JP2004025122A - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極における副反応による損失を低減し、除去効率を向上することにより、CODやT−Nなどの出口濃度を低くすること。
【解決手段】本発明の排水処理装置は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、1つの電解槽の陽極が該直列に配置された隣の電解槽の陰極と接続されるように前記電源に対して電気的に直列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明の排水処理装置は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、1つの電解槽の陽極が該直列に配置された隣の電解槽の陰極と接続されるように前記電源に対して電気的に直列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中のCOD(化学的酸素消費量)やT−N(窒素成分)を分解除去する排水処理装置に関し、より詳細には、これらを電解酸化により分解除去する排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電解槽を用いて電解酸化をすることにより、COD(Chemical Oxygen Demand)やT−Nを酸化分解する技術が知られている。この技術は、例えば、特開平7−68277号公報(下水の高度処理方法)や特開平7−163987号公報(水の高度処理方法)などに開示されている。いずれも電解槽内に酸化剤及び触媒を入れることによって下水などを高度に処理するものである。また、電解槽内を陽極室と陰極室に隔てる隔膜を用いて電解酸化を行う技術が特開平9−150159号公報(COD含有水のCODの除去方法)に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの技術もただ一つの電解槽を用いて電解酸化を行っているが、単一槽で電解酸化を実施すると、陽極で生成した次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極で消費されるため、系全体の電流効率が低下してしまうという問題があった。
【0004】
また、窒素化合物から生成する硝酸イオン、亜硝酸イオンは、陰極で還元され、窒素とされる必要があるが、単一槽で電解酸化を実施する場合、次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンとの競争反応となってしまい、除去効率が悪いという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電極における副反応による損失を低減し、除去効率を向上することにより、CODやT−Nなどの出口濃度を低くすることができる排水処理装置及び排水処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一態様において、本発明の一実施の形態における排水処理装置は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、1つの電解槽の陽極が該直列に配置された隣の電解槽の陰極と接続されるように前記電源に対して電気的に直列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、陽極室及び陰極室を隔膜で隔てている少なくとも2つの電解槽が処理原水の流れに対して直列に配置されるとともに、各電解槽の陽極及び電極も電源に対して電気的に直列に配列されて、原水が各電解槽で電解酸化処理される。この場合、各電解槽では、発生ガスは隔膜を通過できないが、各種イオンは陽極室と陰極室を移動可能である。
【0008】
したがって、この発明によって、電極(特に陰極)における副反応による酸化剤の損失を抑えることができるので、系全体の電流効率を向上させることができる。また、単槽型の電解槽における電解酸化に比べ、COD又はT−Nの出口濃度を低く抑えることができる。
【0009】
なお、各電解槽及び流路に用いられる配管は、通常の汚水あるいは排水処理で使用されるもので十分であり、処理原水や酸化剤などによって腐食等されないものであればよい。各電極は白金メッキのチタン電極などが好ましく、隔膜は、通常有機性もしくは無機性の多孔質膜が用いられるが、これらに限定されるものではない。以下においても同様である。
【0010】
ここで、前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するための、タンクあるいは触媒を充填された触媒槽を更に備えてもよい。このタンク又は触媒槽を追加することによって、処理原水の(酸化)反応時間を十分に確保できるので、各電解槽において十分にCODなどの酸化を進めることができ、酸化剤である次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極室に流入するのを防止することができるので、電解損失を低減できる。なお、この触媒槽に設置される触媒は、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガンでもよいが、これに限定されず、電解酸化(酸化効果)を促進するものであればいずれでもよい。
【0011】
また、上記いずれかの排水処理装置において、前記直列に配列された少なくとも2つの電解槽の最後の電解槽出口において、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを更に備え、前記センサの出力に応じて、前記電源から供給する電流値を制御してもよい。
【0012】
このように、排水処理装置の系全体の出口にCODなどの濃度センサを配置することにより、出口濃度を管理することができる。また、この排水処理装置は、その濃度に基づいて系全体に流れる電流値を制御するので、汚水の排出基準(自己基準を設けている場合には、その自己基準)以下にCODなどの濃度を容易に抑えることができるとともに、必要以上に電流を流すことがないので、排水処理装置の系全体の電流効率を高めることができる。
【0013】
また、本発明のもう一つの実施の形態では、本発明の排水処理装置は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、 前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、前記電源に対して電気的に並列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、陽極室及び陰極室を隔膜で隔てている少なくとも2つの電解槽が処理原水の流れに対して直列に配置されるとともに、各電解槽の陽極及び電極は、電源に対して電気的に並列に配列されて、原水が各電解槽で電解酸化処理される。
【0015】
したがって、この発明によって、従来の排水処理装置に比べて電流効率を向上することができるのみならず、電源に対して並列であるために、電解槽毎に電流値を設定できるので、系全体に直流電流を流すよりも効率的な電解酸化処理が可能である。
【0016】
ここで、前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するための、タンクあるいは触媒を充填された触媒槽を更に備えてもよい。このタンク又は触媒槽を追加することによって、処理原水の(酸化)反応時間を十分に確保できるので、各電解槽において十分にCODなどの酸化を進めることができ、酸化剤である次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極室に流入するのを防止することができるので、電解損失を低減できる。なお、この触媒槽に設置される触媒は、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガンでもよいが、これに限定されず、電解酸化(酸化効果)を促進するものであればどのようなものでもよい。
【0017】
また、この実施の形態の上記いずれかの排水処理装置において、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれ又は最後の槽出口には、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを更に備えられてもよい。この濃度センサによって、各電解槽又は最後の電解槽の出口におけるCODなどの濃度が測定できるので、その測定結果に基づいて各電解槽の両電極間に流れる電流の値を個別に制御することができる。そのため、特に各電解槽出口に濃度センサを備えた場合には、単に電解槽に流れる電流を電解槽毎に所定の電流値にするよりも、各電解槽の出口濃度に基づいて制御するので、一層電流効率を向上することができる。
【0018】
本発明のもう一つの態様において、本発明の一実施の形態における排水処理方法は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽を供給する段階と、各電解槽の陽極室と陰極室をバイパスする流路を供給する段階と、前記少なくとも2つの電解槽を処理原水の流れに対して直列に配置し、各電解槽の間を連通する段階と、原水の処理中、前記直列に配置された電解槽の一端の陽極と他端の陰極とを電気的に接続するとともに、その途中に電源を配置して、処理系全体に直流電流を供給する段階と、 を有することを特徴とする。
【0019】
また、上記排水処理方法において、前記直列に配列された少なくとも2つの電解槽の最後の電解槽出口に、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを供給する段階と、前記センサの出力に応じて、前記電源から前記電解槽の電極に供給する電流値を制御する段階と、を更に有してもよい。
【0020】
また、本発明のもう一つの実施の形態では、本発明の排水処理方法は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽を供給する段階と、各電解槽の陽極室と陰極室をバイパスする流路を供給する段階と、前記少なくとも2つの電解槽を処理原水の流れに対して直列に配置し、各電解槽の間を連通する段階と、原水の処理中、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極と陰極とを電気的に接続するとともに、その途中に電源を配置して、すべての電解槽にそれぞれ所定の直流電流を供給する段階と、を有することを特徴とする。
【0021】
ここで、前記電源は、前記各電解槽の電極に対して電気的に並列に配置されていてもよい。この場合、1つの電源が各電解槽の両電極に電流を供給することになる。処理原水は、下流に行くほどCODなどの含有量が減少するので、それに必要な電解により発声する酸化剤の必要量は少なくなる。この特徴により、各電解槽に供給する電流値は、下流に行くほど小さくなり、系全体の電流効率を向上することができる。なお、各電解槽は、供給される電流値を段階的に減少させるのみならず、CODなどの含有量に見合うように、その容積を段階的に小さくしてもよい。そうすることにより、更に正確に制御することができる。
【0022】
また、本実施の形態における上記いずれかの排水処理装置は、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの槽出口に、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを供給する段階と、前記センサの出力に応じて、前記電源からそれぞれの電解槽の電極に供給する電流値を制御する段階と、を更に有してもよい。
【0023】
この発明によれば、各電解槽の出口においてCODなどの濃度を測定して、その測定値に応じて電解槽毎に供給する電流値を制御(決定)するので、従来よりも容易にCODなどを除去することができるとともに、系全体として電流効率を向上することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明に係る排水処理装置及び排水処理方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態は例示として挙げるものであり、これにより本発明を限定的に解釈すべきではない。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1〜4を参照して、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における排水処理装置の処理フロー図である。この図1において、本発明の第1の実施の形態における排水処理装置は、4つの電解槽100、200、300、及び400、並びに電源10を備え、各電解槽100〜400は、隔膜130、230、330、及び430によって、この電解槽を陽極を含む陽極室110、210、310、及び410と、陰極を含む陰極室120、220、320、及び420に隔てられる。以下、4つの電解槽を第1電解槽〜第4電解槽と称し、主に第1電解槽を用いて各電解槽の構成を説明する。
【0026】
上述のように、第1電解槽100は、隔膜130によって陽極室110と陰極室120に隔てられ、この両室をバイパスする流路2を備える。陽極室110及び陰極室120には、それぞれ陽極111及び陰極121が第1電解槽100の内面に触れないように配置される。また、第1電解槽100の陰極室120から第2電解槽200の陽極室210へ処理原水が流れる流路3が配置される。
【0027】
処理原水は、流路1からこの排水処理装置に流入し、流路9から外部に放出される。より詳細には、処理原水は、流路1から第1電解槽100の陽極室110に流入し、流路2を介して第1電解槽100の陽極室110から陰極室120へ、流路3を介して第1電解槽100の陰極室120から第2電解槽200の陽極室へ、流路4を介して第2電解槽200の陽極室210から陰極室220へ、流路5を介して第2電解槽の陰極室220から第3電解槽300の陽極室310へ、流路6を介して第3電解槽300の陽極室310から陰極室320へ、流路7を介して第3電解槽300の陰極室320から第4電解槽400の陽極室410へ、流路8を介して第4電解槽400の陽極室410から陰極室420へと流れ、流路9を介して排水処理装置の外に放流される。
【0028】
また、電源10は直流電源であり、その正極は、配線11を介して第1電解槽100の陽極111に接続される。そして、第1電解槽100の陰極121は、配線12を介して第2電解槽200の陽極211と接続され、以下同様に、配線13を介して第2電解槽200の陰極221と第3電解槽300の陽極311が接続され、配線14を介して第3電解槽300の陰極321と第4電解槽400の陽極411が接続される。電源10の負極は、配線15を介して第4電解槽400の陰極421に接続される。このようにして、本発明の第1の実施の形態における排水処理装置は、系全体を通して電気的に直列に配列されることにより、系全体に一定の直流電流を流し、カスケード状に配列された各電解槽において同様な電解酸化を行うことによって、CODやT−Nを効率的に除去することができる。
【0029】
第1電解槽100の陽極111及び陰極121は、白金メッキのチタン電極が好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、鉄材などで作られた電極などでもよい。隔膜130は、通常、有機性もしくは無機性の多孔質膜が用いられるが、これに限定するものではない。この隔膜130は、処理原水中のイオンについては陽極室110と陰極室120の間を通すが、各電極室で発生するガスについては通さないものである。このため、従来問題となっていた陰極における競争反応を防止することができる。
【0030】
本第1の実施の形態における排水処理装置では、電解酸化による排水処理中、陽極から主として酸素及び塩素(次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン)が発生し、CODなどの有機物や窒素化合物が酸化される。また、陰極では、主に水素が発生し、硝酸イオンが還元される。
【0031】
なお、流路1〜9の途中には、図示しないがポンプなどの流量を調整するための装置が含まれてもよく、この場合、間欠運転をすることにより、CODなどを一層効率的に除去することができる。また、その代わりに、例えば、第1電解槽から第4電解槽に自然に流れるように、各電解槽を鉛直位置において段々に配置してもよく、この場合には、各流路の途中に逆止弁などを配置して逆流を防ぐとともに、各電解槽に流れ込む処理原水の流量を調整してもよい。
【0032】
図2は、陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中にタンクを配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。なお、図1の排水処理装置と異なる点のみを説明し、その他の説明は省略する。この図2に示される排水処理装置は、各電解槽100、200、300、及び400の陽極室と陰極室をバイパスする流路2、4、6、及び8の途中に、タンク140、240、340、及び440を配置することにより、陽極室から流れ出た処理原水を一時貯蔵することができる。このタンクに処理原水を一時貯蔵することにより、各電極槽における電解酸化の反応時間を十分に確保することができ、処理原水の酸化を十分に行うことができる。また、陽極室において添加された次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極室に流入するのを極力少なくすることができ、これにより系全体の電解損失を低減することができる。
【0033】
図3は、陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中に触媒槽を配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。この図3の排水処理装置は、図3に示されるものとほとんど同じであるが、電解酸化の反応時間を確保するためのタンクに代えて、電解酸化を促進するための触媒を充填した触媒槽140、240、340、及び440を配列している点が異なる。
【0034】
この実施の形態における酸化を促進する触媒としては、特開平7−68277号公報や特開平7−163987号公報などに示されるような、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガン等が用いられる。二酸化マンガン(MnO2)は、有機物などを酸化分解すると、酸化マンガン(MnO)に還元されるが、次亜塩素酸と反応することにより、酸化されて再び二酸化マンガンに戻り、酸化力を発揮する。このように、触媒槽140、240、340、及び440においても二酸化マンガンなどにより有機物等が酸化されるので、排水処理系全体として、一層酸化効果を促進することができる。
【0035】
図4は、本発明における最後の電解槽400の出口にセンサ500を設けた排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。この図4の排水処理装置は、図3に示される排水処理装置とほとんど同じであるが、直列に配列された電解槽の最後の電解槽400の出口にあたる流路9の途中にセンサ500を設けている点が異なる。
【0036】
このセンサ500は、COD若しくはT−Nの濃度を検知するためのものであり、排水処理装置の出口におけるCODなどの濃度を計測して、その値に基づいて電源10から系全体に流れる電流値を制御するものである。例えば、センサ500に所定の濃度値を設定しておき、その値よりも出口濃度が大きい場合、PID制御などにより電源10から流れる電流値を少し高めに設定変更する。逆の場合、すなわち、出口濃度が設定値よりも小さい場合には、電源10から流れる電流値を少し低めに設定変更する。このように排水処理装置の出口でCODなどの濃度を計測して、その値に基づいて系全体を流れる電流値を制御することにより、無駄に電流を消費することなく、有機物などを除去することができ、排水処理装置の効率的な運転が可能である。
【0037】
なお、本実施の形態では、図1〜図4において4つの電解槽がカスケード状に配列される排水処理装置に基づいて説明をしたが、これに限定するものではなく、電解槽をいくつ用いた排水処理装置においても本発明と同様の効果が得られる。ただし、電解槽が1つの場合には、本発明のように効率的にCODやT−Nを処理することが難しいであろう。
【0038】
以上のように、本第1の実施の形態における排水処理装置は、陽極、陰極、及び隔膜と、陽極室と陰極室を連通する流路とを備える電解槽を複数用意し、それらを用いてカスケード状に排水を処理するとともに、各電解槽の電極を系全体で直列に配列して電解酸化を行うこととした。したがって、本実施の形態の排水処理装置によって、電極における副反応による損失を抑えられるとともに、排水処理装置の出口濃度を従来の単槽型よりも低くすることができる。
【0039】
また、各電解槽において反応時間を確保するためにインチング運転を行い、あるいは流路の途中にタンクや触媒槽を配置することにより、電解酸化反応を一層促進することができる。さらに、排水処理装置の出口においてCOD若しくはT−Nの濃度を計測して、その計測値に基づいて系全体に流れる電流値を制御することにより、電流効率を向上することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
図5を参照して、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。図5は、本発明における電解槽の電極を電源に対して並列に配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。この図5において、本発明の第2の実施の形態における排水処理装置は、3つの電解槽100、200、及び300と、各電解槽に電流を供給する電源10、20、及び30と、各電解槽出口におけるCOD若しくはT−Nの濃度を計測するセンサ501、502、及び503とを備える。各電解槽100〜300は、隔膜130、230、及び330によって、陽極111、211、及び311を含む陽極室110、210、及び310と、陰極121、221、及び321を含む陰極室120、220、及び320とに隔てられる。なお、第1の実施の形態における図1〜図4と同一の構成要素には同一の符号を付し、ここでは重複を避けるために説明を省略する。
【0041】
上記第1の実施の形態と異なる点は、各電解槽100、200、及び300に対して電源10、20、及び30がそれぞれ設けられるとともに、各電解槽の出口流路3、5、及び7にそれぞれセンサ501、502、及び503が配置されることである。なお、図5において図1〜図4と異なり電解槽を3つとしているが、図示の問題であって4槽と3槽とに本質的な違いはなく、複数の電解槽を用いることが重要である。
【0042】
処理原水は、第1の実施の形態と同様に、予め次亜塩素酸などの塩素系酸化剤や過酸化水素水などの酸化剤を添加され、流路1からこの排水処理装置に流入し、流路7から外部に放出される。より詳細には、処理原水は、流路1から第1電解槽100の陽極室110に流入し、流路2を介して第1電解槽100の陽極室110から陰極室120へ、流路3を介して第1電解槽100の陰極室120から第2電解槽200の陽極室へ、流路4を介して第2電解槽200の陽極室210から陰極室220へ、流路5を介して第2電解槽の陰極室220から第3電解槽300の陽極室310へ、流路6を介して第3電解槽300の陽極室310から陰極室320へ、流路7を介して排水処理装置の外に放流される。すなわち、処理原水の流れは、各電解槽に対して直列である。
【0043】
それに対して、各電解槽にそれぞれ電源が配置されているので、電流は並列的である。すなわち、第1電解槽では、陽極111と陰極121とが電源10に接続され、第2電解槽では、陽極211と陰極221とが電源20に接続され、第3電解槽では、陽極311と陰極321とが電源30に接続される。なお、この図5において、図示の容易さのために、各電解槽に電源を配置して示したが、電源は1つで各電解槽の電極に対して並列に接続される構成としてもよい。
【0044】
第1電解槽100で電解酸化を行った処理原水は、その出口である流路3の途中においてセンサ501によってCOD又はT−Nの濃度を測定される。このセンサ501の測定値に基づいて、電源10から供給する電流値を制御する。同様に、第2電解槽200及び第3電解槽300においても電解酸化が行われるとともに、その出口においてCODなどの濃度が測定され、その測定値に基づいて電源20及び30から供給される電流値が制御される。
【0045】
COD又はT−Nの濃度は、各電解槽出口で予め決められた所定の値に対して大小を判断され、所定の設定値よりも測定値の方が大きい場合には、電源10から供給される電流値を上げ、その逆の場合には、電流値を下げる。このようにして、最終的に、センサ503で測定されたCOD又はT−Nの濃度が排水処理装置の出口濃度となる。従って、設定値は、センサ501が一番高く、次いでセンサ502、センサ503の順となる。なお、流路1〜第1電解槽100に流入する処理原水のCOD又はT−N濃度によっては、各センサの濃度設定値を変更しなければならない。各センサの設定値は一定の比率で決められる方が良い。なぜならば、処理原水における濃度が高い場合、第1電解槽100での処理に相当の負荷がかかり、電源10から供給される電流値のみが他の電源から供給される電流値よりも非常に高くなるために、系全体として電流損失が大きくなるからである。
【0046】
なお、図5においてはすべての電解槽の大きさが等しく示されているが、各センサの設定値や処理原水のCOD又はT−N濃度などに応じて、各電解槽の大きさも所定の割合で徐々に小さくした方がよい。このように電解槽の大きさを小さくすることによって、電解槽内のCODなどの濃度が小さくなったときにも十分に電解酸化を行うことができる。
【0047】
以上のように、本第2の実施の形態における排水処理装置は、陽極、陰極、及び隔膜と、陽極室と陰極室を連通する流路とを備える電解槽を複数用意し、それらを用いてカスケード状に排水を処理するとともに、電解槽毎に所定のCOD又はT−N濃度となるように電源から供給される電流値を制御して電解酸化を行うこととした。したがって、本実施の形態の排水処理装置によって、単槽型と比較してCOD又はT−Nの出口濃度を低くできるとともに、次亜塩素酸などの酸化剤を効率的に使用することができ、系全体の電流効率を向上することができる。
【0048】
ここで、図6を参照して、各電解槽に備えることが可能な構成要素について説明する。図6は、本発明の排水処理装置の構成の改良例である。なお、図の簡単のために、第1電解槽のみを用いて説明する。この図6において、本発明の改良例の排水処理装置は、上記構成以外に、気液接触手段600及び燃料電池700を備える。
【0049】
前述したように、電解酸化の処理中、陽極室110では、主に、塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンなどの塩素系の気体と、酸素が発生する。発生した気体は、排気管21を介して、気体吸収手段600に導入され、配管20を介して先に添加されたアルカリ剤(塩素系の気体の量次第では添加しない場合もある)と反応することにより塩素系の気体は処理原水内に溶け込む。しかし、液体への溶解度(溶解率)が低い酸素は、排気管23を介して燃料電池700に供給される。
【0050】
また、陰極121で発生した水素は、配管22を介して、燃料電池700に供給される。燃料電池700は、水素などを燃焼させることにより発生した熱を、例えば、ガスタービンや蒸気タービンなどを電気エネルギーに変換するための装置であり、排気管23及び配管22から供給される水素及び空気を混合して燃焼し、熱エネルギーを電気エネルギーとして回収する。この燃料電池700における燃焼後の排気ガス(主に、水素と酸素が燃焼するので、水(H2O)である)は、排気管25を介して外部に排気される。このとき、必要に応じて、配管24から空気を供給する。
【0051】
燃料電池700は、配線16を介して電源10に接続され、燃料電池700において電気エネルギーとして回収されたエネルギーは、この配線16を介して電源10に供給される。このエネルギーは、電解酸化処理に利用される。
【0052】
このように、本発明における図6の排水処理装置では、陽極室110から発生する酸素を燃料電池700の酸化剤として有効に活用するとともに、陰極12で発生する水素を燃料として燃料電池50に供給し、その燃料電池50で発電した電気エネルギーを電源10に供給する構成としたので、電解酸化処理における系全体の電流効率を更に向上することができる。
【0053】
なお、気体吸収手段600及び燃料電池700を各電解槽に設置するか、排気ガスの配管を集合させて、1つの気体吸収手段600及び一つの燃料電池700とするかは設計事項であるので、図示及びその説明を省略する。複数の気体吸収手段600を用いる場合、可能であれば、気液接触する処理原水は、流路1のもの方が効率的であろう。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電極における副反応による損失を抑えて効率良く排水を処理できるとともに、単槽型と比較して排水処理装置出口におけるCODなどの濃度を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複数の電解槽の電極を直列に配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図2】陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中にタンクを配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図3】陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中に触媒槽を配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図4】本発明における最後の電解槽の出口にセンサを設けた排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図5】本発明における電解槽の電極を電源に対して並列に配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図6】
本発明の排水処理装置の構成の改良例を示す構成図である。
【符号の説明】
10,20,30 電源
100,200,300,400 電解槽
110,210,310,410 陽極室
111,211,311,411 陽極
120,220,320,420 陰極室
121,221,321,421 陰極
130,230,330,430 隔膜
140,240,340,440 タンク,触媒槽
500,501,502,503 センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中のCOD(化学的酸素消費量)やT−N(窒素成分)を分解除去する排水処理装置に関し、より詳細には、これらを電解酸化により分解除去する排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電解槽を用いて電解酸化をすることにより、COD(Chemical Oxygen Demand)やT−Nを酸化分解する技術が知られている。この技術は、例えば、特開平7−68277号公報(下水の高度処理方法)や特開平7−163987号公報(水の高度処理方法)などに開示されている。いずれも電解槽内に酸化剤及び触媒を入れることによって下水などを高度に処理するものである。また、電解槽内を陽極室と陰極室に隔てる隔膜を用いて電解酸化を行う技術が特開平9−150159号公報(COD含有水のCODの除去方法)に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの技術もただ一つの電解槽を用いて電解酸化を行っているが、単一槽で電解酸化を実施すると、陽極で生成した次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極で消費されるため、系全体の電流効率が低下してしまうという問題があった。
【0004】
また、窒素化合物から生成する硝酸イオン、亜硝酸イオンは、陰極で還元され、窒素とされる必要があるが、単一槽で電解酸化を実施する場合、次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンとの競争反応となってしまい、除去効率が悪いという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電極における副反応による損失を低減し、除去効率を向上することにより、CODやT−Nなどの出口濃度を低くすることができる排水処理装置及び排水処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一態様において、本発明の一実施の形態における排水処理装置は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、1つの電解槽の陽極が該直列に配置された隣の電解槽の陰極と接続されるように前記電源に対して電気的に直列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、陽極室及び陰極室を隔膜で隔てている少なくとも2つの電解槽が処理原水の流れに対して直列に配置されるとともに、各電解槽の陽極及び電極も電源に対して電気的に直列に配列されて、原水が各電解槽で電解酸化処理される。この場合、各電解槽では、発生ガスは隔膜を通過できないが、各種イオンは陽極室と陰極室を移動可能である。
【0008】
したがって、この発明によって、電極(特に陰極)における副反応による酸化剤の損失を抑えることができるので、系全体の電流効率を向上させることができる。また、単槽型の電解槽における電解酸化に比べ、COD又はT−Nの出口濃度を低く抑えることができる。
【0009】
なお、各電解槽及び流路に用いられる配管は、通常の汚水あるいは排水処理で使用されるもので十分であり、処理原水や酸化剤などによって腐食等されないものであればよい。各電極は白金メッキのチタン電極などが好ましく、隔膜は、通常有機性もしくは無機性の多孔質膜が用いられるが、これらに限定されるものではない。以下においても同様である。
【0010】
ここで、前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するための、タンクあるいは触媒を充填された触媒槽を更に備えてもよい。このタンク又は触媒槽を追加することによって、処理原水の(酸化)反応時間を十分に確保できるので、各電解槽において十分にCODなどの酸化を進めることができ、酸化剤である次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極室に流入するのを防止することができるので、電解損失を低減できる。なお、この触媒槽に設置される触媒は、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガンでもよいが、これに限定されず、電解酸化(酸化効果)を促進するものであればいずれでもよい。
【0011】
また、上記いずれかの排水処理装置において、前記直列に配列された少なくとも2つの電解槽の最後の電解槽出口において、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを更に備え、前記センサの出力に応じて、前記電源から供給する電流値を制御してもよい。
【0012】
このように、排水処理装置の系全体の出口にCODなどの濃度センサを配置することにより、出口濃度を管理することができる。また、この排水処理装置は、その濃度に基づいて系全体に流れる電流値を制御するので、汚水の排出基準(自己基準を設けている場合には、その自己基準)以下にCODなどの濃度を容易に抑えることができるとともに、必要以上に電流を流すことがないので、排水処理装置の系全体の電流効率を高めることができる。
【0013】
また、本発明のもう一つの実施の形態では、本発明の排水処理装置は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、 前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、前記電源に対して電気的に並列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、陽極室及び陰極室を隔膜で隔てている少なくとも2つの電解槽が処理原水の流れに対して直列に配置されるとともに、各電解槽の陽極及び電極は、電源に対して電気的に並列に配列されて、原水が各電解槽で電解酸化処理される。
【0015】
したがって、この発明によって、従来の排水処理装置に比べて電流効率を向上することができるのみならず、電源に対して並列であるために、電解槽毎に電流値を設定できるので、系全体に直流電流を流すよりも効率的な電解酸化処理が可能である。
【0016】
ここで、前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するための、タンクあるいは触媒を充填された触媒槽を更に備えてもよい。このタンク又は触媒槽を追加することによって、処理原水の(酸化)反応時間を十分に確保できるので、各電解槽において十分にCODなどの酸化を進めることができ、酸化剤である次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極室に流入するのを防止することができるので、電解損失を低減できる。なお、この触媒槽に設置される触媒は、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガンでもよいが、これに限定されず、電解酸化(酸化効果)を促進するものであればどのようなものでもよい。
【0017】
また、この実施の形態の上記いずれかの排水処理装置において、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれ又は最後の槽出口には、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを更に備えられてもよい。この濃度センサによって、各電解槽又は最後の電解槽の出口におけるCODなどの濃度が測定できるので、その測定結果に基づいて各電解槽の両電極間に流れる電流の値を個別に制御することができる。そのため、特に各電解槽出口に濃度センサを備えた場合には、単に電解槽に流れる電流を電解槽毎に所定の電流値にするよりも、各電解槽の出口濃度に基づいて制御するので、一層電流効率を向上することができる。
【0018】
本発明のもう一つの態様において、本発明の一実施の形態における排水処理方法は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽を供給する段階と、各電解槽の陽極室と陰極室をバイパスする流路を供給する段階と、前記少なくとも2つの電解槽を処理原水の流れに対して直列に配置し、各電解槽の間を連通する段階と、原水の処理中、前記直列に配置された電解槽の一端の陽極と他端の陰極とを電気的に接続するとともに、その途中に電源を配置して、処理系全体に直流電流を供給する段階と、 を有することを特徴とする。
【0019】
また、上記排水処理方法において、前記直列に配列された少なくとも2つの電解槽の最後の電解槽出口に、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを供給する段階と、前記センサの出力に応じて、前記電源から前記電解槽の電極に供給する電流値を制御する段階と、を更に有してもよい。
【0020】
また、本発明のもう一つの実施の形態では、本発明の排水処理方法は、各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽を供給する段階と、各電解槽の陽極室と陰極室をバイパスする流路を供給する段階と、前記少なくとも2つの電解槽を処理原水の流れに対して直列に配置し、各電解槽の間を連通する段階と、原水の処理中、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極と陰極とを電気的に接続するとともに、その途中に電源を配置して、すべての電解槽にそれぞれ所定の直流電流を供給する段階と、を有することを特徴とする。
【0021】
ここで、前記電源は、前記各電解槽の電極に対して電気的に並列に配置されていてもよい。この場合、1つの電源が各電解槽の両電極に電流を供給することになる。処理原水は、下流に行くほどCODなどの含有量が減少するので、それに必要な電解により発声する酸化剤の必要量は少なくなる。この特徴により、各電解槽に供給する電流値は、下流に行くほど小さくなり、系全体の電流効率を向上することができる。なお、各電解槽は、供給される電流値を段階的に減少させるのみならず、CODなどの含有量に見合うように、その容積を段階的に小さくしてもよい。そうすることにより、更に正確に制御することができる。
【0022】
また、本実施の形態における上記いずれかの排水処理装置は、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの槽出口に、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを供給する段階と、前記センサの出力に応じて、前記電源からそれぞれの電解槽の電極に供給する電流値を制御する段階と、を更に有してもよい。
【0023】
この発明によれば、各電解槽の出口においてCODなどの濃度を測定して、その測定値に応じて電解槽毎に供給する電流値を制御(決定)するので、従来よりも容易にCODなどを除去することができるとともに、系全体として電流効率を向上することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明に係る排水処理装置及び排水処理方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態は例示として挙げるものであり、これにより本発明を限定的に解釈すべきではない。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1〜4を参照して、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における排水処理装置の処理フロー図である。この図1において、本発明の第1の実施の形態における排水処理装置は、4つの電解槽100、200、300、及び400、並びに電源10を備え、各電解槽100〜400は、隔膜130、230、330、及び430によって、この電解槽を陽極を含む陽極室110、210、310、及び410と、陰極を含む陰極室120、220、320、及び420に隔てられる。以下、4つの電解槽を第1電解槽〜第4電解槽と称し、主に第1電解槽を用いて各電解槽の構成を説明する。
【0026】
上述のように、第1電解槽100は、隔膜130によって陽極室110と陰極室120に隔てられ、この両室をバイパスする流路2を備える。陽極室110及び陰極室120には、それぞれ陽極111及び陰極121が第1電解槽100の内面に触れないように配置される。また、第1電解槽100の陰極室120から第2電解槽200の陽極室210へ処理原水が流れる流路3が配置される。
【0027】
処理原水は、流路1からこの排水処理装置に流入し、流路9から外部に放出される。より詳細には、処理原水は、流路1から第1電解槽100の陽極室110に流入し、流路2を介して第1電解槽100の陽極室110から陰極室120へ、流路3を介して第1電解槽100の陰極室120から第2電解槽200の陽極室へ、流路4を介して第2電解槽200の陽極室210から陰極室220へ、流路5を介して第2電解槽の陰極室220から第3電解槽300の陽極室310へ、流路6を介して第3電解槽300の陽極室310から陰極室320へ、流路7を介して第3電解槽300の陰極室320から第4電解槽400の陽極室410へ、流路8を介して第4電解槽400の陽極室410から陰極室420へと流れ、流路9を介して排水処理装置の外に放流される。
【0028】
また、電源10は直流電源であり、その正極は、配線11を介して第1電解槽100の陽極111に接続される。そして、第1電解槽100の陰極121は、配線12を介して第2電解槽200の陽極211と接続され、以下同様に、配線13を介して第2電解槽200の陰極221と第3電解槽300の陽極311が接続され、配線14を介して第3電解槽300の陰極321と第4電解槽400の陽極411が接続される。電源10の負極は、配線15を介して第4電解槽400の陰極421に接続される。このようにして、本発明の第1の実施の形態における排水処理装置は、系全体を通して電気的に直列に配列されることにより、系全体に一定の直流電流を流し、カスケード状に配列された各電解槽において同様な電解酸化を行うことによって、CODやT−Nを効率的に除去することができる。
【0029】
第1電解槽100の陽極111及び陰極121は、白金メッキのチタン電極が好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、鉄材などで作られた電極などでもよい。隔膜130は、通常、有機性もしくは無機性の多孔質膜が用いられるが、これに限定するものではない。この隔膜130は、処理原水中のイオンについては陽極室110と陰極室120の間を通すが、各電極室で発生するガスについては通さないものである。このため、従来問題となっていた陰極における競争反応を防止することができる。
【0030】
本第1の実施の形態における排水処理装置では、電解酸化による排水処理中、陽極から主として酸素及び塩素(次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン)が発生し、CODなどの有機物や窒素化合物が酸化される。また、陰極では、主に水素が発生し、硝酸イオンが還元される。
【0031】
なお、流路1〜9の途中には、図示しないがポンプなどの流量を調整するための装置が含まれてもよく、この場合、間欠運転をすることにより、CODなどを一層効率的に除去することができる。また、その代わりに、例えば、第1電解槽から第4電解槽に自然に流れるように、各電解槽を鉛直位置において段々に配置してもよく、この場合には、各流路の途中に逆止弁などを配置して逆流を防ぐとともに、各電解槽に流れ込む処理原水の流量を調整してもよい。
【0032】
図2は、陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中にタンクを配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。なお、図1の排水処理装置と異なる点のみを説明し、その他の説明は省略する。この図2に示される排水処理装置は、各電解槽100、200、300、及び400の陽極室と陰極室をバイパスする流路2、4、6、及び8の途中に、タンク140、240、340、及び440を配置することにより、陽極室から流れ出た処理原水を一時貯蔵することができる。このタンクに処理原水を一時貯蔵することにより、各電極槽における電解酸化の反応時間を十分に確保することができ、処理原水の酸化を十分に行うことができる。また、陽極室において添加された次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが陰極室に流入するのを極力少なくすることができ、これにより系全体の電解損失を低減することができる。
【0033】
図3は、陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中に触媒槽を配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。この図3の排水処理装置は、図3に示されるものとほとんど同じであるが、電解酸化の反応時間を確保するためのタンクに代えて、電解酸化を促進するための触媒を充填した触媒槽140、240、340、及び440を配列している点が異なる。
【0034】
この実施の形態における酸化を促進する触媒としては、特開平7−68277号公報や特開平7−163987号公報などに示されるような、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガン等が用いられる。二酸化マンガン(MnO2)は、有機物などを酸化分解すると、酸化マンガン(MnO)に還元されるが、次亜塩素酸と反応することにより、酸化されて再び二酸化マンガンに戻り、酸化力を発揮する。このように、触媒槽140、240、340、及び440においても二酸化マンガンなどにより有機物等が酸化されるので、排水処理系全体として、一層酸化効果を促進することができる。
【0035】
図4は、本発明における最後の電解槽400の出口にセンサ500を設けた排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。この図4の排水処理装置は、図3に示される排水処理装置とほとんど同じであるが、直列に配列された電解槽の最後の電解槽400の出口にあたる流路9の途中にセンサ500を設けている点が異なる。
【0036】
このセンサ500は、COD若しくはT−Nの濃度を検知するためのものであり、排水処理装置の出口におけるCODなどの濃度を計測して、その値に基づいて電源10から系全体に流れる電流値を制御するものである。例えば、センサ500に所定の濃度値を設定しておき、その値よりも出口濃度が大きい場合、PID制御などにより電源10から流れる電流値を少し高めに設定変更する。逆の場合、すなわち、出口濃度が設定値よりも小さい場合には、電源10から流れる電流値を少し低めに設定変更する。このように排水処理装置の出口でCODなどの濃度を計測して、その値に基づいて系全体を流れる電流値を制御することにより、無駄に電流を消費することなく、有機物などを除去することができ、排水処理装置の効率的な運転が可能である。
【0037】
なお、本実施の形態では、図1〜図4において4つの電解槽がカスケード状に配列される排水処理装置に基づいて説明をしたが、これに限定するものではなく、電解槽をいくつ用いた排水処理装置においても本発明と同様の効果が得られる。ただし、電解槽が1つの場合には、本発明のように効率的にCODやT−Nを処理することが難しいであろう。
【0038】
以上のように、本第1の実施の形態における排水処理装置は、陽極、陰極、及び隔膜と、陽極室と陰極室を連通する流路とを備える電解槽を複数用意し、それらを用いてカスケード状に排水を処理するとともに、各電解槽の電極を系全体で直列に配列して電解酸化を行うこととした。したがって、本実施の形態の排水処理装置によって、電極における副反応による損失を抑えられるとともに、排水処理装置の出口濃度を従来の単槽型よりも低くすることができる。
【0039】
また、各電解槽において反応時間を確保するためにインチング運転を行い、あるいは流路の途中にタンクや触媒槽を配置することにより、電解酸化反応を一層促進することができる。さらに、排水処理装置の出口においてCOD若しくはT−Nの濃度を計測して、その計測値に基づいて系全体に流れる電流値を制御することにより、電流効率を向上することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
図5を参照して、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。図5は、本発明における電解槽の電極を電源に対して並列に配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。この図5において、本発明の第2の実施の形態における排水処理装置は、3つの電解槽100、200、及び300と、各電解槽に電流を供給する電源10、20、及び30と、各電解槽出口におけるCOD若しくはT−Nの濃度を計測するセンサ501、502、及び503とを備える。各電解槽100〜300は、隔膜130、230、及び330によって、陽極111、211、及び311を含む陽極室110、210、及び310と、陰極121、221、及び321を含む陰極室120、220、及び320とに隔てられる。なお、第1の実施の形態における図1〜図4と同一の構成要素には同一の符号を付し、ここでは重複を避けるために説明を省略する。
【0041】
上記第1の実施の形態と異なる点は、各電解槽100、200、及び300に対して電源10、20、及び30がそれぞれ設けられるとともに、各電解槽の出口流路3、5、及び7にそれぞれセンサ501、502、及び503が配置されることである。なお、図5において図1〜図4と異なり電解槽を3つとしているが、図示の問題であって4槽と3槽とに本質的な違いはなく、複数の電解槽を用いることが重要である。
【0042】
処理原水は、第1の実施の形態と同様に、予め次亜塩素酸などの塩素系酸化剤や過酸化水素水などの酸化剤を添加され、流路1からこの排水処理装置に流入し、流路7から外部に放出される。より詳細には、処理原水は、流路1から第1電解槽100の陽極室110に流入し、流路2を介して第1電解槽100の陽極室110から陰極室120へ、流路3を介して第1電解槽100の陰極室120から第2電解槽200の陽極室へ、流路4を介して第2電解槽200の陽極室210から陰極室220へ、流路5を介して第2電解槽の陰極室220から第3電解槽300の陽極室310へ、流路6を介して第3電解槽300の陽極室310から陰極室320へ、流路7を介して排水処理装置の外に放流される。すなわち、処理原水の流れは、各電解槽に対して直列である。
【0043】
それに対して、各電解槽にそれぞれ電源が配置されているので、電流は並列的である。すなわち、第1電解槽では、陽極111と陰極121とが電源10に接続され、第2電解槽では、陽極211と陰極221とが電源20に接続され、第3電解槽では、陽極311と陰極321とが電源30に接続される。なお、この図5において、図示の容易さのために、各電解槽に電源を配置して示したが、電源は1つで各電解槽の電極に対して並列に接続される構成としてもよい。
【0044】
第1電解槽100で電解酸化を行った処理原水は、その出口である流路3の途中においてセンサ501によってCOD又はT−Nの濃度を測定される。このセンサ501の測定値に基づいて、電源10から供給する電流値を制御する。同様に、第2電解槽200及び第3電解槽300においても電解酸化が行われるとともに、その出口においてCODなどの濃度が測定され、その測定値に基づいて電源20及び30から供給される電流値が制御される。
【0045】
COD又はT−Nの濃度は、各電解槽出口で予め決められた所定の値に対して大小を判断され、所定の設定値よりも測定値の方が大きい場合には、電源10から供給される電流値を上げ、その逆の場合には、電流値を下げる。このようにして、最終的に、センサ503で測定されたCOD又はT−Nの濃度が排水処理装置の出口濃度となる。従って、設定値は、センサ501が一番高く、次いでセンサ502、センサ503の順となる。なお、流路1〜第1電解槽100に流入する処理原水のCOD又はT−N濃度によっては、各センサの濃度設定値を変更しなければならない。各センサの設定値は一定の比率で決められる方が良い。なぜならば、処理原水における濃度が高い場合、第1電解槽100での処理に相当の負荷がかかり、電源10から供給される電流値のみが他の電源から供給される電流値よりも非常に高くなるために、系全体として電流損失が大きくなるからである。
【0046】
なお、図5においてはすべての電解槽の大きさが等しく示されているが、各センサの設定値や処理原水のCOD又はT−N濃度などに応じて、各電解槽の大きさも所定の割合で徐々に小さくした方がよい。このように電解槽の大きさを小さくすることによって、電解槽内のCODなどの濃度が小さくなったときにも十分に電解酸化を行うことができる。
【0047】
以上のように、本第2の実施の形態における排水処理装置は、陽極、陰極、及び隔膜と、陽極室と陰極室を連通する流路とを備える電解槽を複数用意し、それらを用いてカスケード状に排水を処理するとともに、電解槽毎に所定のCOD又はT−N濃度となるように電源から供給される電流値を制御して電解酸化を行うこととした。したがって、本実施の形態の排水処理装置によって、単槽型と比較してCOD又はT−Nの出口濃度を低くできるとともに、次亜塩素酸などの酸化剤を効率的に使用することができ、系全体の電流効率を向上することができる。
【0048】
ここで、図6を参照して、各電解槽に備えることが可能な構成要素について説明する。図6は、本発明の排水処理装置の構成の改良例である。なお、図の簡単のために、第1電解槽のみを用いて説明する。この図6において、本発明の改良例の排水処理装置は、上記構成以外に、気液接触手段600及び燃料電池700を備える。
【0049】
前述したように、電解酸化の処理中、陽極室110では、主に、塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンなどの塩素系の気体と、酸素が発生する。発生した気体は、排気管21を介して、気体吸収手段600に導入され、配管20を介して先に添加されたアルカリ剤(塩素系の気体の量次第では添加しない場合もある)と反応することにより塩素系の気体は処理原水内に溶け込む。しかし、液体への溶解度(溶解率)が低い酸素は、排気管23を介して燃料電池700に供給される。
【0050】
また、陰極121で発生した水素は、配管22を介して、燃料電池700に供給される。燃料電池700は、水素などを燃焼させることにより発生した熱を、例えば、ガスタービンや蒸気タービンなどを電気エネルギーに変換するための装置であり、排気管23及び配管22から供給される水素及び空気を混合して燃焼し、熱エネルギーを電気エネルギーとして回収する。この燃料電池700における燃焼後の排気ガス(主に、水素と酸素が燃焼するので、水(H2O)である)は、排気管25を介して外部に排気される。このとき、必要に応じて、配管24から空気を供給する。
【0051】
燃料電池700は、配線16を介して電源10に接続され、燃料電池700において電気エネルギーとして回収されたエネルギーは、この配線16を介して電源10に供給される。このエネルギーは、電解酸化処理に利用される。
【0052】
このように、本発明における図6の排水処理装置では、陽極室110から発生する酸素を燃料電池700の酸化剤として有効に活用するとともに、陰極12で発生する水素を燃料として燃料電池50に供給し、その燃料電池50で発電した電気エネルギーを電源10に供給する構成としたので、電解酸化処理における系全体の電流効率を更に向上することができる。
【0053】
なお、気体吸収手段600及び燃料電池700を各電解槽に設置するか、排気ガスの配管を集合させて、1つの気体吸収手段600及び一つの燃料電池700とするかは設計事項であるので、図示及びその説明を省略する。複数の気体吸収手段600を用いる場合、可能であれば、気液接触する処理原水は、流路1のもの方が効率的であろう。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電極における副反応による損失を抑えて効率良く排水を処理できるとともに、単槽型と比較して排水処理装置出口におけるCODなどの濃度を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複数の電解槽の電極を直列に配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図2】陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中にタンクを配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図3】陽極室と陰極室をバイパスする各流路の途中に触媒槽を配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図4】本発明における最後の電解槽の出口にセンサを設けた排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図5】本発明における電解槽の電極を電源に対して並列に配列した排水処理装置の一実施の形態を示すフロー図である。
【図6】
本発明の排水処理装置の構成の改良例を示す構成図である。
【符号の説明】
10,20,30 電源
100,200,300,400 電解槽
110,210,310,410 陽極室
111,211,311,411 陽極
120,220,320,420 陰極室
121,221,321,421 陰極
130,230,330,430 隔膜
140,240,340,440 タンク,触媒槽
500,501,502,503 センサ
Claims (15)
- 各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、
前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、
前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、
前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、
前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、1つの電解槽の陽極が該直列に配置された隣の電解槽の陰極と接続されるように前記電源に対して電気的に直列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする排水処理装置。 - 前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するためのタンクを更に備えることを特徴とする請求項1記載の排水処理装置。
- 前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するための、触媒を充填された触媒槽を更に備えることを特徴とする請求項1記載の排水処理装置。
- 前記触媒は、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガンであることを特徴とする請求項3記載の排水処理装置。
- 前記直列に配列された少なくとも2つの電解槽の最後の電解槽出口において、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを更に備え、
前記センサの出力に応じて、前記電源から供給する電流値を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の排水処理装置。 - 各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽と、
前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極室と陰極室とを連通する、前記電解槽の数と等しい数の第1の流路と、
前記少なくとも2つの電解槽間を連通する、前記電解槽の数よりも1つ少ない第2の流路と、
前記少なくとも2つの電解槽に電流を供給する電源とを備え、
前記少なくとも2つの電解槽は、処理原水の水流に対して直列に配置されるとともに、前記電源に対して電気的に並列に配列され、すべての電解槽内に電流が流れることを特徴とする排水処理装置。 - 前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するためのタンクを更に備えることを特徴とする請求項6記載の排水処理装置。
- 前記第1の流路中に、処理原水を一時貯蔵するための、触媒を充填された触媒槽を更に備えることを特徴とする請求項6記載の排水処理装置。
- 前記触媒は、二酸化マンガンあるいはパラジウム担持二酸化マンガンであることを特徴とする請求項8記載の排水処理装置。
- 前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれ又は最後の槽出口には、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを更に備えられることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の排水処理装置。
- 各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽を供給する段階と、
各電解槽の陽極室と陰極室をバイパスする流路を供給する段階と、
前記少なくとも2つの電解槽を処理原水の流れに対して直列に配置し、各電解槽の間を連通する段階と、
原水の処理中、前記直列に配置された電解槽の一端の陽極と他端の陰極とを電気的に接続するとともに、その途中に電源を配置して、処理系全体に直流電流を供給する段階と、
を有することを特徴とする排水処理方法。 - 前記直列に配列された少なくとも2つの電解槽の最後の電解槽出口に、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを供給する段階と、
前記センサの出力に応じて、前記電源から前記電解槽の電極に供給する電流値を制御する段階と、
を更に有することを特徴とする請求項11記載の排水処理方法。 - 各電解槽が、陽極と、陰極と、該電解槽を陽極室と陰極室とに分ける隔膜とを含む、少なくとも2つの電解槽を供給する段階と、
各電解槽の陽極室と陰極室をバイパスする流路を供給する段階と、
前記少なくとも2つの電解槽を処理原水の流れに対して直列に配置し、各電解槽の間を連通する段階と、
原水の処理中、前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの陽極と陰極とを電気的に接続するとともに、その途中に電源を配置して、すべての電解槽にそれぞれ所定の直流電流を供給する段階と、
を有することを特徴とする排水処理方法。 - 前記電源は、前記各電解槽の電極に対して電気的に並列に配置されることを特徴とする請求項13記載の排水処理方法。
- 前記少なくとも2つの電解槽のそれぞれの槽出口に、COD又はT−Nの濃度を検出するセンサを供給する段階と、
前記センサの出力に応じて、前記電源からそれぞれの電解槽の電極に供給する電流値を制御する段階と、
を更に有することを特徴とする請求項14又は15記載の排水処理方法。
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JP2008516762A (ja) * | 2004-10-18 | 2008-05-22 | インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ | 電気化学的酸化のために改善されたcod除去法 |
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2002
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