹き付ける研磨材吹き付けノズルとを、前記搬送手段の上流から下流に互いに一定距離だけ離隔して配設すると共に、他端側には、前記負圧で供給する研磨材導入口の使用時に対応させて設ける負圧吸引手段と、研削材及び研削屑を回収する回収箱とを配設したことを特徴とする鋼管内面スケールの除去装置である。この場合、さらに、前記研磨材吹き付けノズルの前記搬送手段における配設位置の下流には、もう1組の前記内表面状態を画像として検出する内視鏡と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する演算器とを設けると共に、不良と判定された鋼管を前記研磨材吹き付けノズルの配設位置に戻す鋼管の逆流手段を設けると一層良い。
【0013】
本発明では、負圧吸引方式で研磨後の鋼管内面状態の画像でスケールの除去状態を迅速に判断し、不良位置だけに研磨材の加圧吹き付けを行うようにしたので、従来より一層効率良く、且つ完全に内面スケールが除去できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
まず、本発明に係る鋼管内面スケールの除去装置を平面的に図1に示す。それは、鋼管1を水平状態で順次横移動させる搬送手段8が設けられている。例えば、ゆるく傾斜した複数本のレールからなり、鋼管1が自然に自転して上流から下流に向けて移動するようになっている。そして、その移動する途中の適当な位置にストッパ(図示せず)で鋼管1を止め、そこに必要な作業を行う種々の手段が配設されるようにしてある。その手段を順次説明すると、前記搬送手段上を横移動する該鋼管1の一端側には、鋼管1内に研磨材3を負圧で供給する研磨材導入口9が設けてある。これは、先に図5(a)で示したものがそのまま利用でき、研磨材3は旋回流となって管内を流れる。その過程で該研磨材3は内壁と衝突し、そこに付着しているスケール2を削り落とす。落下した研削屑6は、鋼管1の他端側に設けた回収箱7へ吸引、回収される。つまり、この回収箱7は真空ポンプ4等の負圧吸引手段に接続されており、それにより前記研磨材3の吸引、回収も行っている。
【0016】
引き続いて、負圧吸引式でスケールが除去された鋼管の搬送手段に沿った下流には、負圧吸引で研磨された鋼管1の内面状態を確認するため、管内の任意位置まで挿入され、その位置での内表面状態を画像として検出する内視鏡10が設けられている。また、内視鏡10で検出した画像は、画像解析され、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する必要があるので、内視鏡10の駆動装置(図示せず)近傍に、それらの役割を果す演算器11も設けてある。
【0017】
そして、この内視鏡10の前記搬送手段における設置位置のさらに下流には、上記内面状態の確認で不良位置の判明した鋼管1に研磨材3を高圧空気で吹き付ける研磨材吹き付けノズル12が設けてある。つまり、映像解析の結果で不良となった位置にノズルの先端を移動させるようになっている。これにより、不良位置に先端を向け、そこに集中的に研磨材3を吹き付け、残留しているスケール2を除去するようになっている。この研磨材吹き付けノズル12及び高圧空気源(図示していないが、コンプレッサ等)は、前記図5(b)に示したものがそのまま利用できる。なお、研削屑6は、管内を吹き飛ばされて、該鋼管1の他端から排出されるが、それらの研削屑も図示していない回収箱に収容されるようになっている。
【0018】
さらに、本発明では、前記研磨材吹き付けノズル12の前記搬送手段における配設位置の下流に、もう1組の前記内表面状態を画像として検出する別の内視鏡13と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する別の演算器14とを設けている。これは、高圧空気による研磨材の吹き込みで研磨した鋼管の内部状態を再確認するためである。そして、不良と判定された鋼管1は、前工程の前記研磨材吹き付けノズル12の配設位置に戻され、再度研磨材3の集中的な吹き付けが行えるようになっている。そのため、本発明では、この搬送手段上の位置に鋼管1を前記研磨材吹き付けノズル12の配設位置に戻す逆流手段(図示せず)を設けている。この逆流手段は、具体的には、搬送ローラ又はベルト/チェーン・コンベアの機構を適宜組み合わせたものを利用すれば良い。
【0019】
従って、かかる鋼管内面スケールの除去装置によれば、負圧吸引方式で短時間の研磨を行った後、鋼管内面状態の画像でスケールの除去状態を迅速に判断し、不良位置だけに研磨材の加圧吹き付けを行うことができるようになり、従来より効率良く、且つ完全に内面スケールが除去できるようになる。この装置を利用しての具体的なスケール除去方法は、図2に示す作業手順により行えば良い。
【0020】
【実施例】
本発明に係る鋼管内面スケール除去装置(図1参照)を用いて、外径355.6mm×肉厚17.0mm×長さ12,200mmの炭素鋼からなる継目無鋼管の内面スケールを除去し、その実施結果を従来の方法(負圧吸引のみ)での結果と比較した。使用した研磨材は、粒度0.05〜2.00mmのAl2O3で、それを30kPaで負圧吸引したり、あるいは500kPaで空気を加圧吹き付けした。また、内視鏡としては、防塵機能w備えたデジタル・ビデオ・カメラを用い、演算器には、画像のディスプレー15,16を付帯したプロセス・コンピュータを利用した。なお、実施本数は、それぞれ約100本とし、その実施結果は、研削屑の回収量及び所要時間の平均値で評価した。表1に実施結果を一括して示す。また、図4には、所要時間を本発明と従来との場合を比較して示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1及び図4より、本発明が非常に優れていることが明らかである。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、負圧吸引方式で研磨した後の鋼管内面状態の画像でスケールの除去状態を迅速に判断し、不良位置だけに研磨材の加圧吹き付けができるようになる。その結果、従来より一層効率良く、且つ完全に内面スケールが除去できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼管内面スケールの除去装置を示す平面図である。
【図2】図1の装置を運転する作業手順を示すフロー図である。
【図3】鋼管内面のスケ−ルの付着状況を示す斜視図である。
【図4】本発明法と従来法とによる鋼管内面スケールの除去に要したトータル時間の比較図である。
【図5】従来の鋼管内面スケールの除去技術を説明する図であり、(a)は、研磨材の負圧吸引方式を、(b)は加圧吹き付け方式である。
【符号の説明】
1 鋼管
2 内面スケール
3 研磨材
4 真空ポンプ
5 圧縮空気
6 研削屑
7 回収箱
8 搬送手段
9 研磨材導入口
10 内視鏡
11 演算器
12 研磨材吹き付けノズル
13 別の内視鏡
14 別の演算器
15 ディスプレー
16 別のディスプレー
Claims (3)
- 鋼管の内部に、研磨材を経時的に負圧吸引及び加圧吹き込みして、該鋼管の内面スケールを研削、除去するに際して、
前記負圧吸引を行った後の鋼管内面の画像を検出し、スケール除去の良否を判定し、不良位置のスケールだけを加圧吹き込みで集中的に研削、除去することを特徴とする鋼管内面スケールの除去方法。 - 鋼管を水平状態で順次横移動させる搬送手段と、該搬送手段上を横移動する鋼管の一端側には、鋼管内に研磨材を負圧で供給する研磨材導入口と、管内の任意位置まで挿入され、その位置での内表面状態を画像として検出する内視鏡と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する演算器と、不良位置に先端を向け、研磨材を吹き付ける研磨材吹き付けノズルとを、前記搬送手段の上流から下流に互いに一定距離だけ離隔して配設すると共に、他端側には、前記負圧で供給する研磨材導入口の使用時に対応させて設ける負圧吸引手段と、研削材及び研削屑を回収する回収箱とを配設したことを特徴とする鋼管内面スケールの除去装置。
- さらに、前記研磨材吹き付けノズルの前記搬送手段における配設位置の下流には、もう1組の前記内表面状態を画像として検出する内視鏡と、検出した画像を解析し、基準研磨状態と比較して良否を判定すると共に、不良位置を出力する演算器とを設けると共に、不良と判定された鋼管を前記研磨材吹き付けノズルの配設位置に戻す鋼管の逆流手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の鋼管内面スケールの除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002180698A JP2004025313A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 鋼管内面スケールの除去方法及び除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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